○
説明員(
滝山養君)
常務理事の
滝山でございますが、たいへん御心配かけまして申しわけございません。
概況を
説明するために、お
手元に「
北陸、上・
信越線の
雪害状況について・
日本国有鉄道」というパンフレットがございますので、この
資料に沿って
説明させていただきたいと思います。
最初に、一ページを
ごらん願います。ちょっと読みながら
説明をいたしたいと思います。
「年初以来
全国各地に散発的に雪を降らした
寒冷前線は十一日夜半から
日本海岸線一帯に
豪雪を降らし、以後
恢復のきざしが見えず
国鉄各線は、大きな
被害をこうむった。二十二日までは
昭和三十五年度の
大雪害時の経験にかんがみ、計画的に
運転休止、
迂回輸送、
折返し運転等の
手配をこうじ、一方
除雪に努めた結果、
旅客列車はその大部分の、
貨物列車は最悪の場合でも平常の三〇%を
確保することができた。」
——これは二十二日までの
状態でございます。
「然し、この度の同
地区の
降雪量は記録的なものであり
側雪を除く暇もなく長期にわたり二十三日から襲った猛
吹雪のため
線路が埋没し、
北陸線福井・直江津間では二十四日以降数本の
ローカル旅客列車を動かすのみで、
貨物列車は、全面的に
運転を休止するの止むなきに至った。一方
上信越線では、新津・
柏崎間、
小出・長岡間は、全く
列車の
運転が不可能となり、
旅客列車十二本を途中駅に抑止せざるを得ない
状態となった。この
列車の
旅客に対しては直ちに旅館、
給食等の
手配をこうじた。」
ちょっと七ページを
ごらんいただきたいと思います。「
別表1」にグラフがございますが、左のほうは
金沢局、右が
新潟の支社の代表的なところの
積雪の
模様を上に書いてございます。それから、
降雪が、ややちょっとわかりかねますが、下に書いてございます。先ほど
気象庁から
お話がございましたように、二十二日ごろまで、
あと二十三日以降急激に
積雪の
模様が増加しております。この点が今回の
一つの特色ではないかと思います。
それからなお、
線路の
不通状況についてちょっと触れさせていただきますと、その次の九ページを
ごらんになっていただきます。「
別表2(イ)」に、各
線区の
運転の
模様が書いてございますが、
不通になりましたところは
黒線で引いてございます。
新潟の
管内で申し上げますと、只見線は非常な
降雪で、いち早く十七日からとまっておりますが、ほかの線では、いずれも二十二日ごろまでは順調に
運転しておったわけでございますが、大体二十三日から
各線にがたがたと
不通が現われてきたようなわけでございます。
同じように、その次の「
別表2(ロ)」を
ごらんになっていただきます。これは
金沢の
管内の
線路の
阻害状況でございますが、柳ケ瀬線、越美北線、それからなお支線に若干ございますが、重要な
線区については、二十三日までは大体
運転を
確保しておったわけでございますが、二十四日以降非常な支障が現われてきた、こういうような
状態でございます。ことに問題は、先ほど申し上げました
本線、重要な
北陸本線、あるいは
新潟の場合には、
上越線、
信越線というようなところが
不通になったことは非常に遺憾でございます。
それから本文に戻らしていただきまして、「このため、
国鉄では他
地区より、
除雪要員を派遣するほか、
自衛隊及び
地元各位の強力な
応援をえ、一日約二万人を
動員し、且つ極力
除雪列車を
運転し、鋭意、
幹線の
排雪に努力しているが、いまだ全面的な
恢復には至らない
状態である。
二十七日十二時現在、
北陸線の
状態はかろうじて
救援物資及び短
区間の
旅客列車の
運転が可能となり、
上信越線においては、
小出・東三条間を除き
排雪作業が比較的順調に進んでいるが、
本線の
側雪の排除、構内の
除雪、
抑留貨車の
整理等の必要があるため、全面的な
恢復には未だ時日を要する
状態である。」
——この
状態については、
あとでもう少し詳しく申し上げます。
「然し、この間にあって
金沢地区、
新潟地区に対しては二十五日以降、
食糧、
燃料等の
緊急物資を
迂回経路により
輸送する
手配を行なっている。」
——これは、あらゆる努力を払って
緊急物資を
確保しておるような
状況でございます。
なお、今回の
雪害にあたっては、計画的に
長距離列車を
運休して
輸送の混乱を防ぐとともに、
除雪にあたっては、
自衛隊及び
地元各位の
応援を得、また
設備の面におきましては、
