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岡田宗司君(岡田宗司)
○
岡田宗司
君 今のお話ですというと、オネストジョンが引き合いに出された。オネストジョンは、あのときに両用だというのでやはり騒いだ。ところが、オネストジョン自体がもう旧式化してしまって、
アメリカ
でもこれはあまりいい兵器だと思っておらぬ。ところが
原子力潜水艦
の場合、これは違うんですね。
アメリカ
はこれに主力を置き出しておる。そうして、しかも相手方の
潜水艦
が
原子力潜水艦
になり、しかも、中距離弾道弾を積める
潜水艦
になってきておるので、
攻撃用潜水艦
というものは、オネストジョンなどとはまるで違った
重要性
を持っているんですね。だから、オネストジョンとの比較なんということは問題になりませんよ。 それから、あなたは
軍事
専門家ではないということですけれ
ども
、しかし、少なくともこの問題を取り扱っていられる以上、こまかい技術的な、あるいは非常に精密な
軍事
的なことは知らぬでも、大体の傾向というものは、これはおわかりだろうと思うのです。
アメリカ
の
核戦略
に基づいて
日本
に核
基地
を求めておるんでないということまでちゃんと言われるぐらいならば、それはやはり
核戦略
が何ものであるかということを御存じの上で言っているんですから、したがって、今言ったような兵器の発達が何を
意味
するかぐらい御存じないはずはないんで、ただ、オネストジョンと比べて、何とかして、この
サブロック
は兵器でございませんという印象を与えようと努めておられる
答弁
のように思うんで、私
ども
はそういう
答弁
はいただきかねるのであります。はっきり申し上げて、
アメリカ
でもこれは
核兵器
だというふうに、
アメリカ
の雑誌なんかみんなそう言っているんですよ。たとえば、
アメリカ
のミサイル・アンド・ロケット誌、これは一九六二年の七月三十一日号に出ておる。また英フライト誌の一九六一年十一月二日号、あるいはイギリスのジェーン航空年鑑の一九六一年版にも紹介されているんですね。とにかくもうロケット兵器であって両用であっても、主がそっちのほうへ移っていっておる。
アメリカ
の国防省でもそれをはっきり言っている。だから、これは
核兵器
なることは明白なんです。したがって、私はこの点について交換公文の
事前協議
の対象にならぬとか、あるいはこれは両用で
核弾頭
を積んでおりませんからこれは
核兵器
でございませんなどと言うのは、全くごまかしです。私は、
先ほど
大平外務大臣
が、決して
国民
をごまかすつもりはないと言われておられるならば、この点について
国民
をひとつごまかさないようにはっきりした御
見解
を示していただきたい。そうしてまた、
アメリカ側
がそれを持ち込まないと言うならば、この今後
日本
に
寄港
する
原子力潜水艦
は
サブロック
を積んでおらないということをはっきり言明してもらいたい。また同時に
日本
側でも、それはなるほど
アメリカ
を頭から信用しておられるようでありますけれ
ども
、
日本
の
国民
の不安というものを解消するためには、
政府
としてもそのくらいの
保障
を取りつけるなり、あるいはその点について
政府
自身が何とか確める方法をとるなりしていただきたいと思う。ただ向こうさんが積んでいないからとか、あるいはまた、乗員の休養のためであって
日本
を
核戦略
の
基地
にするものではないということだけでは、この大きく問題になりましたものを私
ども
は納得するわけには参らないのです。その点いかがですか。
kokalog - 国会議事録検索
1963-06-06 第43回国会 参議院 外務委員会 第22号
公式Web版
日本国政府とニュー・ジーランド政 (会議録情報)
0
昭和三十八年六月六日(木曜日) 午前十時三十一分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
理事
井上
清一
君 草葉
隆圓
君 長谷川 仁君 森 元治郎君
委員
青柳 秀夫君
大野木秀次郎
君 杉原
荒太
君 山本
利壽
君
岡田
宗司
君
加藤シヅエ
君 佐多
忠隆
君
羽生
三七君 佐藤 尚武君 曾祢 益君 野坂 参三君
国務大臣
外 務 大 臣
大平
正芳
君
政府委員
外務政務次官
飯塚 定輔君
外務省アメリカ
局長
安藤
吉光
君
事務局側
常任委員専会門
員
結城司郎次
君
説明員
外務省アメリカ
局安全保障課長
高橋正太郎
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
日本国政府
と
ニュー・ジーランド政
府との間の
小包郵便約定
の
締結
につ いて
承認
を求めるの件(
内閣提出
) ○
日本国
と
南アフリカ共和国
との間の
小包郵便約定
の
締結
について
承認
を 求めるの件(
内閣提出
) ○
国際情勢等
に関する調査(
国際情勢
に関する件)
—————————————
〔
理事井上清一
君
委員長席
に着く〕
理事(井上清一君)(井上清一)
1
○
理事
(
井上清一
君) ただいまより
外務委員会
を開会いたします。 本日は、まず、
日本国政府
と
ニュー・ジーランド政府
との間の
小包郵便約定
の
締結
について
承認
を求めるの件、
日本国
と
南アフリカ共和国
との間の
小包郵便約定
の
締結
について
承認
を求めるの件、以上二件を一括して
議題
といたします。 御
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
理事(井上清一君)(井上清一)
2
○
理事
(
井上清一
君) ほかに御
質疑
はございませんか。
——
なければ、両件に対する
質疑
は終局したものと認めて御
異議
ございまんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
理事(井上清一君)(井上清一)
3
○
理事
(
井上清一
君) 御
異議
ないと認めます。 これより
討論
に入ります。御
意見
のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
——別
に御
意見
もないようでございますが、
討論
は終局したものと認めて御
異議
ございまんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
理事(井上清一君)(井上清一)
4
○
理事
(
井上清一
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。
日本国政府
と
ニュー・ジーランド政府
との間の
小包郵便約定
の
締結
について
承認
を求めるの件、
日本国
と
南アフリカ共和国
との間の
小包郵便約定
の
締結
について
承認
を求めるの件、以上二件を問題に供します。 両件を
承認
することに
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
理事(井上清一君)(井上清一)
5
○
理事
(
井上清一
君)
全会一致
でございます。よって両件は、
全会一致
をもって、
承認
すべきものと決定いたしました。 なお、本
院規則
第七十二条により議長に
提出
すべき
報告書
の作成につきましては、慣例により、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
理事(井上清一君)(井上清一)
6
○
理事
(
井上清一
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたしました。
—————————————
理事(井上清一君)(井上清一)
7
○
理事
(
井上清一
君) 次に、
国際情勢等
に関する件を
議題
といたします。 昨日、
アメリカ原子力潜水艦
についての
政府
より
中間発表
がございましたので、この点につきまして
大平外務大臣
の
説明
をお願いいたしたいと存じます。
大平外務大臣
。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
8
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 問題になっておりまする
ノーチラス
型の
潜水艦
の
寄港
問題につきましては、従来より機会あるごとに
国会
を通じ
政府
の
考え方
を御
説明
いたして参りましたが、
国会
の
要請
もございまするし、また、院外からも
日米
間の
照会
のこれまでの結果を発表してはどうかという御勧告もございましたので、昨日
中間報告
をさしていただきました。これは、私
ども
といたしましては、
日米
間のトーキング・ペーパーで確認いたしましたことに何ら主観を交えずに客観的な
資料
として御
提出
いたしたわけでございます。しかし、それだけでは
政府
の
見解
が明らかでございませんので、きのう、私の談話の形で一応の
考え方
を発表さしていただいたわけでございます。 私
ども
の
考え方
といたしましては、すでにたびたび申し上げておりますように、
ノーチラス型潜水艦
の
寄港
問題は、
米国
の
核戦略
の一環としての
寄港
でないということ、ましてや、将来において
核兵器
の
日本
の
持ち込み
につながるものでは絶対にないということをたびたび申し上げたわけでございます。いうところの
米国
の
核戦略
でございまするが、他国の
戦略
について云々するのはいかがかと存ずるのでございますが、私
ども
の
理解
しておるところでは、
アメリカ
が有効な
核報復力
を維持することによりまして
核戦争
の発生を抑制する、抑止するということが
基本
になっておると
理解
いたしておりますし、また、このようなことが事実今日の
世界
の平和がともかくも維持されておるという事実に照らして、この
アメリカ
の
戦略
というものが平和のためであるというように
理解
できると思っておるのでございます。ジュネーヴにおきまして、
核兵器
の
実験
問題はかりでなく、軍縮全体につきましての討議が行なわれておりますが、
核兵器
の
実験
、生産、運搬、使用というものの全面的な禁止というようなことができ上がるまでは、
アメリカ
はこのような政策を続けていくものと考えております。しかしながら、この
アメリカ
の
核戦略
というものが、
日本
に
核兵器
の
基地
を置くことを当然の
前提
としておるかというと、私
ども
はそのように考えておりませんし、
アメリカ
もそのようには考えていないのでございまして、たびたび申し上げておりますように、
核兵器
の
持ち込み
はこれを認めないということは、かねてより内外に鮮明にいたしました
政府
の一貫した
立場
でございます。
アメリカ
もこれを十分
承知
いたしておるからこそ、
安保条約
におきまして、
核兵器
の
持ち込み
につきましては
日本政府
との間の
事前協議
を確約されたものでございますが、さらに進みまして、岸・アイゼンハワー間におきましても、
米国
は
日本政府
の意思に反して、
事前協議
において、行動しないという確約が行なわれておるわけでございまして、
日本政府
も
核兵器
の
持ち込み
は認めない、
アメリカ
も
核兵器
の
持ち込み
を求める意図がないということでございますので、したがって、
アメリカ
の
戦略
、
核戦略
というものが
日本
に
核兵器
の
基地
を置くということを
前提
として考えておるというように御
理解
いただくならば、それは間違いであると存じます。いうところの
ノーチラス潜水艦
は、
原子力
を
推進力
とすることによりまして、長時間の航続力を持たせるように相なっておりますが、それ以外の
軍事
的な用途におきまして何ら普通の
潜水艦
と違いがないわけでございまして、関連して問題になっておりまする
ポラリス潜水艦
は、
中距離ミサイル
を搭載しておるのでありまして、この
潜水艦
とわれわれが今問題にいたしておりまする
潜水艦
とは、
軍事
上の目的は全く異にいたしておるということは、たびたび申し上げたとおりでございます。この
ノーチラス
型の
潜水艦
の
寄港
でございまするが、私が今申し上げましたように、これが
核兵器
の
持ち込み
でないという以上、
アメリカ
としては本来その
寄港
につきまして
日本
と協議する
義務
はないわけでございますが、しかし、
史上唯一
の
被爆国
としての
日本国民
の特殊な感情を考慮いたしまして、
日本政府
の了解を求めてきたものと了解いたしておるわけでございます。
政府
といたしましても、
安保条約
によりまして、
日米
協同して
わが国
の安全を守るという
基本方針
