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1963-05-30 第43回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年五月三十日(木曜日)    午後一時二十五分開会     —————————————    委員の異動 三月二十日   辞任      補欠選任    成瀬 幡治君  藤田  進君 三月二十三日   辞任      補欠選任    浅井  亨君  柏原 ヤス君     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     加賀山之雄君    理事            河野 謙三君            岡田 宗司君    委員            石井  桂君            北畠 教真君            小柳 牧衞君            津島 壽一君            山本 利壽君            柴谷  要君            藤田  進君   国務大臣    文 部 大 臣 荒木萬壽夫君    郵 政 大 臣 小沢久太郎君    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    警察庁交通局長 冨永 誠美君    外務省情報文化    局長      曾野  明君    文部省体育局長 前田 充明君    運輸省観光局長 梶本 保邦君    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    法務省入国管理    局次長     富田 正典君    建設省都市局技    術参事官    大塚 全一君    警視庁交通部長 内海  倫君   参考人    東京都オリンピ    ック準備局長  関  晴香君    東京道路建設    本部建設部長  中島 揚進君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務総長   与謝野 秀君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務次長   佐藤 朝生君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務次長   村井  順君    日本体育協会、    日本オリンピッ    ク委員会総務主    事       青木 半治君    日本放送協会理    事       春日 由三君    日本放送協会報    道局長     佐野 弘吉君    日本放送協会東    京オリンピック    総本部企画本部    放送企画部長  鵜沢 七郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査  (競技施設及びオリンピック関連道  路の整備に関する件)  (宿泊その他外客接遇対策に関する  件)  (交通警備対策に関する件)  (東京国際スポーツ大会に関する  件)     —————————————
  2. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいまからオリンピック準備促進特別委員会開会いたします。  この際、参考人の御出席を要求いたしましたことについてお諮りいたします。  本委員会調査を進める上におきまして、日本放送協会は本委員会関係がまことに深いので、必要の際は右関係の方に参考人として御出席をいただくこととし、人選及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題にいたします。  本日は競技施設及びオリンピック関連道路整備に関する件、宿泊その他外客接遇対策に関する件、交通警備対策に関する件、東京国際スポーツ大会に関する件、以上の諸問題について調査を進めます。  なお委員長は、本日参考人として東京オリンピック準備局長関晴香君、同道路建設本部建設部長中島揚進君、日本放送協会理事春日由三君、オリンピック東京大会組織委員会事務総長与謝野秀君、同事務次長佐藤朝生君、同村井順君、日本体育協会オリンピック委員会総務主事青木半治君、以上の方々に御出席を願っております。  それではこれより順次御説明を願うわけでございますが、時間の関係もございますので、できるだけ簡潔にお願いを申し上げることにいたしたいと思います。  まず、競技施設及びオリンピック関連道路整備に関する件につきまして御説明を願います。
  5. 前田充明

    政府委員前田充明君) 競技施設進捗状況について御説明申し上げます。  最初文部省関係から申し上げるわけでございますが、お手元にお配りいたしました「文部省関係分」という資料がございますが、それによって御説明を申し上げます。  最初国立競技場でございますが、これは開会式閉会式陸上競技蹴球馬術と非常に重要なものを行ないます競技場でございますが、準備状況は、先生方にはすでにごらんおきで御存じと思うのでございますが、スタンドの増設については大体でき上がりかけております。それから三十九年度におきましては付帯工事と申しますか、コンクリート舗装というような問題、そういうようなことを行なうのみでございまして、三十九年の夏までには完成をいたす予定でございます。収容人員はここに七万五千人と書いてございますが、幾分正確にはかりますと減ると思いますが、現在そのこまかい数字については座席の番号を作るなど準備いたしております。  次に戸田の漕艇場でございますが、これにつきましては、現在浚渫工事が大体完了いたしておりまして、三十八年度分の予定といたして艇庫、本部建物等について目下設計を開始しておりまして、これは三十八年度中には完成をいたす予定でございます。  それから屋内総合競技場でございますが、これにつきましても、すでにごらんいただいておりますことでございますが、現在土工事を行なっておりまして、これは三十九年の八月一ぱいでできるという予定で進んでおります。現在のところでは予定どおり工事は進捗いたしておる次第でございます。  それから、次には秩父宮ラグビー場でございますが、これは現在あるラグビー場を改修いたすものでございます。今年度中に夜間照明スタンド屋根工事、三十九年度には周辺整備等をいたす予定でございまして、これも来年の夏までには完成する予定であります。  それから朝霞の射撃場でありますが、これは防衛庁にお願いいたしまして、現在陸上施設整備を実施いたしつつございます。  最後大会選手練習場でございますが、これは外国選手オリンピックに来た際に練習をする練習場所でございます。東京大学、東京教育大学の運動場を改修するのでございますが、これは今年度中に大体完成をいたす予定でございまして、これは工事としてはきわめて簡単な工事でございまして、運動場トラックとか、あるいはフィールドになるところを改修する程度でございますので、本年度中にできる予定でございます。  以上文部省関係進捗状況について申し上げた次第でございます。
  6. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、関東京都オリンピック準備局長にお願いいたします。
  7. 関晴香

    参考人関晴香君) 東京都の所管いたしておりまする競技場建設状況でございますが、駒沢運動公園内で四種目のオリンピック競技を行ないます。蹴球バレーボールレスリングホッケーでございますが、ここにございます駒沢陸上競技場におきましては、これは陸上競技場として作りますが、オリンピックの際は真中のフィールドを使いまして蹴球場に充てるわけでございます。これは収容力二万の正規の陸上競技場でございます。現在五〇%程度でき上がっております。あと来年の三月に竣工する予定で現在順調に進んでおります。  次は駒沢バレーボール場でございますが、これは新しく屋根のついたバレー場がほしいということで、結局屋内体育館に相なっておりますが、これも三十九年の三月竣工ということでございますが、現在は基礎工事中ということでございますが、これは同じ体育館でも次にございます駒沢体育館と違いまして、割に簡素な体育館でございますので、十分間に合う予定でございます。  その次は駒沢体育館、これはレスリング会場に相なっておりますが、非常に斬新な設計のもとに行なわれる東京都の誇り得る屋内体育館というふうに考えております。非常に手間がかかりますが、幸い順調に進んでおりまして、これも現在五〇%近くまで進んでおります。来年の三月には間違いなく竣工いたす予定であります。  その次に駒沢ホッケー関係でございますが、ホッケーを三面ほしいということで、駒沢球技場や、ホッケー場を三面新設いたしております。これは工事は露天でございますので芝張り等があるわけでございます。割に簡単でございますので、現在ほとんど竣工に近いものもございますし、今年中にはこれは全部整備される予定でございますが、若干回りの関係で三十九年三月ということで大事をとっておりますが、見込みといたしましては、非常にスムーズに参っております。そこで総合的に申し上げますと、駒沢関係は三十九年三月までかかるものもございますが、一応オリンピック競技には十分間に合う、若干園内の整備等がございまして、三十九年度にかかる場合もございますが、主体は全部完備するという予定で進んでおります。  次に、八王子近郊予定しております自転車競技、いわゆる断郊レースでございますが、これも三十七年、八年に約七〇%でき上がっております。三十八年度終わりまでにはほとんどでき上がる予定になっております。これも問題ないと存じます。  次に八王子陵南グランド、これは非常におくれておりますが、これは私ども東京都のほうで場内の整備と食事をするだけの設備でございますので、三十八年度から着手いたしますが、十分間に合う予定でございます。  なお、ここに都直接ではございませんが、渋谷区の公会堂がワシントン・ハイツの隣にでき上がりますが、これがウェート・リフティングの会場になっております。これは東京関係といたしましては、三十九年六月ということで、一番まぎわまで期間をいただいておりますが、これが一等長引く工事というように考えておりますが、一応三十九年六月にはでき上がるという予定でございます。  それから東京関係といたしましては、このほかに千駄ケ谷にございます都の体育館並びに屋内水泳場も、それぞれ体操会場あるいは水球会場として使われますが、若干の補修や仮設の設備が必要になって参っております。これは非常に簡単でございますので、三十九年度において施工いたしますが、十分間に合う時間がございますので、これも心配はないというふうに考えております。  以上が東京都の所管の報告でございます。
  8. 加賀山之雄

  9. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 組織委員会が担当いたしております競技場の建造は、すべて仮設的なものに限られておりまして、恒久的施設政府東京都、その他関係の府県で御担当下さっているわけでございます。組織委員会といたしまして、三十八年度に所沢にクレーの射撃場ができましたので、これをオリンピックに使用するために多少の仮設的なものを工事する、これは十分予定に間に合うことになっております。  なお、先ほど関局長から御説明申しました八王子自転車トラックというものは、都の御協力準備されるのでありますが、この競争路組織委員会のほうで作るということになっておりまして、まあ来年夏までには完全にでき上がるという予定になっております。  なお、長野県にお願いして、馬術長距離競走を行なうコースを軽井沢で作ることになっておりますが、これも多少の整備で間に合うわけでございます。以上三件は、組織委員会が担当いたしております競技場建設でございます。  なお、競技場の未定のものが二つございます。一つバレーボールの第二会場をどこにするかという問題でございまして、これは候補地が二つある、どちらかにする、どちらにきまるかという問題でありますので、あまり工事が遅延するというようなおそれはないのであります。もう一つはボクシングの会場のまだ最終的の借り上げ契約が済んでおらないということでございまして、これも会場がきまっているというわけでございます。  以上でございます。
  10. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、大塚建設省都市局技術参事官にお願いいたします。
  11. 大塚全一

    説明員大塚全一君) オリンピック関連道路につきまして御説明申し上げます。  お手元資料を差し上げてあると思いますが、その資料に従いまして、現況と将来の見込みを申し上げて参りたいと思います。  表の(1)にございますのが、オリンピック関連道路の予算的な全体計画でございます。これでごらんいただきますと、三十九年度に残ります事業費が約二百億残っている格好になっておりますが、実はこのうち三十八年度に六十七億五千万円の債務負担行為がついておりますので、現実に残ります事業量といたしましては、非常に僅少なものになる。三十八年度末のそれぞれの分類によります進捗率は、そこに掲げてございますように、道路の直轄及び補助でやっております仕事につきましては九五%、それから街路補助でやっております仕事につきましては、国庫債務負担行為額を入れますと九九%、それから首都高速道路のほうは大体三十八年末で八三%、それから都の単独事業は七八%を三十八年中に終わる予定でございます。  それから表の(2)にございますのは、その中身をそれぞれの競技場関係に分けまして、分類して御参考に供しようとした表でございますが、それで見ていただきますと、それぞれの場所におきます五月一日の進捗率、三十八年度末の見込み、それから完成見込みが出ております。  それで、先生方のお力添えを得まして、大体目標どおり道路整備できるという現在の見通しが立ちましたのですが、これをもう少しこまかく申し上げますと、実は用地買収、これは東京都内街路関係でございますが、街路関係用地買収をいたさなければならないと初めに考えておりました面積が約十五万坪でございます。現在ではまだ契約が済んでいない、しかし交渉はほとんどついているというのを入れまして、もうあと一万七千坪ばかりのものになってきております。大体用地買収等につきましても、地元の方の御協力を得まして、三十八年末には大半の路線が用地買収を完了するものと思っておりますし、それからごらんいただきますように、あっちこっちで工事をやっておりますので、十分間に合うような早さで進んでいるものと考えております。簡単でございますが……。
  12. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、宿泊その他外泊設備対策に関する件について御説明を願います。
  13. 梶本保邦

    政府委員梶本保邦君) オリンピック時の宿泊対策について御報告申し上げます。  東京中心とするオリンピック宿泊可能地域におきまして、これは大体東京中心といたしまして約一時間半以内に東京競技場へ到達し得る範囲、このように考えておりますけれども、そのような範囲内において約三万人の宿泊ということを目途といたしまして対策を立てておるわけでございます。それで、現在のホテルは、ただいま申し上げました地域に約五千五百室ございます。旅館のほうは二千九百室あるわけでございます。それで、ホテルのほうの収容人員を一万三千二百人、旅館を三千五百人、かように考えますと、ホテル旅館合わせまして一万六千七百人、このようなめどを立てておるわけでございまして、それがためには、ホテルはもう四千三百室、旅館を四百室作らなければならない、かようなことになるわけでございます。ただいま、それがために要する財政資金につきまして関係方面折衝をいたしておるわけでございます。もちろんオリンピック来訪外客宿泊料金等につきましては、当然安い料金ホテルということが考えられなければなりませんので、われわれとしましては、安い料金でできるだけ多くのお客さんに来ていただく、このような方針のもとに一室五百万円見当のホテルというような方針運輸省としましては打ち出しまして、そしてホテル建設を鋭意急いでおるわけでございます。それがためには一室五百万円ということで計算をいたしまして、そして三分の一は財政投融資、三分の一は市中銀行、それから残りの三分の一は自己資金でまかなうというふうな方式を立てたわけでございますが、それによりますと、まあ大体ぎりぎり一ぱいのところで約六十億の財政資金が必要である、かように考えておるわけでございまして、したがって、ただいま内示を関係方面からいただいておりますワクではいささか不足をいたすわけでございまして、その点をただいま関係方面折衝を続けておる、このような段階でございます。そのほか、ホテル旅館だけでなくて、ユースホステルについては千人の収容人員ということを目標にいたしておったわけでございますけれども、これは本年度予算措置をいただきまして、最初予定どおり千人収容できるというふうなめどを立てて着々準備を進めておるわけでございます。  そのほか、それだけでもまだまかない切れませんので、民泊の問題、それから旅館を改造する問題、もう少しトイレの問題あるいはバスの問題というふうなものを手を加えますならば、外客宿泊が可能になるというふうなことも考えられますので、そのような旅館の改造というふうなこともあわせて考えておるわけでございます。  そのようなことで、何とかして三万人の宿泊ということが可能であるというふうな受け入れ態勢準備をただいま進めておる段階でございます。以上でございます。
  14. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、与謝野オリンピック東京大会組織委員会事務総長から、入場券その他のことについて御説明を願います。
  15. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 御説明申し上げます。オリンピック東京大会入場券につきましては、一昨年の十二月に販売方法等につきましての大綱が組織委員会決定され、また、本年三月の組織委員会におきまして入場料金決定いたしたのであります。また、この割当、配布の方法等につきましても、関係方面事務当局と数次にわたり検討して、一つの案は持っているのでございますが、入場券の問題は非常にむずかしい問題でもあり、念には念を入れなければならない問題でありますので、今回組織委員会の本会議で検討される前に、組織委員会内に入場券のことを深く掘り下げて御検討下さる委員会を設置していただきまして、そこで万事事務当局の案は参考として、白紙からいろいろ御検討願って、早急に決定いたしたい、こういうことになっております。また、販売方法等につきましても、一応の決定はあるのでありますが、その際に当然再検討すべき点は再検討されることと、こう考えておるのでありまして、次の組織委員会会議において入場券委員会委員の中でお作り願って、最後仕上げと申しますか、決定まで持っていきたい、こう考えておる次第であります。
  16. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、交通警備対策に関する件について御説明を願います。
  17. 冨永誠美

