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1963-05-30 第43回国会 参議院 運輸委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年五月三十日(木曜日)    午後一時三十七分開会     —————————————    委員の異動  五月三十日   辞任      補欠選任    前田佳都男君  後藤 義隆君     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     金丸 冨夫君    理事            天埜 良吉君            谷口 慶吉君            岡  三郎君    委員            江藤  智君            河野 謙三君            後藤 義隆君            野上  進君            平島 敏夫君            村松 久義君            相澤 重明君            小酒井義男君            吉田忠三郎君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君    運 輸 大 臣 綾部健太郎君   政府委員    運輸大臣官房長 広瀬 眞一君    運輸省海運局長 辻  章男君    運輸省船舶局長 藤野  淳君    運輸省船員局長 若狭 得治君    運輸省港湾局長 比田  正君    労働省職業訓練    局長      村上 茂利君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    通商産業省重工    業局重工業品輸    出課長     山下 英明君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○海運業再建整備に関する臨時措置  法案内閣提出衆議院送付) ○外航船舶建造融資利子補給及び損失  補償法及び日本開発銀行に関する外  航船舶建造融資利子補給臨時措置法  の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 金丸冨夫

    委員長金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。  本日付をもって委員前田佳都男君が辞任され、その補欠として後藤義隆君が委員に選任せられました。     —————————————
  3. 金丸冨夫

    委員長金丸冨夫君) 海運業再建整備に関する臨時措置法案外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置及の一部を改正する法律案、以上二案を便宜一括議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。
  4. 相澤重明

    相澤重明君 きょうは、通産関係労働関係を含んで私は質問をしたいと思うのです。最初に運輸大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、運輸省が今回の海運関係法律を出すについて検討をいたされた中で、現在のような港湾施設では仕方がない、したがって、これを早急に改善をして、国際競争力に前向きの姿勢になれるように政府考えていただくということで、運輸省として相談をし、さらに閣議においてそういう港湾経費等値上げをするという考えのもとに討議がされた、こういうふうに私は承っているのですが、現状はどういうふうになっているのか、ひとつ運輸大臣からお答えをいただきたいと思います。
  5. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 港湾のいろいろな労務賃値上げにつきましては、閣議でいまだ討議されたことはございません。
  6. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、私のお尋ねしたいと思うのは、運輸省港湾関係の諸施設について改善をするということを内定をして、しかしこれについては経済閣僚懇談会相談をすると、こういう話が出ておったと私は思うんです。私は、従来から、経済閣僚懇談会の中には運輸大臣は当然入るべきだという意見を本委員会で何回も何回も主張しておったわけです。したがって、新聞によれば、きょう午前九時から経済閣僚懇談会を開くと、こういうふうに出ておるわけですね。そういう報道をされておるのに、運輸大臣が、少なくとも港湾施設の諸問題が出されておるのに、閣僚として出席をしたのかしないのかということは、私はやはり聞いておきたいわけです。その点についてはどうなったか。もし御出席になって、そしてそれらの問題に取り組んだならば、どういうふうなことが経済閣僚懇談会として述べられたのか、大臣の御答弁をいただきたいと思う。
  7. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 先ほど申し上げましたのは、いわゆる閣議で出なかったのでございまして、経済閣僚懇談会には毎回出席しております。しこうして、本日は、経済閣僚懇談会といたしましては、主とした議題物価の抑制に関することでございます。それから月例の経済状況の報告と、それから今後の自由化に伴ういわゆる外貨の問題につきまして、大蔵大臣からいろいろな——まあ当然のことですが、たとえば日航機を海外に行くのに利用する、それからなるべく国産品を使うとか、あるいは輸出振興を第一目標として諸経済施策を進めていくとか等々でございまして、港湾荷役に関する、いわゆる港湾労務に関する問題は議題にはなりませんでした。相澤先生のおっしゃる、閣議でそういう話が出なかったかというのは、閣議でございまして、経済閣僚懇談会はそういう話は今回は出ませんでしたが、おそらく出ると思いますが、そういうことを私は申し上げたわけで、経済閣僚懇談会は毎回私は出ております。
  8. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、けさも私は実は総理大臣の部屋の前で田中大蔵大臣とちょっと会ったんですが、きょうの閣僚懇談会にはどなたが御出席になったんですか。
  9. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 大体常連のメンバーで、宮澤企画庁長官だけが忌引でありますので出ませんでした。あとは総理大臣農林大臣運輸大臣通産大臣大蔵大臣労働大臣官房長官等が出ました。
  10. 相澤重明

    相澤重明君 その中で港湾荷役料等については話が出なかったという先ほどの御答弁だったですね。それは、話が出なかったということなのか、慎重論にということだったのか、その辺はどうなんですか。全然話は出さなかった、こういうことですか。
  11. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 全然話は出ませんでした。
  12. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、私はやはり、政府経済閣僚懇談会が、少なくともこれらの物価の問題と国際収支改善の問題に関して、そうして、港湾荷役料の問題を初め、ブイの係留の問題、あるいはトン税特別トン税と、この運輸委員会にとっても大きい問題がたくさんあるんですよ。そういう問題が話が出ないで、今の国産品の奨励の話だとか、日航機がどうだとかいう話だけだというと、何かせっかくのいい機会が私は少ししりつぼみになったような気がするんですが、そういう準備は事務当局が今まで進めてきたと思うのですが、そういうことはあなた自身が閣僚懇談会には出すべきではないのでしょうか、これはどうなんですか。閣僚懇談会というのは、自由な意思表明はできるのでしょう。それはどうなんですか。
  13. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) ブイ使用料、それからはしけの使用料、それから灯台税、それから船舶不動産税特別トン税に変更してそうして外貨の増収をはかるという問題は出ましたが、労務に関する問題につきましては出なかったということでございまして、それ以外の問題につきましては出ました。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 これは、そうなると、事務当局の疎漏かな。とにかく労賃の問題というのは人件費の問題のことをさしておると思うのですが、この前も当委員会で問題になったのは、船舶利子補給をするけれども海上企業全体についてできるだけ前向きの姿勢をとっていこうというのが今回のことだから、したがって、管理部門費においても、あるいは作業費においても、この荷役料というものを無規するわけにはいかぬと、こういう点の話も私は聞いたと思うのですよ。だから、そういう中で、当然また運輸省事務当局としても、今回のいわゆる荷役料金というものも含んで検討をされておらなければ、港湾関係についての改善というものについては、私はこれはなかなかむずかしいだろうと、ただし、それじゃ直ちに公水料金の料率を改定するとかしないとかいうことについては、それは慎重な話があるだろう、それは私はそういうふうに受け取れるのだが、そういう問題を検討されておったのではないか、こう私は思うのですが、それが、今お話を承っておるというと、あなたは不動産と言われたが、固定資産税の問題やら、あるいはトン税等にどういうものを充てるか、あるいは幾ら上積みするか、こういうことについて話が出たときには、当然出べきものがなぜ出なかったかということについてちょっと疑問になったわけです。それはなぜかというと、すでに二十九日でしたか、運輸省が、そういう港湾経費値上げということで、事務当局がそういう問題を全部洗って実は出しておるわけだ。出しておるから、当然閣僚懇談会の際にはそういうことを出されなければならぬと私は思う。ただし、大蔵大臣財政支出あるいは国際収支の面でどういうふうに、あるいは宮澤経済企画庁長官がどう出られるかは別ですよ。だけれども、あなたは当然、いわゆる港湾のこの重要な問題については、外航船舶利子補給提案をしておる以上、そういう関連のものについては当然出さなければならぬと私は思うのです。だから、きょうの——三十日の経済閣僚懇談会は九時から開くのだから、その際には必ず提案をされるだろう、ただし、その提案をされても、直ちにそれが実施とかどうとかいうことではないけれども、少なくともそういう全般的な問題を含まなければ私は前向きなことにはならぬと、こう見ておる。またそういうふうに作業が進んでおると思っておるから、あなたに聞いたわけです。その点は、じゃあなたには全然事務当局は言ってなかったわけですね。それは聞いてないですか。おかしい。
  15. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 全般に問題を提起する段取りには、本日の経済閣僚懇談会はなっておりませんでした。
  16. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、じゃひとつしぼって聞いておきましょうか。今大臣お話しになりました、麦のたとえば積み込みの問題ですね。これは、いわゆる不経済船あるいは高価船等対策について、船舶所有者としても、そういう問題に非常に頭を悩ましておる。ところが、きょうの今の大臣お話では、じゃそういうことも出たのですね。
  17. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) それは出ました。それで、まだまだ事務当局段階において検討すべきことがたくさんあるから、事務当局でもう少ししぼろうじゃないかという結論になりました。私は提案といたしましこは、できることなら農林省がそういう不経済船小麦輸入のために一括用船してくれるということを希望するということを閣議で発言いたしました。それにつきまして、農林大臣から、用船というわけにはいかないが、何とか不経済船を、少くともタンカーの不経済船小麦運搬用その他に改装するように、今事務当局にあらゆる面から検討させておるということで、経済閣僚懇談会はその点についてはそれだけの話でありました。
  18. 相澤重明

    相澤重明君 今の運輸大臣の不経済タンカー船改造について、麦のバラ積みについて、できれば政府としてはそういう方向で進みたい、こういうお話があったようですが、それはあなたが御提案されたのですか。
  19. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) そのとおりでございます。
  20. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、運輸大臣はどういう構想において、このタンカー、いわゆる不経済船といわれるタンカー船改造してそして輸入食糧を積み込ませる、こういうようなお考えになったのか、それを少し、非常に重要な問題なのだから、私はこれは聞いておかなければならないと思う。少し詳しく説明して下さい。
  21. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 私は大方針を海運当局に命じて、そうするためにぜひやれということで海運当局に命じて、詳細な交渉は、農林当局企画庁、大蔵省四者の事務当局が目下検討中でございます。概括的に申しまして、そういういろいろな問題が、結論において私はそういう不経済タンカー農林省が用船してくれることが一番望ましいということを言ったのであります。詳細の交渉の経過は、海運局長説明いたさせます。
  22. 辻章男

