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1963-05-28 第43回国会 衆議院 農林水産委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年五月二十八日(火曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 長谷川四郎君    理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君    理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 山中 貞則君 理事 足鹿  覺君    理事 片島  港君       安倍晋太郎君    大野 市郎君       亀岡 高夫君    仮谷 忠男君       川村善八郎君    草野一郎平君       倉成  正君    小枝 一雄君       坂田 英一君    田邉 國男君       谷垣 專一君    綱島 正興君       寺島隆太郎君    内藤  隆君       中山 榮一君    野原 正勝君       松浦 東介君    松本 一郎君       米山 恒治君    稻村 隆一君       角屋堅次郎君    栗林 三郎君       高田 富之君    中澤 茂一君       楢崎弥之助君    野口 忠夫君       芳賀  貢君    安井 吉典君       山田 長司君    湯山  勇君       玉置 一徳君  出席国務大臣         農 林 大 臣 重政 誠之君  出席政府委員         農林政務次官  津島 文治君         農林事務官         (大臣官房長) 桧垣徳太郎君         農林事務官         (農林経済局         長)      松岡  亮君     ————————————— 五月二十四日  委員楢崎弥之助辞任につき、その補欠として  永井勝次郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員永井勝次郎辞任につき、その補欠として  楢崎弥之助君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員楢崎弥之助君及び野口忠夫辞任につき、  その補欠として芳賀貢君及び高田富之君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員高田富之君及び芳賀貢辞任につき、その  補欠として野口忠夫君及び楢崎弥之助君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申入れに関する件  農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣  提出第一三七号)  農林水産業の振興に関する件(降雹及び突風等  による農作物等被害状況等)      ————◇—————
  2. 長谷川四郎

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。  目下商工委員会において審査中の内閣提出輸出硫安売掛金経理臨時措置法案につきまして、商工委員会連合審査会開会の申し出を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 長谷川四郎

    長谷川委員長 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を行ないます。山田長司君。
  5. 山田長司

    山田(長)委員 本日までに相当長時間にわたって農業共済についての質疑が行なわれたわけでありますが、さらにごく簡単に数点についてお尋ねしたいと思うのであります。同僚からの質問等があった問題もあるわけでありますから、その点簡潔に願っても差しつかえないと思うのであります。特に日本農業の場合におきましては、南北につながって細長い国であるというような関係から、気象条件等につきましてもかなり悪条件があるばかりでなしに、さらに零細でかつ多人数の経営している農業であるわけでありますから、これらの危険についての安定性には特にむずかしい点があると思うわけです。南方の赤道直下のようなところではあらしが非常に少ないそうでありますけれども日本の場合においては、これが災害発生にはほんとうにこの仕事に携わっている人たち自体災害補償制度重要性の意義を感じてやってもらわなきゃならぬと思うのです。こういう中でありますから、日本農家の人もほんとうならばこの補償制度については喜ばなければならないのでありますが、必ずしも農家人たちには喜ばれているとばかりは考えられないのであります。それは掛け金賦課金やあるいは加入者負担する共済団体人件費事務費等の問題について多くの金がかかるという点だと思うのであります。それでたまたま、これは私のくに事例を申し上げて恐縮なんでありますが、栃木県には三千六百万円の水増し事件というのが七、八年前にあったのであります。こういうことから非常に掛け金の成績が上がっておらない。それでたまたま相殺でやれる事例が非常に多いわけです。ここで私は特に知っておきたいと思いますることは、この損害評価について、これはいかなる適正な指導が行なわれてこの仕事に携わっておる人たち適格性が認められておるのか、こういう点であります。これはいままでの同僚からの質問にもあったのでありますけれども、どうも適格性の問題については、必ずしも政府側の御答弁があったように考えられませんので、一応最初にこの点を伺っておきます。
  6. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 まことにごもっともな御指摘でございます。いまだにしばしば水増しあるいは相殺等の好ましからざる事件が起きておるということにつきましては、遺憾にたえないことでございます。これは制度運営ももちろんございまするし、制度そのものもすみやかに改善を要する点が多々あると思うのでございます。いま御指摘になりました損害評価につきましては、農林省といたしましても苦心をいたしましてその改善につとめておるわけでございます。事柄が非常にむずかしいために的確を期しがたいという点がありますことは御指摘のとおりでございます。資格といいますか、損害評価会委員及び損害評価員のほうの資格につきましては、農林省としましては、精農家あるいは農業改良指導員とかそういった人たちに委嘱するように指導しておるわけでございます。また評価員につきましては、部落の最も指導的な立場にあるような人を選んでやるように指導しておるわけでございますが、それらの点につきましては、もっと指導を強くしてまいりたいと考えます。
  7. 山田長司

    山田(長)委員 ただいまの御答弁最後のほうはどうもよく理解できなかったのですが、精農家とかあるいは技術員であるとか当局指導していると言われますが、これらの人たち評価したことによって農民にとりましてはいわゆる収入に大きな変化が起こってくることになるのでありまして、これらについてもう少し適格性がほしいわけであります。いまの御答弁によりますと、精農家当局指導と言いますが、その指導内容等につきまして、今日まで何か資料等があったものかないものか。ただ精農家だけの評価会委員というのではどうも理解ができないのであります。
  8. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 ごもっともでございます。農林省としましても、評価方法について熟練をしてもらうという必要がありますし、また、たとえば検見を行なうにつきましては、人によって非常に誤差があるわけでございます、見方に非常な違いが出るというのが普通でございますが、これらがだんだん小さくなって、少なくなりますように、しばしば団体等を通じまして講習、研修等を実施いたしております。その場合には検見誤差を少なくする、あるいは坪刈り方法を統一する、また的確にするというような指導について常に注意してまいっておるわけでございます。
  9. 山田長司

    山田(長)委員 ただいま御説明のような事態であれば、これは古いことになりますけれども栃木県の共済連の不正事件のようなものは起こらなかったと私は思うのです。それが今日に及んでもなおかつ農業災害保険については農民不信感を持っておるというのは、これはその評価の点においてどうも無理があるのじゃないかということから、こういう事態が起こっておると思うのです。栃木県の事件をいまここで伺ってたいへん恐縮ですが、その後多久島事件などというものが起こったわけですけれども、これらはやはり評価の問題についても正確な結論が出ないというところに次々とああいう不正事件が起こったことになると思うのであります。その点についていまここで再び問いただすわけではないんですけれども、これらの事件の根源をなしたものはやはり評価の問題について理解ができないところが末端にあったことが中央にまで及んできているということかと思うのでありまして、これらのことが明らかになっておらないと、これからもこの制度についての不信感が残ると思うのです。こういう点について残らざるようにもう一ぺん御答弁願いたいと思うのです。
  10. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 いろいろな好ましからざる経理とかあるいは事件が起きておりますのは、損害評価が適正でない、また公平を欠くということに基因しているという点につきましては、これは何といっても組合として運営されております以上、組合納得されなければ仕事運営がうまくいかないために、そういう苦しまぎれな処理をするということでありまして、私どももその点大いに戒心を要する点であろうと思います。損害評価ということは、非常に技術的にむずかしいことでありますが、これにつきましては、今後さらに万全の改善指導を加えていくように努力いたしたいと思います。
  11. 山田長司

    山田(長)委員 農業近代化に伴って大きく農業が変わりつつある現段階におきまして、災害補償綱度廃止したらどうかというような声も実は耳にするわけです。そして新しい国家財政負担によって災害補償制度または補助の措置を設けたらどうか、災害発生によって生じた損害を補てんしあるいは災害金融制度というふうなものも設けたらどうか、現行の農業災害補償制度をさらに存続するならば、根本的な改正をして、作物保険制度内容を充実したらどうか、こういうような声も耳にするわけでありますが、これらは何といいましてもいまの補償制度というものは上から押しつけられた印象農民の間にはどうも残っておるように思うわけです。そこで換言すれば農業者自主性に基づいて、そうしてその責任農民自身にある形が生まれてこなきゃならぬと思うわけです。それにはやはり管理運営が簡単で、農民にもできるような機構に持っていくようにしなければ、この保険制度に対する農民自身の愛情というものがわいてこないような気がするわけです。これらについて、今度の場合は無理かもしれぬけれども管理運営について何かもっと簡潔な方法当局はお考えになったことがあるかどうか。
  12. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 御指摘の点は、私どもも実は全く同感でございまして、制度がどうも難解に過ぎる。そのために農家理解を得がたい。もちろん運営の問題やその他もございますが、むずかしいために運営も困難であるということもございまして、これはできるだけわかりやすい、しかも簡潔な制度にする方向考えなければならないと思うのでございますが、一面におきまして共済保険補償と組み合わせた制度で、しかもそこには損害評価とかあるいは料率の決定とか非常に緻密にやらなければならない面が多くございますので、簡素化を進めることも必要でございますが、なかなかその簡素化にもある程度の限界があるようにも思うのでございます。今回は末端責任を拡充するということで、できるだけ自主的な運営にまかせ、また、地方の実情に合うように個別化方向を相当に進めていって、そういった面における不満をできるだけ緩和したい、こういう趣旨で考えておるわけでございますが、しかし御指摘の点につきましては、今後大いに研究を要する問題である、かように考えます。
  13. 山田長司

    山田(長)委員 農業近代化に伴って、将来の農業生産はおそらく相当高度化した専門的な多種多様にわたる農業経営になるんじゃないかと思うのです。したがってまた、それによって、発生する災害につきましても、多種多様なものが起こるだろうと思うのです。現在の制度でいいますと、大体単一化した形の処理のしかたであるから、私はかなり困難が起こると思います。そこでやはり災害制度の将来の問題については、相当あらゆるものに関連性を持たした総合的な調整の配慮が行なわれる筋合いのものだと思います。これらについて、やはり高度化を目の前にしておるだけに、対策考えられてしかるべきだと思います。これらについてどういうようなお考えがあるか、伺います。
  14. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 農業経営専門化すればするほど、保険に対する需要というものが高まるということは考えられるわけでございます。したがいまして、専門化の進むにしたがって、保険そのもの内容的にも、また幅の上からも整備拡充を要していくということも必要になってまいると思います。たとえば畜産の面におきましては多頭飼養、あるいは果樹のほうにおいてはいろいろな形態における災害に応ずるというような方向で、保険制度を拡充するということを大いに今後検討すべきではないかと考えておるわけでございますが、その際、今回も農作物につきましては、加入制度あるいは事業廃止というような面で、従来に比べてかなり弾力性を持たせるように配慮したわけでございますが、そういった配慮が、やはり蚕繭、家畜あるいは将来新設になる場合の果樹等につきまして  も十分加えられていく必要がある、か  ように考えます。
  15. 山田長司

    山田(長)委員 御承知のように、細い日本国土の面積の中に、災害の頻襲地帯があり、災害の比較的低い地帯があります。これは私のくにのことばかり申し上げてたいへん恐縮ですが、利根川をはさんだ南北両地域というものは、毎年気流の関係で大なり小なりの災害があります。それからこの地帯は飛行機などもエアポケットの地帯に属しておって、かなり危険地帯といわれているようであります。これらの地帯と、それから比較的頻度の低い地帯とが日本国土のうちにもあるわけです。しかしその制度というものは、政策上大体同じような取り扱いになっておる。私は、この法の改正にあたって、やはり十分検討さるべき点はこういうところにあるのではないかと思うのです。この法の改正にあたっての頻度の高いところ、低いところについての配慮が、どんなふうに今回なされたものであるか、一応伺っておきます。
  16. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 日本のように細長い国土でございますし、いろいろ気象条件が違ってまいりまして、常襲的にあるいはひんぱんに災害が起きるところ、それからひんぱんに起きるけれども比較的災害の程度が浅いというところ、あるいは災害はめったに起きないといういわゆる低被害地帯、それからめったに起きないが、起きるときは非常に大きな災害が起こるところというように、いろいろな発生態様があるわけであります。それに適合するように制度が仕組まれることが、これは最も理想的であるわけでございます。ただ制度というものは、どうも画一的に流れやすいわけでございまして、従来もその弊が見られて、特に低被害地帯における不満というものが著しかったわけでございますが、今回は組合ごと料率をきめるとか、あるいは一部の事業廃止強制加入の緩和というような面におきまして、できるだけそういった地域的な画一性を緩和するということをくふうしておるわけでございます。
  17. 山田長司

    山田(長)委員 農業近代化の方途は明らかに日本農業を一つの産業方向に育成しつつあると思うのです。しかし、その場合に他の近代的な産業がそうであるように、農業の場合そう簡単に産業化ができるものでないことは明らかだと思うのです。それには何といいましても経済的な措置、すなわち保険制度というものが農業の上に大きく取り上げられないことには産業化というものはなかなか困難だと思うのであります。この農業災害保険制度は所得の面からも生産の面から配慮されても、やはり内部の将来性、危険性の問題の度合いが少なくならない限りにおいてはなかなか産業化していくということは困難だろうと思われるわけであります。そこで、高被害農家に対する政府対策というものは、何といいましても強く手が差し伸べられなければ構造改善という形のものは生まれてこないと思うわけであります。日本産業育成のために、産業化のためにはやはり将来の農業の成長に役立つように保険制度というものが応用されなければならぬと思うのであります。産業化のために、やはり保険制度というものが強く及んでいくためには、より一そう強い方向に向けて保険制度の採用される方向へ向かわなければならぬと思うのでありますが、産業化という問題についての保険制度化はどうお考えですか。
  18. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 農業が他の産業と同じようないわば衣食住に密着した伝統的な農家というものから、農業という産業へ発展しつつあるということは御指摘のとおりかと思うのであります。そういう形になりますと、保険に対する需要が漸次高まってまいるわけでございますが、そういった傾向と保険とどうかみ合わせていくかということについてはいろんな面があるかと思うのであります。たとえば常襲的な災害地帯、ひんぱんに災害が起きる地帯という場合、さっき例としてあげられました栃木児ひょう害のようなものは、これは保険ひょう害とともに発達したといわれるくらいですから、ひょう害というようなものを保険対象として、的確にこれの対策としてやっていくという考え方も必要でございますけれども、一面用水不足といいますか、干ばつ常襲地帯というようなものは、保険の面からもある程度対策が必要でございますが、むしろ用水不足を解消する対策、つまりため池をつくるとか用水施設をするとか、そういった別な面からの対策もあわせて実施して、産業としての形を整えつつ保険を適用していく、こういう配慮が必要になるのではないか、また開拓地等におきましても開拓地が正常な一般経営と同じ水準に上がるように、開拓地としての対策を実施しながら保険対象としていく、こういう施策が必要になる、また現に行なわれておるわけでございますが、そういう配慮が必要ではないかと考える次第でございます。
  19. 山田長司

    山田(長)委員 最後に別な問題で、一応関連があることを伺っておきたいと思います。それは葉たばこ耕作過程におきまして、葉たばこ災害の場合には過去三カ年の実績が参考に入れられて、災害対策に対する救済措置が講ぜられておるわけであります。農家人たちはこの災害に対する対策というものをたいへん喜んでおるようでありますが、米麦蚕繭の場合におきましては、災害に対してどうして葉たばこ関係のような災害補償という形がとられないのか、一応これらのことについて当局研究されておるとも思われますので、伺っておきたいと思います。
  20. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 葉たばこの場合は専売公社との特約といいますか、あるいは計画栽培という形で、しかも納める先は専売公社以外になくて、的確に作付数量販売量というものは公社において把握されるわけでございます。その辺は明確な契約が生殖が開始するときからすでにありますので、これを正確に把握しまして、現在専売公社が実施しておりますのは見舞い金に相当する補償でございますが、そういうことができるかと思うのでございます。ところが水稲とか蚕繭というようなものは、そういった関係がございませんので、どうしてもその辺が計画性を持ってやれない、しかも専売公社という特定の法人が小ぢんまりやるというようなこととも違いますので、専売公社のような見舞い金という形の補償ということは実際上なかなか適用がむずかしいのではないか、かように考えます。
  21. 山田長司

    山田(長)委員 葉たばこの場合は専売公社関連があり、米の場合は主食であって、これはやはり日本国民にとっては欠くことのできないものであるがゆえに、私は別に処理しなくても何かできるような印象を持つわけです。こういう点の研究は今日までされたことがあるのかどうか、されたことがなくて、ただ、いまの御答弁のような印象ではどうも承服できないのですけれども、その点いかがですか。
  22. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 国が補償する形に変えろという意見がかなりありましたので、農林省といたしましても研究はいたしたわけでございます。国家補償というやり方の是非につきましては協議会等でも御検討をいただいたわけでございますが、それは財政支出の面で、毎年きまって支出するということは一般財政の中でむしろ不安定になるおそれがあるということ、それから米の場合は国家管理しておりますから、専売公社のようにいくわけじゃないかという御意見もありまするけれども専売公社の場合は米の管理よりはるかに統制が強いわけでございまして、ああいうような強い、生産から工場における商品に至るまで一貫した計画的な統制をやるということは、現段階において考えられませんので、その辺に困難があるということをわれわれとしては考えておるわけでございます。
  23. 山田長司

    山田(長)委員 終わります。
  24. 長谷川四郎

  25. 栗林三郎

    栗林委員 二十一日の質問に引き続いて質問をいたしたいと思いますが、再度質問の機会を御配慮いただきました委員長並びに理事の諸君に対して厚くお礼申し上げます。  きょうはあとで総括質問の際に大臣出席があろうかと思いますので、私としては大臣出席を無理に要求するものではありませんが、せめて政務次官出席はお願いいたしたいと思いますが、このような御配慮はできませんでしょうか。
  26. 長谷川四郎

    長谷川委員長 いま参議院の本会議が終わりますと、すぐ参りますから。
  27. 栗林三郎

    栗林委員 きょうは負担の問題及び機構簡素化につきまして質問を続行したいと思いますが、その前に、解散の問題につきまして、若干再度お尋ねをしてみたいと思います。  四十六条に解散の事由が規定されてあるわけでありますが、この四十六条に基づいて組合解散議決を行なった場合の手続としましては、二十六条を準用する、こういう規定になっております。ところが、この四十六条に基ついて組合解散議決をしまして、その認可申請都道府県知事にした場合に、その申請を握りつぶしにしておる府県があるやに伺っておりますが、そういう事実は当局としては御承知になっておらないでしょうか。
  28. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 解散認可申請を握りつぶしているということではなくて、その間に関係団体と話し合いを進めて、できるだけ説得して事を処理したいということで従来県当局がやっておるわけでございます。その結果、説得に応じて解散を取りやめた組合も相当ございます。そういう努力をしているということでございます。
  29. 栗林三郎

    栗林委員 もちろん解散議決によってその認可申請をされた場合に、行政庁は、それに対して慎重な配慮を加えることは当然であります。また関系者とよく懇談することもこれまた当然の措置だと思います。しかし、懇談納得をせしめるということに籍口して二十六条の準用規定をおろそかにして握りつぶしにした例があるのでございます。こういうことは、私は、二十六条の準用規定を忠実に守らなければならない立場にある行政庁としては、この準用規定を無視した行為であると思います。ただ、その懇談する、納得をせしめるためのそういう措置は当然のことでありますが、しかしそのために握りつぶしにしてしまうということはどうかと思うのです。この点についてもう一ぺんお伺いいたしたいと思います。
  30. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 御指摘のように、何らの処理をせずに申請を受理しましてから二カ月以上経過いたしますと、自然発効するわけでございます。ニカ月以内に何らかの処理をしなければならない。また一度処理した後においてほうっておいても、これはまたそういうことになるわけでございますから、行政庁としましては、この制度が、国から相当多額の支出をし、またこれがなくなった場合に、災害が起きたときに非常に困った事態が起こるという気づかいから、いろいろと実情を調査し、また組合員に対して制度の本質とか目的等をよく納得してもらって、それでも解散を欲するかというようなことについて十分話し合ってもらう必要があると思うのです。そういう努力が繰り返されてきたということを申し上げる次第でございます。
  31. 栗林三郎

