○
説明員(
須之部量三君) それでは、
コーヒー協定からまず
補足説明を申し上げます。
コーヒー協定に関しましては、先々回でございますか、たしか印刷した
資料をお手元に差し上げておるかと存じますが、その
資料に基づきまして一応御
説明申し上げたいと思います。
一九六二年の
国際コーヒー協定でございますが、この
コーヒー協定ができました
理由は、一口に申しますと、
世界の
コーヒーの
生産状況が極端な
生産過剰になりまして、それに伴って
価格が一九五四年当時を峠といたしまして、自後急速に低落したために、
コーヒーの
輸出に依存しております
——後進国が大
部分でございますが、その
後進国の
経済が非常に激しい
影響を受けた。このために何とかしなければならないということで、最近の
国際連合等で考えられております、
貿易を通ずる
後進国の
援助という
一つの
考え方に基づきまして、昨年の秋、
国連の主催のもとに、
ニューヨークで
会議が開かれまして、その結果できましたものが今般の
コーヒー協定でございます。この
コーヒー協定ができるに至りました背景を御
説明いたしますために、この
資料に基づきまして、若干
数字を御
説明申し上げたいと存ずるわけでございます。
まず、第一ページをごらんいただきたいと思うわけでございますが、第一が大きな
——で「
コーヒーの
世界の
需給状況」ということになっております。で、小さな
——で「生
コーヒーの
世界全
生産量及び
輸出可能生産量」ということでございまして、この
統計は、一番下に書いてありますとおり、
米国の
農務省の
資料によるわけでございますが、この
農務省の
資料が現在では最も信頼し得る
資料というふうに一般的に認められておるものでございます。そこに
地域と
国名とが書いてございますので、この表自体について特に御
説明申し上げることはないと思いますが、
米州におきましては、
ブラジルが圧倒的に多い、全
生産量が。それから、その右に
輸出可能生産量がございますが、
輸出可能生産量と申しますのは、全
生産量から
国内消費を差し引いたものでございまして、いわゆるキャリー・オーバーの
在庫は含まれておりません。毎年どれだけ
生産され、また、
国内消費を除いて
輸出可能生産量がどれだけあるかということを示す
数字でございます。
国名を上から申しますと、
ブラジル、
コロンビアが、先ほど申したとおり、圧倒的に多いわけでございますが、その下にEEDECAMEと書いてございますが、その最初の実はEの字はFの間違いでございます。その点はなはだ申しわけございませんが、いわゆる
Fフェデイカメと言っておりますが、要するに、
アメリカコーヒー生産者連盟という
ラテン・
アメリカの
中小生産国が一応
一つの
グループを作っておりますので、
フェデイカメということでまとめてあるわけでございます。
米州だけをとってみますと、大体
生産量が五九年
——六〇年の六千三百万袋
——これは
単位が袋でございますが、一袋六十キロの袋でございますが、六千三百万、それがずっと
推移して
輸出可能生産量もそれに伴って動いている、そういうわけでございます。
二ページに参りまして、それが第二の大きな
生産の
グループでございます。
アフリカの
地域及び
国名別の表でございます。これも前と同じようになっているわけでございます。それから、第三番目が
アジア大洋州のインド、
インドネシア等の
コーヒーの
生産というものが出ているわけでございます。一番下の欄は
総計でございます。五九、六〇、六一、六二、六三年度に至るまでの
生産量が七千八百万袋、六千六百万袋、七千二百万袋、六千七百万袋と動いているのでございます。
コーヒーはこれでごらんになりましてもわかるとおり、五九−六〇は割に多く、六一−六二も割に多く、六〇−六一は割に少なく、六二−六三も割に少ないということでございます。
コーヒーの
生産には隔年ごとの周期があるそうでございまして、その点で
コーヒー協定の各国の
割当等につきましても、その点を考慮に入れて作られているわけでございます。
次に、三ページ目でございます。これは「生
コーヒー生産の
地域別国別の
配分比」でございます。先ほどの量で書いてございましたのを、これを
比率に直したものでございます。まず、左側の
ラテン・
アメリカのほうを見ますと、
戦前の
平均をとってみますと、全
世界の総
生産量の約九〇%を占めておったわけでございまして、それが六一、六二年度では約七五%に
