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政府委員(前田
光嘉君)
宅地債券の
発行の要領につきまして御
説明いたします。
両者、
住宅金融公庫及び
住宅公団でそれぞれ
宅地債券を
発行いたしますが、その運用その他につきましては、ほとんど一緒の運用をしたいと思っております。ただ
発行主体が異なりますために、債券の名称とかあるいは
発行の
窓口が若干変わるかもしれませんけれ
ども、その他につきましては、同様の扱いをしていきたいと考えております。
資料によりまして順次御
説明申し上げます。目的は省略いたします。
第二の「
宅地債券積立者の募集」、まず債券を募集いたしますが、これは「
公団又は
公庫は、毎年一回以上、それぞれの
宅地債券を、一定回数引き受けようとする者を募集する。」、この
意味は、
宅地債券は、これは三年あるいは四年というふうに継続的に債券を買ってもらうということを考えておりますが、その募集を、やはり年に一回やろう、もし
相当多額の債券を
発行するとか、あるいは将来は二回以上やることもあるかもしれませんけれ
ども、とりあえずは毎年一回ぐらい募集いたしまして、その際に、今後数年間継続して
宅地債券を買っていただく者をきめたい、こう考えております。その際に、「前項の募集にあたっては、次の事項を公告する。」、
一般に募集するわけでございますので、
宅地債券を購入するについて、必要な事項をあらかじめ公告をいたしまして、その内容によって、債券を買いたいという方に債券を買ってもらうわけでございます。
まず「(イ)
宅地債券を引き受けるべき期日」、これはいつ
宅地債券を買うか、先ほど申しましたように、三年ないし五年の積み立て期間を想定いたしまして、その間継続的に
宅地債券を買ってもらいますが、やはりそれを継続的に貯蓄的に債券を買ってもらうという観点から、たとえば、そこに書いてございますように、「積立期間中年二回を原則とする。」、春あるいは秋の二回、一年間に二回買ってもらう。
昭和三十八年度に一応考えておりますのは、できれば六月ごろにまず第一回を
発行する、それから十二月ないし秋に第二回を買ってもらう、こういうふうにいたしまして、積み立て期間中に毎年二回ずつ積み立ててもらうということで、一回ずつ債券を買ってもらうわけでございます。そのいつ買うかということは、債券を買ってもらう期日、「(ロ)引き受けるべき
宅地債券の毎回の標準払込額及び払込額の合計額」、
宅地債券は、あとで申し上げますが、大体どのくらいの金を払い込んで
宅地債券を買うか、具体的に債券を買います場合には、それぞれの期日によりまして端数が出ますが、おおむね均等で三カ年、たとえば、年二回で、六回
宅地債権を買うとすれば、大体平均した金額の債券を引き受けてもらう必要がございますので、あらかじめそれの標準となる払込額を書いておきまして、その
程度の目算を立てていただく。それから、全体で幾ら払い込めばいいか。これはあとで例を申し上げますが、三年かかりましてどのくらいの総額を払い込んだら
宅地債券の金が一応済んだことになるか、結局、その
資金によって
宅地を購入し得るかということの目算を立てていただく必要がございますので、そのことも、あらかじめ概算額をそこに書いておこうというわけであります。そのほか事務的な手続等につきまして、払い込み方法とか、あるいはどのくらい募集するかとか、あるいは、あとで
宅地債券を所定どおり買った人に
宅地を売る場合の手続等、その他必要な事項を記載いたします。こういうことをあらかじめ公告いたしまして、そして
宅地債券に応募しようというものを決定することになります。
三項に参りますが、「
公団又は
公庫は応募者(応募者の数が募集口数をこえる場合にあっては公正な方法により決定した者)を、
宅地債券積立者名簿に登録し、公告事項を記載した積立者手帳を交付する。」、こうして応募者を募集いたしますが、その際に、もし応募者の数が多ければ、これは抽せんその他の方法において、公正な方法で決定しなけれでならぬということを言っております。そうして債券を買う買い受け資格ができた者を登録いたします。そうして通帳を出します。これはちょうど預金通帳のような形になりまして、一応その人が継続的に債券を買うということの地低を明らかにするために手帳を交付したいと思っております。
そしてその積立期間は、今のところ考えておりますのは、一年以上五年以内とし、さらに場合によっては、五年以上の長期のものを考えたいと思って目下検討いたしております。さしあたり三十八年度の予定では、
公団は三年、四年、
公庫は一年、二年、三年という
程度の期間の債券の
発行をいたしたいと考えております。
その次に、いよいよ債券を買いますが、まず、債券の引き受け、「
宅地債券積立者名簿に登録された者は、
公団、
公庫又は受託銀行の
窓口で、その都度その者の積立者手帳を呈示して、その手帳に表示された