    政府委員辻章男君) この問題は、昨年来海運関係者輸入食糧を扱っております貿易商社との間でいろいろと討議されておったわけでございますが、御指摘がございましたように、今スタンダードのいわゆる不経済船となりましたタンカー利用としては、非常にいい利用の方法ではないか、そういうことで、私どものほうでも、大臣からお話がありましたように、検討を命ぜられまして、関係省意向も打診しつつ、いろいろ検討しておる次第でございます。結局、現在小麦輸送に当たっておりますのは、一万三千トンくらいの船でございます。スタンダードタンカーですと、約二万トンでございます。相当船型としては大きくなりますから、これで大量に貨物を運べばそれだけ安くやり得るのではないかということで、いろいろ検討しておるということでございます。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 今の説明では、運輸大臣から検討を命ぜられて、事務当局検討した結果、スタンダードで二万トン級を改造したらどうか、こういうことをきめた、そういう提案をされるということになっておるのですが、そういう船は何隻くらいで、どういう計画考えておるのか、いま少し説明してもらいたい。
  24. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、政府のほうが積極的にそういう問題を全然話し合いがないものを取り上げたのではございませんで、昨年来すでに海運関係者輸入食糧な取り扱っておりまする貿易商社の間で話し合いがあったわけでございます。その問題は、私のほうから申しますれば、不経済船有効利用、そういう見地から検討をしておるということでございます。今そういう船が何ばいあるかということでございますが、全体では約四十隻近いのでございますが、その中で、これは二万トン・タンカーでなければいけないような、たとえばボルネオとか、そういういふうな地域もござまして、でき得れば改装したい、ほかの用途に転刑したいというものが、二十数隻あるわけでございます。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 このことについては、前回の当委員会参考人の招致をして、公述を求めた際にも、特に港湾事業者あるいは労働組合、こういうところから強い反対意思表明がされておるわけです。ということは、今のタンカー船改造をして麦をバラ積みするといったところで、あの小さい口の中へホースを入れて吸い上げても、それは実際に全部が吸収できるものじゃないのですね、船の中というものは。したがって、労働条件の最も悪くなるようなことが予想されることから、こういう点については、改造するにしても、その不便については十分慎重な配慮をしなければいけないのだ。それから、いまひとつ、前回河野委員からもお話がありましたように、いわゆる港湾荷役の手数料という問題についても、政府関係の買い上げるとか、輸出するとか、こういうものの品目については、やはりもっとこれは破究すべきではないかというようなことがお話があったよりに、実除に港の近代化という中に取り入れるにしても、この点は、不経済船というレッテルをはったから、それによって直ちにこれが最も合理化でいわゆる利潤がよくなるのだということにはならぬ、つまり他の面の作業上の問題等考えていかなければ決してこれはよいものでないということが指摘されておる。また、そういう危険なことをやるべきでないというのが私ども立場でもあったわけですが、今お話を聞きますと、四十隻ぐらいのタンカー船がそういうスタンダードのものがあって、改造等に回すものが約半分ぐらいあるとすると、とにかく十五隻なり二十隻のうち、政府としてはそういう方向改造をさせて、そして合理化をするのだという考え方で事務当局作業を進めてきた、こう理解していいですか。この間新聞によると四隻とか五隻とかいうので、当面閣僚懇談会では二隻ぐらいどうだろうというような話に持っていくようだという情報も聞いておったのだが、今の局長の言うのは、一体十五隻なり二十隻のうちの全部をやろうとするのか、それともそのうちの当面五隻とか四隻とかいうよりなことで、その話を進めてきたのか、その辺はどうなんですか。
  26. 辻章男

    政府委員辻章男君) 現在、年間約二百万トン余りの小麦輸入されておるわけでございます。これは、海運関係者意向としましては、その半分程度をそういうふうなスタンダードタンカー改造して輸送できるのじゃなかろうか、かりに百万トンとしますれば、約七隻ぐらいのそういう船が使えるのじゃないかという一応の計算があるわけでございます。これは、積み地のほうにおきましても、水深その他によりまして、現在買い付けております港に二万トンのタンカーが入るのが困難なところもあるわけでございます。それからまた、揚げ地の事情としましても、いろいろと船型が大きくなる関係上制約があるわけでございます。そういう細目の点につきましては、海運関係者商社関係とで具体的に港ごとに外国の積み地もあわせまして検討しているということでございます。先ほど二はいないし三ばいという意見が出ましたのも、これは商社側の見方としては、積み地、揚げ地の事情から考えて、七ばいというのは困難ではなかろうか、まあ二、三ばいというところではなかろうかという一部の意見でございました。これは政府が何ばいときめる数字のものではないのでございまして、そういうような輸送合理化という見地から、どういうふうに考えていくかということで、なお検討されておるところでございます。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 結果論としてですね、前々から当委員会でいろいろ議論をされたように、とにかく不採算船とか不経済船というものはなくしていくんだ、このことについては変わりはないと思うのです。ないのだけれども、それは単に船主なりあるいは政府考えだけで進めるのでなくて、関係のいわゆる業者も、労務者も、やはりそういう改善をする場合には、いろいろな意見というものを出して、ほんとうにみなが能率が上がり、働きいい場所ということにならなければ、私はやはり政府が進める政策としは片手落ちになると思う。それは、船主——持主だけの意見を言えば、なるべく手がかからぬように、そうして、労働条件は劣悪であっても、とにかく自分たちがもうかりさえすればいいということであってはならぬと思う、ですから、タンカー船改造して、そうしてバラ積み小麦を積み込んでも、この作業というものはたいへんなものであるということを、実は日ごろ扱っておる労働者なりあるいは港湾事業者が言っているわけです。その点について、今局長お話を聞いておると、まあとにかく、業界としての希望もあるけれども、当面三隻なり二隻なりということが大体まとまりそうな気がするわけでんね、話から聞いてですよ。そうすると、そういうときにはやはり、船員、あるいは荷役を行なう労働者、あるいは港湾事業者、ああいう人たち意見というものを取り入れないことには、私は全く一方的なことになってしまうと思うのだが、そういう点については局長はどういうふうにお考えになって、また行政指導の面でも、これら船主あるいは船腹保有者、そういう人たちに対する考え指導されておるのか、当委員会でこれだけ私も強い意を申し上げているのですから、たとえばそういう事務当局お話をするにしても、私は意見があってしかるべきだと思う。そういう点については、局長はどういうふうにお話しになっているのか、聞かしてもらいたい。
  28. 辻章男

    政府委員辻章男君) この小麦タンカーによります荷役につきましては、揚げ地においては、ニューマーベーカと申します真空を利用した吸上機でやるというような計画がございまして、そういうことに対しまして、一部港湾運送業者のほうから、それは特殊な荷役だから、別途の、今までの公示料金以外の新しい問題として考えてもらわなければ困るのだという御意見のあることも伺っております。で、そういう問題につきましても、どの程度のことがいいのか、これは海運業者商社等の間でも問題としておるわけで、港湾荷役関係も入っていただいて、よく懇談していこうという意向のように承っておる次第でございます。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 今の局長の御答弁を聞いておりますと、いわゆる業者意見を聞いたにすぎないのだということですね。だから、政府行政上の指導というものは何らその中には含まれていない、現在の段階においては。ところが、今回政府提案をしておる趣旨というものは、不経済船であるとかあるいは高価船対策というものを十分取り入れて、しかもこの企業の基盤を強化していく、こういうことでありますから、その中には、たとえば融資をする場合にしても、五年たったらどうなるんだ、十年たったらどうなるんだというこの前の提案をしておるわけですよ。それだけに私は、政府がただ業者考えだけだということについては、これは少し的はずれではないか。やはり政府が積極的にそういう合理化をするならいいわけです。私も改造についての合理化反対しているわけではない。いわゆる採算が合うようにするにはどうしたらいいかということを研究しなければいかぬ、またそうしなければいかぬと思うけれども、それが直ちに労働者労働条件にはね返ってきたり、あるいは港運業者人たちがやはり今までせっかく努力してきたものが、それがもう今回のこの法律改正に伴って一方的に押しつけられているということについては、私はやはり問題があるのじゃないか。だから、そういう点については、むしろ政府行政指導をする立場にありはしないか、こう思っておるわけです。今のお話を聞いているというと、全然行政指導ということはなされていないで、いろいろそういう船舶保有者商社人たち意見を聞いておるにすぎないというような形だと私は思う。こういう点については、私は、原則として、タンカーのようなものを、不経済船というようなレッテルをはっただけで、ただ改造をしたからといって、そこから決していいものが生まれてこないという見解を持っているのだけれども、そういう点については、これは政府に善処を私は要望したいと思う。もっと、たとえば同じ改造をするにしても、合理化をするにしても、実際の働く人たち意見というものを入れないでやったところで、これはちっともよくなりはしない。先ほど申し上げたように、太いパイプをおろしておくわけですよ。それで吸い上げるわけです。ところが、全部は吸い取れないのです。これは各国の例を見たってわかるんです。今度はその取れないものを取りに行くにはどうすればいいか、労務者が中に入るんです。こういうことを考えてこなければ、私は、今日までの輸送状況の中で、決して合理化したことにはならぬし、大臣も御承知だと思うのですが、数年前に南方から輸送した中に、黄変米ということで、ずいぶん私どもは悩んだことがあるわけですよ。あのときにはどうですか、米が足りないということで、たくさん米を買い込んだけれども黄変米になったために、ついに食糧にはできなかった。そうして、やむなくこの単価をうんと切り下げてアルコール等にこれは使ったんですよ。だから、あのときにも、もう家庭の奥さんたちからも、黄変米反対ということで、非難ごうごうたるものがあった。しかし、そのときには、何といっても食糧が足らないから輸入しよう、そうして無理に積んできたものが、中でああいう事件が起きたわけですよ。これは、数年かかってようやく黄変米の問題は解決したんですよ。国家の損害といったら莫大なものです。そういうことから考えてきて、今タンカー改造して、バラ積みにして、もしそれがそういうことになったら、どうします。これは私どもは、そのことが必ずしもそうなるとは言えません、もちろん言えませんが、そういうことも皆さんが考え対策を立てなければ、私は、不経済船という単なる名前によって、決して経済効果というものは上がってこない、こういう点を考えてもらいたいことと、やはり働く人の立場というものも十分尊重するような前向きの施策をとってほしい、これは要望しておきたいと思う。そういう点について、大臣としてはどうお考えになりますか。
  30. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) いくら機械が発達しても、それを動かすのは人でございますから、その人の労働力を考えずに、そういう施策はやりません。また同時に、最初からそれじゃそういうふうに指導せいと言いますというと、皆さん方がいやがるように、官僚の企業圧迫じゃとか、民業圧迫じゃとか、いろいろ非難が起こりますから、ある程度は当事者間でコマーシャルベースでやれるようにして、そうして、その話がつかないとき、もしくはそれが双方において不当なとき、たとえば労務者の賃金をむやみやたらに痛めつけてそれをやるとか、あるいは労働者ばかり優遇して機械設備を使わせないようにするとか、そういうような、まあ紛争と申しますか、交渉が行き詰まったような場合に、私はただいま申しました根本方針に従って適当な行政指導をするのが政治じゃないか、運輸行政じゃないかと考えておりますから、御要望の点は確かに拝承いたしました。しこうして、根本的な考え方におきましては、私は相澤さんとは違っていないと思います。
  31. 相澤重明

    相澤重明君 言葉じりをとってたいへん恐縮に思うのだけれども労働者ばかりの賃金をよくするというような今お話だったけれども大臣、私は大臣はそういう意味で言ったんじゃないと思うのですけれども、きょうはあとで私は通産大臣を呼んでおるから、そのときにやりますけれども、今回この日本が、日立造船と英国の会社が契約をした問題について、今一番国際的な大きな不信を持たれておるのは何かといえば、日本の労働者の賃金の安といいうことなんだよ。言葉じりをとるわけじゃないのだけれども、そういうことを言われると、私は一言言いたくなる。けれども大臣の趣旨は違うから、私は別にその点は追及しませんけれども、やはり近代国家というものは働く人が国の宝ですから、働く人をよくしていく。いくら機械に金をかけたところで、しょせんは働く人の生活を守り、労働条件を守っていくことなんです、これは人の社会ですから。そういうことからいって、私は大臣お話を、たいへんまあ大臣も努力をしていただけると、こう思うから、それは見守っていきたいと思う。それをやって下さい。そういうことによって、どういうふうに政府が努力をされるかということを見て、その結果また私はこの問題については注文をつけたいと思う。きょうは、この不経済船タンカーの問題については、今の大体大臣答弁で、私は要望を申し上げたので、政府の善処をひとつ期待をしておきます。  その問題については、あと関係があるそうですから、岡理事のほうにしばらく譲ります。
  32. 岡三郎

    ○岡三郎君 今不経済船の改装をして食糧輸送をするというお話があったわけですが、どの程度まで進んでいるのですか、具体的に。つまり、経済閣僚懇談会でそういう話をして、そうしてそれについて農林省が、これを一括使ってくれるならばいいなと、こういう話があったというのですがね。これは、問題によれば、そういうふうな改装をしなくて、ほかの方法を考えるということなのか。今後の話し合いによってこれはどういうふうにでも変わっていくものか、その方針がもうここに固定して、あとこれに随伴して起こるいろいろな問題についていろいろと話を進めていくのか、その点どこまで行っているのですか、それちょっと大臣に聞きたいと思う。
  33. 辻章男