    政府委員冨永誠美君) お手元に特に「オリンピック東京大会時における交通対策の概要」と題しまして、警視庁交通部から資料を出しております。警察庁といたしましては、東京、神奈川、千葉という東京周辺の近県におきましての交通警備対策を練っておるわけでございますが、何しろ特に交通問題と申しますのは、都市交通というものが非常に深刻になっておるわけでございます。オリンピックがあろうがなかろうが、ますます深刻の度を加えるだろうということは必至でございます。その中でオリンピックをやるということでございますので、非常に大きな問題だろうというふうに考えておるわけでございます。大体道路がどの程度できるかということによりまして、交通事情も変わるわけでございますが、私どもとしましては、今警視庁のほうで、来年の十月ごろにおきまする一般交通情勢がどういう状態になるであろうか、あるいはオリンピックをやる場合にどういうふうなことになるだろうかというふうな作業をやっておるわけでございます。見通しについての検討を実施いたしておりますが、いずれにしましても、交通規制というものは大幅にやらざるを得ないだろうというふうに考えております。  それで、たとえば選手村から各競技場に通ずる道路交通をいかに確保するか、あるいはまた主競技場周辺に対する交通規制、おそらくは外周制限線という大きな制限線を設けまして、それから主競技場中心にしましての内周遮断線と申しますか、こうした線を設けざるを得ないだろう。特に開会式閉会式当日の交通制限をどうするか、あるいはまたマラソン、競歩、自転車のロード・レース、これを一体どういうふうにもっていくか。あるいはまた当日の本番ばかりでなしに、ふだんの練習時をどうするかというふうな点につきまして、いろいろ検討しておるわけでございます。もし一つは駐車問題、道路はありましても一体車が駐車できる施設が大丈夫であるかどうか。主としてこれは組織委員会のほうでも調査を進められております。あるいはまた遮断線を設けた場合におきまして、バスを入れるとすれば、バスをどこにとめるかというような問題もあるわけでございます。その他警備問題ということも交通のほかに、いわゆる一般の観客あるいは群衆をどう整理していくかということにつきましても鋭意検討いたしております。詳細は資料にございますし、また詳しくは警視庁交通部長も参っておりますので、以上で説明を省略さしていただきます。
  18. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 次に、東京国際スポーツ大会に関する件について御説明を願います。
  19. 青木半治

    参考人青木半治君) オリンピック東京大会選手強化対策競技力の評価と、そしてまた強化の最終時に対しますところの研究に資するために、また一方東京大会競技運営準備についての仕上げ予行ために、十月から東京国際スポーツ大会開催をすることになったのでございます。  資料をお手元に差し上げてございますが、そのスポーツ大会主催は、日本体育協会財団法人オリンピック東京大会組織委員会日本放送協会の三者によりまして共同主催をするわけでございます。期日は昭和三十八年十月十一日から十六日までの六日間に開催をいたします。その場所につきましては、オリンピック予定会場を原則として行ないます。参加選手外国招待選手三百五十名と、外国自費参加を予想されておりますところの選手を百五十名と書いてございますが、百名でございます。国内招待選手と申しますのは、国内オリンピック候補選手でございますが、候補選手が一千名と、国内自費参加をいたします選手が三千三百名、合計四千三百名によりましてこの国際大会開催をされるわけであります。運営ため大会委員会を、そのもとに実行委員会と三つの専門委員会を作りまして、ここで運営ため準備組織準備をいたしておるわけでございます。  経費負担区分につきましては、国内選手招待にはJOC、競技会運営に要しますところの経費競技団体外国選手招待するに必要な経費はNHK、そしてまたオリンピック予行としての必要な経費組織委員会によりましてまかなうことになっております。なお、この二十競技団体の中で日本選手権として競技を行ないます競技団体は、陸上競技体操以下十一団体日本選手権として開催するものでございます。以上御報告申し上げます。
  20. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 以上で説明を終わりました。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  21. 河野謙三

    河野謙三君 私は、ただいま各般にわたりましてオリンピック準備の現状について御説明がありました。これに御質問を申し上げたいのでございますが、伺いますと郵政大臣所用ためにお急ぎのようでございますから、順序を変えまして郵政大臣にお尋ねをすることをお許し願いたいと思います。  まず私は郵政大臣に伺いたいのは、私非常に不勉強でございまして、放送に関する知識がないのでございますが、日本放送協会の目的と申しますか、使命と申しますか、これは「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」こう書いてございますが、これは間違いないと思いますが、これと民放の使命、目的とどこか違うところがございます。
  22. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま河野さん御発言のように、NHKはあまねく日本全国に放送網を張っておりまして、いろいろ放送をすることになっております。公共的なものでございまして、民放はその地方々々のものでございまして、日本全国に張っておるものではございません。しかし、これといえどもやはり公共的なものであることに変わりはございません。
  23. 河野謙三

    河野謙三君 郵政省は民放についてどういう義務と申しますか、責任を持っておりますか。
  24. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 民放に対しまして郵政省といたしましては、条件が整いました場合にはこれを免許する。そして免許をいたしましたならば、民放は番組委員会を作りまして、それによって公共的な放送をするというふうになっておる次第でございます。
  25. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、俗な言葉で申しますと、NHKは郵政省と申しますか、政府が抱いておる子供である。民放は自然に育ったのをただ眺めておる、こういうふうに極端に言えば理解してよろしいのですか。
  26. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) NHKは法律によりまして、ちゃんとできているものでございまして、民放といえどもこれは勝手に育つのを待つというのではございませんで、やはり健全なる発達をわれわれは願っているわけでございます。
  27. 河野謙三

    河野謙三君 私も当然なことと思いますが、そこで民放の健全なる発達を阻害するような事態が起こった場合には、当然郵政省といたしまして、政府といたしましてそれらに対して何らかの適切な措置をとってしかるべきじゃないか、かように私は思うのです。そういう適切に育てるために適切な措置をとった具体的な事例がありましたら、私は御説明を願いたいと思います。
  28. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 具体的の問題につきましては、電波局長が来ておりますから、電波局長に答弁をさせたいと思います。
  29. 河野謙三

    河野謙三君 私は他のいろいろ質問が残っておりますし、他の各位に御迷惑をかけてもいけませんから、私が前段かようなことをお尋ねしました気持を申し上げます。最近、放送問題において民放とNHKの間にいろいろなあつれきが起こっておるのですよ。それがスポーツに何の関係があるかということですが、スポーツにたびたび関係が起こってスポーツ界が迷惑をしている、このまま置きますと、スポーツ界が最も重大に考えておりますスポーツへの政治介入ということに、やむを得ず介入せざるを得ないというような事態に追い込まれることをおそれるから、私はこの機会に郵政大臣にお尋ねするんです。と申しますのは、具体的に申します。過日長年の歴史を持っておる毎日マラソンというのが東京で行なわれました。外国選手招待をして行なわれました。これは郵政大臣御存じのとおり。その際に、NHKと毎日新聞の両者におきまして、テレビの放送をめぐりまして非常なあつれきがございました。具体的に申しますと、ここにおいでの陸連の理事長の青木君は、この間において非常に迷惑をしたのであります。できることならばNHKと毎日新聞の両者におきまして円満な解決をはかっていただきたい、スポーツ団体は円満な解決がはかられるならば、どちらでもよろしいという勧告をしたのでありますが、両者の妥協が成立しないで、これを陸上競技連盟にこの決裁を求めて参りまして、陸上競技連盟はやむを得ず、従来の経過、いきさつからいたしまして毎日新聞にこのテレビの放送を指名した。結論は簡単でございますけれども、その間に非常に迷惑をこうむったのは体育団体であります。続いてプレ・オリンピックの際に行なわれる朝日マラソンにつきましても同様な問題が繰り返されておるのが現状でございます。これを機会に、民放もNHKと同様に健全な発達を期待しておるというならば、政府が民放とNHKの間に何らかの一線を画して、こういうあつれきが起らぬように私は政府は進んで措置をすべきではないか、かように思うのであります。またプレ・オリンピック放送問題も起こってくるでしょう。来年のオリンピック大会放送の本番の問題におきましても、より一そう熾烈な問題が私は今のまま放置しておけば起こってくると思う。  一体私は、この機会に意見を申し上げますが、国家の保護ではないかもしれませんが、政府がある権力を与えて目的達成のために応援をしておるところのNHKと、自己の努力によって目的達成のために大いにはげみなさい、こういう民放とを同じ土俵の中で一つの権利を取り合うというようなことは、私は日本の放送全体の将来のために悲しむべきことだと思う。これについて何か御所見がございましたら私はお伺いしたいと思います。
  30. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 郵政省といたしましては、法律的な権限はございません。ございませんけれども、いろいろの協会を通じまして、たとえば民放のほうは民放連とか、そういうような協会を通じまして適当にわれわれのほうは行政指導しているわけであります。
  31. 河野謙三

    河野謙三君 法律的な権限はないかもわかりませんけれども、たとえばオリンピックのような、来年やってあとほとんど永久に日本国民が接することができないような大祭典に際しまして、国民すべてにこのオリンピックの状況を見せてやるという親切味は政府にあるべきだと思う、親切味というより私は義務だと思う。そういう場合に、NHKの放送網は一番普及しておりますのは事実でございます。さればといって現状におきまして、NHKの電波といえども日本の国民の全部に電波を届けるようにはなっていないはずです。それぞれ谷間があるわけです。その場合に、民放とNHKがプラスして初めてそこに日本の全国民にオリンピックに接する機会を与えることができると思う。そういうことを積極的に私は政府はやるべきだと思う。そうじゃないですか。先ほど施設の問題を伺いましたところ、スタジアムには七万人か七万五千人しか入らない。そのうち外国の人が三万人入ってしまう。役職員を入れると四万人入りますから、あと一般国民で開場式に接することのできるのは、三万人か三万五千人じゃないか。これを私は悪いといっているのではない。その場合に、せめてテレビの電波を通じて国民にオリンピックの状況を見る機会を与えるということは、私は法律的の権限があるとかないとかということは別にして、電波の監理をされている郵政大臣として当然積極的に私はこれに対する措置をとるべきだと思う。そうじゃありませんか。
  32. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 当然ごもっともであります。オリンピックが来年開かれますにつきましては、われわれといたしましては、国民があまねくこれを見られるようにNHK、それから民放が協力してやることを希望するわけでございますが、われわれのほうといたしましても、ただいま仰せられた見えない谷間がございます。そういう谷間を解消するために、第二次プランを修正いたしまして、中継局を作り、そしてそういう見えないところを見えるようにする。そういうような措置を講じまして、見えるようにするというふうな措置を講じている次第でございます。
  33. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、今私が希望申し上げましたように、原則は国民に、どんな離島におろうが、谷間におろうが、オリンピックというものをあらゆる電波を利用して、国民全部がオリンピックの盛況にテレビを通じて接する機会を与えるということは、郵政大臣の力の及ぶ限りこれは約束される、こういうふうに理解していいですか。
  34. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま所帯数といたしまして、テレビの見えますのが大体八五%くらいのものでございまして、あと見えないところがございます。その見えないところを解消するために、先ほど申し上げました難視聴地区解消のため第二次プランを修正いたしました。それによりましても九三%までしか見えません。あと七%見えないというわけでございまして、私どもといたしましては、なるべく早く第二次プランが実行できまして、そして多くの人に見せていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  35. 河野謙三

    河野謙三君 NHKの電波を通じても、民放のあらゆる電波を通じても不可能だというのはしようがありませんね。しかし、このNHK並びに民放、これを総動員することによってNHKプロパーでやるよりは、 これにプラス民放を総動員したほうが多く国民に利益を与えることができるでしょう、そうじゃないですか。
  36. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 私の申し上げましたことは、NHKだけの問題ではございません。NHKと民放両方合わせてやっておるわけでございまして、両方やはり協力していただいて、そうしてなるべくたくさんの数にいたしたいと思っておる次第でございます。ただいま申し上げましたように、難視聴の解消ということにわれわれのほうも全力を注いでおるというようなわけ合いでございます。
  37. 河野謙三

    河野謙三君 くどいようですが、NHKプロパーでは何パーセントくらいですか。
  38. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) こまかい問題になりますので、政府委員から説明いたさせます。
  39. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 先生のおっしゃいましたとおりで、NHK、民放両方活用しまして、しかもまた、今テレビにつきましては共同聴視というのもありますので、オリンピックまでにはNHK、民放両方使いまして、できるだけあまねく見られるようにいたしたいと、こういうことでございます。
  40. 河野謙三

    河野謙三君 郵政大臣は他の席にお急ぎのようでございますから、私はこの際希望を述べてひとつ意見を申し上げますが、私は郵政大臣もおっしゃったように、NHKはあなたの抱いておる子供であるからこれは大事に育てなければいけませんよ、これに異存はない。ないけれども、これにばかりとらわれて民放というものを忘れちゃいかんと私は思う。われわれ国民から見れば、民放というもののコマーシャルをもう少し減らしてもらいたいと思う。民放があまりに競争が激烈であって、しかも競争の相手にNHKという強力なものまで出てきたので、競争が激烈であるからどうしてもスポンサーをとるために無理をする、そこの無理が、大事な放送をやって、われわれ興味深く見ておる最中にちょっちょっとコマーシャルがよけい出る、私の気のせいか、だんだんこのごろコマーシャルが多くなってきましたよ。これは民放の経営実態が私は反映しておると思う。そうではなくて、NHKを育てると同時に民放もまたこれを健全に先ほどおっしゃったように育つように、私は法律的な責任はなくても、電波の監理をされておるところの郵政大臣のその方針におきまして、ある程度の解決はすると思うのです。現に私は何もNTVの代弁をするわけではありませんが、NHKというものは一番権威のあるものでありますけれども、またなければなりませんけれども、カラー・テレビの現状はどうです。私は技術的なことは知りませんけれども、ただわれわれ一般国民が持っている常識は、あれだけの膨大な技術陣と、あれだけの予算を持っておるところのNHKと、一方カラー・テレビは民放のほうが進んでおるというのが一般の認識じゃありませんか。でありますから、この一つを見ましても、大臣のおっしゃるように民放というものをもう少し私は育てるべきだと思う。育てる場合に、これは私は郵政大臣にお尋ねすることじゃなくて、あと組織委員会なりその他にお尋ねいたしますが、来年のオリンピックに民放とNHKの措置を誤りますと、民放というものは滅びはしないかもしれませんけれども、NHKとの間に非常な私は大きな格差ができると思う。それが日本の放送の将来に技術的にも大きな支障をきたしてくると思うのです。私はその意味合いで、民放というものにもう少し予算を出せとか何とかいうことを言っているのではない、せめてNHKと民放とは競争すべからざるものであって、両者の間に一つの越えてはならないところの一線を画すべきだと思う。こう思うのですが、これは行政指導でできるはずです。そういう御指導をなさるお考えはございませんか。
  41. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 民放を健全に育てるということは、これは河野先生おっしゃるとおりでございます。それからNHKと民放の間に性格の違うところがあるということはおっしゃるとおりでございます。一線を画するということはこれは当然のことと思います。  それから番組の問題でございますけれども、これは番組委員会というものがありまして、そこで自主的に番組を編成しているわけでございまして、われわれのほうで、これがいいから、あれが悪いからというところまで立ち入ることはできませんので、ただ、行政指導といたしまして、懇談などの場合に、われわれのほうの希望を述べるというふうにして健全なる発達をしていきたいと思います。ただ、われわれのほうがあまり立ち入りますと、それでいい場合はよろしゅうございますが、悪弊が生ずるというおそれがあります。それから、そういうものにタッチするということになりますと、政府が介入するというような悪い面が出てきますので、そういう点は避けたいと思いますけれども、ただ希望として健全なる発達を願うというようなことをわれわれはやっているわけ合いでございます。
  42. 河野謙三

    河野謙三君 郵政大臣に対する質問はこれで終わりますが、私は冒頭にこういう御質問を申し上げた根拠を申し上げますが、お耳に入っていなかったと思うのですが、毎日マラソンや朝日マラソンの場合、NHKと民放の間にいろいろのあつれきがあった。しかも毎日新聞なり朝日新聞は、過去においてこのマラソンを育てるために長い間貢献をしてきた。これに来年のオリンピックというものが迫ってきたのでありますから、そこにこの放送問題が大きくとり上げられて、NHKと毎日、朝日の間に非常なあつれきがあった、これは事実ですよ。そういうことは自然の成り行きでおれの知ったことじゃない、やむを得ないことである、こういう見解をお持ちですか。それは何も郵政大臣が、自分の権限をこえて圧力をかけるとか干渉するとかいう問題じゃないと私は思う。それぐらいのことはひとつ意見を述べてもらわなければ、その飛ばっちりを受けるスポーツ団体は迷惑千万ですよ、スポーツ団体は迷惑しておるのですから。今後もこういう問題は必ず起こって来る。また、プレ・オリンピック放送の問題も、片づいたような片づかないような問題です。来年のオリンピックの問題も全然片づいていない。組織委員会は何をやっているかわからんけれども、片づいていない。ですから、ころばぬ先のつえで、この話をお耳に入れて、電波の中心に立っている郵政大臣の御見解を伺っておきたい。
  43. 小沢久太郎

