○山本
利壽君 ちょっと簡単に。今のことに触れてでありますけれ
ども、この移住
関係の費用というものは、何億、何十億というふうに、いわば相当の金額のようだけれ
ども、広い中南米、あるいは北米を加えると、まことに焼石に水のようになると思うのです。資金は豊富ではない。それを、今までわれわれが見ておると、どこへもこれをばらまこうとすることが
一つの欠点ではないか。
国内においても各府県に
海外協会というようなものを作ったりしますと、そこの人件費やその他で相当金は要ると思うのです、それは国家が出そうと
地方が出そうと。それでどこかの大学を出て職のない適当なのが、そこらにもぐり込んで世話しておる。それは
国内での失業者の救済であって、たいして私は移住
関係に功績がないと思うのです。非常にたくさん私はそういうようなのを全国の各府県に置く必要はないと思うのです。だから、移住者を非常にたくさん出す県に私は重点的でいいと思うのです。その他の、年間にごく数名とかなんとかいうような県は、それは
外務省で直接問い合わせたり、願書を出したり、あれこれすることによって処置してほんとうにかためてたくさん出すところか、あるいは、今までは出していなくても、
国内で非常に財政上図っておる貧弱の県で、あの県こそ移住者をたくさん出して救済すべきだというようなところを、重点的に私はそこへ
機関を集中すべきだ。だから、今度は向こうの、行っておる国に対しても、ブラジルならブラジル、アルゼンチンとかペルーとかいったようなところで必要なところへ、今の事業的な資金も重点的にやるようにせられたら私はもっと効果があると思う。それを、各国の少しでも移民のおるところには
海外協会の連合会から代表者が行って世話をしようとし、そこへまたこの移住振興会社のほうからも乗り込んで行く。そうして勢力争いをする。しかも、人件費その他において非常に私は費えがあるように思うのです。行っておれば、必ず何かしなければならぬと努力するのは当然なことであって、大局的に言えば、たいしてそこでしなくてもいいようなことも、私はせられておるのではないかと思うのです。でありますから、そういうことは、今後はこの
事業団ができましたら、重点的に私はもっと考える余地があると思う。そして今度はそのところによっては、今までおる日系人の中から相当な人に委嘱して事がはかどる問題が、私は相当あると思う。そのためには、今までの日系移住者に対する処置というものを、私は
外務省でもっと考えてもらいたい。
国内ならば勲章なんかでも死ななければもらえないけれ
ども、外国人にはやるわけでありますから、それだから、海外に行っておる
日本の移民の中の非常にすぐれた人には、私はどんどんあんなものをやってもいいと思う。そうすると、前からの第一世あたりはほんとうに喜ぶ。勲章のりっぱなのをやって、
日本からこんななにをもらったといえば、ほんとうに私は感激すると思うのです。その国ではいろいろな会合に勲章をつけても出られるのだから。だから私は、そういう表彰あるいは勲章だけでなしに、表彰でもいいけれ
ども、ほかのそういうことで大いに激励してもらいたい。
それからもう
一つは、次から次へ、第一世はともかく、第二世、第三世と続いて、その国でも相当な人物を作る必要がある。今、
日本では東南アジア方面からたくさんの留学生を招いております。それに相当の金を出しておるのでありますから、これからは、中南米において、
日本の移住者の行っておるところから、その第二世、三世の中で優秀な人を、私は留学生として
日本に招いて教育すべきだと思うのです。そういうようなことについても、すでにやっておられるか。おられるなら、弔う言うことはありません。もしそういう点について手抜かりがあるならば、こういう方面にも努力をしていただきたいと思って、大臣のこういうことに対するところのお考えも伺って御努力をいただきたい、かように思います。