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吉田忠三郎君 関連して。ただいま河野さんからいろいろ今度の豪雪に対する
輸送の問題で御
指摘があったわけですけれ
ども、私はそういう点については当然の御要望なり
質問だと思うのです。ですけれ
ども、私も先般他の
委員と派遣されて現地へそれぞれ視察をし、
調査をいたしてきたのでありますけれ
ども、現状
国鉄の
輸送だけに現在の滞貨なりあるいは緊急生活必需物資の
輸送をたよるということは、これはなかなか、言葉では簡単でありますけれ
ども、
事情としてはそう簡単なものではないのではないかという点で、私
どもは現地でそういうふうに感じてきたわけです。したがいまして、きのうの災害特別対策
委員会におきましても、これらの詳細な報告をいたしておきましたけれ
ども、端的に言いまして、
国鉄側も
輸送状態というものが必ずしも満足だというふうには言い切れませんけれ
ども、現地のそれぞれの今日的な段階での要請には、私は果たしているのじゃないか、こういうことで実際に見て参りました。したがいまして、
輸送も、これからどうしても生産再開に必要な物資の
輸送を含めまして、大体先ほど
局長が言われました二十万トンから二十二、三万トンではないかということを、実は国会の派遣団も認めてきているわけです。問題は、これからあの三
地方、新潟を含めまして、大体百万余トンくらいの滞貨があると思いますけれ
ども、これをどう一体あの地域における経済の問題等も含めまして
輸送するかということが大きな政治的な問題であり、主として
輸送を担当する
国鉄側の責任に私は課せられる問題ではないか、こう思ってきたわけであります。で、事実二、三の例を申し上げますと、たとえば、金沢におきましても、富山におきましても、福井におきましても、私の参りましたときには、貨物の
輸送というのは大体四〇%から五〇%確保しておったわけですけれ
ども、
鉄道が、今河野先生がおっしゃったように、やれやれということで、多少計画
輸送の諸品目については若干問題はあろうと思うけれ
ども、しかし実際は、駅に到着しますと、受け取るところがさっぱりない、こういう
事情で駅の構内に滞貨してしまうというような現状がある。これは何かというと、えてしてこういう災害のときには、確かに全体のもろもろの需要があるわけですから、その任務たる
国鉄にその要請があるのだけれ
ども、そのことだけに目を向けて、問題は、いわゆる駅構内からそれぞれの
事業所なりあるいは企業体なりあるいは工場に持ち運ぶという路面の交通の確保がないからああいう結果になると思うのです。で、きのうも対策本部長の河野さんも
答弁しておりましたけれ
ども、これからもとより
国鉄の
輸送には相当ウエートを置くのであるけれ
ども、やはり第一に、ただいま河野さんが
指摘しているような、つまりその地域における経済の発展、振興等々のことを
考えてみますと、やはり駅の構内からそれぞれの
事業体に運ぶ幹線路面交通を確保すると同時に、その工場に
輸送する
輸送路を確保しなければならぬ、こういうことが強く私
どもの報告に対する
考え方並びに私
どもの
質問に対して
答弁をなされておりましたけれ
ども、まさに現地を見てそうだと思うのです。ですから、きょうは建設省の方がおいででないと思いますけれ
ども、これからはやはり、
政府のほうとしましても、責任をもって豪雪災害対策の本部を設けて、そこで各
関係の省庁が参画されまして、それぞれの対策を練っておいででありますから、そういう点で、私は、
運輸大臣はできるだけ、
国鉄の
輸送はもとよりであるけれ
ども、総合的なやはり
輸送の確保というところに力点を置いてやらないと、ただ単に
国鉄だけがこうであるとか、あるいは路面交通はこうであるとか——しからば海運のほうの
関係はどうなっているのかと、こういうことになるわけですから、そういう面を含めて、私は、対策本部で第一には民生の安定というところに重点を置いて計画を立て、具体的な施策としていかなければならないのじゃないかと、こう思うのです。ですから、多少蛇足でありましたけれ
ども、私
どもは現地を見て、現在の、つまり災害地に向けて、生鮮食料を含めて第一に民生の安定をせなければならぬ、とりわけ再生産をしなければならぬ最小限度の資材というものは、大体二十二、三万トンぐらいではないかということで推定をしてきまして、この
輸送というものは緊急計画
輸送をいたしましても大体十五日ないし二十日間ぐらいで終わるのじゃないか、その
あとは、問題はその
地方における滞貨をどう処理するかということで、大体滞貨は一カ月ぐらいかかるのじゃないか、こういうことです。合計でざっと見積もりましても四十日ないし五十日ぐらいということですから、この間は河野さんが御心配をなされた点がなんだかんだといっても出てくると思うから、
政府は
国鉄にそれ以上やれと言ったって、それ以上の能力がないわけですから、したがいまして、その能力よりはみ出したものについては、対策本部として総合的に、一体これらの問題の
輸送をどう確保するのかと、こういうことを
運輸大臣は
運輸大臣としての責任で私はやらねばならぬことじゃないかと、こう思うのです。若干現地の
事情を申し上げながら、
運輸大臣に適切なそういう具体的な施策の手を打っていただきたいことを要望しておきます。