    政府委員辻章男君) 私から事務的な段階で申し上げますが、これは、先ほど申し上げましたように、船会社と貿易商社の間で、どういうふうな改装の方法がいいかとか、あるいは積み場げ地の関係から、どういうふうな港でなければ困難であろうかとか、あるいは日本のサイロの能力の問題、あるいはまた運送条件の問題、そういうもろもろの問題につきまして検討をしておるわけでございまして、今の小麦輸送輸送の形態は、食糧特別会計は内地の岸壁で商社から荷物を引き取るということになっておるわけでございまして、輸送の責任、それからそれの輸送費、運賃の負担、そういう問題は、あるまあ入札的なことによりまして落札した商社が海運会社と話し合ってきめるという建前になっておるわけでございます。話し合いは民間ベースで行なわれておることに対しまして、政府としては、不経済船有効利用という見地から非常に望ましい、側面からこれを推進することを協力していこうというふうな立場にあるわけでございます。
  34. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、その穀物、輸入食糧は、政府が荷主になるのですか。
  35. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) そのとおりでございます。
  36. 岡三郎

    ○岡三郎君 政府が荷主になるということになるというと、ますますこれは重要な問題になると思うのですがね。  ここで、先般のこの委員会において、日本港湾労働組合連合会の古賀執行委員長がこういうことを言っているのですね。——「私は特に不経済船について衆議院運輸委員会においての進藤参考人の公述を重要視しております。それは、タンカー等の不経済船舶は輸入食糧輸送改造すると言われているのでありますが、ごくわずわな費用をかけて改造をして、危険な非衛生的な状態で食糧が積載されて、荷役作業が強制される危険性が多分にあることであります。聞くところによりますと、すでに船主側と政府はその対策の構想が練られているとのことであります。輸入食糧政府荷主でありますから、このような危険な非衛生的ずさんな改造船舶荷役作業は行なわないことを申し上げ、荷役作業の設備に万全の措置をとられるようにお願いいたします。つまり、ここで、まあこれは横浜港としては大きな労働組合ですが——横浜港だけではございませんが、こういうふうな荷役作業を行なわないということを言っているのだね。その行なわない理由としては、危険であるということ、非衛生的であるということ、いかにも当面を糊塗するところのずさんな改造であること、こう言われておるのですが、一体どのくらいの金をかけて一隻改造するのですか、どういうふうに改造するのか、ひとつ構想を聞いておきたい。これは重要ですよ。ストライキが起こるかもしれないからね。
  37. 辻章男

    政府委員辻章男君) 現在海運関係者考えておりますよ構想を大ざっぱに申し上げますが、大体費用は六、七千万円ぐらいかかるという見積もりでございまして、改装をいたしまするおもな点は、今石油類を積むために、全然タンクには穴がないわけでございます。これを、ハッチを作りまして、ハッチから積み込み及び揚げをしようということでございます。それで、積み荷に際しましては、これは各積み地に機械設備があるわけでございますから、これを使うわけでございます。揚げに際しましては、ニューマーベーカーと申しまするいわゆる吸い上げ機を使いまして、これで荷役を迅速化していこうという構想でございます。  なお、ちなみに申し上げますと、すでにもうだいぶ前から、大西洋の、アメリカからヨーロッパ向けにつきましては、これはもう全然改装をせずに、タンカー小麦を多量に運んでおるわけでございまして、それについてのトラブルはあまり聞いてないわけなのでございます。先ほど申し上げましたように、私どものほうは、港湾関係者から、荷役はやらないということではなしに、荷役するについては特別なまあ料金を考慮せなければ困難だというふうな意見があると聞いておるわけでございます。  大体以上のような次第でございます。
  38. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、この参考人の言っていることとあなたの聞いていることとは、ちょっと食い違っていると思うのです。荷役作業の設備に万宝な措置ということになると、一体どういう措置をとるのですか。
  39. 辻章男

    政府委員辻章男君) 先ほど申し上げましたように、ニューマーベーカーというものをそのハッチの口から挿入いたしまして、吸い上げ式に小麦を吸い上げてはしけなりあるいは岸壁に盛り上げていくという、そういう荷役方法をとってはどうかということでございます。
  40. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、今まあ聞いているというと、その荷役作業に伴う労賃ですか、労務費を上げてくれれば大体よろしいと、こういう話なんですね。それならばですね、七千万、六千万という改装費、これは当然船会社が出すと思うのですが、それはどうなんです。
  41. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは当然当該船舶を持っておる船主の負担になると思います。
  42. 岡三郎

    ○岡三郎君 大臣に伺いますが、まあ二百万トンの小麦をそうやって輸送するということになりますがね。そうするというと、政府が荷主でこれを運んでくるということになった場合において、かりにですよ、その労務費その他においてですね、まあどの程度これから話を進めるかわからぬけれども、その主体的な構想というものは、運輸省の海運局があっせんしてやらせると、こういうことなんですか、そうでなかったら、当事者間においてこれをやらせるのか、はっきり大臣も答えたと思うのですが、もう一ぺん明確にしてもらいたいと思う。
  43. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) もちろん、コマーシャル・ベースですから、船会社と労務者の間で適当なところで話し合いをつけてもらいたい。ただし、それがつかぬ場合には、運輸省が中へ入ってあっせんをし、適当なところでまとめたい、かようなことに考えております。
  44. 岡三郎

    ○岡三郎君 大体今のところ労務費に対してどのようなことを考えているのですか、これは私も一ぺん参考に聞いておきたいと思うんだがね。放置すれば、これは争議行為になると私は思うのです。一方的に改装して、これによって荷役をせいと言っても、片っ方のほうは、そのようなおかしな改装ではなかなかうまくいかぬ、それで一歩進んで労務費の値上げをしてくれればいいと、こういうことになっているようですがね。一体これは、大臣ではこういうこまかいことはわからぬかもわからぬが、どういうふうになっているんです。
  45. 辻章男

    政府委員辻章男君) 私どもまあ抽象的に港運関係者から特別な料率を考えてもらわなければ困難であるということを伺っておるわけでございまして、具体的にどの程度の金額、こういうふうな点につきましては何も伺っておりません。
  46. 岡三郎

    ○岡三郎君 港運関係者と船主との間で話をしても、一体働く労働者はどうなんだい。これは労働者は全然らち外に置いて、港運業者がそれを雇っているのだから、港運業者港運業者として労働組合話し合いをして賃金をきめればいい、こういう考え方ですか。
  47. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、港運関係者がどういうことでそう言っておられるかということは伺っておりませんわけですが、おそらく、そういう問題になりますれば、労務関係者とも港運業者話し合いをして、その上で折衝されるものであるというふうに考えておるわけでございます。
  48. 岡三郎

    ○岡三郎君 ひとまずここで関連はやめておきます。
  49. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、今のタンカーの不経済船改装という問題を今まあ少しばかり話をされたのですが、ここに専門家のそれこそ天埜さんもいるのだけれども政府が今把握している貿易外収入というものは、この港湾関係ではどのくらいあるのです。
  50. 辻章男

    政府委員辻章男君) 三十六年度の実績で申し上げますと、日本の受けが約四千六百万ドルでございます。それから払いのほうが一億二千六百万ドル、バランスとしまして約八千万ドルの赤字になっておるということでございます。
  51. 相澤重明

    相澤重明君 今の、いま一度数字を言って下さい。
  52. 辻章男

    政府委員辻章男君) 三十六年度の実績でございますが、受けが概数で申しまして四千六百万ドル、払いが一億二千六百万ドル、バランスとしまして八千万ドルの赤字ということでございます。
  53. 相澤重明

    相澤重明君 次に、三十七年度ももう出ていますね。三十七年度幾らになっています。
  54. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、三十七年度は一部推定が入っておると御了承願いたいと思うのでございます。その前提に立ちまして、受けが四千三百万ドル、払いが一億四千二百万ドル、バランスとしまして九千九百万ドルの赤字ということでございます。
  55. 相澤重明

    相澤重明君 そうして、これは三十七年度推定も一部含んでいるのですが、一億こしているのじゃなかったのですか。一億九百万ドル——七百万ドルか九百万ドルじゃなかったのですか。
  56. 辻章男

    政府委員辻章男君) 先ほど申し上出げたとおり、バランスとしては九千九百万ドルでございます。
  57. 相澤重明

    相澤重明君 それを改善するには、どういうふうにするのですか、このバランスの悪いのを改善するには、どうするのですか。   〔委員長退席、理事天埜良吉君着席〕
  58. 辻章男

    政府委員辻章男君) これはまあいろいろ考え方もあるかと思うのでございますが、大体この港湾経費と申しますのは、受けのほうは、外国船が日本に参りまして日本の港に入る際に支払うもの、一番大きなものは港湾荷役料関係でありますが、そのほかに、トン税でございますとか、あるいは岸壁、ブイ使用料、そういうふうなものでございます。払いのほうと申しますのは、これは日本船が外国の港へ行きまして、先ほど申し上げたような港湾荷役料その他を払うものの払いでございます。で、もちろんこの港湾関係経費でバランスとして黒字になることが望ましいのでございますけれども、これは性質上、日本船がふえまして、日本船で運ぶ量がふえればふえるほど、港湾経費におきましては赤字がふえるのが常識でございます。極端なことを申し上げれば、日本関係の荷物を全部日本船で運んだとしますれば、受けはゼロになる。したがいまして、ただ港湾経費だけでこの国際収支の問題を黒字にするということは、今後どんどん日本船を増強して積み取り比率を上げていこうという考えからしますと、矛盾する要素であると考えております。私どもはむしろ、海運というものを貿易外の収支の全体の問題としまして、港湾経費に赤字が出て参りましても、運賃関係改善してこれをカバーしていく、そういう方向に進むべきじゃないか、海運局はさように考えている次第でございます。
  59. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、今局長さん言ったように、受けの場合ですね、外国船が支払うわけでありますが、今の外国船に払ってもらう、このときに、小麦だとか米の輸入について外国船が持っている量というものは、年間を通じて日本船と外国船とのバランスがどういうふうな状態でありますか。何隻ぐらい、何トンぐらい、その比率は十分の一とか、五分の一とかいうことはあると思うんですが、どうなっております。
  60. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、穀物関係では日本の積み取り率は非常に少のうございまして、三十七年度あたりでは約一割程度というふうなところでございます。
  61. 相澤重明

    相澤重明君 そうするというと、三十七年度一割程度、三十三年度当時には非常によかったのが、だんだん悪くなってきて、そうして三十七年度には一割程度というふうに落ちてきた理由は何ですか。それは結局、日本船が運べない条件というものは、どういう条件なんでしょう。三十三年当時は七、八割を日本船で運んでおったものが、それが一割程度に三十七年になったということは、どういう理由なんです。
  62. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは今のアメリカの太平洋岸から日本向けの穀物運賃が日本を中心としました運賃の中では相対的に低いということでございます。言葉をかえて申しますと、たとえば木材でありますとか、そういうふうなものを運ぶほうが小麦を運ぶよりも船主として有利だということで、日本船としてはそちらのほうに多く持っていったということでございます。
  63. 相澤重明