からいたしますならば、
日本
の
防衛
に従事する
米国
の他の
一般艦船
、航空機の場合と同じように、
ノーチラス
型の
潜水艦
につきましても、その
寄港
に
異議
を唱える
立場
にはございません。しかしながら、
国民
の間に
原子力潜水艦
の
安全性等
について不安や疑問が存するような場合には、
政府
として
最大限
の
努力
を傾けてこれを解消する
手順
を踏むのは当然と思うのでございまして、政治の
責任
として、私
ども
はその
義務
を感ずるわけでございまして、
アメリカ
にただすべきものはただしまして、
最大限
の
努力
を傾けておるのが現状でございます。きのう発表いたしましたものは全部でございませんで、今まで確認し得たことを、中間的に整理して本
委員会
に御
提出
申し上げました次第でございます。これは、この
資料
によって御点検いただきますならば、判然すると思うのでございますが、この
ノーチラス型潜水艦
は、
実用
に供せられて以来すでに七年有余を経過いたしております。
米国本土
はもとより、大西洋、
太平洋関係
十数カ国の港に百回以上も
寄港
いたしておりまするし、今日までの実績にかんがみまして、
原子炉
に関係した
事故
や放射能による被害は一回も起こっていないということでございます。この事実それ自体が
安全性
を物語っておると申し上げて差しつかえがなかろうと思います。悲劇的な
スレッシャー号
の沈没でございますが、これは長期間にわたる
改装工事
の
あと
で、深度の
潜航実験
を行なう
実験
の過程において起こった不幸な
事故
でございまして、これは
アメリカ
の
原子力潜水艦
は建造直後、また
改装
後にも必ず厳重な
実験
を行ない、その
安全性
が確認されて初めて
就航
を許されるものでございますから、
スレッシャー号
の
事故
を、直ちに
通常
の航海に従事している
原子力潜水艦
の
安全性
と直結して御論議されることは、当を得ていないのではないかと考えております。もとより、私
ども
は
最大限
の
努力
をいたしておりまするけれ
ども
、この
潜水艦
は
軍艦
でございますので、事の性質上、当然
軍事機密
に属する部面があるわけでございまして、この
分野
におきましては、私
ども
の
照会
にかかわらず、これを解明する
手順
を持つことはできません。このことは一つの確立した
国際慣行
でございまして、
わが国
としてもこれを尊重して参らなければならぬと思いまするが、御
承知
のように、海上における人命の安全に関する
条約
におきましても、
原子力商船
につきましては、
寄港
を求める
政府
に対し
安全性
を
保障
する
資料
を
提出
することが
義務
づけられているのでございまするが、
軍艦
はその適用から除外されておることも明らかでございます。したがって、
軍事関係
に属する
資料
まで要求することは不可能でございます。そこで、私
ども
が的確な
資料
を入手できない
分野
につきましては、私がたびたび申し上げておりますように、
アメリカ政府
の
保障
を
信頼
するというよりほかに道はないと思うのでございます。事実、
アメリカ
は
原子力
の
開発
に先べんをつけた
先進国
でございますし、最先端を歩んでおりますきわめて高い
科学水準
を誇っておる国でございますので、私
ども
は
アメリカ
の
原子力
の
科学水準
、
技術水準
、またこの
安全性
を
保障
する
措置そのもの
に
信頼
をおくべきものと考えておるわけでございます。事実、
アメリカ政府
は
原子力潜水艦
の
就航
当時、その
安全性
につきまして、
アメリカ
の
国会
を初め
国内
各方面で真剣な論議がかわされた事実がございまして、このことは、
米国自身
が
原子力潜水艦
の
安全性
につきましていかに強い
関心
を持っているかを示していると思うのでございます。また、事実その
乗組員
にいたしましても、その
寄港
する地域の住民の安全に対しましても
アメリカ政府
は無
関心
でおるはずはないのでございまして、万全の考慮が払われておるものと私
ども
は確信するものでございまして、今まで
西欧諸国
、
太平洋沿岸諸国
に
寄港
いたしておりますが、そのいずれの
政府
からも、何ら
アメリカ
に対する
信頼
にゆるぎがないということは、
アメリカ
の
科学水準
に対する
信頼
の度合いを示すものと思うのでございます。このことは科学的な問題でございまして、
信頼
に二つあるはずはないと思うのでございまして、ひとり
日本
だけにこのことが通用しないという筋合いのものではなかろうと感じておるわけでございます。 なお、きのう発表いたしましたのは、今までの
照会
の結果を発表したわけでございます。若干まだ
照会
中のものもございますので、そういうものを入手いたしましたならば、またおりを見て公表いたしたいと考えているわけでございます。要するに、
政府
といたしましては、おおむねこういう
見解
を持っておりますが、なお最善を尽くしまして、
国民
により一そうの御
理解
をいただき、今後とも
努力
して参る所存でございます。
理事(井上清一君)(井上清一)
9
○
理事
(
井上清一
君) 以上で
説明
は終了いたしました。ただいまの
外務大臣
の
説明
に対して御
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。
岡田宗司君(岡田宗司)
10
○
岡田宗司
君 昨日
外務省
は、
アメリカ
との間に取りかわした
文書
につきまして
中間報告
をされた。この
中間報告
をされたということは、これによって
国民
を納得させて、そうして
政府
はこれだけで
アメリカ
に対して
原子力潜水艦
の
寄港
を認めるということを回答する
準備
ができたと、したがって、近く回答するのだ、そういう含みでこの
中間報告
をされたのか、まず、それをお伺いしたい。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
11
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
先ほど
も申し上げましたように、これまで入手いたしましたものをまとめて御
報告
いだしたわけでございます。
先ほど
申し上げましたように、まだ
照会
中のものもございますし、この
段階
におきまして
国民
の
理解
を深める一助にいたしたいということで、
国会
その他の御
要請
もございましたので、やりました次第でございまして、これで
受け入れ準備
が万端整ったというふうには私は考えておりません。
岡田宗司君(岡田宗司)
12
○
岡田宗司
君
けさテレビ
で、この
中間発表
が行なわれてから、おそらく
外務大臣
とライシャワ駐
日米大使
との間に
文書
を取りかわして、そうして
入港
を認めるということになるだろうということが言われたんでございますが、そういうことがすでに
テレビ
で発表されるということは、私
ども外務省
が近く何らかの形で
アメリカ
に回答するということを推測されてのことだと思うのですけれ
ども
、ただいま
外務大臣
は、まだ回答すべき
段階
に来ておらない、お幾多の
アメリカ側
からの
資料
の
提出
なり回答を求めるべきものがあるということですが、近く回答されるということはないわけでございますか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
13
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
テレビ
がどのように報道したか私は関知いたしておりません。
先ほど
お答えしたとおりでございまして、なお私
ども努力
を続けておる
段階
でございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
14
○
岡田宗司
君 ただいま
外務大臣
からの御
報告
の
最初
のことは、
アメリカ
の
核戦略
を進めていく上に、
日本
を
アメリカ
の
核戦略
の
基地
とするということはない、したがって、
アメリカ
から
核兵器
の
持ち込み
ということはない、こういうふうに言われておったわけであります。今回の
潜水艦寄港
の問題につきましても、
ポラリス
型ではなくて
ノーチラス
型であって、これは
核兵器
を積んでおらないんだということを再三言われておるのであります。確かに、今回
アメリカ
が
寄港
を求めておりますのは、第七
艦隊
に配属されております
原子力潜水艦
であって、
ポラリス
でないかもしれません。しかし、はたしてこの
潜水艦
が
核装備
をしてないということは断言できるか、私はこれは疑問だと思う。むしろ私
ども
の得ております
資料等
からいたしますならば、これは
核装備
をしておる、あるいはまたすべきものであるというふうに考えられる。したがいまして、単に
核装備
はないんだということは私
ども
としては信じられないのでありますけれ
ども
、
政府
は、今回
日本
に
寄港
することを求められておる
原子力潜水艦
は
核装備
をしてないということの、あるいはこれからもしないということの
保障
を取りつけてあるんですか、それをお伺いしたい。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
15
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 私
ども
、
日本
語を巧妙に駆使いたしまして
国民
をごまかすというようなたいそれた気持は毛頭ございません。われわれも多数の支持を得て政権をあずかっておるものでございますから、
国民大衆
に真実でなければなりませんし、忠実でなければならぬわけでございまして、
日本政府
といたしまして
核装備
をみずからするつもりは毛頭ないし、
核兵器
の
米軍
による
持ち込み
ということに対しても、
日本政府
はこれを認めるわけに参りませんということを、
アメリカ
ばかりでなく、
日本国内
に
政府
の
責任
におきまして明らかにいたしておるわけでございまするし、また、私がたびたび本
委員会
でも申し上げましたとおり、
アメリカ側
も
日本
に
核兵器
を持ち込むつもりは毛頭ないということを言明されておるわけでございまして、これをさらに御
理解
いただくほか私はないと思うものでございます。どこかごまかしがあるんじゃなかろうかというような御疑念は、私
ども
を御
信頼
いただきまして御一掃賜わりたいものだと思います。
羽生三七君(羽生三七)
16
○
羽生
三七君 関連して、
先ほど
の
岡田
君の質問に対する御
答弁
の中に、今すぐ
寄港
を認めるわけではないが、今後、残された問題について
努力
を続けると、こういう御
答弁
でありましにが、まだ
政府
として疑点が残っておる点はどういうことでありますか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
17
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
政府
の
科学技術庁等
と連絡いたしまして先方に
照会
しておる若干の事項がございます。これは今
照会
中でございますので、公表するわけに参らぬと思いまするが、しかし、
先ほど
私が申しましたとおり、結果が出て参りますならば、公表するにやぶさかでございません。
岡田宗司君(岡田宗司)
18
○
岡田宗司
君 ただいま私がお尋ねしたのは、あなたが
国民
をごまかすとかごまかさないとか、そういうことをお伺いしたのじゃない。私は
アメリカ
が第七
艦隊
に配属している
原子力潜水艦
が
ポラリス
型ではない、しかし、
核兵器
を、たとえば
サブロック
を積んでいるとかおらないとか、その点をお確かめになったかどうかということをお伺いしているのです。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
19
○
国務大臣
(
大平正芳
君) これは
外務省
からも、
防衛
庁からも、たびたび
委員会
で御
報告
を申し上げているように、いろいろ確かめまして、いうところの
サブロック
というものは
開発
中でありまして、まだ
実用
の
段階
に入っていないということを御
説明
申し上げたわけでございます。しかし、
サブロックがかり
に
開発段階
を終えまして、
実用
化された
段階
におきましても、
先ほど
私が申しました
基本
の線に、別に何ら変わりはございません。
岡田宗司君(岡田宗司)
20
○
岡田宗司
君
基本
の線に変わりがないということは、
サブロック
を積んだ
潜水艦
の
入港
