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1963-02-26 第43回国会 参議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年二月二十六日(火曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————   委員の異動  二月十二日   辞任      補欠選任    林屋亀次郎君  井川 伊平君    高橋  衛君  稲浦 鹿藏君  二月十九日   辞任      補欠選任    奥 むめお君  小林 篤一君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     辻  武寿君    理事            藤野 繁雄君            永岡 光治君    委員            天埜 良吉君            井川 伊平君            稲浦 鹿藏君            熊谷太三郎君            小柳 牧衞君            林田 正治君            森部 隆輔君            武内 五郎君            藤田藤太郎君   政府委員    総理府総務長官 徳安 實藏君    総理府総務副長    官       古屋  亨君    文部省管理局長 杉江  清君    厚生省社会局長 大山  正君    農林省園芸局長 富谷 彰介君    建設省道路局長 平井  學君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    大蔵省主計局主    計官      高柳 忠夫君    農林大臣官房参    事官      丸山 文雄君    林野庁指導部長 若江 則忠君    建設省河川局防    災課長     安芸 元清君    建設省道路局次    長      尾之内由紀夫君    自治大臣官房参    事官      松島 五郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (雪害対策等に関する件)   —————————————
  2. 辻武寿

    委員長辻武寿君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。  二月十二日、林屋亀次郎君、高橋衛君が辞任井川伊平君、稲浦鹿藏君が選任されました。二月十九日、奥むめお君が辞任小林篤一君が選任されました。   —————————————
  3. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 災害対策樹立に関する調査として雪害対策等に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は御発言願います。  なお、政府側からは、総理府より徳安総務長官古屋長官建設省より安芸河川局防災課長沖住宅局住宅総務課長平井道路局長厚生省より大山社会局長自治省より松島参事官大蔵省より高柳主計君、農林省より小林建設部長若江指導部長丸山農政局参事官丸山官房参事官の方々がお見えになっております。
  4. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私は、まず最初に、非常災害対策本部所管事務についてお尋ねしたいと思うのであります。  そのうちの第一は、所管区域であります。所管区域はいろいろと御検討の結果、さらに前回示された後に岩手、青森、滋賀、兵庫、岡山というようなものを追加せられたということはまことに喜びにたえません。しかし、今回の雪害及び寒波による被害は全国的に及んでおるのであります。ことに、この指定区域からはずされた、たとえてみれば九州四国のようなものの被害金額を調べてみるというと、非常に大きいのであります。例をとって見まするというと、九州地方知事会資料によって見ますれば、今月十日現在で、農林水産関係で二百十七億、商工関係等で四十九億、計二百六十六億円に達しておるのであります。こういうふうな状況だから、衆議院災害対策特別委員会では、現在の指定せられているところ区域のほかに、特に被害がひどかった九州であるとか、四国であるとかいうようなものも、この所管区域に入れていくべきだというようなことを検討され、その結果、本部長においては、九州その他も入れるということを了承せられたということであるのでありますが、現在所管区域は、今印刷で、配付せられた以外に、どういうふうな地域所管区域にしようとお考えであるか、まず、これをお伺いしたいと思うのであります。
  5. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 今回の災害が思わぬところに広がっておりますことは、私ども承知いたしておりまするし、豪雪と申しますか、うんと雪が降りまして汽車も通わない、人も通らないというような危険なところをとりあえず指定いたしまして、対策本部ができたわけであります。その後順次雪の非常にたくさん降りましたところを基準にいたしまして、政府並びに各党からの要望もございましたものですから、あまり誤りのないようにということで、相当慎重に考慮いたしまして、調査団を出し、あるいはまた、当該県事務所等にも連絡をとりまして、誤りなきを期するような措置を今回とって参ったわけでございますが、お説の九州あるいは四国、あるいは北海道等につきましても、非常に損害の多いということは、報告によって承知はいたしておりますが、非常にその範囲が広範になるものでありますから、その処置につきまして今検討しておりますので、まだ閣議に持ち出すまでには今日なっておりませんけれども、なるべく早く措置をしたいということで調査を進め、資料等も作っておりますから、もうしばらくお待ちをいただきたいと思います。
  6. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、衆議院災害対策特別委員会では、そういうふうなことを申し入れて、その申し入れによって本部長は了承せられたという話であるけれども、まだそれを土台にして検討するのだという段階だということでございますか。
  7. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) おそらく本部長もその必要性を認めて、そうしてお話をなさったかと思いますけれども、まだ正式の手続が済んでおりませんので、それにはいろいろな手続も、これが一カ所なり二カ所ならいいのですけれども九州にも相当広範囲にわたり、あるいは四国にもあり、北海道にもあるということになりますれば、多少そこに信頼し得る資料等も必要でございますし、これは内閣総理大臣閣議に案を出しまして、そうしてその閣議決定を待たなければなりませんので、そういう手続のためにも、そういう資料を今集めて検討しているという段階でございまして、決して本部長が食言せられたというような意味ではないのでございますから、もうちょっとその間お待ちをいただきまして、慎重に取り扱って、すみやかにそうした措置閣議決定の線まで持っていけるように努力したい、かように思っているわけであります。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、総務長官答弁では、まだこれから検討するのだ、どうなるかわからぬというふうに、裏を返せば、とられてもしようがないということになるわけですが、入れるという方針検討しているのか。どうかわからぬから、これから検討して、その上できめる、そういう程度検討なのか、一体いずれなんですか。
  9. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) もちろん各党からの申し入れもございますし、各方面から強い要請もございますから、その声には私ども決して無関心ではありませんので、やるという方針で今検討しつつあるのでございます。
  10. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は、二月十六日現在の総理府非常災害対策本部の「非常災害対策本部およびその活動について」という印刷物をもらっているのでありますが、これはよく拝見いたしました。それに基づいて、目下実行しておられるところのものもいろいろ書いてあるのでありますが、主としてやっておられるおもなる概要をお伺いしたいと思うのであります。たとえば除雪についてはどうであるか、なだれについてはどうであるか、屎尿処理等についてはどうであるか、こういうふうな点をまずお伺いしたいと思うのであります。
  11. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 御承知のように、本部といたしましては、非常対策に対します総合的なものを指導しておるわけでございます。みずからその作業等に当たっているわけではございませんので、大きな方針決定し、また各省間で確執のありますものや、あるいは共管になっているようなものに対しましては、私のほうで指図もいたしますし、処置をいたしまして、そして対策に従って各省に働いていただいているということでございますから、個々の問題につきましては、ひとつ各省担当者からお答えすることにいたしまして、ただいま御質問のありました点の概略について申し上げます。  ただいま私ども本部といたしましては、激甚法との関連がございますので、すみやかに各省を通じまして各府県に対して、災害のいわゆる被害額の大体の大筋をつかめるような的確な数字を早く出すように、作業を進めてもらっているわけでございまして、そのほかの除雪でありますとか、屎尿処理でございますとか、なだれに対する処置でございますとか、あるいは森林でございますとか、そういうような問題につきましては、計画に載っておりまして、各所管省がやっておりますから、主としてそちらでお答えするようにいたします。今申し上げましたように、本部といたしまして、今一番一生懸命にやっておりますのは、早く災害額を出してもらって、そして激甚災害法の適用を早くきめたいということで、それに専念しておるわけであります。それ以外の緊急処置につきましては、もう先ほどお話のような非常対策本部でとっておりまする処置は、ここに刷りもので差し上げてございますと思いますが、総合的なものにつきまして議論の分かれますようなものにつきまして、どうしても各省だけで話のつかないものは、私どものほうで大体話をつけるとか、あるいは各省同士で話をつけ得られるものは話をどんどんつけてもらって煮詰めてもらっておりまして、どうしても煮詰まらないもの、こういうものだけは取り上げまして、これは、事務的に解決つきませんものは本部で取り上げて政治的な解決をしていこうということで、そういうものは今すでにもう何点かございます。何点かございますので、もうこれ以上煮詰まらないかということで大蔵省自治省あるいは農林省等で煮詰めてもらっているわけでありますが、もうここ数日のうちに、大体の結論が出ると思いますので、その出ましたところで、どうしても両者間で煮詰まらないというようなもの、しかも、それが一般の罹災者に非常に満足のいかないものであるというようなことでございますれば、そのものだけは対策本部で取り上げまして政治的に処置をするという今段階に入っておるわけであります。
  12. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 具体的の個々の問題はあとで質問することにいたしまして、次は激甚災害指定なんです。この前の委員会でも申し上げたのでありますが、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律が、激甚災害法に規定しているところ国民経済に重大な影響を及ぼしているのでありますから、今回の豪雪寒波は——私がここで寒波というのは、災害対策基本法の第二条によってみますれば、「その他の異常な自然現象」ということが書いてあるから、その「その他の異常な自然現象」は寒波を含むと、こう考えるのであります。でありますから、雪と同時に、寒波による被害が非常に激甚であるのでありますが、いつごろ指定せられる予定であるかどうか、また、被害程度決定せられるにあたりましては、農林水産物については、農林統計事務所からの報告があるのでありますが、農林統計報告というものは、現在を抑えているのであります。しかしながら、今度の豪雪及び寒波被害は、さらに被害程度がだんだんと増してくるのであります。でありますから、被害程度決定する場合におきましては、現在及び将来起こるべき被害程度考慮に入れて激甚災害指定をしなくちゃならないと思うのでありますが、今申し上げました、すみやかに激甚災害として指定すべきものであると考えるのでありますが、いつごろになったらば指定せられる予定であるか、それを承りたいと思うのであります。
  13. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 私どもも同様な気持を持っておりますので、同じあたたかい手を差し伸べるならば、できるだけ早くという気持で、政府のほうでも作業を進めているわけであります。ただ、しばしば申し上げておりますが、数字がある程度まで固まって参りませんと、無算段で適用するというわけにも参らぬものでありますから、そこで各県を通じ、各省を通じまして、的確なる数字を大体把握し得る程度にすみやかに報告していただくように努力しているのでありますが、各府県ともずいぶん努力はしていただいているようでありますけれども、何しろ応急措置等に忙殺される余り、まだ政府のほうに信頼し得る、と申しては語弊があるかもしれませんが、これならそう大きな間違いはなかろうというような数字見込額すらも、世間にはいろいろ伝えられております。あるいはこういうものが百億であるとか、あるいはこういうものが百五十億の損害だというような、概括的な数字は出ておりますけれども、真に信頼して、査定されましてもそう大きな上下はないだろうと思われる程度の確信のある数字がまだ各県から出て参っておりません。したがって、各省も迷っているような状態でありますが、天災融資関係におきましては、もうこの激甚災害は当然かかるということに、これは農林省でもそう考えているようでありまするし、大蔵省も、私どももずっと数字が回っておりますから、これは数字を固めるだけで、こうしたものには問題はないと、こう考えているのでありますが、その他の問題等につきましては、もう少し数字が出て参りませんとはっきりいたしませんので、そこで督促いたしておりますから、もうでき次第、私どもは時を移さず措置をする考えでございます。しかも、今度の豪雪のごときは、これはいまだかつて見ないことでもございますし、また予期しなかったことでもございますので、必ずしも従来考えておりました指定の内規と申しますか、そういうものにぴったり合うものばかりを取り上げるわけではありませんので、閣議決定いたしますときに、災害の発生のつど、被害実情に応じて個別に考慮することもあり得るということもつけ加えてございますので、一つの型だけにはめて、それで能事終われりとするような考え方は持っておりません。なるべく、あたたかい気持が浸透いたしますような処置をとりたいという気持で努力いたしております。では、その時期が来月何日になるかという明確な日にちをただされますれば、何日とは申し上げられぬと思いますけれども、とにかく、すみやかにやれるように、号令をかけてはおりますから、もうしばらく、見当がつくまでお持ち願いたいと思います。
  14. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、今度の豪雪による災害は、激甚災害として、全国的のものとして指定せられる構想で進んでおられるのであるか、あるいは地域激甚災害として指定せられるお考えであるか、どちらを主にして検討を進めておられますか。
  15. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 豪雪関係寒波関係等から考えてみますと、大体は全国一本のものになるのではなかろうかと考えておりまするし、あるいはまた、特殊なものがございますれば、これは、あるいはまた局地的な指定になるかもしれませんけれども、大よそは、やはり大きい、広範囲にわたるものになるのではないかと思います。
  16. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は、今お話のように、全国的なものとして、今回の豪雪及び寒波を対象にせられるということだったらば、現在の激甚災害法では十分ではないじゃないか、漏れるところがあるではないかと、こういうふうに考えられるのであります。しかし、これについても、衆議院災害対策特別委員会の模様を聞いてみまするというと、この前の委員会でも私が申し上げました、第三条の第一項の第十二号のところ堆積土砂関係であります。これにはどう書いてあるかというと、「泥土、砂礫、岩石、樹木等」と書いてある。この「等」のうちに雪というようなものも入れるから、法律改正は必要ないじゃないかと、こういうふうな話が、衆議院災害対策特別委員会であったというようなことでありますが、この点はどういうふうにお考えであるかどうか。また、これもこの前の場合に申し上げたのでありますが、十四号の「湛水」、水がたまっておったらばやるが、雪が積もっておったらば、それに関係がないのだというようなことはないだろうと、水が変わって雪になった、あるいは氷になった、そういうようなことを考えてみまするというと、関連してどういうふうな問題が起こるかと申しますというと、第九条の、「(森林組合等の行なう堆積土砂排除事業に対する補助)」であるとか、あるいは第十条の「(土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助)」であるとか、第二十一条の「(水防資材費補助の特例)」であるとかいうようなものに関係があると思うのであります。それからさっきも申し上げました基本法においては、「その他の異常な自然現象」といううちに、寒波を含めると考えられるのでありますから、その寒波に対する規定が挿入せられなくちゃいけないのじゃないか、また、基本法には「火事」ということが書いてあるけれども激甚法には「火事」ということが書いてないから、激甚災害法を改正する場合においては、火事というものについても改正すべきじゃないか、こういうふうに考えられるのであります。で、これらの点について、どういうふうにお考えであるか、まずお伺いしたいと思うのであります。
  17. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまの問題について、いろいろお尋ねがございましたが、この激甚法は、私どもも決して完全なものでないと思っております。昨年の臨時国会で御審議をわずらわします時分に、相当に内容について批判がありまして、私どももいろいろ研究をさしていただきました。しかし、それを一々手を加えていきますというと、この法案がまた臨時国会で流れてしまいましたのでは、通常国会に持ち越さねばなりませんし、基本法は通っておりまして、との激甚災害法のほうが通りませんというと、防災会議なり、あるいはその他の基本計画を立てますとか、その他につきまして、あるいはまた、何か災害が起きましたら、指定する際にも、この法律がありませんと、指定ができないという関係もありましたので、多少の批判もあり、足らざるところもあることは、多少は気がついておりましたが、これは後日に譲っていただいて、一応、とにかくこれを通していただいて、とにかく、早く万一の場合に処するようにお願いしたいということで、衆議院のほうも参議院のほうも、通過さしていただいたという関係でございます。その当時から多少の批判のあることも知っておりましたし、また、火事でありますとか、今回の豪雪のごときについては、あまり深い考慮が払おれていないのではないかというように、全文を通じて考えてみまするというと、思うわけでありまして、こうしたことにつきましては、将来、多少の手を加えるべき必要がくるということも、だんだんこうせんじ詰めていきますというと、あるように思われるのでありますが、この災害ということは、与野党を問わず、同じ考え方でありますから、私どもも十分研究いたしますが、また国会のほうでも、よく御研究いただきまして、そうして足らざるところを補う意味においての法改正等は、私ども、これに賛成するに決してやぶさかでないわけでございます。ただ、今のところ、それを改正してかかるということは、ちょっと時間的にも非常にズレが生じますので、今の法の範囲で、可能な限り、できるだけ、実情に即した救援の手を差し伸べたいということで、大蔵省もその気持であり、自治省におきましても、あるいは農林省におきましても、そういう気持で一生懸命で相談をしていただいておるわけでありますが、法の解釈等につきましても、今お話しのように、「等」という文字に対して、除雪も入るじゃないかと、これは、政治的に考えればごもっともだと、私ども賛成なんですけれども、やはり法律があるものですから、その「等」というのに、一体どの程度に含めるかということにつきましては、やはりこれは法制局あたり見解もございまして、にわかに事務的な解釈と政治的な私ども解釈とが一致し得ないものもあるやに思います。しかし、これらは運営の面において操作すべきでありますから、先般も、この問題につきまして自治省大蔵省と煮詰めていただくように努力してもらっております。まあ大きな目で、今度の特別交付金等にはあまりこだわらずに、相当金額を込めて交付しようという考え方作業をしていただいておるようでございます。今後におきましても、この問題は尾を引く問題だと思いますから、最後の解釈は、先般の私どものほうの会議におきましても、本部長に一応おまかせしまして、本部長から、政治的な閣僚関係もございますし、各党関係もございますから、たとえ話をしていただいても、どうしても煮詰まらなかった問題は、政治的な解決ではかってもらいたいという考え方でただいま作業をしておるようなわけでございます。といって、法律を乗り越えて何でもめちゃくちゃにやるということは、もちろん法治国でありますからできませんけれども、許す範囲において最大限に解釈を拡大して考慮していこう、それが法を侵さないのでありましたら、政治的解釈もこれは進んでやるべきだというふうに解釈しておりますが、その統一した解釈がまだ全部済んでおりませんが、もうあまり遠からざる間にそうしたことが、意思統一が全部できると思いますから、いましばらくお待ち願いたいと思います。
  18. 永岡光治