    ○国務大臣(小沢久太郎君) 実はその問題につきましては私まだ存じておりませんので、恐縮でございますけれども、われわれといたしましては、実はそういうことのないようにひとつ努力いたしたいと思っております。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 私の郵政大臣に対する関連の質問は終わりますけれども、直接あなたの省の局長さんにお残りを願って、郵政大臣への直接のお尋ねはこれで終わります。  私は立ったついでに放送の問題について伺いますが、これはむしろ直接は組織委員会の問題です。いろいろ準備状況をいつでも御報告を受けますが、私は黙って聞いているのですが、森の石松じゃないけれども一つ忘れていることがありはしませんかということな私は聞きたい。来年のオリンピック開催について、日本の組織委員会が義務づけられていることに、記録映画とカメラニュースの問題があるわけです。これが現在まで予算がどうなって、カメラ団なり記録映画は一体どこまで進んでいるかということを御報告がないのは不用議である。どうなっているのですか。
  45. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) お答えいたします。記録映画につきましては、私の就任前、田畑事務総長の場合に、ローマの大会のときの映画に負けないようなりっぱな記録映画を作りたいという広大なる構想で、一つの案を立てられ、事務局内に小さな委員会を設けて、田畑氏がいろいろ各方面のことを聞いておられたのでありますが、この案は予算的にもあまりに膨大であるということで大蔵当局の御了解も得られず、非常に予算を削減いたしました案で、目下記録映画をできるだけ当初の意向を反映したりっぱなものな作りたいということで準備いたしておるわけでございます。まだ契約その他いろいろなものができ上がったわけではないのでありまして、さしあたってこの問題を推進していかなければならないかと思っております。大体ローマのときの実績を顧みて、海外に売却し、収入が大体どのくらいあるかという予定を立てて、その収入の範囲内で記録映画を作る、こういうことで大蔵当局の御了解を得ている次第でございます。
  46. 河野謙三

    河野謙三君 予算は幾ら取れました。
  47. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 予算は、本年度予算においてはまだ準備の時期でございますので、全体で二億五千万以内で作り、それを回収する、こういう了解のもとに予算要求をいたしております。
  48. 河野謙三

    河野謙三君 まあ要するに、いろいろおっしゃいましたけれども、まだ予算もきまってないということでしょう。それで間に合いますかと言えば、間に合いますとあなたは言わざるを得ないでしょう。しかし、カメラ・ニュースの技術陣なんというものの技術団を作るんでしょう。日本の権威を各社から応援を求めて集まってもらうんでしょう。隣でまんじゅう買ってくるように、そこらのものを簡単に拾って集めるわけにはいきませんよ。間に合うんですか、良心的に考えられて。同時に、そのカメラ・ニュースを羽田から一時間以内に八つの方向ですか、ジェット機をもって発送しなきゃいかぬでしょう、私が聞いたところでは。そうしますと、今の羽田の飛行場では間に合わぬというじゃないですか。滑走路も今のままじゃいかぬというじゃないですか。それは二時間も三時間もたって、あと先が二時間も三時間も開けばいいですよ。ヨーロッパ、アメリカ、その他八カ所に向かって一時間ぐらいのうちにその日のカメラ・ニュースを発送しなきゃいかぬ。これは責任があるわけですね。義務があるわけですね。この一つを考えたって、私は体育の施設の問題よりむずかしいと思う。記録映画にしたって、黒沢さんなんというのが一時話題に出てきて、これも何か向こうが断わったか、こっちが気に入らなかったか、キャンセルになった。それもどうなったかその後きまってないが、詳細にきめて、これこれこうして、こういうふうに積み上げて、来年には御心配なく間に合いますという、ひとつ納得のいく御説明を願いたい。
  49. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) ただいま御指摘になりましたように、問題は二つございまして、記録映画はただいまお話がありました当初の黒沢さんを首班とする委員会でとっていく、これが黒沢君が今、自分が首班になるわけではないが、委員会の一メンバーとして知恵だけは貸すということで着々準備を整えているわけでございますが、御指摘のように、まだ皆様に御報告できるだけの具体的なプランが立っているわけではございません。  次に、外国のニュース映画等を即時発送する、また、映画ばかりでなく、いわゆるニュース写真でありますが、こういうものを競技場内でどういう方法で撮影し、どういう方法で外国に送るかということにつきましても、外国の特派員の間でプールを作ってもらったり、いろいろなことをやっておりますが、まだ羽田の飛行場まで手が伸びていくというところまで至っておらないんであります。できるだけこの問題も推進して参りたい、こう考えております。
  50. 河野謙三

    河野謙三君 決して私は、あなたは中途からこの大役を引き受けられたので、あなたの責任を追及しようなんということは考えてない。この委員会は、委員長初めわれわれは皆さんと協力して、来年のオリンピック開催時までには万全の準備を整えたいということで協力体制でおるわけです。そこで、それにしても心配になることは——ということでわれわれが知り得たことについてお尋ねし、また御注文申し上げ、また、あなた方の協力を求められれば、われわれもできるだけの協力をしようということなんです。今私が申し上げたニュースのこと、これは一体間に合うんですか。写真機を持ってどうやらパチパチやる人なら、百人や百五十人はすぐ間に合うかもしれないけれども、たとえば百メートルの撮影にしても、わずか十秒の間に、あらゆる角度からあらゆる写真を写す、そうして、それをすぐに外国に送る、たいへんなことであるし、そんな技術者なんというものは、そんなにたくさんいるものじゃないと私は思うんですよ。そういうものをやはり編成しなければいかぬと思う。チームワークをとらなければいかぬ。ほんとうに、私は疑うわけじゃありませんけれども、来年のオリンピックに確信を持ってこれらの記録映画なりニュースは間に合うという確信があなたの周囲の人にあるんですか。羽田の飛行場の問題だって、もし私が聞いたことが誤りであれば別だけれども、ほんとうに一時間の間に少なくとも八機のジェット機に積んでニュースを出さなければだめだ。そうすると、今の羽田の飛行場じゃだめだ。もう一つ、千五百メートルの滑走路を作らなければならぬ。これがほんとうならたいへんですよ。うそですか。もし、飛行場関係の人がおったら説明してもらいたい。
  51. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 実は羽田の飛行場につきましては、私もその発送に十分であるという確信はないのであります。また、できないということを私に説明された方も今日まではなかったのであります。今のニュースの発送その他の問題につきましては、いずれ、オリンピックの前にプレス・センターというところができまして、そこであらゆる今までのオリンピック大会に負けない通信社に対する援助と申しますか、できるだけのことをしたいと思う、写真はどこで現像するか、検問制度を、どうして時間を省くかというようなことも、各界の専門の方々、また新聞写真の専門家の協会の方々にお集まり願って、たびたび検討しておるのであります。今日、このとおりこのプランはすっかりできておるという御報告をできないのは、はなはだ怠慢でございますが、今後ともこの趣旨でやっていくということを御了解願って御援助いただきたいと思うのであります。写真班が無数に競技場に入っては競技が続行できないのでありまして、そのためには、外国人何名、日本人記者何名、それはどういう方法で選ばれ、どういう方法で自分がとった写真を他の社にも提供するプールを作るか、そういうシステムにつきましても、大体外国新聞の連中は、われわれの作った案を納得してくれまして、そういうことが整然として行なわれるように今から準備しておるのであります。また、国立競技場のほうにお願いして、フィールドの外から便利にとれるような個所に写真機を据え付けるというような特別の手配もできるだけしたい、また、暗室等も即時そこで現像ができるような設備というようなことを考えておるのであります。何分にもあとからあとから、来ないと思っていた社までが申し込んでくるというような状況でありまして、これを整理して早く整頓したものにしたい、こう考えております。
  52. 河野謙三

    河野謙三君 事務総長の熱意のほどはわかりますよ。お気持はよくわかりますよ。しかし、もうこういう問題は、具体的にこれこれこういうふうな手を打ったという段階に来ていなければ、私は非常に問題だと思うんですよ。これは次回の当委員会が開かれるまでに、もう少し具体化して、われわれが安心できるように御説明願いたいと思う。先ほど、私は民放とNHKの話をしましたが、今のカメラの問題でも、やはりこれは日本のあらゆる民放といいますか、また新聞社、結局ここに呼びかけてこの協力を得なければいかぬでしょう。そういう場合に、一つのテレビを通じて、オリンピックの前哨戦とはいえ、毎日マラソンや朝日マラソンでNHKと民放があつれきをして、その間に体育協会なり組織委員会が向こう岸の火事のようなつもりで見ておる、こういうことではいけませんよ、そんなことでは。  私はここで、ついでにプレ・オリンピックについて関連してお伺いしたい。先ほど郵政大臣は、民放、NHKを通じて電波は国民の八十何%か、今後またさらにこれを普及することによって九十何%までに電波は届く、これは両方合計してだ、NHK単独の場合にはもっと少ない、こう言うのですが、伺いますと、プレ・オリンピックはNHKだけでテレビを担当するように伺っておりますが、そうなんですか。その点はっきり伺いたい。
  53. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) お答えいたします。今日までプレ・オリンピック、つまり国際親善スポーツ大会放送の問題については問題になったことがなかったのでございます。NHKが外国選手を費用を出して呼ぶということに関連して、NHKが放送するということになるということは、ばく然と考えた人はあったかと思うのでありますが、今日までこれは問題になったことはございません。組織委員会としても、開会式その他全般の運営準備ということで、このプレ・オリンピックというものに非常に関心もあり、主催者の一人となっているのでありますが、この放送の問題についてはまだ問題になっておらない。ところが、本番のオリンピックの際の放送、これは重要な問題でございまして、テレビの放送権というものから来る収入は、組織委員会の収入としてオリンピックの費用つまり予算に充当されるわけでありますが、またその一部はIOC、国際オリンピック委員会に納めることに憲章上なっておりまして、国際オリンピック委員会はその日本の納めた一部の金を各競技団体へまた払い戻して補助してくれる。これについて陸上連盟はその取り分が五〇%であるとか、ほかの協会はもう少し少ないとかいうような問題があるのであります。放送権というものはそうなっておりますために、組織委員会では、さきにNHKが外国のこの放送権の問題について窓口となって交渉するということを決定をして、委託をして、目下NHKは組織委員会の代理として世界の各国放送会社とできるだけ有利な放送権利料を取るための交渉を続けておるわけでございます。ところが、これに関連して、国内でNHKと民放との問題というものはまだ解決をしておらないのでありまして、また競技場施設等からいきまして、民放の各社が全部テレビの機械を備え付けるということもなかなか技術上もむずかしい。そこでNHKと民放が何とか協力してやる方法はないか。外国へ出るテレビは、やはりNHKがこちらで民放と協力してとりましたものを、外国の記者が、外国のテレビのほうでこれとこれとというふうに注文を出して、それを何種類かあるものをつなぎ合わせて送るということが原則となって交渉されておる模様でございますが、国内において民放とNHKがどういう協力体制になるということはまだ決定をしていないのでありまして、大いに協力してやろうということは、民放の各代表者とNHKの代表者との間で話はまとまっておるのでありまして、私もこれにお立ち会いしたこともあるのであります。なお下のほうでいろいろ協力方法に技術上の問題その他がございまして、まだ最終的決定には至っておらないわけでございます。  そこで、私もちょっと驚いたのでありますが、毎日マラソン、朝日マラソン等についてNHKと各新聞社ないしその新聞社に委託された民放の会社との間にあつれきがあったというお話は、今河野先生から伺ったのでありますが、それは私も存じておりましたが、これがつまりオリンピックをめぐる前哨戦であるということには、私はそうは了解しておらなかったのでありまして、この点については、むしろ民放側とNHK側は円満に数次話を続けておられるのが現状だと、こう思っております。実は、外国からだけラジオの聴取料を取るというわけにはいかないのでありまして、国内でもやはり同様の権利を納めた、ということが憲章上必要になってくるのでありまして、この辺で民放がコマーシャルなしに、しかもその放送権利を払うということについて大きな負担があるために、むしろNHKと一体となって、費用はNHKに持たすというような方法が出ているということの話を伺っているのでありますが、まだその辺いろいろ調整しなくちゃならない問題があろうかと思っております。組織委員会が別段手をこまねいて対岸の火事視しているわけではないのでありますが、われわれのなかなか手の及ばないむずかしい問題がございまして、今のニュース映画の問題、外国への送り出しの問題、記録映画の問題等もできるだけすみやかに円満な解決方法を、はずかしくない解決方法を見つけていきたい、こう考えております。
  54. 河野謙三

    河野謙三君 来年のオリンピックで、欧州、アメリカその他のテレビ会社とNHKとの契約で、契約金は五億か六億か、相当大きな金であります。でありますから、国際放送についてNHKが今持てる力、また今までの進めてきた契約その他の経過からいたしまして、国際放送につきましては、私はそれ以外に方法はないと思います。ただ、国内放送について、まだきまっていないというのはおかしいと思うのですよ。先ほど郵政大臣が言われたように、NHKプロパーでやる場合と、それに民放をプラスした場合とでは、国民の相当多数の人がオリンピックに電波を通じて接することができなくなるのですよ。オリンピックは国民の大部分の負担において経営されるのですよ、極端にいえば国民がオリンピック開催しているのですよ。そうしていながら、今度は開場式その他のオリンピックの当日に、おれのところはNHKが入らないから見るわけにいかない、もしそれにTBSならTBSが入ってくればおれのところは見られるのだ、こういう問題が起こるのじゃないですか。だから国内放送につきましては、一人でも多くの人にオリンピックの盛況に接しさせたい、このことは、私は動かすわけにいかないと思っております。国民のほうに向いてあなたたちは判断しなければならない。民放とかNHKという問題ではないですよ。議論の出発点は国民にいかにしてより多く機会を与えるかということなんです。ほかに方法がないじゃないですか。何もそれをどうだこうだと、むずかしいものじゃないと思う。その結論だけははっきりしている。ただその手段、方法においてNHKを窓口にするか、各民放を全部あの中に放列をしかせてやるか、NHKを通じて各民放に流すか、こういう手段、方法はいろいろあるでしょう。あるでしょうけれども組織委員会のきめ方によりまして、NHKだけだったら、その場合に非常に被害をこうむる国民が多いのですよ。それをあえてやりますか。議論の余地はないじゃないですか、なぜそれを早くきめないのか。
  55. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 全く御同感でございます。今日NHKと民放が話しておりまして、われわれがその解決を望んでいるのは、あらゆるラジオ、民放会社、すべてのチャンネルがオリンピックのニュースを流す、この写真を、テレビをとります技術方法、技師の分担、その他そういう細目の点で話がまだ最終的になっていない。根本的にはNHKと民放は手を握って協力していき、どのチャンネルからでもオリンピックのテレビ・ニュースが出るという、原則はこれで進んでいきます。
  56. 河野謙三

    河野謙三君 プレ・オリンピックも右へならえで同様な措置をとられますか。
  57. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) プレ・オリンピックにつきましては、組織委員会にすべての権限があるわけではないのでありまして、私としては、かりにNHK側にものを申す機会がありましたならば、やはりできるだけ円満に、国民の全部ができるだけこのニュースに接しられるような方法をとってもらいたいということを申し上げるつもりであります。
  58. 河野謙三

