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説明員(
宮内潤一君)
局長がお伺いするところでございましたが、衆議院のほうの
災害対策委員会がございまして、私かわって御
説明申し上げます。
お
手元にお配り申し上げました一月二十八日十六時現在
雪害対策情報、これが一番新しいニュースでございます。御
承知のとおり、今、
新潟県が一番
被害が多うございます。そこで早く
東京−
新潟間の
道路交通を確保したいということでございますが、
あとで御
説明申し上げますとおり、
国道十七号、これが
東京−
新潟間でございますが、これが小千谷、
十日町の辺で数メートルの
積雪に達しまして、とうてい早急に開通することは不可能と見られております。したがいまして、
新潟から
京都に至ります
国道八号の
交通を確保し、続いて
直江津から
長野を経由いたします
国道十八号、これの
交通を確保することによって、
東京−
新潟間の
交通を確保いたしたい、こういう
基本方針でございます。なお、
国道八号の沿線であります冨山、
石川、
福井各県の八
号国道につきましては、完全とは申されませんけれ
ども、おおむね
交通を確保いたしております。特に
山岳部におきまして、
なだれ等事故もございましたけれ
ども、そういう所も一
路線の
交通は確保するということに進んでおります。しかしながら、二級
国道あるいは
地方道におきましては、
除雪計画線におきましても、なおかつ相当
不通の所がございまして、われわれとしても深く憂慮いたしておるのでございます。
そこで、お
手元にお配りいたしました
資料の一ページは、ただいま申し上げましたようなことを書いておるのでございますが、ありがたいことに、昨日からだいぶ雪が減って参りまして、おおむね一日十五センチの
積雪にとどまるということになりましたので、きょう、あすにかけて非常に大きく
除雪作業も進んでいくことと存じております。
今まで私
どもが行ないましたいろいろな
作業の内容につきましては、三ページをお開きいただきたいと思います。三ページにいろいろ今までやりました
交通確保緊急対策がございますが、まず第一に、一月の二十六日に、
道路局に
雪害対策本部というものを設置いたしまして、
全員休みの日も待機して
地建及び
関係府県と
連絡をとるということに努めて参ったのであります。
それから、非常に
現地の方でも
機械が足りないとか、あるいは
予算上どうなるかというような
心配も多いようでございますので、
担当係官を派遣いたしております。なお、昨晩おそく、
政府全体として
調査団を派遣しようということに相なりまして、
運輸政務次官等が
現地に行かれましたので、私
どもの方からも
担当の
企画課長その他を随行せしめております。
それから
交通確保の
基本線は、先ほど申し上げましたとおり、一刻も早く
国道八号と十八号とを結ぼう、このためには、
関東地建及び
北陸地建、それから
長野県及び
新潟県各
土木部の完全な
共同作業による
措置が必要でございますので、これを強力に推進いたしておりまして、おおむね今所期の効果をあげつつある
現状でございます。
それから御
承知のとおり、何分にも
機械が非常に足りない、現在どのくらい
機械があるかというようなことにつきましては、後ほどまた御
説明申し上げますが、非常に
機械が足りないという
現状でございますので、ただいまあいている表
日本側の
各地建から
機械を回すと同時に、ちょうどたまたま
山形県の
新庄市におきまして、
除雪関係機械の
展覧会を催しておりまして、それで
裏日本にありましたので、
国鉄と
連絡いたしまして、最優先してこの
機械を
新潟県に投入するということでやっております。そして、その
機械は逐次発送いたして
現地に到着し、有効に使われておるのであります。
なお、
雪害対策本部におきましては、一日に二回、午前十時と午後四時の二回
現地の
地建及び
府県土木部と
連絡をとって、刻々新しい
情報を入れ、それに対応する
措置を検討し指示しておる次第でございます。
次に、現在の
交通の
状態を御
説明申し上げますが、十三ページをお開き願いたいと存じます。ここに、
一級国道の
路線が今どうなっているかということを示しておる表がございます。左の方から、
路線名でございまして、七号、それから八号、九号、十三号、十七号、十八号、二十九号、四十一号、こういう
路線がいずれも
積雪の
被害を受けまして
不通個所を有しておるのであります。その
区間は、そこに書いてありますとおり、七号におきましては、
山形県鶴岡市の
矢引峠、以下同様に書いてございます。その表でおわかりのとおり、八号が
新潟県内において五カ所、それから
石川県の一部において
不通個所があったわけでございますが、これは
県道を迂回することによって、
