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1963-03-09 第43回国会 衆議院 逓信委員会電気通信に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月九日(土曜日)    午前十時四十八分開議  出席小委員    小委員長代理 大高  康君       岡田 修一君    上林山榮吉君       中山 榮一君    安宅 常彦君       大柴 滋夫君    森本  靖君  出席政府委員         郵政政務次官  保岡 武久君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  岩元  巖君  小委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   金光  昭君         日本電信電話公         社計画局長   宮崎 政義君         日本電信電話公         社経理局長   井田 勝造君         日本電信電話公         社資材局長   杉田 虔二君         日本電信電話公         社営業局次長  奥井 斎松君     ————————————— 三月九日  小委員中山榮一君同月八日委員辞任につき、そ  の補欠として中山榮一君が委員長指名で小委  員に選任された。 本日の会議に付した案件  電気通信に関する件(電信電話拡充第三次五ヵ  年計画)      ————◇—————
  2. 大高康

    大高委員長代理 これより会議を開きます。  小委員長不在のため、私がかわって小委員長の職務を行ないます。  電気通信に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。安宅常彦
  3. 安宅常彦

    安宅委員 この間の小委員会で、おもに本年度要員の問題についていろいろとお尋ねをしたのでありますが、要員の面から見ましても、なかなかもって、第三次の五カ年計画というものが、公社で策定したそのままの姿で今後やっていけるという基礎がだんだんとおかしくなりつつあるような、そういう印象を私は公社の皆さんの回答の中で感じつつあるわけでありまして、しかもその度合いがだんだん濃くなってくる、こういうような気持がしてならないのであります。それで、きょうは要員の問題からではなくて、別な面からいろいろとお尋ねをしてみたいと考えておりますから、一つ率直な答弁を賜わりたいと思うのであります。この間はあまり率直でないものだから少し混乱をいたしましたのですが、そういうことのないように一つ注文を先にしておきたいと思うのです。  公社予算をいろいろ見てみますと、これは膨大なものですから、めくらが象をさわるような質問になるかもしれませんが、どうしても納得しかねるところがたくさんあるような気がしてなりません。  まず第一番目に、公社電話機ならば電話機をいろいろなメーカー発注をする予算が、ここ二、三年来急激にその単価が上がっておることに、私は非常に疑問を持っておるわけです。たとえば、昭和三十五年度においては、一般工事計画工程というものが予算参考資料の中にあるわけですが、それを各年度比較してみますと、一つの例として、加入電話単価が三十五年度は一個当たり四万八千円ぐらいになっておる。それから三十六年度は三万八千六百円ぐらいになっておる。それから三十七年度が四万六千五百円、それから三十八年度予算の見込みでは、私の計算でいきますと、大体五万五千円ぐらいに急激にはね上がっておる。これはどういうことなのでしょうか。その理由を、どなたでもけっこうですから、ちょっと聞かせていただきたいと思うのです。
  4. 井田勝造

    井田説明員 今の御質問の御趣旨なのですが、先生のおっしゃいましたのは、各工程に上がっております金額加入電話の数でお割りになった金額でございますか。
  5. 安宅常彦

    安宅委員 そうです。これは単なる算術計算みたいになるかもしれませんが、こういうことになるわけですよ。三十八年度加入電話は七十万個ですね。三十七年度は六十万個であったわけで、ちょうど十万ふえているのですが、二百七十九億からことしは三百九十億にぽんとはね上がっておる。これはどういうわけではね上がったのか、一個当たりでなくてもいいのですが、そこの理由を聞かしていただきたい。そんなに高くなるものですか。
  6. 井田勝造

    井田説明員 三十七年度予算は六十万加入でございまして、それに見合いますところの工程が八十三億四千二百万円となっております。三十八年度予算は七十万加入でございまして、それに見合う予算が九十七億六千百万円になっております。これをそれぞれの加入電話の数で割りました金額は大体同じになっておると思うのでございますが……。
  7. 安宅常彦