    相澤重明君 どうも少し、私のピントが違うのか、局長答弁のピントがはずれているのか……、つまり昭和三十三年ころは小麦等については七、八割程度まで日本船で輸送をしておった、それが三十六年になり三十七年になると二割になり一割になってきた、今のあなたのお話では。それはどういう条件かというと、日本の船が同じ荷物を運ぶなら歩率のいい木材とか貨物とか他の荷物を運ぶ、したがって輸入する食糧関係については外国船でほとんどが持ってこられる、こういう今の御説明です。私はそればかりじゃないと思うのです。どうなんですか。つまり外国は、やはり日本に輸出をするについても、自国船で輸出、自国船で送らなければいけないということはないのですか。これは日本に輸出するのに、日本船でそれでは積み取りに行きます、こう言って、日本船が、あるいは日本の商社が行っても、いやそれは困ります、私の国の品物をあなたの国が買うのだけれども、私の国の船でこれを輸送さして下さい、こういうような条件があって、しかも外国はそれが非常に強い。こういうことがやはりプラスされて、今言った輸送というものが三十七年度には一割になってしまった。そこで日本としては、外国船の多いことと、日本の船腹の保有量が少ないという、そのかね合いも含んで、今回さらにたくさんの船を作って貿易収入を上げよう、こういうこともあるんじゃないですか。私は、その点、単に日本の船がどちらかというと経済効果を上げるために小麦とかあるいはそういう米という食糧というものを外国船にまかしちゃうのだ、こういうだけではないような気がするのですが、その点どうですか。
  64. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、今御指摘ございました自国船主義という問題がございまして、アメリカのシップ・アメリカンあるいはその他東南アジア諸国においてはそういう傾向がありまして、その問題も海運では重大問題として、われわれはそれに絶えず対抗策をやっておるわけでありますが、太平洋からの小麦輸送に関しましては、そういう影響は全然ないわけであります。外国船と申しましても、この大部分はヨーロッパ第三国船でございます。先ほど申し上げたように、日本船としては、近海の小麦以外のほうが有利だということで、そちらに行っておるということでございます。
  65. 小酒井義男

    小酒井義男君 ちょっと関連してお尋ねをしたいのですが、先ほど国際収支の中の海運関係港湾経費等の点で説明があったのですが、ところが、たとえば三十七年度の積み取り比率を見ますと、貨物船が三八・七、油送船で四三・四、輸出のほうで五三%、こういうことになりますね。そうすると、大体輸出で五〇%を少しは上回っておる程度で、輸入のほうでは、これは貨物と油送船関係の量が違いましょうけれども、大体四〇%前後のところにおるという概算の数字になるのですけれども、しかもたいへんこちらから支払いがふえていくことが多いということは、これは何か料率なんかで非常に日本が低いところに置かれておるからそういうことになるのか、何か原因があるのじゃないですか。
  66. 辻章男

    政府委員辻章男君) これはむしろ港湾局のほうでいろいろ資料を持っておると思うのでございますが、おっしゃるとおり、日本の荷役料率とアメリカとを比べますれば、アメリカのほうが高いということは事実でございます。そういうふうなものもこのバランスの上に影響してくるということも事実でございます。
  67. 小酒井義男

    小酒井義男君 そういう点について、何か均衡のとれるような方法を考える必要があるのじゃないですか。
  68. 辻章男

    政府委員辻章男君) これはまあ私そういう点について所管でもないのでございますが、個人的な意見になって恐縮でございますが、港湾経費だけをとらえてそれを国際並みに持っていくという、その点だけを国際並みのものにするというふうなことが、日本全体の経済の中でどういうふうな影響を与えてくるか。これは、港湾荷役の料金というものが上がりますれば、外国だけじゃなしに、日本の船ももちろん上がりますし、それからいわゆる内航関係のほうを見ても、全部適用になってくるわけであります。そうなってきますれば、現在輸出振興というふうなことが言われておりますが、原料を輸入してそれを輸出するということになれば、輸出の価格についてもある程度の影響を持つ。そういうふうな全般の問題から大局的に考えなければならぬ問題じゃないかというふうに私ども考えておるわけであります。
  69. 相澤重明

    相澤重明君 私は今のこの政府から出していただいた資料に基づいて実は尋ねておったのですが、今小酒井君がたまたまこの資料の点をお話しになったわけです。これでいって、結局一番心配をされることは、貿易自由化が進めば進むほど外国の船がたくさん入ってくるのですよ。そうですね。それに対して、今のような、そういうような状況でいけば、日本のいわゆる貿易外収入の大幅な赤字ということが出てくるわけですよ。そうでしょう。それがために改善をするというのが、先ほど閣僚懇談会で言われた趣旨でしょう。その中には、トン税があり、特別トン税をどうするか、ブイの係留の問題だとか、いろいろな点が出てくるじゃないですか。そういう点か改善策として総合的に計画をされなければ、貿易自由化というものは、今池田内閣の至上命令として、少なくとも通産大臣はことしの秋にはさらにもっと積極化するということを池田総理の指示に基づいて進めておるでしょう。   〔理事天埜良吉君退席、委員長着   席〕  そういうところから、私はやはり、この点については、政府として積極的な改善策というものな持たないと今の局長の言うのも一面あります、これはつまり外国の船舶だけにかかるわけじゃないのですから、日本の船舶についても当然かかってくることは、これは事実です、事実ですけれども、それが改善策をとらなければ、私は貿易自由化の中で日本は太刀打ちができない、こういうふうに思うのですよ。そういう点については、どうしてもやはり慎重の中にも前向きの姿勢をとるとすれば、私が先ほど申し上げたように、港湾施設の問題はやはり拡大をしていかなければいけない、近代化していかなければいけない。それで、当然これは引き上げなければいけない。その中には荷役料の問題や労務費の問題も当然含まれる、こういうふうに解釈すべきだと私は思う。そのことは、必ず私は、おそらくあとで宮澤経済企画庁長官閣僚懇談会の中でそれは言うと思うのです。それはもう僕と宮澤君の意見だってそう違わないと思うのです。事貿易自由化をわれわれか——私は社会党だからほんとは貿易自由化反対なんだが、しかしそれはまあそれとして、いわゆる池田内閣の大方針としてやっても、貿易自由化が進めば進むほど、外国の品物が入ってくるし、船がたくさん来ることはわかっているのです。赤字はどんどんふえていくということなんです。これは改善策がなければ、貿易自由化をやりました、日本の国の港湾経費については、ますます貿易外収支は不足いたします、これじゃ私はならぬと思う。そういう点で、私はひとつ、きょうはまだ事務当局の話を聞いただけで、実際にこれからが政府がやることだと思うのです。ですから、運輸大臣にはぜひそういうところを十分ひとつ事務当局の積算されたことについて検討をされて、前向きの姿勢をとっていく、それでなければ私はいかぬ。だから、その中には、労務費も上がるし、荷役料金も場合によれば適正化ということで私は上がってもよろしい、外国の船にも私はかけてよろしい、そういう見解を持っているのです。そういう点は、ぜひひとつやってもらいたいと思うのです。そこで、今の港湾関係のそういう諸経費についての再検討をされるわけですが、これは大臣、きょうの経済閣僚懇談会の後、今度はいつごろそういうことについて……、まず政府は定期的に経済閣僚懇談会を持っているのですか。
  70. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 大体大きな経済問題が起こったときにやるのが原則で、定例的ではございませんが、大体月に二回くらいやっております。今度は、OECDの問題があるから、おそらくは来月早々にやるだろうと思います。
  71. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、今の経済閣僚懇談会のことから話は進んでしまって、肝心なところの質問ができなくなると困りますので、労働省の訓練局長をひとつ呼んでみたいと思うんですが。  村上訓練局長にお尋ねいたしますが、まず第一は、今回当委員会海運関係の審議をしておるわけでありますが、現在日本の海運関係労務者といいますか、これを二つに分けて、船員の人数はどのくらいになっておるか、それを遠洋と近洋に分けて——細部に分けていただければなおいいのですが、それが一つ。  それから、船内荷役等に従事しておる労働者、いわゆる港湾労働者、沿岸も含んで、それを沿岸と船内とに分けていただければなおそれもけっこうですが、そういう人数、どの程度になっておるか。それからその次に、この港湾労働者の中で常用と日雇いとの区分はどの程度になっておるのか、できれば人数をあげてその区分をひとつ御説明をいただきたい。  第三は、そういう常用あるいは日雇いの港湾労働者に対する訓練はいかなる方針をとっておるか。今国際収支改善ということが私どもとしては最も大事なことでありますけれども、そのことに対して、作業能率を上げるといったところで、やはり技能が向上しておらなければこれはなかなかできないわけです。そこで、職業訓練ということは私どもにとっては非常に大事なことである。その職業訓練ということは、一体どういう方法で行ない、どのように人数的に、年間ならば年間にどのくらい職業訓練というものは実施されているか、また今後どういうふうにそれを拡大していこうとするのか、その点について、まず第一に以上三点についてお答えをいただきたい。
  72. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) まず、船員の数、労務者の数等についての御質問でございますが、実は船員の数につきまして正確な数字を承知いたしておりませんが、約六万かないしは七万程度じゃないかと存じますが、私ども労働省といたしまして、雇用形態別ないしは常用、日雇いの種類別に分類いたしましたものがございますが、三十六年中毎月平均の数字を申し上げますると、常用労務者につきましては約一万六千、それから日雇い労務者につきましては約四十八万というふうに把握いたしております。なお、御承知のように、荷役に従事する労務者につきましては、いろいろな作業形態と申しますか、職種形態があるわけでございますが、その細部につきましての分類についての資料は、ただいま持ち合わせておりませんけれども、常用につきまして、キー・マンとその他のものとを分類いたしますと、一万六千のうちの、キー・マンが約六千、その他の者が約一万というふうに承知いたしております。また、日雇い労務者につきましては、四十八万のうち、キー・マンが約二万三千、その他の者が四十五万八千というふうに把握しております。  これらの労務者の中でいわゆる技能労働者に相当する者について、どの程度の訓練を実施しているかという点につきましては、現在の職業訓練法によりまするところの訓練が、先生御承知のように、都道府県または雇用促進事業団が行なっております公共職業訓練と、それから使用主が行なっております企業内の訓練——法律上は事業内訓練と申しておりますが、大まかに分けまして公共職業訓練と事業内職業訓練があるわけでございます。このいわゆる職業訓練法によって定型化された訓練は、実は港湾荷役関係についてはほとんど行なわれておりません。はなはだこの点は遺憾に存じますけれども、全体として振わない、このような状況でございます。なお、職業訓練全体の規模といたしましては、現在公共職業訓練で七万四千人の訓練を行なっておりますが、本年度訓練所の増設等を行ないまして、来年三十九年におきましては、訓練規模としては約十三万程度の規模に拡大したいと、かように考えております。なお、一方事業内訓練についても、補助制度によりまして、できるだけ訓練を促進いたしますように助成いたしておるわけでございます。これは、産業界なり企業が、みずから訓練の必要性を十分痛感していただきまして、積極的にやっていただかなければ、これは政府側のほうから一方的になし得ないという事情もありますので、公共職業訓練ほどは飛躍的に拡大していない。過去においても少なかったし、今後においても努力はいたしますけれども、正確な数字は把握できない、こういうような状態でございます。
  73. 相澤重明

