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国務大臣(
田中角榮君) ただいまのような御
質問の趣旨に沿って今度の
改正案を出しておりまして、
電力債の
運用をやろうと、こういうことであります。これを長期にやるとか、無制限に
郵政大臣にまかすべきだという議論は、私もかつてやったことがございますし、その議論は十分わかりますが、これは、先ほど申しましたとおり、
資金運用部資金の中の原資であるという
一つの制約があるわけでありまして、これとのバランスの問題でありますので、今度
改正案をお願いいたしておりますのが、現時点においては最も合理的なものであるというふうに
考えております。
それから、先ほどから御
意見がございましたように、
簡保の
利回りをもっとよくしなければならぬということは十分わかりますが、私もこの問題に対しては深刻に検討したのでありますが、
民保が八分九厘、三十六年、であって、
簡保が六分二厘六毛である、
民保にさや寄せすべきだということは、理論的に、また現実問題として
考えられますが、一体、世界的な情勢を見、貿易為替の
自由化を前にして、その金利政策というものはどうなっていくのだ、しかも
社会資本、特に
資金運用部資金原資というものに対して一体コストを上げていけるような状態にあるのかということを
考えますと、これは時期的に
考えますと、
簡保のほうを
民保にさや寄せをしていくよりも、
民保のほうが
簡保のほうにさや寄せをしてこなければならないような状態であります。これはもう、好ましいことではありませんが、いずれにしてもそういうような時代でありますので、
簡保に対しては、現在これは
大蔵、
郵政両省でお互いに
考えて、この程度はひとつどうしても
運用をしなければならないということを私は感じて
改正案をお願いをしておるわけでございます。おっしゃることは非常によくわかります。将来の問題として十分検討しなければならないということもわかりますが、そのときにはひとつ、絶えず
資金運用部資金に対するウエートというものも
考えて、そのワク内において、可能な財源内において、具体的な合理化をはかるべきだということをひとつお
考え願いたいと思います。
国民
年金に対しては、厚生省が半分とか一部を
運用するというような要求は全然ありません。これは何かのお間違いだと思うのですが、これは私も一時は、
資金を集めるほうに集めさせてばかりおって、
大蔵省は使うほうだ、こういうことは不当じゃないかというふうに
考えておったのですが、ほんとうに端的な
考え方はそういう
考え方でありますが、これは政府でありまして、政府というものが国民生活を守るために、ある人は外勤、ある人は経理、また会計をやる、またある人は、というように、やはり部署を分けてやっておるのでございまして、国民に対する
最終責任は政府なのでありますので、私は、感情の上でも、また
歴史の上でも、いろいろなことはよくわかりますが、これは、
運用やその他いろいろな問題をやる
過程において、
郵政、
大蔵両省が十分話し合いをし、特に集める人の苦労というものを
大蔵省が
考えないでいつでもやるようなことではいかぬということで、ずっと私
大蔵省に参りましてからもこの点の話をしておるわけでございますが、
大蔵省は、
大臣に言われなくても、私のほうも、集めていただかなければ原資がふえないのでありますから、当然
考えておりますと一また、どの程度
考えておるかと、じっと見ておりましたらば、皆さんがお
考えになるよりも、それはもう、積極的に集めていただく方々の気持になって努力をしておるということは事実認めていただきたいと思います。