    栗林委員 四十六条には準用規定の定めがありますが、二十六条は設立申請に関する手続であります。しかしこれの期間が二カ月ありますので、かりに四十六条に基づいて解散議決をした場合に、二カ月の期間的猶予があれば、認可をするにしても不認可するにしても十分といえばいえるかもしれませんが、しかし設立申請の問題と解散議決の問題は、これは違うと思います。解散議決は非常に重大な議決でありますから、私は、単に二十六条を準用するということではいけないではないか、特に懇談納得をさせるという理由のもとに、それに籍口して握りつぶしになる、そういう場合もありますので、この際四十六条の準用規定を削除して、あらためて四十六条の項に解散議決をした場合の認可、不認可に関する手続の項を起こす必要はないかと思うのですが、これに対する御見解をお伺いいたしたいと存じます。
  32. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 四十六条のほうで二十六条にかわる規定を設けてはどうかという御意見でございまするが、二十六条のほうは、確かに解散ということは重要なことでございますけれども行政庁申請を受理してから何らの処理をしないでじんぜん日をむなしゅうするというようなことを防止する規定でございます。これは解散議決についても適用はあってしかるべきではないか、かように考えるのでございます。むしろ御趣旨の点につきましては、認可権の運用につきまして、従来の考え方でできるだけまあどちらかといえばほとんど禁止的な運用をすることがどうかという点ではないかと思うのでありますが、それにつきましてはやはり従来の行き方は時勢の推移に応じまして再検討をすべきではないか、むしろ運用方針の問題ではないか、そういうように考える次第でございます。
  33. 栗林三郎

    栗林委員 政務次官の御出席もありますので、二十一日に質問をしまして一応局長から御答弁をいただいておりますが、ただいま解散の問題につきまして質疑をしておりますので、この際これに関連して特に政務次官の御見解をお聞かせ願いたい思います。  それは加入方式の問題でありますが、今回の改正によりまして一部任意制を認めるという改正がなされておるわけであります。しかし一部任意制を認めるというその一部は、いわゆるその耕作面積がきわめて小規模なるもの、これは政令が定める範囲内で都道府県知事がその基準を定める、こういうことになっておりますが、これは一反歩から三反歩以内ということになっておるわけであります。したがってそのように耕作面積のきわめて小さいもの、小規模なものに対する任意制を認めるということにはなっておりますが、しかしせっかくこの強制一点ばりの現行法律を若干でも民主的な農民の自由意思を尊重するということをお考えになっての措置であるとするならば、その小規模ということだけを任意の対象として取り上げたことは私はきわめて不満であります。これは先日も申し上げましたように、参議院におきましても、特に一定年次に災害がない地帯あるいは災害がありましてもきわめてその災害の小さい地帯、いわゆる無災害地帯、低被害地帯、こういう地帯における農民に対しては任意制の道を開くべきである、昭和二十九年にこのように議決をしておるわけであります。それでありますから、この任意の範囲を、さらに被害のない地帯、きわめて災害が低い地帯、そういう条件をこの中に含める必要があろうと思うのであります。しかもこのことは、今回突然主張されておるのではなくて、また単に農民だけの主張でもないのであります。重ねて申し上げますが、二十九年の参議院におきましてもこのことが決議をされておるのであります。それでありますから、今回この任意の範囲を拡大をする、任意の道を切り開く、そういう配慮でこのような措置をとられたとするならば、もう一歩進めて、無災害地帯、低被害地帯農民に対しても任意の道を開くべきではないか、かように考えるわけでありますが、これに対する次官の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
  34. 津島文治

    ○津島政府委員 今回の改正によりまして初めて小さい面積を持っておるものに対しましては任意加入という道を開いたのであります。ある点から見ますと非常に進んだ考え方でございます。これから論を起こしてまいりますと、ただいま先生がお述べになりました被害の少ないところなどにつきましても任意加入の道を開くということは、御議論としますれば当然そういうことになると思うのであります。しかしながら、この災害というものが必ずしも絶対に起こらないというものでもないのでございます。ほんとう災害が起こらないと思っておったところへまたやってまいったりする例が非常にあるのであります。そういうことを考え、また一面被害のないところをこれからはずすということになりますと掛け金も勢い高くなってまいります。そういう点もございますので、いま直ちにお話に従いましてそうであるという段階には私は到達し得ないのではないか、かように考えるのであります。しかしながら御議論の点は、まことに傾聴に値する御議論でございます、十分今後もまた検討をしなければならない問題として残ることと思うのであります。
  35. 栗林三郎

    栗林委員 この際私の考えを明らかにしておきたいと思いますが、先日来私は解散の問題についてくどくどしく質問をしておるわけであります。しかし私は解散を奨励するために質問をしておるのでは断じてないのであります。問題は、この制度は昭和二十二年に改組成立しまして、今日まで一貫して強制であります。強制されて成立しているものであります。すでに十数年を経過した今日でありますから、私はやはり民主主義の精神をもう少し生かす必要がある、農民の自由意思を尊重する、そういう内容に前進的な改組をする必要がある、こういう考えに基づいてお尋ねをしておるわけなのでございます。強制をしなければこの農業災害保険制度は成立をしない、成立をしないから強制をする、こういうことではあまりにも策がなさ過ぎると私は考えるものであります。したがいまして、一方には農民の自由意思を尊重するという道を開くと同時に、かりにそういう特殊な地域の任意制の道が開けましても、農民が喜んで加入のできるような内容に深めていかなければならない、私はかように思うわけであります。したがいまして、これから若干の質問をいたしますが、もう少し農民の要望が受け入れられるような、そういう内容に改まりますと、かりに任意の道が開けましても、ある特殊な地域は別といたしましても、一般的には喜んでこの制度に加入をし、かつこの制度の運用に農民は積極的に協力するものと確信するものでございます。ただそのような内容を改めないで、成立をしないからということで、あくまでも当然加入、強制加入の方式で農民を権力によって押えておくというそのやり方は、これは改めなければならない、こういう考えで御質問を申し上げておるのでありますから、決して私はこの制度の否認論者でもありませんし、解散を奨励するために質問をしておるものではないということをこの際明らかにしておきたいと存ずる次第であります。  それでは負担の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思いますが、負担の問題としては、掛け金負担と、事務人件費のいわゆる賦課金の問題と、二つあると思います。掛け金の問題につきましては過日も若干触れましたので、きょうはこの事務人件費の問題につきましてお尋ねをしてみたいと思う次第であります。  農民組合の事務人件費をまかなうために多額の賦課金を徴収されておるのであります。いただきました資料によりますと、全国平均、一月当たりの賦課金は、三十六年度におきまして八百二十六円という数字が出されておるわけであります。全国平均、これは反当ではありません、一月当たりの平均が八百二十六円、これは大部分が事務人件費に振り当てられておる賦課金であります。ところが掛け金のほうを見ますと、農民負担になっておる掛け金は、平均をしますと二戸当たり八百十五円となっておるのであります。そうしますと、全国平均で申し上げますと、掛け金よりも賦課金が高いという数字が出ておるわけであります。これは各県によって状況が違うかと思いますが、私の郷里の秋田におきましては、賦課金は、これは反当で百十五円になっております。そうして農民負担掛け金も同額の百十五円となっておるわけであります。それでありますから、これを町村単位に見ますと、かなり掛け金よりも賦課金のほうが高いものがたくさんあるのであります。私はこれを資料をお願いして、資料によってこの数を明らかにしたいと思いましたが、これは後日に譲りますが、とにかく町村単位で見ますと、掛け金よりも賦課金のほうが高い、そういう組合がたくさんあるのであります。したがって、農民から見ますれば、事務所や職員のために賦課金を徴収されるような、何となく割り切れない実感がうっせきしておるのは事実でございましょう。そうして掛け金と相まって、農民負担を過重ならしめておるのであります。抜本改正を真剣に考慮されるならば、この際この事務人件費の全額国庫負担を実現すべきではないかと思うのでありますが、この事務人件費の全額国庫負担に対する局長、でき得れば次官のお考えもお聞かせを願いたいと思う次第であります。
  36. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 ただいま資料に基づきましての御意見でございますので、資料に基づいて具体的にお答えを申し上げたいと思います。  農家負担が、掛け金よりも賦課金のほうが多いという事例は、県の単位で見ますると、秋田、山形、新潟、島根の四県でございます。これは御承知のとおりの低被害地でございます。そういうことで、賦課金のほうがどちらかというと高くなりがちなわけでございますが、一面賦課金につきましては、これが増高することについてはいろいろ問題もございまするので、事務人件費に対する国の補助は、最近相当増加さしておるのでございます。それを具体的に数字で申し上げますと、いまあげられた資料でも実数が出ておりますが、三十三年、四年、五年ごろに比べますと、六年、七年は実数においても全国平均で下がっておりますが、これをさらに別な角度で見ますると、事務費の総額、これは組合と連合会を合わせましたもので見ますると、三十年を一〇〇としまして三十七年が一五〇、つまり事務費が五割増加しておるのでございます。それに対しまして国庫負担は、三十年を一〇〇といたしまして一七〇、七割増加いたしております。その結果としまして、農家負担金は、三十年を一〇〇としまして一〇三・六、三・六%の増加にとどまっておるわけでございます。これは三十六年度、三十七年度におきまして大幅に国庫負担を増加いたしておりまして、三十八年度においてさらに大幅に国庫負担を増額いたしておりますので、三十八年度の状態は一そう改善されると私ども考えておるわけでございますが、しかし何ぶんにもそういった低被害地帯において特に問題でもございますので、今後一そう改善のために努力いたしたいと考える次第でございます。
  37. 栗林三郎

    栗林委員 次官の御答弁はあとでもお願いしなければならない点がありますので、その際まとめて御答弁をお願いできれば幸いであります。  ただいま局長の御答弁によりますと、昭和三十年を一応起点としますと、この事務人件費の国庫負担の増加の割合は一七〇になっておる、農家負担は一〇三・六でありますから、三・六しかふえておらない、こういう御説明であります。このことは、この資料によって私も承知しております。具体的に申し上げますと、三十六年度におきましては国庫の負担が三十七億六千万円、農民負担が四十億六百万となっております。三十七年度になりますと国庫負担は約六億の増加になっております。四十三億六千万。農民負担は前年と大体同様であります。三十八年は、これは確定したかどうかわかりませんが、要求しておる予算は四十八億ですか、四十九億とふくれておるわけであります。したがいまして事務人件費に対する農民負担が過重であるという農民の不平、不満にこたえて、人件費の増加に対してはできるだけ農民負担を増加せしめないで、国庫負担の面でこれをカバーしておるというこの努力は、この数字によっても明らかでありまして、その努力に対しては私はこれを認めるものであります。しかし、結局現在農民負担をしておる賦課金というものは四十億ちょっとこえた程度であります。そうして全国平均にしますと、掛け金賦課金とほとんど同額あるいは賦課金のほうが大きい、こういうような割り切れないものがあるわけであります。あとでさらに質問をしたいと思いますが、したがってこの農民負担をしておる賦課金の四十億、これをこの際全額国庫が負担するという思い切った措置ができないものかどうか。四十億という金額は大きな金だと言うかもしれませんが、しかし、これはジェット機わずか十機分でしょう。ジェット機十機をしんぼうすれば四十億、五十億の財源は決して無理ではないと私は思う。でありますから、この際農民負担をしておるこの事務人件費、この賦課金というものを全額国庫負担という、そういう勇断の措置をぜひ要望したいのでございますが、重ねてひとつ、これは局長よりも次官の御答弁をお願いしたほうがよいと思いますので、次官のほうからひとつ。局長でもけっこうですが。
  38. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 失礼でありますけれども、ちょっと具体的な例でございますので、先に申し上げさせていただきます。  御趣旨については従来も十分検討され、今後も検討さるべき問題であると思うのでございます。一つの具体的な問題といたしまして、連合会におきましても組合におきましても、任意共済事業というのをやっておるわけでございます。これの収入が相当ございます。それから任意共済事業に限らず、いろいろな積み立て金あるいは収入となった掛け金の運用による利益もかなりあるわけでございます。そういうものにつきましても、やはりこれは事務人件費に充ててしかるべきものでございますので、それが一つでございます。  それから現在の制度は、国と農家とが一緒になって掛け金をかけて保険制度として運営しておるということもございまするので、全額国の負担ということにつきましては、どうもちょっと割り切れない点が私どもとしてはあるのでございます。
  39. 津島文治

    ○津島政府委員 農民の生活の今日の実態から見まして、こういうような負担になるものはなるべく国においてカバーしていくということは、私は一つの方向であろうと思うのであります。しかしながらただいまのお話の、これを全額国庫で見ろというようなことは、理屈の上からいいましても少しく飛躍し過ぎているのではないかというふうに考えられるのであります。とにかく軽減の方向に向かっては今後努力していかなければならない、かように考える次第であります。
  40. 栗林三郎

    栗林委員 いまの次官の御答弁でありますと、全額国庫負担は理屈が合わないということでございますが、私は理屈に合うという考えであります。そもそも現行農業災害補償制度は、純然たる保険制度として成立するということはきわめてむずかしいということは、当局もお認めのことだと思います。私どもも純然たる保険方式でこの制度を完備するということは不可能だと思います。したがって今日の農業災害補償制度を、これをもっともっと充実せしめるためには、どうしても国家補償的な性格を強化する必要があろうと思います。事実異常災害に対しては全額国庫負担の道を開いて、そうして完全に社会保障的な国家補償の道を開いておるわけであります。その他の部分につきましても、大きな国の助成措置がとられておるわけであります。この際、私はこの国家補償的な性格をもっと強化をして、農民負担を軽減ならしめるということと、もう一つは、現行制度が、加入方式が強制方式になっておりますが、あくまでも強制のたてまえをとる以上は、この点も考えて、この事務人件費に関しては全額国庫負担措置を考慮するのが当然ではないか、かように考えるものでありますが、局長は現行制度保険制度というたてまえで強化をしようとするお考えであるのか、保険を加味した国家補償的な性格を強めていくというお考えに立っておられるのか、これは政策的な問題でありますが、ひとつ局長並びに次官から御見解をお願いいたしたいと思います。
  41. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 現在の制度は、御指摘のように共済を含めた保険国家補償が組み合わされたものであります。国家補償はかなりの程度まで行なわれておるわけでございますが、これをどこまでやるべきかということにつきましては、いろいろな考え方があるのではないかと思うのであります。現在平均しまして掛け金の面で三分の二程度が国庫の負担になっておるわけでありますが、他の社会保障制度、その他との比較をいたしましても、現状を変えますにつきましては、これはまた基本的な、面から徹底的な制度の再検討をもあわせて行なわれなければならないのではないかというように考えるわけでございます。
  42. 津島文治

    ○津島政府委員 先刻御答弁を申し上げましたが、農民負担は軽減の方向に向かうべきであるということをはっきりと申し上げたのでありますが、ただ全額国でこれを負担するということまで踏み切れるかどうか、それにつきましてはやはりまだ私ども考えなければならないのであります。繰り返して申し上げますが、お話しの軽減の方向努力をするということにつきましては、かたくさように信じておるような次第でございます。
  43. 栗林三郎

    栗林委員 この賦課金掛け金関係ですね、これは何と申し上げてよいかわかりませんが、これは数字を出してみますと実感が出てくると思うのですよ。私は、各県ごとの資料はありませんが、秋田県の資料は持っております。それから当局からいただいた全国平均の資料で見ますと、昭和三十年から三十六年まで記載されておりますが、三十年は、水稲だけに限って申し上げますと、水稲に対する支払い共済金は十三億七千三百万円、この年の農民掛け金は四十三億、専務人件費は三十八億、農民負担は合計して八十一億になります。それでありますから、三十年は農民掛け金よりもはるかに少ない支払い共済金でありました。これは三十年は特別だと思います。三十一年から三十六年までは支払い共済金は農民掛け金よりは大きくなっております。しかし掛け金プラス賦課金農民負担全額に比べますと、三十一年は負担全額よりも若干上回っておるようであります。しかし三十二年、三年、四年、五年は支払い共済金のほうが下回っておる。三十六年は農民負担の一・四倍の支払いになっておるわけであります。これは全国平均であります。このように掛け金よりは支払い共済金が大きい年は過去においてもあったでありましょうし、今後も予想されるわけでありますが、しかし賦課金を合わせた農民負担に比べた場合に、それよりも支払い共済金が多くなるということは、将来においてもきわめて少ないではないか、かように考えられるわけであります。そうしてみますと、掛け金だけは、現在災害がなくても、五年や十年後においては保険金として払われる時期があるかもしれません。しかし賦課金の分だけは、戻ってくるという見通しは私はなかなかないと思うのです。そういうような点から考えましても、賦課金掛け金との関係は、何といっても農民にとっては割り切れないものがあるわけです。少なくとも賦課金掛け金と同額だというようなことでは、賦課金に対する農民不満が爆発してくるのは当然ではないでしょうか。  さらに秋田の場合を申し上げてみますと、数字は省略しますが、昭和三十年から三十七年度までの間に、掛け金よりも支払い共済金が多かった年は四回ございます。しかし、賦課金とプラスして、いわゆる農民の全負担に比べた場合に、支払い金額が多かった年は三十年、三十一年、三十二年の三カ年で、あとは少ない。しかもその比率はずいぶんひどいのですよ。三十七年などは、秋田県ではかなり共済支払いがあったといって喜んでおりましたが、賦課金を合わせますと農民負担の大体六〇%にしか当たりません。三十六年度は掛け金の一・八倍の支払いを受けましたが、賦課金を合わせますと八〇%の支払い、こういうことにな、っております。三十五年は、これも掛け金の一・五倍の支払いを受けたわけであります。しかし賦課金を合わせますと七〇%の支払いだ、こういうことになっておるわけであります。それでありますから、掛け金賦課金と合わせたものがやがて返ってくるというような望みはほとんどないといわなければなりません。してみますと、掛け金をかけて、同額あるいは同額以上の事務人件費農民負担するということは、何といっても事務所を維持するために、人件費をまかなうために農民負担しておるのだという、この気持は絶対に払拭できないと思う。こういう矛盾した関係に対してどのようにお考えになっていらっしゃるのですか、またどのようにこれを解決しようとお考えになっていらっしゃるのですか。
  44. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 秋田につきまして、実例をあげてのお話でございまして、その点につきましては、私どももその実例は御指摘のような事態になっておるということを申し上げざるを得ないのでございます。これは比較的短期間における比較でございますが、この制度は長期にわたる均衡ということでできておりますもので、その点については若干の問題があるかと思うのでありますが、その傾向については、これはいなめないものであろうと思うのでございます。そういうことを考えまして、今度の改正に際しまして無事戻しを拡充する、従来よりも無下戻しの機会をふやすことと無事戻しの額を倍額にするということをまず考えておるわけでございます。  それから、この改正が成立いたしまして実施をするにつきましては、今回の改正に伴う事務費の配分方法というものをもっと研究する必要があるのではないか。これはいろいろ過去の実績というものがございますので、従来も少しずつ改善してまいっておるわけでありますが、やはりいま御指摘のような問題につきましては十分配慮して、事務費の配分について検討を要するのではないか、こういうように考えるのでございます。
  45. 栗林三郎

    栗林委員 ただいま私は、掛け金賦課金との関係を数字を並列して申し上げましたが、このことでも、賦課金のあり方については大きな問題があるということは明瞭であろうと思います。そうしてまた、農民がこの賦課金に対して割り切れない、うっせきした気持ちを持っておるということも否定することのできない重大な事実でございます。それでありますから、こういう問題にメスを入れないで、抜本改正とは言われないわけですよ。先ほど政務次官から、全額国庫負担は理屈に合わないという御表現がありましたが、理屈に合わないというのであれば次のことについてお答え願いたいと思います。確かに理屈に合わないという御答弁でございました。  これは古い話でありますが、国会記録を調べてみますと、昭和二十二年の十一月、いまの農業災害補償制度が成立するときの国会だと思います。昭和二十二年十一月の衆議院において、農業災害補償法に関する決議案が可決されておるのでございます。この決議の第六項に次のことが書かれてあります。「政府は、農業共済団体の所要経費の全額を負担すること。」と決議されておるのであります。したがって、全額国庫負担意見はいまに始まった問題ではなくて、この制度が成立したそのときから主張されておるわけであります。しかも、全額国庫負担議決は衆議院の議決であります。してみれば、衆議院で全額国庫負担の決議をしたということは理屈に合わないということになりますが、これに対する御答弁をお願いいたしたいと存じます。
  46. 津島文治

    ○津島政府委員 ただいま重大なことに関しまして御教示にあずかったのでございますが、御決議は確かにそのとおりでございましょうが、やはり物事には漸進的に参るということが私はよろしいのではないかと思います。全額国庫負担をするということは、現在の時点においては非常に困難である。しかしながら、たびたび申し上げますとおり、年々その負担を軽くするような方向に向いていくことに対しては、私はいささかもやぶさかなものではない、こういうことでございます。何とぞその点を御了承願いたいと存ずるのであります。
  47. 栗林三郎