北陸隧道が完成しましたことと、
通信設備の
近代化(
SHF及び
通信線の
ケーブル化)がほぼ完了していたため、記録的な
豪雪にもかかわらず、全
線区にわたり
通信が
確保されておりますので、
状況の把握と
列車の
緊急手配が非常にできやすい
状況になっております。
なお、ここでちょっと申し上げますが、2の
除雪状況、
除雪要員動員状況、「
管内の
職員及び
除雪人夫を
最大限に
動員し、
他局より
職員の助勤を行いさらに
自衛隊に
出動を要請するなど
除雪要員の
確保に努めた。」
——これは、十七ページの「
別表4」「
除雪従事員」というのを
ごらん願います。
十二日から雪が降り出しまして、
新潟と
金沢に分けてございますが、
職員並びに
地元の
除雪人夫の方に
応援を願いまして、二十二日ごろまでどうにかやってきたわけでございますが、先ほど申し上げましたような
天候状況で、
金沢はいち早く二十一日から
自衛隊の
応援、
協力を要請しまして、ここにございますような
自衛隊の戦力を投入願っております。
新潟につきましては、二十四日からお願いしております。一方、
職員の数の中にカッコで書いてございますのが、他の
管内からの助勤でございます。
金沢の例で申し上げますと、十一日以降、
金沢以外の名古屋、静岡、
長野地区から
線路工手を助勤に
動員して投入しております。
新潟につきましても、
関東地区、
東北地区の各
管理局から助勤を
動員いたしまして、二十七日現在におきましては、ここにございますように、総体として二十七日の
動員総数が約二万四千、そのうち
自衛隊が千二百ぐらい、
職員は、ここにございますように、両方合わせて五千人近いものを投入しておるわけでございます。これが助勤の
模様でございますが、さらに、
現地からの要請がございまして、また
防衛庁本部から
お話がございまして、積極的な
動員、
自衛隊の御
協力のプランを今至急まとめておるような
状態でございます。
それから次に、
除雪車の
運転状況でございますが、ちょっとその前に、非常に恐縮でございますが、この
資料の一番うしろに、「参考」といたしまして、二十三ページに「
除雪方法の種類」というのが書いてございますので、ちょっとその概念を理解していただくために、漫画のような図面を
ごらんいただきたいと思います。
従来、
除雪と申しますのは、初期
除雪——雪が降り出しました初期におきましては、この絵にございますような、いわゆるラッセル車を機関車で押しまして、普通の
列車の合間にこれをはさんで
除雪するわけでございます。この場合には
相当の速度が出まして、四十キロ程度の
除雪速度が出るわけであります。たいして
輸送の支障なしに、こういうものを
運転いたしますと、右の図面にございますように四メートル五ぐらいの幅にわたりまして、しかも五メートルないし八メートルくらい雪を吹き飛ばすことになります。本来の雪は大体四、五日くらいで終わりまして一息つけますので、その場合は第二番目にございます二次
除雪の段切りをやる一わけであります。
天候が回復いたしますと、
線路工夫並びに
除雪人夫の力によりまして段を切るわけでございます。段を切って第二の(イ)のような
状態にしておきますと、その次に雪が降りましてもラッセルが吹き飛ばせるような空間ができるわけでございまして、従来の雪はせいぜい(1)か(2)のような
状態でもって、一冬
降雪に対する措置が繰り返えされるわけでございますが、今回は先ほど申しましたように、長い間記録的な雪が降りまして、こういう
状態にならないままに、言いかえればラッセルを通すだけ、ぎりぎりの限界にしかあいておらない。そのうちに雪がどんどん積もりまして、しかも今度は期限が長いだけでなく、非常に温度が低く、しかも風が非常に強うございましたので、側の雪はどんどん吹き込んでくる。ラッセルをいかに
動員いたしましても、両側の高い壁に対してどうにもならない。さらに最悪の二十五日以降は、この
区間が埋まったわけであります。そこでその場合に(3)にございます異常時
除雪、もう雪が積もって車が通りませんので、ロータリー車というのがございますが、強力な馬力で雪を吹き飛ばす機械でございますが、これでもって雪に穴をあけるわけでございます。穴をあけましてどうにか車だけが通れる
状態になりましたときに、下から二番目にございます「キマロキ」、妙な表現でございますが、この考え方は、先頭に機関車が参ります、これが「キ」、その次にマックレーという