交通は確保されておる次第でございます。
なお、三番目の
不通個所延長の所に、
カッコをいたしておるのと、
カッコがないのと二つございますが、この
カッコをいたしておりますほうは、
積雪寒冷地のあの
特別措置法によりまして
除雪区間を定めますが、その際に、ここは冬季は眠らせておこうということに最初から
予定しておる所でございます。したがいまして、
カッコのない、たとえば八号の
新潟県
三条市内一キロ、それから
長岡市から
柏崎市の二十五キロ、同じく
柏崎から柿崎の二十五キロ、それから
直江津から能生町の二十八キロ、こういったようななまの数字がいずれも
不通になっておる。これは、
除雪計画線でありながら
不通になっておるということでございます。
なお、いろいろ努力いたしました結果、そこに書いてありますとおり、二十八日あるいは三
十日、あるいは三
十日のものも、先ほど申しましたとおり、
積雪が減っておりますので、あるいは二十九日に開通する見込がございます。そういうふうな目標を立てて、必要な
機械、
人員、
予算の投入を行なっております。
それから、一番右の端の所で
県道利用と書いてありますのは、そこの場所が
国道の改良も十分でなくて、
除雪いたしても意味がないという所は、
迂回路の
県道を利用することによって
交通を確保する。したがって、その
県道のほうの
除雪を県のほうに依頼して進めておる、こういうことでございます。
それから、二重まると一重まるがございますのは、これはいずれも努力して
除雪するのでありますが、最
重点的に努力するという地点がこの二重まるをつけておる所でございます。これによりますと、おおむね今月中にはおそくとも今月中には
東京−
新潟間の
交通は確保したい、確保できると、こういうような見通しになっております。
次に、二級
国道以下の
状況につきましては、十四ページ以下でございます。
まず、十五ページの
青森県の例にいたしますと、これは二級
国道で四線がそれぞれその
不通区間を有しております。この
カッコの
関係も先ほど申しました
一級国道と同じでございまして、
除雪計画線外でございます。したがって、
青森県におきましては、いまだ
除雪計画に入っておる線についての
不通個所がないと、このようなことに相なります。それから、その下が
地方道でございまして、
青森県の
地方道は、
除雪計画線として三百五十一キロございますが、現在のところは十八キロの
不通区間でありまして、五%
程度。これは極力
除雪に努めたいと思っておる次第でございます。
なお、
平均の
積雪量は、一番上の欄外に、
平野部平均積雪量といたして書いてございます。
青森では、
平野部におきまして大体一メートル八十という
平均積雪量になっております。
次に岩手県。これも大体同じでございまして、ただ
青森よりも少なくて、
積雪平均は八十センチ。これも
計画線は、
国道につきましては全部
交通確保されております。
地方道につきましては、千三百八十三キロのうち百五十八キロの不能が出ておりまして、これが約一一%でございますが、これも
自力で何とかやっていけるという
連絡でございます。
次に宮城県。これは非常にあれで、
海岸通りの十センチくらいから四十センチでございますので、問題はございません。
それから
秋田県でございますが、
秋田県は、
計画路線といたしましては、十和田−
大館線、これが四キロばかり不能になっておりますが、明日開通する
予定でございます。なお、
地方道のほうは、六百八十一キロの
計画線に対しまして、今不能になっておるものは二キロくらいでありますので、ほとんど問題がなく、これも
自力でできるであろう、ただし、今後もっと雪が降ってきたならば
応援を頼むというのが、きのうの
連絡でございます。
山形。
山形も幸いにいたしまして一メートル八十くらいの
積雪があるのでございまするが、石巻から酒田線、これだけが
計画路線で
交通不能になっておる。これに力をあげておりますが、
国道のほうは問題はございません。それから
県道のほうは、約九百キロの
計画線に対しまして二百キロという大きな不能が出ております。これが約二二%、四分の一
程度でございます。しかし、これも何とかやっていけるという
連絡で特別のことはございません。
それから
福島県、これは一メートルくらいの
積雪でございまして、今、
新潟−
平線の会津坂下町のところで七キロほど
不通が出ております。これは困るので、
目下重点を置いて
県庁においてもこれが
除雪に邁進しておる。しかし、きょうじゅうには開通が終わるだろうと、こういう
連絡でございます。それから
地方道は四百四十一キロ
計画線がございまして、約二割の八十七キロ、これが
不通でございます。しかし、ここのところも、
県庁からは、現在のところ
特別措置は要らない、
自分のところでやってみる、こういうことでございます。
次に、
新潟県でございますが、
