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河野国務大臣 御
承知の
通り、私、
北陸三県、
新潟を数日間歩いて参りましたが、現地で見聞いたしましたところによりまして特に注意をいたしたいと思いますことは、今回の雪が、従来例年降っておったところに降ったのではなくて、特異の現象として
平坦地に多量の雪が降ったというところに、今回の
被害があるように思うのでございます。それで、昔から雪の
地帯には雪に
備える
備えをそれぞれの御家庭でも持っていらっしゃる。たとえば
道路にしても、雪の
地帯の家並みの込んだ
町形をしているところは、比較的
道路が広く、もしくは雪に対する
備えを持っておるのでございますが、特に例をあげますと、
新潟の場合、三条でございますとか、燕でございますとか、この
地方一帯のところは、従来は一メートルとか一メートル半とかいう
程度の雪が降っておりましたけれども、それが、今回は、その倍もしくは三倍もの雪が降ったのでございます。そのために、ここに非常に雪の
被害が出てきておるのでありまして、そこに重点を置いてわれわれとしては
対策を講じなければならぬということが一点。
次には、これは
北陸三県、
新潟においてもその例を見るのでございますが、従来
農村地帯に主として雪が降っておりましたが、今回は、
産業中小工業の近時にわかに発展いたしておりますところに雪が多量に降りまして、数日間
交通途絶をいたしましたために、原材料の不足を告げておる、製品の搬出に困難をしておる、
金融関係の取引に非常に支障を来たしておる、もしくは労務者の諸君が工場に行かれなくなっておるということのために、そこに相当の
被害が及んでおる、これをどうするかという点にあろうと思います。もっとも、
山間地におきましても例年よりも多少多い
積雪量を見ておりますから、この
方面に、今
新聞等に
報道しておりますように、
なだれ対策等も必要であることはもちろんでございますが、いずれにいたしましても、たとえば、
新潟に参ります場合に、
鉄道で参りまして、
新潟の
小出辺までは、あの
山岳地帯は列車はふだんのように比較的早く開通しております。それから高山線も開通しております。これらは、
山岳地帯においては平年とそう大して変わりのない雪であって、むしろそれを越えてから
平野部に入りまして雪が多いということでございますので、この
方面について
考えます場合に、地元の府県もしくは
市町村長さんの御指導によりまして、
食糧等については不安はございませんようでございます。その他日常の
雑貨等についても、多少の
値上がりはありますけれども、
値上がりはあまり見ないようでございます。従って、生活は一応安定いたしておるように見受けております。なお今後も注意するようには努力いたしておりますが、何と申しましても、ただいま申し上げましたように、非常に多い
降雪量で、二階の屋根に近い
程度になっておりますところが見受けられますので、細い道においてはすみやかにこの除雪をいたしませんと、
衛生方面において非常に今後問題が起こってくるのじゃなかろうかというような点、もしくは、商売が一切とまっておりますから、生活の不安感が加わってくるのじゃなかろうかという点等々、いろいろございますので、すみやかにこれらの除雪をする必要があるということを
考えまして、特別に自衛隊等の出動を願いまして、これらの雪を除去するように指導いたしております。何にいたしましても、第一は雪をのけて交通、運輸を確保すること、第二は町中の雪を除いて
衛生方面もしくは取引
方面に協力すること、これを当面の課題といたして努力いたしておりますことに加えて、今後雪解けにあたってなだれもしくは水かさが増しましての
被害等については、今後遅滞なく
対策を講じて参りたいと
考えております。
さらに農林
関係におきましては、この多量の雪のために、第一は畜産
関係において飼料もしくは畜産製品、たとえば牛乳の搬出に困難を来たしておるとか、豚の販売適期がきておるが売れないとかいうような問題についての施策を協力してやる必要があるだろう。鶏等についても相当の
被害があるようでございます。これらをどうするかという問題について、順次補助をしていかなければならぬだろう、協力しなければならぬだろう。さらに果樹園等の
被害が相当多いようでございます。これについても、雪解けを待って遅滞なく施策をする必要があるだろう。また苗しろ等がおくれるだろうという心配もしておるようでございますから、これらについても研究をいたしてこれを処理する。もしくは植林
方面について非常な
被害もあるようでございますから、雪解けを待って、この植えかえ等について
考えなければならぬだろうというようなことがございますけれども、いずれにいたしましても農林
関係につきましては、雪解けを待って遅滞なく各種の施策をするということが必要と
考えております。
その他いろいろ各般にわたっておりますが、地元との
連絡を緊密にして、そして遅滞なく施策をしてやりたいと
考えております。
ただ一点特に
考えられますことは、どの
程度のことが補助の対象になるのか、どの
程度まで国家として補助をするかということをすみやかにきめて、
一つ地方の府県もしくは
市町村長さんの行政に事欠かぬようにしてやることが必要であろうということで、せっかくこれも今農林省と自治省との間に御協議を願って、これが指導をすることにいたしております。
他は御
質問によって
お答えすることといたします。