は認めないということでございますか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
21
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
核弾頭
をつけているものでございますれば、これは当然認めないということに御了解願います。
岡田宗司君(岡田宗司)
22
○
岡田宗司
君 それではお伺いいたしますが、第七
艦隊
には今何隻の
潜水艦
が配属され、そのうち何隻が
原子力潜水艦
でございますか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
23
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 私具体的な数字を持ち合わしておりませんが、
原子力潜水艦
は十数隻と聞いております。
岡田宗司君(岡田宗司)
24
○
岡田宗司
君 第七
艦隊
に所属している
原子力潜水艦
が十数隻でございますか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
25
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 失礼いたしました。七隻前後でございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
26
○
岡田宗司
君 その七隻の
原子力潜水艦
は、いかなる型の
潜水艦
ですか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
27
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 現在
太平洋
におります
原子力潜水艦
は、
ポラリス
型ではない、いわゆる
通常
の
原子力潜水艦
でございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
28
○
岡田宗司
君
先ほど
から盛んに
ノーチラス
型ということを言われているのでありますけれ
ども
、
ノーチラス
型は、これは
最初
にできた
ノーチラス号
、その後非常に改良を重ねられておりまして、いわゆるアタック・
サブマリン——攻撃用潜水艦
につきましても非常に進歩を見ているのであります。したがって、第七
艦隊
に配属をされております
原子力潜水艦
、
攻撃用潜水艦
というものは、いわゆる
ノーチラス
型ではないのだ、私
ども
の聞いているところでは
スレッシャ
一型が主である、こういうことでありますが、そのとおりでしょうか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
29
○
政府委員
(
安藤吉光
君)
普通ノーチラス
型と言います場合には、いわゆる
ポラリス
型と区別するために一応
ノーチラス
型と
通常
に言われているのでございます。お説のいわゆる
スレッシャ
一型というのは、これはやはり
ポラリス
ではない普通の
原子力潜水艦
でございますが、
太平洋
には一、二隻だと
承知
しております。
岡田宗司君(岡田宗司)
30
○
岡田宗司
君 そういたしますと、第七
艦隊
に所属している七隻というのは、
スレッシャー
型は一、二隻だとすれば、他はどういう型の
潜水艦
ですか。
説明員(高橋正太郎君)(高橋正太郎)
31
○
説明員
(
高橋正太郎
君) お答え申し上げます。私
防衛
の専門でございませんので、詳細なことはわかりませんけれ
ども
、従来公表されております
資料
その他から判断をいたしますと、
先生重々
御
承知
のとおり、
潜水艦
の型はこまかく分ければ十一あるけれ
ども
、それを大きく分ければ二つないしは三つになるということでございます。それで、
太平洋
に現在おりますのは、
先ほど
アメリカ局長
から
答弁
がありましたように、七隻前後ということになっておりますが、それはしょっちゅう入れかわっているわけでございまして、どの船が今おるかということは、私
ども
にはわからないわけでございますが、その型といたしましては、
スレッシャー
型は、現在これも公表されておるところによりますれば、
スレッシャー級
というのは現在三隻一隻沈みましたから、二隻でございます。二隻就役しているわけでございます。御案内のとおりに、今後
アメリカ
で作ろうと言っているのはこの型でございますけれ
ども
、そのほかの型といたしましては、
ノーチラス
型から始まりましていろいろございますけれ
ども
、そのどの型が現在おるかということは、わからないわけでございます。ただ申せますことは、十一クラスがございますけれ
ども
、そのうちの、いわゆる
ノーチラス級
以降にできましたものをこまかく分ければいろいろございます。たとえば
シーウルフ級
、
スケート級
、
スキャップジャック級
、
トライトン級
、
テュビリー級
とかがあり、その
あと
で
スレッシャー級
というのができておるわけでございますので、そういうことで御了解いたできたいと思います。
岡田宗司君(岡田宗司)
32
○
岡田宗司
君 これらの型の
潜水艦
、ただ
原子力
で動いておる、そして従来の油で動いておる
潜水艦
と
原子力
を
推進力
とするという点だけで違っておるんだというふうないろいろ御
説明
でございますけれ
ども
、今、第二次
世界戦争
後における
戦略
、戦術の
変化
からして、
潜水艦
というものは非常に大きな
意味
、
重要性
を持ってきておる、ある
意味
におきましては、最も重要なものになってきておるわけであります。したがって、いわゆる
ポラリス
型の
潜水艦
でないにいたしましても、その新しい
意味
を持った
潜水艦
でございますので、私
ども
は、今回
日本
に
入港
を求められておる
潜水艦
も、単なる従来の
潜水艦
、機関が違ったものだというふうには考えない。やはり
アメリカ
の
核戦略
の発展によって引き起こされた
変化
に照応するところのものであるとしか考えられないと思うのであります。特に
スレッシャー
型の
潜水艦
は、
攻撃用
の
潜水艦
として
アメリカ
が今後最も力を注いでいくものでありまして、今日第七
艦隊
にそれが一、二隻しか配属されてないといたしましても、将来これに置きかえられて参ることは、これはもう申し上げるまでもない。
F1
00が
F1
05に置きかえられますように、必ず将来これが置きかえられてくるであろうということが予想できるのであります。しかも、この
スレッシャー
型には、あるいは他の
攻撃用潜水艦
に
サブロック
を積むということは
アメリカ側
がはっきり公表しているのです。
サブロック
が、
核兵器
であるとか、
核弾頭
をつけるものであることは、これはもう申し上げるまでもない。そういたしますと、今たとえば
サブロック
が
開発
中であるとしても、これは数年後に
——
じゃない、もう間もなくこれをつけるであろうということは予想されるところであります。そうすると、
先ほど
大平外務大臣
が言われた、
サブロック
を積んでおればこれをどうも認めるわけにいかないんだというお答えと矛盾してくるんじゃないかと思うのですが、その点はどうでございますか
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
33
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 冒頭に私が申し上げましたように、
アメリカ
の
核戦略
というものが、
日本
に
核兵器
を持ち込むことを
前提
として仕組まれておるというふうな御
理解
があるとすれば、それは誤りであるということを申し上げたわけでありまして、
日本政府
は
サブロック
であれ何であれ、
核兵器
というものの
持ち込み
を認めないということを申し上げておるわけでございまして、
アメリカ
軍自体の
国内
、ヨーロッパ方面の装備がどうなるかよく存じませんけれ
ども
、
日本
に関する限り
核兵器
の
持ち込み
は絶対にお断わりであるということを申し上げたわけでありますし、それに対して、十分の
理解
を持って
アメリカ
もそういう意図はないということ、つまり
核戦略
は
核兵器
の
基地
を
日本
に持ってくることを
前提
としておるものではないということを申し上げたことで御
理解
を賜わりたいと思います。
岡田宗司君(岡田宗司)
34
○
岡田宗司
君
先ほど
、ザブロックは
開発
中であり、それでまだこれは搭載してないようなお話でございましたけれ
ども
、この
開発
中という
意味
は、まだ全然これは
実験
もしていないし、あるいはまた搭載していない、こういう
意味
でおっしゃったのですか。それとも、すでにこれは
実用
に供せられているけれ
ども
、なおこれからさらに性能をよくするために
開発
中である、これは非常に
意味
が違うと思うのでありますが、それはどういうふうにお考えになっておりますか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
35
○
政府委員
(
安藤吉光
君)
サブロック
が目下
開発
中であるということは、
先ほど
大臣も申されましたとおり、米側で発表しておりますし、その後、われわれ最近もそれを確かめております。その
開発
中というのは、いわゆる試験、
実験
開発
でございまして、本年二月十八日にその
実験
の写真が公表されました際、
米国
当局が
説明
をいたしております。それにはっきりとイズ・ビーング・ディベロップト、要するに、
実験
開発
中であるということを述べております。このことは、ごく最近にわたりましても再度米側に正式に
照会
いたしましたが、そのとおりでございました。大体
サブロック
というのは、御存じのとおり、水中から撃って空中を通ってまた水中に入って敵艦を攻撃するというものでございますが、この
サブロック
は弾頭は三種類つけ得るのでございまして、
核弾頭
ももちろんつけてもよければ、高性能爆薬をつける場合もある、このように
承知
しております。
岡田宗司君(岡田宗司)
36
○
岡田宗司
君 この
サブロック
の
開発
中ということは、これは性能をよくするためにやっているので、これはまだ搭載されていないのだというふうなお答えのように承りましたけれ
ども
、すでに
サブロック
の
実験
は行なわれております。しかも、先日沈没いたしました
スレッシャー号
がその
実験
をやって成功をしているのであります。そうして
アメリカ
の国防省は本年の二月十八日に、すべての
原子力潜水艦
に
サブロック
を実戦配備するということも言っているのでございます。このことは御
承知
でしょうか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
37
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 予算的措置としてそういったようなことを考えているということは、聞いております。ただしかし、
先ほど
も申しましたように、具体的には今
実験
開発
中であるということと、もう一つは、
サブロック
が実際には高性能爆薬で行なう場合と
核弾頭
と両方あるということも
承知
しております。それで、
先ほど
から大臣の御
説明
がございましたとおり、いわゆる
核弾頭
をつけた
サブロック
というものが将来
開発
された場合はこれは
核兵器
でございまして、
事前協議
の対象事項、すなわち
日本
には入ってこないようにわれわれとしては言明している種類のものでございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
38
○
岡田宗司
君 ソ連側におきましても、
原子力潜水艦
かかなりたくさんできております。また、ソ連側におきましても、中距離弾道弾を積む
原子力潜水艦
も完成しております。これらもおそらくソ連の
戦略
上からいえば、
太平洋
に配備されていることは間違いない。そういたしますというと、
アメリカ側
はこれに対抗するものとして
原子力潜水艦
を、特に
攻撃用
の
原子力潜水艦
を多数配備して参りますが、相手が
原子力潜水艦
であって、やはり水中に深くもぐる、そうしてまた相当三十ノットも出すような早いものであるといたしますならば、普通の爆薬の魚雷ではとうていこれはやれない。そういたしますれば、どうしても
アメリカ側
として
サブロック
を
開発
してその射程を延ばし、そうして主として
核弾頭
をつけてやるであろうということは、これはもうだれでもわかることであります。したがって、
アメリカ
の国防省が本年になって、すべての
原子力潜水艦
