○藤田進君 しかしまあ、根本的な問題としてこれは
質疑しても答弁はむずかしいと思うのですが、実際にこう創設をしても、
地域格差というものは、実際問題として自由主義経済のもとでどれだけ是正できるかということは、私も
地域格差について、特に欧州諸国の研究を今やっておるわけですが、かなり綿密な資料、データを集めて、国内後進
地域の
開発——ドイツでもそうですね。特にアルプス周辺といったようなところも、各国ともかなり開いていることは戦後の特徴です。これに対する施策については、かなり真剣に取っ組んでいるという姿を、私は日本と少し違ったような見方をしておるわけです。具体的にお伺いしてみますが今、小山さんから言われたように、私も申し上げたいところだったんですが、従来地方都市においては、党派の問題ではなくて、いわゆる大都市
中心主義ということの批判が強いのです。いろいろ
近畿整備あるいは
首都圏整備といったようなことをいわれ、こういった
法律を作るという根本の目的は、国が相当
予算をつけて、金をよこさなきゃ何にもならない。幾ら条文をりっぱなものにしても何にもならない。ね
らいは、各
地域開発特殊立法をいたしましても、すべてね
らいはそこにある。新
産業都市建設についても、結局魅力というのはそこにある。問題は財源だ。国の
予算がより多くつくところの魅力だと思うのですね。それで今事例をあげますと、たとえば中国
地域の総合
開発でも、問題になっていると言えば大げさですが、鳥取、島根に関連を持つ中海の干拓ですね、膨大な埋め立てをして開拓をしよう、ここに農業経営をやっていこう、ところが、
地元の県
知事さんあたりの内々意向を聞きますと、これだけの
予算を投入するんであれば、もうわれわれの県では農地は売ろうにも買い手がない、青年たちは、大体中国に例をとると、四万に余るものが他県に出ているんです、年間。そういう人口移動の状態、これはますます激しくなっていく。したがって、農地
開発というよりも、できるならばその金をまかせてもらうか、国の
計画の中でもいいが、いわゆる二次
産業の誘致なり
産業基盤、生活基盤の強化のために使わしても
らいたいというのがこれが真相なんです。それを今言い出してみても、結局あぶはちとらずで、ああいった干拓もやっても
らい、その他の
産業誘致の際に土地買収その他でその農業用地を失う人たちにそこに行ってもらうという、いわば準備のためにささやかな
希望をつないで、その
開発を
推進してもらおうかというのが実態だと思うのです。これは、農業問題全体についてもちろん問題があるわけですけれ
ども、農業所得自体に問題があるわけですけれ
ども、しかし、池田内閣の政策とされては、まず、第二次
産業の高度成長と言わざるを得ないと思うのです。そうだとすれば、その中においても今のような事例があるが、こういった点についてももっと
地域の実情、特に島根県とか鳥取、宮崎、鹿児島というところは、御
承知のように県民所得も非常に低い、むしろ北海道のほうがかなり今水準が高くなりましたね。日本で八番目ぐ
らいですか。そういう点も
考えていかないと、結局これは私
ども賛成をする
法律案ですけれ
ども、しかし、あわせてそういう大都市の急場をしのぐ緊急対策的なものとあわせて、ローカル都市における
開発というものをもっと積極的に進めてもらわなきゃならぬのじゃないか。ただ一面十カ年高度経済成長政策でいくと、思うようにいかないとしても、かなり行き過ぎもあったけれ
ども、あのままで、しかし第二次
産業中心に拡大発展をして、設備投資その他されても、これは国際貿易なり国内需要なりといったような見返りからみて、あるいは生産過剰といったような問題も出てくるでしょうから、無
制限にただ
開発基盤を作ればいいというように私は主張するものではありませんけれ
ども、それにしても、全体の中で総合的に、そういった国内後進
地域ということに十分留意し、もっと国家財政の面も、メリット的に施策を講ぜられる必要があるのではないか。
地域の有力政治家その他の陳情の度合いによって、新産法に今見られるようにきまっていくという傾向も若干なきにしもあらずですから、そうじゃなく、国として、特定
地域だけでなく、全体として十分地方都市にももっと集中した施策を
要望したいと思う。今申し上げたような諸点について、企画庁参事官は詳しいようですから、御所見を伺いたい。