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政府委員(木村睦男君) もしよろしければ、お配りいたしました資料について、一応大ざっぱに全部
説明させていただきましょう。
本日お配りしました資料は、最近の自動車全般につきまして、ごく概略の情勢がわかるのに役立つと思いまして、簡単に作り上げましたので、一応御
説明させていただきます。
まず、一ページの左の「自動車数の推移」、下が
年度で三十三、各暦年でございます。各年の十二月末の数字をそれぞれ示しております。三十三年から三十七年まで、縦が自動車の両数でございまして、五百万台まで目を切ってございますが、「総台数」と書いて実線でありますのが、これが軽自動車も普通自動車も入れました、要するに
道路運送車両法でいいます自動車の総数でございます。三十七年の十二月末が五百十九万九千両五年前の三十三年が二百二十三万でございますので、倍以上になっておるということになります。それから、その下の点線が、まずいちばん下の線がそのうちの軽自動車の数でございまして、三十七年末が二百五十一万五千両、五年前が九十万でございますので、このふえ方は三倍近くふえておる。それから、そのまん中の点線が軽自動車を除きました普通の自動車でございますが、これが三十七年末が二百六十八万三千台でございます。このふえ方は、軽自動車のカーブより若干ゆるくなっております。軽自動車の増加の傾向が一番強いということを示しております。
それから右が、軽自動車の今度は内訳の推移でございまして、一番急カーブのまん中のカーブを見ていただきますと、これが軽の三輪、四輪車でございます。三十三年に二万台でありましたものが、三十七年には百万台、五年間に五十倍という驚くべき増加を示しております。それから、その下の点線が、ただいま
お話のあった農耕車あるいは特殊車、これは
道路工事なんかに使います、泥をすくったりするような車でございますが、こういうものが四十五万両になっております。五年前が四万両ですから、やはり十倍以上で、農村における農耕車の普及というものを物語っております。なお、これは、ただいまも
お話しのように、実数はもっとふえておるという実情でございます。一番上が軽の二輪車でございまして、これは現在、昨年末が百六万三千、五年前が八十三万で、これはそうたいしてふえていない。特に、このカーブでもわかりますように、三十五年、六年がピークになりまして、むしろ七年は下がっておるというふうな実情になっております。
それから、次の表が、自動車におきます事故のふえ方の傾向を示しております。まず、「事故件数」という縦の欄の中に、「自動車による件数」
——事故件数でございますが、三十二年が十三万余でございますが、それが三十六年には四十三万件になっております。ただし、三十五年四十万、それから三十四年の十七万
——四年と五年で非常に開きがございますのは、事故の統計のとり方は、これは警察のほうでやっておりますのですが、三十五年から統計のとり方を変えましたので、その
関係で急激に三十五年が四十万に上がっておりますが、実際のふえ方は、三十三年、四年
程度のふえ方と、大体同じとり方をすれば、同じ
程度の増加の傾向でございまして、この数字が示すほど飛躍的増加ということにはならないのでございますが、統計のとり方で数が変わってきたわけでございます。
ここで、今度の法の改正等で関連して御参考になると思いますのは、この普通の自動車とそれから軽自動車との事故の割合でございます。今の事故件数の三番目の欄に、普通自動車に対する軽自動車の事故の件数の割合のパーセントが出ております。たとえば、三十六
年度は二〇・四%というものでございます。ところが、一番上から三番目の欄に四六・一%とありますが、これは自動車の数で、軽自動車のパーセントでございます。つまり五割ぐらいは軽自動車でありますが、事故の件数からいくと、事故のうち二割ぐらいが軽自動車ということで、やはり事故の件数は一般自動車のほうが多いということを物語っておるのでございます。さらに、それを今度は千台当たりの件数で見ますというと、一般に千台当たり三十六年で一一五・一件という事故が起きております。軽自動車だけで見ますと、その下の欄の五〇・九というのが軽自動車の千台当たりの事故の件数になっております。次の欄が、この事故による死者の比率でございまして、千台当たりで見ますと二・七人の死者を出しておりますが、軽自動車につきましては千台当たり〇・九人
——一人に満たない、こういうふうな比になっておるということを示しておるのでございます。
それから、第三ページに参りますが、さらに三十六年中の自動車事故を少しく詳細に、特に軽自動車、それから車検の対象になっております普通の車両の事故とを比較してみますというと、この欄で軽自動車をやはり二輪と三輪以上に分けておりますが、右から五つ目の欄の千台当たりの事故件数という欄を見ていただきますと、軽自動車につきまして、二輪については三八・七件、それから三輪以上については七〇件という件数で、やはり三輪以上の軽自動車の事故が非常に多い。大体倍に近く多くなっております。この事故の原因の中には、運転の不注意が大半でございますが、この欄をずっと右に見ていただきまして、右端から二つ目の車両欠陥事故件数、それから最後の千台当たりの車両欠陥事故件数、これを見ていただきますというと、事故の中で、車両の整備が悪いために事故を起こした件数が、二輪軽自動車につきましては千台当たり〇・一五件、それから三輪以上の軽自動車につきましては〇・四九件、二輪軽自動車、三輪軽自動車とこれだけの開きがございますので、今回三輪以上の軽自動車を法改正で認証制にいたしまして、整備の充実をはかりたいというのも、こういうところから