に
サブロック
をつける、こういうことを言っておるということは、その
準備
をしておることなんです。しかも、
サブロック
が、今申し上げましたように、
開発
中というのは、現在の射程四十キロぐらいのものを三百二十キロくらいまでのものにしていこうということでありまして、その
段階
に何
段階
かあるかもしれませんけれ
ども
、とにかくそういうことであるといたしますならば、これはもう明らかに
核装備
であります。だからして、そういうようなものを積んだものを私は軽々に
日本
に入れるということを
外務大臣
が考えられるとすれば、これはたいへんなことだと思う。ことに、今積んでないから、今
核弾頭
を持ってないからと、こう申しても、すでに
アメリカ
ではその方針をきめて予算措置を講じておるのです。そういたしますれば、これはもう近くそれが行なわれるだろう。そうなってくれば、
日本
へ入ってくるものは一々取りはずして入ってくるわけのものでもございません。私は、取りはずして入ってくるなんて、そんな子供らしいことを考えるものはないと思う。そうすれば、もうこれから
日本
に
寄港
する
原子力潜水艦
というものは、それを持ってくることは明らかなんです。だから、私
ども
はこういう
原子力潜水艦
の
寄港
というものは、あなたが
国民
をごまかすためでないかもしれないけれ
ども
、
アメリカ側
で
日本
をごまかすためにそう言っているものとも考えられる。
先ほど
大平外務大臣
が、私は人がよくて正直だからと言われましたけれ
ども
、それをそのまま、
アメリカ側
が
日本国民
をごまかすために、そういうような乗員の休養であるとかなんとかというようなことで、この
原子力潜水艦
をどんどん
日本
に入れていこうというのに片棒かつぐようなことはこの際やめてもらいたいと思うのですが、この
サブロック
を積んでおるということ自体だけでも、私はもう拒否するに足る理由があると思う。これが積まれるということが国防省の方針として明らかである以上、たとえ今積んでなくても、本年の予算措置として積むことが講じられるようになっておるといたしますれば、これは当然拒否していただきたいと思うのであります。その点いかがなものでしょう。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
39
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
岡田
先生は非常に問題を一般化されて
アメリカ
の
核戦略
装備というものに言及されておるのでございますが、今私
ども
が問題にいたしておりますのは、
原子力
を単なる
推進力
とする
潜水艦
の
寄港
という問題でございまして、この問題を問題にいたしておるわけでございまするが、
アメリカ
の
核戦略
と、それからこの
潜水艦
の
寄港
問題とは別問題だということを私はもう大
前提
として申し上げておるわけでございます。しかし、お前が何ぼそう
理解
しておっても、
アメリカ側
がそうしない場合は何もならぬじゃないかという御議論でございますが、私は
アメリカ
も、その
責任
において
締結
いたしました
安保条約
については百パーセント忠実であることを確信いたしまするし、またそうでなければ、
アメリカ
という国が
世界
に国際信用を保つことはできないわけでございます。私がくれぐれも申し上げておりますように、
日本政府
は
核兵器
の
持ち込み
を認めないということをたびたび申し上げておりまするし、
アメリカ
もそういう意図はないということでございますので、その点について問題をどうぞ一般化の危険から救っていただきたいと私は思います。
岡田宗司君(岡田宗司)
40
○
岡田宗司
君 私も一般的な
戦略
論を言っておるのじゃなくて、
日本
にこれから
寄港
を求められておる
原子力潜水艦
も、また
アメリカ
の一般の核武装方針に従って、今もうすでにしておる、あるいは近くするであろうということであるから、その点を問題にしておるので、一般化した問題ではない。まあ、それはそれといたしまして、それでは、あなたは
アメリカ側
に対して、
日本
に
寄港
する
原子力潜水艦
は
サブロック
を積み込んでおらないのだということ、あるいは、これからも
サブロック
を武装しないのだということを
アメリカ
に確約させ、その
保障
を取りつけることができるかどうか。また、
アメリカ
が
日本
に
寄港
を求めておる
潜水艦
にそれを積んでおらないということをあなた方は
日本
側として検証できるかどうか、その点お伺いしたい。それでなければ私
ども
安心できない。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
41
○
国務大臣
(
大平正芳
君) そういう
保障
もすでにできておるわけでございまして、厳粛に締約いたしておるわけでございますから、この締約は大丈夫かどうか、もう一ぺんひとつ確かめる必要があるなんていうことこそ、自信のなさを示すものでございまして、私はそういうことをすべきじゃないと思います。すでにそれは成立した厳粛な約束なんでございますから、私
ども
はそれに百パーセント
信頼
をおいていくべきものと思います。
杉原荒太君(杉原荒太)
42
○杉原
荒太
君 ちょっと関連。私お尋ねしたいのは、今、
岡田
さんが問題にしておられることと非常な関連があるからお尋ねするのですが、
核兵器
、ことに
核弾頭
の配置、保管、使用等、要するに
核兵器
の管理については、
アメリカ
で厳格な規則が法律で定められておると思うのです。そこで、いつも
核兵器
の
持ち込み
問題のとき、その辺のところを
外務省
のほうではっきりと御
説明
になれば、その答えになるのじゃないかという感想をかねてから私は持っておるのです。今の場合でも、現行の、今申しました
核兵器
の管理に関する
アメリカ
の規則、これは
アメリカ
の軍をも拘束しておる。その規則の内容をひとつ御
説明
願ったらいいと思うのです。それを私はお尋ねいたします。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
43
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 私
ども
アメリカ
のそういう軍内部の規則というものについて具体的
資料
を持ち合わせておりませんけれ
ども
、この問題に関連いたしまして非常に
日本
にとって重要な点は、従来るる御
説明
いたしております
条約
第六条の実施に関する交換公文のいわゆる「合衆国軍隊の装備における重要なる変更」というものについては、
事前協議
を行なうという例の交換公文がございます。その交換公文に関連いたします
条約
審議の間におきまして、
日米
間に了解ができており、御存じのとおり、
核兵器
の
持ち込み
がこれに該当する。また中長距離ミサイルも同様であって、これらは
事前協議
の対象になるということが厳粛に了解されておるわけでございます。
杉原荒太君(杉原荒太)
44
○杉原
荒太
君 そんな、
アメリカ
の軍の内部の小さな規則でなく、これは法律できまっておることだと思うのです。そうして、初めにできて、
あと
に一九五四年だったかに改正になっておると思うが、現行の規則の内容、これは決して秘密で調べられないとかいうものでなく、
外務省
では当然その点はわかっておることだと今まで思っておったのですが、今まで一向にそういう点に言及されぬので、非常にこの問題をもやもやさしている点がある、私はそう思っております。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
45
○
国務大臣
(
大平正芳
君) せっかくの御注意でございますので、それじゃあ私のほうで急いで検討させていただきます。
岡田宗司君(岡田宗司)
46
○
岡田宗司
君 ただいま
局長
のほうから
核兵器
、
核装備
の
持ち込み
の問題は交換公文によって
事前協議
の対象になる、こういうことでございましたけれ
ども
、この
核兵器
というのは範囲はどのくらいですか。たとえば、中距離弾道弾の
基地
を
日本
に置く、これはもう明らかにこの
事前協議
の対象とさるべきものだと思います。あるいはまた、
先ほど
からお話しになっておられる
ポラリス潜水艦
もそうであります。しかしながら、最近では
核兵器
というものは漸次小型化されている。いわゆる
戦略
的な
核兵器
から戦術的な
核兵器
になってきている。そしてまた両用のものが非常に多くなってきている。その両用のものも、これは普通であっても直ちに
核弾頭
を使うときには
核兵器
になるのです。そこらの点はどうお考えになっておりますか。ただ、両用でも、ふだん使わなければこれは
核兵器
じゃないのだ、だから認めてもいいんだ、こういうお考えですか。これは危険だと思うのです。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
47
○
政府委員
(
安藤吉光
君) この
核兵器
というものをどういうふうに限定しておるかということに関しましては、すでに昭和三十三年の四月十五日に
防衛
庁から参議院の内閣
委員会
に
提出
した
資料
がございます。それで
日米
間にも大体そういうふうに
理解
されておるわけでございますが、
核兵器
というのは、原子核の分裂または核融合反応から生ずる放射能エネルギーを核破壊力または殺傷力として使用する兵器ということでございます。要するに、
核弾頭
を装着できないものはもちろん
核兵器
でございませんけれ
ども
、たとえばオネストジョンのように、核、非核両弾頭を装着できるものは、
核弾頭
を装着した場合は
核兵器
である。しかし、
核弾頭
を装着しない場合は、これは
核兵器
と言えない。今お話しになっておりましたICBM、IRBM、中長距離ミサイルというものは、本来的に
核弾頭
が装着されているものでございますからこれは
核兵器
、そういうような標準を持っております。それで、この
資料
はすでに前に当参議院に
提出
してございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
48
○
岡田宗司
君 当時はまだ
サブロック
はできていない。
サブロック
はどっちに入りますか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
49
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 私は
軍事
専門家でございませんけれ
ども
、私の
承知
しております範囲におきまして、現在試験
開発
中の
サブロック
というものは、
核弾頭
もつけられるし、高性能爆薬弾頭もつけられる、そういう両用の道があるというふうに聞いております。
岡田宗司君(岡田宗司)
50
○
岡田宗司
君 それで、今まあ両用であるということですが、
先ほど
私が指摘しましたように、相手が
原子力潜水艦
になって参りますというと、普通の高性能爆薬ではこれは用をなさない。したがって、傾向として急速に
核弾頭
専用になるだろうということを予想さる。あるいは専用にならぬでも、それが主になるだろうということが予想されて参ります。そうすると、これはもう
核兵器
ということが言えることになるのじゃないですか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
51
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 現在、
アメリカ
は相当多数の普通の
潜水艦
、それから
通常
の
原子力潜水艦
を持っておりまして、これらはそれぞれ高性能の爆薬を弾頭とする魚雷を持っておるわけでございます。今度の
原子力潜水艦
の一番のねらいというものは航続距離を長くする、いわゆる
原子力
を動力とした
潜水艦
でございます。ただいま御指摘の
サブロック
というものにつきましては、
先ほど
私が
承知
しておるところを御
説明
いたしましたとおり、なおまだ
実験
開発
中であるということと、それからもう一つは、
承知
しておるところでは、これは高性能爆薬というものと
核弾頭
と、両方いずれをも使えるというふうに聞いております。これが
核弾頭
をつけた場合は、
核兵器
であることは申すまでもございません。その場合は、当然
事前協議
の対象ということになるわけでございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
52
○
岡田宗司
君 両方使えるものが、将来どっちが重くなるかということでお伺いしたんです。
