○相澤重明君 僕は実は、昨年の事業を行なっておるものと、それから新しく認可したものの数字を、全部とってあるのですよ。そこで、これは
政府がどうも一度に多くの業者を新たに認可をしたということについて疑問がちょっととれなかったのです。今話を聞いてみると、新しく港ができて、そこに指定したということや、それから法律上の欠格
条項があったものを、行政指導の上で新たに適法化して、いわゆる免許を与えたもの、こういうふうに私は受け取れます。その限りにおいては、私は誤りではないと思う。ただ、先ほどの天坊さんのお話じゃないけれ
ども、今の港湾関係についての事業者というものはほとんどが中小
企業です。これは
日本の中でも大きいのは幾つもないのです。ですから、そういう点からくると、経営が困難な中に
競争者がたくさんできたということは、私は、
河野さんのお話じゃないけれ
ども、どうしても料金についてもダンピングを行なう、あるいはリベートを取る、こういうようなことが白昼公然と行なわれているということも、否定できない事実だと思うのです。ですから、
運輸大臣は、その点まだこまかい点を聞いておらないから、まあすべてが法律のもとに適正に行なわれておるだろうというお話を受けたんですが、私は、先ほどの大倉
委員のお話じゃないけれ
ども、この港運業者がどんなに苦労をしたかということについて、当時からの話や、私自身が、米軍下の取り扱いについて、昭和三十二年に当
委員会で、このことはこまかい質疑をお互いに行ない、またそういう違法行為のないように
政府に要請をしたわけです。これは会議録に載っておりますから、十分調べてもらえばわかるわけですが、そのことは今日でも変わっておらないのです。米軍は、予算の削減、つまりアメリカの国家予算の削減という名のもとに、今の
日本の法律において、あるいは公示料金においてきまっておることでも、なかなかこれはやろうとしない。それが単に、
一つのいわゆる通訳の問題であるとか、機械力の貸与の問題であるとか、こういうような、名前は通っておるけれ
ども、実際にはたいしたことはない。ですから、そういう点は、私も横浜港を見て知っておりますから、こういう点については確かに直さなければいけないということで、その後
政府が努力したことは認めておるけれ
ども、必ずしも多くの中には、それだけでは仕事がとれない。
競争者の多い中では仕事がとれないから、表面はとにかくとして、裏ではそういうことをしなければいけない、こういうものが出てくるわけです。それでは私はやはり中小
企業の育成にはならぬと思う。あさっても
委員会をやりますね。そのときに、私はこの前も申し上げておいた
船舶の輸出関係等の問題も含めて、通産大臣を呼ぶつもりですから、そのときには、先ほどの天坊さんのお話じゃないけれ
ども、中小
企業に対する
政府の育成というものは一体どこに
基本を置いているのか、こういうことも私はやはり例示をしてみればはっきりわかると思うのですよ。そういうことで、どうも昨年までの事業を行なっておる港運事業者がかなりやはり経営上苦しんでおるにもかかわらず、新たに今まで免許したものの三分の一とか、倍になるような事業者がどうしてふえたかという疑問は、なかなか私
どもはぬぐうことができない。そういう点、先ほどの
説明を聞きましたけれ
ども、私はやはりいま少し具体的に
説明のできるようにしてもらいたい。どこの港の
関係者としてどのくらいになっておるのか、こういうようなこともできればこの次に
説明のできるようにしておいてもらいたい、資料として。
それからいま
一つは、先ほどの
料率の改定の問題について、公示料金というものが、実際には、元請業者に当てはめていって、公示料金は
荷主との話でもってきめて、それが実際に扱うところの下請業者は、そのうちから、先ほどあなたから
説明があったように、何%とかいうものは取られて、そうしてそれだけの狭まった料金でもって仕事をしなければならぬ、こういうことになっておるわけです。これはやはり私たちはどうしても検討してもらわなければならぬのじゃないか。これはもう早急に、港運事業者というものの免許を
運輸大臣がする以上、その人たちの経営というものがやはり成り立つようにしなければ、いくら法律を作ったところで、
政府が努力をいたしますと言ったところで、私は、そういうことにはなっていかない、こう思うので、その点については、先ほど申し上げましたように、早急にひとつ
政府としての研究を進めて対処していただきたい、こう思うのであります。
そこで、いま
一つの問題点は、先日この資料を出してもらったと思うのですが、さらにこの港湾に対する実際の
政府のいわゆる推進といいますか、国費を投入することについて、やはり具体的に作業ができるように、いわゆる
運輸省自体が国費を投入するようにしなければ、なかなか関係の事業者というものは実際にはスムーズな仕事ができないと私は思う。今この中にはあまり載っていないようでありますが、港湾関係の費用というものを先日資料で出していただきましたが、私は、まだまだ実際の
船腹量が増大をする中に、しかもこれからは、もうスーパーというどころではない、十万
トンのタンカー船が入るというようなことから考えていって、今の
日本の港湾のあり方では規模が小さ過ぎる。こういうことについても、船込み問題とも関連をして、早急に
整備をすべきじゃないか。そして、やはり機械化をし、
合理化をしていかなければ、いくら
国際競争力に勝つ
——勝つというか、一人前になろうとしても、そういう面でもやはりおくれてしまう。こういう点について
政府の特段の注意を喚起していただかないというと、先ほどの話の
造船には
利子補給をするけれ
ども、片ちんばになってしまう、こういうふうに私は思うわけです。こういう点について、
運輸大臣が、先ほどの
審議会のいろいろの答申も得られるようでありますが、特にお考えを持ってそういう対策を作る考えがあるかどうか、これはひとつ
運輸大臣から聞いておきたいと思うのです。