○岡三郎君 今力強い言葉を聞いて、ぼつぼつ
観光基本法通してもいいなという気持を持ったのですがね。しかし言葉だけではどうもあれですから、まあ先ほど政治力があるという話ですが、結局今までずいぶん指摘されていて、しかも置き去りになっているのは、私はその問題だと思うのです。この
基本法を見ても、家族旅行その他の
観光旅行と書いてあるが、先ほど
局長が言ったように、二千二百万人も年間に、往来している。この問題を抜きにして
観光業務はないのじゃないかというくらい極言したいわけなんです。そこで、この問題について実際的に
一体じゃ何をするのかという問題について、まず国鉄のダイヤの問題についても、私一ぺん国鉄へ行って頼んだことがあるのですが、最近においてまあ前よりも
かなりよくなっておるのでありますけれ
ども、修学旅行の指定車というものもできておりますが、しかしあれができた
ためにかえって逆に差別待遇のような形がまた出てきたわけですね。ある特定地域の者は乗れるけれ
ども、それからはずれた者は乗れない、こういう形で、あるいは指定列車の増強というか、そういう点について強く言われてきたわけなんですが、そのときには、今の新東海道線、これが完成した暁においては何とかその方法があるのだが、現状においては通勤列車を何とか省かなければならないようなダイヤの組み方になってしまうのでそれはできないということのお話であったのですが、まず輸送の問題をやはり根本的にひとつ新東海道線の観点とあわせて抜本的にやってもらいたい。
それからもう
一つは、旅館の問題ですがね。旅館の問題についても、まあ今東京においては、上野とか、本郷とか、適所に適当に宿泊さして、何か問題が起こるというとぐっと大きくクローズアップされてくるが、そうでないとそのまま放置されているのが現状だと思うのです。こういう点について、まず、これも少し抜本的にやるとたいへんな金になると思うのですけれ
ども、計画的にやはり宿舎というものを中心にしてひとつ対策というものをお考え願いたい。これは泊まる場所によっては、夜間の外出ということがあります。そうするというと、高等学校程度になり、あるいは中学の三年になるというと、やはりともすると旅行によって風紀が乱れるということも多いと思う。そういうふうな点で、宿舎の位置というものも相当に考えてもらわなければならぬし、それからそれに伴う
施設というものも、完全でなくとも、現状よりやはり前進したものにしてもらいたいということが次にあるわけです。
それからもう一点は、各地において、大体東京からいえば、京都、大阪あるいは奈良、こういうふうなところで、また関西から来ると東京を中心にした
観光地に行くわけですが、こういう点についての指導の面についても、やはりダイヤその他の組み方についても、相当錯綜してきて、なかなか問題があると思うんですが、こういう点についてもいろいろ
検討している団体もあるので、やはりそういうふうな団体の今までの
検討された面についても十分参考にされて、りっぱな修学旅行計画というものが立てられるような
方向に行ってもらいたいと思うんです。
それにあわせて私二つ三つ聞きたいんですが、今のは要望なんですが、先ほど、抜本的にやる場合には、この
法律を作る
ために、大蔵省が反対した
——これはやはり財政の問題があると思う。この
資料を見るというと、ホテル、旅館に対する開発銀行の融資とか、あるいは
国際観光協会あるいは日本
観光協会に対する補助とか、こういうことになっておりますが、先ほど河野さんが言ったように、
一体どの程度の金でどういうふうに考えているのか。まあ
観光局長が言ったこともわかるんですが、オリンピックを控えて、やはり当面は外来客の問題について精力的にやらなければならぬという点もわかるし、それに伴うところの宿舎
施設その他もわかるけれ
ども、構想として、今の修学旅行等の大きな問題を含めて、どういうふうな程度の構想のもとに、どの程度の金が要るのか、そういうふうな点についてのもしもお話があったらば、お聞かせを願いたいし、逆に言うと、大蔵省のほうで、こういう
基本法が通った場合に、農業
基本法が通ったあとの農業改善
事業等のように、具体的にどういう面等に金を入れてやっていくのか、こういう施策というものも当然裏表になって今後出てくるんじゃないかというふうに考えるわけです。そうでないと、これは
意味はないと思うんです、単なるスローガンで。そういう点で、今まで話があった点について、どういうふうなことを構想として持っておるのか、裏づけとしての財政としてどういうふうに考えておるのか、これはなかなか今言えないと思うんですけれ
ども、大体の構想があったならばお話を願いたいと思いますがね。