○
国務大臣(
福田一君) 三
項目の問題につきましては、過般、
衆議院の
予算委員会におきまして、
総理大臣、
大蔵大臣、それから私から一応御
答弁申し上げておるところでございます。その
具体的方法ということになりますと、御
承知のように、五千五百万トン、六千万トンを
努力する、こういう五千五百万トンを
確保することも困難であるけれども、六千万トンを
努力する、こういうような表現でございます。私は、この五千五百万トンという
数字も、現
段階、特にことし
あたりは
需要がそれまでついておりません。来年もなかなかつかないであろうという見通しのようでありますが、しかし、この五千五百万トンというのは、私は、
政治的責任として、どうしてもそれだけ
出炭があった場合は、これは認めていく、そして何らかの
措置をとるということは、これはいたす
方針であり、また、そのことはしばしば私は申し上げておるところであります。しかし、実需がそれについておらないのを六千万トン
努力するというのはどういうことになるかと言えば、やはり用途の
開拓、
需要の
開拓ということになるだろうと思います。
需要の
開拓の
方法には、まだいろいろの道がある。たとえば今のところは、
電力なら
電力なら
電力に対して、一定の国としての
仕事、何らかその損害を国のほうでめんどうを見ようということの形において三十八
年度はああいうふうなやり方になっていますが、しかし、こういうような場合においても、これは
考え方の問題でありますが、
政策的に
考えてみれば、損する分は全部国で負担したらいいじゃないか、そしてもっと
火力発電をやらせろ、こういうことも
考え方としては
一つの
考え方になるだろうと思う。しかし、この
有沢調査団の
考えで定められたものは、いわゆる
国際収支の問題も
考えてみたり、エネルギーの
安全性というようなものも
考えてみたりした上で、やはり五千五百万トンぐらいが妥当であろう、こういうような
結論を出されておるのでありまして、その
結論をくつがえした
方法で
需要の
確保ができないかということになれば、できないことはありません。しかし、今のところ、われわれとしては、そういうことをやるということについては
考えておらないのでありまして、同時に、また、五千五百万トンにならない分については、これは政治的に
考えていこうという、こういう感じで問題の処理に当たっている。そうならば、どういうことをこの問題について具体的にやったらいいかということになれば、私は、これを
石炭を
原料にでも使うというようないわゆる研究をひとつこの間やってみてはどうかというふうに
考えておるわけでありますが、こういうようなのも
一つの
方法でございましょう。いずれにしても、何らかのうまい
方法があって、そして六千万トン
需要がついてくるというようなことであれば、これは非常に喜ばしい方向である。ただ、何らかの
方法という
意味は、自然的にこれ以上
需要が伸びてくるということを私は申し上げておるのでありまして、人為的に何らか
政策的にこれ以上の何かをしてというようなことは、今のところわれわれとしては申し上げておるつもりはないわけであります。したがって、第一項については、これ以上のことを申し上げることは困難かと存じます。
それから、第二項の
ボーダー・
ラインの問題につきましては、
ボーダー・
ラインの上にある
炭鉱であって、実際に
資金が不足したような場合においては
市中銀行から
融資してもらいたいとか何とかいっても、なかなかそれに合う
法律がないから非常に困難であろう、したがって、これは特別な
制度を作ってはどうかというような御質問があって、これに対して
大蔵大臣は、そういうような
制度をひとつ作るということを言われておったと私は了解いたしております。で、これは作るということになれば、
法律改正というような問題まで発展するのじゃないかと思うのでありますが、私はその後どういうふうにこの問題が解決されておるのか、たとえば
合理化事業団の金の中からそういうものを出せるという
法律改正をするというような問題がここに
一つ残っておるわけであります。そのことについては、今後われわれとしても大蔵省と
調整をはかっていかなければならないと
考えております。それから、第三項におきましては、経済的、
地域的問題を考慮するということでございますが、これは今度の
石炭産業の問題というのは、
経済性の問題から常に出発しておることは皆さん御
承知のとおりでありまして、幾ら掘っても、それを使う人がないというのに、五千五百万トンをこえてどんどん掘るというわけにはいかないと思うのであります。そういうことになりますというと、やはり
経済性ということを
考えながら
スクラップ・アンド・
ビルドするのだということはお認め願わなければならないと思います。しかし、それをやる場合において
地域に非常な
影響があるという場合には、
産炭地振興その他の
方途によって、ひとつ問題はできるだけその
地域に
影響が少ないようにしていくようにしょう、こういう
意味で御
答弁いたしておるのでありまして、その
産炭地振興の
問題等につきましては、目下いろいろ各省との間で、
工場の設置とか、あるいは
政府の
工場を作る問題、あるいはまたそこに何らかの
事業を起こした場合に
融資をするというような、いろいろな
方途によりまして、
振興事業団等が受け付けをして、その認定をしておるというような
段階であります。私は、何かほかにいい
方法があれば、できるだけそういうような
意味で
産炭地振興のためには
努力申し上げなければならない、こういうように
考えておるわけであります。