○永井
委員 北海道のビート工場の新設につきましては、私はこの
委員会だけではありません。私ばかりでなく、私の同僚がもう何年も前から、
政府のやっていることはでたらめだよ、利権でいろいろやっているのかもしれないけれども、少なくともビート増産の常識からは飛び離れたでたらめなやり方をしている、言ってみれば精神分裂症の
大臣のやる仕事だ、われわれはそういうように言い続けてきたわけです。そうして去年工場を新設するにあたりましても、今でも原料が不足なのに、二工場を新設したら全体がマイナスになってしまうということを、幾たび
注意したか知れない。そのときに、速記録で見たらわかるが、原料は心配ないということを河野
農林大臣は言っておるのですよ。原料については心配ない。自民党の田道議員が、原料はどうなんだと
質問したら、原料は心配ない——心配ない原料が、二工場つくった結果全体として全部が赤字でしょう。ないところに寄せ集めるから。そうして
一つの工場は七億から八億、こういうものが赤字。全体が赤字だ。そうして、もしも世界の国際的な水準である一工場二十四万トン
生産の
基準でこれをやりますならば、現在の
生産価格よりもキロ当たり二十円のコスト切り下げができる。
大臣、こんなことはばかでもわかるのですよ。あの国際水準の何からこれはちゃんと出ている。今の工場をもっと整理して二十四万トン
生産の工場にすれば、一キロについて二十円のコスト・ダウンができる。それをわざわざ工場だけふやして、ちょっぴりちょっぴりと、操業度が八〇%か、あるいは本別の工場なんかは五〇%以下でしょう。そういう操業度をもって、そうしてコストの高い物をつくって、その資料で、こういう状態だから保護がなければだめなんだ、
自由化ができない。どこにそういう不まじめな——まじめにやっていても、主観的なまじめと客観的なまじめの評価がありますよ。本人がどんなにまじめだって、やっていることがばかみたいなことなら、これはやっていないと言わざるを得ない。私はもう少しまじめにやらなければいかぬと思う。原料の増産というけれども、原料の増産はどうですか。
計画では、三十八年度は三十七年度に比べて実に四七%の増産
計画です。そんな飛躍的な増産がどうしてできますか。そういう架空な数字に基づいて工場だけふやしておる。その結末が現在の国産ビートの現状です。さらに
輸入の
関係はどうですか。粗糖の割当を
生産能力という架空な設備に対してこう割り当てたものだから、みんなが工場を拡張して、今
輸入砂糖の
関係では、工場操業度は五〇何%でしょう。六〇%までいかないでしょう。半分ぐらいが遊んでおる。こういう不経済なことをして、その上に世界相場の動きを知らぬ顔しながら、一年間に
輸入業者は、少なくもここ二、三年は百億以上、
価格差だけでぼろもうけしている。それを、何だかんだといって、二年分過ぎてしまってから、超過利潤の吸い上げだというような査定をしながら、お茶を濁している。いろいろな物資について、超過利潤があるからといって、法律をつくっておるでしょう、特定物資について。コンニャク玉までその対象にしておるでしょう。なぜこの天下衆知の砂糖に対して、成規の手続によってその利潤を吸い上げないか。また国産ビートについては、日甜一社に対して法律をつくって、年間三億何千万というものを吸い上げておるでしょう。それほど行き届いた何をするならば、なぜ
輸入糖のこの膨大な超過利潤に対して、法的措置を講じ、あるいは行政的措置によって、もっと国民が納得できるような措置をやらないか。私は、この
貿易自由化の問題、ビートの問題あるいは一切の澱粉だとかブドウ糖とか、こんなちょっぴりしたことに名をかりて、そうして膨大な関税と
消費税とで一千億近くの税金をあげておる。これは何のために使っていますか。こういうひどい砂糖行政というものは、将来砂糖の残酷物語として出てくるでしょうし、どこの新聞でも、どこの雑誌でも、利権でぷんぷんしている、これが表ざたになったら内閣なんかふっとんでしまうと、これほど言われておる。これだけ天下公知で、これだけ言われておるのに——もう少し常識を持った砂糖行政の統制、糖業
政策というものを確立することが必要である。それが今日、
消費者が高い税金を払わされていることに対する
責任ある態度だと思うのです。
生産者
農民が原料をふやすんだふやすんだと言いながら、どうですか、八年間据え置きされて、そして去年なんかスズメの涙ほどより
値上げをしない。それもあっちこっち持って回って、知らん顔の半兵衛、こういう無
責任なことで増産なんかできるもんじゃない。一括して
答弁を願いたい。
さらに肥料なんか、二十九年から法律をつくってやったでしょう。そうして肥料
関係の法律では硫安だけを対象にしている。硫安はどうかというと、
昭和二十九年に二百何十万トンの
生産だ。現在は硫安はずっと減っているのです。そうしてふえたのは何かというと高度化成でしょう。尿素でしょう。違ったものがぐっとふくれているのです。ところが今でも硫安だ硫安だと言って硫安に名を借りて、そうして膨大な金をこちらに注ぎ込もうとしている。仕事をやって、そうして法律の結果として出たものではなく、また
政府の行政の結果として出たものではなくて、
合理化を国際的な水準で追求しなかった。最初はコッパース
方式でやればそれがコスト・ダウンだ、その次は流体原料でなければだめだと言った。もうそんな時代じゃございません。世界は廃ガス利用の段階までいっている。それを廃ガスは利用させないで、そういう旧式な中で採算のとれるような方法にして、量産だけやって、国内
市場の
価格を守るために
外国へダンピングして、そのしりぬぐいを今赤字という名において国民に負担させようとしている。砂糖の問題、肥料の問題
一つにしたって、これは実にひど過ぎるやり方だと私は思う。この内容はよくわかっているのですから、私は
農林大臣から砂糖の問題、肥料の問題、一括して御
答弁を願いたい。それから肥料の問題については、あとで通産
大臣からも御
答弁願いたい。