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国務大臣(
河野一郎君) 私も全く同感でございまして、就任以来鋭意その点に努力を実は傾けておるわけでございます。ところが、実際は
改善を要すべき点が実は非常に私は多いように見受けるのでございます。ことに他の官庁、
一般の官庁の何といいますか、習性といいますか、たとえて申しますと、
投資効率を上げるために一番簡単なことでいいますれば、短期竣工、金を入れたらなるべく早くそれが利用できるようにやるということが第一だと思うのですが、必ずしも工事の請負日数、施工期間等については非常にルーズであるというふうに見受けられます。それから第二には設計でございます。御
承知のとおり、終戦後官庁が、ことに
建設省がじかに工事をやりますのを避けまして、
道路公団なり
住宅公団なり、公団公社形式によっております部面が多ございます。ところが、これらのものが
民間の会社経営と違いまして、公団の利点を生かすことよりもむしろ欠陥が助長される形になりまして、逆に直接の監督が、たとえば国会に対する責任におきましても、
建設省を通じての責任があるということになり、さればといって、
建設省はこれを監督指導する面において法律がどうなっておるかと申しますと、非常に結びつきが薄くなっている。課長クラスの人が監督に行っているという
程度でございまして、日常の監督などほとんど不可能に近い
状態になっております。それ以上の点につきましては、具体的なものをまあ見受けられないということでございますために、まま独走する傾向がある。そこで最近、特にその点について
建設省内にも緊急
調査をいたさせまして、自今、公団公社等のやる設計については、必ず設計の段階において
建設省と合議をする、そしてなるべく設計の合理化を厳にさせていくことにしたい。それから施工期日等についてもむろん相談をする、監督についても、常時それぞれ所在の
建設省の監督官をしてこれの監督に立ち会わせるというようなことにして参りたいというふうに、実はあらゆる角度から公団公社に対して、今申し上げたのはその一例でございますが、十分再検討して公団公社をしてあやまちのない、今
お話のように
予算を効率使用するように、ひとつ指導して参りたいという点は、私としては真剣に取り組んでいきたいと
考えておるのであります。
それからなお、直接
建設省として地方の府県に委託いたして補助して工事を施行させておりますものにつきましても、今申し上げました点を十分に生かしまして、そして今国会に提案いたしておりまする
建設省の一部を直して、つまり地方
建設局を
強化いたしまして、地方
建設局をして府県の工事を指導監督せしめるということにかえたい。従来、みずから一級国道等の工事をいたしておりましたものを、みずからの
工事量をなるべく減らしまして、そして指導監督の
立場に
建設省の職員を差し向けたいというふうにいたしまして、極力設計もしくは施工の上において遺憾なきを期していくようにいたしたい。これによって今
お話のとおり、何がしかの効率が上がってくるのではないかと思うのであります。従来はまあ間違いがなければよろしい、期限内にできればよろしいというだけでございましたけれども、今
お話のありましたような方向に指導したいと
考えております。