比率は落ちて来ているわけでございます。それから、右の欄の
アフリカでございますが、これは
戦前には三・三%
程度でございましたが、最近は約二〇%というふうに増加して来ているわけでございまして、ここに
生産者としての
ラテン・
アメリカと、それから新しい
新興生産者の
アフリカと、一応
利害の
対立というものが出てくるわけでございまして、その点も昨年の
コーヒー会議におきましてかなり
利害対立が具体的に現われた面でございます。
それから、次の四ページでございますが、第三表は「生
コーヒーの
世界輸出量」ということでございまして、これまた
地域別、
国別の
輸出量がここに出ているわけでございます。この
統計のとり方は、ほかの
統計からとりましたために、
暦年単位になっておりますので、先ほどの
コーヒー年度とは若干違っている点を御了承いただきたいと思うのでございます。それで大体
世界の
輸出量というものを見ますと、
右側の一番下に
統計というところに出ているわけでございますが、大体四千二百万袋から四千三百万袋ということになるわけでございます。したがいまして、先ほどの二ページ目で申し上げました
輸出可能生産量の
世界全体の
総計、これが約五千二百万袋、多いときで約六千万袋に達しておりますので、ここに異常な
過剰生産が出ておるということになるわけでございます。
それから、次の五ページでございますが、これは「生
コーヒー輸出の
地域別配分比」、先ほどの量を
比率に変えたものでございますが、大体
米州が七〇%を占めておるわけでございまして、これに対して
アフリカが二五・八%というふうに高いということでございます。結局、この意味では、
ラテン・
アメリカのほうは
生産量も、
生産比率は高いけれども、
アフリカのほうは
生産量も伸びてきておるし、同時によく売れてきておるということになるわけでございまして、
アフリカのほうは、このように
輸出の面で非常に大きな
比率をとってきたということの
理由としましては、
価格が安いという問題とか、あるいは特に
フランスでございますが、
アフリカの
植民地ないし旧
植民地からの
特恵輸入というような面があるというようなことが考えられるわけでございます。ここにも
ラテン・
アメリカと
アフリカの
生産者としての
競争関係というものが出ておるわけでございます。
それから、次の六ページでございますが、これは「生
コーヒーの
世界輸入壁」を大体
国別に分けてみたわけでございますが、これでごらんいただきましてもおわかり下さいますように、
米国と、それから
ヨーロッパ諸国というのが圧倒的に多いわけでございます。
このうちで若干興味を引きますのは、六ページの
右側の欄におきまして、
国別の下から
四つ目にイギリスがございますが、
英国が
ヨーロッパ諸国の中では、御存じのとおりの
理由で、
コーヒーの
消費が比較的少ないという点とか、あるいはソ連の
コーヒーの
輸入量が五八年から相当急速に伸びてきておるというような点が
一つの特徴というふうに考えられます。
それから、七ページに移りまして、七ページの左の欄は、今の表の続きでございます。
総計で締めまして、先ほど申しましたとおり、大体四千二、三百万袋というのが最近の
状況でございます。
それから、七ページの右、第6項でございますが、「生
コーヒー輸入の
地域別配分比」というので、これは量を
比率に直したものでございますが、
米国の場合、
世界の総
輸入量の約半分を占めておるわけでございまして、それに
EEC諸国、
英国、それから、その他欧州というのを加えてみますと、結局、
米国それから
ヨーロッパというもので約九割以上の
輸入を行なっておるわけでございます。
日本の場合は、
世界の
比率からいいますと、そこに書いてありますとおり、まあ〇・三%、最近非常に多くなっても〇・六%という
程度の
比率でございます。
次の八ページが、「
輸出国における生
コーヒーの
在庫量」でございますが、先ほど言うとおり、極端な
生産過剰になっておりますので、
在庫がふえるのは当然なわけでございますが、大体一九六二年度におきまして六千六百万袋、六三年の予想では七千八百万袋というふうに予想されておるわけでございまして、年間の
消費量が約四千二百万袋というのに比べまして、非常に膨大な
在庫をかかえておるという
状況でございます。しかも、その
在庫のうちの大
部分が、
ラテン・
アメリカと
アフリカグループの
二つに分けてみると、