    安宅委員 これは、同僚の島本君が予算分科会質問したときに、あなたの方から資料として出てきたのです。サービス工程の中の加入電話という項目合計額がそうなっておる。八十三億というのがことしは九十七億六千万、大体九十八億円になっておるわけですが、それの内訳、たとえば端子増設だとか線路増設だとか、そういうものを合わせて八十何億に去年はなった。それを引くとどれくらいになるかというと、あなたの方で資料を出したのですから、これは間違いないわけですが、それを引きますと、二百七十九億だというふうに書いてあるのです。ことしは三百九十億だ、こういうふうに書いてありますね。だから、三十七年度を例にとりますと、八十三億四千二百三十七万ですね。その中から端子増設線路増設、そういうものを除いたほんとう加入電話単価が二百七十九億だというふうに、ちゃんと書いて出しているのですよ。これはあなたの方で出したのでしょう。僕は島本君から借りたのです。予算分科会で出した資料だというのですが、それを出した覚えはないですか。
  8. 宮崎政義

    宮崎説明員 大へん手間取りまして申しわけありません。私の方から島本先生にお出しした資料は、島本先生の御質問趣旨が、一加入当たりどのくらいの単価になるのかという御質問でありました。それでその御質問趣旨のものは別に御説明してありますけれども、現在の予算工程に載せているものをどういう工合に分けたらどうなるか、こういう御質問がありましたので、数字上一応分けたわけです。そこで全体の工程をばらしまして、たとえばサービス工程、それから基礎工程、こう組みまして、予算工程に載っていないものがあるわけです。たとえば市外有線伝送路というふうに分けました。予算の分類から見ると違うわけなんであります。予算を分けるとしますと、局建とかあるいはサービス工程というものを全部含めまして、一応検討しておるわけなんであります。予算の方にはそういう形に出ておりますから、これをそのまま割るというわけにはいかないわけであります。
  9. 安宅常彦

    安宅委員 どうもあなたの方では、予算でくるときは、要員の算定がだんごで来ております。特に私らの党なんかに説明するとき——ほかの党は私は知りませんけれども、われわれの側に説明なんかするときには、見出しだけ書いてくる。今度国会に出してくるやつは見出しだけだから、あっちこっちからいろいろ集めてみますと、あなた方が島本君に出したのと同じやつがちゃんと三十七年度分はありますよ。電電公社が出しているのだから間違いない。その中には全部これと同じように書いてあるのです。大体間違いないのです。計算してみたら差引勘定はそうなるんですよ。たとえばサービス工程基礎工程ですか、この二つに分けて、そのうちのサービス工程の中で加入電話工程金額とをあなたの方できちっと分けて書いてよこしているのですが、この予算計画を見ましても、大体それと同じように書いてあるのです。合わせて離しているのだから、ばらしたものと合わせたものでは比較にならないという意味答弁をあなたはしたと思うのでありますが、ばらしてみたらちゃんと同じようになっているのです。私計算してみたのです。ゆうべ一晩夜ふかしをして計算してみたら全部そうなっているのです。そうすると一加入当たり加入電話経費は全部出てきます。あなたの方で島本君に出した資料の一に、三十七年加入電話六十万個、三十八年が七十万個、三十七年では二百七十九億円、三十八年では三百九十億円、こういうふうになっておりますから、これを割ってみますと、三十七年は四万六千五百円、それから三十八年は五万五千七百円、こうなるのです。なぜこんなに電話加入当り単価がふえたか、それさえ聞けばいいのです。
  10. 宮崎政義

    宮崎説明員 御説明いたします。  ただいまの資料との食い違いはありますけれども、島本先生の御質問のときには、一加入当たり幾らでかかるのかという御質問でありましたので、そのときに先生にも御説明いたしましたのですが、三十七年度予算で三十五万一千円となっております。それから先ほどお話がありました三十六年度は三十五万四千円、こうなっておるわけです。
  11. 安宅常彦