    栗林委員 ただいまの次官の答弁では、理屈に合わないということは取り消されたようであります。しかし、一ぺんにはできないので、漸進的にこれを考えていく、こういう苦しい御答弁でありますが、すでにもう十七年もたっておるわけですね。私は、国会の決議がどう扱われておるかは、経験が浅いのでわかりませんが、まさか、二十二年だから、この決議は時効になったとは考えておらないと思うのです。国会で議決をされたものは、私は時効ということは全然あり得ないと思います。いかに古い記録でも、国会で決議された内容というものは、いつの場合でも、執行する政府としてはこの国会の意思を十二分に尊重する積極的な配慮が必要と思うのです。二十二年の衆議院の議決だから、もうこんな古いものは役に立たない、そういうようにお考えになっておられるとするならば、これはたいへんなことだと思います。私は、津島次官の誠実な人柄に対しては常に敬意を表するものでありますが、漸進的に国庫負担をふやしていくという御答弁でありますが、どうか、十七年前の二十二年の衆議院の議決が全額国庫負担ということを決議しておるのでありますから、この決議を積極的に御採択になり、お考えになりまして、一日も早く事務人件費の全額国庫の道が開かれるように、もっと積極的な御配慮をぜひお願いいたしたい、このように要望申し上げておく次第であります。  いままでの質疑答弁の中で、まだ納得いかないものがたくさんございますが、同僚質問もありますので、この程度で私は質問を打ち切りたいと思いますが、ただ機構簡素化につきましては、今回の改正案では何ら触れておらないことをきわめて遺憾とするものであります。協議会においては、この機構簡素化も抜本改正の重要な項目として真剣に討議をせられ、答申をされたのにもかかわらず、今回の改正案を見ますと、機構簡素化という点については何ら具体的には措置されておらないのであります。私はこの機構簡素化につきましても質疑をいたしたいと考えておりましたが、これはあとで総括質問の際に、中津委員のほうから御質問があろうと思いますので、機構簡素化が何ら配慮されておらない、具体的になされておらないということに対して遺憾の意を表して、この点に関する質問は私はいたさないつもりであります。  問題は、農業基本法が制定されておる今日であります。私ども政府、自民党の農業基本法にはあくまでも反対でありますが、それでも農基法の一条に何と書いてあります。「農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、」云々と書いておるではありませんか。農業の自然的な制約を受けるということは申し上げる必要のないことであります。そうして第十条には特に一項を起こして農業災害補償のことについて規定されておるではありませんか。農業基本法の第十条には「国は、災害によって農業の再生姫が阻害されることを防止するとともに、農業経営の安定を図るため、災害による損失の合理的な補てん等必要な施策を講ずるものとする。」とわざわざ第十条の条文を起こして農業災害補償の重大な点を規定されておるわけであります。このように日本農業の発展と農民生活の安定のためには、災害に対する施策の重要性は申し上げるまでもないのであります。農基法実施下においては、もっともっと抜本的な大改正をする必要があると私は思うのであります。それにもかかわらず、画一的な強制を緩和をする、こういうようにうたっておりますが、その緩和はきわめて消極的であります。この程度の緩和措置では多くの農民不満を解消することはできないということを私は断言しておきます。機構簡素化については、先ほど申し上げましたとおり、何ら触れておらない。負担の軽減につきましては、掛け金料率等につきましては理論的には私ども考えられる点もないわけではありませんが、その反面高被害地帯における農民負担が今度は重くなる、こういうような結果が出ておるわけであります。そうして事務人件費に該当する賦課金等については若干の補助の増額は見られますが、これとても抜本的な改正とまでは私どもは認めるわけには参らぬのであります。したがいまして、農業基本法が制定された今日、この程度の改正はきわめて部分的な事務的な改正であって、断じて抜本的な改正に値する内容のものではないということを申し上げて、私の質疑を終わりたいと存じます。(拍手)
  48. 長谷川四郎

  49. 芳賀貢

    芳賀委員 時間が限定されていますから、率直に前回の質疑の残りの点だけをお尋ねします。  まず政務次官にお尋ねしますが、本日農林大臣出席しない理由は何ですか。
  50. 長谷川四郎

    長谷川委員長 私からお答えいたします。  総括質問には出席することになっておりまして、今は何かだれか来ているのでそこまで行ってくるというので了解を与えておきました。御了承を願います。
  51. 芳賀貢

    芳賀委員 きょうは総括の日ですから、よその委員会はみな出ているでしょう。たとえば大蔵委員会には大蔵大臣が出てきておりますし、決算委員会には地方行政関係の自治省の大臣が出ておる。それをサボってこういう大事な最終的な質疑に出てこないというのでは、われわれとしては誠意がないと考える以外ないのですよ。それは津島さんどうですか。
  52. 長谷川四郎

    長谷川委員長 芳賀さん、わが国において最も誠意のある次官が出ておりますから、どうぞ御了承願います。
  53. 芳賀貢

    芳賀委員 そこで第一点は、具体的な問題になりますけれども、今回の改正案の附則第十条の政府としての純理的な解釈ですね。別に政治的な解釈を大臣のいないところで無理に聞こうとは思いませんが、この第十条によると、この点は前回も質問しましたとおり、現行の基準料率と今回の改正案によるところの別表によって適用される料率との差額、いわゆる農民負担の増加する分については、この附則第十条によって当分の間国がこれを負担する、こういうことに定められてあるわけですが、この解釈ですね、このとおり読めば間違いはないわけですが、この当分の間というのは、これはこの改正案が通った場合は法律になるわけですから、この法律の附則第十条というものは、この条文が——いいですか津島さん、聞いていますか。そんなものをいまごろ見たってしょうがないでしょう。本法案が改正されて、附則第十条というものが法文として規定される場合、この当分の間というのは、改正された法律にこの条文が規定されている限りこれは生きているというふうな、そういう理解で差しつかえないですか。
  54. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 当分の間というのは、この規定によって当分の間と定められるわけでございますから、規定がある限り当分の間と解釈せざるを得ないと思います。
  55. 芳賀貢

    芳賀委員 これはあたりまえのことですが、これは後日非常に問題になる点ですから……。いま経済局長が言われたのは、この改正が行なわれて、法律にこの附則第十条の規定がある限り、法律の中に厳存する限りこれは生きていくのだ、適用される、こういうふうに言われたわけですね。
  56. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 そういうことではございません。当分の間というのはこの規定が定めておるわけでございますから、この規定の定めるところによって当分の間支出するということであって、この規定がある限り支出するということではないと申し上げたわけであります。
  57. 芳賀貢

    芳賀委員 それはおかしいでしょう。たとえば現時点においてはそういうことが言えるとしても、三年後あるいは五年後に、この法律が改正されないでこの条文規定が生きている場合は、その時限においても、当分の間というこの適用が持続しているというか、これは法律論から言っても当然じゃありませんか。冗談じゃないよ。(「税法をよく見てみろ」と呼ぶ者あり)よけいなことを言うな。——これは大事な点ですよ。これは時限法じゃないでしょう。これは非常に大事ですよ。
  58. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 この規定そのものは支出することを義務づけてはいないわけでございます。「することができる。」と規定しているわけであります。支出しなければならないという定めではないわけでございますから、ここでは宣言的規定と解釈して、当分の間支出することができる、こう解釈するのが当然ではないかと考えます。
  59. 芳賀貢

    芳賀委員 そうじゃないでしょう。たとえば財政支出を伴う法律についても、常用語として、予算の範囲内とか、することができるということは、これはほかの法律にもそういう表現は使ってあるが、そのことによってその条文の実施が行なわれていないとか打ち切られたというためしはいままではないわけですね。いいですか。これは非常に大事ですよ。あなた、これは政府の原案じゃないですか。そう思いますなんというものじゃないでしょう。あなたが事務当局として責任のある答弁ができないとすれば、これは当然やはり農林大臣とか大蔵大臣出席してこれを解明する必要があるでしょう。このことを解決しないでこの審議というのは、前回私が言ったとおり解決できないじゃないですか。法律の中にこの条文が生きておる限りこれは適用される。この規定が生きておるということは、これは法律上の当然の解釈でしょう。支出を打ち切るとか、しないということであれば、その必要性を強調して、法律の改正でこの条文を削除するということは、これはやり得るとしても、法律の中にこの条文規定が厳存しておって、それが空文に終わるというようなことはあり得ないと思うのですが、どうですか、津島さん。
  60. 津島文治

    ○津島政府委員 当分の間でございまして、これは恒久的なものであるというふうには私どもは解釈をしていないのであります。
  61. 芳賀貢

    芳賀委員 それがおかしいですよ。無責任だというのですよ。それじゃいつでも打ち切れるというのですか。法律には明定してあって、運用上、行政庁が、これは当分の間ということだからいつでも打ち切ってかまわないというような理解でこの改正を行なったのですか。最初の趣旨と違うじゃないですか。どうですか、次官。
  62. 津島文治

    ○津島政府委員 お答え申し上げますが、やはり当分の間というのでございまして、恒久的なものではないというふうに申し上げざるを得ないのであります。
  63. 芳賀貢

    芳賀委員 そういう間の抜けた答弁をあなたに期待しているのではないのです。その程度のことなら何も委員会に来なくてもいいんじゃないですか。この真意はどこにあるかということをわれわれは聞いておるのです。法律の中に当分の間ということがうたってあれば、三年たっても、五年たっても、その時限において、なお当分の間ということが生きておるでしょう。規定の中で生きておるということは続くということじゃないですか。あと七年たてば社会党の天下になるから、それから先は心配ないですが、自民党の政府のもとにおいては、この点は明らかにしておいてもらわなければならぬ。笑いごとじゃないですよ。
  64. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 法律の規定で当分の間と定めておることは恒久的にではないという意味でございます。したがって法律が当分の間と命ずるわけでございまするし、当分の間支出するわけであります。
  65. 芳賀貢

    芳賀委員 それじゃ答弁にならぬじゃないですか。この規定が法律の中に生きておる限り、その時限においてもやはりこの法律の規定は、当分の間予算の許す限りということをうたっておるでしょう。改正しない限り、今後数年後の時限においても、その解釈というものは、その時限の上に立った当分の間であるということは、これは当然の解釈じゃないですか。それができないとすれば、昭和何年何月までということをはっきり書いたら、いいじゃないですか。
  66. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 今後の推移も考えなければなりませんので、この期限をきめることはできない。しかし当分の間支出するという定めでございますから、これはあくまでも恒久化するという規定ではないわけでありますから、その支出が始まってから当分の間と解釈するものでございます。
  67. 芳賀貢

    芳賀委員 これはあなたと議論しても始まらぬですか。そうであれば、これは財政責任者である大蔵大臣に来てもらいますか、どうしますか。
  68. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 この規定につきましては、大蔵省とも打ち合わせて申し上げておるわけでございます。
  69. 芳賀貢

    芳賀委員 それではこれはこれ以上繰り返してもあなたは同じ答弁でしょう、そうであればこの点は保留しておきます。これは大蔵、農林両大臣から附則十条の規定された本旨というものを明らかにしてもらわないといけないので、この点は保留しておきます。その次は、これは前回の委員会で質問をした点ですが、詳しく別表の内容を見ると、昨年の法律審議のときにも、政府から資料として、各都道府県ごとに段階を追って、その府県における共済組合のうち何組合がその各基準料率段階に適合するかという非常に詳しい表が出ておるわけです。これは昨年の改正のときに出された資料ですが、今回の改正を行なう場合には、さらに現行料率と違う点は、昭和三十七年度すなわち昨年度の被害率の非常に少ない当年度の被害率を織り込んで料率をきめるわけでしょう。だからこれよりもまだ下がるということは大体予想されるわけです。それで今回の場合には、こういう詳しい都道府県別の各料率段階ごとの組合の数というものは出ておらぬから比較することはできませんが、昨年の資料によりますと、たとえば今回の別表で基準料率が三〇%をこえる分については百分の百国庫負担ということになっておるが、その適用というものはほとんどない。昨年の資料によると三〇%をこえる組合は全国で三十三組合ということになっており、そのうち北海道が三十一組合、北海道以外は岩手県が一組合と埼玉県が一組合ということになっておる。ですから昨年の場合、北海道において三十一組合ですが、今回の場合には、先日局長から説明された組合総数の十分の一の組合別の調査内容によると、北海道においても二五%をこえる基準料率の適用される組合はなくなっておるわけです。そうなると結局三〇%をこえるという組合は現在ではこれは皆無である、大体二五%以上はないということが今回政府が出された資料によって明らかになっておる。そうなると被害率が非常に低下しておるということになるので、別表の適用というものを実情に沿ったようにしなければいけないというのが先日の私の主張でもあったわけです。それで全国的に見ると、大きく分けると、たとえば基準料率一%から六%までの段階に当てはまる組合の数が、全国で大体二千五百組合ある。したがって基準料率六%以下の組合が二千五百ということになると、大体全国四千二百三十二組合の六〇%というものは、この六%以下の基準料率の中へ入るということになる。これは今度の試算をすれば、この中へ入る組合の数はまだふえる。ですから昨年の資料によっても、六割は六%以下である。それから次に、それでは六%をこえて一五%までの間はどうなるかというと、これは千五百四十六組合ということになるわけです。これが全体から見る三六%ということになるわけです。だから比較的被害率が高い地域というのは、いま私が言いました六%から一五%までの段階の間ということになって、これが全体の三六%ということになれば、この幅の中で国の負担率というものを相当積極的に考えなければならぬということに当然なると思うのです。ですからこういう現実の上に立って——これが今回の改正によるとさらに被害率が下がるでしょう。北海道の場合においても、下がるところは、組合によっては一〇%ないし六%ぐらい下がるということになるわけですね。料率が下がるということは、すなわち農家負担も国の負担もそれだけ軽減されることだから、制度の運用上はそれは非常にけっこうなことですが、しかし重点を、国の負担をいままでよりも減らさないということを原則にして支出をする、この被害率全体が引き下がった中において、国の負担の金額的な面においても減らさないということになれば、当然別表というものは現在の被害事情に適応するように修正されなければいけないということになるのです。百分の九十五とか百分の百の負担といわれても、そういう組合がなくなってしまえばこれは何にもならぬわけですから、やはり現存する組合のたとえば一〇%なら一〇%が百分の九十五をこえる、国の全額負担を受けるような組合が幾らかなければ、異常災害については全額国の負担というその思想が別表の中で継承されていないとわれわれは考えるわけです。ですから、これは手間がかかるかもしれぬが、別表の内容をこの際積極的に実情に適応するように改むべきであるというふうに考えるわけでありますが、その点はいかがですか。
  70. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 具体的に刻み方についての御意見でございますが、この刻み方が変われば、また具体的にある組合は上がり、またある組合は下がるという結果も出てまいるわけでありますが、とにかく私どもとしては全体として現在の国庫負担率を変えないということで、お配りしました資料では大体六二%ぐらいの国庫負担率になるわけでありますが、そういうことでつくったわけでございます。変えれば変えるでまたいろいろな変化が出てまいるわけであります。どうしてもこちらでよければこちらで悪いというような結果も出てまいりまして、その辺はいろいろ御意見があると思いますが、私どもとしてはいまの別表の刻み方がよろしいのではないか、かように考えるわけであります。
  71. 芳賀貢

    芳賀委員 私の指摘する点は、被害率が全面的にずっと低下しておるのですから、そうなると、高い段階の基準料率が適用される組合がないということになるでしょう。たとえば一五%をこえる組合の場合でも、昨年の資料によると全体で百八十二組合しかないわけですね。それは全体の四%ぐらいにしかならぬということになる。これがまた全面的な被害率の低下によって、この割合が非常に少なくなってしまえば、結局一五%以上という適用組合は主として北海道あるいは青森、岩手ぐらいしかなくなってしまうということになるのじゃないですか。そうなれば、やはり中心を六%から一五%の範囲内に置く、それから六%以下の各段・階においても、非常に低被害地ですから、こういうところが負担のしっぱなしにならぬような配慮というもの、小刻みに上げていくということは当然必要だと思うのですが、やはり実情に適応したような別表をつくってもらわぬと、架空のものではいかないと思う。当てはめてみてまずければまた別表を直すというわけにいかぬでしょう。だから、そういう誤りのあるものはこの際率直に改めるということで前向きに言ってもらわないと、自信のない原案にあまり固執されてもいけないと思う。どうですか。
  72. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 御指摘のように、これはわずかずつでございますが、被害率が漸次低下する傾向がございます。したがって、その低いところでも国庫負担が重くなるようにしてはどうかということでございますが、被害率が下がること自体は、さっきもお話のありましたように、非常に歓迎すべきことであって、農家負担も国庫負担も軽くなる、災害が少なく、また浅くなるということで、だから下がるところの負担率を上げてはどうかということについては、私どもとしては必ずしもどうも理解できないのでございます。
  73. 芳賀貢

    芳賀委員 くどいことを言いたくないが、これは去年政府から出された資料ですから、これに基づいて私は言っているのです。これにさらに昭和三十七年度の被害率を加味して料率をつくるということになれば、特殊なところは別として、これが全面的にまた低下するということになるんじゃないか。これと比べてみれば、低下することが現実に出ておるでしょう。現行の場合と改正の場合というものは出てきておる。北海道においては一〇%ないし五%の幅で料率が下がるわけですから、それは農家負担も減るからいいし、国の負担も減るわけです。三〇%の料率なんということになれば、たとえば共済金が三万円という場合には九千円掛け金が要るということになるが、一%の場合は三百円で済むわけでしょう。同一の共済金に対して最高最低で垂直円と九千円という差があるのです。やはりその幅が、上がずっと下がってくるということが望ましいわけだから、これはお互いに異論のないところですね。ただ、下がってしまえば適用される段階がなくなるんだから、そこだけを国の負担割合を七〇%にする、九〇%にするといってみても、そういう組合がなければ適用されないでしょう。だから、やはり別表というものは、段階が多い少ないにかかわらず、全面的に当てはまる、あるいは適用されるということにならなければ別表の意味はないと思う、そうじゃないのですか。
  74. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 その点はどうも考え方の相違かとも思われますが、高率の料率が適用になるものは減るほうが望ましいわけでありますから、制度としてはもしもそういう高い被害率が出る組合があればそれは大いに負担します、こういう制度をつくるということであって、下がればこれは非常に望ましいことだと思うのであります。したがって被害率が高い組合があればそれは高く負担する、そういうたてまえの制度をつくるということが別表のねらっているところでありますから、その辺はどうもちょっと考え方が違うと申し上げざるを得ないと思います。
  75. 芳賀貢

    芳賀委員 これはこの程度にしておきます。あとでこういう現実があらわれますから、予言じゃなくて、これは指摘しておきたいと思います。  時間がないから次に移りますが、たとえば第八十五条の今度は十項まで加えるわけですが、それによると、事業廃止規定が出ておる。これにもやはり問題があるわけです。これは足鹿委員栗林委員指摘したが、その問題点は、この組合の成立条件というものは、地域内における農家の三分の二以上の加入同意があってその地域は全面的な強制加入、こういう原則の上に立っておるわけです。ですから、そういう原則で共済組合が形成されておるという場合、事業廃止の場合にも、法律ではこれは特別決議ですからして、三分の二以上の同意だが、それを政令で特に限定して、非常に規模が僅少であるとかあるいは制度の効果的な意味がない、減殺されてないというような場合に限って政令で認めるというようなことでは、改正の趣旨がどこにあるかわからぬじゃないですか。やはり現地において組合をつくるときも必要性を感じて三分の二以上の人が同意して、それによって残余の農家強制加入させられた、そういう成立の原則というものがあるでしょう。だとすれば、いまの次元に照らして、そういう必要性がずっと薄らいでおるというような場合、この事業については休止するという場合に、これこれのときにしかこれは認めぬというようなやり方は誤りではないですか。これは政令にまかせるということになっておるが、先般の説明を聞くと、非常に狭義な解釈で、いままでの解散に対する不承認の態度と同じような思想の上に立っておるが、これはやはりもう少し現地の自主性を尊重するという弾力性の上に立った運用は当初から必要だと思いますが、その点をここで明らかにしておいてもらいたい、この点が弾力的に自主性の上に運用されれば、やかましく言われている解散問題は大かたここで処理できるわけです。だからその事業廃止解散規定関連して考えた場合、やはり今回の改正の新たな試みがここにあるとすれば、この改正案の八十五条の二項は、現地の自主性を相当生かして、その判断が適切であると認めた場合には、行政官庁はこれを認めるというような根本的な態度で臨まないと、せっかくこれは条文にうたってみても何にもならぬということになると思いますが、この点はどうですか、明確にしておいてもらいたい。
  76. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 設立、解散を自由にすること、それから事業廃止をもっと大幅に認めるということについて、私ども根本的にそれは間違っていますとか、そういうような考え方をとらないわけでございます。ただ未来永劫にそういう強制を続けるということはいけないのではないかということは、私ども考えておるわけでありますが、やはり漸進的に緩和していくという方向でやりませんと、制度は非常に大きな、しかも複雑微妙な制度でございますので、強制加入の緩和につきましても、一部事業廃止につきましても、制度運営する立場にある者といたしましては、やはり漸進的に緩和していくという方向をとらざるを得ないのでございます。  御指摘事業廃止の基準でございますが、これは解散をとめていたのと全く同じではないかと仰せられましたけれども、私どもはそうではなくて、相当な緩和になる。この間も資料によって申し上げましたが、かりに一戸当たり三反歩というような基準、これは全国一反歩ないし三反歩の基準で定めますから、三反歩に全部なるということはございませんが、三反歩と仮定して計算いたしますと、その事業廃止をでき得る組合は、水稲で三十町未満の組合が全国の組合の三・九%程度になるという計算になるわけであります。これは相当な緩和である、これは機械的に基準を示すようにいたしますから、事業廃止をなし得る可能性は三割までは実際はいかないと思いまするが、現状に比べますと相当大きくなる、こういうことを申し上げたいのでございます。
  77. 芳賀貢