    永岡光治君 どうも答弁がおかしいのです。はっきりしないのです。一体寒波を入れるのか入れないのか、明確にしていただきたいと思います。政治的考慮をするという、はっきり文字の上ではわかっている。異常な気象だから寒波は入ると思いますが、入るのか入らないのか、明確にしてもらいたいと思います。あなたのおっしゃるのには、堆積上砂の問題もありましたが、雪が堆積等という問題がありますから、入らないことにした場合に、政治的に考慮するということのような意見、考えも表明しておりますが、入れるという立場でやるのかはっきりしないのですね。実質上入るのですか入らないのですか、明確にしてもらいたい。寒波が入るのか入らないのか、堆積土砂等の中に積雪が入るのか入らないのか、明確にしてもらいたいと思います。もし解釈上無理があるとすれば、法律改正をやる腹があるのかないのか、その三つを明確にしてもらいたいと思います。
  19. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 先ほど申し上げましたように、私どもは、最大にその要望にこたえたいという気持ちでやっておるわけでありまして、これをさえぎるためにいろいろ考えておるわけではありません。ただ、法律字句等につきましては、事務的な解釈と政治的な解釈と多少違うところがあるのであります。そういう点につきまして、たとえ事務的に解釈が違いましても、これは法を侵さないものでありますれば、政治的な解釈によってそうしたものを処置していきたいという考え方でございますから、そういう場合には、これは入るべきものだという解釈に落ちつくと思います。また、寒波問題等も今初めて、私どもも前から異論はございましたけれども、ここでその寒波が入るのか入らないのかと言われますれば、これは、一応会議にかけまして明確な答弁をせなければならぬと思いますが、私ども当然入るべきものだという考え方を持っておりますけれども、これも対策本部あるいは政府見解を統一いたしまして、ただいま入るようにきまりましたというお答えが、まだただいまのところできない段階でございます。また、法律につきましても先ほど申し上げましたように、これは、ただ政府ばかりではなく、もう各党一致の強い要望でこういう法律が出ておるわけでございますし、災害につきましては、もう何もこだわることはありません、ただ法不備等がございますれば、進んで研究いたしまして、次の段階において、これを補うことに決してやぶさかでない、こう考えておるわけでございます。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 どうも、大体考え方は私も理解できるわけですが、具体的に今ただしているわけです。寒波の問題についても、どうもはっきりしないのですけれども気持として入るつもりだ、しかし、もし法律上それが無理だということであれば、これは法律の改正をするのですかしないのですか、それが一つと、それから堆積土砂問題等につきましても、できるだけ法律があるから運用でやらなくちゃならぬけれども、しかし、法律を乗り越えてできないとおっしゃっておる。もし法律を乗り越えているなら法律改正をやるのかやらないのか。もしやらないというなら次の段階はあるのです。もし法律解釈や灘用に無理があるなら、次の法律の提案をしてもらいたい。一日であげたいと思うのです、今国会で。一日であげられますよ。
  21. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) これは、たくさんほかにも出てくると思いますが、ただいまの除雪の問題、寒波問題等は、これは現存の私ども政治的解釈ではできると考えておるわけであります。そこで、強く主張しているのですが、解釈には、入るとか入らぬという事務的な批判もあるようでございますが、これらは、先ほど申し上げましたように、そうだという解釈をつけますためには、政府の最高方針に待たなければできませんから、しばらくひまをいただきたい、しばらくの時間をいただきたいということでございましてもそういう作業を今進めているわけでございます。もし、これは解釈ではどうもだめだ、どうしてもはっきりしなければならぬのだ、法律的に文字を入れなければならぬということでございまして、それがほんとうに妥当だということでありますれば、私どもは決して法の改正にも、これをやることにやぶさかでありません。
  22. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私も一つ関連して。今の藤野委員から発言された堆積土砂排除、具体的には何回もの風水害で道路、農地、今日では屋内の堆積土砂排除という災害救助法の問題にまで国の対策措置というものが延長して当然のことだと私は思うわけですが、それが、風水害のときにはそういう格好で処置がされてきておる。「雪」という、または「豪雪」という字が入っていないからというところで、ここで対策に対して住民の不安がある。われわれも不安がある。今、長官のおっしゃったようにやるのだ、だから法の適用で都合が悪ければ法をそういう格好で変えるという方針気持の上でもって進めようというのでありますから、私は百般の信頼をしたいと思う。そこで問題は、災害救助法でこの精神の延長として、屋内土砂排除ということが一戸単位、これは一戸単位に支出されておるわけであります。生活上の困難という問題に関しては、屋内だろうと屋外だろうと、その家がつぶれるということなら、もっと深刻な問題として、各住民はこれに対する精力をぶち込んできたということになりますれば、私はこの豪雪というのは、この排除という精神を延長いたしますれば、災害救助の個々の問題にまで触れて対質を立てるべきだ私はそう思う。ひとつ見解を聞かしていただきたい。
  23. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 御承知のように個人の災害は、原則として、従来からもこれを政府のほうで補償いたしますとか、あるいはその損害に対してめんどうをみるとかいうようなことは、そうならないことは御承知のとおりでありますが、低所得者に対しましては、相当に考慮いたしまして、まあこれは自治省等から、厚生省かもしれませんが、除雪等につきましても、相当の金額を各戸に支出いたしておりますし、あるいは生活保護の適用を受けている諸君には、これまた相当な金額をそれぞれに支給をいたしております。でありますから、そうした問題に対しまする個々の事柄は、厚生省社会局長からお答えいたしたいと思いますが、私ども対策本部といたしましては、法の許す限り、解釈の許す限り、広範囲にめんどうをみたいということで、もっとならぬかもっとならぬかということでしりをたたいておるというのが現状でございまして、それがどうしても、幾らしりをたたきましても、実質と、また一般の要望、要請と非常に大きな隔たりがあって、今の法律ではどうにもならぬのだという事態になりますれば、法の改正ももちろん決していなむわけではございませんし、そういうときには、また別個の立場において御討議をいただくようにいたしたい、かように考えておるわけであります。個人々々のそうした問題につきましては、社会局長から答弁していただくようにいたしたいと思います。
  24. 大山正

    政府委員大山正君) 災害救助法によります障害物除去に今回の除雪の問題が該当するかどうかという点の御質問であろうかと存じますが、災害救助法の施行令の九条二号に障害物除去の規定がございまして、「災害によつて住居又はその周辺に運ばれた土石、竹木等で、日常生活に耕しい支障を及ぼしているものの除去」ということで、従来は、ただいま藤田先生からお話がありましたように、屋内に竹木、土石等が運ばれまして日常生活に著しい支障があるという場合に、その除去をすることをこの条文によって読んでおったわけでございます。今回の雪によりまして、屋根に非常にたくさんの降雪があって家が倒壊に瀕している。あるいは家の出入口等におきまして、積雪のために日常生活に非常に支障があるというようなものにつきましてこれで読むかどうかという問題であったわけでございますが、災害救助法は、申すまでもなく応急救助、日常生活に支障のあるものにつきまして、直ちに何らかの措置をとらなければならない、こういう性質の法律でありますので、私ども、この法令の解釈といたしましては、今回の降雪の積雪の除去についても、これを運用して、これに該当するものとして、排除する仕事をやはり災害救除法の仕事としてやるのが適当であると、かように考えまして、この条文によって読むこととしたわけでございます。ただいまお話激甚災害法律の場合に、これを読むかどうかというのは、またおのずからその法律の趣旨によって別に考えなくてはならぬかと思うのでございますが、少なくとも災害救助法またその施行令に関する限りは、これの「等」で読むのが適当な措置であると、かように判断いたしまして、県当局からこの点につきまして御相談を受けた際に、これに該当するものというように解釈いたしまして指示をいたしておる次第でございます。
  25. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そういう解釈で私は施行さるべきものだと思う。災害救出法の精神は、私はそう思う。そうなって参りますと、単に一定の限界を置くのじゃなしに、個人のそういう障害物除去というのは、家の中でも家の上でも、理屈は同じで適用するということになれば、おのずから、雪が降ったら全部除去するのだというわけにいかない、おのずから限界が私はあると思う。まあ豪雪と名をつけるのか積雪過大と名をつけるのか、おのずから基準を置いて、基準以上雪が降った個人に災害があるときには、市町村で適用して、その費用は、この救助法にある一戸当たり五千円と書いてありますけれども、こういうやはり適用というものが具体的に出てこなければいけないのじゃないか。そういうところの運営についてどう考えられておるか、ちょっと聞いておきたい。
  26. 大山正

    政府委員大山正君) 災害救助法によります障害物の除去につきましては、自分の力あるいは自分の資力で除去できないものについて、公共団体の力でこれを除去する、それについて国が補助をする、こういうような建前になっておりますので、今回の雪の場合におきましても、やはり低所得の人たちで、あるいは老人世帯であるとか母子世帯あるいは傷病人の世帯ということで、自分の力では屋根の上の雪の除去ができない、あるいは出入口の除雪ができない、また、人を雇ってやろうと思ってもその資力がないというような世帯につきましては、当然この災害救助法の障害物除去でやるべきである、かように考えまして、そのような世帯であるとか、それから除雪範囲は、あくまでも日常生活に著しい支障を及ぼすようなもの、したがって、屋根の雪でその家が倒壊に瀕している、あるいは出人口等が閉ざされておって日常生活ができないというような範囲においては、この災害救助法の適用があるというように考えておるわけでございまして、その場合に、お話のように、従来から一戸五千円以内の限度でやることを一応の基準にいたしております。どうしてもこの五千円でできない場合には、あらためて厚生省に協議してもらうことになっておりますが、ただいままでのところ、新潟県においてこれを行なっておりますが、大体この範囲内でやれるという見込みでおります。
  27. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 もう一つお尋ねをいたしますが、実際町村に、具体的には町村長ですね、そういうことの精神が伝わっておりますか。僕はどうもそれを不安に思う。知らない状態のままに進んでいるんじゃないかという気がする。
  28. 大山正

    政府委員大山正君) この点の災害救助法による除雪を行ないましたのは新潟県でございますが、新潟県当局におきましては、十分この点を各町村長に示しまして、相当具体的なやり方等も、県当局から指示いたしまして行なわれておりますので、実情といたしまして、各町村当局においても十分承知している、かように考えております。
  29. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 新潟県は実施していると言いますけれども、今度の雪は新潟県ばかりじゃないと思う。ずっと鳥取、島根まで、それは全部とは言いませんけれども、二メートル、三メートルの積雪でたいへんな困りを生じている。しかし、そういう災害救助法の精神というものが各府県市町村に伝わっていないので、実際は今、大山局長の言われたようなことが実施されたのは、新潟県だけに終わっておるということでは、私は、ちょっと問題がある。だからもっと平生からそういう問題はPRしておいてもらわなければならぬ。たとえば、ここで三%という基準がありますけれども、これは伊勢湾台風のときにたまたま集計したら三%だったということで政令に載せたということで、そうでなしに、長野県のときには、実際に堆積土砂障害物の入ったところには五〇%、六〇%もその精神を実行されたということでありますのですから、そういうことは、今、大山局長の言った精神はきちっと各府県市町村にわかるようにしておいてもらえば、私は問題が起きなかったと思う。それが実際にわかってないから、そういう陳情や、お願いと申しますか、そういうものが各地でわんさと来て、実際現地は困っているという現状なんです。
  30. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまのお説、もしそうだとすれば、まことに遺憾だと思いますが、今、社会局長が御答弁申し上げましたことは、もうすでにずっと前から、対策本部では大蔵省厚生省自治省関係等で話がついておる問題でございますので、もし徹底していないとすれば、まことに遺憾でありますから、さっそく周知方は努力はいたしますが、一応は大体各府県承知はしておられなくちゃならぬ問題ではないかと思いますけれども、もしそうでなかったとすれば、遺憾でありますが、さっそくよく徹底さすようにいたします。
  31. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 徳安長官ね、あなた積雪三メートルといえば、今度の豪雪は大体八メートルから十メートル降っているわけです。降雪が十メートル近く降って、たまったのが大体二メートル半から三メートルということですから、二回や三回の雪おろしではとてもいかぬというのが現実ですよ。仕事も何もせぬと生活に困って、みんなどの地方も二メートル、三メートルの雪のところは困り抜いているんですよ。しかし、実際やったところは新潟県だけだということになりますれば、ほかのところは、そういう少しでも費用がかさんで生活ができなくて困っている、困っているところが申請もしてないから、やってないということであれば、知らなかったという判断をするのが当然じゃないかと思います。新潟と同じように雪が積もっておる。私はそれは全部とは言いませんよ、全部とは言いませんけれども、困窮しているところは、そういうほんとうに災害救助法の精神で、堆積土砂を排除したような格好の精神というものにつながっておったら、今日新潟県だけで処理されないで、富山から石川、ずっと高根県までの降雪地帯の人は、ほんとうにネコの手でも借りたいほど。その日の生活は、しょうゆかつけものでしのいでおるという現状じゃないですか。私はそれを言っているのですよ、現実の問題。だから、法律にきちっとそういうものを書いておけば、それからまた、そういうことが行政上の問題と下のほうまでつながっておったら、あるいは今のような質問をしなくていいわけだ。それを言っている。明らかにしておいてもらいたい。
  32. 大山正

    政府委員大山正君) 今回の措置につきましては、新潟県から最初のそのようなことで協議がございまして、そのような方針を私どものほうできめたわけでございますが、もちろん、この措置につきましては、他の豪雪地帯で災害救助法を発動いたしました県には、十分その点を申し伝えたのでございます。私どもとしては、県当局は少なくともこれを十分承知しておることは間違いないと思いますが、さらに、お話のように末端の町村までいっているかどうかという点につきましては、なお足らない面があったかと思いますが、この点は災害救助法の発動並びにその実施は、あくまで知事が行なうということでございますので、知事がこの措置を講ずるかどうかということを判断してきめるわけでございまして、他の県におきましては、諸般の情勢を判断されましてそこまではやらないということに相なったのではないかと、かように存じておるのでございます。ただもちろん、災害救助法が発動されませんでも、あるいはかりに発動しても、今の障害物除去でやらなかった場合、そういう場合に低所得がどうなるかという問題でございますが、これにつきましては、別途生活保護世帯につきましては、生活保護費の家屋補修費でまかなう、また、ボーダー・ライン階層につきましては、災害援護資金の貸付等を行なうという点は、これまた文書をもちまして各府県に通達してございますので、これらの点につきましては、十分周知しておる、かように存じておるのでございます。今後この政令におきまして、ただ「等」で読むのが、必ずしも周知方が十分でない、将来これについて、何らか雪の場合を含むようにはっきりと書くということにつきましては、ただいまの御趣旨もございますので、十分検討いたしまして、私どもも適当な機会にひとつ考えてみたい、かように考えますが、今回は、これらの法律、政令を書きかえておるひまはとうていないと、かように考えましたので、現行法のままで読んで解釈する、こういう措置をとったわけでございます。
  33. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 もう一点。私は伊勢湾台風のときの堆積土砂の排除で、政令で三%とお書きになったから、これは間違いじゃございませんかと言ったら、それは間違いですと、実際に入ったものは救助してあげる精神になっているのだということで、次年度から特別に申請があって処理されたところは、三%じゃなしに四〇%も五〇%も出てきた。私は当然だと思っている。ところが、堆積土砂が家にごっそり入って、申請も何もされていないところがあった、これはどうだと言ったら、これは三%だということで、申請にひまがいって、いつどうなるやらわからぬということで、このまま陳情もせずに終わってしまったという府県の意見を聞いたことがあるわけです。だから、そんなことはいかぬと言って、私は厚生省にこの前の、去年の災害対策委員会、おととしですか、災害対策委員会で個人災害の、これは雪じゃありませんけれども堆積上砂障害物のときに、こういう工合にして道路は建設省と、農地は農林省という工合に排除するのだから、生活に困窮する屋内の障害物を排除することは、具体的に事実に照らしてやるのだということを、政令を変えて明確にわかるようにしておきなさいと、私は強くこう言って、そういたしますということになっておったのだが、いまだになかった。今度の雪は、まあここに入っておりませんけれども厚生省としては、この精神でやれるということで適用したと、ここで口でおっしゃるわけですけれども、今度はこの堆積土砂ですら、そういう府県の感覚ですから、今度は雪になってきたら、厚生省のその見解が届いてなければ、なおさらそれは出てこない。だから、現実の問題は、新潟県だけに終わってしまったということになっているのではないか。私は、やはり行政をやるには、もっと親切に困っているものを救済するという建前で法の施行——行政はやってもらわなければ、私は、私のところはやっているのだ、私のところはやっているのだと言ったって、結果的には片手落ちになってしまっているということなんです。だから、今のこの精神を法律で書き変えるか、または政令事項なら政令で書き変えるか、ここのところは明確にひとつしていただきたい。「堆積土砂」だけではなかなか——「豪雪」という字句を入れて、そして具体的にはこう実施するのだということを明確にしておいてもらわなければ、受ける側としても、国民は願いが届くところがないから願いをしない、そのまま終わってしまう、困窮には困窮がプラスするという結果で、豪雪災害の跡始末になってしまうというのが現実ですか、この点は特別な配慮をして、明確にひとつ全各府県に行き渡るように、市町村でも、災害のあったときには、こういう対策があるのだということがよくわかって、その対策が講ぜられるようにしておいてもらいたいということをお願いしておきます。ですから、この災害対策の中の個人災害のこの問題について、「等」といろいろと整理するときにも、明確に私はこの委員会はしておくべきだということを特に強く主張しておきますので、長官も局長もよく考えておいていただきたい。お願いします。
  34. 永岡光治

    永岡光治君 長官が退席されるというものですから、ちょっと聞いておきたいのですが、先ほど藤野委員の御質問の中にお答えになったのですが、地域指定被害対象等々の指定は、実際の数字は今検討中だ、それを見てからやらなければならないのだというふうに、こういう意味にとれるあなたの答弁だったですね。そういうふうに理解していいのですね。それであなたは、この解釈についてはできるだけ幅広く何とかして適用できないかという方向で今努力しているのだ、なるべく広げたいという基本的な態度をお持ちになっているわけですね。そこで私は、この際政府当局を代表しての見解として承っておきたいのでありますが、数字を見てから指定するというのは、どうもできるだけ広げたいという精神と逆行するような印象を私は受けるわけです。あまり予算がかかるから、これは指定を狭めようじゃないかというおそれなしとしないのですが、相当の予算が要りますので、予算の範囲内ではこれは私もやれないと判断しているわけですが、補正予算は組むのでしょうね。一体いっその補正予算は出すのですか。それを明確にしていただきたい。
  35. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまお話の点に御答弁申し上げますが、数字と申しますことは、今度の災害激甚災害として指定いたしまする場合の基準が、御案内のように閣議、防災会議決定しておりますので、その数字を全然無視して、初めからただ大きな網をかぶせるわけには参らないのであります。これは防災会議にかけますのには、やはりその基準に合うような数字が出て参りませんと、全然数字の合わないものをかけるわけには参りません。そこで数字が必要だということであります。それから、先ほど申し上げましたように、その数字を出すにあたりましても、私どもは、できるだけあたたかい気持で適用できるような考え方でまとめたいという気持であることは、先ほど申し上げたとおりでございます。で、閣議、防災会議では一つの基準は定めておりますが、しかし、必ずしもそれのみに全部拘泥しなければならぬというわけではございませんで、ものによりましては個々検討するという申し合わせもございますから、そうした申し合わせ等を考えて、この法律に多少足らないところがあって、豪雪等の問題の適用にあたっては、多少の足らざるところもあろうかと思いますが、それは、そうしたような防災会議の申し合わせ等もございますから、それによって善処したい、こう私ども考えておる次第でございます。全然数字をなしにというわけには参りませんから、数字をできるだけ早目にということで督促をしているということでありますが、まあそういう点につきましては、事務当局である大蔵省のほうからも説明していただいたほうが御納得がいくと思いますので、大蔵省のほうから説明をしていただきたいと思います。
  36. 永岡光治