    相澤重明君 今の局長の御答弁で、公共職業訓練の場合に、現在まで七万四千人ですか、三十九年度には十三万人にしたいと。この中で一応の分類として言えることは、炭鉱の離職者がどの程度、これはやはり一番大きな問題ですからね、それから駐留軍の離職者はどの程度、一般のそういう離職者というものはどの程度、こういうことが数字上できますか。
  74. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 公共職業訓練の細目といたしましては、都道府県が行ないます職業訓練の定員が約五万一千でございます。そのうちに、いわゆる将来の技能労働者養成のための養成訓練としては三万三千程度考えております。  それから、転職訓練としては一万八千程度のものを考えておりますが、この中に、炭鉱離職者、駐留軍離職者、中高年令層離職者対策といったような各種の転職訓練が含まれております。しかしこれは都道府県が行なう職業訓練でございますが、それ以外に、雇用促進事業団が総合職業訓練所において訓練を行なっておりますが、その総数は約二万四千、そのうち養成訓練を行なっておりますのが約一万、転職訓練が一万三千、こういう数字に相なっております。  そのほか、三十八年度におきましては、離職前訓練であるとか、移動訓練、その他機動的な訓練を実施いたしまして、短期訓練を行なっておりますので、先ほど申しました七万四千の残余の数字は、そのような機動的な訓練に沿って行なう、こういうことになります。
  75. 相澤重明

    相澤重明君 通産大臣が忙しい中見えたので、なるべく通産大臣のほうを先にやりたいと思うんですが、関係ですからちょっと局長のほうをいま一つばかり。  今のお話——運輸大臣も聞いて下さい。今の話を聞くと、全体の中で公共職業訓練については七万四千人、それからそれを政府は拡大をして三十九年度には十三万人ぐらいにしたいんだ、けれども現在までのところこの港湾労働者の職業訓練については遺憾ながら訓練はない。若干の事業内における訓練はあるでしょう、それは。けれども、そういう公共職業訓練としては行なわれていない。こういうことは、これは今聞いたわけでしょう。そこで、先ほどのたとえば不経済船タンカー改造をして小麦等のバラ積み等をやっても、そういう新しい時代、新しい方法による技術というものを身につけなけりや、これはなかなかできるものじゃないのです。しかし、これは、私はタンカー改造してそういうふうにやれというんじゃないんだよ。私は、先ほど言った、労働者労働条件がよくない、働く者の生活を守れなければそういうことをやってはいけない、こういうことなんですが、それはそれとして、今の職業訓練法に基づく訓練というものが、残念ながら港湾労働者にない。都道府県知事がやっておるのも、ほとんどが、技能訓練といい、あるいは転職者といい、ごくわずかですね、今の局長から答弁いただいた。全部としても、技能者が三万三千、転職が一万へ千でしょう、今答弁されたのは。こういうことから見ると、五万一千人でありますから、これで近代国家としての労働者に技能を身につけるということには、私はほど遠いと思うんですよ。それから、やはり現在働いておる者でも、再訓練すればなおよくなるわけです。なお技術が向上するんです。ですから、今まで訓練を受けたことのない者に訓練をするとか、現在やっておる養成、さらに近代社会における訓練というものが必要なわけです。この二つがあると私は思うんです。そこで、政府が三十九年度に十三万人の目標を立てても、これは公共職業訓練であると、こういうことに解釈していいわけですね、局長
  76. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働省としては、一応訓練生の定員のワクを予算上確定いたしております。それにつきまして、どのような職種の訓練を行なうかという点につきましては、各都道府県と連絡をいたしましてきめておるわけでございます。現在通常の荷役業としては、単純労務者として玉掛の作業であるとか、あるいは起重機の運転とか、その港湾荷役関係に近接した職種はあるのでございます。あるのでございますが、今後これをどうするかという点につきましては、ワクの問題は別として、ワクは一応準備してございますから、どのような訓練職種を設定して訓練を行なうかという訓練技術的な問題になって参ります。その点につきましては、私ども訓練そのものにつきましては、各産業界におきますところの技術水準並びに産業界におけるいろいろの御希望がございまするので、そういった面の盛り上がりとにらみ合わせまして新職種を選定いたしまして訓練を継ぎ足して行なっておる、こういうことでございます。また、御指摘のように、新規採用者に対する技能訓練のみならず、すでにおられますところの労務者に対する再訓練、追加訓練ということは非常に大事なことでございますが、いずれにいたしましても、当該企業内におきますところの認識と熱意というものと相待って推進していくような状況でございます。港湾荷役関係につきましても、他の産業と全く私どもは同様に考えておるわけでございまして、今後十分検討の余地があるというふうに考えております。
  77. 相澤重明

    相澤重明君 できればあとで局長、この都道府県における訓練状況というものを資料で提出してもらいたい。どの都道府県でどういうふうに、どのくらい養成をしておるか、訓練をしておるか、これは資料でよろしいです。  そこで、運輸大臣に。今お聞きになったとおりに、港湾労務者が常用が一万六千人、しかし日雇いは四十八万人もおる。これが問題なんですよ。これはNHKの問い合わせじゃないけれども、ここが問題なんだ。常用というのはわずか一万六千人かそこらしかいない。だから、貿易自由化が進んで、たくさん出船入船ということになれば、これは多くの人がいなければいやでも船込みになることは事実なんだ。そこで、私、その労務者人たちを、まず雇用安定と申しますか、確保するということが第一の条件。確保しただけでは、これは能率が上がらないわけです。そこに職能訓練、技能訓練というものが必要になってくる。そこで、私はぜひ大臣にこのことをひとつ認識してもらって、労働大臣相談をされて、積極的にこの職能訓練ができるような体制を作ってもらいたいと思うんです。私は一つの提案をしたいと思うんです。それは、そういうことがいいかどうか局長から聞きたいんだが、今各事業団体は、今のままではとても経費がかさんでたまらぬから、何とかそういう能率化をしていきたい、あるいは機械化を進めたい、それにはどうしても職能訓練が必要である、できれば学校を作ったらどうか、こういう意見も今あるんです。しかし、この学校を作るということについては、ここに岡理事もおるが、学校教育法の問題が関係してくるんじゃないか。こういうことで、そういうことが可能であるかどうか、学校というようなものを作って職業訓練をやるのが可能であるかどうか。それから、もしそれが今のいわゆる学校教育法の問題と関係して、これはむずかしいということになった場合に、訓練をするのに、今の都道府県知事に行なわせるということを、いわゆる市町村といいますか、村まではなかなかいかぬでしょうが、少なくとも、六大港等を初めとして、重要港、そういうところにおける地方自治体——たとえば横浜市、こういうようなところにもそういうふうなことができるのかどうか、そういうまた行政指導というものが何らかの形で措置ができないものか、こういう点について局長ひとつ答弁を聞かしてもらって、運輸大臣考えも述べてもらいたい。
  78. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 先生の御意見、技能訓練の見地から学校制度によってはいかがかという御意見でございますが、実は達成しようとする目的いかんによるわけでございます。知識教育的なものであるならば、あるいは学校といった形でもいいかと思いますが、問題は、機械を操作したり現実に貨物を扱ったりするというようなスキルの訓練でありますから、それはあながち学校であることを要しない。これは私どもが技能訓練と知識教育の差を一応区分いたしておりまして、訓練におきましてはスキルの技能の訓練を行なうのだ、こういう建前を貫いておるわけでございまして、学校であることを必要としない。要するに、当該企業におきますところの必要度に応じましてその問題は処理していけばいいのではなかろうか。でありますから、問題は、すぐれた指導員と適切なる訓練施設があれば足るのでありまして、それがもし訓練法上の定型化された事業内訓練として認定を受けるかどうかということになりますれば、一応訓練水準は整いますけれども、そう名称にこだわる必要はないのじゃなかろうかというふうに私ども考えておるわけでございます。  ところで、そういった施設をかりに市がやるという場合に、何らかの補助措置があるかどうかということでございまするが、昨年度試みに実施したのでございまするが、中小企業団体が共同で事業内訓練を行なおうとする場合に、教室とか実習場とかがなかなか建てられないという場合に、市または都道府県が共同訓練のための施設を設置し運営するという場合に、国がその四分の一を補助するという制度を設けまして、本年は十五カ所設置する予定に相なっております。そのような施設ができますれば、そこで中小企業業者も、自己の事業場で採用しておりますところの労働者をその共同訓練所に派遣いたしまして訓練するいうことが可能になるわけでございます。今申し上げましたのは一つの例でございまして、そっくりそのまま港湾荷役労働者に該当するかどうかはさらに研究の必要はありますけれども、現行制度上一応考えるとすると、そのような方法も私ども考えられるのじゃなかろうかというような感じをいたしております。しかし、いずれにしましても、その労働者を使用いたしますところの港湾荷役業者なりあるいは海運業者が、その点を十分御認識いただきまして、訓練をやろうという熱意と、それから事業内における訓練の組織化といったような点につきまして、現在よりもさらに一般の関心を深めていただきたい、それが先決ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  79. 相澤重明

    相澤重明君 職業訓練についてもまだ質問が残っておりますが、大臣時間がないようですから、通産大臣のほうに先にお尋ねします。  そこで、きょう通産大臣にお尋ねする主とした問題は、日本の船舶建造の能力、これに対する政府計画造船あるいは戦標船の代替建造あるいはその他のいわゆる船舶の建造等についてどう前向きの姿勢をとるかということについて、今まで本委員会で、海運企業再建整備に関する法律や、あるいは外航船舶に対する利子補給、こういう問題で質疑を行なってきたわけだ。そこで通産大臣にお尋ねしたいのは、現在の造船業者の能力というものは、二百万トンから二百三十万トンぐらいのトン数はあるだろう、こう言っておるのだが、外国に輸出する船舶、これはどのくらいの通産省としては考えを持っておるのか、この点を最初にひとつお答えをいただきたい。
  80. 福田一

    国務大臣(福田一君) 今、日本のいわゆる海外へ輸出できる造船能力というものはどうかというお話でございますが、大体昨年度——三十七年度においての実績を見てみますというと、百七十七万総トンぐらいになっているわけでございます。詳しいことは、説明員を連れて来ておりますから、説明員からひとつ御聴取下さい。
  81. 山下英明

    説明員(山下英明君) 今大臣が申し上げました数字は、三十七年度の輸出実績でございまして、その輸出実績が、契約でとるか、それから契約はしてその上で通産省の承認を得たものでとるか、あるいは実際にそういうものと関係なしに向こうに引き渡されたものでとるかで、数字がたいへん違って参りますが、私ども政府として一番標準にとっておりますのは、まん中の承認した数量でございます。それが、貨物船で三十万トン、タンカーで百三十四万九千トン、その他鋼船、これが全部一般の鋼船だけについて申し上げまして、そのほか小さい雑鋼船とか中古船とか改造船あるいは賠償船等を除いておりますが、一般の新造船の鉄鋼で作った船、その総計が百七十七万二千トンでございます。
  82. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、まだ現在、今あなたが最後に言われた賠償船ですね、これはどのくらい残っているか。いわゆる建造をして支払うものはどのくらい残っているか、隻数、トン数が。
  83. 山下英明

    説明員(山下英明君) 去年の実績は九百六万トンでございます。それと、あと私どもの持ち合わせておりますのは、本年度の輸出目標の数字でございます。
  84. 相澤重明

    相澤重明君 だから、賠償船の話を聞いているのだよ。賠償船は今何隻、何トンぐらい残っているのか。去年の実績は九百六万トンと言ったのですが、今あなたのそれでもう終わりかな。
  85. 山下英明

    説明員(山下英明君) 本年度の承認の予定額といいますか、目標額は千百万トン——たいへん申しわけございません、これは金額でございますので、先ほどのは九百六万ドルでございます。たいへん申しわけございません。三十七年度の実績、これが九百六万九千ドルでございます。それから、三十八年度の目標は一千百万ドルでございます。訂正いたします。
  86. 相澤重明

    相澤重明君 それで、今三十七年度が九百六万九千ドル、三十八年度が一千百万ドルの予定である、この金額はわかりましたが、トン数、それと、トン数が出るというと単価が出るわけですね。幾らという単価が出る。その単価とトン数を知らせて下さい。
  87. 山下英明