    安宅委員 今の数字をもう一回言って下さい。
  12. 宮崎政義

    宮崎説明員 三十七年度は三十五万一千円、それから三十六年度は三十五万四千円でございます。
  13. 安宅常彦

    安宅委員 三十八年度は……。
  14. 宮崎政義

    宮崎説明員 三十八年度は、政府原案では三十四万七千円であります。
  15. 安宅常彦

    安宅委員 どうもその数字はおかしいね。それではもっと聞きますが、たとえば三十七年の例をとってみてもいいのですが、六十万個だからその合計額が八十三億四千二百三十七万円、そのあと構内交換電話付属電話公衆電話、ボックス、委託、特殊簡易公衆電話、こういうものがあって、その次に端子増設があって、それから線路増設があって、その金額を全部を引いてみますと、あなたの方で出したこの資料の二百七十九億というのにびしっと合うのです。それを除くとそうなるのです。合計八百三十四億円。そこから今言ったようなものを除くと、ほんとう加入電話だけの金額が出てくるのですけれども、これはそういう計算でいったらどこか間違いが起こるのですか。それではあと何があるのですか。
  16. 宮崎政義

    宮崎説明員 ちょっと資料を調べておりますから、しばらくお待ち願いたいと思います。
  17. 大高康

    大高委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  18. 大高康

    大高委員長代理 それでは、速記を始めて。
  19. 安宅常彦

    安宅委員 この単価食い違いというのは、それではもう一回質問し直しますが、端子増設線路増設、この二つを抜いたものがちょうど二百七十九億円になるようにあなたの方ではこの資料で出してきているのですが、島本君が質問したのは電話をつけるには幾らかかるかという質問だったと思うのです。それをわかりやすくするために、二百七十九億円というのをあなたの方で書いてくれたのではないのですか。そこのところは、もっと別の要素があるのですか。
  20. 宮崎政義

    宮崎説明員 御説明いたします。  先生のおっしゃったのは、今の予算工程をできるだけわかりやすく、そのまま単金で出していけないか、こういう御質問であったわけです。そこで、いろいろ検討してみましたが、たとえば今の市外有線伝送というような項目を起こしまして整理してみますと、こういう形になった。ただし、たとえば局建というようなものは、その年度に新規と過去の繰り越しのものが入っておるわけでございますから、何%の工程というのがそれぞれあるわけです。従って、これでは先生には単金的な御説明にはならぬだろうというので、先生の今お持ちになっている別途の加入電話の単金で、市内電話市外電話、こういう工合に区分けした方がいいのではないか。今おっしゃられました、たとえばサービス工程の中で端増加入電話といったものを全部ひっくるめてすぐ市内電話となるのではなくて、その中には局建のものもあるわけです。そういう関係で、まとめて別にお出ししたようなわけなのです。
  21. 安宅常彦

    安宅委員 これには電話局建設とちゃんと基礎工程の中に書いてありますよ。私は全部計算してみたのだけれども……。
  22. 宮崎政義

    宮崎説明員 これを入れられまして食い違いますか。それではあとでこれはもう一ぺん先生とつき合わせまして、伺いまして、正したいと思います。
  23. 安宅常彦

    安宅委員 それでは、これは歯車が合わないようだから、この分はやめましょう。ただ、そういうことで、どうしても納得いかない線があるのですが、私のところに、ある会社の方から、いろいろ話なんかあったり、それからまたどういうところで配っているのかわかりませんが、いろいろな参考資料なんか見ますと、それから業界の新聞なんか見たりすると、電話はもっと安くつくれるのだ、こういう説がたくさん出てきておるのです。何か日電であるとか沖であるとか、そういうところで今公社に納めておるのだが、あんな高い電話なんというものはべらぼうじゃないか、たとえば松下だったら、松下あたりではもっと安い電話機幾らでもつくれる。それは込み入った非常に高度な機械だったらいざ知らず、電話機なんというものは大したことないのですから、その程度だったらもっと安くできるということを盛んに聞かされたり、いろいろな文献で見たりしているのであります。でありますから、こういう問題について、あなたの方では、たとえば今の局建も全部みな入っておるというので、私は数字的な問題については質問をやめましたが、加入電話の場合、あなたの方で出した資料によりますと、大体一個あたりちょうど一万円くらいふえた格好に、さっきの私の計算でいけばなっておるのです。六十万個つけて二百七十九億、七十万個つけて三百九十億ということになりますと、どんな要素が入っておるにいたしましても、局建が入っておるとか、いろいろなことをあなたは言いますけれども、これはどちらにころんだとしても、去年よりも七十億近く金をよけいに見ておるような気がしてしようがない。そういう計算になるのです。そういう計算は、数字的なことであなたと意見が合わないから言いませんけれども、もっと電話というものは安く発注できないのですか。そういう説がたくさん流れておるが、そういうことについてどうでしょうか。メーカー側に注文するときの値段は妥当なものか。妥当でないという答弁はしないだろうが、もう少し安くならないでしょうか。
  24. 杉田虔二