    永岡光治君 長官、補正予算はいつですか。補正予算を出さずにやれるという見通しなのかどうか、それをちょっと……。
  37. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) これは、今の考え方では、補正予算を組まなくてもできるのではなかろうかという考え方政府は対処いたしておりますが、しかし、どうしても組まなくちゃならぬ数字が出てきちゃって、現実の問題として処理しなくちゃならぬようになりますれば、これはまた別の考え方も起きるかと思いますが、現在のところでは、補正予算を組まなくてもこの場はしのげるという考え方のようでございます。
  38. 永岡光治

    永岡光治君 補正予算を組まずにやれるというのでは、私はこれはちょっと政府考え方が甘いと思うのですが、先ほど藤野委員の質問の中でも、地域外に今地域がなっておって、これから九州も入れるという、その九州が二百五十億という被害ですね。全部それは対象になるか、それは問題がありましょうけれども、そうして参りますと、政府は補正予算を組まずにどの費目でやるわけですか。どの費用でやるのですか、費目を明確にしてもらいたい。
  39. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) これは、やっぱり大蔵省のほうから説明していただいたほうが勘どころがつけていいと思いますから、大蔵省のほうから説明します。
  40. 高柳忠夫

    説明員高柳忠夫君) 今回の被害の態様でございますが、現存報告されておる被害額は、おおむね二百十億見当ということに私たちの手元の数字ではなっておりますが、そのうち、今回の被害の特色といたしましては、公共土木施設等の被害というものは、現在まあ一部では雪におおわれており、また今後融雪等で被害が起こるということも予想せられるのでございますが、現在雪が降ったということに基づく公共土木施設等の被害額というものが、各省からの報告を拝見いたしますと、四億程度になっております。それから、虫によって農林水産物被害を受けた、それがまあ大体百八十億、こういういわゆる水産物、農林産物等の被害と、これは直ちに国費の負担ということではございませんで、さしあたり予備費なり、もし財源がなくて補正を組むとすれば、ただいま申し上げました公共土木関係被害措置が国庫負担法、暫定措置法等で所要の措置を講ずべき額の対象額だと、したがいまして、各省でもせっかく現在査定を急いでいただいておるわけでございますが、ただいまの被害額では、かりに応急費をやるにいたしましても、予備費で十分措置できる、ただ、先ほど申し上げました農林水産物につきましては、融資等の急いだ措置をやることによって対策が講じられるのではないかと考えております。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 これはあとで質問いたしますから、基本的な態度として総務長官にお尋ねしておきたいのですが、先ほど数字検討しておるということは、早く出せ、それを待って指定するということで、その地域々々における被害が該当するかどうかの基準を見きわめるための数字を取り寄せておると、こういうように理解していいわけですね。したがって、私が冒頭にあなたの気持をお尋ねしたいところが、その答弁の中に明確になっておるわけですが、できるだけ早くこれを適用してあたたかい政治をやりたい、救済をしていきたいという、こういう基本方針でありますから、その結果において、これは予算に制約されるべきものではなくして、これは当然補正予算を組むべきだと、必要があれば。また、あると私は思うのですが、補正予算を組む必要があれば当然これを組むのであって、予算があってそれに合わすような方向でなしに、被害額があってそれに予算を合わすという、こういう方向にいってもらいたい。当然のことでありますけれども、念のために聞いておきませんと、あやふやに聞こえてしようがありませんので、この辺の態度を明確にしてもらいたいと思う。
  42. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまの御質問はごもっともだと思いますが、私どもは、現在ある予算の中にこうはめ込むために、それに適応するような処置をとるために調査をとっておるわけではありませんで、これは何もそういうことにこだわらずに数字をとっておるわけであります。その数字は、これは全国的な数字が適用される場合もありまするし、あるいは局地的に適用される場合もあるかと思います。そうした結果が総合されまして、ただいま大蔵省から説明いたしましたような数字が全くの見当違いで、たいへんな大きな数字になって、これはどうしても国庫で負担すべき性格のものがうんと出てきました場合には、これはまた別個の考え方処置すべきでありまして、決して今の予算の範囲内で縮めようという政府考え方でないのであります。  それからただいまの考え方では、大体今お話しになったような程度でことしは処置できると、しかし、将来かりに大きな数字が出るような場合があったといたしましても、それはむしろ来年度以降に回す、つまり三十七年度以降三十八年の予算にもういってしまいますから、そのときの予備費もございまするしいたしますから、もう四月になりましたらそちらのほうを十分使えるわけでありますから、別にここであわてて補正予算を組む必要はないのではなかろうかという考え方が、政府部内の大体そうした考え方だということでございます。
  43. 熊谷太三郎

    熊谷太三郎君 簡単に一つお尋ねやら御要望やら申し上げておきますが、先般の豪雪におきまして、関係府県市町村等におきましては、全力をあげて当面の除雪に努めたわけでございまして、特に関係の国道、県道、主要道路、地方道等につきましては、国の財政措置ないしは市町村、府県自体の予算等を顧みるひまもなくその除雪に全力をあげたといったような実情であることは、すでに御承知のとおりでございます。そういうふうに、財政等にも十分とらわれずに一生懸命に除雪に当たったということが、過般の豪雪被害を最小限度に食いとめ、また民心の安定等にも寄与したという結果になったかと存じます。ところで、今日に至りまして、それらの財政問題等につきまして、いろいろ当時の実情を具申いたして各府県とも中央に折衝いたしておりますのにつきまして、必ずしもその折衝が円滑にはいっていない。当然お認め願うようなものについても、なかなか十分な御了解を得られないというようなことをあちこちで承っておるわけでございます。したがって、これらにつきましては、今お話のありましたような補正予算を組むとかどうとかいうような、そういう多額の金額でもないように思われますので、ひとつ証拠のあるようなまた常識的に十分に推察、推定できますような点につきましては、十分にひとつ地方当局の話を聞いていただきまして、そういう財政上の支障がないようにしていただきたいと、そういうことが十分に行なわれませんと、今般の問題につきまして、地方自治体の財政が非常に大きな影響を受けますとともに、今後このような事態が発生して、直ちに政府なり地方なりの自体の処置ができません場合に、地方自治体の活動にとにかくまかせねばならぬというものにつきまして、そういった活動が鈍って参りまして、非常に大きな影響が引き起こされるというようなことももちろん考えられると思いますので、この点につきまして、ひとつ安心できますような長官のお答えをいただくとともに、お願いをしたいと思います。
  44. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 私ども気持が下のほうには、下と言っては語弊がありますが、府県のほうには徹底しなかったうらみがあると思います。まことにこれは残念に思いますので、私どもは、今お話のような点につきまして、各省間だけで話し合いのつきますものや、あるいは早く安心させねばならぬようなものは、どんどんその日に解決して、そうして書類を流し、電話その他によって地方とも連絡をとっているわけでございますが、ただ今度のような非常災害対策本部というものが初めてできた制度であるために、地方の知事さんも案外理解されない方もありまして、非常に連絡がおくれておるところがございます。私も、毎日ついておりましてその報告を求めたのでありますけれども、要するに、総理大臣に御報告なさらずに違ったほうに報告が行ったりなんかしておりまして、それがあとにいってはっきりして手直しをしてもらったようなところもございます。まあ初めてのことでもありますからそういう点もあったと思いますが、しかし、今日では、大体県と対策本部との関係は、なだらかにいっていると思います。先般も各隣県に対しまして、これは災害対策基本法の精神にのっとって、こういうものだけはすみやかに総理大臣あてに報告もしてもらいたい、連絡もとってもらうべきだということを十分、先日各知事に出しました。こちらのほうのことは大体御理解できるようになってきているつもりでありますが、先ほど聞きますというと、まだ理解していないところもあるようでありますので、十分気をつけます。そうして、たとえどういう施策をとりましても、政府の施策が曲って考えられないように、そうしてまた、それがあたたかい、先ほど申し上げたような気持で受け入れられるように最善の努力を払いたいと思います。どうか委員各位におかれましても、もしも私どもに足らざるところがございましたら、ひとつどんどん御叱正いただきまして、そうして万遺憾なきを期すように努力いたしますから御指導をしていただきたい。  衆議院のほうの委員会ともしばしば連絡をとっているわけでありますが、やはり現地へお帰りになったような方々からも模様等を承り、また、先日は委員会として、こういう点はどうすべきかというような個条書きのものも参りまして、ただいまそれをもとに両方で研究をいたしております。当然こちらのほうの委員会でも御研究願うことになると思いますが、まあ思っていたより今度の災害は傷が深うございます。さらに雪害というものが、これまで考えられなかった問題であるだけに、いろいろな問題について今後研究すべき課題が相当あると思いますが、これらにつきましても、どうぞ御遠慮なく御示唆もいただきますれば、私どもも一生懸命働きたいと思います。
  45. 熊谷太三郎

    熊谷太三郎君 たいへん御懇切なお話を承ったのですが、特に私どもお願いしたいのは、つまりその時分の連絡関係とか、いろいろな関係が不円滑であったというのではございませんで、実は、その当時の除雪機械の財政措置等につきまして、あるいは建設省関係でございますとか、あるいは特に自治省関係の財源措置に対しまして、実際かかったものに対する御認定に対して、非常に十分な御了解を得られないという点も特に長官のほうでお考えいただきまして、できるだけひとつめんどうをみてやっていただきたいということがお願いしたい点ですから、よろしくお願いいたします。
  46. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 承知いたしました。
  47. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 最後に、豪雪地帯対策特別措置関係でございますが、これもこの前の委員会でお尋ねしておいた結果、今政府の政令案の基準が示されたのであります。豪雪地帯対策特別措置法は、できてからこの法律が運用されていないのでありますから、すみやかに政令案は決定して、そして豪雪地帯の基本計画を立てて、今回の豪雪に対する対策を遺憾なきように措置してもらいたい。また、今まで私の質問に対して、総務長官はいろいろと善処するということであったのでありますから、その言葉のとおり、実行していただきたいということの希望を述べて私の質問を終わります。
  48. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 豪雪地帯の関係につきましては、これは経済企画庁の関係のようでございますが、私どもも共同の責任がございますので、十分機能を発揮できますように努力いたしたいと思っております。  なお、先ほど申し上げました事柄につきましては、誠実にお話ししたことだけは守るように努力いたしたいと思います。
  49. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 長官にちょっとお尋ねしたいのですが、激甚災害について、目下、その指定について御調在中であるということはよく了承いたしましたのですが、この雪による激甚災害については、一つは、ただいまもお話のあったように、臨時措置法において、豪雪地ということについて、いろいろ意見が分かれているようであります。豪雪についても、あるいは雪の量とか、あるいは寒冷というようなことで区域をきめるということで、いろいろ議論が分かれているのですが、さらにこれが激甚災害ということになりますると、雪や寒さはもちろん一つの条件ではありましょうけれども、問題の主眼は災害だと思うのです。したがって、雪の量が少なくても災害の量が多い場合もありましょうし、寒冷の度が低くても災害の量が多い場合もある。関連があるのですがおのずから違うと思います。したがって、この激甚災害によっていろいろ財政援助をするという場合には、災害ということに重点を置かなければならぬと思うのですが、どういうようなお考えでこの指定の方法を今御研究になっているのでしょうか、その点について。
  50. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) お説のとおりに、災害関係指定でございますから、したがって、災害によって起きた被害、その額、そういうものを基本的に考えまして検討しておるわけであります。
  51. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 臨時措置法の豪雪についての区域等の調査が済まないでも、激甚災害指定はもちろんできると思うのですが、それが第一点ですが、しかし、これは地方の財政に影響することが大きいので、その決定を非常に望んでおりまするから、早く御決定を願いたいと思いまするが、その決定の際に、個々決定するのか、あるいは全部そろわなければ決定しないのか、要するに災害指定する場合の大体の見込みをお聞きしておくということが必要かと思うのですが、いかがでございましょうか。
  52. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 先ほどちょっとお話し申し上げましたように、今度の災害は、全国的に一本の姿で指定する場合と、ものによりましては局地的にやる場合と、二つございますので、その数字が出ましたら、いずれをとりますか、ものによりまして局地的なほうをとったほうが早いということになりますれば、それも一つの考え方。あるいは一月の豪雪ということで指定いたしまして、全国一本でいきますることも一つのいき方。これは数字によりましてできるだけ実際に即するように努力をしたいと思いまして、数字を求めているわけであります。
  53. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 その指定をできるだけひとつ早くやって、地方の当局に安心を与えるようにしてもらいたいという希望を述べまして、長官に対する私のお尋ねは終わります。
  54. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 今の御注文けっこうでありまして、私ども各省を督促をし、各県にも皆さんの御趣旨に沿うように、早く所要の報告をされますように重ねて督促いたしたいと思います。
  55. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 長官に聞いておきたい。私は、今度の災害対策援助措置を講じなければならぬことはたくさんあると思います。この激甚地災害堆積上砂に関連をして出てくる問題もまだあります。寒冷地対策の問題も、それに入るかどうかという問題でありますが、たとえば果樹園をどうするか、農作物をどうするかという工合に、非常に各県からの陳情が激しい。だから、こういうものを今後どう処置していくかということは、各省との関係災害対策委員会が一つ一つ突き詰めて方向を出さなければならぬと私は思う。長官はそのときにずっとおいでになるかどうか、そういう点のことも委員長とよく話してもらって有効に会議が進むようにしていただきたい。しかし、この後段の問題がありますが、今の緊急の問題と申しましょうか、たとえば、雪は降りやんだのでありますけれども、まだいまだに孤立地帯があると私は思います。そういう対策を立てる場合に、孤立地帯をどうする、雪なだれの危険が、新聞なんかの伝えるところによると、これからまだ危険な所がたくさん出るのだということを伝えております。こういう雪なだれ対策はどうしておやりになるか、その二点を聞いておきたい。副本部長として、今後われわれが進める場合に、どういう工合にひとつ出ていただけるか、それも聞いておきたい。
  56. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 初めの問題でございますが、これは、私も東京をもちろん離れずにこの任務を終わりますまではずっとつきっ切りでやりたい、かように考えておりまして、もし外出の必要がありますれば、本部長に出ていただきまして、私はこちらにずっと出てきたいと思います。そうして必要がございますれば、正式の委員会でなくともけっこうでございますから、お呼びいただきますれば、都合のつく限り参ります。先ほどの果樹園の問題もございますし、植林関係もございますし、あるいは果樹用に建てているうちをどうするかという問題もあります。いろいろなものが法律のどこに該当するのか、しないじゃないかというふうなものも相当出て参っておりますので、これらをできるだけ早く御相談しつつ決定をしたい、かように考えております。  なお、雪なだれ対策とか、あるいはそのほかの緊急な処置につきましては、あるいは自治省でありますとか、建設省でありますとか、あるいは消防庁関係、警察関係、それぞれ分担していただきまして、地方にも十二分の連絡をとって注意も与えて、再びそうした問題によって災害の起きないように処置していただくように努力しておる、次第でございますから、そちらのほうからひとつお答えするようにさせていただきたいと思います。
  57. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  58. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 速記を起こして。
  59. 安芸元清

    説明員安芸元清君) 融雪対策について、建設省といたしましてとりました処置について御報告申し上げたいと思います。今回の異常な豪雪にかんがみまして、異常ななだれとか出水というものが予想されます関係で、河川局長名をもちまして二月六日に、各都道府県知事あてに、特にその注意すべき点につきまして警告を発しまして、管下の市町村長に対しましても、その旨を特に徹底させるようにということで通知いたしたのでございます。そのおもな点を申し上げますと、地方公共団体だけではございませんで、流域内の降雪量というものを把握するということが非常に大切でございますので、流域内の降雪量の把握と、それから測候所、気象庁と適時連絡をとりまして、気象状況の変化、これに特に留意をいたしまして、洪水、出水とか、なだれ等の被害防止に当たる。次は、特に新潟県等におきましては、地すべり地帯なんかが非常に多うございますので、地すべり地帯とか、なだれの予想せられる所、それから山くずれのおそれのあるような所、これらの所につきましては、特に今すぐそれを防止するということが非常に困難な関係上、とりあえず特に避難の経路、避難の場所等につきまして、的確に地元で協議をして最悪の事態に備え得るというような態度をとるように指示いたしました。そのほかは、融雪、出水が相当長期にわたるというふうに予想されますので、水防対世に遺憾のないようにするとか、水防のためのいろいろな資器材の整備というようなものを十分に準備しよう、それからまた、なだれ、それから結氷等によりまして河道が著しく埋没された、それから道路の除雪等によりまして、とりあえず川の中に雪を運んで捨てたというようなものが河川の河道の障害になりまして、災害の原因になるというようなことも考えられますので、そういうようなことについてもあらかじめ措置をしておけというふうなことにつきまして、具体的にすでに二月六日付をもちまして、河川局長名で通知を出した次第でございます。
  60. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  61. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩    ————・————    午後一時二十分開会
  62. 辻武寿

    委員長辻武寿君) ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続いて、雪害対策等に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は御発言を願います。
  63. 永岡光治