除雪車がございまして、幅七メートルないし七メートル三十センチくらいの翼をひろげまして、この
区間にある雪を
線路の中にかかえ込むわけであります。
線路の中に誘導しまして
線路の中にロータリーがかかりやすいように雪を積む、この「マ」がマックレー。その次に「ロ」がロータリーでございまして、一番最後の「キ」は
あと押しの機関車、こういう四つの機械動力車の編成をもちまして「キマロキ」
運転というものをやって、側の雪をかき込みながら、それをしかも外にはね飛ばすという
除雪になります。この場合に速度が出ませんので、順調にいっても五キロぐらい、平均二、三キロぐらいしか出ない。「キマロキ」
運転をやる場合には、全面的に
列車をとめなければならない、こういう
状態になるわけであります。
今回二十二日ごろまでは、(1)の
状態から、実は
線路の格好は上から三番目のように両側に壁ができたような中をラッセルを通し、そのうちに動かなくなるという
状態で、最後に腹をきめまして二十六日ごろから全面的に「キマロキ」
運転を主体に切りかえる、さらに最悪の場合は異常時
除雪という、ロータリーを先頭に入れまして穴をあけて「キマロキ」をやる、こういうふうに切りかえてやっておりますが、このような
除雪方法を御
説明いたしまして本文に戻らせていただきます。
(2)といたしまして「
除雪車
運転状況」として、「ロータリー、ラッセル等を全面的に
運転して
除雪に当り
輸送の
確保に努めてきたが、
線路脇の
積雪が累積し、従来の
除雪方法の続行が不可能になったので、直ちにロータリーを主体とした
除雪に切換えた。」、これは十八ページの表5を
ごらんいただきたいと思います。十八ページにこの
別表5というのに雪カキ車の
運転実積というのがございます。左のほうが
新潟、右が
金沢でございますが、先ほど申し上げましたようにラッセル車を
列車の場合に
運転いたしまして、
除雪しながら
輸送を
確保するという姿が
最初のほうにあるわけですが、終わりのほうになりまして、二十五日ごろからロータリーの走行キロが非常にふえております。ラッセルでは措置できなくなりまして、ラッセルで措置できるところはラッセルでやっておりますが、一番問題になりました
福井から
富山の間、あるいは
上越線の
小出から新津まで、あるいは長岡から直江津まではロータリーあるいは「キマロキ」
運転を主体として
除雪をやっておるのでありまして、急激にロータリーの走行キロがふえておるわけであります。
なお、ここに書いてございませんが、
手配といたしまして
新潟の支社には、ロータリーがマックレーをつけましてワンセットになるわけですが、これが四セットある。ロータリー四。
金沢はロータリーが二台ございまして、ラッセル全体を合わせましてそれぞれ
新潟に六十九台、
金沢に三十九台。平素はラッセルが主体でございますが、今申しましたように、ロータリーに切りかえるために戦力が不足いたしますので、他の
管内からロータリーの導入をいたしまして、長野から一台、仙台から一台、本州に
あと一台残すのみのロータリーを
新潟支社に導入いたしまして、
新潟は六台のロータリーを今かかえておるわけでございます。さらに、最近北海道から一台、追っかけ一台という工合に、ロータリーを
新潟、
金沢地区に集中いたしまして
除雪に当たっておるわけでございます。
それからなお、一月十二日から二十七日までのロータリーの
運転距離は、ここにございますように、カッコの中は二年前大問題になりました三十五年のキロ数の実績でございますが、すでにラッセルの走行キロにおきまして、
新潟支社四倍、
金沢七倍のラッセルを動かしている。いかに
雪害の規模が大きいかということがおわかりになると思います。
その次に、
輸送の
状況を申し上げたいと思います。四ページの本文に戻りまして3の
輸送概況、「
関係線区の
運転概況」「一月十二日から二十二日までの間に影響の大きかった
北陸、
信越線福井−新津間においてはかなりの
降雪にもかかわらず
旅客列車八〇%、
貨物列車四五%を、
上越線では
旅客列車九〇%、
貨物列車七〇%の
列車運転を
確保していた。累積された
線路わきの
積雪の上にさらに二十三日以降の
豪雪により優等
列車を初め直通
列車は同日の夜行から全面的に
運転休止のやむなきに至った。しかしながら通勤、通学
列車、生活必需品、
救援物資輸送用
貨物列車を
確保するよう努力した結果次のごとき
