○
鈴木強君
建設政務次官が何か時間をお急ぎのようですから、今の
相澤委員の御質問に
関連をして私は少しく御質問申し上げたいと思います。
今度の
補正の中に災害復旧
関係の
予算がありますが、それに
関連をして、私、建設省からお出しになっております災害復旧事業に関する不当
事項を減少させるために従来行なってきた処置並びに今後の対策、こういう書類を拝見いたしました。農林省からも同様な不当
事項発生防止対策という書類をいただきまして、詳細に
内容を拝見させていただきましたが、もちろん今次官のおっしゃったような御見解があるかとも思います。しかしながら、私は、
会計検査院は第三者中立的な
立場に立って国の会計を
検査する任務を持っておるのでございますから、この中にも示されておりますように、
会計検査院の御指摘になっておるそれぞれの問題について十分御検討の上で、それぞれの下部機関に対して、皆さんのほうから、こういうふうな指示があったが、これに対してはこうしたらいいだろう、こういうような処置を含めた通達を、知事、あるいは五大市長、あるいはその他の町村長等にあてて出しております。ですから、それは私たちは
国会の場で
会計検査院と
政府の間の言い分を聞こうとするのではなくて、要は国の
予算がどうしたらむだなく使われるかということを私たちは期さなければなりませんし、そういう
趣旨に立って
決算委員会が持たれるものだと思うのです。私は参考のために、新憲法発布以来今日まで、一体どの程度の国の
予算が不正に使われ、あるいはむだ使いをされているかということを調べてみましたが、遺憾ながら二十二年、二十三年はちょっと時間的に間に合いませんでしたが、私の調査によりますと、
職員の不正行為によって国に損害を与えた額は約十五億であります。そのうち回収されておりますものが八億、なおいまだ回収されておらないものが七億程度ございます。一方、
会計検査院が指摘をいたしました批難
金額は千三百億に上っております。幸いにして建設省のほうは、
職員の不正によって国に損害をかけたものは若干ございますが、それぞれ回収されておるようでありますが、なおかつさっき申し上げましたような七億も未回収がございます。農林省に至りましては、約一千六百二十二万四千三百五十五円の不正がありまして、そのうち回収されましたものが四千六百三万円、未回収が六千十八万円でございます。それから農林省を見ますと、
会計検査院の指摘をした批難
金額は、
昭和二十六年から三十六年の十一年間だけを見ますと、五千五百十件
——二百九十七億一千万円、建設省が九百六十八件
——五十一億六千九百万円、こういう
会計検査院から指摘をされました批難
金額の累積が現われておりまして、しかもこの
内容を見ますと、わずか八%程度の実地
検査しかできないわけでありまして、にもかかわらず、遺憾ながらこのような結果が出ておりますことを、私は
国民の一人としてまことに遺憾に思うわけであります。したがって、皆さんが真剣にきめられた
予算を有効適切に、効果的に使うということはもちろんでありますが、遺憾ながら出ておりますこれらの事態については、再びこのことの起こらないように、組織的にも、事業的にも、制度的にも御研究をいただいて、
国民の血の出るような税金をできるだけ非難のないような使い方をしてもらいたいと私は思うのであります。そういう意味で、私はいずれまたこの問題はもっと詳細に具体的な例をあげて各省別の
決算審査のときにお伺いしますが、きょうは時間がありませんから、特に
相澤委員の問題に
関連をしまして、このような事態を解決するために、皆さんが先ほど申し上げたような対策をそれぞれお立てになっておりますが、特に災害復旧時における実地査定についてはよくわかりました。たいへん御苦労をいただいて御努力をしていただき、陣容その他についても整備をされておりますが、工事の現場における施工監督、こういうようなものはどうなっておるか、あるいは中間出来高
検査等、竣工時の
検査についてどういうふうな
検査を徹底するための
措置をとられておるか。私は、陣容の面におきましても、あるいは組織の面におきましても、こういう通達を出し、督励を出しっぱなしでなしに、こういう通達を出して、その結果どうなったという結論を聞いたいのであります。
昭和三十年から三十八年まで、との中には何回かの通達が同じような
内容で出ておるのですけれ
ども、一体通達は出しっぱなしでしょうか。これによってどういう効果が現われてきておるか、そしてこの集約によって、各地方庁は地方庁で、こうしてもらいたいという
意見が上ってきて、それを一体建設省や農林省は具体的にどういうふうにやっておるかということを私はこの際承っておきたいのであります。