    芳賀委員 特に畑作の場合、麦類の共済等は最近の麦作の生産の事情から見ても毎年急激に減退しておるわけですから、決して選択的拡大のほうに向かっていない、縮小生産のほうに、農家自身が経済性が低いから、そういう方向をたどっておる場合に、共済制度の中で、絶対に麦の共済事業廃止にはさせないということでがんばってみても全くナンセンスになると思うのです。こういう点については、やはり事業対象になる作物の生産の動向とか趨勢を十分国として判断して、そうして事業廃止の問題等についても強力な、弾力性のある態度で臨むということは当然だと思いますが、もう一度この点に対して、そうするかしないか……。
  78. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 御指摘のように、麦の場合は、作付が減る傾向がありますし、大体において水稲に比べれば作付規模が小さい場合が多いわけであります。さっきご申し上げましたよりも、水稲の場合よりももっと大きく事業廃止をする可能性が出てくる、こう考えておるのであります。
  79. 芳賀貢

    芳賀委員 最後に、任意共済の問題ですが、先日も指摘したわけですけれども、全国共済連と共済協会、それに全中の会長が立会した形で覚え書きの交換がなされた。その内容はいまさら言うまでもありませんが、ここで明らかにしておきたいことは、たとえば事業団体当事者間においてあのような覚え書きが交換されたとしても、現在の農災法あるいは農協法の任意共済事業あるいは農協の共済事業の法律上の規定をこの覚え書きは何ら拘束するものではない、これは当然なことですが、この点はやはり政府として明確にしておいてもらいたい。
  80. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これはあくまでも覚え書きで、両系統団体の紳士協定でありますから、法律を変更するような効力はございません。したがって、法律で制度を変えればまたその紳士協定の内容は変わらざるを得ないという性格のものでございますが、覚え書きをつくるまでの間に十分議論を尽くして両団体としてはそこで合意に達しておりますので、紳士協定は両方とも尊重して守ってもらえるものと確信しております。
  81. 芳賀貢

    芳賀委員 その点がわかればいいわけです。結局は、この覚え書きというものは、もちろん法律を拘束する何らの力はないが、ただ二つの事業団体がそれぞれ覚え書きを中心にして事業執行に自主性を持って、いずれの事業も、加入しておる組合員農民の利益を守る、こういうことを最大目標として運営さるべきである、政府としてもその両団体の趣旨をやはり考慮に入れて今後の指導を行なっていく、そういうことに間違いないわけですね。
  82. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 多年の非常な紛争あるいはいろいろな対立を解消して、両団体が協調して今後任意共済事業を進めようというところまで踏み切ったわけでございますから、政府としましてもその趣旨を十分尊重しましてそれが達成されるように指導、援助をしてまいりたいと考えております。
  83. 芳賀貢

    芳賀委員 それに関連して、共済組合の任意共済の事故対象は火災損害の事故だけではなくて、風水害、雪害という天然災害による損害というものを事故対象として行なっておるわけですね。それを今度は都道府県の連合会の手持ち責任部分を全国共済連に再共済することができるということがこの法律の改正にうたってあるわけでありますから、これが一つの動機となって農協が本来行なう共済事業の建物共済の場合も、その事故対象を現在では北海道以外は全部天然災害損害事故というものは対象にしていませんから、しかし今度は共済組合のほうの関係が全部天然災害を対にして、それが全国段階の連合会に再共済されたということになれば、当然その系統である農業協同組合においても今度は事故対象を自然災害にまで拡大すべきであるということになると思うのです。また政府としてもそういうことを指導するようなかまえをつくらなければならぬと思いますが、この点についてはどういう配慮を講ずるつもりか。
  84. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 共済系統団体の連合会が建物火災共済を農協系統の全国団体に再保いたします際に、農協系統の建物共済はいま北海道だけとおっしゃいましたが、ほかでもやっておるわけであります。風水害については共済金額の十分の一しか共済していない、ところが共済団体のほうは十分の一という制限なしに共済し得る、こういうたてまえでいっておりますのでそれが一致しない、保険方式もそれぞれ違います。そういうことがありますので、この再保の方式につきましては料率にしましても、責任の保有にしましても、それぞれ技術的に解決されなければならぬ問題が若干あるわけであります。そのために両系統から専門家が出て、そのやり方について具体的な技術的な話し合いをやることになっております。私どもとしては、その話し合いの結果を見まして両団体の進み方をきめたいと思っておりますが、いずれにしてもこれを一緒にするということは簡単にはいかないわけでありまして、農協系統の中央団体は特別勘定を設けるか、またそう区分した場合において削減するとか、実際に事故が起きた場合に支払いについては削減をするとかいろいろな考え方を持っておりますが、その辺のやり方を調整をしていく必要があると考えております。
  85. 芳賀貢

    芳賀委員 いま局長の言われた農協の建物共済に対して、自然災害は北海道以外は一割の支払いをやっておる、これは保険金を一割支払うというのじゃなくて、事故対象にはなっていないが付保された建物がたまたま事故対象以外の災害損害を受けた場合の見舞い金ということで一割の見舞い金を支給する、そういうことですから、共済事業としての事故としてそれを扱っておるのではないことは局長も重々承知しておられると思う。ですから、今度はそういうことでは済まないと思うのです。それに対して一体農林省としてはどうするかということは今後の問題になるけれども、農協法の共済事業あるいは共済規程に関連したそれぞれの規定の中で整備する必要が当然出てくると思うのです。たとえば共済規程に基づく共済事業責任準備金の積み立ての政令とか、共済掛金積立金の関係とか、それぞれ幾つかの関係した政令等もすでに出ておるわけです。それらは当然のこととして整備されなければ、農災法の改正だけで問題の解決ができたということには断じてならないと思うのです。だから、この点に対してはすみやかに明確な体制の整備というものは当然やると思いますが、その点に対する所信と、もう一つは、従来共済組合の場合は、連合会が保険金の支払いができないような場合は共済基金から貸し出しを行なったわけです。場合によっては短期の法律の制定等を行なって貸し出しをした前例があるが、今度共済基金から共済の連合会自身が直接借り入れ等の措置をする必要はなくなるわけです、共済連合会に再保するわけですから。しかしいままで共済基金から融資を行なったという既成事実、今後はこれをどういうふうに活用するか、必要な場合には——いま局長のお話ですと、共済組合の再保した建物の分については何か特別会計のような形で全共連で別途経理するということを言われたが、その中から今度は被害に対して保険金を支払うということについて別途経理の会計だけで担保できないときが被害の大小によってはおそらくあるでしょう。そういう場合には、かりにその特別会計は共済基金から必要な資金の融通等を受けることができるようにするのかしないのか、こういうことはいままでの前例、既成事実にかんがみて制度改正の機会にどういうふうな処理をするか、その点をあわせてお尋ねしておきたいと思います。
  86. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 第一点の農協側の共済規程の整備等でありますが、これは農政局のほうにわたりますので、私が申し上げるのも何でございますが、いずれにしても整備を要することは御指摘のとおりでございます。両方の専門家の間で技術的な問題の話し合いが終わりましたならば、それを十分検討いたしまして政令等の改正をやることにいたしたいと考えております。それから節二の問題も、御指摘のような問題があるわけでございます。従来一回だけでございますが、伊勢湾台風の際に共済幕命から共済の連合会に対して融資が行なわれたわけであります。これに対して国会でもだいぶ御異論があったわけでありまして、そういうことをやるのは農協系統と共済団体とに対して差別的な扱いになるというようなこともあるかと思うのでありますが、とにかく相当な問題になったわけでありまして、その後そういった措置をとらない方向考えてきておるわけであります。しかし今回全国の農協団体に再保いたしますと、その面においては一応問題はなくなるわけでありますが、ただいま御指摘のように、別途会計等においてやります場合に、支払い共済金に不足を生ずる場合が可能性としてはあるわけであります。これに対して農協系統団体はそういう場合削減できるようにしたいという意見を持っております。しかしこれはこの前の覚え書きが作成されるときには、そういう問題はほかの料率の問題なり、付保の方式の問題とも全部からんだ問題でもあるから、その技術的な専門家の話し合いの際に話をきめようではないかということにいたしてあるわけでありまして、いずれにしましてもこの問題は話し合いの結果を見まして決定をいたしたいと考えております。      ————◇—————
  87. 長谷川四郎

    長谷川委員長 この際、桧垣官房長から、去る二十二日の降ひょう及び突風等による農作物等の被害の状況について発言を求められております。これを許します。桧垣官房長。
  88. 桧垣徳太郎

    ○桧垣政府委員 五月二十二日の関東地区に生じました降ひょう及び突風等による農作物等の被害の概況につきまして御報告申し上げます。  被害県は、すでに御承知と思いますが、埼玉県、群馬県、栃木県の三県にわたるのでございまして、生じました災害は、ひょうが降りましたことと、突風による被害があったわけでございます。  農作物の被害の概要を申し上げますと、麦類につきまして三県で合計約十二億三千万円、水陸稲につきまして、これは苗しろ被害でございますが九千五百万円、蔬菜について十億一千万円、果樹について二千七百万円、桑について、これは繭に換算したものでありますが四億三千万円、大麻について二億一千万円、バレイショについても、わずかでありますが被害がございます。たばこについて三百二十万円、農作物合計で約三十億円、ビニールハウス等の施設につきまして九百万円という被害の数字が三県から報告をされております。その三県のものを取りまとめてみますと、ただいま申し上げました被害総額になるわけであります。  これに対しまして農林省といたしましても、統計調査部の出先によりまして被害の確認を急ぎつつございますが、ただいま申し上げました被害額は、県の災害早々による達観的な報告と思われるのでございまして、統計調査部の被害の確認の金額とは、総体について増減が起こることがあり得ると思いますが、いずれにいたしましても、この三県の局地的な被害としては相当に甚大な被害をもたらしたものであるという報告を受けており、また農林省関係係官の現地の調査の結果も、はなはだお気の毒な被害状況にあるとい、うことを報告いたしております。  簡単でございますが御報告いたしておきます。
  89. 長谷川四郎

    長谷川委員長 本会議終了後まで体感をいたします。    午後零時五十四分休憩      ————◇—————    午後三時四十五分開議
  90. 長谷川四郎

    長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質議を続行いたします。中澤茂一君。
  91. 中澤茂一

    ○中澤委員 総括質問で大体今までの足鹿委員はじめ、委員諸君の質疑で、重要な点は全部出ておりますが、ただ最後的にどうもまだ政府の態度がはっきりしてない。特に午前中大臣がお見えにならぬで、この前芳賀君が保留しておいた件、そういう件について若干政府の見解をただしておきたい、こういうふうに考えるわけであります。  第一点にお尋ねしたいことは、数回この委員会で論議を重ねましたが、解散の問題について、現在の法規定というものは、一体完全な自由裁量規定であるのかどうかということ、この基本的な法律論が確定しないから、幾ら議論をしてもから回りをしておる。だからこの解散条項の四十六条というものは、法律上自由裁量規定であるのかどうか、この点についてまず大臣の所信を伺っておきたいと思います。
  92. 重政誠之

    ○重政国務大臣 これは法律的には裁量規定になっておるわけであります。
  93. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは実は、この解散問題というものは、ずっと前から数回にわたってこの委員会の論議になっておるわけなのですが、最終的な結倫というものはどうしても出てこない。それは昭和三十二年の当委員会の論議で政府の見解としては、これは完全な自由裁量規定であるという、こういう答弁をしておるわけです。その後だんだんとこの制度そのもの内容農業基盤そのものが変わったということから、だんだん自由裁最規定ではない。一番論戦をされたのは三十六年の国会でございますが、このときの坂村経済局長がこれに対して、いまの事態からいって、これはどうも完全に解散権を否認していることはおかしい、だからこれは次官通達というものを変えなければならぬだろう、こういうふうにだんだんに変更になってきておるのですが、自由裁量規定とすると、これは一体便宜裁量規定なのか、法規裁量規定なのか、この点がやはり基本的に問題だと思う。同じ自由裁量規定でも、法規裁量規定であるか、便宜裁量規定であるか、その解釈というものが同じそれでも大きな取り扱い上、運用上の変わり方がある。だからどういう裁量規定で  あるか。
  94. 重政誠之

    ○重政国務大臣 これは法規裁量規定になっておりますが、詳細は政府委員から……。
  95. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これは法文そのものからいいますと、広範な範囲での裁量が認められておるわけでありますが、運用の面におきましては、三十六年に認可基準を示しまして、その基準に照らして運用されるようにいたしておるわけでございます。
  96. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは法規裁量規定であるということを大臣は断言できるでしょうか。私は、法規裁量規定だということになると、一つの問題がここへ出てくると思います。どうでしょう。
  97. 重政誠之

    ○重政国務大臣 厳格な法律論からいえば、中澤さんの御意見のとおりでありますが、大体運用上は一応の基準を公に示して、その基準によって運用をいたしておりますから、実質的には法規裁量と同様な効果をあげておるわけでありますが、厳格な法律論から申しますれば中澤さんのおっしゃるとおりであります。
  98. 中澤茂一

    ○中澤委員 大臣はあまり法律論を勉強してないようですから、そういうことで追い詰めようなどと思いませんが、大体学説でも自由裁量規定の中には大きく二通りに分かれておる。法規裁量規定か便宜裁量規定かということは学界でも論争があったのです。判例の中でもいろいろ問題があったのです。法規裁量規定だという断定はしないほうがいいのです。これは拘束裁量規定であるということと法規裁量規定ということとは法律上違うのです。だから次官通達で、三十六年に絶対に否認したものを今度は三つなり四つの条件をつけて許可、認可をするということは、これは拘束裁量規定に変わったのです。そこでもし法規裁量規定ということに断定ができるならば、これは実は行政訴訟の対象になります。だから解散を認可しない、それならば、解放を認可しなければ、その組合は行政裁判所に対して訴訟を起こすことが可能なわけです。国会が立法の府ですから、私は特にへ理屈を言うわけではないのですが、便宜裁量規定の限界というものが私は非常に問題だと思います。だから大臣は法規裁量規定であると言ったが、私は拘束裁量規定の判断を誤って法規裁量規定という御答弁をなさったと思うが、もし法規裁量規定であるというと、解散認可をされない組合というものは全部行政訴訟を起こす対象になる可能性があるわけです。そこで便宜裁量規定であることと、これをどっちにするか、ここが問題なんです。便宜裁量規定だということになれば、これは限界の問題があるわけです。どこまで行政権の拡大が可能であるかという限界の問題があるわけです。そこで解散諭というのは私はこの法案が通っても決して消えるものではないと見ております。この法案が通っても農民が期待されるような姿には決してならないと私は見ておる。そういう場合また再び解散認可についての問題点がいろいろ起きてくるんじゃないか。だからこの際明らかにそういう行政訴訟の対象になり得るのかなり得ないのか。それは法規裁量規定であるか、便宜裁量規定で、あるか。同じ自由裁量規定の中でいずれの道をとるかによって、今後問題が大きくなってくる可能性がある。だからそういう点について、大体御説明を半分入れましたからおわかりでしょうが、大臣にお尋ねしたいことは、行政権の限界というものは、いまの国会の運営を見ていたり、あるいは予算委員会の審議を見ても、立法権を行政措置で非常に縮少される傾向をとっておるのです。これは私は非常によくないことだと思う。たとえば例の予算委員会で問題になった財政法の改正の問題でも、政府が自由の範囲でやっていくという行政権の形がますます強くなってきて、いろいろな面から立法権を侵害してくるという形が出てくる。だからそういう点において、この解放権というものに対して、極端にいえば、無限大の行政権の拡大ということがいいかどうか。解散認可申請があったとき、三十六年の通達を読んでも節三項の条項に当てはめれば絶対に解放はできません。それは政府側の認定権だけの問題になりますから、そこにある程度任意制を取り入れた法律自体としては一歩前進ではあるが、解散権に対して今後どこまでも三十六年通達で依拠として拘束していくつもりなのかどうか、その点についての御見解を伺いたい。
  99. 重政誠之

    ○重政国務大臣 広範なる行政権の範囲、初めに慰められておった形を、だんだん先ほど申しますような基準を公にいたしまして、その基準に準拠して運用することになりますので、むしろ先ほどお述べになりましたような立法権を侵食していくのではなしに、行政権の範囲をだんだん縮めていっておるというふうな感じを私は持っておるのでありますが、なお三十六年の通達そのままでいくかどうか、こういう御質問でございますが、これは三十六年の通達は当然再検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  100. 中澤茂一

    ○中澤委員 三十六年通達は、三十六年の二月の当委員会で、明らかに立法権の侵害じゃないかということで議論になって、当時の経済局長の坂村君が、これは絶対解散認可をするなという通達ですから行き過ぎであったということで、今度は拘束裁量認可の方向へ踏み切った通達が三十六年通達ですね。ところがこの通達も、たとえば第四項には、「解放の議決農業災害補慣例度に対する組合員の実質的な理解のもとになされたものであること。」という条項があるのですね。これは全く抽象的な通達です。被害の僅少とか、その前にもいろいろな条件がありますが、この第四項の条件一つ考えてみても、一体認定はだれがするのですか。
  101. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これは知事が認可をする際に、事前にそういうことが事実として十分に認められるかどうか、その認定をやるわけでございます。
  102. 中澤茂一

    ○中澤委員 知事が認定をやるという御答弁ですが、組合員が実質上知っておるか知っていなかの認定ということは知事でできますか。
  103. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これはその他の点にもございますが、解散総会の手続をやる際に十分なぜ解放をするかという事情が組合に説明されて、組合員はその理由を十分本知の上で決議が行なわれたであろうかどうかということを組合の当事者あるいは記録でよく認めた上でという趣旨でございます。
  104. 中澤茂一

    ○中澤委員 ところが、あなたのほうで解散認可はしまいと思えばこの四項で絶対できますよ。組合員のほうが実質的に災害補償法の内容を知ってやったかということでこの四項でひっかけたら絶対認可しないで済むんですよ、この内容を読んでみると……。ほかは災害が僅少だとか、農民にあまり経済的被害を与えないとか、そういうことはあなたのほうで具体的に判断ができると思うのですよ。しかし、これは認可をしまいと思ったら四項で全部ひっかけられると思うのです。だから、この通達そのものをこの法律改正を機会にいま一度再検討する意思があるかどうかということを大臣からひとつ伺いたい。
  105. 重政誠之

    ○重政国務大臣 先ほど申しましたように、十分再検討いたします。
  106. 中澤茂一

    ○中澤委員 次にお尋ねしたいことは、事業の執行停止——事実上そういう組合はあるんですね。実際もう掛け金もとっていない、何もやっていないで、解散認可申請は知事に出したが拒否された、不認可という決定を与えられた。それでも結局組合解散認可議決というものは私は生きていると思うのです。長野県に実はそういう組合が一組合あるのです。大町市の共済組合がそれなんです。事実上事業執行停止をやっておるが、この場合は一体どういうことになるだろうか。長野県では大町市の組合だが、ほかにもそう、いう例がありはせぬかと思うのですが、そういう場合は事実上今度の改正案が通過したらどういうふうになるのか。
  107. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 農林省といたしましては、そういう例が間々あるのでございますが、よく組合指導し、また組合員に対して説得をしてもらいまして、できるだけ事業を再開してもらうという方向で従来指導してまいったのでございます。しかし、それでもなお停止されておる例が、わずかでありますが、ございます。そういう場合におきましては、やむを得ず補助金等の支出もやめまして、事実上停止しておるという状態になっておるのでございます。しかし今度の改正案が成立いたしましたならば、そういう組合に対しましてはあらためて改正の趣旨をよく徹底いたしまして、もう一度考え直してもらう、その上でこの処理をはっきりさしてもらいたいと考えております。
  108. 中澤茂一