運転実績となっている。」その前に、十九ページを
ごらん願いたいと思います。
十九ページに
別表6というのがございますが、これは
新潟支社の一日の
列車キロが出ております。これは
ごらんになるとわかりますように、一番上が
旅客列車、その次の四点が
貨物列車、その下に
排雪列車が出ております。
排雪列車を
最初ごらんいただきますと、下にずっと書いてありますのが毎日の
排雪列車の走行キロでございますが、三十五年の
豪雪の場合はわずか四、五日で終わっている。今回は引き続きこのように
列車が動いている。いかに
雪害の規模が違っているかということがおわかりになると思いますが、いずれにいたしましても、
新潟の支社においては十一日から以降ほとんど
旅客については平日並み、貨物についても実は三割切った程度の
確保を二十二日までやってきたのでございますが、二十三日以降最悪の
状態になりまして、ここにございますように二十五、六からは「キマロキ」で、先ほど申し上げた本格的な
列車をとめる
除雪に入ったわけでございまして、この結果、中に閉じ込められておりました
列車はおおむね本日引き抜きを終わるような格好になったわけでございますが、いずれにしてもこのような
状態でございます。
なお、
金沢のほうは、その次の二十一ページを
ごらんになりますと、同じように
金沢は
旅客列車をある程度だんだんに減らしまして、貨物も思い切って切ったわけでございますが、今申し上げましたように二十四日以降が非常に
状態も悪くなっておりますし、
新潟と違いまして思い切って
列車を切ってしまいましたので、かなりまだ
ローカル列車が動くような
状態になっておるわけでございますが、
新潟の場合には非常に申し上げにくい
状態でございますが、全面的に遠距離
列車を切りました際に、
地方の要請もあり、
新潟自身、雪が少なかったためもあり、急行
列車二本入れましたために、この
列車が途中に抑留されまして、これが非常な御迷惑をおかけしたような格好になっておるわけでございます。
そこでもう一ぺん、その措置は
あとでちょっと触れますが、二十三日以降の
列車の動かし方が、本文に表がございます。
列車運転本数及び比率全体の左側にございます
北陸線について申し上げますと、
福井−
金沢間については二十三日以降非常に
状態が急に悪くなりまして、それでも
旅客十五本、三本、二本という工合に動かしておったのですが、そうした雪が二十六日には「キマロキ」を
運転するために
旅客列車を押えております。しかし
救援物資は最小限度ここで動かしておるというような
状態が
北陸線については表われております。
信越線につきましては詳しく
あとで申し上げますが、非常に
状態が悪うございまして、長岡、直江津間は
列車の抑留の救援というものに非常に手をとられておりまして、全面的に
列車がとまっておる。
上越線も同じように長岡と
小出において
列車がとまっておる、こういうような
状態でございます。
そこで「以上の外
雪害地帯に
除雪作業員
輸送(関東、中部、関西からの
自衛隊及び
職員)のために、次のとおり各一本ずつの臨時
列車の
緊急手配を行い
輸送を行った。」、こういう工合に
列車がとまっておるわけでございますが、その間に絶えず
除雪を続け、しかもここへ送り込みます
線路工夫なり
自衛隊の人員
輸送というものは
確保しなければなりませんので、二十五日、二十六日、二十七日にわたりまして
除雪の合間にこういうものを送り込んだわけであります。
旅客関係について申し上げますと、途中に抑止せざるを得なかった
列車は延十二本、これはほとんど
新潟管内でございまして、新津−長岡−
小出の間でございます。二十五日におきまして十二本、三千四百九十人というお客さんを途中でかかえ込んだわけであります。しかし、これに対しまして給食、暖房等についてはできる限りの緊急措置を講じ万全を期するとともに、長時間滞留した
列車の
旅客については努めて旅館及び民家に収容したわけでございまして、二年前の暮には約三万人のお客さまを年末
列車に閉じ込めたわけでございますが、今回は非常に御迷惑をおかけいたしましたが、早目に遠距離
列車をとめましたので、この程度で済んだわけでありますが、ようやく本日になりまして新聞に出ております「越路」という急行が、これが長い間閉じ込められておりましたものを、
けさの八時二十九分に上野まで引き上げております。同じように「佐渡」という逆に上野から
新潟に出ます
列車が八時四分に