    永岡光治君 農林当局にお尋ねいたしますが、主として南九州の状況について私ども実情調査に参りまして痛感した次第でありますが、そのうち柑橘に対する被害が非常にひどいようでございます。今なっている夏ミカンは、木が折れるとか裂けているとかで、なっていても全く苦味が多くて食べられないとか、腐っているとか、そういう状況が非常に強いようであります。また、普通のミカンは、もうすでに終わってはおりますけれども、春を控えて芽がほとんど役に立たないくらいしぼんでしまって腐っておる。それから若い苗木はてんで問題にならない。特に国東半島近くは、開墾までしてやっと二年生くらいになった所もありますが、それもほとんど役に立たない状況で、ことしはもとより来年もたいして役に立たないのじゃないかという心配をされているような状態だと聞いております。これは雪と同時に寒さがその上に加わっておりまして、話によりますと、慶長四年以来の寒さだそうでありまして、二百七十年来だ、そういう話を聞きました。非常に寒い状況でございまして、これに対する手当が非常に問題だと、私ども痛感して参ったのでありますが、おそらくこういう状況は、熊本なり鹿児島も同様の状況であろうと思います、また、麦の状況もそのようでございます。ふだんなら五本から六本くらい出ている——一月の下旬ですけれども、そのころ五、六本出ていなければならないものが、二本くらいしか出ていない、雪に埋められておる田畑に、そういうのが強いようでありまして、このままいけば収穫期には膨大な被害になるであろう、その被害の状況に対する手当はどうするか、また、品質も悪いのでございますから、それに対する買い上げについてどうしてくれるのであろうか、こういういろいろな心配をしております。菜種においてもしかり。とにかく予想しなかったような被害が非常に農産物関係で多いのでありますが、私はやはり激甚地の災害法を適用すべきじゃないかというふうに考えるが、要望を承って参っておるわけでありますが、政府のほうでは、先ほど来の答弁では、総務長官は、できるだけあたたかい手を差し伸べたいのだ、こういう話でありますから、おそらくこれは激甚地の災害法の適用になる地域になると私は思うのでありますが、農林当局のほうでは、そういう方向で今検討をされておるのか、冒頭にまずこの基本方針についてお伺いしておきたいと思います。
  64. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) 私どもでは、現住西日本の山日県、それから福岡、佐賀、長崎、大分、四国の愛媛、これだけはすでに被害調査を終わりまして戻って参りました。残余の県では現住調査中でございます。今週の半は過ぎ、明日か明後日くらいには全員が戻って参りますので被害状況がわかると思いますが、とりあえず技術指導の、樹勢回復のための技術指導に主力を置いて指導しております。それからもう一つは、災害の復旧のために、いろいろな金が要るわけでございますが、そういったものは、現在の農林漁業金融公庫から出す制度がございますので、そっちのほうの周知方をやる、つまり技術指導と現在でもできることをやる、これを主題に置きましてやっております。
  65. 永岡光治

    永岡光治君 対策はそれでいいのですけれども、さっきも聞きましたが、激甚地災害法の適用地域にするということで検討を進めておるわけですか。
  66. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) 今、特に園芸部門につきまして園芸局長の答弁があったわけでありますが、全体につきましては、いろいろ個々の具体的調査もされておりますけれども、ただいま御質問の点につきましての全体の調査の結果、大体これで間違いなかろうという数字を現在の段階ではつかまえておらないわけであります。したがいまして、今後これははっきり何日ごろ出るというととは申し上げられませんけれども、できるだけ早く将来の見通しなり概況について、やや見通しの確かな数字、そういうものを把握いたしまして、その後において、ただいまの御質問の問題に対処して参りたい、こういうふうに考えております。
  67. 永岡光治

    永岡光治君 非常に無理な質問かもしれませんけれども、決していじめるというつもりじゃなくて、現実の状況が非常にひどいので私は尋ねるわけでありますが、園芸局長の話では、大体相当の県を調べておいでになる、その状況から判断をしてどうなるかということです。おそらく見通しは、細部にわたってのものは別として、大よその方向は出ているのじゃないかと思う。
  68. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) これは、別に何と申しますか、逃げ口上で申し上げるのじゃないのでございますから、その点ひとつお含みいただきたいのでございますが、ただいま永岡先生がおっしゃいましたように、何百年来といわれるほどの初めての例でございます。したがって、完全に葉が落ちてしまった幼木あるいは成木、葉が縮まってしまったようなもの、これが一体どこまで回復するかということは、技術的な見地から検討しております。おそらく芽が出るまで待たぬとわからぬじゃないか、芽が出たときに発芽状況を見た上で剪定をやるなり、剪定しないほうがいいという判断を下さなければならぬ、したがって、その後において今後の減収状況がわかるという技術者の態度でございます。したがって、今のところ、直ちに本年度収穫皆無、あるいは明年度何%の減収というような結論を出すまでいっておりません。ただ、先ほど申しましたように、樹勢回復の肥料をやる、あるいは農薬を塗付してやるというような指導を行なっておるわけでございます。
  69. 永岡光治

    永岡光治君 私はあまり勉強してないのでたいへん申しわけないので教えていただきたいと思うのでありますが、ここで激甚地災害法の適用のあるものとして、一体そういう柑橘なり、農家の立場に立って、どういう措置が講じられるのか、概要をちょっとお教えいただきたい。
  70. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) 現行制度そのままで申しますと、全部について御説明するほど詳しくいたしておりませんけれども、大体農林省関係で申しますと、天災融資法につきましては、一件当たりの貸付金額が上がるというようなこと、それから、たとえば南の地域につきましては、そういうことが予想されるかどうか、はっきりいたしませんけれども、たとえば雪が融けて被害があった場合には、農林関係の施設の災害の負担がございますが、補助金その他もございますが、そういうものについての補助率が上がるというような点が、現行の激甚災を指定した場合の現行の農林関係被害関係になると思います。
  71. 永岡光治

    永岡光治君 農作物それから果樹園芸等の問題については、麦あたりは、もう保険がありますから、あるだろうと思うのですが、その他の問題については、その被害額について補助してやるという、そのことは現在もないわけですね。そうしますと、もう一回植え直したとか肥料をやるとか、そういう苗木の問題を含めました再建と申しましょうか、そういう問題についての融資の方法しか今のところないと、こういうことになるわけですか。
  72. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) 果樹、野菜に対しましては、現在米麦のような農業共済の制度はございません。したがって、先生のおっしゃったとおり、果樹等につきましては融資によって植えかえをやるとか、あるいは肥料、農薬を買うための資金、あるいは減収による生活資金のためには自作農資金の融資を求める、そういった融資以外には現在はないわけでございます。
  73. 永岡光治

    永岡光治君 これを機会に、やはり米麦以外のものにつきましても災害補償になるような共済制度ですね、これは特にこの際ぜひ実現すべき問題じゃないかというふうに考えますが、その点は、農林当局はどういうふうに考えているのですか。
  74. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) 果樹の農業共済の問題は、実は三十六年度から三十七年度、二カ年、現在まで、基本的な災害統計その他の集計を終わっております。三十八年度で、今度具体的な保険料率の設計でございますね、この試算に入る段階になっております。これは、農林省の中で応用研究費をもらいまして、農林経済局の農業保険課のほうでそういういろいろの検討をしてくれております。したがって、三十八年度になりますと、試算ではございますけれども、保険料としてどのくらいのものをみたらいいかといったような一応の設計が完了する予定でございます。
  75. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、その共済制度を確立するという方針がきまっておって、まあ不勉強でたいへん失礼なんでありますが、三十八年度、いよいよその保険料率の問題で結論が出れば実施をする、こういうように解釈していいわけですか。
  76. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) 共済制度をこれまで及ぼすという態度がきまっているわけではございません。やる場合には、一体どういったような設計になり、どのような負担をとったらよろしいかという技術的な検討を進めておるわけでございます。農業共済そのものを、その検討が終わり次第、直ちにこれを適用するというところまで現在まだ踏み切った状態ではございません。
  77. 永岡光治

    永岡光治君 これも大臣に対する質問事項になるかと思いますから差し控えますが、ぜひひとつそういう方向へ進めてもらいたいと思いますが、これはどうなりますか、これはあるのではないかと思いますが、林道の雪解け期における被害ですわ、今のところはそうたいしていたんでおりませんでしょうけれども、話によりますと、これは現地のお話でありますから私もたいして知りませんが、次のようなことであります。融雪期になるとどんどん声が入ってぐるので逆がいたんで参ります。これに対する補償と申しますか、改良といいますか、それには非常に金がかかります。そういう問題に対しても特段の考慮を願いたい、という話でありますが、これはどういうことになるわけでありますか。
  78. 若江則忠

    説明員若江則忠君) お答え申し上げます。林野庁の所管の林道施設の災害でございますが、ただいままでのところ、積雪の下におおわれまして、雪災害としてはほんのわずかの額しか報告が来ておりませんが、お説のように、融雪時にかなり路面路体等が損壊されるであろうというように懸念いたしておりますので、災害報告がありますと、査定官を派遣しまして実査しまして、必要に応じまして農林水産業施設災害補助の暫定法の適用をいたしまして、奥地林道は六割五分、一般林道は五割の補助でございますが、これが激甚の度が上がるに従いまして逐次補助率が増高して参りまして九割程度まで補助できるというような仕組みになっておりますので、林害報告を待ちまして現地査定をいたしたいという現状でおるところでございます。
  79. 永岡光治

    永岡光治君 それから雪害によって林木が倒れたり、裂けたり、役に立たないという問題がひとつ起きてくると思うんですが、それに対する手だての問題はどうなるかという問題と、もう一つは、林業者ですね、林業者は製材関係でございますから、これは通産関係になるのかもしれませんけれども、営業が雪が深いためにほとんど動けなくなった、それからそこで働いておる山の林木の切り出しの人だとか、あるいはその材木工場に働く人々、こういった人に対する補償といいますか、手当の問題が一つ起きてくると思いますが、それは今政府のほうでこれをどういうように措置されようとされておるのか、これをひとつお伺いしたいと思います。
  80. 若江則忠

    説明員若江則忠君) 前段の林木の雪損その他による災害でございますが、これは森林国営保険で、昭和三十六年度から、気象災害による損害につきましても保険の対象にいたしておるわけでございまして、保険契約をされておる方につきましては、被害報告がありまして、県の係官が査定をいたしまして、損害額に応じまして補てんをする、こういう仕組みになっておるわけでございますが、保険契約をなさっておられない林業者の被害につきましては、別途天災融資法等の発令等がございましたら、それによりまして被害林業者としての融資の道があるということでございます。なお、当該林業者が再造林をする場合につきましては、従前の例では、フェーン現象による大火あるいはカラマツの先枯れ病による再造林につきましては、特別の助成をした例もございますので、現在、今次雪害によりまして再造林をする面積がどの程度をあるのかという点等を県のほうで調べを願っておるわけですが、まだその点等が十分調査が終わっておりませんので、その調査を持ちまして、先ほど申し上げましたような前例に準じましたような措置を講じたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、後段の零細工場施設の倒壊あるいは豪雪によって原材料の入手が困難で、工場が操業できないというふうな点等につきましては、中小企業金融公庫等の融資をあっせんしていくということで、都道府県知事のほうにも御依頼申し上げておるわけでございまするが、そういうふうな方法で零細工場の復旧、原木の手当等を進めて参るように考えておるわけでございます。
  81. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 天災融資法の農林水産業の災害に対しての利子は幾らですか。
  82. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) いろいろ程度によって違いますけれども、三分五厘から六分五厘になっております、経営資金でございます。
  83. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、延滞利子は二銭六厘五毛、九分三厘くらいになっているように法律に、この前の措置法に出ているわけです。そこで、被害が起きて、立ち直るために天災融資法を受けるわけですけれども、今の零細農業で果樹栽培によって息吹きをしようというような農業状態では、なかなか借りた金を返すだけの資力がないという状態があるんではないかと思うのです。こういうものをどうお考えになっているか。ちょうど伊勢湾台風のときに、流失の漁師舟ですね、これはむしろ補助金を出して対策を立てていますね、そうなると、果樹園にしたって、農作物にしても、単に天災融資法じゃなしに、農業災害にないなら、融資とあわせて補助金を出して考えるというのが私は道ではないかと、こう思う。これは、この前の三十六年の衆議院の附帯決議にも明確にこの問題はうたっているわけです。今の農業災害のほうにも人ってないという、また、検討はしているけれども、入るということを約束、きめたものでもないというようなお返事があった。そうなると、災害を受けた農業の対策というものは、単に金を貸してあげる、少しの利子補給をしてあげるということにとどまっている。こうなると、私は、それでは少し足らぬのではないか、これを豪雪、寒害と申しましょうか、そういうところに今後、有史以来の豪雪でありますから、これを補助しなきゃなりませんが、農林省というのは、農林災害については天災融資法だということだけで、国会における附帯決議やその他は全然三十六年から今日まで検討していないと、こういうことですか。
  84. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) ただいまの点でございますが、実は三十四年以来こういった災害に対しまして肥料代、農薬代の補助をいたしておりません。その理由は、三十三年に最後の補助をいたしましたときに、肥料代、農薬代の補助は、一戸当たりに割りますと、非常に零細になりまして、零細補助金であるということが一点と、それから、これを配給いたしますのは農業協同組合その他の団体でございますが、その際、一般購入の肥料あるいは農薬と区別が必ずしもつきかねるというような御指摘がございまして、以来やめていたわけでございます。今回果樹の例で申しますと、同様に肥料代、農薬代が要りますので、そのほかに改植いたしましたり、補植しますために苗木代というのがかなりの金額に上るんじゃなかろうかということが心配されます。したがって、従来やっていなかったから今回もみないんだというふうにはっきりと割り切ってしまうことができるかどうかというのが非常に疑問でございます。したがって、農林省では現在これを検討中でございます。まだ最終的な結論を得ておりませんので、しばらく御猶予をいただきたいと思います。
  85. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、今度の事態が起きてから検討されていると、検討していただくことはけっこうですけれども、やはり三十四年災以後毎年、連年災害というような問題が起きて、去年はなかったですけれども、締めくくりとは申し上げませんけれども、三十六年のこれらの災害措置については、単なる融資ばかりでなしに、やはり国の国庫補助によって措置をせなければ農家は持たぬのじゃないかという議論の末にこういう附帯決議がついたと思う。だから、何らかの措置で保護するために、たとえば共済保険ですかの中にこれを入れるとかなんとかいう措置を片一方で考えながら、今度は雪ですけれども、七、八、十月ごろまでの風水害のまた被害もあるわけですから、そういう被害のときに単なる融資だけでなしに、やはり何らか国が力添えをしてあげなければ農家経済というものは持たないのじゃないかと私はそう思う。特に西のほうの農家は零細農家ですからね。だから、なおさら私は持たないと思う。それを今日まで、事が起きなければそれでよしということでずっときたんだと思うんですけれども、やはり私は、国会の附帯決議というものがちゃんとあって、それは附帯決議はどう検討するかというのは、正式にいえば次の国会には——次の災害があったときでなしに、次の国会には、この問題はどう処理しましたと政府はやはり国会報告をしてあたりまえのものだと思う。それが附帯決議だと思う。そのときにできているか、できていないかは別といたしまして、こういう事態で検討いたしまして、かくかくの段階にありますというのが、私は政府の義務ではないかと、こう思う。それが二年たって今日できていなくて、今日、今検討中だからということであれば、私はこれ以上言いませんけれども、しかし、今までにやはりそういうことが起きたときにはどうすべきかということは、日々検討されてあってしかるべきではないかと私は思う。そこのところが少し私はちょっと聞いていて不満です。共済の中にも、まだ研究していますけれども、入れるとも入れぬともきめてない。相当の時間がたっているのにそういうお答え、片一方は天災融資でございますからということだけでは、私は事は済まないのではないかと、午前中にも議論がありましたが、たとえば堆積土砂の問題、道路、農地その他の堆積上砂の排除の問題については目をつぶることが、かりにあっても、しかし、生活に関係する屋内の障害物の除去はどうするかということになると、その問題が議論をされてそうして救助法にまで頭を出して、手続は少しどうも悪かったようでありますけれども、とにかくやる措置が講じられておったという工合に、今の私は零細農家にしてみれば非常にたいへんなことだと思う。西のほうでもこの寒害によって野菜や麦がもうあかんと——今お話のありましたように、本来ならば五、六本もの芽が根から吹くやつが二、三本しか吹いていない。非常な被害だと思います。そういういろいろなものが、今後わかってくる問題ですけれども、今わかっているのは、大体果樹園なんかわかっているのではないですか。そういうときに、私は少し農林省としても災害に対する、特に農家経済との関係においてもう少し日々の熱意が欠けておったのではないかという気がいたしましたので、重ねて尋ねているわけです。ですから、その今までの議論されたどれだけのものを今日までやってきたか、どれくらいしなければ農家経済が持つか持たないかわからないか、こういう点をひとつ御見解を伺わしていただきたい。   〔委員長退席、理事藤野繁雄君着席〕
  86. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) 肥料、農薬のこういう生産資材の補助の点に関しましては、先ほど非常に零細なということを申し上げたのでありますが、これを例にとって申し上げますと、たとえば今回の柑橘の樹勢回復用の肥料、これは窒素、隣酸、カリ各要素を、大体要素で五キロあて増配、増肥いたします計画でございます。農薬といたしましては、ボルドー液を木の幹に塗ってやるという程度のことを考えておりますが、この代金がどのくらいなのかといいますと、肥料の場合、大体反当たり千円前後、それから農薬の場合でまず五百円から千円程度。したがって、これは全額でございます。この三分の一あるいは二分の一と申しますと、個々の農家当たりになりますと、非常に零細な金になる。この前指摘されました零細補助金という条項は相変わらず該当いたします。したがって、それをそのまま零細補助金の指摘を受けつつ同じことを持ち出すというわけにも参りませんので、先ほどのおしかりを受けたのでございますが、私ども全然手をこまねいておったわけでございませんので、農家経済の助けになるためには、何かいい方法はないかという研究は十分いたしておったようなわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
  87. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私の言っているのは、たとえば肥料であるとか農薬であるとか、そういう保護援助の措置は、それが何らかの方法でしていくことはいい。しかし、補助率が低くなるから見当がつかなくなった云々というお話でありました。そのこと自身をとってみれば、そういう答えが出るかもしれませんが、しかし、一反歩のたとえば果樹園を持って何年聞か育て上げてきて、ようやく二万とか、三万の収入を得ようとなってきた、その長年の苦労——しかし、それがびしゃりと中心の幹から折れてしまって再起不能で、これはもうどうにも二、三年は収入の道がとだえてしまう、こういう事態というものは、今度の雪害でたくさん出ていると思う。そういたしますと、たとえば新しい苗木を買ってきて苗木を植えて、これもまた三年も四年も育てな、ければ収入になってこないわけです。だから、そういうことを考えますときに、その果樹園を三反とか五反持ったものがゼロになるかどうか、被害の状況によって違いますが、反当たり三万円なり二万円なりの収入があった、三反なら六万円のものがゼロになるか、五分の一になるか、六分の一になるかということで二、三年いこうとしたら、そのままでは農家経済は持たない。それで天災融資で幾らか利子補給してあげましょうといったところで、それが立ち直っていく期間というものは、米ならなんぼを耕して植えれば、整地さえできれば、あくる年同じようにとれます。一年で米ならとれます。たんぼに入った堆積土砂は排除する法律があるわけですね、排除できるようになっている、道路の問題とあわせて。そして整地に対して何分の一か何割かを補助して堆積土砂は取っている。果樹園になってきたら、それで生活している人は、ゼロまたは何分の一という格好で、それは融資ですよということで、これは少し問題ではないか。だから農災の中に入れて、その果樹園の災害があったときに農災で保護するということで一つの道が開かれて参ります。しかし、このときに単なる天災融資法だけなんだ。利子補給してもらったって三分五厘です、三分五厘の利子を払わなければならぬ。一定の期間が来たら九分三厘の延滞利子を払わなければならぬ、こういうことなんです。だから、衆議院も参議院も同じ気持で、何とかそういう農業作物に対する問題は、単なる融資ばかりでなしに補助をやって、何か農家経済が持つようにしてもらいたいということを出しているわけですよね。だから、そこのところあたりがどうもたんたんとして——先ほどから質疑を聞いていると、たんたんとしてそれは天災融資法だけですと、まるでどうも、問題にしていないとは私は言いませんけれども、あまりにも事務的に扱い過ぎているような感じを受ける。私は、これでは少し災害に対する救助をするという基本から離れていっているような気がするわけですから、だから、きょう言うて、それじゃ今どういたしますと、それはお答えは無理でしょう。そこまで私は追及いたしませんけれども、やっぱり総合してふり返ってみて、これは果樹や農作物の被害には、この際何をもって農家経済を、どういう名目をもって農家経済を助けてあげるかということはお考えになるべきではないか、私はそう思う。どうですか。
  88. 富谷彰介