ラテン・
アメリカがほとんど全部かかえておるわけでございまして、
アフリカのほうの
在庫は、特に著しい増加も示さず、むしろ
正常在庫程度というふうに考えられるわけでございます。
それから、次の九ページの一番左の欄の、8「
輸入国における
コーヒーの
在庫量」でございますが、これは
輸入国における
在庫量を一応示したものでございます。
それから、その次の第9項が、「
コーヒーの一人
当たり消費量」でございますが、そこに
二つの欄がございまして、
国名の次の欄が一人
当たりの
消費量のポンド、それから、その右が
輸入量でございますが、これは機械的に頭割りにしたものでございます。大体
日本の場合は、一人
当たり消費量が〇・三二ポンドということでございます。一番多い国の
スエーデンあたりが二二・九ポンドというわけでございまして、約百倍近くになっておるわけでございます。
それから、その次の10の「
コーヒーの
需要供給」の
一覧表でございますが、この
供給のほうには
輸出生産可能量と
在庫量と合わせて表にしてあるわけでございます。この数年間急激に
在庫もふえまして、
供給過剰になっておるということを一応表にしたものでございます。
次の十ページでございますが、上記の、今まで申し上げましたような
バック・
グラウンドのために
価格が当然下がったわけでございますが、
コーヒーの
実質価格を十九世紀の末ごろから一応とった
資料がありますので、ここにあげたわけでございますが、これは当然、
価格水準の変動を修正いたしまして出したものであります。ごく最近の一九五五年以降の
動きを見ますと、一番高いのは一九五四年がピークでございまして、それから五九年くらいまで急速に落ちまして、五九年
あたりから
生産者の間の
努力で若干横ばいになってきておるというのがそのグラフでございます。
12は、「最近における
コーヒー価格の
推移」ということでございます。これは、現実に
ニューヨークの
現物の操作がどう動いているかということを一九五九年以降から示したものでございますが、これは結局、五九年に
生産者の
短期協定というのができたわけでございますが、それにもかかわらず、ずるずるとやはり下がっていくということのために、今回の六二年の
協定にまで発展したということを示すものでございます。
次の十一ページ、これは
コーヒーの
主要銘柄別価格」、これは
ニューヨークの
現物平均でございます。これで見ましても、
ブラジル・
サントス号というのが一番
標準物であるらしいのですが、一九五四年で一ポンド七八・七一セントというのが、六一年には三十六セントに落ちている。半分以下に落ちているという現状でございます。
それから14が、「
米国における
主要原産地別コーヒーの
輸入価格の
推移」ということでございます。これも同じような傾向を示すために作ってある
統計でございまして、そこにも
原産地別に
アメリカ平均、
アフリカ平均、それから
アジア平均ということで出ておりますが、その
動きを全
地域平均いたしますと、五四年に八六・九セントでございましたのが、六一年が四二・九セントというふうに落ちているわけでございます。
それから次の十二ページ、これは「
米国における
コーヒーの
年平均小売価格の
推移」ということでございますが、これは一応ごらんいただければ、けっこうかと存じます。
それから、同じく十二ページの16は、「
主要輸出国の
コーヒーによる
外貨収入の
減少状況」、つまり、このように
コーヒーの
価格が下がりましたために、
コーヒーの
原産国に対しましての
外貨収入が非常に減ったわけでございます。
ブラジルをとってみますと、一九五三年には十億八千万ドルという
外貨収入が
コーヒーからありましたのに、それが六一年には七億一千万ドルというふうに落ち込んでおるわけでございます。それで、その一番右の欄には、一九六一年度のそれぞれの国の
コーヒーによる
外貨収入額が、それぞれの国の
輸出総額において占める割合を一応出しておるわけでございます。
ブラジルは五一%が
コーヒーに依存しており、
コロンビアは七一%というわけでございまして、
コーヒーがこれらの
コーヒー生産国に対して非常に重要な
意義を持っているということを示すものでございます。
それから、次に十三ページに移りまして17表でございますが、これは
ブラジルが作りました
資料でございます。かりに一九五三年の
価格が維持されたならば、
ブラジルとしてはどのくらい