新潟に着いております。それぞれ三百人あまりのお客さまでございますが、そのほかの
列車は、臨時
列車がとまったのがございまして、これと合併いたしまして千五百人の方を
けさ三時に
新潟に引き抜いております。
あと残っておる方は有名余りでございますが、きょう中には三本ぐらいの
列車になっておりますが、引き抜きを完了する予定でございます。そのような
状態でございまして非常に御迷惑をおかけしたわけでございますが、ようやくこの抑留客の措置がついたわけであります。
それから
旅客の取り扱い制限は一月二十七日十四時現在においては、次の
区間については切符を売るのを抑えております。
北陸線については今庄−青海間、今庄というのは敦賀と
福井の間でございます。トンネルを出たところでございます。青海というのは親不知の東側で糸魚川と
富山の間でございます。
信越線は直江津までは通りますが、直江津から古津、古津というのは新津の手前でございまして、わかりやすく言えば、直江津−新津間が今
旅客列車の上下線ともとめておる。
上越線につきましては石打でございますが、これは水上と長岡の間でございますが、この石打の
区間から宮内までが
不通になっております。それから高山線については
富山−杉原間、これは今一応高山線は通れる
手配になっております。
あと米坂線の大部分、赤谷線、弥彦線、只見線、魚沼線、越見北線、
富山港線、三国線、この
区間についてはまだここまで手が及びませんので
不通になったままの
状態でございます。
それから次に、貨物について申し上げますと、六ページでございますが、貨物
関係といたしまして、(イ)が「一月十二日以降の
雪害により
貨物輸送は大きな影響を受け二十六日までの全国の減送トン数は約百万トンに達している。このうち特に
雪害の著しい
金沢、
新潟管内の減送トン数は約七十万トンとなっている。」、これは全体の
状態でございまして、それから(ロ)が「野菜、魚、
食料品、家庭
燃料等の
生活必需物資については、その
輸送を最優先に実施することとし、発着荷主、県、市等の公共機関の希望を具体的に
調査し専用
列車の
運転を実施する等、適切な措置を講じている。」というわけでございまして、これは、実は非常に
生活必需物資が緊急でございますので、遠距離
列車はとめ、
旅客列車もとめながらも、
除雪の合間々々に
貨物列車を入れる努力をしておりまして、それを実施しているわけですが、ただ、非常に従来の
輸送経路と申しますか、取引
関係が急変しておりますので、具体的にどこの町、どこのところから、どなたから送るという内容をお示し願ったら、われわれとしてはこれに対して適切なる
輸送手配というものをやる態勢をとっているわけですが、その辺、今後そういう点をお願いしたいと思っております。
(ハ)の「現在までの
輸送制限としては、
金沢、
新潟管内に発着または通過する貨物に対しては、受託停止その他の制限を実施している。」、これは全面的に
輸送力を回復しませんので、両
管内に着くもの、出るもの、あるいはここを通過するものは今禁止しているわけでございます。
「
北陸線、
信越線は
雪害地帯に発着する貨物を重点的に
輸送することとし、これらの
線区を通過するものは、極力東海道、東北線等をう回する措置を講じた。」、これは当然の措置であるようでございますが、なお、最近、今日におきます
線路の
状況にちょっと触れますために、十三ページの地図を
ごらん願いたいと思います。
別表3というのは、
新潟支社
管内でございますが、ここには、わかりにくい形で恐縮でございますが、現在どうなっているかと申しますと、
新潟から新津までは
線路が
確保されております。新津に参りますのに、右の上のほうから来ておるのが秋田から参ります羽越線でございます。それから今度、下のほうの野沢と書いてあるのが、郡山から参ります盤越西線でございますが、この二線は今のところかろうじてどうにか
輸送はつながっているわけでございます。しかし、盤越西線につきましては非常に雪が多くて
なだれが多いところでございますので、まだ、安心して一般の遠距離
列車を入れる態勢になっておりませんので、緊急的な補給物資あるいは今の救援の
除雪の要員の
輸送というものについてのみ扱い、あるいは
あと、
列車の
運転は、はっきりしませんけれども、要請があれば
ローカル列車を通すという
状態でございます。新津、
新潟までは裏の縦貫線から、つまり秋田
方面から郡山
方面へどうにか
