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参考人(
与謝野秀君) お答えいたします。今日までプレ・
オリンピック、つまり国際親善
スポーツ大会の
放送の問題については問題になったことがなかったのでございます。NHKが
外国の
選手を費用を出して呼ぶということに関連して、NHKが
放送するということになるということは、ばく然と考えた人はあったかと思うのでありますが、今日までこれは問題になったことはございません。
組織委員会としても、
開会式その他全般の
運営の
準備ということで、このプレ・
オリンピックというものに非常に関心もあり、
主催者の一人となっているのでありますが、この
放送の問題についてはまだ問題になっておらない。ところが、本番の
オリンピックの際の
放送、これは重要な問題でございまして、テレビの
放送権というものから来る収入は、
組織委員会の収入として
オリンピックの費用つまり予算に充当されるわけでありますが、またその一部はIOC、国際
オリンピック委員会に納めることに憲章上なっておりまして、国際
オリンピック委員会はその日本の納めた一部の金を各
競技団体へまた払い戻して
補助してくれる。これについて陸上連盟はその取り分が五〇%であるとか、ほかの協会はもう少し少ないとかいうような問題があるのであります。
放送権というものはそうなっております
ために、
組織委員会では、さきにNHKが
外国のこの
放送権の問題について窓口となって交渉するということを
決定をして、委託をして、目下NHKは
組織委員会の代理として世界の各国
放送会社とできるだけ有利な
放送権利料を取る
ための交渉を続けておるわけでございます。ところが、これに関連して、
国内でNHKと民放との問題というものはまだ解決をしておらないのでありまして、また
競技場の
施設等からいきまして、民放の各社が全部テレビの機械を備え付けるということもなかなか技術上もむずかしい。そこでNHKと民放が何とか
協力してやる方法はないか。
外国へ出るテレビは、やはりNHKがこちらで民放と
協力してとりましたものを、
外国の記者が、
外国のテレビのほうでこれとこれとというふうに注文を出して、それを何種類かあるものをつなぎ合わせて送るということが原則となって交渉されておる模様でございますが、
国内において民放とNHKがどういう
協力体制になるということはまだ
決定をしていないのでありまして、大いに
協力してやろうということは、民放の各代表者とNHKの代表者との間で話はまとまっておるのでありまして、私もこれにお立ち会いしたこともあるのであります。なお下のほうでいろいろ
協力方法に技術上の問題その他がございまして、まだ最終的
決定には至っておらないわけでございます。
そこで、私もちょっと驚いたのでありますが、毎日マラソン、朝日マラソン等についてNHKと各新聞社ないしその新聞社に委託された民放の会社との間にあつれきがあったというお話は、今
河野先生から伺ったのでありますが、それは私も存じておりましたが、これがつまり
オリンピックをめぐる前哨戦であるということには、私はそうは了解しておらなかったのでありまして、この点については、むしろ民放側とNHK側は円満に数次話を続けておられるのが現状だと、こう思っております。実は、
外国からだけラジオの聴取料を取るというわけにはいかないのでありまして、
国内でもやはり同様の権利を納めた、ということが憲章上必要になってくるのでありまして、この辺で民放がコマーシャルなしに、しかもその
放送権利を払うということについて大きな負担がある
ために、むしろNHKと一体となって、費用はNHKに持たすというような方法が出ているということの話を伺っているのでありますが、まだその辺いろいろ調整しなくちゃならない問題があろうかと思っております。
組織委員会が別段手をこまねいて対岸の火事視しているわけではないのでありますが、われわれのなかなか手の及ばないむずかしい問題がございまして、今のニュース映画の問題、
外国への送り出しの問題、記録映画の問題等もできるだけすみやかに円満な解決方法を、はずかしくない解決方法を見つけていきたい、こう考えております。