    杉田説明員 公社といたしましては、厳密な原価計算をやっておりますので、その点適正な価格だと信じておるわけでございます。安いのがあるかという先生お話でございますが、有線放送その他三千五、六百円で出ておるということを私も知っておりますけれども、先生これと御比較になっておるかどうか存じませんが、これと比較されますと、ちょっとうちの方は性能が違いますので……。
  25. 安宅常彦

    安宅委員 何もそういうものと比較して言っておるのじゃないのです。たとえばそれは随意契約でやるというのではないですか。たとえば日電とか沖とか富士通信機とか岩崎とか、いろいろあるでしょう。大体そういうところに指名でやっておる。競争入札させたらずっと安くなりませんか。
  26. 杉田虔二

    杉田説明員 随意契約の件でございますが、購買契約は、建築契約、あるいは工事契約、あるいは同じ物品でも数量の契約、売り払いの契約というものと違いまして、たとえば電話機を例にとりますと、反復同じものの競争入札ということになりますので、そうしますと、予定価格もわかってきます。そうすると、予定価格のわかったものの競争入札というものは大体意味がなくなるのではないか。結局、業者としては、いろいろな自衛手段があると思います。そちらの方に追い込んでいくだけで、競争の妙味というものは出てこない。この点は、建築だとか建設の方の対象がそのたびに異なるものと違うのだというように、われわれは考えておる次第でございます。
  27. 安宅常彦

    安宅委員 これは同じものの反復的な要素のことをあなたは説明しておりますが、新しい電話機ができたり、それから今度交換機だっていろいろ違ってくるでしょう。そのときには、たとえば電電公社の中におられる部品メーカーの諸君なんか相当こぼしておるのですね。直接納めたい場合もあるわけです。これは非常に込み入ったやつなんかは手が出せないけれども、電話機というのは、日電から便宜下請をしなければならぬ。そして日電のマークをつけて出さなければならぬ。われわれの方はもっと優秀なものがもっと安くできるのだというのです。ところが、そういう機材にしても、これはあなたの方で新しい建設計画ができて、電話機なら電話機の様式を変えるという段取りになったときには、そういう契約をしている会社に、こういうものをつくるんだということを数えて、そして大量生産体制というものをつくらせてやらなければ、こんな急速度の合理化計画といいますか、増設計画はできないじゃありませんか。大体そういうふうになっておるのじゃありませんか。
  28. 杉田虔二

    杉田説明員 競争入札をやりました場合に、あるいは一社か二社に落ちると思うのであります。そうすれば、そのほかの会社は結局設備を持ったまま遊んでくる、あるいは臨時工の整理であるとかいう問題も出てくると思いますので、われわれとしましては、現在の需要に見合った設備をもってすれば、設備も遊びませんので、安定した計画発注をやっていけば、その方がかえって安くできるという見解をとっております。それからまた、これからの海外競争力の点から見ましても、なるたけ品種別に専門化していくべきだとわれわれは考えております。
  29. 安宅常彦

