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政府委員(中野正一君) ちょっと話が事務的なことなので……。
調査団でも今の請負組夫の問題については、非常に調査の過程において問題になりまして、
数字を申し上げますと、三十一年度末に坑内で五千八百人
程度の組夫が使用されておりましたものが、三十七年の五月末には一万二千人にまで増加している。最近では経常的な作業に従事している組夫も相当数に上っている。このような組夫の中には、再び
炭鉱に舞い戻った
離職者も少なくない、こういったようなことを言っておりまして、
答申では、片方で
スクラップ・アンド・ビルドの過程において相当の組夫の、一方で在籍鉱員の大量整理をやる過程において、整理をして、しかも、坑内の掘進仕繰りとか採掘というような、本来経常的な坑内作業に組夫を入れるのは、これは不合理ではないかということで、これは法的な規制をすべきであるという
答申がございました。
政府でもこれを受けまして、十一月二十九日の閣議決定で、そういう
意味の閣議決定がなされております。これに基づきまして、われわれのほうといたしましては、今度の
合理化臨時措置法の新しい——これは次のものでございまして、きょう御審議願っておるものではございません。その次に出します、まだ
衆議院にかかっております法案の
改正では、この請負組夫の規制を取り上げまして、今後相当
人員整理がある過程におきまして、組夫をさらに在籍鉱夫に組みかえせる、これを
計画的にやりたいというふうに考えておるわけであります。これがうまくいかないと、結局やはり在籍鉱員の失
業者というものの数が相当大きくなりますので、
離職者対策にも影響いたします。それで、ちょっとこの席で申し上げるのは工合が悪いのですが、実は
合理化法案の御審議が、
衆議院でまだ一回も行なわれていないということで、私
どものほうは、四月の中旬には、来年度の
合理化審議会——
石炭鉱業審議会の
合理化部会と鉱業部会を開かなければならないと、そうしないと、また審議会を開かないで整理、
合理化をやったではないかというおしかりを受けますので、私
どもおそくとも四月の中旬ごろまでにはやりたい。それに間に合わせたいと思って、いろいろやっておったんですが、そういうことで、法案は、
政府としては提案をいたしておるわけであります。
それから第二
会社の問題にしましても、
答申案で先ほど来、
大臣から御説明があったとおりでありまして、できるだけこれは、第二
会社でなくてやっていくということが当然の措置でありまして、第二
会社になりますれば、雇用条件あるいは労働条件あるいは保安上の問題と、いろいろ問題を起こしますし、非常に不合理な形で、一時的にそういうものが起こる。しかも、そういうものが非常に多数になりますと、せっかく片方で
スクラップ・アンド・ビルドを、
政府で多くの金をかけまして、
企業も
努力をいたしましてやっておる効果というものが減殺をされる。減殺
程度であればよろしいのでございますが、悪くいたしますと五千五百万トンの
スクラップ・アンド・ビルドが、五千五百万トンベースにした
スクラップ・アンド・ビルドの根本が狂うのではないかというので、できるだけこれは押さえる。ただその場合に、どうしても第一
会社でやっていけないという場合には、筋道としては、やはりスクラップをすべきである。
経済性のどうしてもないものについては、いくら労使で話し合いをいたしましても、自然条件等が悪くて、あるいはそのほかのいろいろの地域的な関係等で、どうしても経済的にやっていけないというものは、本来スクラップをいたしまして、それにかわる条件のいいものを
ビルドするというのが、
石炭産業の安定をはかっていく上に最もとるべき道であるというふうに、われわれも
調査団も考えたわけであります。ただその過程で、先ほど
大臣もおっしゃいましたように、
雇用対策上、どうしてもその山に残ってやりたいということで、一応
会社としては一回スクラップにするということの山を拾いあげて、
個々に労使が話し合いをして、何とか何年間か、そこでひとつ生活をするためにやっていこう、いわゆるほんとうの
意味の、真の
雇用対策上やむを得ない場合という場合において、労使が話し合いをした場合は、これは
例外的に認める、こういう方針を
通産省ははっきりとっておる次第でございます。