考えたわけでございます。
さらに、軽自動車全体が、千台当たり車両欠陥事故が〇・二八でございまして、それからその次の車検対象車両、これが千台当たりの車両欠陥による事故件数が一・八九で、〇・二八と一・八九と相当な開きがございます。まあ、こういう点から、現在、軽自動車につきましては、車両検査までする必要はなかろうというふうになっておりまして、検査の対象に軽自動車は入っておらないというふうな措置が講じられておるわけでございます。
それから、下のほうが車両欠陥事故の推移でございますが、しからば過去数年間にわたって車両欠陥の事故はどういうふうになっておるか。まず左のほうの検査対象自動車、つまり軽自動車でない定期検査を必要とする自動車につきましては、千台当りの事故の件数は、昭和三十二年の一・九三が、三十三、三十四年が少し減りまして、三十五年はふえて、三十六年が少し減って、大体三十二年
程度に下がっているという傾向を示しております。
右の軽自動車につきましては、千台当たり三十二年が〇・二四でございましたのが、三十六年が〇・三八というふうな大体傾向をたどっておる。しかし、千台当たりの車両欠陥事故の比較は、軽自動車と検査対象自動車とは相当な開きがあるということは、前に申し上げたとおりでございます。
それから、第四ページが、自動車の車両の数の増加の傾向と、この車両の検査あるいは車両の登録をいたします検査登録の要員の増加の比率でございますが、車両数が、指数を見てもらいますと、三十三年の一〇〇に対して、三十八年が、推定が入っておりますが、二一五
程度にふえておるのに対しまして、要員のほうは、指数を見てもらいますと、三十三年の一〇〇が、一三二と三割の増加で、車は二倍以上にふえている。こういうふうに、非常に車両数の増加とはかけ離れて要員が少ないということでございます。この対策といたしましては、検査あるいは登録の事務の合理化等推進をはかっておりますし、それから指定整備
工場制度を作りまして、検査の場合の点検の予備的な仕事をそういった優秀
工場にやらすというような方法を講じておりますが、それにいたしましても、やはり要員が非常に少ないということで、実は自動車行政の
一つの悩みになっておるわけでございます。今後とも、合理化等につきましても
考えたいと思います。今回の車両法の改正につきましても、若干の要員の節約ができるような合理化も織り込んでおるわけでございます。
それから、最後の表は、先ほどの自動車の整備士の増加の
状況でございますが、整備士というものは、一定の資格を持って国家の試験を受けて整備士という資格をもらい、分解整備
工場等につきましては、規模によりまして一定数の整備士がいなければならないのでありますが、この整備士にも二階級ございまして、二級整備士、三級整備士という二通りに分けておりますが、合計いたしまして、三十三年の二十四万四千人が、三十七年は三十八万七千名余りになっておる。相当養成には力を入れ、このように増加しているということを示しているのであります。
それから、右のほうは数字で表わしておりますが、まず1の自動車分解整備事業者が全国で幾らあるか、三十八年二月現在で約二万三千
工場でございます。それから、この分解整備事業というものは、2、に書いてありますような三種類の種別で認証しております。普通自動車分解整備事業者は一万三千九百、小型自動車分解整備事業者が一万八千七百、電気自動車分解整備事業者が三十一
——これは今回の改正法にも入れておりますが、電気自動車の分解整備事業者というのは、終戦直後に電気自動車が多かったためにこういう事業主を指定いたしましたが、現在はこの必要がなくなりましたので、今回は事業種別から削除いたしまして、普通の分解整備事業の中に包括いたす措置を講じております。今回三輪以上の軽自動車の分解整備事業を認証制にいたしますが、これの
工場数の推定数が、次にありますように、約三千ぐらいございます。それから、今の1の二万二千三百九十一と2の三万二千七百十八と数が違いますのは、2は延数でございまして、一人の整備事業者が二つの資格を持っております場合には、二つになっております
関係上、ふえております。
次が、電気自動車の数及び電気自動車の分解整備事業者数でございますが、電気自動車の数は、昭和三十五年にたった十四両、こういうことでございますので、その後は
調査いたしておりません。また、電気自動車の分解整備事業として、これも単独の事業の認証を受けております者は三
工場にすぎない。あとは普通自動車、小型自動車と兼業で認証を受けておるものでございます。
以上がこの資料につきます概略の御
説明でございます。