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政府委員(松澤雄藏君)
横川委員の御
質問の第一点的な
立場はおっしゃるとおりで、
政府といたしましては、現在の過密地帯になっておる、特に大
東京といわれる
東京都においては、でき得る限り
緑地地帯なり、あるいはまた、これに準ずるような
風致地区、こういうふうなものを将来ともに拡大をして、そうして住みよい
東京にしなければならぬということにおいては、これは
意見は同
意見でございます。ただ今回のこの問題になりますと、さっきからお互いに質疑討論をされておる
内容でもおわかりのように、まず第一に、
風致地区に準
工業地域というものが重なってしまったというところに、私は、大きい過去における処理方法が今日まで疑問を残して、お互いにこのような
立場をとっておるものだと、かように考えられておるわけであります。
風致地区は、先ほどからお話がございましたように、
昭和八年に
指定されて、そうしてまたこれが
昭和二十一年に再
確認をされたような格好になって参っておりまするし、準
工業地域は
昭和二十五年に新たにその上に重なってかぶってきておるのだと、こういうふうな部面から考えて参りますと、この
指定の問題は、私たち
建設省の
立場において大臣の
指定というふうなことになっておりますが、いかんせん、御承知のように、
都市計画法なり、あるいはまた、その他の法によって申請事項によってこれを
指定するといった従来の長い問の慣例事項等になっておったために、今日から考えてみますると、必ずしも
調査が行き届いていなかったのじゃなかろうかというふうな気持すらいたして、このようなことは今後なからしめるように、本省としても今後このような申請があった場合には、
調査をするなり、あるいはまた現地をよく見さしていただくなりというふうな方面に頭を使っていかなければならぬ問題じゃなかろうか、こういうふうな前例に基づいて、前者の轍を踏まないような方向に持っていきたい、かように基本的に考えております。ただ問題は、現
段階におきましては、
横川委員のいわゆる
風致地区を重点的に考えるか、あるいはまた
東京都が考えておるいわゆる準工業地帯を重点的に、というふうなお言葉がございましたが、これは、おのおのの
立場等もございまして、なかなか一致点を見出すのに非常に困難であろうかと存じます。
東京都にいたして考えてみますれば、よかれと思っていわば
許可をしたといったことに相なっておりまするし、現
段階では率直に申し上げて、今までの質疑討論を聞いておりますと、どうも引っ込みがつかなくなったといったようなことにも聞こえるような気もいたしまするし、また、理論的にも法的にも何ら異状がないというふうにも聞こえます。そこで私たちといたしましては、何回もこのようにお互いに討論し合っても仕方がないところでございますので、できるならば
建設省自体としても非公式ながらも現地をひとつ
調査をさしていただきたいものだと、かように考えて、数日前より非公式ながらわれわれの手元において実は調べておる。そうして後日のよしあしの参考の大きいものにいたしていきたいものだと、かように考えて実はやっておるような現況でございます。ただ問題は、
東京都のほうでやるところの、いわば
行政執行的な
立場でございまして、これを国の
建設省からかくあるべきだというて
指示する事項に、はたしてなっておるかなってないかという点になりますると、また法的な
一つの問題が出て参りますので、十分に
東京都としては慎重を期して、そうしてできるだけ法は、いわば国民全体が言うまでもなく公平に受ける権利も、また守らねばならない責務もあるのであります。したがいまして、その権利を受ける方ゝがみな公平でなければならぬ、かような
立場から考えますならば、住民の
立場をも十分に考慮し、また自由企業的な
立場におけるその建築的な
立場に立っておる
日立コンクートの
立場も考えながら、それがどういうふうにすればマッチをするかという点に対して慎重に
検討してやっていただくというふうな気持で、
東京都のほうにも非公式ながら、言葉の上ではございますが、よく要請をいたしておるというのが現況でございます。私のほうも、過般来の
横川委員の御
質問等に対しましても
調査をしてという言葉を私みずからが申し上げておりまするように、ある程度までまた相当
調査をいたしておるような次第でございます。いろいろと
東京都庁内における話等もよく私たちの耳にも入って参りますが、しかし、非公式のものである限りは公式の席上で申し述べるべき筋合いのものでもないのでございますので、この点は御遠慮さしていただきたい、かように考えますが、
東京都庁としても真剣に考えておるというふうにだけは最近私も感じておるような次第でございます。基本方針は、このようなことが再び起きないように、われわれ自体もよく
検討し、単に申請があったからと、これがしかも
都市計画審議会の議を経てきたんだから大よそ間違いなかろうと、これだけの
判断でもいけないということだけは、あまりにもこの問題で明らかになっておりますので、今後指導する場合においては、十分に注意をしてやっていかなければならぬ問題だと、かように考えまして、私たちの
関係の省内には強くこれを申し渡しておるような現況でございます。