    河野謙三君 くどいようですが、今までのいろいろな論議につきまして、電波局長はどういう御意見がありますか。電波監理局長からあなたの御感想でもいい、意見でなくて御感想でもいいからひとつ。
  59. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 先ほどちょっと言葉が足りなくて、あるいは誤解をお招きしたかもしりませんが、一つの事実は、テレビにつきましてもラジオにつきましてもそうですが、NHKの番組が見たり聞けたりしている場所は、民放よりも大体において広い。したがいまして、NHKが見えないところで民放の電波が見える。そういうところは特殊の例外を除きましてほとんどない。こういうふうに承知いたしております。したがって、NHKの電波サイクル、電波によって一番広く放送が届き得る、こういう状態になっているわけです。しかし、何と申しましても、やはりなるべくその多数の会場の実況がよく放送される。またそれが見えるようにするということが必要ですから、そういう意味でNHKと民放とが協力して、多彩なオリンピックの場面が全国民に行きわたるようにするということは、これは非常に望ましいことでして、われわれとしましても、NHK、民放がこの際お互いの立場を捨てて協力して、こういった世紀の祭典のために交渉をしてもらうということを期待しているようなわけですし、われわれとしましても、いろいろ側面的に御協力できることはしたい、こういうふうに考えております。
  60. 河野謙三

    河野謙三君 そうすると、電波局長はまあNHKの電波がいくところが大部分であって、NHKの電波はいかないけれども民放がいくというところはあまりないのだ。さっきの御説明とだいぶ違うんです。郵政大臣だからあなたが耳打ちされたのを聞きそこなったかもしれませんが……。いずれにしても、あなたの結論は私と同じですが、もう一つ、さっき申し上げたように、オリンピックというような一大盛事をこれから民放をシャット・アウトするといたしますか、これは期せずしてその次にくるものは、日本のテレビというものはNHKが独占して、民放は滅びるときですよ。そういう指導方針を郵政省が持っておられるならば別ですよ。私はその指導方針がいいとか悪いとかは言ってない。オリンピック委員会でそういう郵政委員会みたいなことは言わない。しかし、そういう結論になることは事実ですよ。そうでないならば、結論は一つになりましたけれども、今、もろもろの問題が起こっていることにつきまして、もう少しアンテナを働かして、もう少し——あなたたち干渉はしてはいけませんけれども、この電波の業界におる者といたしましては、積極的に善処されることを強く要望いたしますよ、私は。それはよろしゅうございますか。
  61. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 御趣旨の線に沿いまして、善処いたしたいと思います。
  62. 河野謙三

    河野謙三君 もう一つ、プレ・オリンピックにつきましては、組織委員会の権限ではない、青木さんあなたの権限ではないかもしれませんが、あなたはプレ・オリンピック中心に立っておられる人なんだから、プレ・オリンピック放送も今の電波局長政府の見解、また東京オリンピックに対するあなたの見解、これと同様な方向で措置されることを約束できますか。
  63. 青木半治

    参考人青木半治君) プレ・オリンピックの場合は、選手招待に要します一億七千万の費用はNHKが出していただけるわけでございます。それによりまして、外国選手を三百四十九名招待をいたしまして、プレ・オリンピック開催される。先ほど与謝野事務総長は、その問題については、まだ打ち合わせしていないという報告をしておりましたが、それは当然でございまして、委員会が構成をされる前に、準備委員会がございましたときに、そのプレ・オリンピック放送につきましては、NHKが窓口になるというような話し合いはすでに済んでいるわけでございます。しかし、正式にこのプレ・オリンピック委員会のまだ議題にはなっておりませんが、委員会が構成される前の準備の過程におきまして、NHKが窓口になってやるというようには決定いたしておるわけでございます。朝日マラソンを通じましての話し合いから参りますと、NHKとしては独占とは申しておりますが、あくまでも窓口となって民放の希望があるならば、同時放送の相談に乗ってもいいというような、朝日マラソンのときはそういう御意向でございますから、おそらくそれに沿った形で放送が行なわれるのではないだろうかと私は考えております。以上であります。
  64. 河野謙三

    河野謙三君 私は質問をやめようと思いましたけれども、先ほど与謝野さんの御答弁の中にもありました、今青木さんからプレ・オリンピックにNHKが金を出すんだから、その金がいかにもひもがついて一つの権利を与えなければならないような印象を受けましたが、NHKが金を出すということと放送の問題は因果関係があるのですか。そういうことは私はおかしいと思うのですよ。NHKの金というものは、私はそういう性質のものではないと思うのだ。それは一営利会社、一民放においては、そういうことがあってもこれは非難のしようがございませんけれども、国から予算の承認を得て、そうしてまた決算の承認を得るという性格のものですよ。これは国民の負担においてやっているんですよ。それをNHKが金を出すから金にひもがついて、NHKの言うことも聞いてやらなければならんという印象を受けましたが、そういう因果関係を持っておられるのですか。
  65. 青木半治

    参考人青木半治君) 別に一億七千万円をNHKが出すから、そういう因果関係があるということではないと私は解します。
  66. 河野謙三

    河野謙三君 ないんなら、自主的にNHKがどうとかこうとかということ、民放がどうとかこうとかということよりも、主催者であるあなた方のほうにおいて、今度の放送はだれに権利をやる、だれが窓口である、そうしてこの窓口はどことどこにどう流し、そうして国民にひとしく機会を与える、こういうことをあなたのほうできめていいんじゃないですか。そうじゃないですか。
  67. 青木半治

    参考人青木半治君) その問題につきましては、組織委員会と体育協会とNHKの三者の構成されておりますところの大会委員会の議題に早急に乗せまして、検討させていただきたいとかように考えております。
  68. 河野謙三

    河野謙三君 ここに組織委員会、体育協会はおられますか。
  69. 青木半治

    参考人青木半治君) 私が体育協会。
  70. 河野謙三

    河野謙三君 組織委員会は今の青木さんの御意見に間違いございませんか。
  71. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 同意であります。
  72. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ただいま河野さんからプレ・オリンピックのテレビ並びにラジオの放送の問題について御質疑がございました。青木さんのお答えのようなことで、さっそく議題にしてということ。まあ河野さんの最後の質問のところで、とにかく一億七千万円NHKが出す、だから放送を独占させるのか、こういうようなきわめて突っ込んだ質問がございました。これはもう私どももそういうような印象を受けたわけでありますが、もしそういうような印象が与えられたとすれば、これは私はNHKにとっても非常に損だと思うのです。それから今後のオリンピック本番の場合のことにつきましても、いろいろまた非難も起こって参りましょうし、そうして、そのため放送が全体としてうまくいかないというような問題も起こらんとも限らんと思う。そこでNHKでは一体この際この問題についてどういう態度をとって臨むか、それをひとつNHKのほうからはっきりお聞きしたい。それでなければ解決のめどはなかなかつかんのじゃないか。幸い今、青木さんがああいうふうな議題をさっそく取り上げると言われたんですが、それに対してNHKはどういう心掛けを持って臨むか、その点明らかにしていただきたい。
  73. 春日由三

    参考人春日由三君) プレ・オリンピックにつきましては、先ほど来お答えがございますように、三者の共同主催という話し合いで行なわれます一つの催しでございます。その放送については、当然放送事業である私どものほうがやるという形で話を始めておりますが、私どもはやはり外部に対しては、実際上どこの民放が中継したいとか、どこの民放がどうしたいというような話し合いにも応じましょうというオープンな態度を表明しておりますが、今日ただいままでプレ・オリンピックについて中継をしたいという申し入れば受けておらないというのが実情でございます。しかし、基本的態度といたしましては、共同主催の三者の一つとして、しかも放送面を受け持っておるわけでございますから、お話があれば、お話に応じましょうという態度をとっているわけでございます。
  74. 北畠教真

    ○北畠教真君 オリンピックあと五百日で、選手も張り切っているようでございます。またオリンピック関係の方々も非常な御労苦をなさっておりますことに対し、心から敬意を表しておるのでございます。  オリンピック準備につきまして、われわれ委員会といたしましていろいろ微力もささげたいという気持でおるのでございますが、オリンピック施設準備並びに選手強化もいろいろ進捗いたしておるようでございまして、非常にありがたく思っておるのでございますが、特に施設国立競技場であるとか、駒沢競技場であるとか、各方面競技場整備については、ただいま御報告を受けまして心配の中にも喜んでおる一員でございますが、特に私今日関係者にお尋ねいたしたいと思いますことは、文部省関係屋内総合競技場建設、及びこの問題について二、三質問をし、またわれわれの考えておることを申し述べて御当局の御参考に供したいと思うものでございます。  屋内総合競技場は、先ほどの説明によりますと、水泳、飛び込み、柔道、近代五種(水泳)、水球、バスケットボール、こういうものに使用することが報告されております。この屋内総合競技場における種目は大体了解いたされるのでございますが、この競技がどういう組み合わせによって開催されるか。すでにオリンピックの事務局のほうでははっきりいたしておると思うのでございますが、その各種目の競技予定日がわかっておりましたならば、ひとつお答え願いたいと存じます。
  75. 前田充明

    政府委員前田充明君) 屋内総合競技場におきまして、ただいまお話がございました種目が重複しないようにやられるかどうかという問題が問題点になって参ると思うのでございますが、特に問題になる可能性の強い点について申し上げますと、水泳と柔道が最も関係が深いのでございます。水泳が十月の十一日から予選が始まりまして十八日までございます。それから柔道が二十日から始まりまして二十三日まででございます。したがって、その間に一日しか間がないわけでございます。その間に水泳場を柔道場にすると、こういうことでやらなくちゃならないわけでございますが、それにつきましては、組織委員会におきましてこのプログラムを決定いたされた場合に、これでできるということでございますので、私どもは国の競技場といたしましてはかように決定いたしまして、水泳と柔道はうまくいきますと申し上げるわけであります。それから水球につきましては水泳の間に行ないます。それから近代五種も、これはもう近代五種の中の水泳でございますので、これは一日でございまして、十四日にございますが、これは水泳の間にできる。飛び込みは飛び込みのプールがございますので、これは別で十分できる。バスケットは別館で行ないますのでこれは重複いたしません。かような順序になっておりまして、できるわけでございます。  で、このプログラムを編成いたしましたのは組織委員会でございますので、この辺の事情につきましては、御必要であれば与謝野事務総長にこまかく御説明をお願いいたしたいと思います。
  76. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいま文部省のほうから総合競技場における運動の日程が発表されましたが、その中で非常に難事ではないかと思われるのが、水泳が十月の十八日に終わりまして二十日に柔道が始まるということでございますが、その間の日取りの決定は文部省ではなくして組織委員会のほうでおやりになったということでございますが、ざっくばらんな話が、この短い時間で水泳場の取り片づけ、たとえば水をかい出したり、電光ニュースを取りかえたり、あるいは飛び込み台を取り除くということがはたしてできるのかできないのか。御案内のように、わが国現在の柔道がこのたび初めてオリンピックに取り入れられまして、百名以上も出る参加国の中の一つとして、柔道の真髄を伝えていく日本としては、重大なる競技の一種でございますが、もしもこの短時間において準備が十分にできずに、競馬で申しますならば草競馬みたようなところで柔道の競技が行なわれるということになりますれば、国の恥でもあり、また柔道のほんとうの姿を他の外国人の方々に見せることもできないというようなことになっては一大事であるということで、われわれ柔道に関心を持っておる者の一つの大きな危惧になっておるのでございます。つきましては、オリンピック事務当局のほうから、十月十八日に水泳を終わって、十月の二十日の日柔道を行なうのだが、その間に十分これを取り片づけができるのだという確信がおありになるのかどうか、大体できるであろうというようなお気持であるのか、この点はっきりと御答弁願いたいと存じております。
  77. 村井順

    参考人村井順君) お答えいたします。水泳が終わりましてから柔道が始まるまでに約三十六時間ございます。従来までの経験では、大体十七時間あれば一応改装ができる、そういう予定になっておりますので大体間に合うと。しかし、ただいまお話のように大体ではいけませんので、さらにこの設計者でございます丹下先生を中心としまして、再三にわたりまして、目下研究を進めております。現在の段階ではできる、こういうように考えられます。
  78. 北畠教真

    ○北畠教真君 オリンピックのほうにおきましても、柔道競技の問題については十分御研究もなさり、かつ調査もなすっておることと存じておりますが、御案内のように、柔道は昔からの日本の伝統のスポーツでございますが、これが今日の柔道に転化するまでにはいろいろな経緯を経て参っております。たとえば柔道着一枚にいたしましても、柔道着の短いものを使う、あるいはズボンの小さいものを使うというようなことになって参りますると、現代式な柔道というものの発展は期し得られなかったと思っております。柔道と柔道着の問題、あるいは道場の問題というものが因果関係で非常に深い関係を持っております。もし柔道の道場というものが板を敷いてその上に畳を置くのだ、たたきの上に板を置いて柔道をやるのだというようなお気持であるのかどうか。この点については皆さん方すでに御研究と思っておりますが、そういう問題についても親切にひとつ御説明を願いたいと存じております。
  79. 村井順

    参考人村井順君) 技術的のことは私何しろ専門家でございませんが、屋内総合競技場は当初から多目的に設計されて建設が進められておるわけでございます。たとえば将来スケートあるいはサーカス、あらゆるものが来ても大丈夫のように十分床張りその他についても非常に本格的な設備ができるように聞いております。そういうような意味におきまして、柔道にかわりました場合におきましても技術的には十分できる、さように考えられております。
  80. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいま技術的には十分できるのだと、しかし私は専門家じゃありませんから、というような御答弁でございますが、たとえばこれは陸上競技にたとえて見ますると、百メートルのトラックと申しますか、あの競技場がでこぼこであったり、あるいは坂になっておったというようなことになりますると、百メートルの競走はできないのでございます。それと同様に、柔道は畳の上に上がってやったらいいんだ、その下はただ単にたたきでもいいんだ、あるいは板張りでもいいんだ、こういう簡単なことではほんとうの柔道のフェアな競技はできない、こう私は存じております。私非常に皮肉なものの考え方、あるいは質問かもしれませんが、一体日本の柔道の道場のあり方というものを現在皆さん方お知りかどうか、その点についてひとつ御答弁願いたいと思います。
  81. 村井順

    参考人村井順君) 専門家でないと申し上げましたが、専門家じゃないけれども、技術的に絶対に十分なものを作ってくれ、特に柔道には間違いない本格的な床張りをしてもらいたい、そういうような意味で設計が進んでおるように聞いております。で、もちろん東京にもっとりっぱな柔道場なり武道場があればこれは別でございますが、二万人以上の観客を収容する柔道場が必要であるという意味におきまして、この屋内総合体育館というものが計画されたわけでございます。現在までの段階におきましては、先ほども申し上げましたように、多目的にこの体育館を水泳なりあるいは柔道に使う、そういうように考え、またそういうように計画を進めております。
  82. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいまの答弁では満足いたさぬのでございますが、どうも日本の国内における柔道道場と申しますか、練習場と申しますか、そういう現状についてもあまりお知りになっておらないのじゃないか、特に外国における柔道の練習場、こういうものを見てそういうことを仰せになっておるのかどうか、こういうこともひとつついでにお尋ねいたしたいと思っております。
  83. 村井順

    参考人村井順君) 外国の例——必ずしも私自身はあまりよく存じておりませんが、外国の例を十分知っている技術の方々にお願いをしまして進んでおると私は確信しております。たとえばこの例におきましても、プールの上にさらに演技台というものを上に作りまして、その演技台の上で柔道をやるという意味におきまして、従来の標準からいきますならば大体支障ない、私自身だけでなくて、専門家がそういうふうに考えて進めております。
  84. 北畠教真

    ○北畠教真君 外国の例を申し上げますと、非常に失礼かもしれませんけれども外国に柔道が輸入されまして日がなお浅いのでございます。外国の柔道の練習場を見てみますると、たたきの上にマットを敷いたり、あるいは板張りの上にマットを敷いたりしてやっておるところが大部分でございます。畳を敷いてやっておるというような道場は非常に少ない。外国がああいう程度であるから、日本においてもたいした設備をやる必要はないのじゃないかと、まあこういうふうに皆さん方がお思いになって、柔道道場の入れかえについてたやすくお考えになっておるのじゃなかろうか。日本におきましても、このごろの柔道のいい道場になりますると、スプリングを入れております。非常にフェアな練習ができる。また十分なる試合もできるのだ、そのためにまあ下にスプリングを入れながらけいこをすることが柔道の発展のために非常にいいのだということになって、日本においてもいい練習場になりまするとスプリングを入れておりますが、こういう問題についてはどういうふうにお考えになっておるのか。外国ではたいした道場はないのだ、練習場もお粗末なものだ、日本でこのくらいやればそれでいいのじゃないかというようなお考えのもとにおやりになっておるのじゃなかろうかというように、私は勘ぐって考えるわけでございますが、この点についてのお答えを願いたいと存じております。
  85. 村井順