    政府委員(富谷彰介君) まことにごもっともなお説でございまして、私どももそういう考え方から現在なお検討いたしておるような次第でございます。
  89. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ぜひひとつこの国会中に、この災害の果樹園なんかは、雪の消えるに従ってだいぶんわかっていますけれども、しかし、農作物の被害というものは、もう南のほうは大体野菜なんかの被害がたくさんあるということがだんだんわかってきますけれども豪雪地帯の中心をなしているところは、まだ表に出ておりませんから十分わからないのでありますから、順次その被害がわかるに応じて対策を立てなければいかぬ状態ですから、私はやはり少なくとも今国会で、少なくとも年度末くらいまでには、場合によっては補正予算でも組んで対策を立てようかということが国会の雰囲気だと思うのですから、少なくとも年度末までには明らかにしていただいて対処するようなかまえを作っていただきたい。お願いしておきたいと思います。この問題はけっこうです。
  90. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 あるいは質問があったかと思うのですけれども、山林の災害の立木ですね、立木を天災融資法のほうではどんなふうに見ておるのでしょうか。
  91. 若江則忠

    説明員若江則忠君) 天災融資法の被害林業者の被害程度をはかる場合に、木材、薪炭等の流失損害によって、平年の収入の何割以上の被害を受けたというふうに書いてあるわけでございますが、三十六年の災害時におきまして立木災害がかなり見受けられましたので、立木災害がありました場合に、倒壊立木を整理するのに非常に手数がかかるといったようなかかり増しの分は、平年に対する損害に見込みまして、それが一割以上になれば被害立木になるというような運用をいたしておるわけでありまして、当年の豪雪災害につきましても、そういうような運用によりまして、被害を平年の収入に比べまして、市町村長が認定していくというような方法をとっておるわけでございます。
  92. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 そうすると、立木というのは被害の対象に明文にはなっておらないのですか。
  93. 若江則忠

    説明員若江則忠君) なっておりません。
  94. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 なっておるのですか。
  95. 若江則忠

    説明員若江則忠君) なっておりません。
  96. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 何とかもっとはっきりさせることを適当な機会にやってよろしいと思うのですが、どうでしょうか。
  97. 若江則忠

    説明員若江則忠君) この場合の天災融資法の融資は、再生産するまでのつなぎ融資というふうに見受けられるわけでございます。ところで、生立木が折損いたしました場合には、それが跡地が、全然整地しないとなりますと、今度は造林するという行為にならざるを得ないわけですが、造林部門につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、補助あるいは融資の道がございますので、補助を受けたほうが有利であるというふうなことも考えられますので、入れなかったのではないかというふうに解釈いたしておりますが、省内でも疑点がありまするので、必要があれば「立木等の損失による損害額は」というふうに入れることも検討いたしておりまするが、先ほど御説明申し上げましたように、三十六年に運用通牒を出しておりまするので、その通牒の範囲内で運用していただくというような方針で参っておるわけであります。
  98. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 被害のその後の処置ですが、そういうようなことについては別に支障はないのでしょうか。
  99. 若江則忠

    説明員若江則忠君) 先ほど申し上げましたように、立木が折り重なって倒れている。その被害木を整理するためには、一般に木を切って出すときよりも相当のかかり増しがある。そのかかり増しが被害額であるというような見方をしているわけでございます。なお、その被害木を整理した跡の再造林寺につきましては、別途助成の道があるということをお答え申し上げます。
  100. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 いろいろ御意見もあると思うのですけれども、そういうような立木を中心にしていろいろの災害、それに対する救助は、解釈によって出せる、こういうふうに考えられる点もありますけれども、その中心である立木というものを法文の上にはっきりすることがむしろ適切じゃないかとも思うのですが、ぜひこれは御研究を願いたいと思うのです。  それから農林関係のことは、先ほど来いろいろお話があったように、まだほんとうの災害というものが目に現われないと思うのです。融雪期あるいは雪が全部なくなったというときにおいて、災害がうんと出てくると思うのですが、それに対しては相当用意もあると思うのですが、これは事務当局よりも大臣にお聞きしなければならぬかと思うのですが、大体事務当局の見方から、従来の例によって予算等において相当それらに対して対策を講じ得る見込みでしょうか。一応のお考えをお聞きしたいと思うのですが。
  101. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) その点は、今回雪が解けましてあとでどの程度——まあ極端な場合は洪水ということも考えられるかと思いますけれども、今どの程度の予算なら予算というものを担当として考えているかということにつきましては、これは解けてみなければわからないというのが実情でございます。ただ御存じのとおり、毎年々々融雪災害というのが方々でありますので、しょっちゅう手当をしているわけであります。御存じのとおり、大きくなりますと農林水産業施設の国庫補助の暫定措置法というものがございますから、まあそれによりまして、実情によるそれぞれの基準によって一応の経費を出す、こういうことになっております。額については、今申し上げましたように、今のところは見当がついておりません。
  102. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 それで、その一例ですが、自作農創設維持資金も、もう少しワクを増してもらいたいとか、あるいは貸付条件を緩和してもらいたいという声も相当あるようですが、これらに対してはどういうようなお考えでございましょうか。
  103. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) まあワクの問題につきましては、本年度分、つまり三十七年度分につきましては、年度の終わりでもございますので、そうふんだんに残っておるというわけにはなっておりません。しかしながら、ただいま申しましたように、実際の被害の全貌というものが判明いたしますのは、おそらくはやはり三月に入ってから、そういうことが予想されますので、そうなりますと、おのずから経費の支出になりますのは四月になるのではないか、こういう前提に立って考えますと、さしあたり本年度のワクをふやすということを考えなくとも、大体来年度にまたがりまして何とかなるんではないか、そういうふうに考えております。
  104. 永岡光治

    永岡光治君 今のと関連して、自作農維持資金の貸し出しの条件ですが、従来いろいろもうお聞きになっていると思うのですけれども、保証能力といいますか返済能力ですかね、これが条件がむずかしいようなんですね、実際の実情を聞いてみますと。ところが、ほんとうにほしいのは、そういう能力のない人ほど実はほしいわけですよね。何かそこらあたりで便法を考えるという方法は考えられないのですか。これはもう非常に地方からの強い要望です。つまり、貸し出し条件を緩和する方策を特段にひとつ考慮してもらいたい。
  105. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) ただいま御指摘のとおり、そういう希望は非常にあります。非常にありますけれども、なかなか御希望に沿うような方法を今後考えるということもむずかしいわけでありますが、しかし一方、手続その他煩瑣な点はあろうかと思いますけれども、この自作農、資金につきましては、御存じのとおり、比較的需要がある、需要があるというのはおかしな言い方かもしれませんけれども、そういうことで、いろいろな融資措置と比べますと比較的スムーズにいっているのではないか、そういう現状にありますので、なお、これに限度の引き上げとか条件緩和ということも場合によれば必要ということも考えられますけれども、さしあたりのところでは、従来の例に徴しましても、まあまあ現在の制度そのままである程度いけるのではないか、こういうふうにわれわれといたしましては考えているわけでございます。要望が非常に多いことはわれわれも承知をいたしております。
  106. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 ただいま申しましたように、この農林の関係は、今後非常に緊迫を告げてくるんだと思うのですが、まあいろいろありますけれども、何といっても雪のために耕作がおくれるということが一番おそろしいので、できるだけこれを促進するような方途を、技術面からいってもいろいろ考えなければならぬと思うのですが、一昨年の豪雪のときの体験から申しましても、たとえば肥料の配分、肥料の輸送ですか、国道とかあるいは県道とか、相当の所までは除雪その他によって差しつかえなく肥料を運搬することができるのですが、末端にいけばいくほどそれが困難であって、農家の手に入るのは、そういう意味でおくれることがあるので、これを直ちに農林省の所管とのみはいえないかもしらぬが、農林省が中心になって肥料が農家の手元に行くことについて、交通関係について十分の注意を払う必要があると思うのですが、これには建設省なり、または自治省あたりと連絡をとってやる必要があると思うのですが、これについての何かお手配があるのでしょうか。
  107. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) ただいまの御質問につきましては、金沢と新潟でございましたか、そこに農林、通産、国鉄、そういう関係軒が集まりまして、これはさしあたり私は鉄道輸送が対象ではないかと思いますけれども、そういうことで、一方雪害関係県の滞貨の一掃と、それから逆に今御質問のように、今度は持ち運べるものというものがあるのだろうと思います。そういうものについての鉄道、少なくとも鉄道輸送を円滑に行なうという、そういう一種の輸送対策機関みたいなものはもう設置されておりますので、当然その問題から波及しましても、ただいま御指摘の、それでは駅から実際に必要な場所までどうやって運ぶか、たとえば自動車輸送ということになろうかと思いますけれども、そういう機関から漸次その問題にも手が伸びまして、それで何らかの具体策が講じられると、こう期待しておるわけであります。また同時に、われわれのほうに対しましても、その動き方の進め方によりましても、そういう問題が常に入ってくると思いますので、そのつどそのつど、それによって対策を立てていきたい、こういうふうに考えております。
  108. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 関連。私は今の農林省関係で一、二お尋ねしたいと思うのです。これは、直接この災害関係があるかどうか、関係ないとは言いませんけれども、今の自作農創設資金ですね、これは創設と維持とどういう比率でことしは配分されておりますか、これだけ聞いておきたい。——あとで考えて下さい。  それから今の小柳先生のお話の続きですがね、農家の実情というものをどうも農林省はあまりつかんでおられぬような気がするわけです。なぜかというと、鉄道輸送、これは人間の生命に関することですからなんですけれども、鉄道がまず開通をする、その次に主要道路が開通をする、これに非常な力が入っているわけです。しかし、もう豪雪で二メートル以上の地帯では、全然あとは孤立地帯なんですね。これは雪をどけなければいかぬ。しかし、農家の状態を見てみると、山陰方面を私歩いてみましたけれども、あの辺は牛の飼育地ですが、牛に関しては飼料があるわけです。飼料は長年続いていますから、牛の飼料については半月や一カ月はそう苦労していたい。ところが、養鶏の飼料になってくると、もう日々金がかかりますから、非常に少量のたくわえしかない。だから、ほとんどあの地方の養鶏場は全部手を上げておったと思うのです、この飼料に。人間は米を持っていればつけものか何かで食べられる。牛は何とか食べられる。今度養鶏というのは全部アウトです。その養鶏の飼料をどうして運ぶかという、私は今のお話の中に出てくるかと思ったら出てこない。だから、これはあまりにも無関心ではないかと思うのです。私は北陸から新潟のほうは歩いておりませんからよくわかりませんけれども、大体そういうことではなかろうかと思うのです。だから、これは自治省関係になるけれども、軽量な雪上車の運搬車をやはり何とか配置して、雪が降ったときには、その飼料の輸送をやるとか、将来の問題ですと何らか特別な融資をしてあげて、雪の期間には、その飼料分だけは低利で金を融資してやるとかなんかをしないと、鶏は卵を生まなくなってしまったというのが現状なんですよ。そういうことが出てこないので、私はこれは農林省から要求をして自治省でお作りになることか、これは運輸省ともいかないから自治省の管轄だと私は思うのですけれども、そういうどうにもならない豪雪地帯へ軽量の雪上車でも配置して、輸送に通信に事欠かないようにするということは、私は必要ではないかということを感じて参った。これは自治省からも農林省からも、今のお話についてひとつお答えいただければけっこうだと思うのです。むろん除雪に対して全力を尽くしていただかなければなりませんけれども、二メートルも三メートルも積もった所は、そんな短時日で除雪なんてなかなかできるものではありませんから、その間の要するに孤立した地帯、みんな農村ですよ、その農村の連絡運搬用にそういうものが必要だという感じを深く受けて参った。御見解をお聞かせ願いたいと思います。
  109. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) 御質問の前段の三十七年度の創設資金と維持資金の割合は、一三〇対六〇ぐらいになっておるようでございます。  第二点のお話につきましては、特に先般来雪上車の問題等いろいろ要望があるわけでございますけれども、ただ、ただいまの家畜飼料だけを運ぶために、そういう方法を農林省だけで考えられるものかどうかという点について、なかなか農林省といたしましては確信が持てない。むしろ一般の積雪地帯における利用と申しますか、当然人も乗るものと考えられます。そういう関係で総合的にむしろ考えないと効果がないのではないかというふうにわれわれとして考えておるわけです。われわれとしましては、いわばいい知恵がないというようなことが現段階における考え方になっております。
  110. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 いや、私の言っているのは、その孤立地帯が、全部養鶏については手を万歳をしてしまって、処置の仕方がなかったということを農林省がお調べになりまして、その農林省だけでそれをどうこうというわけにはいきませんから、自治省やなんかに要求をして、そういうことも重大問題でしたというぐらいの発言があってもしかるべきではなかったかということを言ったのです。これは、養鶏とか農林関係の輸送だけではないのです。これはやっぱし人の輸送もありますし、いろいろの連絡輸送のために必要な面がありますから、むしろ自治省に、どうい工合にしたらいいかということを御研究になっておったら、自治省の方がお出になっているからお伺いいたしたいと思うのです。
  111. 松島五郎

