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石橋(政)
委員 私が先ほどから申し上げているのはここなんですよ。
法律的な解釈、片言隻句にとらわれて、さあ
行政権
一体だ何だといって、
学術会議に対して
圧力をかけるような印象を与えているのは、こういうところにある。ほんとうに
学術会議を活用しよう、連絡を密にしようというお
考えがあるならば、この基本的な問題について
考えるべきじゃないですか。われわれに手落ちはなかったか、
学術会議がそんなに熱心ならば、われわれは積極的に
諮問するくらいのかまえがあってよかったのではないか、そういう根本を全然はずれて、
法律的に違法ではないかとか、そういう
態度は、
政治家としてとるべきではないと何度も申し上げているわけです。この
国家行政組織法にしたって、その点は明確になっておるはずです。私がわざわざ読み上げるまでもないと思いますけれ
ども、
国家行政組織法の八条に基づいてできたんだ、できたんだとおっしゃっているが二条を読んでください。二条の二項ですが、「国の
行政機関は、
内閣の統轄のもとに、
行政機関相互の連絡を図り、すべて、
一体として、
行政機能を発揮するようにしなければならない。」下の方の
一体だけあなたとっているじゃありませんか。緊密な連絡の方は抜きにしているじゃありませんか。これほどの重要な問題について、どうしたら緊密な連絡をとれるかという
考え方を働かさずに、法文の末梢だけをあげつろうやり方というのは、
法律をもてあそぶもののすることで、
政治家のやることじゃありませんよ。ほんとうに密接な連絡をしようと思えば、あるいは
日本学術会議というものにそれ相応の待遇を与えようと思えば、活用しようと思えば、根本はここにあるじゃありませんか。ところが、
諮問を必要とする
程度の問題かどうか、そういうことすらお答えできない。そういう
程度の認識で
学術会議にとやかく言うというところに問題があるのですよ。私
たちはどう
考えたって、これほどの問題は、
勧告をまつまでもなく、
政府の方から
諮問をすべき事項だと思うのです。
安全性の問題はそんな簡単な問題じゃありませんでしょう。また、しろうとの私
たちが安全だ安全でないと論議したって、
結論の出る問題じゃないのです。あなたがさっきから煙幕を張っておらられるのですけれ
ども、
安全性の問題についてはわからぬわからぬ。わからぬなりに、あなたは、
声明について、
内容にも問題があるなどというかってなことをいろいろ言っていますよ。もちはもち屋というならば、一番適当なもち屋はここにおるじゃありませんか。
日本の肝心の
科学者に全部この問題については何の相談も受けていない。そうしておって、
安全性の確認がどこでできますか。できるという自信がございますか。いままでの
総理大臣なり外務
大臣なり
科学技術庁長官なりの
答弁を一貫して聞いたって、
日本で
安全性を確認する努力はしていないじゃないですか。アメリカの言いなりじゃないですか。アメリカが安全だというから安全だ、これから一歩も出ていないじゃないですか。
日本の
科学者の頭脳を動員していないから、出るはずがありません。そうい根本の問題を
考えないで、末梢的な議論をしているところに、この複雑さが出てくる。不当な干渉だという批判も出てくるのです。もしあなたが
安全性の確認がこういう
科学者の手をわずらわさずできるというならば、できる方法を教えてください。アメリカが安全だというから安全ですという以外に、何か一歩でも出るものがありますか。今後でもあったら教えていただきたい。しかも、そのアメリカだって、安全だということを国内では言っていないじゃないですか。参考までに申し上げておきますけれ
ども、再三アメリカ側からも引用されております、
原子力潜水艦についての最大の権威者といわれるリコーバー中将、この人がアメリカの上下両院の合同
委員会でどういう証言をしておられるか、知っておられますか。
昭和三十七年の四月、米上下両院合同原子力
委員会における証言ですが、
原子力潜水艦の原子炉は実際は安全な装置でなく、軍事上必要ある場合を除いては、人口密度の高い港に立ち寄るべきでない、こういう証言までしているのですよ。アメリカの国内において最高の権威を持った議会においてこのような証言をしている人が、
日本の
政府や
日本の
国民に向かっては安全だ、これはどういうことです。そのなぞを解くかぎを持っているのは
日本の
科学者以外にないじゃないですか。私はそういうふうに頭を切りかえていただきたいと思う。これについての御説明ができるならまだいいですよ。できないと言うならば、そういう
科学者の不安というものを解消することは、あなたが
談話を出してとやかく言うことではない。もっと根本的に解決しなくてはならぬ問題があるのだということを頭に置いて、今後
学術会議と
話し合いをされるというならば、私はきょうの質問はそれでとどめます。