○
福田国務大臣 仰せのごとく、スーパーの問題は、これは
一つの重要な示唆を含んでおります。ただしかし、あなたはすでにもうおわかりになっておられると思うのでありますが、大体
政治の目標は、消費者を擁護するというのもこれは大きな目標でございまして、通産省は消費者擁護の行政もいたさなければなりません。また、中小企業を擁護するという行政もいたす官庁でございます。そこで、これをどういうふうに調和を保っていくかというところに実は問題点があろうかと思うのであります。また、解決のめどをつけなければいけないのじゃないかと
考えております。こういう
意味から言いまして、いわゆるスーパーマーケット、セルフサービスの食料品店あるいはスーパーストアという衣料品を中心にしたもの、今
お話しのは薬品ということでございますが、そういうふうなセルフサービス的な店ができる。そしてそういうところは割合に人手が要らなくて、しかも
品物は安く売るようになると、近所の消費者はまた案外喜んでいるかもしれないということを忘れてはいけないと思うのでございます。というて、今言った小売業者が非常に苦しんでおるということもこれは現実でございまして、そういうものをほっておいていいということにはもちろんなりません。そこで私たちとしては、今後やはり小売業をやったりあるいはまたそういうことをしておる
関係者が寄って、できるだけ協業化、いわゆるそういうものに対抗して共同仕入れとか、あるいは共同の建物をつくってそこで営業をするとか、何かそういうような共同の力によって仕事を進めるようにさして、それには
政府としても大いに
一つ金融なりその他の面で協力をしていく、こういうような
考え方で一応やっておるわけでございます。そして同時に、またスーパーマーケットが開かれて非常に大きな影響があるという場合においては、小売商業調整法というものもありまして、
お互いの間で小売商とそういうものとの間に紛争が起きるという場合には、その調整法を適用して行政的に何らかの
措置をとったり、あるいはまた地方の公共団体の長が中に入って調停したりするようなこともいたしておるのであります。が、それで十分だとは私たちは
考えておりません。先ほど来も申し上げましたように、実はスーパーマーケットという英語は
日本でつくった言葉だとも言われておるのでありまして、
日本的英語と言われておるくらいなんでございます。セルフサービスをやる販売店という
意味であろうかと思いますが、SSDDSとか略字で言ったりしておりまして、ディスカウンテッド・デパートメントとか言っておりますから、安く売るという
意味が多分に含まれますが、確かにこれは、将来どうしても人手不足ということもありまして、そういう方向が出てくるかと思います。そこで百五十万の小売業者をどういうふうにして擁護するかということについては、今言ったような制度というか、許可制というような問題も含めて
考えてみなければならないかと思うのであります。しかし、実際問題としては、最近そういう
動きが出てきておりますし、今言ったように、同じセルフサービスといっても、金まで支払っていくセルフサービスのやり方もあれば、出口でもって全部商品を押えて、それが
幾らになっておるからといって
支払いをするようなセルフサービスもあります。いろいろそういうことや何かを
考えてみますと、どの範囲をセルフサービス、いわゆるスーパーマーケットとして認めるべきかということについても、画然たる、いわゆる法律用語として使った場合にこれがめどであるというような
意味での定義がまだ出てきておらないというのも、これも実態でございます。従いまして、私たちはこういうこともよく
考えながら
措置をしていきたいと思いますが、海外からそういうような大企業が出てきてやるということになりますと、これは大問題でございますので、これについては、住友とセーフウェーとの間で話し合いをしてやっておったというので、この間調べに行きまして、三社五綿といわれるあなたのところの大阪の大きな商社を集めまして、何かそんな計画を持っておるかといって聞いてみたのですが、今のところどこもないようです。ただ、住友だけがそういう
契約をしておった。ただし、その住友も、非常に世論がうるさいものですから、その金を小売業者に
貸してやって、そしてスーパーマーケットをつくらせ、そのかわり、そのスーパーマーケットで売る
品物は
自分のところから買え、こういうようなやり方で、小売業者を
自分が直接出ていって圧迫しないように、少なくともそういう非難を受けないようにしようというようなやり方で
考えておるということも明らかになって参りました。もちろん、それではそういうことを全部一ヵ所もしないかというと、東京とか大阪くらいに一店くらいそういうようなものをつくりたいという
考えはあるようですが、少なくとも全国的に
——セーフウェーというのは、一兆円の売り上げがあるといわれるくらいの大販売店であります。そんな大規模なことは
考えていないようでありますが、御指摘の問題は、われわれとしても、実はそういう
意味で非常に大事だと思いまして、真剣に取り組んで参りたい、かように
考えております。