○国務
大臣(
福田一君) 御説のように
硫安の
輸出会社にある
赤字を解消する措置をとるにあたって、今後の
硫安に対する立法なりあるいは政策なりを確立しておいてから出すがいいじゃないかというのは、私御
意見としてまことにりっぱであると思います。われわれもそういうことを考えてみたこともございます。しかし、この問題は御
承知のように、まあ衆議院でも問題になりましたが、
肥料特に
アンモニア系の
肥料というのは、
尿素あるいは
高度化成というもののウェートがだんだんふえて参りまして、そうして
硫安だけを対象にしてやって、それで
肥料行政が円満にいくかということがまず第一にございます。
それからまた、
硫安を対象にして何か措置するという場合でも、どういう措置をしたらいいか、また自由化との問題をどう見たらいいか、いろいろな問題がたくさんあります。というて、そのままにしてほうっておきますと、ことしの例からして実質二百二十五億円の
赤字に加うるに五十億円以上の
赤字が累積される。来年また五十億も七十億、あるいは百億以上の
赤字が出る、そういうようになって参りますので、この際は、むしろその根本の問題は一応
法律が来年の七月までは有効でございますので、それが切れる段階になったときには対策を立てなければなりませんが、その対策は来たるべき通常国会までに各方面の御
意見も十分間いた上で慎重に検討をして立てればよい、立てるよりほか
——よいというよりいたし方ないという、こういう考え方から、このような措置に踏み切ったわけでございまして、これによって
一つは
会社に対して甘い考えでおってはだめだ、将来は
赤字は見ないのだということによって
合理化を促進し、一方においては、この
法律を立案するにあたり、またこの措置をとるにあたって、
政府が申しておりますように、農家に対して、安いしかも豊富な
硫安を提供するということ、この考え方は一切捨てないのだということを
政府としては明らかにいたしたい。
また、しばしば
委員会その他におきましても、私としてはその趣旨を申し上げておるわけでございまして、それをじゃどういうふうにして実現するかということは、これはやり方の問題ですから、これは来たるべき通常国会までにひとつ十分検討して、特に
先生などは専門家でいられるようでありますから、場合によってはいい知恵があったら、ひとつよく聞かしていただきたいと思っておるつもりでありまして、われわれとしては逃げ口上でやるとか、あるいは
一つの観念を置いておいて、そうしてそれを前提にしてやるというのではございません。こういうふうにするのが最も姿がよいと、こう考えて実は私どもとしてはやっておるのであります。もう一ぺんこれ以上に
赤字が累積するということになりますと、またいろいろの対策を立てる上においても支障を来たす、こういうことがありますので、まず
赤字は一応解消したい、今後はめんどうを見ないという形にしていったほうがいいと、こう考えて措置をただいましておるわけでございます。