先ほど
申し上げましたように、おそらく近い将来において、どんどんとこれは高性能のものも
核弾頭
にかえられていくであろうというふうに私
ども
には予想されるんですが、あなたはそう予想しませんか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
53
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 私は
軍事
専門家でございませんので、そういうことは予測する資格はないと思います。ただしかし言えますことは、私、しろうととして言えますことは、たとえばオネストジョン、これはたしかこれの
持ち込み
のときに、当
国会
におきまして、私ちょうど、たまたま来ておりましたが、大騒動がございました。これは当時
核弾頭
を持ってくるんだというような話でございましたけれ
ども
、これは依然として
通常
の弾頭でやっておるわけでございます。それからもう一つは、これも私、しろうと考えでございまするが、核というものはなかなか経済的に、高いものだということのようでございます。そういったいろいろな点がございますので、私は専門家でもございませんし、どちらが主であるかというようなことはちょっと申し上げる
立場
にないように考えます。
岡田宗司君(岡田宗司)
54
○
岡田宗司
君 今のお話ですというと、オネストジョンが引き合いに出された。オネストジョンは、あのときに両用だというのでやはり騒いだ。ところが、オネストジョン自体がもう旧式化してしまって、
アメリカ
でもこれはあまりいい兵器だと思っておらぬ。ところが
原子力潜水艦
の場合、これは違うんですね。
アメリカ
はこれに主力を置き出しておる。そうして、しかも相手方の
潜水艦
が
原子力潜水艦
になり、しかも、中距離弾道弾を積める
潜水艦
になってきておるので、
攻撃用潜水艦
というものは、オネストジョンなどとはまるで違った
重要性
を持っているんですね。だから、オネストジョンとの比較なんということは問題になりませんよ。 それから、あなたは
軍事
専門家ではないということですけれ
ども
、しかし、少なくともこの問題を取り扱っていられる以上、こまかい技術的な、あるいは非常に精密な
軍事
的なことは知らぬでも、大体の傾向というものは、これはおわかりだろうと思うのです。
アメリカ
の
核戦略
に基づいて
日本
に核
基地
を求めておるんでないということまでちゃんと言われるぐらいならば、それはやはり
核戦略
が何ものであるかということを御存じの上で言っているんですから、したがって、今言ったような兵器の発達が何を
意味
するかぐらい御存じないはずはないんで、ただ、オネストジョンと比べて、何とかして、この
サブロック
は兵器でございませんという印象を与えようと努めておられる
答弁
のように思うんで、私
ども
はそういう
答弁
はいただきかねるのであります。はっきり申し上げて、
アメリカ
でもこれは
核兵器
だというふうに、
アメリカ
の雑誌なんかみんなそう言っているんですよ。たとえば、
アメリカ
のミサイル・アンド・ロケット誌、これは一九六二年の七月三十一日号に出ておる。また英フライト誌の一九六一年十一月二日号、あるいはイギリスのジェーン航空年鑑の一九六一年版にも紹介されているんですね。とにかくもうロケット兵器であって両用であっても、主がそっちのほうへ移っていっておる。
アメリカ
の国防省でもそれをはっきり言っている。だから、これは
核兵器
なることは明白なんです。したがって、私はこの点について交換公文の
事前協議
の対象にならぬとか、あるいはこれは両用で
核弾頭
を積んでおりませんからこれは
核兵器
でございませんなどと言うのは、全くごまかしです。私は、
先ほど
大平外務大臣
が、決して
国民
をごまかすつもりはないと言われておられるならば、この点について
国民
をひとつごまかさないようにはっきりした御
見解
を示していただきたい。そうしてまた、
アメリカ側
がそれを持ち込まないと言うならば、この今後
日本
に
寄港
する
原子力潜水艦
は
サブロック
を積んでおらないということをはっきり言明してもらいたい。また同時に
日本
側でも、それはなるほど
アメリカ
を頭から信用しておられるようでありますけれ
ども
、
日本
の
国民
の不安というものを解消するためには、
政府
としてもそのくらいの
保障
を取りつけるなり、あるいはその点について
政府
自身が何とか確める方法をとるなりしていただきたいと思う。ただ向こうさんが積んでいないからとか、あるいはまた、乗員の休養のためであって
日本
を
核戦略
の
基地
にするものではないということだけでは、この大きく問題になりましたものを私
ども
は納得するわけには参らないのです。その点いかがですか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
55
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 重ねて、問題をあまり一般化しないようにお願いしたいと思うのでございますが、今
アメリカ局長
の御
説明
申し上げたとおり、私は
核兵器
というものはこういうものであるということを
国会
にも申し上げて、今日の
段階
においてもそれを弁解する必要は認めておりません。その条項に該当する限りにおきましては、当然
事前協議
の対象になるものでございます。ただ、
アメリカ政府
は
日本
に
核兵器
を持ち込む意図がないということを先方が言っておるわけでございまして、私は
核兵器
の
持ち込み
ということについて
事前協議
が行なわれるであろうというように予想いたしておりません。 それから、
アメリカ
に確める問題でございますが、
先ほど
申しましたように、お前さんのほうは怪しいかもしれぬから、もう一ぺん一札取っておこうというようなことは、私は
責任
ある外交がそういうことをしておったら、これは
国民
に対してはなはだ申しわけないと思うのでございます。厳粛に締約いたしましたことにつきましては、相互に百パーセントの
信頼
をおいて、厘毫の不信がないように外交は展開すべきである、
国民
の利益のために私はそう思います。
岡田宗司君(岡田宗司)
56
○
岡田宗司
君 厳粛におやりになることはけっこうですけれ
ども
、
国民
の不安を解消するという問題ももうひとつ重大な問題だと思う。それは相手国を
信頼
することは外交上それが行なわれなければならぬわけで、年じゅう不信ではいけないのですけれ
ども
、往々にして不信なんです。あなたが
信頼
しております
アメリカ
自身も、ずいぶん
日本
に対してもいろいろと私
ども
が不信と思われるようなことをやっておるのです。だから、
アメリカ側
でも、もしほんとうに乗員の休養だけなら、そういう
サブロック
のようなものは積んでいないのだということを言っていいわけですから、私はこの
原子力潜水艦
の
寄港
問題について、この点は一番
国民
にとって重大な
関心
事であろうと思う、もし、この両用のものを入れることを許し、そうして
国民
をだんだんに不感症にならしていって、そうして、その次には、両用のものがあるのだから、
核弾頭
の
持ち込み
をやるべきだということになってきて、いざというときには
核弾頭
を持ち込むことも認めなければならぬというような雰囲気を作っていくということは私
ども
としては認められないことでございます。さらにまた、
攻撃用
の
潜水艦
が
核弾頭
を積んだもの、そこまで来たら、
あと
は
ポラリス
がちょいと寄るということくらいいいじゃないかということになり、休養のためだから、何もあれを振り回すわけでもないし、いつまでもいるわけでもないからいいじゃないかというようなことになりかねないのであります。だから、私は初めが大切だと思う。したがって、この問題についてはあくまでも私
ども
は反対の
立場
である、こういうような点から進めなければならぬことは非常に遺憾だと思うのであります。とにかくこの問題につきまして、私
ども
はどうも
政府
の言うことをそのまま
承認
できない。やはり
サブロック
を積み込む以上、
核兵器
を積み込むことである。したがって、それは
日本
に
核兵器
を持ち込まれる道が開かれることになる、こう考えざるを得ないのであります。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
57
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 今
岡田
さんは
サブロック
に言及されておりますが、今後兵器が発達いたしまして、どういう兵器が
開発
されるかわかりませんが、私
ども
としては
立場
ははっきりしておりまするし、つまり核の分裂ないし融合をはかるものによって生ずる放射能の力を破壊力あるいは殺傷力として使うというものは
核兵器
だ。これは
サブロック
に限りませんで、いかなる兵器が
開発
されましても、そういうところの
核兵器
の
持ち込み
は認めないのだということをはっきり申し上げておるわけでありまして、ここには厘毫の疑惑もないわけでございます。したがいまして、
サブロック
ばかりでなしに、あらゆる
核兵器
の
持ち込み
は認めないのだということで
国民
の御納得をいただくというようにいたしておるわけでございまして、われわれといたしましても、きょうここで言いのがれしておいて、
あと
でこういうことがあったらということじゃ、とても
政府
は勤まりません。いかなる場合でも、
国会
の
要請
に応じて
政府
の政策を解明する
責任
があるわけでございます。私、ちっともその点につきましては
責任
を回避するものじゃございません。全
責任
をもちまして、
日本
の
政府
の一貫した方針を繰り返し繰り返し申し上げておるわけでございますので、御了解を得たいと思います。
羽生三七君(羽生三七)
58
○
羽生
三七君 たとえば兵員の休養の場合とか、あるいは演習の場合で
寄港
する、こういうときは別として、
核弾頭
をつける場合、緊急の事態が起こったときに、
事前協議
をやっているような余裕があるのですか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
59
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 私
ども
は緊急の事態が起こることのないように万全の警戒をもって平和を維持していかなければならぬわけでございまして、
羽生
さんの言われるような事態が起こらないようにこそ万全を尽すべきものと思います。
岡田宗司君(岡田宗司)
60
○
岡田宗司
君
答弁
はそれで済むかもしれませんけれ
ども
、実際緊急のことが起こったときに、
事前協議
が一方的通告に終わるおそれがあるということは、
安保条約
の改定のときに盛んに論議されたので、私
ども
まだそれに対してほんとうに
政府
の
見解
を信じ切れる、状態にない。
アメリカ側
もまた
日本
にうそつかない、われわれ
信頼
しなければならぬというお話ですけれ
ども
、U2機のことを見ますというと、私はどうもあまり
信頼
できない。U2機のときも、
政府
は、あれはスパイ飛行機じゃないのだ、気象観測用だと一生懸命、あなたの時代じゃないのですけれ
ども
、盛んに
アメリカ側
の弁解をそのまま
国会
でも放送されておった。したがって、
あと
でもって
アメリカ側
がソ連で撃ち落とされてから正体が明らかになって、しょうがないもので
アメリカ
も引き揚げましたけれ
ども
、ああいうようなことがありますので、私
ども
はなお
政府
に念を押しているわけです。その点はどうですか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
61
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
アメリカ側
に百パーセントの
信頼
をおいておる、また
信頼
をおいてやらなければならぬ、そういうことを私はるる申し上げておるゆえんのものは、もしかするとあぶないぞというようなこと、そんなことをわれわれがかりそめにも考えて事を運ぶべきものじゃないと思うのでございます。そういうことは、私は
日本国
の
国民
として耐えられないことだろうと思うのでございます。あくまでも相互の
信頼
に立たなければ私は国が立たぬと思うのでありまして、たびたび申し上げておるわけでございますので、私
ども
の真意を十分おくみ取りいただきたいと思います。
岡田宗司君(岡田宗司)
62
○
岡田宗司
君 それはもう
大平外務大臣
のお心がけはたいへんいいのでありますけれ
ども