    ○中澤委員 そうすると、いよいよこの法案が通ると、たとえば長野県の大町市が再開するというこの空白期間の法律的効力というものはどういうことになりますか。
  109. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 組合としては依然として存在するわけでございますが、実際上停止しているということでございます。それに対しては、法律案が成立いたしましたならば、あらためて改正の趣旨をよく了解してもらうように努力いたしたいと考えます。
  110. 中澤茂一

    ○中澤委員 経済局長、改正の趣旨を説明して再開させるのはいいんだよ。ここ一年なり二年なり実際執行停止してしまっているんだ。この一年なり二年の空白期間の、執行停止期間の法律的効力というものはどうなるかということです。
  111. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 お尋ねは、組合が形式上存在して、この法律によりまして当然に共済関係が成立しておるが、それはどうなるんだというお尋ねだと思います。これは共済関係は成立しておるのでございますが、引き受けが行なわれておりませんので、実際問題として共済関係に基づく法律効果は生じていない、こういうふうに解釈いたします。
  112. 中澤茂一

    ○中澤委員 そうすると、念のために聞いておきますが、法律効果が生じていないというとその一年なり二年の執行停止期間中の引き受けもやっていないかわり掛け金もとっていない、新制度が発足しても新しく古いものの掛け金をとるという、そういうことは引き受けをやっていないから当然できないでしょうね。その辺はどうですか。
  113. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 共済関係は当然に成立したわけでございますが、引き受けがなかったために法律の効果を生じないわけでございます。  それともう一つ、法律で定めてございますが、掛け金徴収に対する債権は一年でもって時効にかかる、こういうことになっていますので、さかのぼって徴収することはできない、こういうことになります。
  114. 中澤茂一

    ○中澤委員 それで大体現在事業執行停止しておる組合の今後の方向が明らかになりました。  もう一度もとへ戻りますが、自由裁量権の範囲を結局通達で、三十二年の議論は違憲論でありまして、国民の権利制限ではないかという議論まで実はしたわけであります。この通達の変更検討をした場合、こういう抽象的な第四項におけるような通達、こういうものははっきり削除するという、具体的に僅少であるとかあるいは農民の経済的な価値云々とかそういう具体的なものだけで通達の内容をはっきりさせる必要があると思う。それに適合した場合には解散認可はしましょう、こういう必要があると思う。その点はどういうふうに考えられますか。
  115. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これにつきましては、先ほど大臣から方針として再検討するということを申されたわけですが、私ども考えておりますのは、一部事業廃止につきましては、政令でもって具体的な廃止の基準を定めますので、解散の場合につきましても大体これと同じような形のものが必要になるのではないか、こういうように考えております。
  116. 中澤茂一

    ○中澤委員 そうすると、こういうことですか。設立のときの任意制を解散のときもこれを準用するような方向で運用する、結論はこういうことですか。
  117. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 設立と解散とにつきましては、事情がいろいろあると思います。したがってこれを一般的に任意加入と解散とを全く同じにするということはいま申し上げかねますけれども、やはりバランスがとれてくるようになることが、考え方としてはそういう方向ではないかと思われます。
  118. 中澤茂一

    ○中澤委員 結局これは農民不満と、あなた方が主張する公益性、健全性との調和をどこに求めるかということが解散の基本的な考え方ではないか。そうすると、公益という看板で解散認可をしないといういままでの方向は、少なくとも二十四年の議論のときですか、とにかくそういう方向なんです。それがだんだん転換はされてきておるわけですね。転換はされてきておるが、設立のときの認可と同じように解散認可考えていいのではないか。いろいろ事情は組合によって違いますよ。それはわかるが、そこまで踏み切っていいのではないか、私はそう考えるが、どうでしょう。
  119. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは任意加入あるいは一部事業廃止解散とのバランスのことを申し上げたわけでありますが、設立の場合につきましては、逆に解散が設立と同じようにならなければならぬということにつきましては、確かに設立の場合は強制、解散の場合は特別議決によって解散、それからいずれも認可にかかっている、こういうことで形式上は同じようなことであるかとも見えますけれども解散の場合につきましては将来に対する農家としての判断が相当働かなければならぬ、もちろん設立の場合も全然見通しがないというわけではございませんけれども、一度解散いたしますと、実際に農業災害補償法が施行されまして一斉に設立された当時とは事情がだいぶ違っておりますので、今後一度解散してからあらためて設立するということはなかなか容易でない事態になるのではないかと考えられますので、設立のほうで従来行なわれたようなことと今後解散について行政上運用されることは必ずしも一致しない、これは時勢の推移の差が相当あるかと思いますが、そういうように考えるのでございます。
  120. 中澤茂一

    ○中澤委員 どうも解散問題は幾ら議論しても結局並行線みたいな形ですから、とにかく運用の弾力性ということで、これはあまりにも立法権の法律事項を無視したとは言いませんが、これは運用で相当弾力性を持ってやらぬと、この制度改正になって必ずしも私は解散機運というものが払拭されるとは見ておりません。おそらく大臣だって見ていない。いま起きている解散機運というものは、この法律が通って依然として起きてくると思うのです。だからこういう点はある程度弾力的運営をやって、農民が一度解散をしてみた、ところが大災害が来た、これはえらいことだ、やはりあの制度はよかったということになって組み直しをしたとき初めて本制度ほんとう農民のものになるのじゃないか、さもないと、天下り的に上から押しつけたままの形で、不満が下に爆発せんばかりに醸成されている、あるいは無関心かいずれかが醸成されている、こういうことでは制度自体、しかも国が相当の国費を投入しておるだけの価値がないのじゃないか。だから解散については理屈を言っていてもどこまでもこれは並行線ですから、運用に大いに弾力性を持たしてやってもらいたい、こういうふうに考えて、解散問題はこの程度にしておきます。  それから次にお伺いしたいのは、御承知のように今度は末端組合へおろすわけですね、保留責任。ところがその場合一番問題になるのは九十二条の規定、ちょっと読んでみてください。これがどういうふうに作用をしてくるかということです。
  121. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 第九十二条は共済金の削減に関する規定でございます。「共済金の支払に不足を生ずるときは、組合等は、命令の定めるところにより、共済金額を削減することができる。」こういうふうに規定がなっておるわけでございます。これは現状におきましては組合が一割を保留して、いわゆる青天井で、あとの九割は全部上に上げたことは御承知のとおりであります。したがいまして、どんな大災害が起きましてもその一割については責任を負う、こういうことになっておるわけでございます。改正後におきましては通常部分についてはその大部分を組合責任を負う、これはその面におきまして責任が通常部分については拡充されたわけでございますが、青天井で、異常、超異常の部分まで従来のように負うことはできない、したがってその面におきましては、そういう支払い不足金が出る可能性はずっと減ってまいる、こういうように考えられるのでございます。それと連合会に対しまして二割から五割の間でその組合災害発生態様等を考えまして、再保の割合をきめていくことになるわけでございますが、被害の発生の深さ等が相当深いところは比較的多く、五割程度を連合会に保険してもらうということにいたしまして、そういう組合においても支払い不足金を生ずるおそれがずっと前に比べて減ってまいる、それを通常部分に関する責任末端におろします結果として積立金の蓄積が今後は相当できることになるわけでございます。そういう財源も従来に比べてずっと多くなるわけでございますので、不足金を生ずる可能性は従来に比べて非常に少ない、したがって削減の規定はごくまれな場合に働くものである、かように私ども理解しておるわけでございます。
  122. 中澤茂一

    ○中澤委員 それではむしろ九十二条を修正削除したらどうです、そういう機会がないというあなた自信を持っておるなら。
  123. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 私もずっと減ると申し上げましたけれども、ことに改正直後等におきまして万一の場合不足を生ずる場合もあり得る、そういう場合は現行制度と同じように削減の規定を働かしたい、しかしそれは従前に比べますと削減の度合い等におきましても軽いものになると考えております。
  124. 中澤茂一

    ○中澤委員 私はそういう判断をしておりません。確かに無災害地帯ではそういう現象が出てくると思う。しかし中間災害地帯というものは、実際この法律が通って運用を始めたら私は必ず不足金が出てくると思う。それが出てきた場合、この削減規定を生かしていこうということは、またそこに農民不満を醸成する根拠をつくる。むしろその場合は足鹿委員の言ったような、すなわち組合基金という債務保証関係、金融関係というものを具体的に考えるべきではないか、そのほうがこの制度運用をやる上に将来に禍根を残さないとわれわれは判断をしておる。その辺はあなたの見解はどうですか。
  125. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 この点につきましては、先般も審議の際に大臣からもお話がありましたが、その点はそういう考え方も確かにあり得るわけでございまして、私どもも十分検討いたしたいと考えております。
  126. 中澤茂一

    ○中澤委員 特にこの問題にからんで先ほど芳賀君が附則十条の「当分の間、予算の範囲内」という問題を取り上げたのですが、これは大臣から御答弁を願いたいのですが、結局芳賀君の議論の要点は、この法律がある間その時点において当分の間であるのかどうかということだったわけです。その点はどうでしょうか。
  127. 重政誠之

    ○重政国務大臣 これは法律の規定にそれがある間は当分の間ということになろうと思うのであります。
  128. 中澤茂一

    ○中澤委員 法律に十条の附則がある間は補助金交付はやるという解釈でよろしゅうございますね。
  129. 重政誠之

    ○重政国務大臣 大体そういうふうに理解しております。
  130. 中澤茂一

    ○中澤委員 大臣、これは重大な問題なんです。私の言っているのは、お間違いなく聞いてもらいたいのは、法律のある間、たとえば来年もこの法律があるわけです。五年後になってもこの法律があるわけです。それを改正しない限りは五年後の時点においても当分の間は生きておるのかどうかということです。大臣は生きておるという答弁なんです。そうすると、結局恒久的に補助金交付をやるということと何ら変わらないのです、大臣答弁からいけば。それでよろしいですか、間違いないですか。それなら農民は大喜びです。
  131. 重政誠之

    ○重政国務大臣 当分の間は当分の間で、これは五年か三年か一年か、期限を限っておらないわけでありますから、当分の間を恒久的だと解釈されることはどうかと思うのですがね。当分の間は当分の間なんだから、期限を切ってないんだから、それが恒久的とは理解できないわけです。
  132. 中澤茂一

    ○中澤委員 大臣、いまの答弁と前の答弁と全然食い違って、大食言問題ですよ。大問題になっちゃうですよ。まあ大問題にしませんが……。だから、私の質問したのは、大臣よく聞いてくれと言ったのは、この法律が生きている間は当分の間というものが生きているのかどうか、生きているとすれば、当分の間というのは、この法律が生きている限り補助金はくれるということになるのですよ。大臣の前の答弁は、これが生きている間は、補助金は、十年でも十五年でもくれますという結果になるのです。だから、その当分の間というものは、大臣の前の答弁といまの答弁は違うわけなんです。いまのは、当分の間は当分の間だがいつだかわからない、前のは、法律が生きている間は当分の間だ——大臣、いま一度考え答弁してください。前の答弁なら非常にありがたいんだ。
  133. 重政誠之

    ○重政国務大臣 私は、前に申し上げたのとそう違うとは思わないのですがね。私が言っておるのは、当分の間は当分の間でありますから、これは期限を切ってないのですから、その規定があれば、やはりその差額の補給というものはしなければならぬだろうと考えております。
  134. 中澤茂一

    ○中澤委員 そうすれば、第一回の答弁と同じことですね。じゃそれでよろしいです。それなら農民は喜びます。それでけっこうでございますから、お間違いないように願いますよ。私の質問は、法律が生きている間はくれるということなんですよ。いいですね。
  135. 重政誠之

    ○重政国務大臣 永久的、恒久的にそうやるというのではございませんよ。その点はひとつ誤解のないように願いたいです。
  136. 中澤茂一

    ○中澤委員 よろしい。じゃこの法律が生きている間は補助金をくれるということの言明ですね。よろしゅうございます。この質問は一応これで終わるといたしますが、あとで話が違うというようなことは申さないように重ねて念をついておきます。いまの当分の間の問題はもはや解決つきまして、この当分の間の十条が生きている間は、補助金は必ず農民にやる、こういう御言明ですから、これはもうけっこうでございます。  そこで第二項において、御承知のように、先取りを規定しておるのですね。大臣御存じなければ読みましょうか。「前項の規定により組合員等に交付すべき補助金は、当該組合員等に交付するのに代えて、当該組合員等が組合等に支払うべき共済掛金の一部に充てるため当該組合等に交付し、」とあって、交付してもよろしい、二項においてこうなっているのです。それからその次においては、「当該組合等が農業共済組合連合会に支払うべき保険料の一部に充てるため当該農業共済組合連合会に交付し、又は当該農業共済組合連合会が支払うべき再保険料の一部に充てて農業共済保険特別会計の再保険料収入に計上することができる。」要するにこのくれる補助金は上からだんだん先取りになっているんです、この二項で。要するに政府保険料収入は上げてもいいんだ、それから連合会にくれてもいいんだ、それから連合会が今度は組合員に払えば組合員がとってもいいんだ、こういうことになっているんですね。これで一体運用上農民納得するでしょうか。
  137. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これは組合員組合に払うべき掛け金に充てることができる、こういうことでございます。そういうように運用いたしたいと考えております。
  138. 中澤茂一

    ○中澤委員 ところがこの条文が生きている限り、これは上から先取り規定じゃないですか。これはよく読んでください。国の保険料収入よろしい、連合会よろしい、組合よろしい、こういう三つ段階になっているでしょう。だから組合組合員関係じゃないでしょう、どうなんですか。
  139. 重政誠之

    ○重政国務大臣 私は法律にあまり中澤さんのように強くないですから、あるいは間違っておるかもわかりませんが、要するにこれは現状より農家掛け金が多くならなければそれで満足であろうと思うんですね。それを政府が補給するということになっておるのを、どこで政府がそれをやろうと、それは農家はそれでいいんじゃないですか。一応農家まで届けて、農家がまた現状より高い保険料を払わなければならぬという手数を省く意味においても、それでいいんじゃないかと思うのですが、どういうものですかね。
  140. 中澤茂一

    ○中澤委員 それは大臣、行政管理庁の勧告をお読みになったことがないでしょう。行政管理庁の勧告の中で一番やはり問題になるのは、私は空転だと思うのです。それでこの制度は、このごろは国会の論議がやかましいもので、だいぶ地についてきましたが、例の多久島事件ではああいう膨大な八千万円もの金を一職員がごまかしができるというのは、空転に問題があるんです。だから、自分が農作物災害共済をかけているのを知らない農民があるんです。それを組合が空転操作をやっておる。これは行政管理庁の勧告書にきちっと書いてありますよ。ただ上から入ってきたものを組合があっためちゃって、そしてこれは何のたれ兵衛分だといってあっためたものからかけている、そういう事態が至るところにあったのです。そこで前に行政管理庁の監査を要請して、その監査の結果の管理庁報告というものが、たしか周東農林大臣のときだと思うが出ておるのです。その中で一番問題にしておるのは空転なんですよ、農民の知らないうちにからっぽを回しているんですよ。ですから私は、そういう過去の問題があるから、これがこういう規定を設けると再び空転の可能性が出てくるということを心配しているのです。農民の知らない間に、おまえの掛け金分だといってどんどん上から差っ引いていって、農民は何が何だかわけがわからない。農民心理というものは、やはりくれるものはばかっとくれてふところに入れると納得するんですよ。そうすれば今度上がった分は上がったといって、おまえ出せといえば、ああそうですかということになる。ところが上から先取りして、国の保険料収入にとってしまう、県連の農業災害共済にとってしまう、組合員掛け金にふんだくってしまうということになると、農民はその金は来たか来ないかわからないのです。それは事務の簡素化という面においては、大臣の言われるとおり私もわかりますよ。しかし事務の簡素化ということで農民納得する姿が出るか出ないか、比較権衡して、どちらが大事かということを私は考えなければいかぬと思うのです。そういう点においては、こういう規定は私はむしろ国の再保険料収入からとってしまうというような、そういうやり方というものは、いま一度お考えになったらどうなのか、こう思うんですがね。
  141. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 ただいま御指摘がありました空転は、これは徴収される掛け金と、災害が起きた場合に支払われる共済金との相殺が行なわれて、それだけ共済金を少なくやって、帳面づらでは掛け金を徴収したようなかっこうにしている場合を空転と言っており、それは好ましくないことでございますが、いま問題になっております国の補助金の交付のしかたは、国と農家掛け金負担をしているわけでありますが、農家負担する分の掛け金について今度上がる分は補助金を出してあげて、一度農家のふところへ入れてもらってから掛け金として出してもらわないで、掛け金を割り引く形で掛け金負担を軽くする、それから組合から連合会に上げられる場合も、連合会から組合に一度交付して、保険料として連合会に上げないで、保険料を割り引く形で連合会に出してもらう、そういう形でやっていただきたい、それで実際に農家は従来と変わりのない掛け金負担をしてもらう、こういうふうにいたしますので、帳面の上でも正確に整理できますし、先ほど御指摘のありました空転の問題とは性質を異にいたしておりますので、事務簡素化の面からいいましても、そういたしたほうがよろしいと考えております。
  142. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは運用の問題だから——法律論からいえば、上から先取りでどんどんとっていって、実際は農民は自分の掛け金の増高分の補助金が来たか来ないかわからない、ただ農民心理としては今度ばかに上がったじゃないか、こういう形だけでいくと、農民はまた不満が爆発してきますよ。制度改正が通ったら掛金が上がったじゃないか、こういうことになりますから、私はむしろ先取りを、ある程度国の保険料収入とかいろいろそういうものはあと回しにして、まず第一に組合へやって、農民になるほどそうか、この増高分はおれの掛け金差し引きでよこしたんだなという形をはっきり知らしめないとやはり不満がよけい出てくるんじゃないか。これは運用の問題ですから、まあこの法律をいま修正しろ、直せといったってこれは無理なことだろうから言いませんが、ほんとうにこれは心してやらないと問題があると私は考える。  それから掛け金の増高の問題ですが、これは一体いまの見込みで全国でどのくらいの掛け金の増高になるという推算が出ておるのか。
  143. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 組合の数からいいますと、この前も申し上げましたように半分くらいでございますが、金額でいいますと、これは三十七年産をまだ入れておりませんので、この前も申し上げたわけでありますが、足鹿委員からしばしば御指摘がありました二億円よりは多くなるのではないか、こういうように推算いたしております。
  144. 中澤茂一

    ○中澤委員 大臣、これは私は行政上の怠慢だと思うのですよ。掛け金の増高というのは一番農民の利害に直結した大問題なんですよ。しかもいま申したように先取りをこういうふうに規定すると、農民がわからないうちに掛け金だけ上がったという印象を持つのですよ。それ以外に掛け金が事実上上がるのですよ。それは大臣さっき言ったように、この法律が生きている限りはくれますと言うからそれはいいといたしまして、その上がるというものに対して一つもどういうふうに上がるんだという資料が出てこないということは私はおかしいと思うのですよ。農民立場から、掛け金が上がるということは一番大きな関心であり、大問題である。それがいま言った全国推算で二億をちょっとこすのじゃないかという考え方、そしてこの前足鹿委員質問すれば、電子計算機にかけてことしの秋くらいまでかかるだろうなんて局長はしらばくれたことを言っておりますが、前回の農単のときちゃんと資料を出しておるのですよ。組合名まで出して、農単にした場合にはこれだけの組合が上がりますという資料を前回は出しておるのですよ。大体上がる率の説明まで前の坂村経済局長はぼくらにしたのですよ。それを局長は、法案の内容がたいして変わらないものを、この資料は秋までかかっても電子計算機でもなかなか出ないでしょうということは、私は行政の怠慢だと思うのです。当然これは組合別に、どこの組合はどのくらい上がるということをやってできなかったはずはないと思うのです。前回のときはこの資料が全部組合名まで出してあるのです。どこの県では何組合上がって、そしてパーセンテージはこの資料には書いてないが、大体この地帯はこのくらい上がるであろうという説明まであったのです。それが、一番重大な問題である掛け金の増高資料というものを、ただ抽出して若干資料に出しただけということは、これは行政の怠慢だと思うが、大臣は怠慢だと思わないのですか、部下は勤勉であると思いますか、いずれでしょう。
  145. 重政誠之