    説明員松島五郎君) ただいまお尋ねのございました積雪地におきます市町村に雪上車等を考えるべきではないかというお話でございますが、従来は積雪地におきましても、道路の除雪というようなものはあまり大きく取り上げられていなかったことは御承知のとおりでございます。最近の交通の発達に伴いまして、そういった問題も緊急の問題として積寒道路法というようなものができましたり、あるいは私どものほうで取り扱っております交付税の算定等におきましても、積雪補正等によりまして、道路の除雪費というようなものを交付税の中にも織り込んで参ってきておるわけでございます。  なお、そういうことをもってしても足りない、あるいはそういうことによっては十分目的を達することのできない地帯におきます輸送の確保について、どう考えるべきかという問題がただいま御指摘になった雪上車等の問題であろう思います。従来は、今申し上げましたように、通路の除雪範囲をだんだん広げていくというような方向で主として問題が考えられてきておりまして、ただいま御指摘のような問題は、正直申しまして私どもまだ十分検討をいたしておりません。ただ、農業の近代化というような問題に伴いまして、新しい農業機械というようなものを入れられてきておるようでございますが、そういったものもある意味においては、冬季間は交通確保等にも転用できるものもあり得るのではないかということも考えられますので、そういったものとあわせまして今後検討して参りたいと考えます。
  112. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 道路の除雪について、ちょっとお伺いしたいのですが、一級国道で指定されておるものの除雪を地方でやった場合に、負担はたしか二分の一だったかと思いますが、いかがでございますか。
  113. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 一級国道の除雪についてでございますが、これは二つございまして、一つは、積雪寒冷特別地域法律によりまして指定されました区間、その区間の中にも、国が直轄でやる区間とそうでない区間がございますが、国が直轄でやります区間につきましては、国の負担におきまして、国の責任において除雪をするわけです。その費用は、積寒法によりまして二分の一でございます。それから指定されました区間の中で国が直轄でやります区間以外の区間、これは道路管理者がやる区間でございまして、積寒法によりまして、三分の二の国の補助を受けて各地力の道路管理者がやっております。  それから一級国道で積雪寒冷地の特別法によりまして指定されません区間につきましては、これは国の補助がございません。地方の共公団体が——都道府県知事でありますが、それが単独事業として除雪をする、こういう仕組みになっております。
  114. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 二級国道及びこの積寒道路の関係のほうは、今お話のあったように、三分の二の補助で三分の一が地元負担。ところが、一級のうちで、今もお話があったと思うのですが、国の管理に属しておるものを直接地方で除雪をした場合には、二分の一を負担する。一方は三分の二で三分の一負担、一方は二分の一の負担だというと、その権衡はいかがなものでしょうか。むしろ二級国道のほうが割がいいというふうな変なことになるので……。
  115. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 一級国道、二級国道ということではございませんので、積寒の補助によるものと、そうでないものとの差でございますから、一級、二級の差ではございません。
  116. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 いや、私の伺い方が悪かったと思うのですが、一つは二分の一、負担が二分の一、一方のほうは三分の二の補助で三分の一の負担である、そうすると、その権衡が適切であるかどうかと、こういうことなんです。
  117. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) そういう御指摘のような問題はございますが、ただいまのところは、法律によりましてそういうようなことになっておりますが、基本的に若干の問題があろうかと思います。
  118. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 私の調べたところによると、ちょっと権衡を失しているのではないかと思うので、また地方でも、これを三分の二の補助に、つまり三分の一の負担にしてもらいたいと、こういう希望があるのですが、その点についてお聞きしておるわけなんです。まあ法律がそうなっておるというならば、その解釈をできるだけ妥当にするなり、場合によっては、その根拠法を改正するなりするほうが適切でないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  119. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 国の直轄区間につきましては、維持、修繕すべてに通ずるものでございまして、ただ除雪だけではございません。そういう点で、まあ他のそういう維持管理事業との調整というものがございます。従来ともその点は問題になっておりましたが、御指摘のような問題はまだ残っておるわけです。今後もう少しこの点を詰めていきたいと思います。
  120. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 先日建設大臣は、国道については全額国軍でやるのだという一応の理想を述べられた。その趣旨からいいましても、除雪費に対しましても、全額もしくは少なくとも三分の二ぐらいの補助ですか、三分の一の負担にするぐらいの取り扱いをやってもいいんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  121. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 建設大臣のおっしゃっておりますのは、国道は全額国費でと、こういうようなお話でございまして、そういうことになりますと、現行法体系をかなり変えなければなりません。そういうような御指示もございましたので、三十九年度より予定いたしております道路計画の全面的な改正の際に、今お話しのような趣旨も織り込みまして、あわせて検討いたしたいと思います。
  122. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 北海道除雪費に対しては全部国費でやっていると思うのですが、いかがでしょうか。
  123. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 北海道開発局がやっております除雪事業は全額国費になっております。
  124. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 それとの権衡からいいましても、豪雪によるような場合には、できるだけ除雪費を国で負担するように、解釈なり、場合によっては法律の改正なり、するのが適切だと思いますが、いかがでしょうか。
  125. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 再三申しておりますように、現行法では無理かと思います。やはり法律の改正を要する問題であると思います。
  126. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 現行法的正とするならば、どこを改正するのですか。
  127. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) まだ十分検討いたしておりませんので、その意味でお聞きとり願いたいと思いますけれども、国道の全面直轄、全額国費ということになりますと、道路法本法の問題になるわけです。それから、そこまでいきませんで、除雪だけの問題として、積寒道路法でいこうということになりますと、積寒法の改正、このいずれかではなかろうかと思います。
  128. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 私の見たところでは、ただいまお話しのように、積寒法の改正、あるいは道路法の改正でやるのが一番いいと思うのですが、もしそれがいろいろ困難であるとするならば、閣議決定でもってそれをやる道もあるのじゃないかと思いますが、それはいかがでしょうか。
  129. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 現行法のやはり法律根拠に基づきませんと、予算の補助・、負担というのは無理と思いますので、閣議の了解では、現行法によります限り、できないと解釈いたします。
  130. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 今小柳さんのおっしゃっておったことが、ちょっと私は聞いていて理解がいかないのです。こういうことですか。一級国道は全額国庫負担でやっているわけでしょう、建設その他一切を。それから二級国道は三分の一府県の負担と、こういうことになっているのでしょう。それを、今度は除雪にあたっては全部国道に関しては二分の一と、こういうことだとおっしゃるのですか。
  131. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 一級国道の建設は、補助におきましては四分の三国の負担、四分の一地方負担、それから維持修繕関係につきましては、維持的なものにつきましては、二分の一ということになっておりますので、先ほど申しましたようなことになるわけです。
  132. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 二級国道は。
  133. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 二級国道は、国の補助、国の負担が三分の二、地方が三分の一、こういうことになっております。
  134. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 維持は。
  135. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 維持等につきましては、除雪負担はいたしておりません。
  136. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、この除雪の費用はどう持つというのですか。一級と二級は。
  137. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 除雪の費用は、一級、二級に関しましては、基本的に、積寒法によりまして、補助につきましては三分の二ということになっております。一級、二級を問わず、あるいは県道を問わず、除雪につきましては三分の二ということになっております。
  138. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 三分の二国が持つ……。
  139. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 補助をするということになります。
  140. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 今の法の第十二条の指定のあるものについては違うでしょう。
  141. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 積寒法のほうは補助でございますから。
  142. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 そうじゃないのです。指定あるものは除くとなっています。
  143. 藤野繁雄

    ○理事(藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  144. 藤野繁雄

    ○理事(藤野繁雄君) 速記をつけて。
  145. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 激甚災害指定地域の道路の除雪補助はどうなりますか。
  146. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 道路法並びに積寒法につきましては、ただいまのところ関係ございません。
  147. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 先ほど来申しましたように、除雪費について今のように非常にややこしくなっているので、はっきりしませんが、要するに、この除雪費については、できるだけ国の負担にしてもらう、ことに一級国道についてはそういうような方針で進むのですから、法の改正あるいは法を改正することが困難であるならば、できるだけの解釈によってやるという方針にひとつ御研究をしていただきたいと思うのですが、私の意見を述べて要望する次第であります。
  148. 藤野繁雄

    ○理事(藤野繁雄君) 道路局から返事がありますか。
  149. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 現行の内容につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおりで、ただいまの御要望に沿いまして今後いろいろ法制上の検討をいたしたいと思います。
  150. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、その内容だけお聞きしたのですが、今小柳先生と同じ意見です。一級国道なんというものを維持したり、それから除雪したりするのに、地元が負担せんならぬというのは、こういうことかな。二級国道は幾らか府県の需要の中に役割を持っていると思うが、一級国道に対して、お話を聞いていると、四分の三だ、それで二分の一だ——一級国道は国で全額負担して当然だと私は思うのです。あの有料道路なんかを見てごらんなさいよ。あれだけ降っていても、夜どおし除雪するから、雪が降ったからといって、とまらぬように自動車が走れるようになっている。努力次第で、私は国道が雪のためにとまるということを防ぐことができると思うのです。それは相当の費用がかかると思いますが、国の計画によってできた有料道路は、雪が降ってもとまらぬ。国の幹線道路である一級国道はとまってしまう。雪が降ったら県が二分の一負担してどけなさい。これはちょっと理屈が通らぬと思うのですが、建設省どう考えていますか、その点。
  151. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 国がみずからやるということと、費用の負担を幾らにすべきかという点が基本問題になろうと思いますが、国道につきましては、道路法が制定されましたときから、まあ全国的な幹線道路であるということで、国が相当の負担をするということになっておりますが、まあしかし、国道といいましても、これは県内におきましては相当の部分その県内の車が通る、これは事実でございます。そういうようなことで、現行法では地方に対しても負担が課せられておる、かように考えておるわけでございます。まあ、先ほど申しましたように、建設大臣がまた別の指示をいたしておりますので、そういうこともあわせまして検討さしていただきたいと思います。
  152. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 先ほどちょっと出ましたんですが、地力の道路の除雪をするということは、どうしても除雪機械を使わなければならぬので、大きな道路についてはそれぞれの手配もして、今年度の予算にも除雪の機械の購入——設備等については相当補助するようなことをして、これはまあ一そうやってもらわなければなりませんが、それも必要でありまするが、さらに地方団体の小さな道路においても簡易な除雪の機械を備えることについてできるだけ助成するということが必要と思うんですが、建設省及び自治省のほうでは、これについてどういうふうな処置が、あるいは用意がありますか。お尋ねしたいと思うんです。
  153. 尾之内由紀夫

    説明員(尾之内由紀夫君) 建設省関係についてお答えいたしますが、ただいまその除雪の機械の補助は、積寒法に基づいて行なわれておりますので、現在の積寒法によりまして五カ年計画というのがきめられまして、全体の除雪事業の規模、あるいは除雪機械の規模、そういったものがきめられております。現在の除雪計画では、大体県道以上のものは除雪の対象路線として指定されておる。そういう路線に対して、したがってまた機械の補助もされております。今お話しのように、県道以下、市町村道についての除雪ということになりますと、そういうものを新たに指定しなければならぬ。除雪路線というのを指定しなければなりません。そういう指定された場合に、初めて市なら市というところに対しての機械の補助という必要が起こってくると思います。まあ今回の豪雪によりまして、かなりそういうような御意見が出ておりますので、これも現在の積寒の五カ年計画というものを改定いたしませんと、直ちにできませんので、先ほど来申しておりますように、そういう問題を含めまして、一緒に今後の計画検討いたしたいと思っております。
  154. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 農林省のほうにもう一言だけ聞いておきたいと思うんですが、先ほど私が、養鶏、鶏の問題を言いましたが、この家畜関係被害の状況というのはどんどん上がってきていると思うんですけれども、これはどういう対策をおとりになりますか。家畜関係補助ですね。たとえば養鶏が、連絡がなくて、飼料がなくて参ってしまったとか、牛や豚その他のものがどうなったとか、被害状況があると思いますが、これはどういう補助になっておりますか、ちょっとお聞きします。
  155. 丸山文雄

    説明員丸山文雄君) ただいまの点につきましては、全体的な被害程度、それからどういうところで、たとえばただいまの御指摘のような事態が起こっておりますかということについての全体の把握が実はまだできていないわけでございます。したがいまして、これはいわゆる被害の大きなところに対する補助等の問題とも関連いたすと思いますけれども、そういう意味におきまして、どういう補助をまず考えるかというデータがそろっておりませんので、今のところは、ちょっと具体的対策というものを申し上げる段階になっていないわけでございます。
  156. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 どうもまた逆戻りしたような感じですね。府県があれだけの資料を持って、各省へも、国会へも——大体豪雪がとまったのは、この月の初めにはもうとまっているわけです。一日か二日ごろには大体山をこえて、あらかたの被害状況がどんどん来て、大かた一カ月、二十日以上たつのですから、これはどうも聞こえない話だと思いますけれども、そう言われれば仕方がありませんから、至急にひとつ把握して、対策をわれわれにお知らせ願いたい。
  157. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 最近の豪雪地の屎尿処理の問題はどういうふうに取り運んでおられますか。
  158. 大山正

    政府委員大山正君) 私直接の所管でございませんので、詳細御説明できないかと存じますが、私の承知しております範囲でお答え申し上げますと、災害地の屎尿処理あるいは清掃対策といたしまして、厚生省からは特に不法投棄しないようにという点、それから消毒薬の散布を行なうということを指示しております。そのほか、汲み取り等ができない場合に、あふれるような場合につきまして、容器を準備するということで、ビニールの袋等を配布するような措置をとったり、あるいは仮設便所、仮設貯留槽というようなものを設置するようにという指示をいたしております。なお、除雪、融雪に伴ないまして、急速にこれを収集して運搬処分するようにということはもちろん指示しておるわけでございますが、ごみにつきましては、屎尿に準じましてできるだけ衛生的に処置するようにということで、関係の局長名をもちまして府県に指示いたしますとともに、係官を随時派遣いたしまして、現地にそれぞれ即したような指導を行なっておるところでございまして、なかなか実際問題といたしまして十分いかない面が多々あるようでございますが、できるだけの対策を講ずるようにというような措置を講じておるような次第でございます。
  159. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 これは、現地では非常に困っている問題のようで、きのうも現地から痛切な陳情もあったようなわけなんです。これと同時に、だんだん融雪いたしますと、浸水の問題が起こってきます。これは、厚生省というか、建設省というか、いろいろ関係が深いと思うのですが、しかし衛生的に見ますれば、厚生省としても十分お考えにならなければならぬ問題なんです。地方によりましては、地勢の関係上排水ができないというようなところもあるのであって、これに対しましては特殊の施設をして、ポンプ等を使って排水をするなり、いろいろな方法を講じなければならぬと思うのですが、そういうようなことについていろいろ御計画になっておりますか。
  160. 大山正

    政府委員大山正君) 融雪期等におきまして、確かに屎尿の問題が大きな問題になると思うのでございまして、関係の局のほうにおきまして、現在、不法投棄をした場合に非常に融雪等の場合に問題がありますので、そういう点のないように注意するとともに、消毒薬を十分に散布するというような方法を講じているわけでございますが、ただいまもお話しのように、排水路等も、根元のほうが詰まっているために、あるいは除雪できないために、十分なる排水ができないというような面もあるようでございますので、これらの点につきましては、なお関係局のほうに私から十分連絡いたしまして、御意見の点を申し伝えるようにいたしたいと思います。
  161. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 最近新聞等を見ますると、下水道及び汚物処理臨時措置法というようなものをお考えになっているようですが、これと今の問題とは関係があるのでございましょうか。
  162. 大山正

    政府委員大山正君) 下水道あるいは清掃施設等につきまして、五カ年計画で整備したいということで、関係の予算並びに法律案を用意いたしまして今国会に提案しておるわけでございますが、直接雪害地あるいは雪害に対する問題ではないかと存じますが、全般的にこういう面の整備が行なわれて参りますれば、当然これらにもまた役に立つ、こういうような災害に際しても役に立つことになろうかと存じますが、ただいまのところ、私の承知しております範囲では、直接この雪害に役立つというところまではまだ参らないのではないか、かように考えておりますが……。
  163. 小柳牧衞

    ○小柳牧衞君 雪害地においてこの浄化装置、一方においては非常にけっこうなんですが、しかしその反面、浄化装置のあるところにばかり用便に人が集まるというような皮肉な例もある。浄化装置そのものが寒冷のためにその機能が麻痺するというようなこともありますから、こういうような法規を作る場合にはいろいろお考えになっていると思うのですが、特に雪の問題を頭に入れて御検討あらんことをお願いする次第でありますが、それについてのお考えを承りたいと思います。
  164. 大山正

    政府委員大山正君) ただいま御注意の点、十分ひとつ関係のほうにも伝えまして留意するようにいたさせます。
  165. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 屎尿の問題が出ましたが、これはたいへんな問題で、何か私は新潟県の人に聞きますと、豪雪地帯には、ため置くのを大体一カ月とか一カ月半くらいのものをこしらえて事前予防措置をやっているという話を聞いた。衛生上あまりいいことでない話だけれども、都会地なんかやったら困りますから、この対策はほんとうに実態をごらんになりましたか、厚生省は。やはりあなた方や、直接その法律を作られる方が現地に行って見て来て作らないと、ぴったり来ないのではないかと私は思いますから、その点はひとつ、よく小柳先生と同じく対策を立てていただきたいと思う。  私は、今お尋ねしたいことは、災害救助法の問題ですが、先ほどの問題はああいう解釈厚生省下されたのでけっこうなんですけれども、しかし何ですね。人口幾らに対して何戸冠水するとか、または何戸全壊、半壊があって初めて府県知事の災害救助法発動の基準になっている。雪のようなときは、もう家ばかりじゃない。たんぼも山も全部ぴったり上から押えられているのだけれども、あの条件に合わないから災害救助法が町村に出せない。だからそういう形式の面だけを見ると、援護措置ができないことになっているわけですけれども、だから私は、やはり厚生省はもう今度の雪について根本的に災害救助法の問題を検討せられておると私は思うのです、まあ厚生省ですから。そこの検討をされているのですか、どうですか、それ。どの辺まで。
  166. 大山正

    政府委員大山正君) 御指摘のように、災害救助法の適用にあたりましては知事が発動するわけでございますが、その場合に、一定の基準を一応示しまして、その戸数以上に災害があった場合には、知事が厚生省に協議することなくして発動できるということになっておりますが、その基準に該当しないような場合、あるいはただ「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じたこと。」というように判断が入ります場合には、厚生省に事前に協議することに現在なっておるわけでございます。それで、今回の雪害に際しましては、実は交通途絶等のおそれもございましたので、この災害救助法の発動につきましては、知事が必要であると考えた場合には厚生大臣に対する事前協議を省略してよろしいという措置をとりまして、その措置をとりました府県は、非常災害対策本部の現在の所管区域に合わせてございますが、十八ほどの府県につきましてそのような措置をとったのでございます。  これによりまして、今度の豪雪に際しましては、知事が緊急であると考えた場合には、厚生省に事前協議なしに発動しまして、事後に報告すればよろしい、こういう措置をとったような次第でございまして、今後とも、あるいはこのような場合が考えられるのではないかと思いますが、もちろん、連絡がとれます限りは事前に私どものほうも連絡してもらいたいと思っておりますが、連絡がとれないような場合にはそのような措置をとることも、今後といえども考えていかなければならない、かように考えております。
  167. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 その知事の主観にまかすというところが私は問題だと思うのです。片一方にものさしがあるわけでしょう。豪雪というようなのはそこに入っていないわけですね、法律の中に。だから、雪が降ってどの程度したら人命に支障を来たすとか影響するとか、生活上影響するとかという判断は、それじゃ知事が持つわけでしょう。事前協議せえでもよろしいなんて言ったら、知事が、そんな、やる必要ない、こういうものさしがあるから、要らぬことをしてまた貧乏県で金を出すのはかなわぬから、だまっておろうということなら発動せえでもええことになる。二メートルも三メートルも積もっておるところで、毎日々々働きにも行けぬ、企業も全部とまってしまって、そうして雪おろしだけで精一ぱいというようなところに、ものさしが合わぬから災害救助法が発動できぬなんということは、私はどうかと思うのです。だけれども、ここに災害救助法発動の市町村の名前が出てきますが、あなたのほうは、無批判と申しましょうか、批判をされておると思いますけれども、そのまま出てきたものだけお載せになっている。豪雪がしている市町村でも災害救助法を発動されていない。お気づきになっていると私は思う。これは、どういう工合にこれを見ているか、私は聞きたい。
  168. 大山正