    参考人村井順君) 先ほども申し上げましたように、二万人以上の観客を収容するには屋内総合体育館以外に場所はない。次は、その屋内総合体育館を改装しまして柔道場にする場合に、どういう技術的にいろいろな考慮が必要であるか、もちろん先ほど申し上げましたように私個人はしろうとでございますが、柔道連盟その他にお願いしまして、柔道連盟の御要望どおりわれわれといたしましてはこの設計も進めておりますので、われわれとしてはこれで大丈夫だろう、さように考えております。
  86. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいま柔道連盟の方がおっしゃったような口吻でございますが、もちろん柔道連盟の方々がそういうことをおっしゃったかもわからぬと思っておりまするけれども、今日まで柔道が非常に盛んになってきた柔道の現在における姿というものは、道場と大きな関係を持っておるのでございまして、柔道の発展史と申しますか、言い方が大ぎょうでございますが、そういう面における道場のあり方というものが今日の柔道の姿を作り上げてきたと言っても過言ではないのでございます。先ほども、事は小そうございますが、柔道着の問題についてお話を申し上げましたが、これまたしかりと私たちはながめております。こういう意味において、道場は畳の上でやればいいのだ、柔道の試合はそれでいいのだと、いうような気持がどうも柔道連盟の方にもあるのじゃなかろうかと、非常に遺憾に存じております。  つきましては、私自身、昨年の衆議院の本会議で日本武道館の建設ということが決議になっております。もちろんその以前には、国会議員数百名が連署をいたしまして、りっぱな武道の道場を作ろうじゃないか、そうして少年の育成の上にも、またでき得べくんばオリンピックまでにこれを作り上げて、そうしてその道場を使ってもらうというようなことになってきたなら非常にいいのじゃなかろうか。外国人の柔道を眺めておりますると、マットの上で柔道をやったり、また畳のあるところは非常に少のうございますが、そういうところで試合をやっておる。けいこをやっておる。ほんとうの柔道のわざの訓練の上においては十分なる練習場を作らなくちゃならない。競技場を作らなくちゃならない。日本が将来柔道を世界に十分に浸透せしめていくべき一つの義務を日本人としては持っておるのじゃないか。道場はこういうふうにあるべきだ、ただ単なるマットの上で柔道の試合をやるとか、板の上で畳を敷いてそれでやるのだというような簡単なことでは、ほんとうの柔道の真髄というものが体得できない。日本ではこういう道場でやっておるのだということをこの際に、オリンピックに際しまして各国人に見せてやる。道場の建て方までも外国人に示してやるということが非常な親切ではないか。こういうふうに思っておるのでございまして、こういう意味合いからもオリンピックまでに日本武道館を建てて、そこでひとつ競技をやってもらおうじゃないか、一つ外国に対する柔道の非常なる浸透の上にも役立つし、また将来の日本の青少年の育成の上にも非常に貢献するのだ、こういう意味合いで今日までいろいろ工作がなされて参っております。この武道館建設の衆議院の決議に対しまして、文部大臣なりあるいは総理大臣から決意のほどが表明されておりますが、これとともどもに三十八年度の文部省の予算には一千万円の予算が計上されております。通過いたしております。この日本武道館のいきさつと申しますか、現状はどういうふうになっておるのか、この際一言文部当局にお尋ねをいたしたいと存じております。
  87. 前田充明

    政府委員前田充明君) 今財団法人日本武道館の問題につきましてお話がございましたのですが、武道館は三十七年の一月三十一日に許可になりまして、自来準備を進めて参ったわけでございますが、当初におきまして約四十億円で武道館を建設するという御計画で進んだのでございますが、その後いろいろ土地の候補地を選びまして、各方面折衝をしておいでになったようでございますが、しかし現在のところでは、まだ土地が最終的に決定しておりません。またその折衝の間において武道館の規模についても相当に変更を来たさざるを得ないのではないかというようなお話し合いがなされておると武道館の方々から伺っておりまして、したがって、現状としてはいつごろその武道館ができ上がるか、また規模がどんなふうであるかということについての最終的のものは、きまっておらないというふうに考えております。
  88. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいま武道館の経緯につきまして御報告を受けましたが、私の聞いておりますところによりますと、近々のうちに敷地も確定し、基礎調査も始めるという段階にきているように聞いております。もちろん、これは先ほど申しましたように、衆議院においては全会一致をもって可決された決議でもございますし、また文部当局といたしましては、調査費に一千万円を計上しておる。これも通過しておる。もちろんこれは、武道館が建ちましたならば国立に移管しようという気持のもとに武道館の役員方は動いておいでになるようでございますが、こういうことになれば、やはり国家の建物であるというふうに精神的には受け取ってもいいのじゃなかろうか。この武道館の建設について文部当局並びに政府の非常なるお力添えをいただくとともに、もしもこれがオリンピックまでに間に合うというようなことになりますれば、非常に時間の短い間に水泳から柔道に切りかえるということは、私はいろいろ説明は聞きまするけれども、大体不可能じゃないか。飛び込み台もある。また、背負い投げであるとか、はね腰であるとか、押え込みであるとかというふうに電光ニュースを変える。これを五時間か十時間の間にとうてい交換はできない。幾ら専門家がおっしゃっても、それは不可能じゃないか。特に飛び込み台がそこに残っていたりいたしますと、外国人から見れば、どうしてもこれは草競馬のようだ、こういうふうな感じを持つのではなかろうか。こうなりますと、将来柔道というものが、世界全国に広がって参ります上においても非常な支障になる。日本古来の武道であり、日本人はこれによって育ててこられたと言っても言い過ぎではありません。そういう気持を持っておる外国人に対して、都合がつかなかったから水泳場でやったのだというようなことでは、どうも外国に対して顔向けができぬのではなかろうか。こういうふうに思いますので、この点は文部大臣にも、また川島大臣にもお気持をお聞きしたいと思うのでございますが、武道館の建設というものは、予定どおりオリンピックまでにでき上がり、ここで競技ができるということになれば、少なくとも文部省といたしましても、政府といたしましても、この武道館の建設に対してできるだけの御援助をいただきたいと、こういうふうに私は柔道に関心を持つ一人として強く感じておりますが、この点については荒木文部大臣並びに川島大臣のお気持をお聞かせいただきたいと存じております。
  89. 荒木萬壽夫

    ○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど御指摘がありましたように、財団法人日本武道館というのが認可になりまして、すでに発足をいたしておりますが、これに関しましては、衆議院で昨年の八月二十八日、本会議に「国技の総合会館建設に関する決議案」が上程されまして、お話のとおり超党派で満場一致決議されておるのであります。そのときに、私も関係大臣の一人として政府側の考えを申し上げたのであります。すなわち、御決議の趣旨を尊重して、十分に検討さしていただきたいということでございますが、その線に沿って財団法人が着々準備に努力されておりますことは、政府委員から申し上げたとおりであります。敷地の関係等で、初め予想しましたよりも進行状況は、にぶっているような実情にございます。このことは、はなはだ残念でございますが、現実いかんともしがたかったわけであります。今後なるべく早く敷地が決定され、その敷地に見合いますところの設計等もだんだんと検討されまして、できることならば、北畠さん御指摘のように、日本古来の武道を演技するにふさわしい世界的な見本ともいうべきりっぱなものができ上がりまして、国際オリンピックに間に合えば望ましいことだと私も思います。実際問題といたしまして、今から敷地を決定しまして、それぞれの準備を進め、さらに財団法人としての資金の調達、さらには国の補助金も予定されておるやに承っておりますが、この補助金も予算上成立させて支給できるということになりますためには、どうしても来年の新年度にならざるを得ないというのが一応の見通しじゃないかと思います。そういうことで、はたして来年の秋までに完成をいたしまして、新しくできましたこの武道館の道場を使って、国際オリンピックの種目としての柔道の競技が行ない得るかどうか、これこそ専門的な立場であらゆることが検討されなければ、結論的には申し上げかねますけれども、ただ望みとしては、できるならば間に合うようにいたしたいものだという気持は文部省といたしましても持っておるわけであります。ただ、これに関連しまして、聞くところによりますれば、柔道の試合場は屋内総合体育館でやるということで、IOC及び国際競技連盟の承認を得て今日に至っておる趣きでございます。したがって、幸いにしてりっぱなものができ上がって間に合うといたしましても、そのIOC及び国際競技連盟にすでに承認を得ておることとの関連において、承認のやり直しを願わねばならぬ。さらにまた、入場券の販売を七月に予定しておるようでございますが、変更するとすれば、そのことにも関連を持ってくるというがごとき、事務的な問題にも関連を持つ次第でございます。それらのことを一切総合的に十分に考え合わせまして、さっき申し上げたとおり、でき得れば間に合わせたいものだ、万一間に合わない場合には、屋内総合体育館予定のごとくやることに万遺憾なきを期することも並行的に考えていくべきであろう、いわば和戦両様的なかまえを持って誠実に努力すべきじゃないか、かように思っております。
  90. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) ただいま文部大臣からいろいろお話のあったとおりでありまして、武道館の建設につきましては、文部大臣は非常に熱心でありまして、ただ敷地等がきまらない関係上、三十八年度の予算においては調査費だけを取ったのであります。今文部大臣からお話しのとおり、オリンピックに間に合えば私も間に合わせたいと思っております。何としても日本の従来の国技ともいうべき柔道が初めてオリンピック大会で取り上げられたし、しかも、それが日本でやるのでありますから、一番いいコンディションでもって柔道の試合をやらしたい。先ほど村井事務次長の答弁のとおり、総合体育館でできると思います。思いますけれども、文部大臣も言われるとおり、できるならば新しい武道館でやらしたい、せっかく武道館建設方針がきまっておるのですから、そう思っておりますが、はたしてこれが時間的に間に合うか間に合わないか、これは政府だけでなしに、財団法人日本武道館のほうの態度方針にもよります。今日依然としてまだ敷地がきまっていないような程度でありますからして、そういうことはこれから文部大臣ともよく相談し、また財団法人と相談しまして、適当に善処してみたい、こういうふうに私としては考えております。政府の考えは文部大臣から申し上げたとおりであります。
  91. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいま荒木文部大臣並びに川島担当大臣から御丁重なる御答弁がありまして、一応了解をいたすものでございますが、ただいまも両大臣から述べられましたように、日本で生まれたスポーツが初めてオリンピックに登場するということで、日本国民といたしましても非常な関心を持っておることと存じております。なお、柔道をやっておる人が世界中でどのくらいおるのだろうかということをいろいろ話し合ったことがございますが、莫大な数に上っております。また、日本国内においても六百万といい、あるいは八百万の柔道人口があるのだというようなことをいわれております。でき得べくんば、いろいろなIOCなんかの事務的な問題もありましょうけれども、武道館がりっぱにオリンピックまでに誕生いたしまして、そこで完全なる道場のもとで柔道が行なわれるということになりますれば、日本はおろか世界中の柔道マンがさぞかし喜ぶことでございましょうし、また柔道を通じての国際親善にも大きな役割を果たすのではないか、こういうふうに感じておりますので、との点十分おくみ取りの上、両大臣におかれましては、政府の意向を体されつつも、日本武道館の理事者等ともよく御相談を願って、でき得べくんば日本武道館の競技場において柔道競技が行なわれまするように、できるだけのお骨折りを願いたいと思うのでございます。  まだいろいろお尋ねしたいと思いまするが、川島大臣御所用のようでございますので、私の質問はこれで終わりたいと思います。
  92. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) この際、荒木文部大臣、川島国務大臣は所用のため退席されますが、短時間に両大臣に御質疑があればお続けいただきたいと思います。
  93. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 川島国務大臣にお伺いいたしますが、本年の二月、ローザンヌで開かれましたIOCの委員会におきまして、インドネシアがオリンピックへの参加停止の処分を決定されたわけであります。もちろん、最終決定は十月のナイロビ総会でございますけれども、このことはオリンピック開催する日本にとりましても非常な驚きでありましたし、また私どもは、この紛争が起こりましたときから、何とかして日本が開催国としてこれをまとめていきたいという希望を持っておったわけでございます。私もその点で、この委員会で川島担当相にも質問をしたわけでございますけれども、その際に川島オリンピック担当相も、そのインドネシアが参加できるようにという希望を持っておられたことも私ははっきり覚えております。今回スカルノ大統領が参りました。さらにマラディ・スポーツ相が到着されました。すでにこの問題については川島国務大臣といろいろお話があったことと思うのでございますが、それらの経過につきまして、ひとつ川島国務大臣から知らしていただきたいと存ずるわけであります。
  94. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) スカルノ大統領が療養かたがた日本を来訪するという情報がありましたので、あらかじめ大統領に対しまして、日本に来た場合に面会をして東京大会参加の問題についていろいろ話し合いをしたいということを打ち合わしておきました。今月二十三日でしたか、スカルノ大統領が日本に参りました。翌日スカルノ大統領と私と会談をいたしまして、いろいろとスカルノ大統領の考え方、またこれは日本政府じゃなしに、川島個人としての希望なども述べた結果、この問題は政府間同士の話じゃなくて、オリンピック委員会の話でありますからして、その席上で、それならひとつインドネシアのスポーツ大臣であり、かつインドネシアオリンピック委員会の会長でありますマラディ大臣を呼んで、日本のオリンピック関係の人々と会談をしようということになりまして、昨日マラディ大臣が来らたれのであります。今日午前十時から帝国ホテルで、スカルノ大統領の部屋で私も立ち合いまして、日本のIOCの委員である東龍太郎君、高石真五郎君、JOC委員長の竹田さん、それにオリンピック促進委員会与謝野事務総長が出まして、インドネシアから大統領、マラディ・スポーツ大臣、スバンドリオ外務大臣、その他出ていろいろ懇談をいたしました。主として従来の行きがかり等について一応検討を加えたのであります。最後的の話といたしまして、インドネシアとしては、かねてから一九六四年の東京大会には参加したい、初めてアジアでやるんだからして、これが成功するように協力もしたいと考えておったんだが、現在は参加し得ないような条件にあるので、そういう条件が解消すれば参加したいと、こういう意見がはっきりと出されましたのです。そこで日本側IOC委員の方々が、近くローザンヌで開かれるIOCの実行委員会に、東IOC委員、竹田JOC委員長、それに与謝野事務総長が出られますからして、現地においてインドネシアが参加するような形を作ることに努力する、IOCもインドネシア側の立場も、両方とも考慮しながら、問題を解決するように努力するということで今日は会談が終わりました。したがいまして、来月の四日、五日に開かれるローザンヌにおけるIOCの理事会の席上でありますか、あるいは違った会合でですか、私は存じませんが、とにかくその機会を利用して、この問題の解決について日本側の委員から十分意見を申し述べて、解決に努力するということの態度をきめて今日は終わったわけであります。以上がこれまでの経過であります。
  95. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 もし日本のIOCの委員さんというものがローザンヌに出かけまして、そして向こう側と話し合って何らかの打開の道が開かれれば、これにこしたことはございませんし、私どもも非常に喜ばしいことだと存ずるわけでございます。ただ問題になりますのは、率直にいって、やはりインドネシアが謝罪するということもなかなかむずかしいことでありましょう。何らかの顔を立てなければならぬということにもなります。また他方IOCのほうも、一応あれだけの強い決議をしたのでございますから、それらの点でもって無条件で撤回するわけにもいかぬだろうと思うのでございますが、その間にあって日本があっせんするというのもなかなかむずかしいことだと思うのでありますが、大体このあっせんについて、これはまあ川島さんの直接お当たりになるわけではないのでございますが、与謝野さんなんかが向こうへ行かれるわけでありますけれども、大体のあっせんといいますか、取りなしといいますか、その方向というものはどういうところに置かれておるか、それをお伺いしたいと思います。
  96. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 出れる状態になればぜひ出場したいということは、インドネシアは強く希望いたしております。またIOCのほうも、インドネシアの出席は歓迎すると、こういっておるわけです。主催国たる日本はむろんこれを実現したいと、こう考えて、現在IOC、インドネシア、主催国たる日本、この三者がインドネシアの出場についてはだれも異議がないのでありますから、まあ従来の行きがかりがあるので、これをどう解消するかということが問題になります。この点については、インドネシア側と日本側とは具体的に何も話しておりません。来月ローザンヌへ行きまして、そのときの話し合いの結果でありまして、見通しその他について、ここで私が何とも申し上げるだけの材料を持っておりませんし、またそんな話はない。また東委員その他日本から行く諸君は最善の努力を尽くすと、こういう決意で行くおけであります。それ以上ここでもって結論等について申し上げる時期でもないし、またそういう資料もないということだけで御了解願っておきたいと思います。
  97. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 これはひとつ十分になおインドネシア側とも打ち合わせられまして、そして委員の方々は向こうへ行っていただきたいと思います。たとえインドネシア側が参加を強く希望しておりましても、やはりこれにはいろいろとインドネシア側の面子の問題もありましょうから、相当具体的な問題について突っ込んだ話し合いが行なわれておらぬというと、スイスへ参りまして成果をあげることができないだろう、こういうふうに考えられます。もちろん十月の総会までにさらにいろいろ折衝を重ねられるということも考えられますけれども、できるだけ今回のスイスの会議におきまして、いい方向に向くことが明らかになるように十分なる準備を備えていっていただきたいという希望を持っておるわけです。
  98. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 御意見はよくわかっておりますから、なるべく御意向に沿うように努力いたしたいと、こう考えております。
  99. 河野謙三