    説明員(山下英明君) ちょっと今手元に資料がございませんので、さっそく調べましてお答え申し上げます。
  88. 相澤重明

    相澤重明君 これは、いずれあとで資料を提出してもらってやらぬとだめですからね。資料を提出してもらってからやります。  そこで、通産大臣に聞いておきたいのは、けさあなたは経済閣僚懇談会に出ましたね。そこで、この輸出船舶についての延べ払い条件というものはどうなっておるのですか。その条件をひとつお話しいただきたい。
  89. 福田一

    国務大臣(福田一君) 個々の問題については資料で申し上げなければいけませんが、一般ルールといたしますと、昨年度あたりまでは、大体欧米といいますか、いわゆる共産圏と、さにあらざるものとに分けて申し上げてみますと、共産圏の場合は、去年は大体延べ払いは六年、頭金三〇%、それからほかのところ、それ以外のところは、大体頭金二五%前後で大体七年、大体そのくらい。それから最近ソビエトとやりましたのは大体六年ではございますが、最後の半年分を繰り上げまして五年半、頭金は三〇%こういうふうにして、大体これが基準に相なっておるわけであります。
  90. 相澤重明

    相澤重明君 大体あとの答弁運輸大臣とあまり変わりがないです。よく勉強したと思いますが、(笑声)そこで、私は聞いておきたいのは、今、日本の船価が外国から比較して高いのか安いのか、こういう点については、通産大臣はどう把握しておりますか。
  91. 福田一

    国務大臣(福田一君) この価格の問題につきましては、大体それぞれの会社が契約をいたしておりますから、総括的に高いか安いかと言われると、なかなかむずかしいので、いずれにいたしましても、これはイギリスと日本、あるいはイタリアとか何とか、競争相手がたくさんある。その競争相手の間をしのいでいわゆる注文をとるわけでありますから、注文がとれたときは、場合によっては安かった場合もあるし、あるいは条件がよかったから高かったけれどもとれた場合もある、こういうことに相なるのでありまして概括的に安いか高いかということは、ちょっと申し上げるわけにはいかぬ。それはやはり条件がありますから。たとえば安くても、延べ払いの条件がうんと短いということになれば、これは向こうのほうで金が出せないからちょっと買えないということもありますから、そこら辺は、概括的に高いか安いかということではちょっと申し上げかねると思います。
  92. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、私が知りたかったのは、日本の輸出船舶というものは赤字輸出であるということが比較的世論としていわれておるわけですね。現実に、私どもはいろいろお話を聞いてみるというと、国内のいわゆる日本人船主の作った船価よりは外国へ輸出する船価のほうが安いと、こういうふうにいわれるのだが、そういうことがありますか。これはどうです、通産大臣
  93. 福田一

    国務大臣(福田一君) その場合においても、実は条件の問題がすぐ加味されて参るのでございまして、国内においても、これはさまっておりますが、海外に売る場合において、非常に条件が日本側に有利であるというような場合においては、場合によっては安い場合もあり得るかもしれない。条件が、たとえば普通が七年だというのに八年も十年もの払いということになれば、やはり高くしなければ割が合わない。そういうふうに、いわゆる会社としてはケース・バイ・ケースで値段をきめておるのでありまして、それほど国内の場合と海外に売る場合とに違いがないのじゃないか——これは、契約の内容というものはなかなかうるさいのでありまして、海外でもそういうことは絶対に知らせません。たとえば、イギリスがソビエトに船を売った場合に、条件はどうかということはなかなか教えない。これは商売の秘密であります。日本の場合も、商売の秘密でありまして、それまで立ち入ってわれわれがみんな教えろというわけにいかない面もありまして——しかし、概括的に見ると、そう違わない。あなたのおっしゃるように幾分は安いのじゃないかという感じはいたします。しかし、こういうことは全部それぞれの場合々々によりますので、私としてはそうお答えを申し上げるよりほか答弁の仕方がないと、かように考えております。
  94. 相澤重明

    相澤重明君 私の聞きたいのは、先ほど申し上げたように、わが国の造船能力というものから考えて、今政府が進めようとする計画造船の量、あるいはこの三十八年度一ぱい、来年の三十九年の三月を一応目標に終わろうとする戦標船の代替船あるいはタンカーの問題もあるので、とにかくそういうことを含みながらも、二百万から二百三十万トンの能力を持っておるのに、今のこれでいくとあくのではないか。造船能力から見ればもっと量をふやすことができないだろうか。そうすれば、輸出をするのに一番いいような気がする。これに国際支収の改善にもなるし、わが国の産業の発展にもなるのだから、そういった能力を持っておるわが国の造船業者に対して、あるいはそこで働いておる人たちに対して、心配のないようにするにはどうしたらいいか、これを実は聞きたいわけです、あなたに。  そこで、国産機械の外国輸出については、あなたは延べ払いの問題も何かきめたでしょう。発表しましたね。それについては、六十億からの、これは預金部運用資金ですか、預金部運用資金だろう、六十億は。
  95. 福田一

    国務大臣(福田一君) それは入るほうです。輸出じゃなくて。
  96. 相澤重明

    相澤重明君 入るほうかまあ、それはそれとして、それも聞いておきたいのだけれども、それと同時に、輸出をすることは、国際収支改善することなんだから。  そこで、船価が外国よりも高ければやはり契約は少ないので、外国だってみすみす赤字になるのに発注するわけがないのだから。そこで、船価が高いという一番根本になるのは何か。その中で、私はいろいろあるだろうと思うのだよ。いろいろあるだろうと思うが、やはり船を作るということからいけば、鉄鋼というものは無視できないだろう。そうすると、この鉄鋼に対する政府の政策というものは、わが国の建築業界はもちろんだけれども、造船界におけるウエートというものは、私は過少に見るわけにはいかぬと思うのですよ。その鉄鋼政策をどうするか。すでに八幡なり富士なりがいろいろ相談をしておるようですね。新聞ではもう、ことしトン一万とか一万五千とか値上げするとか、盛んにやっているでしょう。そうなると、ますます船価が高くなるように思うのだが、その場合に、たとえば造船利子の補給をするように、鉄鋼生産者に対する補給をするのが——価格差補給金というか、あるいは利子補給という、ある程度のそういうものがなければ通産省というのは業者の勝手言うままになって、そうして実際に国際収支改善するとか貿易自由化とかいっても、これはなかなかむずかしいのじゃないか、こういうことに思えるのだが、どうか、この点ひとつ説明して下さい。
  97. 福田一

    国務大臣(福田一君) まず、最初の御質問からでございますが、安ければよけい売れるじゃないか、売れればやはり船台がふさがるのじゃないか、こういうお話だと思います。しかし、私の見るところでは、大体船台の関係は、確かに船台自体は今割合にあいていますけれども、しかし、これはあなたのほうが専門家でいられるので、私がそういうことを申し上げるのはどうかと思うけれども、十万トンの船一ぱい注文を受けるのと、それから一万トンの船十ぱい受けるのとは、船台のあき方からいえばうんとあいてしまうのだけれども、実際に人を使うとか何とかということになれば、そのとおりにはいかないかもしれないけれども、それぞれ似かよった面が出てくる。似かよったというか、ある程度のパーセント、七割とか八割の人を使うとか、そういうことになると思うのです、集約して。十万トンというのと一万トンというのとは違いますからして、そういうこともあります。ありますが、海外へ安売りをして、赤字になってでも売ったほうがいいかどうかという問題は、これは私は、そういうことをしておるかどうかということは別にして、いわゆる事業をやっているものの立場から考えますと、これは機械屋さんなんかによくある例なんですけれども、自転車操業というのをやっている。動かしていないというと、手形のあれでもってつぶれてしまうことになる。そういうことからいうと、赤字でもいいからとったほうがいいじゃないかということもあり得る。それはしかし、業者々々が自分の考えでひとつやるように、やらせるという一応は建前をわれわれとしてとっているので、赤字になってはいかぬとか、これ以下の値で売ってはいかぬとか、これ以上で売れということは、われわれとしては指示はしておらないわけです、そこまでは。そうなると、もしそれ以下に売れといったときに私のところは損してもなぜ売らなければいけないのですか。損した分はあなたが補てんしてくれますかと、すぐこうくるわけです。これが自由主義経済のちょっとまたつらいところなんです。そういう意味では、統制経済でしたら、命令でもってこれを売れとか、売るなとかという割り切っていけるわけですが、損した分はめんどうみてくれますか——一々注文をとったたびにこっちがタッチして、損した場合には補てんしてやる、こういうわけにはいかないから、それは自分の力でやりなさいということをしています。しかし、輸出をできるだけするようにするということについては、なるべくやったほうがいいわけです。でありますから、日本の経済の許す範囲においては、延べ払い等も十分考慮していく。しかし、延べ払いの問題も、そう単純でないのです。金を持っている人に延べ払いする場合と、あまり金を持っていない、どうも信用のないところへ延べ払いする場合とでは、年限を片一方は短縮する。片一方は延ばす。これはどうも自由経済の原則としてお認め願わなければいかぬと思うのです。  いずれにいたしましても、あとの問題になりますというと、いわゆる鋼材というものをできるだけ安く造船業界に与えるような工夫があってしかるべきではないか、特に計画造船の場合なんかそうじゃないか、確かにおっしゃるとおりでございまして、これはある程度指導をいたしております。計画造船の場合は、これは政府がタッチして作らせているものでありますから、大体指導いたして、できるだけ安くするようには考えておるわけでございます。  第三番目の御質問でございます、一体鉄鋼業界はこのごろまた値上げするらしいじゃないか、値上げを一万五千円も二万円もした日には造船業界に与える影響が深刻なものがある、もしそういうようなことがあった場合には、価格差補給金というようなものを鉄鋼の業界のほうへかけるか、あるいは造船業界のほうへ出すか、どっちか考えてもらいたい、こういう御質問かと思うのでありますが、実は、今御承知のように、製鉄業界はいわゆる操短をやっておるわけでございます。操短をやって、しかも一応の建値というものをきめておるわけで、標準価格といいますか、大体そういうものをきめておる。操短をやっておって、そして今度値を上げるというようなことは、私としては認めがたい、通産省としては認めがたい。大臣といたしましては。また通産省としても。今そういう鉄鋼業界の値上げを認めるという考えはございません。また、そういうことはしないがいいと思っております。全部フル生産やってみても、どんどん必要性があるのだということであれば、また値段の問題を考えてもいい。物を少なく作っておって、値段だけつり上げられるということは、これは、あなたのほうでたいへんいつも問題にしておられる独占価格ということにも相通じてくるわけでございまして、こういうことは、特定産業の問題でしばしばおしかりをいただいておるようでございますけれども、われわれは、そういうことは断じて考えておらないのでございまして、今後しばらくといいますか、そういう急激な変化があれば別でありますが、私としては、まだまだそんな値段を上げるべき筋じゃない、したがって、できるだけ安く、やはり今までのような工夫でこの造船業界にいわゆる資材を提供するように指導をするつもりでいる次第でありまして、そういう意味でひとつ御了承を願いたいと思うのでございます。
  98. 相澤重明

