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田口(誠)
委員 財源、原資の面で考えていかなくてはならないという
考え方ですし、将来の問題については一存で回答できないようでございます。そこで、私が特にあなたに来ていただいて御
答弁いただき、また将来
予算の面で御配慮をいただきたいと思いますることは、この
国会で
附帯決議がつけられると思うのです。その
附帯決議は、
スライド制をとれということなんです。
スライド制をとれということは、簡単に申しますれば、
国家公務員の
ベースが二千円上がったら、これは自動的に二千円上げていくのだということです。三年も四年も待って、そうしてどれだけか上げる、また
現場のほうで、
傷痍軍人の会とかあるいは
戦争未亡人の会が多額の
運動費を使って、そうして
政府や政党に
運動、
陳情を行なって、そのあげく、ときどきちょいちょいとつかみ金のような、理論づけのない金の上げ方をされたのでは将来困るから、それで、昨日の
自民党の
先生からの
質問に対する
恩給局長の回答も、何か審議会とか
委員会とかいうようなものを設けて、妥当な
金額を作成して、そうしてこれを
法案として出していくように努力をしたい、こういうような
答弁もあったわけでございまするから、いずれこれからの
引き上げにつきましては、もう少し今日までよりは理論づけのある、
積算基礎の明確に答えられるような
内容のものが提案されてくると思うのです。そういうものが
大蔵省のほうへ
予算要求として出されると思うのです。その場合に、
大蔵省が原資の関係でだめだとかどうとかいうことを言ってもらっては困るということなんです。
大蔵省の
予算というものは、幅広い
予算を編成するのであるから、どこへどれだけ持っていくかということは、やはり
大蔵省としてどうでもできるわけなんです。したがって、私
どもがいままで
法案を審議しておりまする
内容から見ますると、相当日経連等あるいは財閥関係からいろいろ
要求されたようなものについては、
法案となってあらわれてきますけれ
ども、こういう
恩給の
受給者というような弱い
人たちの要望にこたえるものは、なかなか
要求に沿ったものが出てこないというのが
実態であるわけなんです。こういうことでございますから、将来
恩給局としても、この
ベースのきめ方についても相当理論的に考えて出されると思いまするし、また、その上に立っての
予算要求をされると思いまするが、そのときに
大蔵省は、財源が云々というようなこと、財源がないとかあるとかいうようなことは、言って言えないようなものです。片方に使うなら、片方は使えぬということになる。だから私は、こういう弱い
人たちを救うものに対してはけ散らさないように、
要求通りにひとつ認めてもらうようにお願いをしておきたいと思いまするし、それから
恩給局としても、今後の
ベースアップの問題については、やはり一昨日
自民党の
先生方に答えられたように、何か権威あるところで検討をして、そうして理論づけのあるものをつくって
要求をしていただく、また
法案として出していただくように、この点も強く要望をしておきます。
大蔵省の関係は、ここでこれ以上私のほうから
質問しても、
答弁のできない面があろうと思いまするので、その程度でよろしゅうございますが、要望の点だけを頭によく残しておいていただきたい。
それから次に、第二十五
国会のときに
附帯決議が出されております。これは社会党のほうから主張をして出しておるわけでありまするが、その全文は「過般の太平洋
戦争は近代的科学戦であり、国を挙げての総力戦体制のもとに、国内も戦場化するに至った実情を考慮し、旧
軍人等と同様の立場でその犠牲となった者の
遺族に対しても、
政府は、本
法律案の趣旨にかんがみ、速かに適切なる
措置を講ずべきである。」という
附帯決議がついております。それからどれだけ配慮をしていただいたかということをいろいろ調べてみたわけなんです。それから今度の
国会にも、満鉄勤務の人とか、いろいろそういうのは
国会にときおり提案されて、拡大はされておりまするけれ
ども、私はまだまだ不十分な面があろうと思うわけなんです。それで、この点については、
恩給局として今日までとられた
経過というのは、
法案で出たものはもう
承知しておりまするけれ
ども、いまお考えになっているものとして、何と何をこうしなくてはならないのだという点が相当あろうと思うのですが、お考えになっておれば、ここでひとつ回答の中で発表をしていただきたいと思います。