、U2機の実例を見せられておりますので、したがって、私
ども
はなかなか
アメリカ
の言うことも、
政府
の言うことも、こと
軍事
に関する問題については、特に
信頼
ができない面があるということを非常に遺憾だと思いますが、ああいう例があるということはあなたも御存じのはずであります。ひとつそこいらは私
ども
としてもなかなか信用できないということを申し上げておきます。 次に、このいわゆる
中間報告
の内容について二、三御質問申し上げたいんですが、
先ほど
アメリカ
の第七
艦隊
に所属される
原子力潜水艦
は七隻である、こう言われております。で、この中に佐世保及び横須賀に
寄港
を求めるのは二カ月に一回か一カ月に一回だと、こういうことなんです。これは総体で二カ月に一回なのか、一隻について二カ月に一回、一カ月に一回なのか。もし七隻じゃなく、一隻について一回だということになりますというと、一カ月に七回、年に七十四回という、非常に多いことになります。半分としても四十二回ということになりますが、この点明らかでないんですけれ
ども
、これはどういうことなんです。
世界
に一年に百回寄っていると、
日本
にだけ八十四回あるいは四十二回寄るということになったら、これはたいへんなことですがね。どうなんでしょう。その点をお伺いしたい。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
63
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 一隻がそういうふうにするわけじゃございませんで、全体として月に、あるいは二カ月に一回ということでございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
64
○
岡田宗司
君 その点はほんとうに確かめてあるんですか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
65
○
政府委員
(
安藤吉光
君) こちらからの、どの程度
寄港
するかという質問に対して、そういう答えがございました。
岡田宗司君(岡田宗司)
66
○
岡田宗司
君 私
ども
は、それにしても、百回に対して、
日本
に月に一回ずつ寄るとしても年に十二回ということになりますから、よその国にちょいと
入港
した場合と違って、たいへん多いことになる。やはりこれがしばしば寄るということは、ここは
日本
がだんだん乗員の休養だけでなく、横須賀及び佐世保が
原子力潜水艦
の
基地
として利用されていくという道に通ずるものだと思うんです。 まあ、それはそれといたしまして、次にお伺いしたいのは、廃棄物なんかを十二海里から外はどんどんと自由に捨てるんだと、こういうことでございますけれ
ども
、これは、どうも
日本
にとりまして非常に不安だと思うんです。
日本
は島国でありまして、非常に沿岸が長い。その外へ出ていって
——
七隻の
潜水艦
が出たり入ったりするたびに、十二海里出たとたんにいろいろな物を捨てられるということになりますというと、これはたいへんであります。十二海里というと約二十四キロか二十三キロ、そこいらでしょう。
日本
の沿岸からすると、つい目と鼻の先です。
日本
の沿岸漁業の船もたくさん出ております。また、
日本
では今、沿岸の魚が少なくなったとはいえ、ここには魚がたくさんやって参ります。そうして、私
ども
はこのとれた魚を食べておるんです。こういう点で
国民
に不安を与えるわけでありますが、この沿岸十二海里というので、
日本
の沿岸から十二海里のところでぼんぼん勝手に投げ捨てられては、たまったものじゃございませんが、その点は、向こうの言うとおりに、はいよろしゅうございますということで御
承認
になるんですか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
67
○
政府委員
(
安藤吉光
君) この十二海里以外の問題と以内の問題は、これは
アメリカ
の内部の規則をここにしるしたものでございます。現在、
日本
は三海里をとっておりまして、十二海里というものは領海外ではございます。しかしながら、われわれは、やはり先生がおっしゃるように、そのほうのことについても
関心
があるのは当然でございますが、厳粛に申しますならば、領海は三海里でございます。したがいまして、十二海里、いわゆる公海の中の問題として、これはわれわれは
関心
を持つわけでございます。で、
アメリカ
の内部におきましては、いろいろ規制措置があるようでございます。たとえば、ある廃棄物は漁場を避けろとか、あるいはそばに船がいない所にしろとか、そういったいろいろなことが規制されているわけでございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
68
○
岡田宗司
君 たとえば船がいなくても、船はどんどん動いているので、やってくる。魚はそのときにいなくても、一時間後にやってくるかもしれない。だから、十二海里の所に
——
日本
の目と鼻の先、見える所へぼんぼん捨てられて、そんな所でとれる魚がわれわれの食ぜんに上るのですから、こんなことを認めるなんということは、とうていできることじゃない。
アメリカ
だっておそらく
——
アメリカ
人はあまり魚食わないから、よそからカン詰を買って食っているのですからいいかもしれませんけれ
ども
、われわれは十二海里ぐらいの所の魚は幾らでも食っているんです。しかも、波は外へ向かっていくならいいけれ
ども
、波というやつは、内のほうへ向かってやってくるので、したがって、十二海里ぐらいすっとやってくるんですよ。そうなってくると、十二海里の所でこんなものをぽかぽか捨てられちゃたまらないじゃありませんか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
69
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 放射能あるいはその他の問題につきましては、
アメリカ
の
原子力
委員会
やその他のものが、相当この
原子力潜水艦
の建造の際、あるいはその後厳重な審査をしているわけでございます。それで
先ほど
申しました
アメリカ
の規則は、十二海里外は何でもかんでもやっていいというわけじゃございませんので、そういった諸般の影響に害がないという程度のものを捨てるようにちゃんと向こうは考えているようでございます。しかしながら、この十二海里内ということは、もう少しさらにその規制を厳格にしているというふうに了解しているわけでございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
70
○
岡田宗司
君 十二海里内を厳にするのはよくわかるのですよ。けれ
ども
、十二海里の外でも私
ども
、には非常に危険がある。これじゃ納得できない。十二海里の外だからといって、とにかく潮流というものは
日本
の沿岸を洗うのですから、これが何千海里向こうなら別ですけれ
ども
、十二海里ぐらいの場合でしたら、これは
日本
に近いのですから、目と鼻の先で、釣に行く人だって十二海里ぐらい出て行きますよ、海釣に。そこで、釣った魚にだってつくおそれがあると思います。それからまた、十二海里というのは、ちょうど
日本
の沿岸漁業の出ていく適当な所なんです。そこらでぼかんぼかん捨てるということを原則的にも認めるということは、われわれとしてはできません。
アメリカ
は
アメリカ側
の基準があるかもしれません。しかし、
日本
側からすれば、おそらくだれだって、十二海里の外ヘ
アメリカ
のそんなものをまき散らしていいんだということを認める者はおらぬだろうと思います。それでもよろしい、それでも安全でございますということを
外務省
は科学的に保証できますか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
71
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 私は科学者じゃございませんので、こまかいデータでどうこう言うことは、ちょっと言いかねるのでございますけれ
ども
、
先ほど
申しましたとおり、これは
アメリカ
の内部規則を
説明
しているわけでございます。領海は三海里でございますけれ
ども
、しかしながら、
アメリカ
は十二海里の外におきましても、やはり諸般のそういった影響はないように設計し、あるいは操作しているということは、これは十分
承知
している次第でございます。
岡田宗司君(岡田宗司)
72
○
岡田宗司
君
アメリカ
は、十二海里から外ならば差しつかえないという基準をきめた。われわれは、それを非常に不安に思う。しかし、あなたは
アメリカ
の
説明
で御満足なんですか。
政府委員(安藤吉光君)(安藤吉光)
73
○
政府委員
(
安藤吉光
君) 一番の問題は、領海内の問題であろうと思います。領海外の問題でございましても、われわれとしては
関心
があるわけで、
アメリカ
の規則というものを調べてみますると、こういうようなことがちゃんと出ているわけでございます。やはり
アメリカ
にいたしましても、人体とか、あるいはその他生物とか、そういったものに対する害というものは、十分考慮しているわけでございます。たとえば、私は名前を失念いたしましたが、
アメリカ
の
原子力潜水艦
は海水を浄化して飯料水にしている。したがって、海洋が汚染するということは、
アメリカ
自身としても非常に問題なんだというようなことを言っている。一般公海における廃棄については十分に考慮をしている、このように
承知
しております。
岡田宗司君(岡田宗司)
74
○
岡田宗司
君 いよいよおかしいですね。
日本
に寄った
潜水艦
が、
日本
から十二海里外へ出たときに、その廃棄物等を捨てる。そこでもってすぐに海水から飲み水を作るはずはないのですよ。そのときにはちゃんと
日本
から積んでいくでしょう。それからおそらくよそでやるでしょう。そんな自分の廃棄物を捨てた所ですぐに水を飲むはずがない。だから、十二海里内はあまり近いから遠慮をしましょう、しかし十二海里を出たら、これはもう公海でもあるし、相当離れているんだからよろしゅうございますということで、ぼかんぼかん捨てられるおそれはあるのですよ。そういう可能性はちゃんとここに書いてある。だから、われわれにしてみれば、十二海里外でも非常に危険なんですね。
アメリカ
へ持って帰ってもらうのが一番いいのです。十二海里の所やなんかで捨てられては困るのですが、依然として
アメリカ側
の
説明
で満足されて、それで十二海里の外なら捨ててもよろしゅうございますということを
承認
するつもりなのかどうか、これは
大平外務大臣
に伺いたい。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
75
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
岡田
先生の言われることは、
日本
だけの問題じゃないのでございまして、
アメリカ
本国の沿岸十二海里の外、あるいはその他の国々にも、あなたが指摘されるような危険性があれば、問題になるはずだと思います。今それを有効に規制する国際
条約
というものはございません。したがって、
アメリカ
といたしましては、自国の安全も守らなければいかぬわけでございますから、今
アメリカ
がとっておる内部規則というものは、
安全性
を十分考慮して規制されておるものと、私
ども
は
信頼
するわけでございますが、なおそれで、そういう内部の規制で魚介その他に安全かどうかというような点につきましては、それはなお検討してみます。が、私はそのように考えておるわけでございます。きのう出しました
資料
は、冒頭に私が申し上げましたように、われわれの主観を何ら交えてないわけでございまして、こうなっておる、こういう答えがあったということをそのまま申し上げておるわけでございます。そういう点につきまして、
岡田
先生の疑点が取れないというのでございますれば、なお検討してみます。
岡田宗司君(岡田宗司)
76
○
岡田宗司
君 これらは、
アメリカ
のほうの
説明
なり、公表された
資料
なりをまとめて出されたものであって、
日本
側の主観を交えてないということですと、これをそのまま
承認
するということではないわけですね。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
77
○
国務大臣
(
大平正芳
君) それは、
国会
からの御要求がございましたので、これまでに入手し得たものをそのまま出したわけでございまして、客観的な
資料