外貨が取得できたであろうかという比較をしてみたというものだけのことでございますが、つまり一九五三年には千五百万袋を
輸出して約十億ドルの
外貨収入をあげた。一九六二年には千六百万袋の
輸出をしながら六億四千万しか
外貨が入らなかった。したがって、かりに五三年の
価格が維持されたのであるならば、六二年においても十一億四千万の
外貨が入ったであろうということを示したものでございます。
それから、その次のIII、これは
日本関係でございますので、むしろこれは食糧庁のほうから御
説明をすべきかと思いますが、便宜続けさしていただきたいと思いますが、
わが国の
コーヒー輸入数量及び
金額をそこに出したものでございます。それで、生
コーヒーといり
コーヒーと
インスタント・
コーヒーと分けて、それぞれ左が
数量、
右側が
金額ということで、こういう
一覧表にしてあるわけでございます。
それから、次の十四ページでございますが、これは「
わが国の
コーヒーの
需給事情」でございまして、
生産輸入状況は、大体三十五、三十六、三十七年をとりまして、
コーヒー豆を約一万トン、一万五千トン、一万五千トンというふうに入れているわけでございますが、この
輸入された生の
コーヒー豆がどれだけ、どのようにいり
コーヒーになっているかということ、あるいは
インスタント・
コーヒーになっているかということでございまして、かりにこの表は、もしも三十五年度をとってみますと、約一万七百トンを
輸入いたしまして、そのうちいり
コーヒーに一万百トンが使われたと、それで大体七五%が
歩どまりでございますので
製品量が七千五百八十万トンになった。
輸入が六十三トンであったが、それぞれの
コーヒーの
国内需要の
合計は七千六百四十三トンになった。一方、生で
輸入された
コーヒーのうち六百トンが
インスタント・
コーヒーの原料として使われた。その
歩どまりが二五%でございますので百五十万トンが
インスタント.
コーヒーの
製品量、それに
輸入が二十八トンで
合計百七十八トンであったということでございます。この表でごらんいただきましてもわかりますように、
インスタント・
コーヒーの
輸入が最近ふえているのは事実でございます。そこで
日本の
国内におきます
コーヒーのいり工場の数とか能力をここに一応調べたわけでございますが、まあ
レギュラー・
コーヒーが千六百で、
インスタント・
コーヒーが六ということになっております。それから
自由化の
状況でありますが、
自由化の
状況は、ここに書いてございますが、四百グラム以上の大型のカンに入っております
コーヒーは
レギュラー・
コーヒーと書いてございますが、これは
資金割当で
自由化しておりません。それから四百グラム以下のものは三十八年四月一日から
自由化しております。それから
インスタント・
コーヒーは三十六年七月一日から
自由化しております。それから生の
コーヒー豆は三十六年四月一日から
自由化しているわけでございます。これに対します
関税率は、
レギュラーは四百グラム以上のものと未満のものが三五%の
関税率がかかっております。
インスタント・
コーヒーは二五%、それから生の
コーヒ豆は来年三月から一〇%ということになっております。生
コーヒーの一〇%と
レギュラー・
コーヒーの三五%という差は、結局
国内のロースターと言いますか、
コーヒーの焙煎業者の保護ということが趣旨になっているようでございます。
それから、次の十五ページでございますが、これは「
わが国の生
コーヒーの
国別輸入量」を示した表でございまして、
地域別、
国別に書いてあるわけでございますが、大体まとめて申し上げますと、一番上の
米州、これが
ブラジル、
コロンビア、その他と合わせますと五八・四%になるわけでございまして、三十七年度では五八%が
ラテン・
アメリカから入ってくる。
アフリカからが次のページに出ておりますが二四・九%ということになって、その他が一五%というのが大体
円木の
輸入状況でございます。
それから、最後に十七ページの21、これは
わが国の
インスタント・
コーヒーの
輸入量がふえておりますために、一応集めたものでございます。
以上、大体
資料でございますので、この
協定ができました
バック・
グラウンドはおわかりいただけたと思いますが、以下簡単に
協定の構造だけを申し上げたいと思います。
このような
バック・
グラウンドに立ちまして、結局
生産者のほうでも一九五八年ころから
ラテン・
アメリカの
