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説明員(小林忠雄君) 逐条的に御
説明申し上げます。
まず、第四条第二項におきまして、
不動産鑑定士補となり得る
資格としまして、第二次
試験に合格することのほか、「政令で定めるところにより二年以上
不動産の
鑑定評価に関する実務に従事した者は、
不動産鑑定士補となる
資格を有する。」ということでございますが、この政令の大体の
考え方としては、まず、そういう
不動産鑑定評価に関する実務の経験というのが何であるかという
内容、それからこの二年というのが通算をするのか、あるいは引き続き二年であるのか、また、
試験の合格後二年という工合に考えるか、あるいは前後を問わず二年と考えるか、あるいは合格後少なくとも一年以上ということに考えるかというような問題がございます。
内容はまだ十分困っておりませんが、まず、通算の点につきましては、通算がほかの
法律でも、政令でも例がございますので、おそらく通算するということになるかと存じます。
不動産の
鑑定評価に関する実務としてどういうものが考えられるかということとしましては、この
不動産鑑定業者の事務所で
鑑定士または
鑑定士補を補助したような経験、あるいは政機関等におきまして国税、地方税の対象となる
不動産の
評価事務を担当した経験、あるいは
信託会社等におきまして債権担保の
目的を持って
不動産等の
評価を担当した経験、あるいは行政機関等において国有、公有の
土地の払い下げの
評価事務を担当した者というような
者等が考えられるのではないかと思います。
次に、第六条第四号におきまして、第一次
試験の免除が一号、二号、三号と列記してございますが、このうち「前二号の一に該当する者のほか、政令で定めるところにより、これらの者と同等以上の一般的学力を有すると認められた者」が第一次
試験を免除されております。これも、いろいろ公認会計士法等の例によりますと、旧制大学の学部に学生として在学した者でありますとか、あるいは文部大臣が旧制高等学校あるいは旧制大学予科と同等以上と
指定した学校を卒業した者でありますとか、あるいは旧制専門学校卒業程度の検定
試験に合格した者であるというような者が考えられるのではないかと思います。
次に、第一条第一項におきまして、受験手数料の納入
方法が定めてございます。これも政令に委任されております。
次に、第二十一条第三項におきまして、
不動産鑑定業者の
登録簿の閲覧について政令に委任をいしております。
同じく三十二条におきまして、
登録申請手数料について政令に委任をされておりますが、これは、ほかの
法律の例で申しますと、大体新規
登録につきましては四、五千円程度、変更
登録につきまして三千円程度というように考えております。
次に、第四十三条二項におきましては、参考人に支給する旅費、日当その他の費用について政令に委任がございます。
次に、四十四条関係としましては、
鑑定士等の懲戒処分についての公告の
方法が委任になっております。
次に、第五十一条関係におきましては、
不動産鑑定士審査会の組織及び
運営についての委任がございます。これは
委員の任期でございますとか、会長の問題でありますとか、あるいは
試験委員の人数、議事の議決の
方法というような、おそらく例文的なことになるかと思います。
次に、重要な委任といたしましては、
法律の附則の第五及び第七項の関係におきまして、特別
不動産鑑定士試験及び特例
不動産鑑定士補
試験の
受験資格がございます。まず、附則第五項の第五号及び第六号でございます。第五号は、いずれも特別
不動産鑑定士試験を受ける
受験資格につきまして委任をしておりますが、五号では、「行政機関又は政令で定めるその他の機関において
不動産の
鑑定評価に関する研究、調査、審査又は
監督についての責任のある地位にあった期間が、政令で定める期間以上である者」、第六号におきまして、「前各号の一に該当する者のほか政令で定めるところにより、これらの者と同等以上の知識及び経験を有すると認められた者」と
規定をしております。まず、行政機関または政令で定めるその他の機関でございますが、一応考えられますものとしましては、
信託会社でありますとか、あるいは信託業を兼営する銀行その他、長期信用銀行法に基づきまして、
不動産金融をいたしておりますような銀行等の法人が考えられるのではないかと思います。それから、そういう機関において責任のある地位にあった期間が、政令で定める期間以上となっておりますが、公認会計士法の附則等も参考にいたしまして、現在考えておりますところでは、大体そういうような行政機関なり、あるいはそういう
信託会社等におきまして、
鑑定評価に関する事務を担当する課長以上の職にあった期間が、三年以上というような程度のことが考えられるのではないかと思いでおります。それから六号の、これらの前各号の一と同等以上の知識、経験を有すると認められた者といたしましては、旧中学校令施行前において、旧制中学校を卒業した後に、
不動産の
鑑定評価に関して、通算して十五年以上の
実務経験を有する者でありますと、あるいは、前に第六号の関係で御
説明いたしました、昔のいわゆる専検等の合格者について、十数年の
鑑定評価に関する経験を有する者というような者が考えられるのではないかと思います。
次に、七項の第五号の特別
不動産鑑定士補
試験の
受験資格でございますが、これにつきましては、特別
鑑定士試験の
受験資格としまして、第六号の政令で申し上げましたような専検合格
者等が
不動産の
鑑定評価に関して、まあ八年程度の実務の経験を有する者というような者を考えているわけでございます。
それから次に、附則第九項にございます合格者の決定の
方法としましては、単に
試験成績によるほか、政令で定めるところにより、
試験を受けた者の
不動産の
鑑定評価に関する実務の経験年数を参酌して合否を決定するということになっております。これも公認会計士法の附則に例がございまして、公認会計士法の例によりますというと、ある
試験の科目の満点の合計点がかりに百といたしまするとそれぞれの科目について四十点以上取っているような人がありました場合に、それにさらに
実務経験に応じて
一定数の点数をこれに足しまして、合否を決定するというようなことを考えておるわけでございます。
それから附則の十五項といたしまして、「この
法律の施行の際現に
不動産鑑定業を営んでいる者が、引き続き
不動産鑑定業を営み、かつ、
昭和四十年三月三十一日までに
不動産鑑定士補となったときは、」、
不動産鑑定業をその者が営んでおります限りにおきましては、政令の定める日まで、
不動産鑑定士とみなして
不動産鑑定業を営むことを認めようという場合の緩和
規定の期限でございますが、これは一応まあ
昭和四十五年三月三十一日くらいまでという程度に考えております。