としてごらんいただいて、疑点がございますれば御論議いただくことはちっとも差しつかえないわけでございます。
政府
がファイナリーに問題を、これだからこうするんだと、そういうものではございません。
岡田宗司君(岡田宗司)
78
○
岡田宗司
君 私
ども
には、この
資料
に、この
中間報告
に盛られておる技術的な点について、私も技術者じゃないからよくわかりません。たとえば制御棒を少なくする問題について、まあ一般の
原子力
科学者は、制御棒を少なくするということはなかなか危険があるんだと言っておるが、
アメリカ側
はリコーバー中将が、技術の進歩によって制御棒を少なくしていいんだ、こういうようなことを言っています。私
ども
どちらがいいのかよくわかりませんけれ
ども
、しかし、われわれはやはり優秀な
原子力
科学者を
日本
に持っております。こういう点について、なお
日本
の
原子力
科学者の検討も私は必要と思うのであります。 それから、今言ったいろいろな廃棄物がございますが、これを十二海里以内あるいは以外においてどうするかという問題がこまかく
説明
されておりますが、これらの問題につきましても、私はなお
日本
の
原子力
科学者等の十分なる検討を要する問題を含んでおると思います。さらに他の点についてもそうでございますが、これらの点について、
大平外務大臣
は前々から、
アメリカ
に回答を発する前には、
原子力
委員会
なり
原子力
科学者の意向を聞くということを再三言われておりますが、この
中間発表
をなさるにあたって得ました
アメリカ側
の
資料
あるいは
アメリカ側
の
説明
なりを、
外務省
は、
先ほど
から
外務省
にはまあこういう専門家がおらないというようなお話でございますから、これらについて
原子力
委員会
なり、特に
安全性
の問題については
原子力
委員会
がこれは管掌するところでありますが、それらの
意見
を聞く、あるいは
原子力
科学者の
意見
を聞くということをなさいますかどうか、その点をお伺いします。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
79
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 仰せを待つまでもなく、
原子力
委員会
とは緊密な連絡をとりまして、
照会
を発するにあたりましても、お打ち合わせをいたしておりますし、結果につきましては御検討をいただいているわけでございまして、今後も、こういうことをそういうことでやっていくことは、当然、私
ども
専門家じゃないのでございますから、当然だと、こう思います。
理事(井上清一君)(井上清一)
80
○
理事
(
井上清一
君)
岡田
委員
、ちょっと申し上げますが、実はきょう
外務大臣
は外交用務のため十二時までというお約束でございます。
あと
曾祢
委員
からも、野坂
委員
からも若干の
質疑
をいたしたいというお話でございますので、たいへん恐縮でございますが、もうしばらくでひとつお願いします。
岡田宗司君(岡田宗司)
81
○
岡田宗司
君 では、私
ども
としてはこの
中間発表
を絶対としてどうも認めがたいし、また、われわれとしては、これを
承認
して
原子力潜水艦
の
寄港
に
賛成
するという態度はとれません。私
ども
は、どうも
核戦略
の
基地
にはしないまでも、将来
核装備
を
日本
に持ち込むということの可能性が、あらゆる面から検討して考えられる。その際に
日本
の
政府
はそれに抗し切れるかどうかという点についても、私
ども
は従来の
政府
のとった態度、あるいは
アメリカ
の圧力、そういうものからいいまして信用はできない。遺憾ではございますけれ
ども
、信用はできない。そこで私
ども
は、やはり
国民
の不安、
国民
の危惧というものを十分に検討し、そうしてこれらのいろいろな
意味
での危険性のある
原子力潜水艦
の
日本
寄港
には反対しなければならぬという
立場
を申し上げておきまして、そうしてここで私の質問は終わっておきます。
理事(井上清一君)(井上清一)
82
○
理事
(
井上清一
君) 曾祢君。
曾祢益君(曾禰益)
83
○曾祢益君 簡単に二点にわたってお伺いをしたい。 第一は、問題の根本の一つは、やはりいわば
原子炉
が海の中にやってくるようなもので、非常に
原子炉
を持ったいわゆる
原子力潜水艦
という、その
原子炉
の
安全性
の問題については、いろいろ
軍事
的な制約はあるにしても、これはよほど慎重でなければならぬ問題だと思うわけです。まあ
アメリカ
の言っていることは必ずしも信用できない、
日本
の科学者が全部
実験
しなければ、これは
日本
の
国民
の安全を必ず脅かすというふうに断定してかかるのはちょっとどうかと思いますけれ
ども
、逆に言うならば、やはり
軍事
的な目的のためには
安全性
というものは相当犠牲にされているという可能性は当然にあり得るわけなんです。それらの点について、炉の
安全性
についてのほんとうの確証が得られるのかどうか。 それからもう一つは、廃棄物その他の汚染の危険ですね。それから
岡田
君の言われた点は、ほんとうは領海外の問題、ほんとうは公海におけるこういったような
原子力
船なんかの全体の汚染が沿岸国にいかなる影響を及ぼすかという、さらに広範な問題だとは思いますけれ
ども
、これがちょうど
寄港
問題と関連してきた以上は、やはり沿岸国の権利として、はたして十二海里以上外に出たら勝手なことをしていいんだというような印象を与えてはいかんと思うのです。そういったような領海外においても、公海における最小限度安全はどの程度を要求するか、いろいろなその
安全性
の問題についてやはり突きとめるべきものははっきり突きとめていただきたいと思います。そういう
意味
では、まあ
政府
が
中間発表
を出されたのですけれ
ども
、伺うところによると、官房長官は、
スレッシャー号
のいろいろ沈没の原因等に関する調査が終わるまで
アメリカ
に返事をしないように言っておりますが、これも考えてみると、ちょっと
外務大臣
の態度から見るとおかしいようにも思います。それほど
アメリカ
に信用があるのならば、
スレッシャー号
とは特に関係はない、あるいは潜水
実験
をやったのであるから、
日本
における
アメリカ
の
原子力潜水艦
の
日本
寄港
の安全問題とは関係ないように言っておられます。それならなぜ
スレッシャー号
の沈没の原因、つまりそういう場合の結局
原子炉
としての耐久性と言うか、その問題にやはり関連を持ってお考えではないかと思うのですが、そういうことを考えてみても、まだまだ
中間発表
だけで、これで十分に満足すべきものとは思っておられない。そこで、これからその
安全性
の問題について
アメリカ
とどういうふうに折衝をしていかれるのか。それから、最後には
軍事
秘密の壁というものにぶっつかる。そういう場合には、せめて
日本
側として可能な限りの
原子炉
に関する知識を十分に使いまして、その客観的な検討の上に、ただ向こうを
信頼
するというだけでなくて、やはり学者の見地からいって、これは
アメリカ
の言っていることを、ここまではアローアンスとしてそのくらいは安全度を認めていいじゃないかというような、相当科学的な根拠のある
安全性
の問題を
日本
みずからが決定されるおつもりであるか、その点について
外務大臣
から伺いたい。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
84
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
先ほど
もお答えいたしましたように、
原子力
委員会
を初めといたしまして、専門家の御
意見
を十分
安全性
の見地から聴取いたしまして、
照会
をし、
照会
の結果は御検討いただくようにいたしておりますし、今後もそのようにやっていくつもりでございまして、私
ども
は、
最大限
安全性
につきまして御
意見
をいただくように
努力
いたすべきものと心得ております。
曾祢益君(曾禰益)
85
○曾祢益君 官房長官の、きのうですか、新聞に言われた、
スレッシャー号
の調査がまあ完了するまで、という言葉を使ったか、わかるまでですね、最終的に
アメリカ
に返事をせぬ、これはそのとおりなんですか。その点はどういうあれなんですか。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
86
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
スレッシャー号
の沈没
事故
というのは、ただいま申し上げますように、
アメリカ
の
国内
で調査
委員会
が設けられまして検討調査を始めているわけでございます。私も本
委員会
でも申し上げたとおり、この調査が全部完了いたしましてから、それからというようには考えていない。私
ども
が科学者の助けを得まして、
日本
の
寄港
を認めても
安全性
についての危惧はないのだという目安がつきますれば、私は
寄港
して差しつかえないと思っておるのでございまして、黒金君がおっしゃったと称することは、打ち合わしておりませんけれ
ども
、全部の調査が終了してというふうに私は了解いたしておりません。
曾祢益君(曾禰益)
87
○曾祢益君 その点はちょっと食い違いがあるようですけれ
ども
、
外務大臣
のお言葉を
政府
の
発言
として伺うと、
スレッシャー号
の調査の結果を必ずしも待たずとも、
アメリカ
との交渉等によってその前に回答することがある。こういうことですね。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
88
○
国務大臣
(
大平正芳
君) さようでございます。
曾祢益君(曾禰益)
89
○曾祢益君 もう一点だけ。これは
岡田
委員
が提起されたいわゆる
核戦略
との関連なんですが、これは言うまでもなく、私
ども
は、並びに
岡田
委員
もそうでしょうけれ
ども
、いわゆる
ポラリス
型でないものを直ちに
核兵器
だとは言ってないと思うのです。ただ、一般大衆は、それはメーデーのスローガンをごらんになってもわかりますけれ
ども
、
ポラリス潜水艦
絶対反対なんて書いてわからぬですからね。どこから
ポラリス
で、どこから
ノーチラス
かということは、これは
外務委員会
レベルにおける議論なんです。したがって、非常に
核兵器
、いわゆるさっき一応定義をされたような
核兵器
の
潜水艦
が入ってくるのだというふうに大衆はインプレッションを与えられているわけです。そういう点は、よほどやっぱり事実問題としてこれは考慮しまして、そこでこの前も私は
F1
05の問題で当
委員会
で申し上げたのは、そういったような
国民
と
政府
との問の
信頼
感の欠除、それから
国民
の一部には、
アメリカ
即敵であるといった誤った見方の人も中にはおる。
アメリカ
の言うことは信用できない。そういう宣伝が行なわれておる。したがって、非常に大切なことは、さっきのみならず、従来から
政府
の言っておられる
核兵器
の
持ち込み
については、要するに、現在の
安保条約
第六条に基づく
事前協議
があって、それで食いとめられる。しかも、その場合に拒否権があるかないかという議論があったけれ
ども
、その点については、岸・アイク共同コミュニケで、
日本政府
の意思を尊重するということになっている。したがって、持ち込むことはない。
サブロック
が
核兵器
であるか、
サブロック
が装置されているか、今後されるかは別として、一般論として
政府
はそう
答弁
をされているわけです。私もその場合に、
アメリカ
の言っていることを絶対に信用しないとか、
アメリカ
は悪意を持ってこっそり夕べに一城と言うか、というようにして既成事実を作ろうという意図を持っているとは思いません。また、偏見を持たない
日本国民
は、そうは考えておらない。ただ問題は、
政府
の言っていることは舌らずで、法律論で逃げている。つまり三段論法をやっている。絶対大丈夫だ、何となれば、その第一に
事前協議
がある、第二に
事前協議
をやった場合に、
日本政府
の意向を尊重する、ゆえに、いかなる
サブロック
であろうが、それから今度は従来の
ノーチラス
であろうが、
ポラリス
であろうが、そういう場合にお断わりする。それからさらに
外務大臣
は、
アメリカ側
もその点を
承知
している、
アメリカ側
も
日本
に
核兵器
を持ち込もうとは思っておらない、こう言っておられる。それならば、疑惑を一掃するために、
アメリカ
のポリシーとして、
日本
にいわゆる
核兵器
は持ち込む意向はありませんということを、従来の
安保条約
なり、あるいは岸・アイク共同声明を引用しながらでいいです
——