    河野謙三君 文部大臣にお尋ねするのか、川島大臣にお尋ねするのか、よく筋がわかりませんけれどもオリンピック準備を担当しておる組織委員会、体育協会その他もろもろの団体組織がございますが、これはいずれも相当額の国費が補助されておるわけであります。しかし会計法と申しますか、従来の規定からいけば、組織委員会も体育協会も、会計検査院の監査を自動的に受けるものにはなっていない。ただ国費が相当投入されることにつきましては、会計検査院が必要と認める場合はこれを監査をするということになっております。私はこの機会に会計検査院の見解もさることながら、川島大臣なり文部大臣は、これらの準備にあたって相当多額な国民の負担が投入されておる機関につきましては、当然私は規律をただす意味におきましても会計検査院の監査はさせるべきである、かように思っていますが、これらについての御見解を伺いたいと思います。
  100. 荒木萬壽夫

    ○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説のとおり当然そうあるべきものと思います。
  101. 河野謙三

    河野謙三君 私は公開の席でありますから、具体的には申しませんけれどもオリンピック準備ためにむだな金が使われておるとか、むだでないということはこれは見解の相違でございますから、そうでありませんで、巷間いろいろな不正事件が流布されております。これは大臣のお耳にも入っておると思う。これはオリンピック準備ために非常に大きな私は要素になると思う。かりにオリンピック開催前に、たとえ些少といえどもかような問題が世間に出ました場合には、非常に大きな東京オリンピックに汚点を残すわけであります。でありますから、私は今特にお尋ねしましたのは、大臣の御見解でよくわかりましたが、積極的にこれは会計の検査を受くべきものであるということに意思を統一されまして、もう少し組織が緊張して、国民の信頼のもとに動くように私はしていただきたい、かように強く希望いたします。これは川島国務大臣も荒木文部大臣と御同様と思いますが、念のため伺っておきます。
  102. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 文部大臣と同じような考えでございます。
  103. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 組織委員会は毎年会計検査院の検査を受けております。
  104. 河野謙三

    河野謙三君 この機会に川島国務大臣に別の問題についてお尋ねいたしますが、先ほどオリンピック準備ためホテル旅館準備進捗状況につきましては運輸省から御説明がございましたが、問題はまだ根本的に片づいてはいないようであります。私が伺いたいのは、入場券の問題、七万二千入るとか、七万八千入るとか、八万入るとか、これはまだ決定していないようでありますが、いずれにいたしましても入場券の発売にあたって、どこに優先順位を置くかという問題は、これは一番高い角度においてオリンピック担当相において一つ方針をお示し願わなければいかぬと思うのです。私の見解をもってすれば、東京大会に国民が接する以後においては、日本の国にほとんど永久にオリンピックというものはこない、かように考えていいかと思います。そういう場合に、やはりできるだけまず優先順位を、スポーツを愛好する国民に機会を与えるべきである、かように私は考えます。しかるに、従来往々にして、私の誤解かもしれませんが、外人が三万人来る、ホテル準備しなければならない、三万人を開場式に入れなければいけない、こういうことで外人が優先されているように思いますけれども、私はこの点をはっきりと川島国務大臣のひとつの指導方針を私はきめていただきたいと思う。かりに七万五千人として、外国から来る者が三万人とすれば、いずれもこれは、だれ一人といえども入場式をまず希望いたします。三万人外人が入る、オリンピック関係の役員が入る、国内関係の役員が入る、その他特別の地位の人が入るということになりますと、国民に与えられる機会というものは、九千六百万の国民の中でわずかに二万か三万になってしまうと思う。私はこれだけ大騒ぎをやって国がオリンピック準備をしておりながら、さあオリンピック開会だというときに、開会式に臨める者が外国人が優先であって、その残りが国民に与えられるのだということでは私は納得しないと思う。外国の例を見ましても、私もしばしばオリンピックに行きましたが、まず向こうで外国から来る人に与える切符は幾つであるということの限度をちゃんときめております。そうして、それに対するホテル準備はこれだけしかないということで、招いた以上は、それに対しては十分のホテル準備をして、十分の入場の機会を与えるというようにして、数は少なくとも、来た人に対しては不平の起こらないようにやっている。そのほうが私は大事だと思う。しかるに、私のあやまちか何かしれませんけれども、まだ外人が優先なのか、国民が優先なのか、もちろん入場券につきましては、これから小委員会を開いてやるとおっしゃっておりますが、組織委員会で小委員会を開いて、これが一番大きな問題でしょうが、もう少し高いレベルにおきましてこの入場券の扱いにつきまして、国内優先なのか、外人優先なのか、これについて私は国務大臣に御見解を伺いたい、こう思うわけです。
  105. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) これは私の問題ではなしに、オリンピック組織委員会自体の問題なのであります。実は、組織委員会としてもまだ事務当局から何ら意見を聞いていないのであります。事務当局で今急いで原案を作っている模様であります。なるべく急いで組織委員会に提案するように私からも督促しているわけでございます。今河野さんのお話も確かにひとつの御意見でありますから、事務当局の諸君も来ておりますから、そういうこともいろいろ勘案しながら案を作ると、こう考えております。いずれ適当な機会に皆さんの御意見を聞くこともあろうかと思います。今日としては、私としてはこれ以上申し上げる材料を持っていないわけでございます。
  106. 河野謙三

    河野謙三君 組織委員会の問題ですけれども組織委員会でもなかなかこの問題は右すべきか左すべきか、いろいろ議論が分かれると思います。それはオリンピック担当相と申しますか、それよりもっと大きなところで、政府の私は見解というものがここにひとつ指導方針が示されなければ、なかなか私はきまらぬと思います。きまりましても、これがまたいろいろの角度からいろいろな議論をして参りますと、これがまたいろいろ紛争のもとになると思う。そういう高い角度でまず指導方針をきめるべきであると思いますけれども、そうではないでしょうか。
  107. 川島正次郎

    ○国務大臣(川島正次郎君) 指導方針までまだ今考えていないのです。河野さんのいうように、これから残されたオリンピック準備としては、入場券の問題が一番大きな問題だというふうに認識しております。したがって、事務当局でも慎重に意見を練っているのだと思います。せんだっての組織委員会に一応幾枚発行するということだけは報告があったのですが、それをどう配分するかということはできていないのであります。河野さんのお話よくわかりますから、そういうことも参考にしながら、文部大臣とも相談して考えてみます。
  108. 河野謙三

    河野謙三君 くどいようですけれども、川島先生から文部大臣の話が出ましたが、とにかく七万五千というものは大体きまっているのですね。そのうち外人が三万ということを今いっております。それからオリンピック関係の役員、また国内の役員、こういういろいろな関係で四万になるでしょう。算術勘定で差し引けば三万五千しかないということになる。それで一体七万五千の中の外人が三万、国内東京まで多額の費用を使って上京してきて、ようやく神宮の中に入れるのが外人と同じ程度の数であるということでは、私はおさまらぬと思いますが、これらのところだけはひとつはっきりしておいたらいいのじゃないかと思いますが、どうでしょう。かりに今外人が三万くるときめてごらんなさい。私はおさまらぬと思います。そういうことがすでに前提になっている。そうじゃないですか。
  109. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 河野先生のただいまのお話、大臣に対する御質問でございますが、私からお答えいたします。実は、先ほど申し上げましたように、入場券については、事務当局でいろいろ案を練っているのでありますが、まだ一つもきまったことはない。これを組織委員会に上げ、組織委員会がまた必要とあらばその中で小委員会を作って検討していただきたいという希望を持っているわけでございます。ただいま河野さんから、外人三万ということが出ましたが、この三万を目標ホテルの部屋が足りるかということを検討して、三万以上はホテルの数ももうこれは無理であるというふうに考えているのでありまして、開会式入場券が、ここに三万くるかどうかわからないのでありますが、その三万が全部開会式入場券を手に入れるということは、かつて事務当局の話の間にも出たことはないのであります。これがあるいは一万五千で打ち切れるか、二万になりますか、今後の検討でございますが、三万という数は、これは日本にそのときくるであろう外人がマキシマム三万ということで、ホテルその他の準備の問題を考えているのでございます。全部に開会式入場券がいくことはないというふうに御了解願いたいと思います。
  110. 河野謙三

    河野謙三君 両大臣に対して申します。与謝野さんそうするとこうですか、外人は三万を予定している。しかし、外人の日本にくる三万人と、入場式の入場券を渡たす外人の数とは別と考えている。こういうことですか。
  111. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) さようでございます。
  112. 河野謙三

    河野謙三君 そういうことは実情に合いますか。外国からわざわざ何のため東京にくる、われわれもしばしば経験があります。入場式を目当てにくるのですよ。そういうことで東京まできたけれども、入場式に行きたくても切符の割当がなかった、そういうことで不満を持たせるということは、かえって私は効果は逆になると思います。そうじゃありませんか。それが三万に対して二万九千とか二万八千ならいいけれども、それを日本へくる人と入場式に行く人と、これを相当の開きをもって考えているということは、私はこの際にオリンピックを通じて国際親善をやろうというねらいと結果は違いはしませんか。国際親善はあなたのほうが専門家だけれども、どうですか。
  113. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 三万を削ります場合に、今の河野先生の御意見のように、二万九千、二万八千ぐらいなら可能かもしれないが、大幅に削れないという御意見も確かにあるのでございます。しかしながら、また、陸上競技なら陸上競技だけに興味をもって、その試合を見ればあとは日本の観光に出かけるという人もあるでありましょうし、閉会式のまぎわにやってきて、開会式だけで済ますという人もあろうかと思って、外人の数は三万というような膨大な数を用意しなくてもいいのではないかというわれわれの心づもりでありまして、これは今後また至急討議して決定していただこうと思っております。
  114. 河野謙三

    河野謙三君 小委員会を開いても、あなたたちが主導的立場をとってやるのですが、あなたは、かりに三万外人がくる。入場式に機会を与えるのはそのうち二万とか二万三千であるとか、何か一つ大体の目安を持っておられますか。
  115. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 私としては、そういうところで少しでも日本の国民が多く見る機会を作り、できるだけ開会式は興味がないという外人がきてくれることを望んでいるのでありますが、実際上開会式を希望する人は内外とも非常に圧倒的に多いのは事実でございます。しかし、また大会の初めから来るのではなく、途中から来る人も三万の数の中に含まれているわけでございまして、必ずしも三万用意する必要はない、こう考えております。
  116. 河野謙三

    河野謙三君 では別の角度から聞きますが、日本国内オリンピックの入場式にぜひ行って見たいという人は、そういう希望を持っている人は何百万人、何千万人か、大体想定したことはありますか。
  117. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) これは想定してどれぐらいということを考えたことはございませんが、手段があって、修学旅行の機会に東京に出て、それにぶつかって中へ入れたらぜひ見たいという生徒の数まで入れましたならば、全国で開会式を見たいという声は確実に圧倒的に多いので、これが百万であるか千万であるか、私としては数を根拠をもって申し上げることはできないのでありますが、私の知っている限り、君までもそうかと思わざるを得ないほど、ほかの競技よりも開会式を見たいという人が多いということは事実であります。
  118. 河野謙三

    河野謙三君 それではもう一度参考までに聞きたい。それが何百万人であるか何千万人であるかわからない。たとえば日本全国に体育協会の組織のもとに各種目団体がございますね、そういうもので末端の県なり市町村にそれぞれの組織がありますね、そこの役員になって、常日ごろ全く手弁当で今日まで長い間スポーツの振興のために努力してこられた、いわゆる体育協会の中央、地方、末端のこの役職員だけで、職員はまだほとんどありませんが、何人ぐらいあります。
  119. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 今日まで中央、地方の体育協会で体育のために尽くされた方々、できればこの方々に全部オリンピック開会式入場券が渡るようになれば非常に理想的と思って数字を今伺ったところ、大体二万五千か三万という数字が出たことはございます。
  120. 河野謙三

    河野謙三君 もっと多いですよ。私は知っている。かりにあなたのおっしゃる数字の二万五千か三万という人たち、これは全く今まで手弁当で日本のそれぞれの種目団体の役員として末端において——中央の人はいろいろこのごろは国の予算の範囲内において旅費か月給くらいはもらえるようになりましたが、末端はそういうものはないのですよ。それも一年、二年じゃない。長いのは数十年、十数年みんなやって来ている。そういうものに機会を与えるのは当然の私は責任だと思う。それさえもできないじゃないですか。それに全部やったら一般の体育団体に今まで関係を持たない者は一人も入場式に出られないということになるじゃないですか。そういうことを少しこまかく分析して見て、私は役員全部入れろというのじゃない。しかし、優先順位は少なくともあると思う。これを一つとらえたって、外人が先か日本の体育協会の末端で働いていた者が先か、そこらのところをもう少し検討されないと私はいけないと思うのですよ。まあこれから小委員会を開くというけれども、今ごろまだ組織団体の下部まで入れて、団体の役員が何人いるかまだよくわからぬというようなことではとんでもないと思うのですよ。でありますから、あなたのほうでうかつに小委員会を開いて案を発表してごらんなさい、ハチの巣を突っついたようになりますよ。でありますから、あなたのほうでいろいろな案を示す前に、まず政府の大方針を私は示されるべきだと思うのですよ。そのほうが組織委員会は荷が軽くなるのじゃないですか。  まあ私はあなたに質問というよりは意見を申し述べましたが、御答弁要りませんけれども、急ぎかつ慎重にこの問題は取り扱われんことを私は強く要望しておきます。
  121. 山本利壽