    安宅委員 そういう込み入った機械とか新しい機械とかいうときには、そういうこともある程度必要かもしれぬ。今自由化々々々と言っている世の中だ。そしてその特定の産業を保護するために、あなたの方では、臨時工が首切られるかもしれぬ。おれが労働組合の出身だからそんなことを言うのかもしらぬけれども、うまいことを言って一そういう会社には今度こういう機械電電公社がつくる、だからそういうものをつくる体制会社はつくりなさい、そしてわれわれに納めて下さいということを、そういう五つ六つ会社——その資材によってはいろいろ違います。電話機なら電話機交換機なら交換機、いろいろあるけれども、その中でちょうどいい工合にみんな分けて、あなたの方で特に目をかけている会社五、六社を、特に大きなやつで三つくらいに——どうしてもしぼらなければならないやつは三つくらいにする、あるいは六つくらいにやらせる資材もある、そういうふうに、あなた方が任意に、ほしいままに大体決定したその方針に従って、会社に量産の体制をつくらしていって、そして次の年度工事を進めていく、こういう格好をとっているのですから——あなたは今そういう答弁をしているのですから、そうしますと、小さな会社や何かは、その中の単なる部品だけを日電なら日電からまた請負でつくらされて、そうしてそのかすで食っているような会社がたくさんある。これらの人々には、今度どういう計画があって、どういう電話機なり交換機なりを生産するのかというヒントさえも与えてもらえない。従って、部品メーカーなんかは、同じ通信工業会ですかの中にあっても、今非常に不満たらたらでいるわけです。私らそういう話は幾らでも聞くのですが、そういう点は何か改善するようなつもりはないでしょうか。
  30. 杉田虔二

    杉田説明員 それにつきまして、昨年におきましては、構内交換電話を下の段階におろして参りました。ことしもまたしかるべくそういう措置をしなければならないというふうに感じておる次第でございます。
  31. 安宅常彦

    安宅委員 逆な見方もあるわけです。たとえば電話機なんというのは、構造はあまり高度なものじゃないのですから、たとえば三つなら三つ四つなら四つに今まかしておいても、それをたった一つでやるという方針もある。適当に談合されたらたまったものじゃありませんから、競争入札で一社にやらしてみせるということをやったら、込み入った機械はかえって価格が上がるというふうにあなたは言ったけれども、電話機のごときは、競争入札で一社にしぼったら、これはすばらしく安くできるのじゃありませんか。そういうことはどうですか。
  32. 杉田虔二

    杉田説明員 一社にしぼった場合に、すばらしく安く落ちるかどうかという御質問でございますが、この点、われわれとしましても、適正な価格原価計算でやっておりますので、それほど落ちるとは思っておりません。また今度二度目の競争入札をやりますときに、落札しなかった会社では遊休の経費、落札した会社は落札しない危険性予定価格のところに算入されて参りますので、必ずしも今より先生のおっしゃるように落ちてくるというふうには思っておりません。
  33. 安宅常彦

    安宅委員 たとえば松下なら松下では、私らの方では電話機くらいは安くつくってみせると言っているのですよ。そんなばかな話はない。しかもそういう機材発注は大体九七%くらいが随意契約になっている。電電公社の場合には不届きではないかということを盛んに言っているのですよ。それに小さい部品メーカーなんかも、もうお払い箱になったら大へんだから、文句は言えないけれども、何かもっと優秀な製品をわれわれだって安く納入できるのだということを、くどいほどわれわれに言ってくるのです。これは瓶とで数字を突き合わせてみて、もう一回いつかの機会にそれをやりたいと思いますけれども、不当な値段でやっていますと言ったら、ちょっととんでもないことになるから、絶対にあなた方は答弁しないだろうから、きょうはそのくらいにしておきます。従って、この問題については、私もっと数字をまとめてみまして、もう一回とことんまで論議をしてみたい、こういうふうに考えております。  次に、島本君に出した資料の中でいろいろ思い当たる点があるのでありますが、この中には電報中継交換というのが載っています。そして三十八年度予定は五局となっておりますが、この局はどこどこでございますか。
  34. 井田勝造

    井田説明員 三十九年度におけるサービス開始予定局名静岡大阪岡山下関熊本の五局でございます。
  35. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、あとはやらない。——そういうふうに三十五、三十六、三十七と、先ほどあなたの方で答弁いたしましたが、局舎増設計画なんかだって、全部これは予算書に書いてあるからわかるのですが、パーセンテージでずっと表わしていまして、そうして三十七年度になって五局の金額が七億円ですか、そういうふうになっているのだが、あとはもう三十六、三十七、三十八と含めて五局しかやらない、こういうふうに理解していいわけですね。
  36. 井田勝造

    井田説明員 ちょっと先ほど私の答弁を間違って申し上げたように思いますので、訂正をさせていただきます。先ほど申し上げました五局は、三十九年度以降サービス開始予定局でございます。この点訂正させていただきます。
  37. 安宅常彦