生産国、さらに一九五九年からは
アフリカの
生産国を加えまして、
生産者だけの
協定を作って
価格の低下を防ごうとしたわけでございますが、なかなか思うとおりにいかない。ことに
輸入国のほうの
協力もございませんとなかなか
輸出の
統制等もできないということもございまして、結局、昨年の
会議で新しい
コーヒー協定ができたわけでございます。この
コーヒー協定がどういう仕組みで
コーヒーの
価格の維持をやろうとしているかという点でございますが、一番中心は、
輸出国側に
国別に
輸出割当を行なっているわけでございまして、それぞれの国がどれだけの
輸出ができるかということをきめておるわけでございます。それとともに、
生産過剰の
状況にかんがみまして、
生産統制なりあるいは
在庫統制について、それぞれの国が計画を立てるということになっているわけでございます。したがって、
輸出国側は非常にきつい
制限ワクをはめられておるということが言えるわけでございます。一方、これに対して
輸入国側の
義務でございますが、これは実はこの
協定を作るほうから申しますと、比較的
義務が軽くなっておるわけでございまして、結局、
輸出国がやみで
輸出しないように、
輸入する場合には
原産地証明をとる。あるいは、もし
輸入国が再
輸出する場合に再
輸出証明書を出すというようなこと、それから、
理事会が決定するときには、この
コーヒー協定に加盟していない国からの
輸入を過去の実績以下に制限する、あるいは
コーヒーの
輸入の障害、つまり
自由化とか
関税等の問題でございますが、これらの点についてなるべく除去するように
努力するというような点がこの
協定の規定しておるところでございます。この
協定には、昨年の十一月の末までにすでに五十四カ国署名しておるわけでございます。この
協定が発効いたしますためには、
輸出国側で二十カ国、
輸入国側で十カ国がこれを正式に受諾する必要があるわけでございますが、今日までに
輸出国側ではすでに二十二カ国受諾しておりまして、したがって、
輸出国側については発効の要件は満たされているわけでございますが、一方
輸入国のほうにつきましては、現在までのところ七カ国正式に受諾しているわけでございますが、最近
米国の上院でこれが
承認を取りつけましたし、デンマークがすでに受諾するということを言っておりますし、それから
スエーデンも
国内手続が完了した等々のことから、近く正式に発効するということはまず確実というふうに見通されておるわけでございます。
この
協定に
わが国が入る
意義でございますが、
小麦協定等と違いまして、
わが国の
コーヒーの
輸入量は、先ほどの表でもおわかりいただけますように、非常に少ないわけでございます。したがって、
日本が加入するととが
コーヒーの
輸出国に直ちに決定的な
影響があるという点は、必ずしも言えないということは言えると思います。それと同時に、この
協定の中で
日本は
輸出のいわゆる新市場ということになっておりまして、
輸出国が、先ほど申しました
輸出割当の
ワク外で
輸出していいということになっておりますので、その点でも、
日本はこの
協定に縛られる点は非常に少ないと言えば少ないわけでございます。しかし一方、この
コーヒー協定というものが
後進国のほうから非常に大きな期待を持って注目されておるわけでございまして、昨年の
国連総会でも、
コーヒー協定をなるべく早く受諾すべしという決議もできておるわけでございます。それでわれわれとしましては、今日一次産品の
世界的な安定ということにつきまして、非常に広い
努力がなされておるわけでございますが、
貿易を通じ
後進国の
援助という
一つの
考え方を建前とする以上、やはりこの
協定を進んで受諾するということが正しい行き方であろうというふうに考えるわけでございます。なお、この
協定の加入に伴いまして、
分担金があるわけでございますが、
分担金等も実は年間
日本が千ドル
程度でありまして、非常に少ないものでございますから、少なくとも
わが国としては、その寄与する役割は小さいといたしましても、
後進国に対する
協力という建前からも、この
コーヒー協定に入るべきであるというふうに考えるわけでございます。それがさらにひいては
コーヒー以外のその他の商品
協定におきましても、
日本の発言権等を漸次高めて、また現に強いわけでございますが、さらに強めるゆえんでもあるかというふうに考えておるわけでございます。以上、
説明を申し上げました。