    ○重政国務大臣 これは統計資料のことでありまして、三十七年度の統計の調査ができなければ御要求のようなはっきりしたものはできないということを申しておるわけでありまして、これはひとつ御理解を賜わりたいと思うのであります。いずれにしましても、ふえた分は政府でまかなうという原則になっておりますので、しからば政府が幾ら幾らまかなうんだという計算ができれば非常にけっこうであると思うのですが、いまのような事務当局の事情でございますので、私は非常に怠慢であるとも考えておらないのです。ひとつあしからず御理解を賜わりたいと思います。
  146. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは大臣承知のように、三十九年水陸稲からの実施なんですよ。これは来年の通常国会で十分間に合うのです。国会が開かれたらすぐできる、二月ごろまでに通せば十分間に合うのですよ。だから一番重要な農民の関心の掛け金の増高の資料が出てこないというのは、そうあわてたことじゃないのですから、どんなものです、これはぜひやらなければまずいのですか、むしろ延ばしてもいいんじゃないですか。
  147. 重政誠之

    ○重政国務大臣 これは事務的の手続から申しましても、また今日までもう数回の国会で御審議をわずらわしておることでありますから、政治的にお考えいただいても、これはひとつ早急に成立をするように御尽力をいただきたいと思います。
  148. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは非常に重大な問題ですから、たとえ法案が通っても私は早急に作業を要求します。この法案が通ったあとでも、増高する組合名、どの組合は幾ら上がる、下がる組合はどういう組合で幾ら下がる、パーセントもはっきりしたものを一日も早く当委員会に——法律が通ったからもう知っちゃいないという態度は私は了承できない。一日も早くその資料をそろえて、秋の九月か十月の臨時国会になるだろうが、その冒頭必ず出すように、ひとつ大臣から厳命を局長に下しておいてもらいたい。必ず資料は出すというお約束をしていただきたい。
  149. 重政誠之

    ○重政国務大臣 御趣旨は十分了承いたしました。ただ、日限を切って、いまこの際お引き受けをするということは御遠慮いたしたいと思いますが、御趣旨は十分拝承いたしました。私もできるだけすみやかに資料を整えて御説明をいたしたい、こう考えております。
  150. 中澤茂一

    ○中澤委員 それから先ほどもちょっと触れた、やはり運営上将来問題になってくると思うのは、常襲でもない、無災害地帯でもない、中間地帯組合運営が私は問題になってくると思う。その場合、事実上不足金が出て、これを政府が債務保証をやるか、あるいは金融の道を開くかしなければならない段階が私はくると思うのです。その場合ですが、足鹿委員からも強く要請されたように、基金の中から組合へ対する債務保証なり融資という道はこの際開いておく必要があるのではないか。さもないと、不足金が出た場合、先ほどの九十二条の規定が動き出すのです。大臣の命令による削減規定の九十二条が動き出すのです。そうなると、ますます農民不満というものは爆発しますよ。だから、そういう九十二条の削減規定がある以上、その組合運営が融資上困難をきわめたときは、いまの連合会貸し出しのように基金から組合への債務保証貸し出しをやり得る道を開く御意思があるかどうか。
  151. 重政誠之

    ○重政国務大臣 これは中澤さんも十分御承知のことと思うのでありますが、統計資料を完備し、そして長い間の経験を積んでいきますれば、削減規定などというものは置かなくても済むのであります。しかしそれでもなお相互保険においてはこの規定は一応念のために置いておるようであります。でありますが、運用上そういうことなしに済んでおるようでありますが、まだ農業災害共済と銘打っておりますのは、これは保険理論のようなわけにはいかないからそういうことになっておることも御理解を賜わりたいと思うのであります。しかし、かといって、この削減の事態が、しかもこれが大幅な削減というようなことが起こりますと、この制度自体に対する農民不満も相当起こると思います。でありますから、そこらの辺をよほど考えなければならぬと思っておりますので、私といたしましては、そういうような大幅な削減とかなんとかいうことが起こらないように、いまお話しの基金からの融資であるとか、あるいは債務保証であるとか、何らかの方法を講ずる必要があるのではないかとも考えております。十分ひとつ、そこらの点は検討いたしたいと考えます。
  152. 中澤茂一

    ○中澤委員 それは運営していけば、必ず組合の融資措置なり何か考えないと運営が行き詰まる段階がくると思うから、それは今後の問題ですが、とにかく検討して、そういう方向へ何か融資の道を開いてもらいたい。組合、基金を結びつけることによって、事実上この削減規定、九十二条は死文になる。基金が債務保証をするということで金が借りれるならば、何も支払い削減をする必要はないのですから、できるだけこの九十二条を死文にするように、今後の政策面に道を御考慮を願いたいと思う。  それから先ほど来、政令の規定の中にも入れるという問題で、連合会保有を二割から五割、こういうふうに政令の規定の中でも考えておるようですが、二割から五割ということはどういうことでこれを考えたか、経済局長、明らかにしてください。
  153. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これは連合会に付保する割合はできるだけ少なくして末端責任を拡充したいという趣旨からいいまして、できるだけ二割程度くらいまでにしたいという一面の考え方、もう一つは、いまも問題になっておりました災害発生の態様によっては、組合によってはどうしても連合会に付保したほうがよろしい、しかもそういう組合は相当程度連合会に付保したほうが経営の安全性、また組合員に対する責任を全うする上からいって必要であるということから、二割ないし五割、こういう幅をもって定めたい、こう考えたわけでございます。そしてそれを何割にするかということは災害発生態様などをにらみ合わせまして組合ごとに決定いたしたいと考えておるのでございます。
  154. 中澤茂一

    ○中澤委員 答申案のように二段階制になれば全部保留になるわけですが、私は五割という保有率は発生態様によってもやはり問題だと思うのです。そうすると、答申案はちょうど二段階制に踏み切ったわけですね。ところが、二段階制でもなければ三段階制でもない、数字でいえば二・五段階制という形になっておるわけです。そうなると、一番問題になるのは、この保有率の問題です。五割という保有率は、通常災害責任を裏に持たせるからには、無事戻し制に金が出るのは、まず無災害地帯以外に出ないという判断をしておる。そうなってくると、この五割という考え方は非常に私は問題が出てくると思う。われわれもいろいろ党で検討いたしまして、いずれ足鹿君のほうから修正案が提案されますが、われわれの検討の数字では、やはり最高限度保有三割程度で切るべきではないか。さもないと、通常災害をまかなう部分の保有責任というものが五割ということになると、むしろその五割になった組合は、いま言った融資の道か何か開いてないと問題が出てくる。だから、その点について農林大臣どうでしょう、二割から五割というのはいま一度計数を検討さして、三割ぐらいまでで頭を押える必要があると思うが、大臣の御見解はどうでしょうか。
  155. 重政誠之

    ○重政国務大臣 現在のところではやはり二割ないし五割という考えでおるわけでございますが、もう一ぺんよく検討いたします。
  156. 中澤茂一

    ○中澤委員 その二割、五割というのは、局長そういう答弁をされているけれども、連合会の運営の問題とのからみ合いがあると思うのです。だから、連合会の運営面において重点を置くのか、ほんとう農民納得する形にこの制度を持っていこうとするのか、その基本的考え方はどっちなんですか。
  157. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 御指摘のように連合会の運営の問題もございます。しかし、一面において末端への通常部分の責任を拡充するという問題がございます。連合会の運営の問題でございますが、これはやはり連合会を使ってく、後も損害評価をやり、いろいろな運営をやってまいりますので、連合会を活用していくということの必要もあるわけでございます。しかし、それだからといって従来のように九割も上に上げるというようなことは、今回の改正の趣旨からいいましても望ましくございませんので、二割から五割の範囲内程度で——五割というのはそう多いことはないと思いますけれども、そういうことで運営してまいりたいと考えるわけでございます。
  158. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは運営面で非常に重大な支障が出てくる可能性があるから、いまのところはそういう考え方だというが、政令事項ですからいま一度再検討して、最高限度はなるべく切るべきである。そうして農民納得する形にこの制度を下におろすべきである、これがわれわれの考え方です。だから、連合会の運営という面にあまり重点をとられると、ここから問題が発生する危険があると私は判断しておる。ですからそういう点についてはいま一度再検討してもらいたい。  皆さんだいぶお待ちかねでありますから、なるべく早く切り上げますが、重点だけ一、二点質疑をしておきます。  次に職員身分の問題ですが、これはこのごろ長野県へ皆さんの御足労をわずらわして実態調査をやりましたが、組合職員と公営すなわち市町村移譲したのとは大体三千円くらいの給与差があるわけです。同じ国の災害補償制度運営をしておる職員が、片方は三千円も高くて片方は三千円も安いというのでは、どうしても前線で努力しておる職員の皆さまは納得できないと私は思うのです。事実そういう意見も若干職員諸君の中からは出ました。これについては事務費全額国庫負担について午前中栗林君がだいぶ秋田県の実例をあげて質問いたしましたが、至急何か是正の方法考える必要があるのじゃないか。同じ国の制度運営をやって前線で苦労しておって、片方の組合のほうは三千円も安い、市町村移管のほうは三千円も高いということは、私はどう考えても不平等だと思うのです。その点大臣、何とか是正するという考え方をお持ちですか。
  159. 重政誠之

    ○重政国務大臣 この待遇改善の問題は御承知のとおり三十六年、三十七年、それから三十八年度と年々あるいは俸給を上げるとか今年度はまた期末手当の支給をするとかいうようなことによりまして、漸次待遇の改善をはかってまいっておりますが、まだ御指摘のとおり十分でございません。引き続きまして待遇の改善努力をいたすつもりでおります。
  160. 中澤茂一

    ○中澤委員 これは大臣考えても不平等だと思うのであります。同じ国の制度運営者ですからね。そこで一つ具体的な例を私申し上げておきますが、実は私のやっておる仕事で馬を五頭ばかり飼っておるのです。これは飼養馬ですが、そこへ獣医さんが来まして馬を保険へ入れろと言うのです。あまり一生懸命言うもんで、なぜ君そんなに保険へ入れなければいかぬのだと言うと、たとえば月のうち十日なり十五日連合会からきたノルマというものを完遂しなければ実は自分の給与がもらえないのだ、賞与がもらえないのだ。だからどうしても任意共済保険勧誘を一生一懸命にやらないともらえないのだというところに、私は給与問題をもっと重視しなければいかぬ点があると思う。ただ月並みに今後漸次改善していくということじゃなくて——本業の災害補償法の運営をやっておる獣医が月のうち五日なり十日なりを賞与をもらうために一生懸命で加入の勧告、宣伝をして歩かなければいかぬということは、私はどう見ても邪道だと思うのです。そういう一つの実例から私が考えた場合、これはやはり公務員並みに至急に給与を是正する必要があると思う。組合職員も公務員並みに給与をぐっと引き上げてやる必要がある。これについてはじきに八月から予算編成の段階に入る。もちろん大臣は七月に留任されるでしょうが、八月からの予算編成の過程において公務員並みに上げるよう強硬に大蔵省と折衝する親心がおありかどうか、これをお尋ねしておきます。
  161. 重政誠之

    ○重政国務大臣 もちろん三十九年度予算におきましては、引き続き待遇改善について大いに努力いたします。
  162. 中澤茂一

    ○中澤委員 何かたよりのない返事ですが、まあ一応努力するということですから、せいぜい努力をしてもらわなければならぬし、実際こういう不平等のあるところにもこの制度に問題があるのです。  その次にお尋ねしておきたいのは、これは基本的な考え方の問題ですが、われわれはやはり公営化というものを促進すべきである、公営化方向にこれをどんどん進めていくべきである、そういうふうに考えるのですが、大臣はどういうふうに考えるでしょうか。いまのチャンポン制度ですね、補償共済保険と三つの理論がごっちゃになった、こんな筋の通らない制度というものは、これは日本農業の零細性の実態からきているのだからあながち無理なことは申されませんが、これはやはり公営化の方向へぐんぐんと進めていく必要があると私は考えるのです。どうでしょうか、今後の方針として。
  163. 重政誠之

    ○重政国務大臣 共済制度というものはやはり農家が自主的にやっていくのがいいのじゃないか、中澤さんの御意見のようにこれを公営化するということになりますと、そういう方針で全面的に公営化ということになりますと、私は精神はもちろんのこと、たとえば掛け金のごときものでも、これは税金と同じようになるとかいうようなことでだいぶ性質が変わってくるのじゃないかというふうに思っておるのです。でありますから、その問題は非常に重要な問題でございますので、もちろんこれは十分に検討する価値のある問題であると考えますが、現在のところは前段申し上げたようなつもりでこれは運営をしていくのが適当であろう、こういうふうに考えております。
  164. 中澤茂一

    ○中澤委員 いま一つ、この制度とからみ合わして今後運営上問題になるから考慮しなければならぬ問題を申し上げておきますがこれはやはり政策的に金融制度と密着させる必要があると思う。たとえば三十一日に、突然来た埼玉、群馬のひょう害調査をやるのですが、ああいう場合一定の被害率をこえて異常災害で国が全額負担して給付してやる地帯は、いまの災害救助の融資制度をその場合はもはや無条件・に、激甚地災害指定を受けずにやるのだという、こういうふうな連係、この制度だけで農民を満足させるのじゃなくして総合的な金融制度運営の中で農民に安心を与えていく。たとえば今度のひょう害の場合、もしこれが直ちに激甚地災害指定を受けなくても、低金利の金が災害融資によってばっといくのだということになれば、農民はこっちには不満があるが、なるほどこれはいいじゃないか。困ったときすぐほしいのは資金です。その資金が自動的にさっと入ってくるということになれば、そちらのほうで満足を感じているわけです。だから金融制度、特に災害関係金融制度とこの制度を密着させていくことが農民不満を解決する方途である、このように私は考えるが、それに対して大臣は今後お考えになるに値する案とお考えかどうか。値するとすれば至急検討する必要があると考えます。
  165. 重政誠之

    ○重政国務大臣 理想的に申しますれば中澤さんの御意見のとおりであろうと思うのです。金融の方面からも救済するということは必要であろうと考えます。しかし、それはどういうふうに関係をさしていくかということ、これは十分に考えなければならぬ問題だと思うのであります。金利の問題なんかのこともございましょうし、また資金量の問題もあることでございましょう。この共済制度はあくまでも農家が自主的に相互に共済をやるというところに非常な意味があるわけであります。金融という問題になりますと、どうしても政府政府の資金を出していくということになるわけでありますから、そこら辺のかね合いはよほどよく考えなければならぬと思っております。いずれにしましてもそれは重要な問題であろうと考えます。
  166. 中澤茂一

    ○中澤委員 では最後に申し上げておきますが、本法が通過しても決して農民の不安は解消しない、これは私は断言していいと思うのです。しかもいま申し上げた重要な諸点だけを拾い上げてみましても、これは決して農民不満が解消する法律ではない、私はこのように判断します。ただ、一歩前進した形は認めます。  そこで、これは次の段階の問題であるが、私は、どうしてもこの制度の抜本改正をいま一度再検討する必要がある。もちろんいま大臣にそれをやれと言っても無理かもしれませんが、この制度を実施しても必ず農民不安というものは解消しない。それは、参考人の中には保険需要がないんだというおことばで表明されていた方がありましたが、保険需要があるなしにかかわらず、制度そのものに欠陥がある。大臣は、いま御答弁で、これは共済制度だから、農民の助け合いだ。共済制度ならこれは純然たる共済制度で割り切ってしまえばいいと思うのです。ところがそうじゃない。共済制度が根底にあるわけです。その上国の補償制度がくっついているわけです。その中に保険理論がまぎれ込んでいるのです。そういうふうに全く共済保険補償と三つがごっちゃになっているところにこの制度に対する農民不満の大きな根源があると私は思う。だから共済制度に割り切るか、保険制度に割り切るか、保険制度に割り切れば全部任意制にする。かけたい農民はかけて農単にして十分な補償をもらう、そのアメリカのような保険制度に割り切るか、さもなければ純然たる助け合い運動に割り切ってしまうか、さもなければわれわれの主張するように、農民に対する一つの社会保障制度という考え方で割り切るか、この三つの割り切り方がある。私はさっき公営化を推進したらどうだと言うのは、これは少なくとも農民に対する唯一の社会保障的考え方をわれわれ社会党としては持っているわけです。だからわれわれはむしろ社会保障制度的な考え方で、公営化からだんだんそういう方向へこの制度を前進させていくことが、いろいろな面からも農民に対して満足を与える方向ではないか、将来の改正方向としては。だからこれに対して大臣はどういうふうに将来の方向としてお考えになっているか、この一点をお聞きしておきます。
  167. 重政誠之

    ○重政国務大臣 私は、現状において、また日本農業の特性から見まして、中澤さんのようにはっきり割り切ったがいいとは考えないのです。いまのような、中津さんはチャンポンと言われますが、これが実態に合ったものではないか、こういうふうに考えております。
  168. 中澤茂一

    ○中澤委員 大臣、それはそういうチャンポン制度だからいけないんですよ。だから大臣としては政策の方向として保険理論に割り切るのか、保険理論に割り切るなら割り切るでこれはいいのですよ。これはアメリカのような保険制度にすれば、いやなものは全然かけなくてもいいし、かけるものは思い切りかけて、保険理論に割り切るなら果樹共済の問題でも家畜共済の問題でも、これは割り切り方があると思うのです。  そこで、最後に、保険理論に割り切るという方向にいくとすれば食糧管理法の問題、これは直接関連はないと言えばないようですが、要するに食糧管理法の問題がこれにからんでくる。だからもし食糧管理法を改正して、米が自由化の方向に歩むという政策的な方向は大体政府は決定しておるのでしょう。そうすれば、これは当然それと付随して保険理論に切りかえていくというのが私は理論としては本筋だと思う。事のよしあしは別ですよ。だからその辺において、要するにいまの食管制度とこの制度とからみ合っているから、いま言うチャンポン制度がいいだろう、大臣はこうおっしゃるのでしょう。しかし米の自由化という方向が出てごらんなさい。この制度をどうにかしなければどうにもならなくなってしまう。この制度自体が行き詰ってしまう、米の自由化が出てくれば。だからそういう点において農民の助け合い運動なんだ、共済なんだというならば、私は共済理論での割り切り方があると思う。だからいまの段階大臣と私が何時間、一日議論をやったってこれは平行線ですよ。だから平行線を追おうとは思いません。だからこれは将来たとえば重政農林大臣大臣をやめても、やはりこの問題は大臣が若いころ手がけた問題である。やはりこれは日本の農政の一つの大きな柱なんですよ。だからこれに対しては将来どういう方向へ持っていくという政策的な方向というものは、今から考えても私は決して早過ぎるという問題じゃないと思う。この制度は決してこの法律が通って農民が満足する制度でないから、次の改正段階をいまから考えなければならぬのであるということを私は警告を申し上げまして、一応質問を終わることにいたします。
  169. 長谷川四郎