    安宅委員 じゃ三十八年度中に電報中継交換をやる局はどこどこですか。三十八年度中にサービス開始をやる局は……。
  38. 井田勝造

    井田説明員 三十八年度サービス開始を始める局はございません。
  39. 安宅常彦

    安宅委員 だから、私の聞いているのは、三十九年度以降やるのは、この予算にある静岡大阪岡山熊本下関、この五局だ、こういうふうに理解するのですが、あとはどこもやりませんね。それをはっきりもう一回答弁して下さい。三十八年度中もないというなら、三十九年度以降はこの五つだけだ。これは三十八年度予算で盛ってあります。あとはやりませんね、この電報中継交換というのは。それははっきりそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  40. 井田勝造

    井田説明員 今の御質問趣旨が私どもにはっきりしなかったのですが、中継機械化予定しております局で本年度予算に上がっておらない局、これは大分の局がまだ上がっておりません。
  41. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、大分の局の分はどこの予算でやるのですか。
  42. 井田勝造

    井田説明員 これは三十九年度以降の予算に上がってくるわけであります。
  43. 安宅常彦

    安宅委員 三十八年度中に、それはサービス開始するのですか。
  44. 井田勝造

    井田説明員 そうではございません。そういうふうにはお答えはいたしておりませんです。三十九年度以降にサービス開始をする局として三十八年度予算に上がっておる局が静岡大阪岡山下関熊本、この五局、こういうふうにお答え申し上げたのであります。
  45. 安宅常彦

    安宅委員 じゃ大分は……。
  46. 井田勝造

    井田説明員 大分は今年度予算には上がっておりません。
  47. 安宅常彦

    安宅委員 わかりました。そうすると、三十八年度予算でやる分はこの五局だけ、こういうふうに理解していいわけですね。
  48. 井田勝造

    井田説明員 その通りでございます。
  49. 安宅常彦

    安宅委員 それじゃ三十五年、六年、七年の予算で、三十八年度中あるいは三十九年度以降においてサービス開始予定されている局はありませんか。
  50. 井田勝造

    井田説明員 これらの局はみな二年、三年とかかりまして継続工事でありますので、三十七年度予算に入っておる局もあります。
  51. 安宅常彦

    安宅委員 くどいようですが、従って三十五年、三十六年、三十七年あるいは三十八年も全部含めて、この電信の中継交換をやる予算をもらっている局は、静岡岡山大阪下関熊本だけだ、こういうふうに理解していいのですか。
  52. 井田勝造

    井田説明員 三十八年度でサービスを開始する予定の局は、仙台と熊本でございます。
  53. 安宅常彦

    安宅委員 わかりました。あとはないというふうに理解して、私はあとずっと質問を続けますが、どうですかね副総裁、どうもあなたの方の答弁は何か奥歯にものがはさまったような答弁なんですが、あなたから責任ある答弁をしていただきたいと思うんです。それは前から全部何%進行したと書いてありますからね。今までの電信の中継交換、これは三十五年度は四局、三十六年度は六局、三十七年度はまたこれも六局、そして三十八年度は五局、こう書いてあるんですね。この予算の中であなた方は仕事をしているんですが、全部ひっくるめて、大分は三十八年度予算にもまだ組まれていないというのですからね。仙台とどこでしたかはその前の繰り越しでやっているのでしょう。ほかには静岡大阪岡山下関熊本、これだけしかサービス開始はいたしませんということですか。はっきりして下さい。
  54. 米沢滋

    ○米沢説明員 電報中継機械化の局をつくる場合には、敷地を買う場合もございますし、また電報局を改造するなりあるいは新しい局をつくる、また中に中継交換機械を入れるという工事をやりますと、たとえば六カ月とか八カ月かかる。従いまして、名前が出ておりましても、その年度に全部手をつけて完成するというわけではないので、その間たとえば二年継続とかあるいは三年継続ということがあると思います。また、たとえば予算では、そういう場合にも何%とか、局内だったら何%とか、こまかい数字があるわけなのでありますが、実行で多少それがずれるという場合もございますので、どの局がどうということは私ちょっと今はっきり申し上げられませんけれども、その点は御了解願いたいと思います。
  55. 安宅常彦

