○
野溝勝君 時間的に制約されておりますので、私は残念でございますが、あとまとめて
質問をいたしたいと思います。
総理の、お互い謙虚な姿勢をもってやるということはけっこうでございます。昨日ですか一昨日ですか、
閣議におきましても、通商航海条約の問題について非常に心配をされておる発言をしておられたということを紙上で見ました。そのときの最後の腹がまえが、
総理の今言われたような
お答えにまとまったようでございます。
しかし、私は
一つ心配いたしています。それは五百六十八億ですか、そういう膨大な
外貨債を発行しなければならぬというときでございます。
わが国の今の
財政経済事情として、こういう
外貨債の発行という弱みと申しましょうか、こういうときには、えてして、通商航海条約でいう相互の最恵国待遇の精神と逆に、実際面は相手国の有利に、
日本の不利という結果がもたらされる心配があるのです。私はこういう点について今申しておるのです。この問題については、いずれ機会を得て、また
総理にお伺いすることにいたします。
最後にお伺いしたいことは、
自由化とこれに対応する
日本産業の
体制等の再検討についてでございます。私は、先ほど前段において申し上げましたとおり、
政府は
自由化に対応するためにいろいろの手を打とうとしておりますけれども、業界そのものが今のような
状態では、はなはだ失礼でございますが、
政府の
政策などではとても所期の目標に向って軌道に乗せることはむずかしいと私は思うのでございます。この点は
総理ももう経験を持っておられるわけで、高度
経済の成長の見通しなどについても、成長率については修正しなければならないようなことになっておるのではございませんか。
総理みずからやはり再検討されておると思う。
経済の指標が狂ってくるといっても、相手のある仕事でございます。いわんや国際的な問題はなかなかむずかしい。社会党が政権をとってみたって、こういう問題はそう簡単にはいかぬと私は思う。その点はよく私どもはわかっています。けれども、あまりにどうも違い過ぎるということは、私はどうかと思う。そこで、この
政府の
政策が裏づけされるようになるには、
産業、金融、証券等各界全体が反省しなければならぬと思う。
たとえば金融面を見てみると、正常化といっておりますが、コール・レートを
中心にして動くような今の金融界の動きというものは、不正常もはなはだしいものと思う。資金というものはこんな動きをするのでなく、もっと
産業界の生産
向上のほうに流れるよう、金融界を指導していかなければならぬと
考えております。私は前々から申しておりましたが、最近信用組合、監督官庁は都道府県だというんでございますが、こういうものも、中央
政府の方針と違った動きをしている。あるいはそれが無軌道的に動くとすれば、金融機関がこういうことでは常に問題をかもす。将来にわたって問題がたえない。そこで、私は再参これを指摘し、金融界における混乱になるぞということを念を押しておきました。はたせるかなホテルとかゴルフ場を持っているという伴
理事長ですか、その昼夜信用組合のようなことが出てきた。かわいそうに、児童の子供預金の七百万円をふいにしてしまった。
大蔵大臣は、監督官庁が都道府県にあることはよろしくないから、今度はこれを
大蔵省に移そうという
意見を新聞に出しておられたのでございます。私は当然そうすべきで、けっこうだと思う。金融界のことですから、むずかしいところですが、私は、
財政経済に通じている
総理のときに、かようなものはきちんと整理してもらいたいと思う。これは
一つの例でございます。
さらに金融界全般を見て強く感じるところですが、金融界はどうですか。市中銀行あり、相互銀行あり、信用金庫あり、信託銀行あり、協同組合あり、まことに七花八裂の
状態でございます。これで一体
産業と金融についてスムーズに、
一つの確固たる方針がとれるかどうか。協会というものがある。協会があったって、そんなものはある点においては一致しますけれども、今申し上げたように、コール・レートの問題になってくると、どんすこどんすこ勝手に独走するのでございます。特にこの点、同族会社系にはよろしくないものが間々見られると思うのだが、こういう点もひとつ
考えていただきたい。
さらに、
産業面ですが、巨大
産業の
合理化といっても、三十八年度
予算案などで見るところ、救済策のにおいが強い。そういう
合理化対策であってはならないと思う。私は
日本における
貿易の六割以上を占める中小企業と大企業をどういうように調整していくかについて、もっと
考えてもらいたいと思う。さらに零細企業問題などまことに重大なものがあります。スーパー・マーケットだとか、チャーミング・コーナー等の出現もあり、今日、野菜が高い、何が高いと、日常消費物資の
値上がりで、流通機構の問題、市場の問題などが、一そう
考えられなければならないときですから、これらの点には十分留意、善処願わねばならない。
総理御
承知のごとく、百姓から売るときの価格というものと小売から売るときの価格というものを、ひとつよく御検討下さい。
総理は非常に心配されているようでございますが、全く、どこの階層か知りませんけれども、マージン屋が多くて、農産物の小売価格は生産者価格の三倍、五倍というひどい開きがあります。河野君などは市場を改革するとかなんとかいって手がけ始めましたけれども、結果においては、この根本的な矛盾を除くという点では、まだ何にもなっちゃおりません。
だから、こういう流通機関、金融機関、
産業機関、こういうものに対して、
総理、ひとつこの際十分検討されて、
自由化に対応し、ひいては
国民経済、
国民生活の安定と
向上を期してもらわねばならないと思うのでございます。ひとつ
総理から御
見解をお伺いしたいと思います。