    長谷川委員長 これにて本案に対する質疑は終局をいたしました。
  170. 長谷川四郎

    長谷川委員長 この際、足鹿覺君ほか十一名より、本案に対する修正案が提出されております。
  171. 長谷川四郎

    長谷川委員長 趣旨説明を求めます。足鹿覺君。
  172. 足鹿覺

    ○足鹿委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、修正案の趣旨を説明いたします。  お手元に修正案並びに修正案要綱をお配りいたしておりますので、ごらんをいただきたいと思いますが、最初に修正案要綱によりまして修正の要旨をまとめて申し上げておきたいと思います。あとの修正案は非常に広範にわたっておりますし、わかりにくい点がありますので、この際明らかにして、われわれの意思を記録にも明確にとどめておきたいと思うのであります。  第一は、共済事業の一部廃止についてであります。これは法律関係でいえば、共済事業の実施と共済関係の成立についての条項でありますが、その一点は、「農業共済組合又は市町村(以下「組合等」という。)は、共済目的ごとにその共済目的について現に共済関係が成立している組合員の三分の二以上の同点がある場合には、その共済事業を廃止することができるものとすること。」にしておるのであります。  第二点は、「組合等は、共済事業を廃止した場合において、その共済目的である農作物を一定規模以上耕作している農業者の三分の二以上の同意により、その共済目的について、新たに共済事業を実施することができるものとすること。」としておるのであります。つまり現行の四十六条及び二十六条関係において法律に解散規定があるにもかかわりませず、都道府県知事の行政権によってこれを事実上はばむような政府の通牒等と相まちまして、解散条項は空文化いたしておることは申すまでもありません。われわれは好んでこの解散の促進をしたり、あるいは無責任な解放論を持つものではなく、一応この制度を、農民の意思に密着し、農民ほんとうによく考えて、自分の判断に基づいて共済事業を目的ごとに解散あるいは事業休止等をすることが妥当だと思った場合には、三分の二以上の同意によってその共済事業を廃止する、また考え直して一定規模以上の耕作をしておる人々が三分の二以上の回想を得た場合には、共済事業を開始し、そしてまたこれを義務化していくという点をここに明らかにしておるのでありまして、私どもの真意もよく御理解願えるのではないかと思うのであります。  第二は、組合等の共済責任の拡大についてであります。これは法律条項からいきますならば、共済責任保険責任とについてでありますが、その修正の第一点は、「組合等は、共済責任のうち通常災害被害率に対応する部分は、原則として手持ち責任とし、事情により三割の範囲内で都道府県連合会に付保することができるものとすること。」ということにしておるのであります。政府原案によりますと、これは政、省令によって二割から五割の範囲内において連合会に付保することにするようでありますが、これでは、末端組合自主性を与えまた低被害地において積み立て金から無事戻しあるいは防除事業等を行なうといたしましても、事実上その実態が伴なわない運営に堕する危険が多分に指摘されるからであります。  第二点は、「組合等は、その支払不足額につき、農業共済基金より融資又は債務保証等を受けることができるものとすること。」これは質疑の中でも明らかにいたしておりますように、現在の農業共済基金は都道府県連合会の不足金について一銭一厘という低利でもって融資することになっておりますが、これは基金自体にも問題はあります。たとえば事務費等の融資の道が開かれておらないという現在の連合会側からいいましても不満のあるところであり、われわれは常に指摘しておるところでありますが、今回末端責任を食わせる場合には支払い不足金が出る場合が予想されます。これを普通の融資ではまかない切れませんし、そのことは間接的に農民負担を増高する結果に相なるのでありまして、ここに農業共済基金より融資または債務保証を行なって、この末端組合の通常責任部分の支払い等の運営に支障なきようにするためであります。  第三の修正事項につきましては農家負担の軽減についてであります。これは法律的にいえば共済掛け金とその国庫負担についてでありますが、その第一点は、「改正により農家の掛金負担が現在より増加することのないようにするため、農家の掛金負担増に見合う金額を必ず国が補てんしなければならないようにすること。」であります。今次改正案によりますと、組合あるいは市町村営別の被害率を、最近時の三十七年度からさかのぼって二十二年のものまでの間を被害率を出し、それに基づいて掛け金率を組合別等に従って定めることに考えておるようでありますが、それはまだどのような形になるのか資料の提出を見ておりません。したがってその実態を見てからでもわれわれはおそくないと思うのでありまして、この点は先ほど中澤委員指摘されたとおりであります。三十九年度の実施でありますから、ほんとう政府が誠意を持って事態に当たろうといたしますならば、それぐらいの努力は、むずかしいかもしれませんが全力をおあげになって、この審議に備えられることが妥当であるとわれわれは考えます。特にこの点を重視いたしております。その場合、掛け金率が増加する組合等が相当出てくるとわれわれは見込んでおるのでありまして、これに対応しまして全額国庫負担として、現在よりも農民負担が増高せないように明文化をして事態処理をしようというところに主たる修正点を置いておるわけであります。  第二点は、「農家組合等に対する賦課金の重圧を除くため、組合等の事務費及び人件費等に要する経費の実額についてその全額を国が負担すること。」つまり実額であります。最近のベースアップ等の実情に合致しない補助率が現在適用されております。先般長野県へ参りました際におきましても、町村におきましてすら百数十万円ずつも毎年毎年支出をしてまかなっておるという実情にあることは先般の調査によっても明らかであります。したがいまして、自治省の基準財政需要額に、不足額を町村が支出した場合においては、これを算定し、市町村段階に地方交付金の交付を通じて、市町村財政が逼迫しておる今日でありますからその財政負担を軽減し、あわせて農民負担の増高を避けることが必要である。こういう措置等についても当然講ずべきであるにもかかわらず、今日まで政府はこの対策を怠っておるということはまことに遺憾にわれわれは考えておるからであります。  その次に印刷物の第五でありますが、無事戻し制の強化についてであります。「組合等は、無事戻しに充てるため、一定の準備金の積み立てをしなければならないものとすること。」今回の改正は、低被害地における無事戻しに対する農民の熾烈な要求にこたえての制度改正であったはずであります。それを本法に記載せずして組合等に剰余金を生じた場合は一定の不足企てん補の準備金として積み立てるという規定にとどめて具体的な内容を政、省令にゆだねておるということは、妥当を欠くものとわれわれは考えざるを得ません。したがって本法に無事戻しの条項を明らかにし、低被害地帯における農民の要望に沿うことが必要である、かように考えたためであります。  その次には第六の(二)でありますが、「組合に参事及び会計主任を置くことができるものとすること。」つまり職員の待遇改善について、あわせてこの問題を提起しておるわけであります。制度の健全な運営をはかり、いやしくも不法不当の運営等がなされないように、また事故を未然に防止していかなければならない、従来の制度そのものの欠陥、運営のまずさということは、これはお互いに認めておるところであります。問題は、有為な人材がこの事業からだんだん逃げていく、この制度に見切りをつけて去っていくということは、まことに嘆かわしい実態でありまして、人材を得ずしてこの制度の健全な運営を求めることはまことに困難といわねばなりません。いわんや通常災害部分について末端責任を負わせるということになりまするならば、いよいよ組合運営の不当不法な運営を避けていかなければなりません。そのためにも、実情に即するべく、また行政区別に組合が合併をし大地域にわたってまいっております実情において、地方においては参事あるいはこれに該当する制度で実際に運営しておるにもかかわらず政府はこれに目をつむっておるということにつきましてはわれわれは遺憾に存ずるのでありまして、この際これに参事及び会計主任等を置いて人材をこの制度に求め、そして健全な運営に資することが必要と認めたからでございます。  なおこれに関連をいたしまして、あとで同僚委員から附帯決議が出ることになっておりますが、一応修正案と一体的な関係になっておりますので、ざっと附帯条項等についても、この際、この修正案要綱に盛り得なかったが、しかし運営を通じてその趣旨が生かされるであろうと思われる事項等について申し上げておきます。  総合されたものはあとで附帯決議で提案をし御説明を申し上げる予定をしておりますが、それは第二の旬であります。「組合等は、共済金額を削減することができないものとすること。」要するに削減払いが行なわれておることに対して、農民不満が高まっておるのでありまして、これに備える点であります。  その次が第四の基準収量と損害評価における自主性の尊重についてであります。「(一) 基準収量については、組合等が自主的に決定することができるようにすること。」「(二) 損害評価については、現地調査に重点をおき、その適正化を図り組合等の損害評価会の意見を尊重するものとすること。」これは申し上げるまでもなく、実収量と基準収量の開きがあまりにも大きかった。政府の説明によっても、最近基準収量と実収量は接近をしてきておると資料にもいい、この委員会の質疑においても政府の見解を明らかにしておるところであります。しかりとするならば、組合自主性によって基準収量を農民のあるいは組織したその組合等の自主性によってきめさせ、それによって評価せしめていくことが、みずからの責任を自覚せしめ、ひいてはこのことが制度自体の民主的運営ともなり、また農民の意思の反映になり、ひいては不満を解消していく基本の問題であるからであります。しかしながら、実情これを法制的に見ました場合におきましては、なかなか大きな問題でありまして、運営の全きを得て初めてこれらは解決される問題でありまするので、いたずらに修正案等にとらわれることなく、この条項を起こしてわれわれは政府の反省を求めておるところでございます。  その次は第六の職員の待遇改善等についてでありますが、「(一)職員の待遇については、地方公務員と同等に引上げるよう措置すること。」特にこの組合の事務所の所在地が市町村役場の中にあり、公営化された場合はもちろんでありますが、そういう実情において、同じところで机を並べ、同じように仕事をしておりながら、二〇%も待遇が下回っておるというようなことは矛盾もはなはだしいのでありまして、これらはベースを地方公務員並みに引き上げることが当然であります。これは法律にまつまでもなく当然政府としてはなすべきことでありまして、それを指摘しておる次第であります。  第七の今後緊急に措置する事項についてでありますが、「(一) 農業の新情勢に即応し、共済制度を拡充すること。」「(イ) 果樹共済」 「(ロ) 家畜共済(病傷部分に対する掛金園庭負担を含む)」「(ハ) 主要畑作物共済」 「(二) 公営化を促進すること。」「(三) 今後の抜本的改正に備え法律に基づく審議会を設置すること。」  第八 その他の事項について 「(一)任意共済専業に対する国及び都道府県等の検査等を厳重に行なうようにすること。」「(二) 金融制度等他の制度と総合的な運用を図ること。」「(三) 制度改正後の予算については、大巾に拡充すること。」「(四) 病虫害防除体制を更に拡充するとともに助成措置を講ずること。」これはいまさら言わずして明らかでありますので省略をいたします。  以上の修正案並びに修正案に関連し、修正案文化はいたしてはおりませんが、運営上等によって解決がつき得る諸点をここに要綱として提出しておりますので、その理解の上に立って各位の御認識を賜わり、御賛成をいただきたいと思う次第であります。  それでは、ちょっと長文にわたりますが、農業災害補償法の一部を改正する法律に対する修正案の案文を朗読いたします。   農業災害補償法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第十二条の改正規定の前に次のように加える。   第二条中「及び政府の行う」を「並びに政府の行なう保険事業及び」に改める。   第十三条の改正規定を次のように改める。   第十三条第一項中「前条第一項」の下に「又は第三項」を加え、「農業共済組合又は第八十五条の六第一項の共済事業を行う市町村(以下「組合等」と総称する。)」を「組合等」に改め、「共済掛金の一部に充てるため」、の下に「政令の定めるところにより」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に、「交付金は」を「交付金のうち前条第三項の規定による負担金に係るものについては」に、「一部」を「全部若しくは一部」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。    前項の規定により組合等に交付すべき交付金のうち前条第一項の規定による負担金に係るものについては、組合等に交付するのに代えて、当該組合等が政府に支払うべき保険料の全部又は一部に充てて、農業共済保険特別会計の保険料収入にこれを計上することができる。    第十三条の三の改正規定中『「第十二条第二項」を「第十二条第五項」』を『第十二条第二項及び第十三条」を「第十二条第五項並びに第十三条第一項及び第三項」』に改める。    第十四条の次に一条を加える改正規定中「第十四条の次」を『第十四条中「事務費」を「事務費の全部」に改め、同条の次』に改める。    第三十一条の改正規定の次に次のように加える。    第四十二条の次に次の二条を加える。  第四十二条の二 農業共済組合は、参事及び会計主任を選任し、その主たる事務所又は従たる事務所において、その業務を行なわせることができる。    参事及び会計主任の選任及び解任は、理事の過半数によりこれを決する。    参事には、商法第三十八条第一項及び第三項、第三十九条、第四十一条並びに第四十二条の規定を準用する。  第四十二条の三 組合員は、総組合員の十分の一以上の同意を得て、理事に対し、参事又は会計主任の解任を請求することができる。    前項の規定による請求は、解任の理由を記載した書面を理事に提出してこれをしなければならない。    第一項の規定による請求があったときは、理事は、当該参事又は会計主任の解任の可否を決しなければならない。    理事は、前項の可否を決する日から七日前までに、当該参事又は会計主任に対し、第二項の書面を送付し、かつ、弁明する機会を与えなければならない。   第五十一条の改正規定の次に次のように加える。   第六十二条の次に次の一条を加える。   第六十二条の二 農業共済組合が参事を選任したときは、二週間以内に、これを置いた事務所の所在地において、参事の氏名及び住所、参事を置いた事務所並びに数人の参事が共同して代理権を行なうべきことを定めたときはその旨を登記しなければならない。その登記した事項の変更及び参事の代理権の消滅についても同様である。   第七十七条中「及び第百五十四条乃至第百五十七条」を「、第百五十四条乃至第百五十七条及び第百七十二条乃至第百七十四条」に改める。   第八十五条第一項の次に十項を加える改正規定中「当該農業共済組合組合員の営む当該種類についての耕作又は養蚕の業務の総体としての規模が主務大臣の定める基準に達しないことその他当該種類を共済目的の種類としないことについて政令で定める相当の事由があるときは」を「当該農業共済組合組合員で当該種類について耕作又は養蚕の業務を営むものの三分の二以上の同意があるときは」に、「必要があるときは、その共済目的の種類としていない農作物又は蚕繭を」を「その共済目的の種類としていない農作物又は上蚕繭につきその営む耕作又は養蚕の業務の規模が第十六条第一項但書の規定により都道府県知事の定める基準に達している当該農業共済組合の第一号加入資格者又は第二号加入資格者の三分の二以上の同意を得て、当該農作物又は蚕繭を」に改める。   第八十五条の七の改正規定中「同条第四項中」を『「当該農業共済組合の第一号加入資格者又は第二号加入資格者」とあるのは「当該市町村の共済事業の実施区域内に住所を有する者」と、同条第四項中』に改める。   第八十八条の改正規定の次に次のように加える。   第九十一条中「額は、当該組合等が農業共済組合連合会から支払を受けた保険金の額」を「金額は、農作物共済にあっては、当該組合等が政府から支払を受けた保険金の金額(当該組合等が農業共済組合連合会からも保険金の支払を受けたときは、その保険金の金額と政府から支払を受けた保険金の金額との合計金額)、蚕繭共済、家畜共済及び任意共済にあっては、当該組合等が農業共済組合連合会から支払を受けた保険の金額」に改める。   第百一条に次の一項を加える。    組合等は、前項の準備金を積み立ててなお剰余があるときは、次条の規定による払戻に充てるため、命令の定めるところにより、準備金を積み立てなければならない。   第百二十一条の改正規定を次のように改める。   第百二十一条第一項中「第八十三条第一項第一号乃至」を「第八十三条第一項第二号及び」に、「保険することを目的とする。」を「保険する事業を行なう。」に改め、同条第二項を次のように改める。   農業共済組合連合会は、前項に規定する事業のほか、左の事業を行なうことができる。  一 組合員たる組合等が第八十三条第一項第一号に掲げる共済事業によってその組合員等に対して負う共済責任を相互に保険する事業  二 組合員たる農業共済組合が第八十三条第一項第四号に掲げる共済事業によってその組合員に対して負う共済責任を相互に保険する事業   第百二十二条の改正規定を次のように改める。   第百二十二条中「その組合員又は農作物共済資格者」を「、その組合員又はその市町村の共済事業の実施区域内に住所を有する第十五条第一項第二号に掲げる者」に、「共済関係が成立したときは、これに因って」を「蚕繭共済、家畜共済又は任意共済共済関係が存するときは、」に、「保険関係が成立する」を「当該共済関係につき前条第一項又は第二項第二号の保険事業の保険関係が存する」に改め、同条に次の五項を加える。   前条第二項第一号の保険事業を行なう農業共済組合連合会の組合員たる組合等は、当該農業共済組合連合会に対し、農作物共済共済目的の種類たる農作物ごとに、当該組合等とその組合員又は当該市町村の共済事業の実施区域内に住所を有する第十五条第一項第一号に掲げる者(以下農作物共済関係組合員等という。)との間に存する農作物共済共済関係に係る共済責任を一体としてこれにつき、当該保険事業の保険関係を成立させたい旨の申出をすることができる。   前項の申出があったときは、農業共済組合連合会がその申出を受理した日から起算して十日を経過した時以後においては、その申出に係る共済目的の種類たる農作物について当該組合等と農作物共済関係組合員等との間に存する農作物共済共済関係(その時以後に成立した農作物共済共済関係を含む。)に係る共済責任を一体としてこれにつき、当該農業共済組合連合会と当該組合等との間に前条第二項第一号の保険事業の保険関係が存するものとする。但し、農業共済組合連合会がその申出を受理した日から起算して十日以内に、正当な理由によりこれを拒んだときは、この限りでない。   第二項の申出は、農作物共済共済目的の種類ごとに、その種類に係る共済責任期間中に前項の規定によりその申出に係る保険関係が成立することとならないようにしなければならない。   組合等は、第二項の申出をするには、あらかじめ、農業共済組合にあっては総会の、共済事業を行なう市町村にあっては議会の議決を経なければならない。   前項の総会の議決には、第四十三条第二項の規定を準用する。   第百二十二条の次に次の一条を加える。  第百二十二条の二 前条第三項の規定により農作物共済目的の種類たる農作物ごとに農作物共済共済関係に係る共済責任を一体としてこれにつき農業共済組合連合会との間に第百二十一条第二項第一号の保険事業の保険関係の存する組合等は、当該農業共済組合連合会に対し、当該農作物ごとに、その農作物に係る共済責任期間の始まる前までに、当該保険関係の消滅の申出をすることができる。    前項の申出があったときは、農業共済組合連合会がその申出を受理した時に、その申出に係る保険関係は、消滅するものとする。    第一項の場合には、前条第五項及び第六項の規定を準用する。   第百二十三条第一項第一号の改正規定を次のように改める。   一 農作物共済に係るもにあっては、共済目的の種類たる農作物ごと及びその組合員たる組合等ごとに、総共済金額に農作物通常標準被害率を乗じ、これにさらに百分の三十を超えない範囲内において当該農業共済組合連合会と当該組合等とが協議して定める割合(以下通常責任保険歩合という。)を乗じて得た金額    第百二十四条第一項の改正規定を次のように改める。    農業共済組合連合会の農作物共済に係る保険料は、農作物共済共済目的の種類たる農作物ごと及び組合等ごとに、共済掛金第八十五条第四項(第八十五条の七において準用する場合を含む。)の規定により水稲につき病虫害を共済事故としない組合等が水稲につき支払うべき保険料については、第八十六条第二項の規定による減額後の共済掛金)の合計金額から、当該共済責任政府保険に付される場合の第百三十六条第一項の規定による保険料の金額に相当する金額を差し引いて得た金額に、通常責任保険歩合を乗じて得た金額に相当する金額とする。   第百二十五条第一項第一号の改正規定を次のように改める。   一 農作物共済に係るものにあっては、共済目的の種類たる農作物ごと及び組合員たる組合等ごとに、総支払共済金の金額が通常責任共済金額(総共済金額に農作物通常標準被害率を乗じて得た金額をいう。以下同じ。)以下である場合にあっては総支払共済金の金額に通常責任保険歩合を乗じて得た金額、総支払共済金の金額が通常責任共済金額をこえる場合にあっては通常責任共済金額に通常責任保険歩合を乗じて得た金額   第百三十二条の二の改正規定の次に次のように加える。   第五章の章名を次のように改める。     第五章 政府保険事業及び再保険事業   第百三十三条中「農作物共済、」を削り、同条に第一項として次の一項を加える。    政府は、組合等が農作物共済によつてその組合員等に対して負う共済責任保険するものとする。第百三十四条の改正規定を次のように改める。   第百三十四条中「前条の保険関係が成立したときは、これに因って」を「家畜共済に係る保険事業の保険関係が存するときは、」に、「再保険関係が成立する」を「当該保険関係につき当該保険事業に係る再保険事業の再保険関係が存する」に改め、同条に第一項及び第二項として次の二項を加える。    組合等とその農作物共済関係組合員等との間に農作物共済共済関係が存するときは、農作物共済共済目的の種類たる農作物ごとに、政府と当該組合等との間に、当該共済関係に係る共済責任を一体としてこれにつき保険関係が存するものとする。    農業共済組合連合会とその組合員との間に蚕繭共済に係る保険事業の保険関係が存するときは、蚕繭共済共済目的の種類たる蚕繭ごとに、政府と当該農業共済組合連合会との間に、当該保険関係に係る保険責任を一体としてこれにつき再保険関係が存するものとする。   第百三十五条の改正規定を次のように改める。   第百三十五条第一号中「農作物共済及び蚕繭共済」を「蚕繭共済に係るもの」に、「種類ごとに当該共済目的に係る総保険金額のうち、その」を「種類たる蚕繭ごと及び農業共済組合連合会ごとに、その総保険金額から、」に、「通常標準被害率」を「蚕繭通常標準被害率」に、「額を超える部分の金額」を「金額を差し引いて得た金額」に改め、同条第二号中「家畜共済」を「家畜共済に係るもの」に、「定める率」を「定める割合」に改め、同条に第一項として次の一項を加える。    政府保険金額は、農作物共済共済目的の種類たる農作物ごと及び組合等ごとに、その共済金額から通常責任共済金額を差し引いて得た金額とする。第百三十六条の改正規定を次のように改める。   第百三十六条を次のように改める。  第百三十六条 政府農作物共済に係る保険料は、農作物共済共済目的の種類たる農作物ごと及び組合等ごとに、その総共済金額に農作物異常共済掛金基準率(第八十五条弟四項(第八十五条の七において準用する場合を含む。)の規定により水稲につき病虫害を共済事故としない組合等が水稲につき支払うべき保険料については、農作物異常共済掛金基準率から、その率に病虫害に対応する部分の割合として主務大臣が定める割合を乗じて得た率を差し引いて得た率)を乗じて得た金額、に相当する金額とする。    政府蚕繭共済に係る再保険料は、蚕繭共済共済目的の種類たる蚕繭ごと及び農業共済組合連合会ごとに、その総保険金額に、蚕繭異常共済掛金標準率と蚕繭超異常共済掛金標準率とを合計した率を乗じて得た金額に相当する金額とする。    政府の家畜共済に係る再保険料率は、農業共済組合連合会の家畜共済に係る保険料率と同率とする。   第百三十七条の改正規定を次のように改める。   第百三十七条第一号中「農作物丘済及び蚕繭共済」を「蚕繭共済に係るもの」に、「種類ごとに、当該共済目的に係る総支払保険金のうち、当該共済目的に係る」を「種類たる蚕繭ごと及び農業共済組合連合会ごとに、その総支払保険金の金額から、当該蚕繭に係る」に、「通常標準被害率」を「蚕繭通常標準被害率」に、「額を超える部分の金額」を「金額を差し引いて得た金額」に改め、同条に第一項として次の一項を加える。   政府の支払うべき保険金は、農作物共済共済目的の種類たる農作物ごと及び組合等ごとに、その総支払共済金の金額から、当該農作物に係る通常責任共済金額を差し引いて得た金額とする。   第百三十八条の改正規定を次のように改める。  第百三十八条第一項中「再保険関係が成立したときは、」を削り、「再保険関係に関する事項を主務大臣に」を「主務大臣に対し、当該農業共済組合連合会とその組合員との間に存する保険関係に関し必要な事項を」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、「生じたときは、」の下に「組合等又は」を加え、同条に第一項として次の一項を加える。    組合等は、命令の定めるところにより、主務大臣に対し、当該組合等とその組合員等との間に存する共済関係に関し必要な事項を通知しなければならない。   第百三十九条中「農業共済組合連合会は、保険金」を「組合等又は農業共済組合連合会は、農作物共済共済金又は蚕繭共済若しくは家畜共済に係る保険事業の保険金」に改める。   第百四十条中「再保険金」を「保険金又は再保険金」に、「農業共済組合連合会」を「組合等又は農業共済組合連合会」に、「定款」を「定款等」に、「保険金」を「農作物共済共済金又は蚕繭共済若しくは家畜共済に係る保険事業の保険金」に、「再保険料」を「保険料又は再保険料」に改める。   第百四十一条第一項中「農業共済組合連合会が再保険」を「組合等又は農業共済組合連合会が保険又は再保険」に改める。   第百四十二条中「再保険事業」を「保険事業及び再保険事業」に、「第八十七条の二第六項及び」を「第八十七条の二第一項、第六項及び第七項、」に改め、「第六百四十六条」の下に「、第六百四十九条」を加え、「再保険料の納入の督促」と」を保険料又は再保険料の納入の督促」と、「第八十七条の二第七項中「定款の」とあるのは「省令の」と、「定款で」とあるのは「主務大臣が」と」に改めるし   第百四十五条の次に一条を加える改正規定中「第百二十一条第二項」を「第百二十一条第二項第二号」に改める。   附則第一条ただし書中「第九条」を「第十条」に、「第十一条」を「第十三条」に改める。   附則第二条中「及び第百三十四条・から第百三十七条まで」を「、第百三一十四条から第百三十八条まで及び第一百四十条」に改める。   附則第三条中「第百二十二条から第百二十五条まで」を「第九十一条、第一百二十二条から第百二十五条まで、第百三十三条及び第百三十九条」に改める。  附則第十二条中農業共済基金法第四十七条の改正規定の前に次のように加え、附則第十二条を附則第十五条とする。  第一条中「農業共済組合連合会」を「農業共済組合連合公等」に、「保険金」を「保険金等」に改める。  第三十三条第一号及び第二号中「保険金の支払に関して会員」を「保険金又は川作物共済に係る共済金の支払に関して会員又は連合会の会員」に改める。  第三十六条第一項中「「会員」を「会員又は連合会の会員」に、「保険金」を「保険金又は農作物共済に係る共済金」に改め、同条第二項中「会員」を「会員又は連合会の会員」に改める。  附則第十一条中農業共済保険特別会計法第三条の改正規定を次のように改める。  第一条中「農業共済保険事業」を「農業共済保険事業及農業共済保険事業」に改める。  第二条中「再保険金支払基金勘定、農業勘定」を「保険金及再保険金支払基金勘定、農作物勘定、蚕繭勘定」に改める。  第二条ノ二中「再保険金支払基金勘定」を「保険金及再保険金支払基金勘定」に、「農業勘定」を「農作物勘定、蚕繭勘定」に、「農作物共済蚕繭共済」を「農作物共済蚕繭共済」に、「再保険金」を「保険金又ハ再保険金」に改め、同条の次に次の一条を加える。  第二条ノ三 農作物勘定二於テハ農作物共済二関スル保険事業経営上ノ保険料、一般会計及保険金及再保険金支払基金勘定ヨリノ受入金、積立金ヨリ生ズル収入、借入金並二附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ同事業経営上ノ保険金、農業災害補償法第十三条ノ規定二依ル農作物共済二係ル交付金、同法第十四条の二節一項ノ規定二依ル補助金、保険料ノ還付金、借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子其ノ他ノ諸賢ヲ以テ其ノ歳出トス  第三条中「農業勘定」を「蚕繭勘定」に改め、「農作物及」を削り、「再保険金支払某金勘定」を「保険金及再保険金支払基金勘定」に、「交付金」を「蚕繭共済二係ル交付金」に改める。  第四条中「再保険金支払基金勘定」を「再保険企及再保険金支払基金勘定」に改める。  第五条中「再保険事業」を「保険事業及再保険事業」に改める。  第六条第一項及び第二項中「再保険金支払基金勘定」を「保険金及再保険金支払基金勘定」に改め、同条第二項中「農業勘定」を「農作物勘定」に改め、同条第三項中「家畜勘定」を「蚕繭勘定又ハ家畜勘定」に改め、同条第四項中「農業勘定」を「農作物勘定、蚕繭勘定」に改める。  第六条ノ二中「農業勘定」を「農作物勘定」に、「再保険金支払基金勘定」を「保険金及再保険金支払基金勘定」に、「家畜勘定」を「蚕繭勘定又ハ家畜勘定」に改める。  第八条中「農業勘定」を「農作物勘定、蚕繭勘定」に、「再保険料ヲ以テ」を「保険料又ハ再保険料ヲ以テ保険金及保険料ノ還付金又ハ」に改める。  第九条第二項中「農業勘定」を「農作物勘定、蚕繭勘定」に、「再保険金支払基金勘定」を「保険金及再保険金支払基金勘定」に改める。  第十条及び第十二条中「農業勘定」を「農作物勘定、蚕繭勘定」に改める。  附則第十一条中農業共済保険特別八会計法第二十条の改正規定中『附則第十条第一項ノ」に』を『附則第十一条第一項ノ」に、「農業勘定」を「農作物勘定」に』に改め、同条を附則第十三条とし、同条の次に次の一条を加える。  (農業共済保険特別会計法の一部改正に伴う経過措置)  第十四条 改正後の農業共済保険特別八会計法の規定による農作物勘定の設置等に伴う必要な経過措置は、政令で定める。  附則第十条第一項中「当分の間、」を削り、「交付することができる。」を「交付するものとする。」に改め、同条第二項中「当該組合等が農業共済組合連合会に支払うべき保険料の一部に充てるため当該農業共済組合連合会に交付し、又は当該農業共済組合連合会が支払うべき再保険料」を「又は当該組合等が政府に支払うべき保険料」に改め、同条を附則第十一条とし、同条の次に次の一条を加える。  (経過措置に関する政令への委任)  第十二条 この附則に規定するもののほか農業共済組合連合会が旧法第二十一条第一項及び附則第四条の規定により行なう農作物共済共済責任に係る保険事業の終結に関し必要な経過措置は、政令で定める。   附則第九条を附則第十条とし、第四条から附則第八条までを一条づつ繰り下げ、附則 第三条の次に次の一条を加える。  (農業共済組合連合会の事業に関する経過措置)  第四条 農業共済組合連合会の新法第百二十一条第二項第一号の事業は、麦以外の農作物については昭和三十九年産のものから、麦については昭和四十年産のものから行なうことができるものとし、昭和三十八年以前の年産の水稲及び陸稲並びに昭和三十九年以前の年産の麦については、旧法第百二十一条節一項の規定の例により、農業共済組合連合会は、当該農作物共済目的の種類とする農作物共済に係る共済責任を相互に保険することを目的としなければならない。   附則に次の一条を加える。   (農林省設置法の一部改正)  第十六条農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。    第三条第八号中「農業共済保険事業」を「農業共済保険事業、農業共済保険事業」に改める。    第四条第二十一号中「再保険事業」を「保険事業及び再保険事業」に改める。  以上であります。  この修正案に対する提案理由につきましては、先ほどの農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案要綱等について説明の際に申し上げておりますし、この際これを省略いたしておきたいと存じます。
  173. 長谷川四郎

