○
鈴木壽君 これは、あなたにこういうことを聞いてもわからぬと言われればそれまでですが、いずれあとで企画庁の長官なり、あなたのほうの大臣にも来ていただきますが、政府のいわゆる物価政策として
公共料金は引き上げることまかりならぬ、こういうのであれば、またそれはそれなりに、これは問題の
解決の方向は、それなりに出てくると思う。それから、上げなければならぬけれども問題があるからというようなことなのか、そこらがどうもはっきりしないことなんで、私は端的に、今もあなたがおっしゃったように、料金認可の権限は運輸大臣にありますから、運輸大臣は上げなければならぬというふうに認めているけれども、しかし、今言ったような政府の物価政策、
公共料金の引き上げをしないという、こういう
原則から、もう一歩も出られないのだというような立場で、政府全体としていわゆるストップをかけているのか、そこら辺を私ちょっと、もう少し聞きたいわけなんで、あなたは、さっき民営と都営、まあ東京都の場合でいうと民営と都営との間の
経済性の問題とか、いろいろあるようであります。原価は割っているのだから、何とか引き上げなければならぬじゃないかとは考えておるけれども、しかし、一方にそういう問題がある、こういうことも言っておられるのですからね。単にそういう点だけであるのかどうか、そこら辺どうも私ども理解ができないと思うのです。さっきも言ったように、私は何も上げろとか上げるべきでないとかいう前提をもって、少なくとも今あなたに聞いているのじゃなくて、いったい
状況はどうなのだ、こういうことで聞いておるわけなんでありますが、これがはっきりしないと、都市交通なんかのいわゆる
赤字の問題は、この前にも出ましたし、さっき
秋山さんと奥野さんとの間のいろいろな
質疑の中にも出ましたように、これは単に
赤字を解消して
再建をしていくのだとか、
独立採算がどうだとか、
公共性がどうだとかいったって問題は
解決しないのですよ。ほんとうに
公共性に徹して、今言ったように、しかも一方には国の物価政策というような点から
公共料金の引き上げはもう一切まかりならぬ。こういう中で、なおかつ、そこに
赤字があるという場合にいったいどうするのか。これは答えは案外簡単に出てくるのですよ。そこら辺が私ども、実は問題が問題であり、いろいろ各方面から
病院なりあるいは都市交通の問題等、いわゆる
公営企業のこういう
赤字問題が大きくなっているときだけに、これははっきりしなければならぬ段階に来ておるのですよ。そういう意味で、料金の引き上げ改定についての申請を
——もうことしは三十八年ですから、東京都から三十六年に出ているので、もう二年もほったらかされている。あるいはその他の四大都市からも出ておるのでありますが、そういうものが何らの見通しといいますか、あるいは確たる方針がないままに、こういうことになっているということは、私はおかしいと思うのです。しかも問題の
解決に何ら方向を見出だすことができないという、こういうことになってくると思うのですから、そういう意味でお聞きしているのですが、事務的にはあれですか、
坪井さん、一応あなた方としては原価計算の上からすれば、現在のところはいわば採算割れするような料金だ、しかし、他の民営との
関係からいって何といいますか、
経済性といいますか、そういうところには多少問題があるようだから、こういう問題は少し検討さしてもらいたいと思って、まだはっきりした
態度をきめかねておる、こういうことなんですか、事務的なあなた方の段階でのお話をひとつお伺いしたいと思う。