新たなことを言うのではないのですから
——
そういう形で、今伝えられるところによれば、少なくとも
F1
05ばかりでなく、この
原子力潜水艦
の問題については、
日本政府
として
アメリカ政府
との間に何らかの
意味
の、約束でないかもしれませんけれ
ども
、書簡交換か何かで言われることもお考えのようでありますが、そこの詳細は聞きませんけれ
ども
、もしそういうふうにおやりになるなら、なぜ、この間私が申し上げたようなハイ・レベルの
立場
からこの機会に誤解を一掃する
意味
において、すでに
条約
の仕組みとしては、
日本政府
の意思に反して
核兵器
を持ち込むつもりはない、それから
日本政府
のポリシーとしても、
核兵器
はお断わりすることになっているのですけれ
ども
、この点を確認した上で、
アメリカ
も
日本
に
核兵器
を持ち込むつもりはないということを言ったほうが非常にプラスだと思います。言うことを何も信用しないのではなくて、今の仕組みからいえば、そのことを相談することになっている。その場合に、
日本
の意思を無視しないで尊重すると言っているのですから、
日本
が拒否し得るという
立場
にあることは事実です。だけど、そんなやぼなことを言わずに、
日本
の
政府
及び
国民
の意思を尊重するというポリシーであろうと思うのですね。だとするならば、どだい
アメリカ
がそういうものは持ち込むつもりはないのだということをこの際言ってもらって
——
もらってという言葉はいけないかもしれませんが、言って、この際不安を一掃することが政治的にベターであることは変わらない。決してそのことは同盟国を疑うとか、疑惑を広げるということにはならない。むしろ疑惑の一掃になる、こう思うので、その点についてぜひひとつ御考慮をわずらわしたいと思います。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
90
○
国務大臣
(
大平正芳
君)
核兵器
の
日本
への
持ち込み
を考えていないということは、
日米
間、われわれの間の常識になっておるのでございまして、特に取り立てて、だから一札書くかというのもいかがと思いまして、
先ほど
も
岡田
先生、
羽生
先生の御質問に答えたわけでございますが、しかし、今曾祢
委員
の言われる、
国内
の不安解消の手段といたしましてそういうことがあったほうがベターじゃないかというサゼスチョンが今あったわけでございます。とくとひとつ考慮さしていただきます。
野坂参三君(野坂參三)
91
○野坂参三君 きょうの
説明
の冒頭で
外務大臣
が、
アメリカ
の新しい
戦略
体制の一環として、今われわれ論議している問題とは考えない、こういうことをはっきり言われたと思うのです。この問題は御存じのように、すでにこの前の
委員会
、もう一つ前の
委員会
でも、社会党の諸君や私たちのほうからも論議されて、いわば水かけ論みたいになったと思うのですが、その点がやはり一番根本で、これが
日本
の
国民
が非常に不安を持っている点じゃないかと思うのです。きょうはもう時間がなくなりましたので、この問題については、別に私少しこまかくお聞きしたいと思うのです。まず常識的に考えましても、
アメリカ
の
軍事
指導者などは、はっきりと、新しい
原子力潜水艦
のあの核武装によって今までの
戦略
とは違った体制をとり始めているということは言っておりますし、現実には、前にも申しましたように、また、みなよく御存じのように、ヨーロッパでも地中海でも、あるいは将来印度洋上においても、こういうふうな体制は作られていく。
日本
の周囲を見ましても、小笠原や沖繩でもそういうような事態になってきている。
日本
だけが除外されるということはわれわれはだれも考えていないし、こういう問題について私はもっと具体的に真剣に考慮する必要がありはしないかと思うのですが、そういうことから出発しますと、今度の
ノーチラス
型といわれる
潜水艦
が入ることについてなぜわれわれが不安に思い、
国民
の多数が不安に思っているかということは、根本はそこにあると思うのですね。きょうはこれについては私はこれ以上深く入らないと思いますけれ
ども
、ひとつこうして
国会
の中でも繰り返し繰り返し論議され、また、
国会
の外でも大きな問題になっている。それにもかかわらず、なぜ
政府
がここの
文書
にありますように一、二カ月に一回とか、その
寄港
の場合には一週間の休養を云々と、これをあえて承諾しようとされているのかどうかという問題、なぜそんなに、科学者の千人以上のものが反対し、
国民
の多数が繰り返し繰り返しデモをもって反対している。それにもかかわらず、どうしてこういうことを許さなければならないのか。これは納得いかないと思うのです。そこには奥にもう一つ問題があるのじゃないだろうか、こういう疑惑をみんな持っておると思うのですが、これについて
外務大臣
お答え願いたいと思うのです。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
92
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 野坂先生も問題を一般化される傾向が見受けられますが、(笑声)私のほうといたしましては、ざっくばらんに申し上げておるわけでございまして、
原子力
が
推進力
の
潜水艦
にすぎませんということで、それをすなおに御
理解
いただければいいわけなんでございますが、
先ほど
曾祢先生からも御指摘がございましたように、
国民
の皆様が
原子力
科学に精通しているわけじゃないし、
原子力
船の構造について批判力があられるわけじゃないと思うのでございます。われわれ
政府
があらゆる頭脳を動員いたしまして、可能な限り、御心配は要らぬものだということを正直に御
理解
いただくように
努力
すれば、私は御
理解
いただけると思うのでございます。問題は、
政府
に対する
信頼
でございまして、初めから御反対で、
政府
の
説明
のいかんによっては了承してやろうという御寛容な気持でなくて、もう初めから反対にきめておられる方、そういう方々には、私
ども
幾ら
努力
いたしましても、あるいは御了解いただけないかもしれないと私はおそれております。
野坂参三君(野坂參三)
93
○野坂参三君 これは
立場
が違うとかいう問題ではなくて、現実の不安、危険というものについて、あのりっぱな学者諸君もああした態度をとっておられますし、決して共産党とか社会党とかの問題じゃないと思うのですね。だから、私はきょうは時間ありませんから、これ以上お聞きしません。別の機会に譲りたいと思います。 一、二この
文書
に関連して、これは私たちのお願いであり
要請
だと思いますけれ
ども
、十一ページに、十三カ国の三十港に百回以上という
事故
があったが、これに対しての放射能汚染の
事故
もなかった、こういうようなことが書かれておりますけれ
ども
、百回以上の
事故
があった、この
事故
の性質についての
資料
を提供していただきたいと思います。ここでは、
寄港
があって汚染はなかったと言われていますけれ
ども
、
事故
が幾らあったかということと
事故
の性格ですね。(「
事故
もなかったと書いてある」と呼ぶ者あり)しかし、この点が、百回以上
寄港
したけれ
ども
汚染がなかったと言うが、一般には
事故
があったことは発表されておりますし、
スレッシャー号
もありますし、そのほかたくさんあると思うのです。
事故
があって汚染はなかったけれ
ども
、しかし、この
事故
はどういう原因でどういう事態であったか、性格、これをやっぱりわれわれは知る必要があると思うのです。この点をひとつ。 それから、この
文書
は
外務省
で中間的に取りまとめたもので、「概ね」云々とありますが、われわれとしては原文を見たいですね。これを発表されたときに、私たち実は意外に感じたのです、こういう形で発表されたので、一体、往復
文書
の原文はどういうふうになっておるか、これをわれわれは知る必要があると思うのです。これを一つお願いしたいと思います。 私はきょうはこれで、これ以上
発言
はしません。
岡田宗司君(岡田宗司)
94
○
岡田宗司
君 今、野坂
委員
のほうから
事故
の問題についてのお話がありました。なるほど放射能汚染の
事故
はなかったかもしれません。しかし他の
事故
はずいぶん起こっているのです。たとえば三十四年の十月五日には
原子力潜水艦
C・ドラゴン号が鯨と衝突して推進機を破壊されたとか、三十五年六月十四日に原潜サーゴ号がハワイ停泊中に火災を起こして核
事故
への拡大が懸念された。そういうこともあった。あるいは三十六年十月三十一日原潜トライトン号のボイラーのパイプが破れて火災
事故
に発展したとか、ほかにもたくさんあるのですね、もう読みませんけれ
ども
、したがって、全然
事故
がなかったということはないのです。これらの点はやはり
原子炉
の
事故
がなくてもかなり不安を与えている点にもなろうかと思うので、それらをひとつあなた方のほうで十分調べて出していただきたいと思うのです。 それから第二にお願いしたいことは、私
ども
どうも
原子力
の点にはたいへん弱いのです。ところが、どうも
外務省
のほうもお強いようには思われないので、したがって、
アメリカ側
が安全だと言うから安全でございますというのでは、私
ども
どうも納得がいきません。そこでこの
委員会
に
原子力
委員会
並びに
日本
の
原子力
科学者に参考人として来ていただきまして、そしてこの問題について、
原子力
を取り扱う専門家としての
立場
から、これらの点についての
意見
を私
ども
に聞かしてもらって参考にしたいと思いますので、そのお取り計らいを願いたいと思います。
理事(井上清一君)(井上清一)
95
○
理事
(
井上清一
君) ただいま
岡田
委員
からの御
発言
で、
原子力
の専門家を本
委員会
に招致してほしいというお話がございましたが、本件については
理事
会でとくと御相談をいたしまして、結論を得たいと、かように存じます。
森元治郎君(森元治郎)
96
○森元治郎君 締めくくりだ。(笑声)結論は、まず、
原子力潜水艦
の
寄港
は認めるという方針は変えないのか。また、こうやってこのような
報告
を聞き、
国会
や学界、あるいは世論、そういうものの反応を見て、非常に反対がある。自民党の中でも、裏のほうでは、表面ではそんなことを言っちゃたいへんだから……裏のほうじゃ困ると言う人もあるだろう。そういうのを見たらやめるというのか。根本を、締めくくりとして伺いたい。 もう一つは、もうすでにオーケーをおっしゃったのだろうと思うのですが、どんなものですか。
日本
に補給のために寄らせたいと言ったときに、大臣は、一応考えてみようと言ったのですか。御趣旨はわかるぐらいのことは言ったと思うのだが、その問はどうなのか。もう一つ悪口言っておけば、この間の外相談話というのは、裏の人が書いたのだろうか、選挙の立会演説会でしゃべるような原稿ですね。
日本
だけがあぶない、あぶないと言っている。西洋を見ろ。アジアの諸国だってだれも言ってないじゃないか。西洋は、全部憲法によって軍備を持って、戦争をやる気がまえだから、手を切る刀を持っているわけです。刀を持っていなければ、手は切られんのだから、あぶなくても持つはずだ。アジアなんか、頭が弱くて、何がわかりますか。
原子力
は、失礼だけれ
ども
後進国ですよ、科学的には。こんなものを例に出して、これがわからない
日本
人かと、非常に高飛車ですよ。これは時間がないから、これで後日に譲ります。
国務大臣(大平正芳君)(大平正芳)
97
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 私
ども
は、この問題は
賛成
するとか反対するとかいう問題じゃないです。私
ども
は拒否できる
立場
にないということは、森
委員
も重々御
承知
のとおりでございまして、しかし、政治上の問題、事実問題といたしまして
国民
が不安を感じておられるから、それについて
最大限
の
努力
をいたしまして、不安をできれば解消いたしたいということで
努力
いたしているわけでございます。 それから、第二点として、これの申し入れを受けたときに、何かお約束めいたことをしているのじゃないかというようなお言葉でございましたが、そういうことはございません。とくと考慮してみましょうということでございます。 第三点として、私の談話に対するコメントがございましたが、私
ども
は事実をそのまま申し上げたにすぎないわけでございます。
理事(井上清一君)(井上清一)
98
○
理事
(
井上清一
君) ほかに御
質疑
もないようでございますから、本件につきましては、本日はこの程度でとどめ、これにて散会いたします。 午後雰時二十四分散会