    安宅委員 そう言われると困るのですが、もう一回聞きますが、もっとあるんでしょうか。あるのだったら一つくらい名前をあげたらどうですか。ないんですか。どうも私は納得できないんですがね。
  56. 宮崎政義

    宮崎説明員 申しわけありませんが、三十八年度中に開始を予定する局は仙台と熊本でございます。
  57. 安宅常彦

    安宅委員 わかりました。三十八年度中にサービス開始するのは熊本と仙台である。それから三十八年度までの予算に組まれておる局で今のところサービス開始をしていない、三十九年度にずれるのは静岡大阪岡山下関だ、こういうふうに理解し、さらに三十九年度以降、まだ三十八年度予算にはもらっていないけれども、大分もやるつもりであります。大分はまだ予算に組まれていないのですから、私は文句を言わないけれども、あとはない、こういうように理解してよろしゅうございますね。
  58. 宮崎政義

    宮崎説明員 その通り。ありません。
  59. 安宅常彦

    安宅委員 それもあとでまたやりますが、建設計画の中をずっと見てみますと、たとえば今非常に料金が減収になって組まれておる。そういうふうなことで、あなたの方では、これは工事予定通り進まないという理由もあるのかどうかわかりませんが、大体料金減収のために、百億円くらいの工事が次の年に、三十七年度から三十八年度に繰り越しになっておるという話を聞いているのですが、それはほんとうでしょうか。
  60. 井田勝造

    井田説明員 大体一月を含めまして九十二億九千万円というのが予算に対して減収の状況でございます。従いまして、年度内には百億をこすことを私ども覚悟しているわけでございます。しかし、減収によりますところの資金欠陥は、公社の持っておりました余裕金と申しますか、具体的には業者に対しますところの前金をしぼりまして、それでその資金欠陥を補っておりますので、予算はフルに使うという建前で進んでおるわけでございます。一方、工事の繰り越しは、本年度は大体百億程度見込まれるわけでございますけれども、これは工事の進行の状況から起こってくることでございまして、別に減収と直結した関係はないと思います。
  61. 安宅常彦

    安宅委員 あなたの方では、減収によって当初の計画よりも工事を繰り延べしなければとっても予算が足らなくなる、こういうことでやったという話を聞いているのですが、そうしますと、これは工事の進行状況がおくれているために繰り延べになったのだ、こういう理由だけなんですか。——わかりました。  そうしますと、今度は計画そのものの話になるわけですが、去年は大体二千百億円くらいですか、ことしは二千四百二十八億、大体三百三十億くらい工事の量というのはふえておる。それから百億くらい繰り延べになっておる。こういう傾向というのは、料金の減収がもっとずっと予定よりも大きくなっていくとするならば、大へん困った事態がくるのではないか、私はそう思うのですが、料金の減収はどの辺で一段落になるのか、このままずっと伸びていくのか、あなた方が予定した料金の収入額よりも減って当てがはずれてしまうのか、あるいはある程度時期がきたらぐっとまた収入がふえるのか、どういう予想を立てておられるのですか。
  62. 井田勝造

    井田説明員 減収の傾向でございますが、これは、一月までの決算によりまして検討してみますと、ごくわずかではございますが、毎月少しずつ戻してきております。そして、通信局によりましては、すでに完全に上半期の状況まで戻した局もあるという状況でございまして、いずれ全通信局が戻るのではないか。ことに明年度は景気が興隆期に戻るのだ、その時期につきましてはいろいろ議論があるようでございますが、そういうことがいわれておりますので、明年度予算の収入、これは新料金体系によるところの減収も織り込み済みでございますので、明年度の収入というものは、いずれ、年度当初は多少予算額は達成できなくても、年間を通じては必ず達成できる、こういうふうに私どもは考えておる次第であります。
  63. 安宅常彦

    安宅委員 これは見通しですから、あとで見通しが違ったらまた問題になりますが、それは論議いたしませんけれども、三十八年度予算というのは、あなたの方では大体八月ごろ基本点は策定されておるのですね。そのころは料金がずっと減収になっているということがもう明らかになっておる時期ですよ。そういう時期に、去年から百億繰り延べしなければならないという状態がちゃんとわかっておりながら、三百三十億円の増加をするようなそういう計画をなぜ立てられたのか。そこのところがどうしても私わからないのですが、そこをちょっと説明していただけませんか。
  64. 井田勝造

