○永岡光治君
郵政当局にお尋ねいたしますが、この
委員会にも資料が配られて参りました案件の問題についてでありますが、秋田県の土崎の将軍野郵便局長の暴
力事件についてであります。この報告によりましても明らかなように、局長が局員に対しまして暴行を行なっている、暴力をふるっているという事件でありますが、実は、この内容について、きょうここで細部にわたっての
質疑をするつもりはございません。また、この問題についての、なぜこういう事件が起こったかという、よって来たる原因についての追及も、実は私の追及したい目的でありますが、それもしかし、時間の
関係上、きょうはできないのでありまして、機会をあらためまして、これをただして参りたいと思うのでありますが、ただ、言、えることは、将軍野郵便局長の経歴を資料によって見ましても、前局長の長男だそうでありまして、しかも、経歴を見ますと、郵便局を出たり入ったりというような状況でありまして、どうもこの局長に任命する場合における
調査そのものが、必ずしも適正なものではなかったというように私は
考えられるわけでありますが、ひとりこのことだけではありません。栃木県で起きた事件と承っておりますが、吉展ちゃんの犯人をわしは知っているという局長さんが、酒席のことであったでありましょうが、そういう非常識な行動に出てみたり、あるいはまた、山口県、香川県、聞くところによれば、全国にも非常に局長らしくない態度をとっている幾つかの事件を私ども
承知をいたしているのであります。
そこで、一体なぜこういうようなことになるのかという、そのよって来たる原因をただしたいのでありますが、これは私は、多くのこういう事件を起こしている、あるいはまた部内の犯罪を起こしている局長の場合を
調査してみますると、局長の世襲というような、そういうことから起きている場合が非常に多いようであります。これは、とりもなおさず、公器である郵便局を私有財産のごとく認識を誤って、その心のゆるみと申しますか、そういうことが横暴になったり、あるいは非常識な行動をとる、それが
国民の皆さんに対して、事業の威信を傷つけたり、信頼をなくしていく、こういう結果になっていろようでありますので、私は、そういう意味から、特に
郵政大臣に十分ひとつ検討していただき、反省を求めなければならぬと思うのでありますが、これは、
特定局長任用制度にやはり根本的な欠陥があろうかと思うのであります。
最近、近い中に、
特定郵便局長の定年退職もあるようでありますが、その後任は、局員でない局長の息子を再び、部内者を差しおいて、部外から入れる、そういう傾向が非常に強くなっているケースを私はしばしば耳にするのであります。あなたの部下の職員は、必ずやあなたを信頼しておるし、あなたもまた、その職員を信頼していると思うのでありますが、局長にもなれないような職員はないはずであると私はかたく信じているのであります。しかも、
特定局という特別の職場にありますと、その昇進の道と申しますか、ごく限られておりまして、多年
郵政事業に貢献をいたしまして、唯一の希望に局長の道を求めておるその人を差しおいて、局長の息子であり、親戚であるということで、部外者から持ってくる、こういうケースは、まことにこれは好ましくないものだと私は思うのであります。部内に適材がないというなら別でありますが、ある限りにおいては、やはりこれは、その局員の局長への就任というものを認めるべきである。このことがなされないから、
郵政事業に対する希望も失い、往々にして事業の能率も上がらないという結果に相なろうかと私は憂えているのでありますが、たまたま、今この事件が起きているのでありまして、これをひとつ十分反省の材料にしていただきまして、ただいま申し上げました
特定局制度そのものの、任用制度そのものの根本にこれは触れる問題と思うのでありますから、今までの問題の反省なり、将来の
特定局長任用の問題について、万全の措置を講じて、慎重な態度で臨んでもらいたい。このことが、私の大臣に対する答弁を求める第一の問題であります。
それから第二は、先ほど申し上げましたように、この
委員会では深く掘り下げる余裕もありませんので、あらためてその機を得たいと思うのでありますが、このような数多くの事件が全国にあるはずであります。その事件についての資料を、当
委員会にひとつ御
提出をいただきまして、それに基づきまして、私ども次の機会に
審査をいたしたい、審議をいたしたい、このように
考えておりますので、この二点についての大臣の所見を承りたいと思うのであります。