    政府委員大山正君) 災害救助法の施行令の一条に、救助法に該当する災害の例が書いてございまして、一号、二号は、先ほど先生がおっしゃいましたように、戸数できめておるわけでございますが、三号の後段あるいは四号につきましては、「多数の」といったようなこと、あるいは「隔絶した地域に発生したものである」というような判断の入る点がございますので、この三号、四号につきまして従前事前協議を必要としたのでございますが、今回の豪雪に際しましては、三号、四号の場合といえども、事前協議の必要なしに知事限りでやってよろしい、こういうことを各県に通知したわけでございまして、なお、これによりまして、すでに現在までに十一府県におきまして百十の市町村について発動しておるわけでございますが、お話しの点につきまして、まあ知事が判断することについてどうかという御意見かと存じますが、中央におきましても十分現地の実情がわからないのでございまして、こちらで、この点の発動はやめたらどうか、あるいはこの地域には発動したらどうか、というような判断が実はできかねるわけでございまして、やはりこの点はひとつ府県知事の責任において府県知事の判断によってやっていただくというほかないと、かように考えておるような次第でございます。
  169. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこが問題なんですよ。あなたここに厚生省のが出ていますけれども、たとえば救助法の発動してないところがあるでしょう。そういうところは、それじゃ雪が降っていないかというと、これと同じにみんな降っているわけです。鳥取や島根よりもよけい京都なんか降っていますね。だから、そこで知事がしていいのか悪いのか悩んで結局しなかったという格好になっている。そうすると、これはどういうことなんだと……。こういう片一方にものさしをこしらえておいて、雪というのは例がないものですから、あなたばかり責めておるわけじゃないけれども、こういうときには、単に主観でどうせいということでなしに、一定の豪雪がきたような場合には、やはり判断の基準というものを出してあげなければ——その判断の基準を出してあげて、その上でなお一そう特別な事故が起きたとか何とかということにしないと、片一方は湛水と家屋の損傷だけのものさしにしておいて、雪に対するものさしが何もないわけですよ。  だから私は、災害救助法というもののそこらあたりをほんとうに明確にせなければいけないのじゃないか。ほんとうに救助しようという建前でできた法律なんですから。午前中のやつもそうです。救助が、やはり国民にこたえるということが、もっと指示その他で明確になっていないから私はこういう結果になったんだと思うんです。勤めも全部休んでしまって、それでやったと。そうすると、建設省自治省なんかは実態を見られるけれども、たとえば全国的な組織の電電公社であるとか、何々であるとかいう全国的な組織の職場がありますね。災害救助法も発動していないから、お前のところには何の手当もないんだということで、仕事も何もできなくて困っているところでも、救助法が発動されてないから、それで何の手当も補助もない。京都へいけば、災害救助法の条件に合わないから発令をしなかったんだ。そうすると、隣の府県より被害がもっとひどくなっているのに発動がない。府県政府関係でなしに、自分が働いているところで一定の救済保護が行なわれているわけですよ。全国的な組織の事業場が全部はずされてしまっている。私はこんなことでいいのかということを言っておるのだけれども、京都府の連中に聞いてみたら、いやこのものさしに入らないから発動したくてもできないんだと、こういうことを言っておるわけです。だから私はこれでいいのかと思うんで、こういうところはほんとうに大事なところだと思うんです。大事なところはやはり大事にきちっとしておかないと、事前に厚生省が親切な指示をされておやりになっているところはいいけれども、そこのところ、パイプがちょっとでも詰まっておったら、こういう結果になる。だから、そういう意味で、個人の判断にゆだねるなんというところは、やはりある程度厚生省が指導要綱でも作って、きちっとしてあげなければ、今のような問題が起きてくるわけですね。  まあ、激甚災害指定豪雪地帯の指定はされたんだから、政府や地方自治体との関係は処理されるでしょう。されるけれども、ここに働いておる方々の援護措置をするのは、災害救助法が発動されてないというので全部シャットアウトを食っている。これじゃ私は気の毒だと思う。これはあなたのほうの責任だと私は言いませんけれども、しかし、もう少しやはり意思疎通、パイプでも通してもらって、そしてやはり指導はもう少しうまくやってもらわなければ、援護措置は何もできないということになるのではないか、こう思う。だから、これはひとつ厚生省も、ぜひ今度新しい要綱を作っていただいて、午前中のように、ああいう判断をされる、私はまことに時宜に適した判断だと思うんですが、そういう判断が下まで及ぶようにきちっとしておいてもらいたいと思うんです。至急にやってもらいたい。
  170. 大山正

    政府委員大山正君) 今回の豪雪は、全く私どもも前例のないような事態がいろいろ起きましたので、その間の処置について十分でなかったという点もあろうかと存じますが、今後の問題もございますので、今回の経験にかんがみまして、改めるべき点は改めまして、はっきりした指示を地方にあらかじめしておくようにしたい、かように考えます。
  171. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、自治省と文部省にお尋ねをしたいのです。特に、文部省関係自治省関係の問題ですけれども、学校なんかが非常にあっちこっちいたんでいるわけですけれども、たとえば兵庫県の香住の中学校の講堂が倒れた。京都で、私が行ったところだけでも、網野町の中学校の講堂が倒れた、ああいうことについて、どういう補助をされますか、対策を伺いたい。これは、ほかにもたくさんあると思いますが。
  172. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 公立学校施設の災害復旧につきましては、御存じかと思いますけれども、公立学校施設災害復旧費国庫負担法がありまして、これによって三分の二の補助金が支出されるわけでございます。今回の雪害によります被害も、これによって復旧をはかりたいと考えております。
  173. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 その公立学校の災害に対する補助の三分の二ですね。これは私も理解しておりまするが、甚激地指定、今日までの激甚地指定の場合は、十分の九の補助をやっておりますね。学校といわず、福祉施設、あらゆる施設は一切今までの概念の激甚地指定を受けたときは十分の九全部をやっているわけです。今度の激甚地指定といいますか、豪雪指定地域に入りますと、これはどうなりますか。
  174. 杉江清

    政府委員(杉江清君) その場合は、これに上積みされましてその率を高めることになるわけでございますが、これは、他の被害と地方公共団体の財政能力等の関係によってその率の引き上げがきまって参るわけでございます。
  175. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、いずれも私の指摘した二つの学校は今度指定されたところですね。激甚地として豪雪地帯に指定されたということになりますから、文部省はこれについて三分の二ということになりますか。今の自治省関係において財政能力その他の関係だとおっしゃいましたが、自治省の方おいでになっておりますか。
  176. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 激甚災害になりました場合には、激甚災害の特別財政援助等に関する法律という法律が御承知のとおりあるわけでございまして、この法律の適用対象になりますためには、まず、今回の災害がこの法律に基づく激甚災害としての指定がなければならないわけでございます。したがいまして、今設けられております災害対策本部地域に入ったことをもって直ちにこの激甚災害の財政による特別の援助法が働くわけではございません。別個の手続が必要でございます。もしもこの法律の適用が行なわれます場合には、第三条の規定に該当します場合は、公共土木施設の災害復旧事業費の地方負担額、公立学校施設災害復旧費の地方負担額、あるいは児童福祉、生活保護あるいは身体障害者更生援護施設というような、いろいろな公共施設の災害復旧の地方負担額、それらを合算しました地方負担額が、府県にあってはその団体の税収入の二〇%以上、市町村にあっては一〇%以上をこえます場合にこの第三条の規定が適用になるわけでございます。第三条の規定が適用になりますと、その地方負担額と、今文部省の管理局長からおっしゃいました学校の場合でございますと、三分の二国が負担いたしますので、三分の一の地方負担が残るわけでございます。それから土木の場合の地方負担も、同様にして国庫負担法によって出ました残りの地方負担額がございます。それらを全部合算しまして、その団体の税収入と比較しまして、その税収入に対して占める割合が大きくなるほど国庫負担額の割合を段階的にしていくということになっております。したがいまして、一番最初に申し上げましたように、この災害激甚災害として指定をされなければこの規定は動かないわけでございます。
  177. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 だから、豪雪地帯の指定激甚災害指定が行なわれて、地方の財政の標準税収の、府県で二〇%、再町村では一〇%以上合算額がこえた場合には、今までの九割補助というものが適用される、こういうことですね。
  178. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 今までは、御承知のとおり、個別にその災害のつど立法が行なわれまして、文教施設につきましては、私の記憶しておりますところでは、三分の二を四分の三にたしか引き上げていたのが従来の例であったと思います。今度の法律によりますと、機械的に何分の一から何分の一ということになっておりませんで、税収入とその地方負担額との比較によって超過累進的に引き上げて参りますので、あるときは六七%になったり、あるいは六八%になる、あるときは八〇%になったり、その団体の受けた被害の地方負担額とその団体の税収によって団体ごとに変わって参ろうかと思います。
  179. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 それで、最終は一〇〇%もあり得るということですか。
  180. 松島五郎

    説明員松島五郎君) その税収入に対します地方負担が大きくなるに従いまして、国が肩がわりをしていきます。すなわち、国が補助率を高めておりますが、最高九〇%まででありますので、一〇〇%ということはないと思います。
  181. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 今までわかっている学校の被害というものは、書類が出ていると思うのですが、どのくらいですか。
  182. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 公立学校の被害額、これは七億六百四十八万六千円というのが最近つかみました数字でございます。
  183. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、この際、両方にお尋ねしておきたいのだが、国の補助府県補助で学校を建てるわけですけれども、その建設単価が安いからなかなか建てるのに困難だという問題にぶち当たる。この点は、昨年の初めでしたか、単価の上積みをされたと記憶しているのですけれども、今、木造、それからコンクリート建で幾らになっておりますか、ちょっとお聞かせ願いたい。
  184. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 小中学校校舎につきまして、三十八年度の予算単価は、鉄筋六万七千八百円、鉄骨五万一千九百円、木造三万七千八百円でございます。この引き上げ率は、鉄筋について九%、鉄骨につきまして八%、木造について一六%の引き上げをみております。
  185. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 たとえば、木造建が地方へ行くと多くなりますね、学校は。木造の坪当たり三万七千八百円ということで文部省は学校が建つとみておられますか。
  186. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 実際の工事施行の状況は、これは全国いろいろありまして、まあこれ以上であるところもかなりありますし、またこれ以下であるところもあるわけでございます。全般を通じて必ずしも十分とは言えませんけれども、まあ何とか建ち得る単価だと考えております。
  187. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 これは地域によって段階をつけておるわけですか。たとえば東京は幾ら、地方へ行くに応じてその地域差というものをつけておるわけですか、どうですか。
  188. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 積雪寒冷地については、単価の補正をいたしております。実施単価を積雪寒冷地においては三割近く——二割までいきませんが、二〇%近く補正をいたしております。
  189. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 積雪寒冷地の二〇%プラスということはわかりましたが、一般論として、物価高やその他でこの標準単価は地域差をつけておるわけですか、どうですか、その点は。
  190. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 一般的にはつけておりません。
  191. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そういたしますと、どこを標準にとられたか知りませんけれども、坪当たり三万七千八百円で木造の家が建つということは、全国どこへ行ったって、私の主観ですけれども、ない。これより安く建つというのはどこですか。たとえば、村有林とかまたは部落共有林というような木材を切り出して、それを提供するとかなんとかいう条件がなければ、普通の流通機構の中で資材を求めて三万七千八百円で学校が建つなんというようなところは、私は考えられないと思うのですけれども、どこが建ちますか。
  192. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 今、どこで実際建てたかという御質問に対しては、お答えすべき資料を持ち合わせてはおりませんが、まあ私どもも単価の引き上げには年々努力はいたしております。そうして、年々わずかながら引き上げられており、今年度は、先ほども申し上げましたように、木造については一六%の引き上げを見ているわけであります。今後ともこの引き上げには十分に努力を傾けたいと考えておるわけでありますが、この単価が決して十分なものだと思いません。しかしまあ、いろいろ国の予算の関係もあり、この程度にとどまっておることは遺憾でありますけれども、今後とも努力したいと考えております。
  193. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そうおっしゃってもらうと、私もわかるのですけれども、これで上も下もあってやっていけるのだ、こう言われると、これより安くできておるところはどこですかと聞かざるを得ない。これは建設省関係がありますから、あなたのほうばかりを責めているわけではありませんけれども、こういう建てるときに単価が安いものですから、それで補助金をもらった土地の整備なんかすると、肝心の補助金が半分ぐらいになってしまって、三分の二でも実際の価格の半分にもならぬ。みな地元負担で——学校は、地元負担というと、寄付行為なんですね。特に小中学校なんかは、国家が義務教育をもってやるといいながら、教室を建てるのに三分の二だ。実際価格の四割ぐらいにしか満たない。もっとひどいところもあると思います。そういうことで、あとは全部寄付ということになるわけです。府県もこれの単価に応じてちょっぴり出す、あとは全部寄付——寄付なくては学校が建たないというのが今日の全国的な現状ではなかろうかと思うわけです。ですから、私は、豪雪地を二〇%プラスしていただいた、これはまことにけっこうだと思うんですが、これはいつおやりになったんですか。
  194. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 従来の取り扱いでございます。
  195. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 従来の取り扱いとして豪雪地帯は二〇%、それだけ規格のよいものを作らなければ雪に耐えられないということでしょうね、そういうことですか。
  196. 杉江清

    政府委員(杉江清君) さようでございます。暖房等の関係もありますし……。
  197. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、私はやはり建設単価が安いので問題が残ると思うんです。二〇%上げていただいてもなかなか問題は残ると思いますが、これはまあ一般論ですから、ここであまり取り上げませんが、なお一段と努力をしてほしいとお願いをしておきます。  そういうことで、学校がつぶれて建てるときに非常に困るんではないか、こう思う。そういう場合に、自治省としては、たとえば建設単価も実際の単価と違って、非常に寄付金も集まりにくいというような場合に、起債や何かでめんどうみておられるわけですか。
  198. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 先ほど申し上げましたように、国庫補助率がかりに三分の二といたしますと、三分の一は地方負担になるわけでございます。したがいまして、その三分の一につきましては地方債を認めるというようなやり方を従来からやってきております。
  199. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私の尋ねているのは、そうじゃないんです。三分の一の地方債は、府県に命がないとかなんとかで、府県関係はいいんですけれども、三万七千八百円という単価の分だけは地方債か補助金でみるわけですね。実際金が足らぬわけでしょう。現実建てようと思ったら金が足らぬわけですよ。三割足らぬか、三割五分足らぬか、二割足らぬか、金が足りませんから、これは非常に困るというようなときに、起債や何かでその足らない分をみられるような措置はありませんかと聞いている。
  200. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 基本的には、国庫補助の単価を是正をしていただいて、足りなくないような形で国庫補助金をきめていただくことが私は先決問題であると考えております。国の考え方として一応三万七千八百円というので、まあできるできないという御意見もございましたが、まあできるという建前で補助金が配られます関係からいって、私どもがそれと別個の考え方をとるということも必ずしも適当でないということも考えられますが、個々の団体の問題につきましては、またその事情に応じて配慮しなければならない問題があろうかと思います。その点については、また別途弾力的に考えて参りたいと思っております。   〔理事藤男繁雄君退席、委員長着席〕
  201. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ありがとうございました。文部省の関係は終わりました。
  202. 武内五郎

    ○武内五郎君 学校の問題が出ておりますが、先ほどの単価の問題ですが、三万七千八百円というのは全国一律ということでありますが、北海道と内地と同じですか。
  203. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 北海道については、先ほどのような趣旨から特別な扱いをいたしております。
  204. 武内五郎

    ○武内五郎君 どのくらい違いますか。
  205. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 昨年度の状況を申し上げます。
  206. 武内五郎

    ○武内五郎君 三十七年度ですね。
  207. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 三十七年度です。予算は三万五千円でありましたが、実施単価は三万八千六百六十円、こういうふうに実施しております。
  208. 武内五郎

    ○武内五郎君 それは北海道でしょう。これにやはり二〇%のプラスですか。
  209. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 私先ほど、大よそ二〇%近くと申し上げましたが、実際の数字はこういうことをさして申し上げたわけでございます。
  210. 武内五郎

    ○武内五郎君 三万五千円が、実施単価では三万八千六百六十円——これが二〇%プラスだというのですか。
  211. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 私が先ほど申し上げました二〇%というのは、的確な計算ではございませんでした。実際は、今申し上げたのが実情でございます。
  212. 武内五郎

    ○武内五郎君 北海道の建築様式と内地の公立学校の建築様式と違うのですか。
  213. 杉江清

    政府委員(杉江清君) そういった積雪寒冷地においては、やはり先ほど申し上げましたように、暖房等の設備も特に必要でありますし、また堅牢さも必要であります。そういった要素を考えてこのような措置をいたしておるわけでございます。
  214. 武内五郎

    ○武内五郎君 そうすると、北海道は積雪寒冷に対する学校建築様式というものが内地と違うのだ、こういう意味なんですね。ところが、今われわれも実際を見てきて、また常に私は見ておるわけなんだが、この豪雪地帯の学校はまずほとんど持てない。おそらくこの雪が解けだすと非常に危険な状態に入るのではないかというのがほとんど全部です。  そこで、たとえば、私は今月の初めに新潟県の三カ所ばかりの学校を見てきましたが、廊下という廊下はささえでようやく保っている。雪で理もれているから、日光は入らない。坑道——炭坑の中を歩くような気持。ガラスが全部破けている。ちょうど雪庇という現象が起きるわけなんです。屋根から積もっている雪がなだれのように下がってくるときに、屋根と窓との間に雪庇ができる。ほとんどガラスというガラスは破れている。戸という戸は破れて、教室は全部これはもう全くやみの状況。裸電灯が一つか二つついている。私はそういうような地帯における学校建築様式と北海道における積雪寒冷地に対する学校建築様式というものとが違ってあるはずはないと思う。おかしいと思う。どういうあれなんですか。やはりこれは内地の無雪地帯における学校建築様式と一様にそういうように見ているのかどうか。
  215. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 積雪寒冷地ということで特別な扱いをしておりますのは、北海道だけではございません。そのほかについてもいたしておるのであります。
  216. 武内五郎

    ○武内五郎君 それはどこですか。
  217. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 大体やはり雪で単作地帯になっておる部分でございます。
  218. 武内五郎

    ○武内五郎君 単作地帯で、おそらく雪がかなり積もるところであるに違いないのですが、明確に地域を指示してもらいたい。
  219. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 今県を一々あげるまでの記憶をいたしておりませんが、東北その他で、雪がおおむね一メートル以上積もり、単作地帯であるというような県を、一定の基準で拾って措置しておるわけでございます。
  220. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 関連。単作地帯といったら、たんぼの裏作のない単作地帯ということを言われておるわけですか。どういうことですか、単作地帯というたら。
  221. 杉江清

    政府委員(杉江清君) そのとおりです。ただそれだけでなくして、雪の量等その他基準を設けて、一定範囲を積雪寒冷地と見て、このような措置をいたしておるわけでございます。
  222. 武内五郎

    ○武内五郎君 そうすると、東北——東北といっても、いわゆる通常観念からいっての東北六県、さらに北陸地方等も含めて考えられておりますか。
  223. 杉江清

    政府委員(杉江清君) さようでございます。
  224. 武内五郎

    ○武内五郎君 大体単価はやはり北海道並みの単価でいっておるのですか。
  225. 杉江清

    政府委員(杉江清君) これは北海道とほかの府県と必ずしも同一ではございません。多少下げておりますが、その県の事情等を勘案して、その辺を判断いたしております。
  226. 武内五郎