    長谷川委員長 これにて修正案の説明は終わりました。  本修正案は国会法第五十七条の三の規定に該当するものでありますので、この際政府意見を聴取することにいたします。重政農林大臣
  174. 重政誠之

    ○重政国務大臣 修正案の各事項は、農業災害補償制度の根幹に触れる事項、もしくは予算の大幅な増額を必要とする事項、または必ずしも法律の規定を必要としない事項もあり、いずれも慎重に検討を要するので、にわかに修正案には政府としても賛成をいたしかねる次第でございます。     —————————————
  175. 長谷川四郎

    長谷川委員長 修正案に対する質疑もないようでありますので、これより原案及び修正案を一括して討論に付します。  討論の通告がありますので、これを許します。足鹿覺君。
  176. 足鹿覺

    足鹿委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、政府原案に反対し、日本社会党修正案に賛成するおもなる理由をあげて日本社会党修正案に賛成の討論を行ないます。  要旨第一、本改正案は制度の抜本的改正内容を具備せず、したがって抜本改正を長い間待っていた全国農民の期待にこたえていないこと。特に、本年四月二十二日、川島行政管理庁長官の千葉市における新聞談話にも明らかであり、閣内不統一の改正案とすら言い得られること。  第二、昭和三十五年四月、政府によって設置された制度改正協議会が、昭和三十六年二月十三日、満場一致の答申をいたしたにもかかわらずこれを尊重せず、その一部をわずかに取り入れたものにすぎないこと。  第三、最近急速に、かつ著しく変貌しつつある農業経営の実態に即応せず、特に農業基本法下にあって未曽有の困難な日本農業情勢を反映していないこと。すなわち麦の減反、特に果樹等畑作物、畜産の多頭羽飼育化等の実情に即した総合的農業災害補償制度とは言い得ず、水稲のみに若干の部分的手直しをしたにすぎず、不完全なものであること。  第四、市町村公営化による正常な運営を促進すべき実情にあるにかかわらず現状維持的な内容に終始し、かつ市町村公営化に伴う適切な措置が講ぜられていないこと。かつ任意共済事業の取り扱いについて問題を残していること。  第五、したがって本改正案は実施とともに農民の不信を買い、その結果制度の崩壊に発展することは必至であり、かかる不徹底な改正案に対してはわが党は責任を負うことはできないため、したがってわが党は先刻建設的でかつ実現可能な抜本改正案を提出したこと。  第六、詳細はわが党提出の修正案及びあとで述べられるであろう附帯決議案等において盛る予定でありますが、現地調査及び参考人の公述及びこれに対する質疑、また終始熱心な質疑を行なわれた各委員の所論の中に尽きておると思いますので、重複を避けて省略、をいたします。  第七、本修正案実施の結果必要とする経費は、組合等及び農業共済組合連合会の事務費の国庫負担については、本年度約十億四千万円、平年度約六十三億円の増額の見込みであり、かかる僅少な額について政府・与党が善処せず、わが党案に賛成し得ないことは不可解でありまして、まことに遺憾であるということを申し添えまして日本社会党案に賛成し原案に反対するものであります。(拍手)
  177. 長谷川四郎

    長谷川委員長 次に倉成正君。
  178. 倉成正

    ○倉成委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府提出農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し賛成、社会党提出農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案に反対をいたしたいと思います。  以下、その趣旨につきまして、簡単に御説明申し上げます。  最近における農業生産基盤の整備、耕種技術の改善等による水稲被害の地域差の拡大、安定的低被害地域の増加等、農業災害補償制度をめぐる諸条件の変化に対応し、現行制度改正して農業の実態により適合したものとするよう各方面から強く要望されてまいりました。  自来、数次の国会において、制度改正を実現する努力が続けられましたが、いまだ実現を見なかったことはまことに遺憾なことでありまして、制度改正農家の多年の宿願であり、制度運営の現状を早急に改善する必要があることは、いまさら申すまでもないことであります。  現行制度において問題とされているおもな点は、第一に農家負担に比しいわゆる掛け捨てが多いこと。第二に無事戻し制度の実効があがっていないこと。第三に共済金の支払い額が実損に比し少ないこと。第四に掛け金率が被害の実態に即応していないこと。第五に病虫害を共済事故とすることについて問題があること等でありまして、このような農家の要望にこたえる改善策として、今回の政府提出法案は農作物共済を中心に主として次の五点の改正を行なおうとするものであります。  すなわち、第一に、制度を一そう農家に密着させることをねらいとして、農家の直接組織する市町村段階農業共済組合及び共済事業を行なう市町村の共済責任を実質的に拡充し、これによって掛け捨ての不満の緩和をはかるとともに、無事戻しの拡充をはかること。  第二に、画一的強制方式の緩和をはかるため任意加入の範囲を拡大するとともに、共済事業の一部廃止を慰めること。  第三に、単位当たり共済金額の最高額を米麦価の九〇%とし、損害に対する実質てん補割合の引き上げをはかること。  第四に、共済掛け金率の設定方式の変更により掛け金率を被害の実態に即応させるとともに、国庫負担方式の合理化により農家負担の適正化をはかること。  第五に、病虫害事故を共済事故から除外し、これに対応する共済掛け金の割引を行なうとともに、病害虫防除に対し補助金を交付することとし、これによって農家負担の軽減と防除の推進をはかること等の措置がなされておりますので、これが実施により農家不満は相当程度解消するものと期待される次第であります。  本委員会は、法案審議の過程において五月十七、十八日の両日、長野県下で制度改正に対する意見等について現地調査を行ない、また五月二十二日には学識経験者の出席を求め、これに対する意見聴取を行なう等、慎重審議を尽くしたのでありますが、いずれも現段階において前進であることを認め、制度改正のすみやかな実現が強調されたのであります。私は、今回の制度改正がなお実現しなかった場合の諸影響をも考え責任の重大さを痛感し、制度改正のすみやかな実親を熱望するものであります。  幸い、今次改正案が成立いたしましたならば、政府は、受益者たる個々の農家に至りますまで、改正の趣旨を十分に徹底するよう努力するとともに、農家負担の軽減等、この法律の施行に遺憾なきよう対処するとともに、本委員会において論議された問題点を十分に参考にして、よりよい改善の道を講ぜられんことを切望するものであります。  次に、社会党提出の修正案に反対する理由は、その修正案の骨子が、農業災害補償制度協議会の答申を中心としたものではありますが、今回の政府提出制度改正法案は、機構を現状どおりとした点に伴う関係事項を除き、農家と直接関係のある制度内容の合理化については、おおむね制度協議会の答申の趣旨を取り入れてあり、現段階においては、小農経営の多いわが国農業の実態と、災害対策としての本制度の役割り等の点から考えると、政府案のほうが、全体としてはむしろより実際的であると考える次第であります。  以上の立場から政府案に賛成し、社会党提出の修正案には遺憾ながら反対するものであります。  終わりに、今後農業災害補償制度が、変化していく農業経営の要請にこたえ、新しい経営安定のための制度として、農家から真に必要とされ、愛されるものとして発展するよう期待し、討論を終わります。
  179. 長谷川四郎

    長谷川委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、足鹿覺君外十一名提出農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成れ起立〕
  180. 長谷川四郎

    長谷川委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、農業災害補償法の一部を改正する法律案について採決をいたします。  本案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成者起立〕
  181. 長谷川四郎

    長谷川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  182. 長谷川四郎

    長谷川委員長 この際、安井吉典君外十一名から、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  趣旨説明を求めます。安井吉典君。
  183. 安井吉典

    ○安井委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付するの動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。   農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は本法の施行にあたり、次のとおり措置すべきである。   一 最近におけるわが国農業事情の著しい変化に即応し、新たなる角度から農業共済制度の在り方について抜本的な検討を加えるため、法律に基づく調査会を設置すること。   二 制度改正後の予算については、現在の予算規模を大巾に超えた額を確保すること。   三 基準収量の設定については、組合等が農家自主性を尊重して決定することができるようにすること。   四 損害評価については、現地調査に重点を置き、その適正化を図るものとし、市町村等の評価会の意見を聴き、都道府県段階において即決的に損害評価高を決定することができるような方途を講ずること。   五 組合等は、原則として共済金を削減することができないものとすること。   六 今後二ケ年間を目途として、共済事業が全面的に市町村に移譲されるよう積極的な指導を行なうこと。   七 家畜共済及び蚕繭共済については、最近の畜産及び養蚕の推移に即応するようそれぞれ改善を加えるものとし、特に家畜共済事業の掛金については、病傷部分についても、国庫負担が行なわれるよう速急に措置すること。   八 果樹、茶及び主要畑作物等に対する共済制度については、速急に諸般の検討を終了し、その制度化を図ること。   九 病虫害防除体制については、さらに整備拡充を図るとともに、防除器具及び薬剤費等に対する助成措置を講ずること。   十 任意共済事業に対する国及び都道府県の検査等が厳重に行なわれるようにすること。   十一 本制度の運用にあたっては、金融制度等他の諸制度と総合的な連繋が保持されるようにすること。   十二 農業共済組合等の職員の待遇については、地方公務員ベースに引上げるよう措置すること。    右決議する。  以上であります。  日本社会党は、今回の改正法案に対し、党の意見を取りまとめ、今回法制的に措置すべきものにつきましては修正案に、他は附帯決議案といたしたわけであります。ただいま残念ながら修正案は否決されましたが、修正案の趣旨は、ことごとくこの附帯決議提案の中に含まれているものと御理解願いたいと思います。われわれはこれまでの政府の、この制度運営の拙劣さにより、農民末端共済組合等の間に、無用の不平不満を生じている実情にかんがみ、改正案通過後の運用に関するものを、まずここに掲げたわけであります。  第二に、私どもは今回の改正は、抜本的改正と称しながら、かつまた農業基本法関連法案と称しながら、農業の新たな変化の段階に対応する措置を全く欠いていると考えるのであります。そのゆえに、この制度の次の新たな段階に対する準備を、この際要求いたしたいのであります。  内容の詳細につきましては、先ほどの足鹿委員の修正案提案の趣旨に含まれておりますので、この際省略いたしますが、この制度を真に農民のものたらしめるために、与党の諸君もこの附帯決議案にはぜひ御賛同いただきまして、御可決あらんことを切にお願いいたします。
  184. 長谷川四郎

    長谷川委員長 採決をいたします。  安井吉典君外十一名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  185. 長谷川四郎

    長谷川委員長 起立少数。よって、安井君外十一名提出の附帯決議案は否決されました。     —————————————
  186. 長谷川四郎

    長谷川委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  187. 長谷川四郎

    長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は明二十九日午後二時から開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。    午後五時四十八分散会