新潟県の二級
国道は、そこに書いてありますとおり、片っ端からといっていいくらいやられております。
平均積雪量は二メートル五十。そこで、先ほどの
一級国道で申し上げましたとおり、今
一級国道の
除雪に奮闘いたしておりまして、とても手その他がございません。その一番下の欄に書いてありますが、
県庁からは、今ブルドーザーが八十二台、トラックが五十三台、
自衛隊三十人を含めて
人員が千二百十九人、これが
除雪にかかっております。そのうち
山間部の
十日町とかあちらのほうは、どうしてもこれは
見込みがないから捨ててしまう、そうでない
方面に
重点を置くというような
方針をきめて
作業をいたしております。しかし、おもだった所は大体二月中旬くらいまでこれはかかるのじゃなかろうか、こういうことを言っておりますが、幸い雪が
小やみになって参りましたので、もう少し早く、一日も早く開通するように
応援をいたしたいと思っております。それから
費用が三千万円足りないという
要望がございましたので、これは
費用の点については、本省において十分考慮するから、
心配なく一日も早く開通するように
作業を進めよという指示をいたしております。
次に、
富山県でございますが、二級
国道におきましては、
岐阜−
高岡線、これが一部
不通でございましたが、きょう開通する運びでございます。また、同じく礪波の地帯、これも一日、二日のうちに開通したい、このように思っております。それから
七尾のほうに参りまして、
七尾−
高岡線の一部でございますが、これがあすくらいまでには開通するように努力いたしております。それから
地方道は四百四十六キロの
計画線に対しまして百七キロ、これは非常に大きいのでございますが、これも何とか今月中には
交通を確保しようという目途で進んでおります。
県庁からの
連絡によりますと、
岐阜−
高岡線には
自衛隊が出動して
応援をしてくれています。ただし、
自衛隊も今
国鉄のほうの
復旧作業、これも相当あるのでなかなか忙しい。しかし、今は
民間から
除雪機械を五十三台、
自衛隊から四台でございますが、
合計五十七台をもって
除雪をいたしております。経費の
増額については見てもらいたい、これにつきましては、
新潟県と同じように、十分考慮するということでやっております。
次に
石川県でございますが、
石川は
金沢−
岐阜線、
七尾−
高岡線の一部、こういったような所が九十六キロ
不通になっております。これはいずれも
石川県としては最
重点を置いて、少なくとも二月の中旬まで、早いものから逐次開通していきたい、こう言っております。それから
地方道のほうは五百九十キロの
延長に対しまして三百九キロ、約六〇%
程度の大きな
不通区間があります。これも何とかしてやっていきたいということでございます。もちろん
費用の点は、積極的に言っておられないだけでありまして、相当必要になると思いますが、これも、もちろん
新潟県その他と同じように、十分考慮したいと思っております。昨晩出発いたしました
政府の
調査団の方の帰京を待ってその
具体化を思量いたしたいと思っております。
それから
福井県。
福井県におきましては、
石川県あるいは
岐阜県との
県境地方、それから
福井−
松本線、これの一部、それから
敦賀−
大津線、これが全線にわたって
寸断状態で、
合計八十一キロの二級
国道の
不通区間を出しておりますが、このうち
金沢−
岐阜、
福井−
松本、こういうものに総力をあげていきたいと言っておりますが、そのうち
福井−
松本は、一日、二日のうちに
交通が確保される
予定でございます。
あとの
石川県及び
岐阜県との
県界のほうにつきましては、今のところ、
延長も長いし、
見込みが立たないということでございます。それから
地方道の
関係では、百二十四キロの
計画路線がございまして、そのうち九十九キロ、実に八割の
不通個所を出しております。ただし、これも何とか
自分のほうでやってみる、そこで金だけひとつ
応援してもらいたいということを言っております。同時に、昨日
福井県議会の
決議書を持って私のほうにいろいろ見えております。これによりますと、
住宅、
教育施設、
産業施設、そういったようなものの損害が百二十償円だというようなことでいろいろ
対策を
要望してきております。ただし、この中には、融資の
増額であるとか、
所得税の免除であるとか、それから
特別地方交付税の
増額というようなことが中心でございまして、
道路局の所管するものは
除雪費の
費用を
応援するということにしぼられるようでございます。
次に
京都。
京都は一メートル六十の
平均積雪があったわけでございまして、そのうち
京都−小浜、
舞鶴−
鳥取、この二つの
路線で二十一キロほどが
不通になっておりますが、これはまあほかと比べれば割合に軽微で、何とかやっていけるということでございます。それから
