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政府委員(
藤井貞夫君) 私、
災害対策基本法の立案に参画をいたしました者といたしまして、その限度で一応お答えを申し上げたいと思います。
百一条にございまする
災害対策基金でございますが、これは立案の過程におきましては、
災害対策基本法が
災害対策についての基本的な法制であるということから、あらゆる
災害対策
関係を全部網羅して、他の
法律等に書いてあることもその基礎はここに求めるように組み立てをしていこうということに相なりました経緯から、この
災害対策基金につきましても、ここに一条
規定を置いたわけでございます。ところが、この
規定自身は、さらに今後新しく別の
法律をさっそくに作って
災害対策基金という
制度を新しく起こそうということを、この立法の当時ははっきりと予定をしたというものではございません。先刻申しましたこの
法律の建前上から、全部にわたってこれを網羅していくという建前をとりました。したがいまして、現在ございまする
災害救助法上の
災害救助基金、あるいは
地方財政法あるいは地方自治法上の積立金、そういったようなものにこの基本法との
関係をどういうふうにつけるかということで、この橋渡しの
規定ということになっておるわけでございます。したがって、百一条がございますといたしましても、直ちにこれに基づきまして
災害対策基金というものを新しく積み立てなければならぬということにはなって参らない。「別に法令で定めるところにより、」ということで、
現行法というものをここに橋渡しをするという意図を持ったものでございます。立法の過程におきましては、まさしくそのとおりであったように私は承知をいたしておるわけであります。ただ、そうかといって、今
鈴木委員が
お話しになりましたような意図を、この
条文によって全然盛り込み得ないかと申しますと、それは私はそうじゃないと思います。「別に法令で定めるところにより、」というのでありますからして、これは、この基本法ができた際に現存をした法体系だけでなくして、今後の立法措置によって出てくるものも当然あり得るわけであります。それをどういうふうな
内容を盛っていくかということは、これは今後の問題であり、今後の
研究課題であるというふうに
考えるのであります。それの一環といたしまして、先刻来話題になっておりまするような公務
災害補償的なもの、あるいはその他の
災害補償的なものというようなものについての要するに救済措置を、これらの
災害対策基金の名においてこれを運用していく。その足がかりをここに求めていくということは、私は
法律上も不可能なことではないというふうに
考えております。ただ、その点については、各省
関係に非常に関連の多い問題でございますので、私がここで、今後こう持っていくとかいうことを申し上げることは、これは僭越でございますので、差し控えたいと思います。しかし、この問題はやはり
研究課題としてわれわれの前途にあるということは、これは事実でございまして、いずれは、それらの問題を中心といたしまして
関係各省とも連絡をとり、各省協議をいたしまして問題の解決に当って参らなければならず、そういう時期が来るのではないかとは
考えておる次第でございます。