    ○山本利壽君 関連して。ちょっと今の入場券の問題で関連して御質問いたしますが、各方面の御努力でだんだんこの準備が整ったようでございますが、それに従って国民のオリンピックに対するところの関心も漸次盛り上がってきて、先ほど来話題に上っております入場券を手に入れたいという希望が非常にたくさんありますので、この問題については、われわれも早く知りたいと思っていたのでありますが、今日の委員会の初めごろに御説明があったところでは、次の組織委員会ではもうきまるというふうな印象を受けましたし、先ほど来の大臣その他のお話のときには、なかなかむずかしくて、とてもまだ基本的ないろいろな調査の必要のある問題もたくさんあるようですが、次の委員会はいつごろ開かれるわけでございますか。そうして・その委員会ではもう絶対この入場券の頒布の問題は確定するというように案ができておるわけでございましょうか。その点ちょっと伺います。   〔委員長退席、理事河野謙三君着席〕
  122. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 先ほどの私の発言、誤解がございますかもしれませんので、もう一度申し上げます。  次の組織委員会はできるだけ六月の上旬にすみやかに開きまして、入場券問題を取り扱う組織委員会の中の小委員会を開いていただいて、そこで検討したものを全体の会議でもう一ぺん御審議願うということでありまして、この次の総会で入場券問題が全部きまるという趣旨ではございません。むしろ今からでも、すべての問題が再検討できるところにあり、事務当局としてはいろいろな準備はいたしておる、こういうことでございます。先ほどの体育協会の地方の役員等を合わした数につきましても、これだけの数があるから適当に考慮してくれということが体育協会のほうから資料として出ておるわけでありまして、こういう問題もあわせて考慮しているわけでございますし、またこれが再検討される、こう考えております。
  123. 山本利壽

    ○山本利壽君 先ほど河野委員から放送関係して、オリンピック大会というものは国民のため大会であるから、国民にすべて見せたい、できるだけ広く見えるように計らわれたい、そうでないと非常に国民の中にも不平の者が出るという御趣旨の質問がありまして、私も全く同感でございます。それと同じように、この大会入場券の頒布で、先ほどは外人を主にするか日本人を主にするかという話がありましたが、今私が言わんとするのは、その比率がどうであろうと、たとえ国内で三万になろうと四万になろうと、その頒布の方法によっては私は非常に国民に失望感を与えて、そうして不満が爆発するように思うのでございますから、今後この点についての研究なり御考慮を十分に払っていただきたいということを要望いたします。それで、地方に割り当てられるものか、あるいは東京で買えるものか、また地方に割り当てられても、それを自分たちがなかなか手に入れられないであろうから、国会議員に頼んでおいたらたやすく入るのではないか、ことに、そのオリンピック特別委員なんかということになっておると、これは何枚でも手に入れてもらえるように思って、われわれのところには強い要望が各方面からあるわけでございます。ところが、われわれも、自分らのほうでお願いして買えるものやら買えないものやら、そういうことすらもわからない状況でございますから、もし、国会議員から言うなら幾枚でもそれは出してやるということならこれはよろしゅうございますが、そういうわけにいかないものなら、はっきりそれは各地方に割り当てられたものから買ってこなければだめだということをわれわれも言っておかないと、非常に期待をして地方の人は待っております。で、議員もできるだけみんなな満足さしてやりたい、喜ばしてやりたいという気持が一ぱいでございますから、まあできるだけ努力しようという返事をするわけでございますので、そこらのところの基本方針を、この次あたり、できるだけ近い機会において必ずひとつわれわれにも知らしていただきたい。大体の頒布方法なり、その他についても知らしていただきたいと思うのでございますが、今日でも、確定はしていないが、こういう工合にしたらと思うという案があったら承りたいと思います。
  124. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 実はまだ何も確定しておらないのでありまして、未熟なものを発表いたしますと、またしかられる種になるのでありますが、実は地方で頒布いたします場合に、地方の体育協会関係を通じまして頒布いたしますものと、一般に売り出すものと、二つが当初から考えられておるのであります。この方法がまた、体育協会を通じて頒布するといっても、体育協会の役員だけで一ぱいじゃないかというようなことになると、これが頒布というのか、それを直接渡すというのか、そういう点がまた数によって違ってくると思うのであります。まあそういう考え方がございます。何分にも絶対数が七万数千ということになっております。ただ開会式以外の入場券は、ともかく七万二千という陸上競技人口はないようでありまして、割合陸上競技を見たいというような場合の入場券開会式と比較しまして非常にたやすいのではないかと、こういう印象を持っております。
  125. 柴谷要

    ○柴谷要君 大へん時間が経過しておりますので、たくさんの御質問ができませんが、一つ二つだけお尋ねをしてみたいと思います。過日毎日マラソンが行なわれました。大へんこの面におきましては、交通整理といいますか、交通規制が完全に行なわれて、かつて日本国内では見ることのできないほどりっぱな交通規制が行なわれ、しかも、計画したマラソンがりっぱな成果を示すことができたと新聞は報道いたしております。まことにこの努力に対しては心から敬意を表するものでありますが、その陰には大へんな努力をされた交通関係者がおられる。特に担当されました警視庁交通部長から、大体この交通規制に対してどのくらいの要員を使われたか、また、これに必要といたしました経費はどのくらいか、こういう問題についてひとつお聞かせをいただきたいと思う。
  126. 内海倫

    説明員(内海倫君) お答えいたします。大へんおほめをいただきましてありがとうございます。この規制につきましては、警察官を使用しましたものは、大ざっぱに算定いたしまして約七千名でございます。それから交通規制をいたしました時間は、大体競技が十二時から二時間半の間行なわれましたが、私どもが警察官な配置につけましたのは十時前であります。それから全部を引き揚げましたのが五時でございますから、その間の勤務をいたしております。これに要しました費用は、今私資料を持っておりませんのでちょっと申し上げかねますが、まず交通規制そのものに要する道路標識、案内板等は、組織委員会のほうで本番のときに使いますものを今回用意をしていただきまして、それ流用いたしました。これの費用。それから出動いたしました警察官に対する弁当代が一人百円前後ではなかったかと思いますが、その程度のもの。その他いろいろロープ、あるいはまあ馬と称しておりますが、こういうふうなさくを相当多数同様組織委員会のほうで用意をしていただきまして、これらを全部引っくるめますと、どの程度の経費になるのか、今ちょっと経費の点は算定いたしかねますが、そういうふうな面で相当額の費用を必要といたしております。
  127. 柴谷要

    ○柴谷要君 私どもも相当数の動員であの警備に当たられたとは思っておりましたが、七千名とは実に驚き入った員数だと思います。しかし、この七千名の方々を配置につけたということになりますと、平常勤務者ではなくて、どうしても明け番、いわゆる超過勤務で服務をさせたのじゃないか、かように思うわけであります。その員数が七千名の中でどのくらいおりますか。おわかりでしたらお教えを願います。   〔理事河野謙三君退席、委員長着席〕
  128. 内海倫

    説明員(内海倫君) 動員いたしました総員数は以上申しましたとおりですが、これらの内訳につきましては、警備部のほうで所管いたしましたので、詳しく私申し上げかねますが、少なくとも三分の二ぐらいの者は一応休日を返上いたしまして出動させた数と考えてまず間違いない。それからなお、七千名のうち約千二、三百名というものは警視庁機動隊の隊員諸君でございます。
  129. 柴谷要

    ○柴谷要君 確かに国際的な大祭典を行ないますので、担当者の皆さんの御心労は並々ならぬものがあろうと思いますけれども、こういった一つのマラソン行事を行なうにいたしましても、今御説明がありましたような方々が、実は国民の皆さんが知らない方々がたいへんな努力をしている、こういうことをやはり国民全般に知らせる機会が、私はこの参議院におけるオリンピック特別委員会仕事ではないかと思う。こういう意味から質問申し上げておりますので、できることならば、矢面に立って名の出る人たちだけがオリンピック仕事をやっているのじゃない、ほんとうに職場にいるこれらの人たちまでも真剣に今オリンピックの問題についてはやっているのだという事実を国民の全体に知らせることによって、ある程度の問題は解消されていくのじゃないかと私は思いますので、あえてこの質問をいたしたわけであります。特にこの行事に参加をいたしました警察官の方の心境を聞いてみたのでありますが、われわれとしても国際祭典であるから、できるだけひとつりっぱにやるように協力したいという、まことに雄々しい気持で努力をされております。しかし、実は明け番だけれども、あそこで長時間勤務をしたので、実は一日の勤務であっても三日分ぐらい疲れが出たという話もしておりました。こういうことをやはり十分知っていただくことが私は必要だと思うので、時間がありませんけれども、あえてこの質問を申し上げたわけです。で、七千人とは、ちょっと私ども想像外の員数でありましたが、三、四千人の方々はこれに関係したのじゃないか、こういうふうに思っておりましたが、まあこれで警備の実態というものが多少でも知れたということ、これは同時に国民の皆さんにも知ってもらいたい、こういう気持で質問したわけです。  われわれこのオリンピック委員会準備促進の委員会でありますから、皆さん方のやっていることが悪いから国会へ引き出して糾明してやろう、そういう気持でやっている委員会ではないことを一面皆さん方にもお含みいただいて、この世紀の祭典をりっぱにやり遂げるためには、こういう方々までも真剣になっておるのだという気持を新たにして、ひとつオリンピックために挺身してもらいたいことを私は委員として希望いたします。また次回に時間がございますれば、十分御質問したいと思いますが、本日はこれで私の質問を終わりたいと思います。
  130. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 五月の七、八日ぐらいの新聞に、今秋開かれる東京国際スポーツ大会に東独の選手参加を申し込んできたが断わられた、こういうような記事が出ております。そうしてこれに対しまして、オットマイヤーIOC書記長もたいへん遺憾だというようなことを言っておるわけです。これはやはり政治介入の問題ともからんで私どもにたいへん不可解な印象を与えたのです。で、この問題についていろいろ新聞紙の伝えるところが違っております。はたして何が真相であるかよくわからない。この際、この問題についてひとつ東京国際スポーツ大会実行委員会のほうの方で、どなたかこの経過について、実行委員会としてはこれはどういうふうに見ておられるか、御説明願いたい。
  131. 青木半治

    参考人青木半治君) 東独関係の経緯につきまして御説明申し上げます。  去る二月十八日に、JOCの委員会でございますところの大島鎌吉氏に対しまして、東独のNOCのほうからの話し合いがございましたのでございます。そのときの話し合いは、プレには最強の選手と、そうして科学者、すなわちフード学——食餌学、医学に関しまするところの科学者を約四十名にわたりましてこの大会に派遣をいたしたいという希望が申し出でられたのでございます。そのときは、この四十名のうち二あるいは三名につきましては日本側で招待をしていただきたい。残りについては自費参加をするという申し出があったのでございます。それに対しまして、二月の二十六日付をもちましてJOCから、東独の先ほど申し上げました申し入れにつきましては、関係競技団体に連絡をした、プレ・オリンピック招待しますところの選手は、二十競技団体の意思を尊重いたしまして、世界ベスト・ファイブ以内を基準として決定する。したがって、遺憾ながら即答できないが、決定次第通知をするという回答をいたしたのでございます。と同時にJOCといたしましては、関係団体——といいますのは、七団体競技選手を送りたいという申し出がきたわけでございますので、JOCから委員長名をもちまして関係の七団体に東独NOCの申し入れを伝えまして、各競技団体が受け入れが可能であるかどうかということについて十分検討の上回答してほしいという書面を各七団体に出しましたわけでございます。次に、四月の三日付をもちまして、JOCから送りました手紙に対しますところの回答が参りまして、自分のほうとしては、JOCが、貴国国内連盟に対する希望に御賛同いただいたことについて感謝をする。なお、国際的な有名選手のみ東京に派遣するよう当方の意図を再び確認するという書類が参ったのでございます。そうして次に、五月二十二日に、さらに東独のNOCの事務総長から、最近新聞数紙に、東京スポーツ大会について多くの国及び選手招待されるが、東独選手については言及をされておらない。当方選手参加についてどんな状況であるかをお尋ねしたいという手紙が参っておるわけでございます。このような状態でございまして、JOCといたしましては、先ほど御質問の国際スポーツ大会実行委員会とはまだ打ち合わせをいたしておりませんが、JOCとしてはこのような態度で、以上が東独のNOCとの交渉の経緯でございますが、この経緯に基づきまして実行委員会との合同会議を至急開催をいたしたい、かように考えております。
  132. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今までのは、きわめて表向きの経過を報告されたように思うんですけれども、この五月七日の日刊スポーツに出ているのですけれども、ここには、『外務省は国交関係のない東独の入国を認めることはできないと東独の参加に難航を示した。また宿泊施設関係もあって、東独の自費参加を断わることになった。この点について大島選挙強化本部長は「政治とスポーツは別なので東独を参加させるよう主張した。しかし外務省が反対なのと、東京オリンピックを控えてことを荒だてたくないという意見が多く断わることになった」と説明しているが「断わる理由がないので困っているところだ」と苦悩の表情。』こういうことが書いてあるんですね。で、今あなたのお話ですというと、外務省にはちっとも関係のないようになっておりますけれども、これは表向きまだ東独のほうから外務省に入国申請をしてきたあれでも何でもないわけですから、問題はないと思うんですけれども、この東独の選手自費参加を求めてきたのに対して、あなたのほうでやはり外務省の意向をただした、これはまあ正式にではなくても、内々ただしたという事実はございますか。
  133. 青木半治

    参考人青木半治君) 正式に外務省に交渉いたしたことはございません。
  134. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 正式ではないけれども、非公式にあるでしょう。
  135. 青木半治

    参考人青木半治君) 私の知る範囲ではございません。
  136. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それでは、大島さんがこういうことを言うはずないじゃないですか。
  137. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 私もこの大会の実行委員の一人でございます。青木さんの答えられたことを補足いたしますと、大島君がそのフランスのスポーツ新聞記者の大会に行ったわけであります。その前に、こういう問題があるということを、まあ語られたようであります。その際は、まだ委員会の下の小委員会、つまり選手を、どういう選手を招聘しようかという、その委員会開催もまだなく、そこへこれだけの人数が申し込んできたりしておるという話があった。それが外部へ漏れて、委員会に上提される前に、東独の問題というのが新聞に出たわけでございまして、実行委員会としても、また私の知る限り、JOCとしても外務省にこういう選手を入れていいかどうかということを尋ねる段階ではまだなかったわけであります。
  138. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 尋ねる段階であってもなくても、かなり多くの新聞が、外務省では反対だということを書いているんですね。これはどういうことなんです。
  139. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) ことしの二月、軽井沢で行なわれました世界スピードスケート大会のときに、北鮮及び東独の選手参加いたしました。その際に、これは世界選手大会だから入ったんだということが伝えられていたのでございまして、これが政府の確定した方針とかどうとかいうことはないわけでございますから、世界選手権だから入ってきたわけで、新聞の人たちも、東独の申し込みは、今度は選手大会ではないから入らないであろうという想像でそれが書かれておるわけであります。
  140. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 この記事、あなたお読みになったんでしょうね。
  141. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 私は、関連した記事は全部読んでおります。
  142. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 想像で書いた記事と思えないんですね。想像で書いた記事に、今言ったように大島君がああいうことを言うはずないでしょう。それから組織委員会の松澤事務次長は、また、プレ・オリンピックはIOC後援の大会ではなく、単なる国際大会なので、東独の入国について、外務省に強く要請できない面もある。しかし入国を認めない外務省の態度は当然問題になるだろうと、こう言っているのですね。これで外務省が何らかの形でもって口を出さなかったということは言えないじゃないですか。常識的に考えて答えて下さい。
  143. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 先ほど曾野情報文化局長が来ておりましたが、今おりませんが、外務省のほうから答弁あってしかるべきだと思います。私がただいまの新聞記事を想像だと言うのは、新聞記事全体が想像という意味ではなく、おそらく外務省が許すまいという想像だということです。
  144. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 おそらく外務省が許すまいという想像だというのに、この大島君だの松澤君がこういう話をするということは常識で考えられますか。これは外務省の方もしくは……。
  145. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 岡田委員に申し上げますが、外務省曾野情報文化局長は帰られましたが、法務省入国管理局次長出席しておりますので、もし……。
  146. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 管理局次長にひとつこのいきさつをお伺いしたい。
  147. 富田正典