地方道は、七百十二キロに対して二百六十二キロ、約四割の
不能区間を出しておりますが、これは
心配は要らない、何とかやっていけるということでございます。
それから兵庫県、これの
裏日本側は
舞鶴−
鳥取線で城崎郡の所でありますが、これもきょう開通する
予定でございます。それから
地方道のほうは、約一割ぐらいの
状態でございますので、これも
心配なくやって参られるということであります。
次は
鳥取県。
鳥取県の二級
国道は、
計画路線は全部
交通を確保いたしておりますが、
計画外のものだけが約三十キロございます。それから
地方道のほうは、八百二十七キロの
計画路線に対して二割七分の二百二十四キロ、これが
不通でございますが、これもやっていけるということでございます。
次に島根県。これは相当大きな
被害を
山間部に出しております。そこにありますとおり、
広島−
松江線、
広島−浜田線、こういうものがとまっておるのでございます。しかし、これもきょうあすのうちに回復できる
見込みでございます。
地方道は、千三十キロの
延長に対しまして約六百キロ、六割という大きな
不能個所を出しております。県からの
要望は、現在、
県庁の手持ちその他の
除雪車を十七台出した、
民間から二十三台取り上げた、
自衛隊に
出動要請というところまでいっていない、ただし、
地建から、そこにありますとおり、ブルを五台、グレーダーを一台、それからオペレーターを五、六人ほど借りたい、これは
中国地建から貸すことができるかどうか、貸すことができるならば借りたい、できない場合には、
民間業者から、この
程度のものならば借り上げることもできる、という
要望もございますので、県と
地建との相談で適宜やるということでございます。
以上のような態勢でございまして、ざっと見たところ、
北陸四県が最も大きな
被害を受けておるようでございます。今までに
機械等の
応援をどういたしましたかということにつきましては、五ページの
資料、そこにありますとおり、雪が降り始めました初期に、まず
関東地建から
モーターグレーダー、これを
新潟国道事務所に送った。
中部地建から同じく
モーターグレーダーを
富山に送った。
関東地建から
ロータリー除雪車同じく
東北地建から
ロータリー除雪車一台、計二台を
長岡に送った。それから、先ほどちょっと申し上げました、幸いと申しますか、運よく
山形県の
新庄において
展覧会を開いておりましたので、そこに陳列いたしておりました
機械を
主催者側の協力を得て
合計九台、そこにあります種類でございますが、これを全部
長岡に集中いたしております。それから
東洋運搬機械から
ロータリーの
除雪車を一台、これも
長岡方面に送るようにする。それから
東北地建からも送らせようということで
新潟鉄道管理局と話し合いをいたしておりました結果、輸送の
方法がつきましたので、これは三台ほど送っておる最中でございます。多分もう着いたかと思っております。
ところで、現在どのくらいの
機械が動いておるかということは、その五ページから七ページまでの表でございまして、一番問題になっている
新潟につきましては、これは
新潟というのは
北陸地方建設局の
新潟工事事務所でございますが、ここでは十一台、
長岡工事事務所では二十四台、湯沢、これは十七号の
関係で四台、これが
地建として今動いておるわけでございます。それから
高岡のほうには二十四台、これは
富山県、それから同じく
金沢二十二台、
福井の
国道事務所につきましては十六台、
敦賀については三台、
合計北陸四県で百四台の
除雪機械が今活動しておる、これは
建設省だけでございます。
それから
府県のほうは、これは八ページのところにございますとおり、
新潟、
富山、
石川、
福井四県で、その
資料の一番右の端の下にございますとおり、百九台が、
県庁の
民間からの借り上げを含んで活動いたしております。あるいは必要に応じて
自衛隊あるいは
民間会社からさらに増強していく。いずれにいたしましても雪が毎日毎日相当降り積もっておりまして、下手に
機械を動かしても困る。特に非常に凍ってしまって
作業は難渋をきわめておる。人夫も疲れ果ててきたというようなことでございましたが、昨日から
小やみになりました
関係上、非常に士気も上がりまして、この際ありとあらゆる
機械を動員して一刻も早く開通したい、こういうことで努力をいたしておる次第でございます。
なお、昨日までに概算取りまとめましたところ、これら
積雪地における
予算の不足は約二億一千万、三分の二補助でございますので、一億四千万ほど足りなくなろうかと推定されております。これにつきましては、大蔵省のほうにも
連絡いたしておりますので、今後の天候あるいは
作業の進捗、そういうものをにらみ合わせまして、この額を確定してしかるべき
措置を講じたい、このように存じます。
簡単でございますが、一応御報告をいたします。