    ○武内五郎君 どうも、いずれにしましても、今の建築状態では、あの豪雪地帯における建築は持てないと思うのです。全く危険な状態です。学校校舎が何度かかしがっておる、全体が。コンクリートの床が割れが入っておるのです、動いて。柱が全部動き出しておる。辛うじてこれは豪雪に埋もっておる。豪雪によってささえられておる。非常に危険な状態だと思います。これはやはり私は、今後学校の建築について、豪雪地帯は特別な単価の構成が必要じゃないかと考えるのですが、これはやはり研究してもらわなければならない。まじめになって研究してもらわなければならない。  その次に伺いまするが、学校等の除雪費はみておるのですか。みておるとすれば、どんな状態なんですか。
  227. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 学校の除雪費につきましては、現在の普通交付税の算定にあたりまして、毎年の過去の統計に基づきまして、根雪の日数——根雪期間の根雪の深さ——平均積雪深とを相乗いたしまして、それぞれ市町村別に指数を作って、その指数の大小によりまして級地を定めております。その級地区分に従いまして、市町村が持っております学校、役場その他の公共的な建物についての除雪費を一定の方法によって算定をして、通常の場合に対して割増しとなる経費を、交付税のほうで申しますと、積雪補正というのをやっておるのでございます。
  228. 武内五郎

    ○武内五郎君 なかなかそういう方式がわれわれにはのみ込みにくい。具体的な例を何か一つあげてみてくれませんか。
  229. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 建物の除雪費は、交付税の算定の中に、市町村で申しますと、消防費、道路費——道路費は道路の除雪でございますが、小学校費、中学校費、高等学校費、あるいは社会福祉費というような、いろいろな経費がございますが、それぞれの団体——標準団体というものを一応考えておりまして、その標準の団体において、学校ならば、何人ぐらいの生徒がいる。その生徒について、建物はどの程度ある。建物がどの程度あれば、屋根の面積はどの程度ある。屋根の面積がどの程度であって、この程度の雪が降ったときには、雪を取るための人夫貨がどの程度かかるという計算をいたしまして、その計算を基礎にしまして、雪のよけい降るところ、少ないところ、先ほど申しましたような根雪期間と平均積雪深を相乗いたました指数によって級地を区分しまして、その級地によって算定することによって算出する、こういうことにいたしております。
  230. 武内五郎

    ○武内五郎君 そういう、特にことしのような大雪、これは新潟、富山、石川、この方面は、特に山間地帯における学校その他社会教育施設等は、全く年々これは雪に埋もれてしまう。たとえば出入り口なんか作る場合、十メートルの道を除雪しようとすれば、少なくとも三十立方から五十立方までの雪を排除しなければならぬ。一メートル進むのに、平面一メートル進むのじゃなくて、それの立方における三倍のものを進んでいかなければならぬ。非常な費用がかかります。そういうような実態に、かりに除雪費が出ているとしても、合っていない。どこの学校へ行ってみても、全く除雪費の捻出に困っている。出入り口がない。玄関一つ細い道を作って、しかもそれが穴ぐらの中に入っていくような道を作って、先生も子供も通っている。危険でかないません。かりに中で火災でも起きたら、逃げようがない。非常口を何個か作らなければならぬ。少なくとも何個か作らなければならぬ。その非常口を作るのにも、そういうふうに、かりに十メートルの道を開こうとすれば、三十から五十の立方の雪を排除しなければならぬ。容易じゃありません。そういうふうな実態について、もう少し考えてもらわなければならぬ。どこの町村へ行っても、みなこの除雪費には泣いております、学校で。出しようがないというのです。だから、私が来ているのかと言うと、何か来ているようですけれども足らぬ。これが実態です。これはもう早急に私は実態に即した解決の道をつけてやる必要があると思います。考え方があれば……。
  231. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 先ほど申し上げました建物の除雪費は、過去の統計を基礎にいたしましたものでございますので、まあ通常の状態におきましても、積雪のあります地帯は通常の状態において必要とする経費を算定しておるつもりでございます。したがいまして、今回のように異常な豪雪がありました場合に、普通交付税の算定をもってしては必ずしも十分ではないことは、御指摘のとおりでございます。年によっては全然降らない年も場所によっては交付税の中に入っておりますこともありましょうけれども、年によっては多少多い年もございましょう。そういうならしてみて通常の状態になれば、普通交付税でみていると言って差しつかえないと思いますが、今年度のように非常な大雪の場合には、御指摘のように、非常に不十分であると考えております。したがいまして、各県からいろいろな資料をお出しいただきまして、この足りないと考えられます分を特別交付税において本年度は特に割増し交付をしたいと考えて、今作業をいたしておる次第でございます。  なお、通常の場合の雪の関係について若干補足して御説明をさしていただきますと、先ほど申し上げました建物除雪費のほかに、雪囲いに要します経費、あるいは冬どうしても積雪地帯は日照期間が短いという関係がございまして、電灯をつける時間が長くなるというようなことによって経費が増高するというような声もございますので、そういった冬季の点灯の時間が長くなることによります増割し経費、こういうようなことまで現在は普通交付税の中に算入をいたしておる次第でございます。  なお、建物の建築費の問題につきましては、先ほど御指摘がありましたが、交付税のほうは、建てる建物をその年の交付税でみるというのではございません。一応起債というようなものをさしあたりの財源として、その元利償還金に相当するものを建物の償却費という形で交付税の中に織り込んでおるわけでございます。その場合に、やはり積雪地帯につきましては、建物の償却年数が短くなる、逆に言いますと、同じ耐用年数を持たせるためには建物によけい金がかかるというような事情を考慮いたしまして、建物償却費の割増しを現在基準財政需要額に織り込むような配慮をしておるような次第でございます。
  232. 武内五郎

    ○武内五郎君 それで、今年度の異常な——私はかりに、これは異常だと一般に使われておりまするから、異常だという言葉を使うが、異常なる豪雪の年にあたって、そういうような除雪費あるいは電灯の照明費その他に年々よりも費用が多くかかる、それに対する決定的な考え方は、実際それに対する特別の交付税を出すのか、あるいはさらに起債の考慮をしてあるのか、その点をはっきり……。
  233. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 本年度の積雪関係被害に伴います特別交付税につきましては、まず道路の除雪関係に各地方団体とも非常に経費を必要としたということが言われておりますので、道路の除雪関係の経費をまず考えなければならないというふうに考えております。  それから第二番目には、先ほど来御指摘のありました、建物の除雪費が非常にかさんでおるという実態でございますので、この点も考慮に入れなければならないと考えております。  そのほかの問題といたしましては、いろいろな経費が、団体によってかかり方がいろいろでございます。都市方面等におきましては、先ほども問題になりました屎尿関係の処理のための経費がかかっておるというような問題もございます。また、ところによってはなだれ等のための善後対策費が必要であるというようなところもあるようでございます。また、今回の災害が非常に大きかった関係で、各方面との連絡、そういうようなための経費も必要であるとされております。それらのもの一つ一つを取り上げて今の段階において計算することは、非常に困難でございます。各県あるいは市町村から出て参りました資料によりましても、なかなかどれが——まあうそを言っておるというわけではございませんけれども——どこまでが現在までにほんとうに必要であるのか、あるいは今後必要であるのか、ということを確定することが私どもとしてはなかなか困難でございますので、先ほど申し上げました建物関係、道路関係の経費を中心といたしまして、その他の経費につきましては、そういった経費との一定割合をいろいろな方面から出ました資料を基礎にして算定をいたしたらどうかということで、ただいま作業をいたしております。
  234. 武内五郎

    ○武内五郎君 ああいう豪雪地帯に参りますると、学校の子供が遠距離の本校に通うことはできないので、冬じゅうは年々派出校というものを作る、部落々々に臨時の学校を開設するわけです。これらに対して、ある村では五カ所、新潟県の北魚沼郡広神村では五カ所、六学級、担任の先生が五名、こういうような派出学校を設置するわけでございます。こういうふうに、広神というのは、小出町から、中心からわずか四キロから五キロのところでありますが、すでにそこで五カ所を必要とする。まして、山に沿うた村々に入りますると、五カ所からあるいは六、七カ所設置を必要とする村があるわけであります。東頸城郡に入りますると、派出校が二十二カ所、こういう費用が豪雪地の町村では余分にかかるわけであります。これらのものについて、今までみておったのであるか、今度特にどのくらいみようとする考え方であるか。さらに、こういう状態だから、寄宿舎の施設が必要になってくる。さきの広神という村には、二カ所寄宿舎がある。入廣瀬村には二カ所、今年それを特に一カ所に集中しております。八十一名の中学生を収容しておる。東頸城郡では、郡全体で五カ所の寄宿舎があります。寄宿舎だけでも、十二月一日から三月の末日まで四カ月間というもので、一人当たり二万ぐらいから三万ぐらいの村費が必要である。父兄の費用もほぼそれに相当しておる。これらについて今まで考えたことがあるのか、今年特にまたどういうふうに考えようとしておるのか、お伺いしたい。
  235. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 文部省としましては、そういった冬季分校をむしろなくして、これを寄宿舎に収容する、そういうことのほうがベターだと考えまして、冬季分校解消のための寄宿舎の設置について昭和三十七年度からこれは補助をいたしておるのであります。冬季分校については、特にこれを助成するとかいう措置は現在までとっておりません。
  236. 松島五郎

    説明員松島五郎君) ただいま御指摘のございました冬季分校の設置に伴いまして増加いたします市町村の経費につきましては、私ただいま的確な記憶がございませんが、特別交付税において考え措置をいたしているはずでございます。これはなお確かめました上でお答えをさせていただきたいと思います。
  237. 武内五郎

    ○武内五郎君 もし数字の把握ができたら、ひとつ数字でお示し願いたい。  それから、寄宿舎に入れて、冬季分校は解消するという、私もそれはいいと思う。いいと思うが、解消に伴う必要な施設がない限り、やはりこれは存続していかなければならぬ。そういう施設を与えないで、解消しますか。本年度からそういうものに対する交付税は出しませんというような、助成はいたしませんというようなことは、これはどうかと思いますが、どうなんですか。実際において必要なんです。
  238. 松島五郎

    説明員松島五郎君) ただいまの御質問の御趣旨がよくわかりませんが、交付税で考えませんと申し上げたのではなくて、特別交付税で冬季分校の経費を算入してあったはずでございますけれども、ただいま的確な記憶がございませんので調査の上お答え申し上げますと、こう申し上げたつもりでございます。
  239. 武内五郎

    ○武内五郎君 あんたのはそれはいいんだが、文部省の管理局長の話です。
  240. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 冬季分校の設置のための補助金については、これは考えておりません。それよりもむしろ、これを寄宿舎に収容して、より充実した教育を行なう、こういう方針で、寄宿舎の設置について、先ほど申し上げましたとおり、昭和三十七年度から補助金を出しております。
  241. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 先ほどの文部省の坪建設単価に対する三十八年度の寒冷地帯に対する表をひとつ出して下さい、どうですか、それを先に確認しておきます。
  242. 杉江清

    政府委員(杉江清君) まだこれは、今度単価も改定されましたので、どの程度の補正をするかは、ただいま研究いたしておりますが、確定いたしておりません。確定いたしましたら、お知らせ申し上げたいと思います。
  243. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 いや、私は傾向を見たいのですから、昨年度のならあるでしょう。
  244. 杉江清

    政府委員(杉江清君) ございます。
  245. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 それを出して下さい。
  246. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 後ほどお届けしたいと思います。
  247. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 昨年度の率に応じてことしも大体配分されるわけでしょう。そうじゃないですか。
  248. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 大体そういうことになっております。
  249. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 いい悪いはあとの議論として、一応そうですね。それじゃ、ありがとうございました。お願いしておきます。  自治省にお尋ねしますが、話を聞いていますと、普通交付税の中に積雪地帯に対する除雪費やその他の一般経費を含んでいる、それは起債の形で、元利合計の償還のときに国費で負担をする、こういう手続をとっておると言われたが、そういう工合ですか、違いますか。
  250. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 私の説明が不十分で、あるいは適当でないかとも思いますが、まず日常要します経費としまして、除雪費、それから雪囲いに要します経費、それから冬季点灯時間が長くなりますために必要な経費、これを交付税の中に入れておるわけでございます。それから建物のほうの建設費につきましては、建てますときには、起債を財源にして建てるわけでございますが、建てた年に交付税の中に入れるということは、これは今の交付税制度の仕組みでは困難でございます。そこで、起債で建てますと、元利償還ということが問題になって参りますので、元利償還金に相当するものとして、建物については償却費相当額を交付税の基準財政需要額に織り込んでいくわけでございます。でありますから、建物が三十年持つといたしますならば、三十分の一ずつ毎年財源が与えられている、それがちょうど起債の償還財源に見合う、こういう状態になるという理論構成でございます。その建物の償却費を、普通三十年とすれば、積雲地帯は二十五年でありますとか、そういうふうに期間を短縮することによりまして、毎年交付される交付税の額がふえるような配慮をいたしておる、こういうことでございます。
  251. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、その費用ですね、大体建物のほうは別といたしまして、除雪費とか、点灯費とか、それから雪囲い費とかいうものは、普通交付税に全国でどれくらい入っているか、地域別にどの程度ところまでか、大まかなところで……。
  252. 松島五郎

    説明員松島五郎君) ただいま資料がございませんが、全国では市町村で十七億三千二百万となっております。これは建物の増加償却費も含まれております。
  253. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 これは建物も含んで……。
  254. 松島五郎

    説明員松島五郎君) はい。
  255. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 それと、今度の特別交付税は、ここに今表をお出しになりました積雪度補正による増加財政需要額二十四億五千四百万円という、こういうビラが出ましたね。これは特別交付税ですか。
  256. 松島五郎

    説明員松島五郎君) ただいまお手元にございますのが、普通交付税に入っております増加財政需要額でございます。したがいまして、このほかに特別交付税をどうするかということは、先ほどお答えいたしましたように、ただいま算定作業を進めている段階でございます。
  257. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 これは普通交付税ですね。
  258. 松島五郎

    説明員松島五郎君) そうでございます。
  259. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 普通交付税に、府県の分と市町村の分と、こういう格好の中に二十四億お金が入っている。特別交付税は、先日のお話を聞くと、二十二億ということを言われておったのですが、そのとおりですか。
  260. 松島五郎

    説明員松島五郎君) ただいまの予定では、三十億円を相当上回るのではないかと予想をいたしております。
  261. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 この雪害に対する特別交付税の算定で、この前二十二億と言っておられたけれども、これが三十億を上回るという状態になったと、これはどう理解したらいいのか。二十二億出したと、こう言われた。しかし、その特別交付税の額の増高というものは、被害の実態に応じて額を上げていくと、こういう順序になっているのですか。
  262. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 最初本年度の特別交付税が二百九十億余でございまして、昨年度——昭和三十六年度に比較いたしますと、本年度の一般の災害はかなり少なかったわけでございます。したがいまして、多少本年度は雪害のほうにも回せるのではないかという予想を当初はいたしておったわけでございます。ところが、雪害がだんだん各方面からの御報告によりまして大きくなって参りましたので、既定のワク内において雪害分を全部生み出すということは困難ではなかろうか、かような判断のもとに、既定のワク内から生み出すもののほか、さらに二十二億を追加して再交付してはどうかというのが、二十二億円でございます。
  263. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこで、僕は今の話の順序がわからないわけです。私の言っているのは、雪害に対する特別交付税ということなんです。雪害に対する特別交付税を本会議で二十二億円用意しているということをおっしゃった。だから、二十二億では足らぬじゃないか、今の目の子勘定にしても足らぬじゃないかということをわれわれは主張してきた。ところが、今三十億上回ると、こうおっしゃる。いつ三十億に変わったかということを聞かなきゃならぬことになるのですけれども、問題の順序というものが、豪雪被害に対する補給として特別交付税を出すんだ、それは被害程度によって額が上がったり下がったりするんだ、こういう趣旨の二十二億であったのかどうか。だから現在三十億を上回ると言われたら、よくわかるのですけれども、そのあたりはどう——出し方の問題です。
  264. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、当初既定のワク内において、昨年度と比較いたしました一般災害の限度等も考慮いたしまして、また交付税それ自体もふえております関係もございますので、そういった事情を勘案いたしまして、既定のワク内で雪害対策費も処し得るのではないか、かような判断を当初は持っていたわけでございます。しかし、その後の被害の状況から考えまして、その既定のワク内だけで処理をすることは困難である。もわろん、既定のワク内においてある程度のものを回すことは可能でございます。それに二十二億を加えますと、三十億をこえるのではないか、かように申し上げておるわけでございます。
  265. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 そこが少し僕にはわからぬのだけれども、二百九十億という特別交付税というのは、雪害があったときには、もう配分し切ってしまって、原資はないんだ。そういう特別な雪害に回す原資はないので、それで二十二億を足して、そしてこれでやるんだというようにわれわれは理解するような発言があった。そこで、あなたの言い方との間の理解がちょっとうまいこといってないわけだが、そうでなしに、二百九十億の中に、そういう災害に——去年は災害がなかったので、回せる分があった。それに、まだ足らないので、二十二億を加えた。そうすると、二百九十億の中から七、八億の分が災害対策に回るというわけですわね。あなたのお話を聞いていると、そういう工合に理解していいわけですね。
  266. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 御指摘のとおりでございます。
  267. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 わかりました。  そこで、三十億を上回るだろうということをおっしゃったのは、被害の実態調査がずんずん進んでいくと、その被害措置をしなければならぬから、現在のあるワクの中でできるか、新らしい財源をそこへ見つけてプラスするかは別として、被害があれば、被害に応じて特別交付税の形で処置をしようという心がまえであるのか。
  268. 松島五郎

    説明員松島五郎君) 先ほど来者先生からいろいろ御意見がございますように、この豪雪災害に対処いたします財源措置といたしましては、すべてが交付税だけというわけではないと考えます。農林関係につきましては、天災融資法あるいはその他の制度の運用という問題があろうかと思います。また、道路関係につきましては、積寒道路法による国の補助というふうなものもあろうかと思います。したがいまして、今の段階において私どもが把握しております地方団体の負担に属すると考えられますものに対しての財源措置として、当面講ずべきもの、さらに将来起こってくる問題がなおあろうと思います。たとえば、雪が解け出しまして災害が起きた、その災害に対する地方負担をどうするかというような問題は、まだあろうかと思いますが、さしあたり今問題になっておりますのは、主として除雪関係——建物、道路を含めました除雪関係、それと応急の連絡経費であります。あるいは屎尿の処理に要します経費とか、あるいは災害救助に要します経費とか、そういったものでございますので、その辺の数字をまず押えまして交付税の配分をいたしたい、かように考えている次第でございます。
  269. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 大体きょうはそれくらいのところでやめておきます。
  270. 辻武寿

    委員長辻武寿君) 他に御発言もございませんようですから、本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会