    説明員(富田正典君) お答えいたしますが、法務省といたしましても、この問題は公式にもあるいは非公式にも全然承っておりませんので、何とも申し上げられない状況でございます。
  148. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 公式にも非公式にもあなたは承っておらぬかもしれないけれども、外務省のどこかでもってこういう意見が出たからこうなったのでしょう。そして問題が起こったから、あわててあなた方これはたいへんだというので、いやこういう問題は何も関係がないのだと、話もないのだということにしちゃったんじゃないですか。それでなきゃこんなに大きく新聞が取り上げるはずはないじゃないですか。
  149. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) これは大島君がドイツへ出る前に、今こういういきさつでいっているという、小委員会にも出ない問題をスポーツ記者にしゃべられたことが出て、それがきっかけとなって外務省にも話がいっているかのごときことになってしまったのでありまして、JOCとしてはこの委員会を至急開き、今後の東独の招待問題その他を研究するということにあとからなったわけであります。
  150. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 大島君が今いないからよく聞くわけにいきませんけれども、大島君が何もないところへ、外務省は反対しているのだからまことに困ったことだというようなことを言うはずはないのですよ、これは。私は新聞社の決して想像記事、作り上げの記事じゃないと思うのです。それからどう考えたって大島君がこう言ったには、やはり外務省の意向が何かあったから言ったんでしょう。そう思いませんか。作り上げと……。
  151. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 作り上げではなくて、過去の、先ほど申し上げました二月に外務省に特例をはかってもらったというような経緯から、なかなかむずかしい問題だという点からの想像が出てきている、こう申し上げたわけであります。実際問題として、私もその問題はまだ報告を受け取ってない段階において起こったのであります。
  152. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それではお伺いいたしますが、これから東独のほうでプレ・オリンピック参加したいというもう一度正式の申し込みがありましたら、それはどういうことになりますか。
  153. 青木半治

    参考人青木半治君) 自費参加の問題につきましては、実行委員会のもとにございますところの専門委員会選手関係委員会で、百名以内は自費参加の場合は認めようじゃないかという話し合いができております。その百名以内というものは、陸上競技何名、水泳に何名という、そのまだ内訳が出ておりませんが、百名以内の自費参加については考慮しようという話し合いになっております。
  154. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それではその百名以内になるような場合でしたら、これは東独の参加ということについてあなた方のほうから外務省に正式に折衝して、そうして外務省はそれを許すということになりますか。
  155. 青木半治

    参考人青木半治君) その百名以内につきましては、割り当てられました競技団体が東独の選手を呼びたいということになりますと、選手委員会から実行委員会にその申し出が参りまして、その申し出によりまして外務省にお願いをするようになると思います。
  156. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ここにある東独のNOCに対して見合わせるようにという回答をしたというようなことが出ておりますが、これは事実ですか。
  157. 青木半治

    参考人青木半治君) そのような回答をしたことはございません。
  158. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それでは与謝野さんは、参加の余地があると、記者会見でそういうことを言ったというふうに、ここに出ておるのですが、そういうことはあなたは言わないのですか、言ったんですか。
  159. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 私はまだ何にもきまっていないので、絶対に参加できないということもきまっておらないという意味で、まだ余地が残っておるのだと、こう申したのであります。
  160. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 オットマイヤー氏のほうからああいうふうな意見がローザンヌで発表されているが、それについて正式にあなた方は何か通報を受けましたか。
  161. 青木半治

    参考人青木半治君) オットマイヤー氏から正式ではございませんけれども、新聞紙上でオットマイヤー氏の意見が出ておりまして、それに対しまして、JOCといたしましては回答をいたしております。
  162. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 どういう回答をしておりますか。
  163. 青木半治

    参考人青木半治君) 五月十五日付をもちまして回答をいたしております。読み上げてよろしゅうございますか。
  164. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 はい。
  165. 青木半治

    参考人青木半治君) 五月六日付の当方新聞に、AP電として、プレ・オリンピック大会に東独チームの入国が拒否されたことは非常に遺憾なことであるという、あなたの談話が掲載をされているのを拝見いたしました。東独の問題につきましては、各競技団体から招待をいたすことに、各競技団体の意向にまかせておるといって、決して自分のほうとしては、東独を拒否したことはない、というような趣旨の手紙を竹田JOC委員長名をもちまして、五月十五日に提出をいたしております。
  166. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それでは入国管理局の次長にお伺いをしたいのですが、もしそれでは東独の選手招待という、自費参加でも一応招待ということになりましたら、あなた方のほうではこれは国交を回復しておりませんけれども、認める、こういうおつもりですか。
  167. 富田正典

    説明員(富田正典君) この問題につきましては、正式にそういうアプローチがありました段階において、外務省それから法務省その他関係機関と十分に協議いたしまして、決定いたしたいと思います。
  168. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それはあなた事務的なお答えなんであって、事務的なお答えのある前にやはり大体の方針というものがあろうと思います。もちろん普通の入国者の問題でございますと、これは国交を回復していない国は非常にむずかしいのですけれども、これはやはりオリンピックの問題と関連があるのです。そういたしますと、今申し上げましたように、なかなかむずかしい問題が起こってくると思う。この問題は新聞に出たりなんかしたためかなんか知りませんけれども、とにかく国際オリンピック委員会のオットマイヤー書記長のほうからもああいう意見が発表されるようなことですから、そこらのこともやはり考えなければならない問題だと私は思う。それからまた前例がないわけではないでしょう。たとえば世界スケート選手大会のときに北鮮の参加者の入国を認めたりなんかしている。もちろん今度の東京国際スポーツ大会の場合と若干その性質が違いますけれども、しかし、精神からいったら、やはり私どもは拒否すべき性質のものではないと思っております。そこらの点についてどう考えるか、もう一ぺんはっきりした答弁をお伺いしたい。
  169. 富田正典

    説明員(富田正典君) 一般的なことをまず最初に申し上げたいと思います。国交のない国からの入国問題につきましては、これは国交がないのでございますから、断わるというか、入国を拒否するというのが建前でございます。どういう場合にこれを認めていくかと申しますと、その者を入国せしめることが日本国の利益に合致するというような場合に限って、これを例外的にはずしていくという建前でございます。従来レスリングの世界選手大会でありますとか、本年二月に開催されました世界スケート選手大会、こういうものにつきましては、東独または北鮮の入国を認めた事例がございますが、これはやはり今度の一つオリンピック憲章に盛られております精神と申しますか、そういう規約のようなものをそれぞれの競技団体が持っておりまして、世界の国のアマチュアをみな参加させなければならない、この参加を拒否した場合には、その大会の成立そのものが取り消されるか、あるいは大会そのものの意義が失われてしまう、こういうような場合におきましては、日本国としてその大会開催する以上、その一部のものの入国を拒否したことによって、その大会が成立しなくなり、あるいは非常に国内、国際的な一般的なそういった世論というようなものを考慮いたしまして、日本国の利益に合致するものは入国を認めておるわけでございます。したがいまして、今度の東京国際大会の性格いかん、あるいはただいま岡田委員がおっしゃられましたようなオットマイヤー氏の考え方であるとか、いろいろなものを判断いたしまして、具体的に正式にアプローチがあった段階において、諸般の事情を考慮して検討するという以外には、今の段階では申し上げられないと思います。
  170. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 あなたにこれ以上のことをお聞きするのは無理ですが、とにかく直接オリンピックとですね、関係のない去年のアジアオリンピック大会にインドネシアがイスラエルとかそれから台湾の参加を断わった、このことがたいへん問題になりまして、そうして今非常にもめておるというようなことでしょうが、なるほど形の上からいけば、これは問題ないわけです。あなたの言われるようなことで通るわけですけれども、実際にはやはり世界に与える印象とか、あるいはそれから起こるいろいろな波紋とか、そういうことを考えますと、ああいうことをやったことはちっとも利益にならないですよ。だからあまりしゃくし定木なことをやったために、あとでもってたいへんな波紋が起こるということを考えるならば、そういうことを起こさないようにするということも、これは日本の利益になることだと私は思うのです。もし日本の利益ということを考えられるならば、まあこういう場合には全然前例がないわけでもないのだが、いろいろの問題があると思うのですけれども、私はやはり大乗的見地からこういうような問題については、外務省としてはもっと高い立場で考えてもらいたいと思うのです。どうも私は、五月七、八日ごろに出た新聞記事というものは、全然火のないところに煙が立ったという印象は受けておらんのです。何かあったということがこういうことになったのだと思うので、これはあなたのところまでは話はきていないかもしれませんけれども、外務省に何かがあったということだけは、もう明らかだと思う。そうして、そのためにこういう問題が起こったと思う。だから私はこれらの点については、外務省の方はおられぬから、外務省の態度というものについては、はっきり確めるわけにはいかぬので残念ですけれども、十分に考えてやっていただきたい、そういうふうに考えます。なお、これはJOCその他につきましても、この問題が国際的な誤解を生むことのないように、そうして、これが将来日本の立場にいろいろと不利な評判が立ったりなんかすることのないように、ひとつ大乗的見地をもって、そうして国民の間に起こっている疑惑を解くように、また外国にもある疑惑、そういうものがないように、積極的な措置をとってもらいたい、こういうふうに考えます。
  171. 河野謙三

    河野謙三君 文部省に資料を要求いたします。私はかねて当委員会で体育協会加盟団体の使用用具の登録の問題について意見を申し上げたことがございますが、その使用用具の登録制につきまして、改善されたところがあるかどうか、また改善されなくても現状はどうなっているか、これをあらゆる団体別に、登録制度の現状について、詳細な資料をひとつ御提出願いたいと思います。
  172. 前田充明

    政府委員前田充明君) この前一応概括的な資料は差し上げたわけでございますが、もう少し詳しくということでございますれば、もう少し詳しいものを差し上げることができると思います。なお、この問題につきましては、二月二十日に私のほうから体育協会に対して、こういうお話がございましたので、そういうような何と申しますか、円滑に行なわれていないことに対して今後円滑に行なわれるように、特に通達をいたしたわけでございます。したがって、体育協会におきましては、その後委員会を作るということで進んでおるそうでございます。ただ、それから今日まで相当な時日がたっているのに、まだ結論が最終的にいかないとすれば、たいへん遺憾に存じますが、ただ体協といたしましては、ちょうど年度年度初めに際しまして、いろいろの関係会議が連続しておりまして、おくれているようでございますが、詳しい資料として差し上げることはできます。
  173. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 きょうは電波監理局長にお残りを願いまして、テレスター、テレビの国際放送がどういうふうになっているのか、あるいはその他の点についての準備、そういうことをお聞きしたがったのですけれども、だいぶおそくなりましたので、この次にお伺いしたいと思いますので、その点についていろいろと資料等ございましたら、十分御用意願いたいと思います。
  174. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ただいまの岡田委員の件は、追って理事会において相談いたしまして、次回の委員会において御説明を願うことにいたします。それから、河野委員からの御要求の資料は、本委員会の要求として、委員長手元まで御提出を願いたいと思います。  それから、私からひとつ、これは説明の中になかったのですが、ガイドと通訳の問題のことで、観光局長なり、組織委員会のほうからなり、この準備模様をごく概略でよろしいのですが、ちょっと御説明いただきたいと思います。
  175. 与謝野秀

    参考人与謝野秀君) 組織委員会関係の通訳につきまして簡単に申し上げます。組織委員会関係の通訳と申しますのは、主として二十の競技団体競技を行ないます場合に、役員の補助としてつく通訳でございまして、これは非常に専門的用語を必要といたしますので、約二十の各大学にお願いしまして、ある大学がある種目を引き受けるということで、陸上競技はどこ、水泳はどこということで、来年の九月まで、夏休みその他に担当の教授が専門的の知識をまとめて教えて、通訳を養成する。これが約四百人養成することになっておりまして、その手配はできております。また選手村その他で要します通訳が約三百人、これも組織委員会としていろいろ養成に今から手を打っているわけでございます。この他一般の観客のガイドについては私どもの管轄外でございます。
  176. 梶本保邦

    政府委員梶本保邦君) 現在ガイドにつきましては、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、それから中国語、イタリー語、ポルトガル語、ロシア語、この八カ国語につきまして、通訳案内業法という法律に基づきまして国家試験を実施いたしておるわけでございます。現在までのガイド試験に合格されました方は二千百八十六人ございます。しかし、そのように合格された方は多いのでございますけれども、実際にガイドとして稼働しておられる方が少ないこと、ここにこの現実の問題としてのガイドの悩みがあるわけでございます。で、そういうふうな原因の一つと考えられますことは、ガイドという仕事が、シーズンとオフ・シーズンとの間に非常に差があって、勢い収入が固定していないというふうなことから、せっかく試験に合格しておりながらも他の職業につくというふうなこともございますし、また試験だけは国家試験として通っておりながら、まあいわば箔をつけて、自分はこれだけの試験を通っておりますということで、それを一つの何と申しますか、資格として、民間の商社等に勤務されるというふうな事例もあるわけでございます。実際問題として、私どもはこのシーズンとオフ・シーズンとの対策をガイドについて考えるということと、それからもう一つは、あっせん業者がコンスタントにガイドを雇用しておくというふうな面から、ガイドの収入を年間を通じて一定に固定さす方向に持っていくべきではなかろうかというふうな考え方をもって検討をいたしておるわけでございます。しかしながら、オリンピックのときには、なかなかそのような方法をとりましても、実際には需給状況が非常に逼迫するのではなかろうかと、かように考えるわけでございます。したがいまして、今私ども具体的にいろいろ検討をいたしておりますことは、英語なら英語のおできになる方は、アメリカなりイギリスの国旗をバッジにしたようなものを胸につけていただくというふうなことで、またフランス語のおできになる方はフランスの国旗を胸にバッジとしてつけていただく。その方々は、日常の業務を、お役所にお勤めの方はお役所に勤めるし、会社にお勤めの方は会社にお勤めいただくし、学校の先生は学校の先生としてお勤めしていただくというようなことで、日常の業務は日常変わりないようにお勤めいただいて、ただそのバッジを見た場合に外人はああこの人は英語が話せるのだな、フランス語が話せるのだなということで、たとえば東京駅はどちらですかとか、三越はどちらですというような簡単な質問をする。その場合に、こちらを左に曲って右に行けばいいとか、あるいは電車に乗って幾つ目の駅で降りたらいいというふうな簡単なことはできると……。
  177. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) 梶本さん、細かいことはよろしいですからね。その人の存在を把握することと、それから動員の体制がとれる自信があるかどうかということだけ伺えばいいです。
  178. 梶本保邦

    政府委員梶本保邦君) この動員はもうできるだけとりたいと思っておりますけれども、実は非常に困難じゃないかと思っております。現実に試験を通った人はガイドに必ず就業しなければならぬという義務性がないものでございますから、動員を義務づけるわけにいかないというところで、まだ協力をお願いするという方法しかないような……。
  179. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) もちろん強要はできないけれども、これは観光局長の責任ですよ。そのつもりでひとつ大いに頑張っていただかないと。  まあこれだけ申し上げて……。
  180. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ちょっと今の問題で。なるほどちゃんと国家試験を通ったガイド、これをまあふやしていく、これをオリンピックの際に動員するということも必要ですけれども、そういう試験を受けないまでも相当できて、これから一生懸命手伝いましょうというような人がおるわけですから、そういう人たちがやっぱりある程度登録して、そうして把握し、使うようにしなきゃならぬのですよ。ただバッジだけつけさして、そこらをうろうろ歩いていると、そんな心細いことじゃ、来た連中も困るので、そこらひとつもう少しあなたのほうで、正式の国家試験受けたガイドと、あとのバッジをつけて歩く連中との間に、半分はもう少し専門的にやれる人という層を少しつかんでおいたらどうですか。
  181. 梶本保邦

    政府委員梶本保邦君) 今ガイドというものは免許制になっておるものでございますから……。
  182. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それはよくわかっているのですよ。
  183. 梶本保邦

    政府委員梶本保邦君) これも、ただいま検討を続けておる段階でございまして、岡田先生のおっしゃるのもよくわかりますので、その方向で進んでいきたいとは思って検討いたしておるわけでございます。
  184. 加賀山之雄

    委員長加賀山之雄君) ほかに御質疑のおありの方はございませんか。——別に御発言もございませんので、本件についての質疑は本日はこの程度にいたします。  この際、参考人各位にお礼を申し上げます。本日は御多用中のところ御出席いただいて、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。今後とも本委員会の審議に御協力をお願い申し上げる次第でございます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十七分散会