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鈴木強君 これは、もう少し私は根本的な問題がひそんでいると思うのですよ。ちょうど
電電公社の余裕金の
運用について、今
電電公社法によって国庫預託の
制度があるのですが、こういうことについて、実は昭和三十四年、当時の佐藤
大蔵大臣と私は
予算委員会で
質疑をいたしました。その結果、なるほどその当時はたしか二十億は無利子であった。あと日歩八厘の、安い、非常に低利の利息をつけて
電電公社の余裕金を国庫に預託さしておる。そういう運営については、一体、
電電公社にしては、その
資金の効率的な
運用を当事者が行なうのは当然なことではないか。こういう思想から、このやり方については再検討を加える必要があるのじゃないかということをいろいろ論議しました結果、佐藤榮作氏も率直に認めてくれまして、検討しようということになったのです。そうして、当時の大蔵省の理財局を中心にして、私も何回か真剣に
折衝をしました。そういうような中で、昭和三十七年ですか――例の三十四年この基金がちょうど
郵政大臣の承認を得て積み立てが認められる時期ときびすをくしくも同じくしているのですよ、これは。それは、要するに、われわれが国会でいろいろその今の余裕金の
運用に対する不合理を追及して、何とか効率的な運営をはかるために、これは
郵政大臣がある
程度銀行を指定してもよろしいから、有利、確実、安全な銀行に
公社の余裕金というものは預託をして、当時約二百億ある余裕金については、その中から利潤を得て、たとえ
電話を五十でも百でもふやしていくということはいいことではないか、こういうことでいろいろやりました結果、なるほどということになって、検討を加えた時期なんですよ、これは。そこで
政府は、やっと、この減債基金というような、格好はどうか、ちょっとおかしいですけれ
ども、そういうふうなものをちょっとあてがって、そうしてそれで目標をそらしていく姿が出てきた。その後さらにわれわれは追及をして、御承知のとおり、昨年ですか、国債の取得は認めるということで出て参りましたが、われわれは、そんな不完全な、こそく的な
措置では納得できないということで、
お話はたしかありましたけれ
ども、植竹さんでしたか小金さんでしたか、その当時の
郵政大臣からも私は話を聞きましたけれ
ども、私たちはそんなことで納得できないということで、私は反対しました。その結果、国鉄のほうはすでに国債の取得は認められているのですけれ
ども、電電のほうはそのこともまだやられていない。それで、今でも基本的な私は預託金
制度というものに対する改革をこの
委員会としても叫んできているわけですよ。そういう
一つの流れる思想がこの中にある。明らかにある。昨年の閣議の際にも、私は、そういう過去の二転三転する
情勢の中でこの
調整資金というものが出てきたことはこれは明らかだ。-だから、どうも何かこの、すりかえられすりかえられてしまって、今度は
需給調整資金という格好に出てきたのだと僕は判断せざるを得ない。
これは、大臣ね、現在の
公社の預託
制度というのはですね、余裕金の
運用というのは、不合理があるのですよ、これは。そういうものを根本的に
考えつつやらなきゃならぬ。だから、せっかく、減債基金という
制度が
電電債の
所有者の
保護のためにやっぱりこれは認められた
制度なんだから、そういうものがもう必要がないとか、あるいは、それからこの
調整資金のほうに、こういう理由でもって切りかえたんだ……。あれだけ局長は、将来もこの
資金というものはやっぱり必要なんだと、金が出てくればぜひ積み立てたい、これは
郵政大臣の承認を得ればできるということですから、そういうことは
公社のほうで
考えているようですけれ
ども、実際には、そういう
考えがあるにかかわらず、わずか、二十億の、四十億積、み立てた中から半分の金が、建設
資金のほうへここから取りくずしていくということは、もともとお
考えになった思想というのがくずれた結果になってきておる。何のために、四十億を積んで
償還に万全を期すということを国民に約束しておるか。それが、途中から、金が足りないから建設
資金にするなんということは、これは手品使うようなことで、四十億あったものがいつの間にか二十億になってしまった。
公社が健全な経営をして、倒れるとかなんということはないが、しかし思想というのはそういう思想なんですから、それを貫いていく。もしそれを、こういうふうな方向にして切りかえていくというなら、切りかえるという方向をちゃんと国民に示さなければならぬ。それを国会を通して明確にわれわれに理解できれば――私は何も減債基金を取りくずした、こういうことにしたからといって反対しようとするわけじゃないのですね。理解と納得のできる
郵政省の答弁を得ればいいわけです。そういう意味で聞いているのですから。
私は一番よくやってきましたから、またくどく言うのですよ。私は真剣にやってきた、この問題については。またあの野郎は言い出したかと。私は真剣にやりました。対大蔵省
折衝。これは与党の皆さんだって反対はないですよ。お互いに公共企業体というものの存立の
価値を
考え、今日需要供給のとれない段階において、少しでも建設
資金がほしい、そのときに、
資金の効率的な運営をするのは僕は当然だと思う。そういう思想でわれわれは今までやってきているのですから、それが何か、こういうものにすりかえられるということになったら、私は納得できないのですよ。だから、そういう思想がまだ残っているのだ。大臣は、そういうことはこれからもはっきりやる、したがって、当面、この
電電債の
需給調整のためにこういう
制度を作って、なおかつ
法律によって、出していただく、
電電債を買っていただく
加入者の方にはこういう
保護立法をやるというふうなことならわかるけれ
ども、何かすりかえてしまうような気がするものですから、私は執念深く聞いているのです。