宅地債券を引き受ける。」、あらかじめきまって手帳をもらっておりますので、具体的に、先ほど申しましたように、たとえば六月、十二月と日がきまりますと、その時期に銀行の
窓口に行きまして、手帳を呈示して、債券を買ってもらうわけでございます。
宅地債券の形式は、無記名式の割引債としたいと思います。これは御
要望があれば、登録いたしまして、債券面を交付せずに登録するという簡単な手続で処理することもできるようにしたいと思っております。
それから、わかりやすいために、債券の額面金額は十万円、五万円、一万円というふうな端数のないものにしたいと思っております。
そこで償還期限は三年、五年、七年というふうにいたします。これは、債券の償還期限が三年で満期になりますと、当然債券は現金にかえられるわけでございますが、その際に、直ちに
宅地のための
資金を出す必要がない。たとえば
土地の選択についていろいろ考えておったりして、満期が来ましても、直ちに
土地を入手しない場合も考えられますので、二年ぐらいのゆとりをとって、債券の償還期限というのは、二年くらい当然の積立期限よりは多くしておるというふうにしております。しかし、もちろん
宅地を買う場合には期限前でも期限前償還をいたしまして、
宅地購入の場合の
資金手当には不自由をかけないようにするつもりでございます。
それから債券の割引の歩合は、ここに書いてございますように、今のところ、財政当局と相談をしておりますが、六分五厘をこえない
程度にして、必要な利子をつけていきたいと思います。
それからその引受額は、初めに申し上げましたように、数回に分けて分割して債券を引き受けるわけでございますけれ
ども、やはり一回の払込額は、おおむね同等の額にしようと思っております。そこの注に例を書いておきましたが、百二十万円
程度の
宅地の処分予定価格という場合には、その払込額の合計を一応六十万円
程度としたいと思っております。半分くらいを債券でみてもらう。あとの半分は
宅地を実際に買うときに即金で払うか、あるいは場合によっては、若干の割賦方法によって払い込みを容易にしようと思っております。その際に、三年でございますから、積立期限三年の間に、債券積立者は、年二回といたしますと、六回払い込むことになりますが、そういたしますと、六十万円の分でございますから、一回当たり標準払込額が十万円になります。しかし、券面額を、先ほど申しましたように、まるい数字に切ってございますし、それから割引債の関係で利子をあらかじめ計算をいたしておきますので、実際その十万円というのは、払い込んでもらいますときには、計算上ここに書いてございますように、かりに五年債でいきますと、初回に引き受けていただきますものは十万円、若干端数が出まして十万四千六百二十円に一応なります。そうしますと、これは額面で申しますと、利子が加算されますので、十四万円の債券になるわけでございます。当初十万四千六百二十円払い込んだものが、五年後には十四万円の価値のある債券になっておる。実際上
宅地を買う場合には、この債券を償還してもらうときには十四万円の現金をもらえるという格好になると思います。
そこで、そういうふうにして債券を継続して買ってもらいますが、この際
宅地を譲渡する仕方は、その手帳に表示されたその
宅地債券を継続して引き受けてもらう、しかし、全部、理想をいえば指定どおり六回なら六回継続的にきちっと買ってもらいたいと思いますし、それをその際所持しておってもらいたと思いますが、しかし人によっては、長期間でございますので、若干の手元不如意の場合もございましょうから、ある
程度のまあゆとりを見込みまして、全額じゃなくても、あるいは八割くらいまででも、債券額をもって下されば、それで
宅地を売ってもいいじゃないかというふうなゆとりのある取り扱いもいたしたいと思っております。そういう者が手帳と債券と
両方持ってきたときには、その希望の
宅地を提供いたします。もちろんその際に、同じ
宅地についてたくさんの希望者があれば、これまた抽せん等の方法によりまして決定をすることになるかと考えております。
それから、先ほど申しましたように、この
宅地債券の償還期限が来ておりませんでしても、
宅地を買うときには、期限前の償還をいたしまして、もちろう利子は計算し直しますけれ
ども、その債券、積み立てた
資金によりまして
宅地が買えるようにしたいと思っております。
一番最後に書いてございますのは、こうして
宅地債券によって
宅地を買いますが、やはりその場合におきましては、
一般の
公庫、
公団の
宅地分譲の場合と同じように、やはり
自分でそこに
住宅を建てるという必要のある者、あるいは買った者が一定の期限内には必ず建築をするというふうな建築制限、処分についての規制をいたしまして、せっかく作った
宅地が有効に、
住宅を建てたい人に有効に使われるようなことにして運用をしてもらいたいと考えております。