輸送がつながっております。一方、左のほうの直江津から関山と書いてありますが、長野から直江津に出る
信越線についても、ことしは
割合雪の
状態がよろしゅうございますので、どうにかここも
輸送がつながっている。したがって、
富山方面に対する補給も、今まで直江津、糸魚川からラッセルを通しながら、合間々々にどうにかとだえずに済んでいるような
状態でございます。
柏崎も同じように直江津から
柏崎の間に発着がつくようになっております。一番問題は、
柏崎と宮内の間、これは
信越線でも先ほどございましたが、四メートルを越す
豪雪地帯でございまして、
線路が埋没しましたのを昨日からロータリー、「キマロキ」を
運転いたしまして、きょうもまた引き続き「キマロキ」を
運転することによって
確保を続けていこうと、そういうことを今やっております。新津と直江津の間は、先ほど申し上げました
旅客列車が全部ここに入っておりますので、これの救援、排除に努めた結果、
旅客列車のほうは部分的にはほぼ完了いたしまして、「キマロキ」を
運転してどうにか下りのほうは道をあけたのでございますが、引き続き上りをきょうあけておるわけでございます。
長岡から
小出、水上
方面に対しましても、先ほど申し上げました急行「佐渡」が抑留されておりましたが、これを救援いたしまして、「キマロキ」を通しまして道をあける、こういうような
手配をきょうしているわけでございます。
それからなお、
金沢のほうにつきましては、十五ページの
別表3を
ごらん願いたいと思いますが、こっちのほうは先ほどちょっと触れましたが、
富山から右のほう直江津の間は比較的に雪は積もっておりますけれども、ラッセルを動かしながらどうにか細々と連絡はとれるというような
状態です。それから、
富山から直下に入って高山線ですが、これは先ほど申し上げましたが、ちょっと一時、
富山附近がつまっておりましたが、どうにかこれも補給ができるようになりましたので、今後の
救援物資は高山線からある程度
確保できるのではないかと考えております。
一番問題は
北陸本線のほうでございまして、米原から敦賀まで、敦賀の先、今庄の手前までは
北陸隊道ができましたので、非常に補給力が強うございますが、実は昨日まで問題だったのは
富山−
福井間でございまして、この間に先ほど申しました「キマロキ」を
運転する腹を据えて、一昨日、昨日とやりまして、どうにか通ったのでありますが、またきのうの雪のために
金沢以南が至るところと申し上げていいと思いますが、途中の山の根元の牛ノ谷付近から、トンネルを出ました今庄付近、その他で今
不通になってしまっております。
金沢から束のほうも、今細々と連絡がつくかどうかというような
状態になっておりますが、いずれにいたしましても、
本線筋の
状態が非常に不安定でございますので、この際われわれといたしましては、全力をあげまして、先ほどの図面にございますような「キマロキ」を通す以外に段切りをする、両側の雪を人力によってのけまして、多少の雪が来てもラッセルでもってはねのけるという
状態に一刻も早くする必要がありますので、
自衛隊を大量にさらに導入、またさらに
線路工手の助勤というようなことを今具体的に検討しているような事情でございます。なお、今後は
除雪をやはり重点に置きますので、急行
列車の
運転につきましては、二十九日まで遠距離
列車の
運転は取りやめまして、
除雪の
状況に見合いまして
緊急物資の
輸送、
救援物資の
輸送あるいは
ローカル列車も
地方の御要望に最小限度応じられるように、順次
列車をふやしていきたい、こう考えておるような次第でございます。
なお、
国鉄といたしましては、いち早く
対策本部を作っていろいろと
手配をしたわけでございますが、なおより強力に措置するために
新潟の支社並びに
金沢の局に本社からも幹部が出向きまして、督励すると同時に、関連いたします補給路
——幸い補給路のほうはどうにか細々とつながっていると思いますが、これを
確保するために隣接
管理局に責任を持たせる、
協力態勢をとるように今指示したところでございます。今後も全力をあげて努力をいたしておりますので、だんだんよくなるのではないか、しかし
天候の
見通しがまだ非常に不安定でございますので、全面的に回復するには至らない。ことに先ほど申し上げました
側雪をある程度のけてしまいませんと、安定した
輸送にならないというような
状態でございますので、全力をあげているような次第でございます。