    相澤重明君 これは、少し私と今度は通産大臣と逆な立場になったんだが、通産大臣は、まだそういう相談を正式に受けていないし、現状の御答弁だからそうおっしゃっていると私は思うんです。しかし、日本の鉄鋼業界が減産を昨年したのを、そのままで今年もいくかというと、そうじゃないわけですね。さっき私が申し上げましたように、もう八幡にしても、富士にしても、業者か幹事会で——理事会というかね。首脳部会議をやって、もう復活をしよう、それで昨年のあの落としたときの値段前の値段近所には値段を上げていこう、それはトン一万なり、一万五千なり、それは品種によっても違うわけですが、とにかくそういうことでやろう、しかも、アメリカの新聞を見てごらんなさいよ。日本の業者がくず鉄を買って、アメリカのくず鉄は値段を上げたじゃないですか。そんなことをあなた知らないで国際間の議論はできませんよ。それを私はちゃんと見ている。見ているから、いずれ通産大臣も、うん、そうかな、ということになると思うんだが、とにかく、しかしそれはそれとしてね。通産大臣とか、公正取引委員長という立場では、物価を上げない、こういう立場を堅持することは正しいと思うんですよ。私ども社会党も、つまり物価を下げるほうに努力することで政府と今まで話してきたのだから、それはそれでいいと思うんだけれども、しかし、鉄鋼業界がいかに自主規制をしていっても、需給安定ということから考えてくれば、これはやはりできるだけの能力を発揮させるということは、やはり政府が、あなたがすべて業界にまかせ切りだというけれども、私は業界にまかせ切りじゃだめだと思う。やはり政府も、日本の経経拡大のためにはかくあるべしという方針を出さなければならぬのじゃないですか。そうするというと、その幅は幾らになるか知らぬが、これはいやでもそういう時期が来る。私は来ると見ているんですよ。通産大臣は、今議会答弁だから、公式の席じゃまさか私は値上げを認めるというわけにはいかぬと思う。私も、そうなってほしくないけれども、現実にはいやでもそうなりはせぬか。  そうすると、船舶の輸出について、特にいわゆる造船に対して利子補給をするという現在の立場におい、鉄鋼が上がることがわかっておりながら、この補給でもって一体やれるかやれないかということが私の疑問点の一つなんですよ。そうすれば、先ほど質問したように、あなたもお話しになったように、造船にかけるか、鉄鋼にかけるかは別ですよ。国家財政投融資をそれだけまで持っていって、とにかくわが国の経済拡大をはかろう、国際収支改善しようというときに、一体どこに主眼を置くか。今は造船に利子補給をして造船界の建て直しをやるわけだ。しかし船主は今はそれでいいけれども、今度造船業界そのものから考えてきた場合に、今まで私はたくさんの資料を政府から出してもらったけれども、これではやっていけませんというのが私の見通しなんですね。これは経済拡大をどういうふうにお互いに理解して、見通しているかということが今の問題、基準だと思うんですよ。そこで、私ども社会党としては、そういう値上げは、あなたのおっしゃるとおり、反対なんだけれども、最悪の場合、そうなったら困りはせぬか、そのときにはどうしようか、その対策があってしかるべきじゃなかろうか、こういう点で、鉄鋼界で今値上げをしようという常務会、重役会の意向が、あなたのほうにも、公正取引委員長のほうにも提案されてくるだろう、相談されるだろう、そのときに政府はどうするかということを聞いておきたかった。  今、なるほどむずかしい点だけれども、微妙な点だと思いますけれども、今船舶保有主だけに利子補給をしておるのでありますが、これだけでは私は足りないと思う。海運企業再建整備するには、その関係業種に対して全般的に前向きの姿勢をとらなければならない。先ほどあなたが来たときに話しておったのは、いわゆる労働者労働条件とか、生活賃金の問題とか、あるいは港運業者に対する適正な事業をもらえるような方法だとか、あるいは造船業者に対する、船台をあけないで、そしてしかも単価というものは、輸出する場合に、あまり外国に負けないようにするためにはどうすればいいかということは、これは考えざるを得ない。しかもわれわれは、知らぬような形でおるけれども、国際的には日本の鉄鋼がいかなる位置にあるかということは、位置づけをちゃんと知っておるわけです。しかも、アメリカでくず鉄の値段がはね上がって、実はアメリカの商人は怒っていますよ。新聞読んでごらんなさい。そういうことからすれば、この点はあまり楽観ムードではいけないのではないか。けさの池田総理大臣の言うようなことになってくるのじゃないか。あまり楽観ムードに酔うと、かえってせっかく作った施策であるけれども、一カ所だけに終わって、実際みんなの歩調をそろえて経済の拡大に向かっていくことができないのではないかということを心配したのです。だから、そういう点で、あなたの御説明については、少しどうも逆の立場になってしまったけれども、それでどうなんでしょうか、ほんとうの話は。
  99. 福田一

    国務大臣(福田一君) 物事はすべていいときのことばかりを考えておってはいけない、やはり悪いときのことも考えなければいかぬという御趣旨には、私は全面的に賛成であります。ただ、私が先ほど申し上げましたのは、くず鉄の値が上がっておりますのも知っておりますよ。八幡や富士の連中が値上げ相談をしているのも知っておりますし、操短緩和のこともやっておることは承知いたしておるのですが、しかし、日本の造船業界の場合において、世界と太刀打ちをしていく場合においては、日本の鉄鋼が世界の鉄鋼と比べて非常に値が高い場合においては、それだけのハンディキャップがつくことはわかりますけれども、現段階におきまして、アメリカのいわゆる鉄鋼の市価と日本の鉄鋼の市価と比べますと、それほどの差異はない。日本の鉄鋼業界というのも、それだけ実は伸びたわけであります。国が大いに力を入れた関係でありますけれども、日本の鉄鋼業界は、世界の鉄鋼業界と大体太刀打ちができる設備を持っておるというふうにわれわれは見ておるのでありまして、したがって、日本の鉄鋼が上がるのは、むしろ海外の鉄鋼の値が上がるのにつれて上がっておるのであって、今の段階では、海外より安いという現段階でございます。そういう段階において、いわゆる操短を緩和せられるということは、やはり値を上げることをむしろチェックする部分があるわけでありますから、われわれとしては、できるだけ操短の緩和のほうは認めるつもりでございますけれども、いわゆる建値というものをもう一ぺん上へ上げようという考えは、今のところ全然ないわけであります。また、その必要はしばらくの間ないのじゃないか。  ということは、鉄鋼というものを使うのは、どんどん設備をふやしていく、あるいはまた、そういうビルディングやなんかをどんどんふやしていくという場合に、鉄鋼の需要が大いにふえてくるわけであります。去年あたりはずいぶんふえたのですが、国内で使い切れないものだから、ダンピングして海外に輸出したという事態さえ起きておるわけでありまして、今の鉄鋼業界の自主生産能力から見、将来の需要供給の関係を見ますというと、鉄鋼はそれほどいわゆる一万円も一万五千円もトン当たり上がるという段階ではない。これがもし上がるとすれば、海外の値が上がって、それに引きずられて上がってくるのじゃないか、こういうふうに考えておるのであります。海外の値が上がるときには、向こうだって造船が高いですから、それは十分に太刀打ちすることができるわけなんで、そういう意味で私は先ほどあなたに御答弁したわけであります。  しかし、あなたが御説明になったように、事実問題として上げざるを得ない特殊事情が起きたときにはどう考えるのだという御質問と私は承っておりますので、そういうときには、もちろんわれわれとしても十分ひとつ考慮をいたして参りたい。しかし、その場合に、いわゆる価格差補給金でやるのか、どういう形でやるのか、ということは、これは政府全体としての問題もございます。そのときにひとつ研究をさしていただいて、あなたからいい御注意をいただいたということを胸に秘めて将来の施策考えていきたい、かように考えておるわけでございます。
  100. 相澤重明

    相澤重明君 それと同時に、通産大臣、私の心配するのは、実は鉄鋼の量産をふやすことはもう既定の事実。それは幾ら政府が押えようといったって、これは、能力があるものを昨年は業界が自主規制をしたのですよ。ところが、今のような時期になれば、これは困るから、あなたの言うようにどうしても伸ばしていこう、こういうことになっておるのです。今の常務会がやっておることは、必ずもう私は伸びると見ていますよ。ところが、あなたのほうで五%にするか一〇%にするかは別です。けれども、業界が必ず鉄鋼の量産を上げてくることは事実です。ところが、もしあなたの説明のとおりにいくと、一体そのしわ寄せはどこへいくかというと、労働者に来るのですよ。だから、私が一番心配するのは、政府指導いかんによっては、労働者の低賃金政策を押しつけていこう、こういうことになりかねない心配があるから言っておるのですよ。もちろん、外国と競争をするのだから、外国に負けちゃいかぬ、そういう気持は、われわれ国会議員としては皆同じだと思う。その間で、せっかく政府利子補給までして船舶建造をさして、そして外貨を多くとる、こういうのだが、そのもとになるところの鉄鋼業界なり造船業界のそのいわゆる建造価格、この価格がうまく輸出船舶の費用に合わないようになると、実はそのしわ寄せというものが、働いているものに来てしまう。ボーナスも出せません。給料も分割払いです。舞鶴の、何ですか、造船所は、ついにつぶれなければならぬようになった。こういうようなことになったのでは、それはあなたの意思にも反するでしょう。日本の国は、何も、幾ら機械をよくしてオートメにしたところで、合理化したところで、国民の生活を守らなければ、あなた、政治じゃない。そうですね。だから、労働者の賃金を安くして、そしてしわ寄せがすべて働くものにくるということになったら、これは心配だから、そういうときには、国策として推進する以上は、そういう点に思いをいたしておかなければならぬと、私はこう思うのです。  そこで、あなたにひとつ具体的に聞いてみてもいいですか。——そこで具体的に聞きたいのは、先日、日立造船が英国の海運会社のコートライン社に二十二日に契約をしたわけですね。あなた御承知のとおりですよ。ところが、これについて、どうですか、英国の労働組合は猛烈な反対をしているじゃありませんか。海外の情報では、日本の労働者の低賃金がいわゆる契約高を安くさして、そして英国の労働者の生活を圧迫すると言っているじゃないですか。今これを読んでみると、この英国の海運会社コートライン社は、日立造船との間に六万七千トンのタンカーを総工費二百二十九万ポンドで建造する契約を結んだ。この発注をめぐって英国の造船関係労組が反発して、しかも英国の下院でもウイリアムズーこれは保守党議員ですよ。保守党議員のウイリアムズー議員が、下院でもって政府に対して猛烈に食い下がっておるじゃないですか。なぜ政府はこういう英国の業者及び労働者を圧迫するようなものを許したのだと。そして英国の船のボイラーマンの労働組合の人は、ストライキをやると、こういうことまで今この新聞は報道しておるじゃないですか。  こういうことか私は——今、英国と本日の造船との契約の問題で英国で起きている問題だけれども、これは単に英国だけじゃない。今、ILO総会に各国の代表が出ております。労使がお互いに出ます。これは必ず問題になります。日本はこれほど低賃金政策をとっておるのかと。だからこそ、池田内閣が幾らILO条約を批准しますと言ったところで、ただ形ばかりで、今まで何年かかっても批准をしないのだ、日本の労働者というものの人権というものを認めないのが池田内閣じゃないか、その代表が、今度の英国のこの船を契約したことに現われてきたんじゃないかという——私が言うのじゃなくて、向こうが言うだろうと、こう言うのです。  そこで、そういうことに対して、通産大臣だってこれは黙って見ているわけにはいかぬ。私は何も、民間の会社が外国の商社と契約したことだから、それに対していい悪いということを言いたくはないけれども、そういうところに追い込まれておるこの業界というものの救済をしなければいかぬ。そのことは、もし黙っておれば、私どもがそういう点をお話しをしなければ、日本の労働者階級はますます低賃金政策に追い込まれる。こういう点を私は心配をするわけです。だから、通産大臣はそういうことはないと思うのだけれども、そういう点で、この英国の一つのマンモス油送船の日本の日立造船と契約したことに対するあなたの見解をひとつ聞かしておいていただきましょう。
  101. 福田一

    国務大臣(福田一君) 確かに、あなたのおっしゃったとおり、英国でこれが問題になっておることは事実でございますが、しかし、必ずしもこれに対して、英国の国内においても意見が統一しておるわけじゃございません。保守系の新聞であるマンチェスター・ガーディアンなどは、船会社が安いものを買うのはあたりまえじゃないか、それを国内のものをどうしても買えという、そういうことの言える義理がないじゃないか、それじゃ自由主義経済にならぬじゃないか、こういうことを言って大いに論じておることも事実であります。あなたもすでに御存じのとおりであります。また、議員の中にも同じような意見を持っておる者もあるのであります。その意味でも、必ずしも英国の意見は統一したものであるとは私は言い得ないと思うのであります。しかし、あなたのおっしゃる意味は、そういうことよりも、いわゆる造船業に働く労働者の待遇がこれによって搾取をされて、しかも輸出をされるということになってはたいへんだということでございますから、これは私は、個々のこの契約の内容、あるいはまた、それに基づく実際のこの労務費をどういうふうに見ておるかというようなことからこれは判断すべき問題であって、イギリスでどう言ったからといって、これは、私たちがそういうことを問題に取り上げてやったら、今後私たちは船舶の輸出ということはできなくなって、向こうの労働組合かなんか、ちょっとあれは安過ぎるじゃないか、これはもう日本がダンピングしているのだ、というようなことを言われて、そのたびにわれわれがそういうことを認めないなどということを言っては、これは私は、日本のいわゆる輸出振興ということはできないと思う。そして、あなたのおしゃる意味も、決してそういう意味じゃない。要するに、日本の造船業界に働く労働者のいわゆる待遇をよくめんどうを見なければいかぬじゃないか、こういう御趣旨であるとすれば、これは私はよくうなずけます。  しかし、その問題になると、その船価の問題より何より、その中に含まれておる労働費というものをどういうふうに見ておるかということが一番大きい問題であろうと私は考える。ほかの面におきまして努力して、労務費の面においてはやはり今までと同じようにして、競争したのだとすれば、これはあなたは何も御心配はないのではないか。したがって、個々の問題としてひとつ御研究をお願いいたすべきではないかと、こう思うのでありますが、ただ、こういうような契約の内容というものは、実は、これを特にこういうところでほじくり出したりなんかいたしますと、すぐそれがまた輸出の問題に非常に響いてきたり、ますます日本の輸出産業をいじめることになり、ひいては、今度は労務者の失業問題等にもつながってくるということになると、あなたの御趣旨にも相反するのではないかと、かように考えるのでありまして、まあひとつ、そういう意味でこれは御了承をお願いをいたしたいと思います。
  102. 相澤重明

    相澤重明君 通産大臣の言うことは、普通の人の話ならばそれでいいのであります。ところが、これは日本だけのものじゃない。国際間における日本の立場、こういうことから考えていくと、ひとりよがりのことを言っておっても、大臣、だめなんです。通用しないのだ。ましてや、いわゆる欧州共同市場の問題を考えてくれば、これはなかなかそう簡単なものじゃない。あれだけアメリカとカナダを含んで欧州と経済問題を議論されたことはまだ耳新しいことじゃないですか。しかも、そのことがいわゆる日本の造船業者と英国の業者とのその契約をしたことが、はしなくも、たったちょっとしたことだけれども、それが今国際世論になりつつある。だから、その中には、あなたの言う、保守党の人の中でも必ずしも意見が一致しているんではないと私も承知しておる、読んでおるから。それからまた、そのことは必ずしも英国の全部の意見でもないでしょう。けれども、そういうことが議論をされることは、日本に対するやっぱり大きな関心の目というものが、これは離れないわけですよ。ですから、私どもとしては、これはきょうはそれ以上のことは言わなくてもいいでしょう。いいだろうけれども、私は、この問題は決して小さい問題ではなくて、特にILO条約批准の問題をめぐって、今回のこういう問題は、私は必ず欧州の労働者に取り上げられる問題だ。だから、政府もそのことを用意して、今日から準備をされても悪くはない。だから、特にそのあげくの果てに、日本の労働者が、なお労働条件なり賃金条件で悪くされるということは、これは許せないから、それはあなたも私も意見は違わないだろうと思う。こういう点についてお話ししたわけです。  それはそれとして、時間がなくなったようですから、いま一つだけ。  これは、大臣説明は今後もやってもらえますから、きょうばいま一つだけ聞いておきたいのは、この港湾関係の事業者というものは、きわめて中小企業なんですよ。あなたは、中小企業等についての関係法律案についてはたくさん出ておることは御承知のとおり。あなたの所管ですからね。そうでしょう。ところが、港湾関係の中小企業、特に先日当委員会で与党の天坊委員からお話がありましたトラック事業に対する助成というものが中小企業対策の中に入っておらない。なぜそれを今回は入れようとしないのか。この点について通産大臣としての意見を聞いておきたいし、できれば——私は文句を言うだけが能じゃないんだから、むしろあなたが、若干やっぱり事務当局から聞いておるところで足りない点があるかもしらぬから、その場合には入れたほうがいいんではないか、今提案をしているんだから。その中に入れれば、そういう中小企業のいわゆる業者人たちも救われるわけですよ。これは昨年は、せっかくこの中小企業法律を作って、その中にはこの運送業者というものも入っておっても、今提案しているのに入っていないんじゃないですか。こういうことに対する業界の強い意見もあるので、私はこの際通産大臣に聞いておきたい。
  103. 福田一

    国務大臣(福田一君) そのお答えをする前に、先ほど賠償船のトン数の御質問がございましたが、今調べが済みまして来ておりますから、あとで報告をさせます。  お答えをいたしますが、お話のことは、はしけとかあるいは自動車運送業というような問題を取り上げておいでになるんだと思うのでありますが、これは、中小企業基本法としては、もうもちろんその中に入れておるわけでございます。それはどういう形で入っておるかというと、日本標準産業分類というのがあるわけです。それで、はしけの運送業などは、この分類がずいぶんたくさん何千種とあるものですから、大きい分類から中分類、小分類といくわけですが、大きい分類では、運輸通信業というものがございます。中分類では水運業というのがございます。そのまた下に内陸水運業というのがある。その内陸水運業の中に、はしけ運送というものはちゃんと入っておるわけでございます。  それから今のトラックのお話がございましたが、トラックは運送業の中にちゃんと入れてございます。ただ、中小企業というものは、御承知のように、横割りにした場合ですから、基準をきめなければいかぬわけですね。そうすると、基準は人と金で基準を切っておるわけですが、その人と金の分は、今度の中小企業基本法では、資本金が五千万円以下であるか、または従業員が三百人以下、こう言っておるわけです。それからサービス業、たとえば運送取扱業などはサービス業で処理をしておりますが、こういうものは資本金一千万円以下、また従業員三十人以下、こういうふうにして、ちゃんと、いわゆるそういうような運送業についても、同じこれを中小企業としてわれわれとしては育成をしていくという建前で中小企業基本法を出し、関連法規も出しておるわけでございますので御了承を願いたいと思います。
  104. 相澤重明

    相澤重明君 大臣、そこで説明しているんだけれども、中小企業基本法には入っているんだよ、それはいいんだ。私の言いたいのは、中小企業近代化促進法、その中の業種指定ができておるかおらぬか、それはどうなんです。
  105. 福田一

    国務大臣(福田一君) その場合は、実は現段階においては、今まだ入れておりません。今後ひとつ検討をいたしたい、かように考えておるわけであります。
  106. 相澤重明

    相澤重明君 だから、あなたの今お話しになったように、入っておらないのだ。ところが、ほかはみな入っているわけだ。そこで私が言うのは、同じ中小企業を育成するという政府の方針で、基本法を初め、関係法律を出しておるのに、昨年きめて、今年もこの近代化法を出しておるにかかわらず、なぜその中に入れることができないのか、それじゃ中小企業を育成するということにならないのじゃないか、こういうことで、この間天坊君からもそのことが言われたわけです。だから私は、当委員会においても、この関係港湾業について、やはり全般的に前向きの姿勢をとらせるということが専門委員会としてのわれわれの役割ですから、せめてあなたに出てもらって、あなたにやはり参議院の運輸委員会というものは熱心だということで感謝をさされなければならないのだな。こういうことで、ひとつ、検討なんて言われるが、入れて下さい。これは入れたっていいじゃないですか。中小企業基本法に入れているじゃないですか。何で入れない。入れてはいけないという理由があれば明らかにして下さい。
  107. 福田一

    国務大臣(福田一君) 御承知のように、今あなたが御指摘になった法案は、三月にあがったばかりです。まだ実施はいたしておらない。ただ、そのときの説明には入っていなかったということは事実であります。したがって、今後われわれはこれを検討するということを申し上げておるわけです。あなたのほうで入っておらないのはけしからぬというが、入るか入らないか、これからきめた上でなければわかりゃしない。これからきめるわけです。あなたの御趣旨を十分考慮に入れながらきめよう、こう言っておるのですから、御了承願いたいと思います。
  108. 相澤重明

    相澤重明君 大体私の言うことが通ったらしいから、私もそれで了承するがね。これは入れないということになったらたいへんですよ。政府は、中小企業を育成するということで法律を出しておるが、少なくとも、中小企業基本法を初め、中小企業関係法律に、そういうあなたの説明されたように入っているわけだ。だから、あなたが私の言うことで了解されたということで、きょうはあなたに対する質問を終わります。時間があればもっとやるんだけれども、予定されたことだから……。いいね。それでよろしい。
  109. 福田一

    国務大臣(福田一君) ちょっと説明員にさっきの数字だけ……。
  110. 山下英明

    説明員(山下英明君) 三十七年度の賠償船のトン数を申し上げます。実績で一万五千九百トンでございます。それから先ほど申し上げました数字で、ちょっと訂正させていただきたいと思いますが、百七十七万二千トンと申し上げたときに、あるいはそれが政府の承認の数字として申し上げたのではないかと思いますが、これは契約の総額でございまして、もしそういうことであれば、たいへん失礼いたしました。承認の数字は、百四十三万四千トンでございます。
  111. 相澤重明

    相澤重明君 今の数字は、あとで速記録に出るだろうからあれですが、そうすると、さっき私のお尋ねしたのは、賠償の船舶に対する金額はわかったけれども、単価がどのくらいかと、いうことについて、これはどういうふうにお答えになったのですか。
  112. 山下英明

    説明員(山下英明君) 私どものところは、総トン数の一万五千九百トンで九百万ドルを割って平均単価を出す程度でございます。
  113. 相澤重明

    相澤重明君 これは、できれば、この前の昨年の当委員会だったかね、賠償船に対する隻数とか、トン数等を各国向けに分けて実は出したわけです。そこでできれば、どうせさっきの資料を出していただくのですから、三十七年度それから八年度のことも、これはもう一千百万ドルというのは、あなたのほうで計算があるわけですね。そういうことについて、各国向けに対してどのくらいなのかということの資料、できれば作って出してもらいたい。
  114. 山下英明

    説明員(山下英明君) かしこまりました。
  115. 金丸冨夫

    委員長金丸冨夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  116. 金丸冨夫

    委員長金丸冨夫君) 速記をつけて。  それじゃ、一時休憩いたします。    午後四時休憩      —————・—————    午後四時二十六分開会
  117. 金丸冨夫

    委員長金丸冨夫君) これより再開いたします。  本日の質疑はこの程度といたします。  次回は、六月四日午前十時開会ということにいたします。  本日は、これをもって散会いたします。    午後四時二十七分散会