    井田説明員 先ほども申し上げましたように、工事の方の進み工合というものは、メーカー資材の供給力でありますとか、あるいは設計能力、あるいは業者の工事能力、そういったようなものに関係してきめられるものでございまして、公社の減収ということとは無関係だと存じます。
  65. 森本靖

    ○森本小委員 僕はそういう答弁をしてもらいたくないのです。やはり料金の減収が工事の問題に関係があれば、料金の減収が生じてきたのだから、当初の計画が若干ずれてきたということは率直に言っていいと思うのです。あなたは経理局長としてそういう答弁をしておるけれども、去年と今年との各通信局管内における工事のやり方を見てごらんなさい。通信建設工事なんかアップアップしていますよ。これは本年一月から去年に比べてかなり制限をしている。だからこれは減収について全体的の工事に影響がないということはないはずです。そんな答弁はおかしいと思う。総裁、どうですか。総体的にこれだけ減収になっているものが工事の進捗に全然影響がない、こういうことは決してないと思う。そういうことであるとするならば、去年の工事量と今年度工事量の比較というものを出してみましょう。私は現にその仕事をしているのです。
  66. 米沢滋

    ○米沢説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。  本年度すなわち三十七年度は、二千百億というワクの建設勘定工事の六十万架設と、それに対します市外線の増設計画いたしております。そして、結局料金の減収、これは景気後退によるもの、あるいは新料金制度による一時的なもの、あるいはその他いろいろあると思うのでありますが、そういったものによって起こった減収は、われわれといたしまして、とにかく第二次五カ年計画の最後の年でもありますし、六十万加入はぜひやらなければいけないというので、余裕金を使いまして、二千百億の工程はこれを完全にやるということで今進めております。それで、ただいま御質問のございました三十六年度はどうかということになるのでございますが、三十六年度あたりは増収がございましたので、たとえば加入弾力を発動するということによりまして、年度の途中において工事がふえるということがございました。そして、たとえば三十七年度に増収があれば、弾力を発動するということによって工事をやるということがありましたが、結局減収になりましたので、そういう発動ができませんでした。しかし二千百億の工程はやったことになります。
  67. 森本靖

    ○森本小委員 それではこまかいことを聞きますが、たとえば高知県の山田の電報電話局については、去年さっそく工事にかかるということになっておったけれども、通信局からの指示によりますと、減収によってこの工事ができぬから無期延期と、こういう通知が来ている。これはどういうわけですか。
  68. 安宅常彦

    安宅委員 ちょっとそれに関連して、私は公社答弁する方々に注意をしておきたいのです。  私、この前の小委員会で、たとえばDSAの問題を取り上げました。そうして要員の算定というのはうまくいっているのか、実際要員というのは、第三次五カ年計画の過程においてあなた方が立てられたそれで計画が遂行できるのかということを質問している。だんだんこまかくなると、あなた方は答弁が不可能になるので、きょうはきりもみみたいにどこまでもつつこうとは思っていないのですよ。たとえば電信の中継交換にいたしましても、なにかあるかについてだけ聞く。電話発注値段についても安いか高いかということだけ聞く。その方法について間違いがないかどうかということだけ聞く。ただいまの場合でも、減収によってこういう工事工程がずっと延期になっている、こういうことはないかと言ったら、減収による理由ではないとあなたの方では答弁をしているのだが、そうすると、今度は、今森本先生が言ったように、一つ一つそういうふうに延期されたところを全部拾い上げてきて、文句を言うのはこの次だと思って——あなた方はきょうは考えてもらわなければならない。きょうこの問題を取り上げたら私はやめるだろうと思って、間に合わせの答弁をしておったら、とんでもないことになるということだけは頭に置いて答弁してもらわないと、あとでひどい目にあいますよ。これは心して答弁して下さい。
  69. 井田勝造

    井田説明員 本年度は、第二次計画の最後の仕上げの年でもあり、また第三次の準備をいたす年でもございましたので、建設工事につきましては、基礎工程その他できるだけ工事を進捗させまして、第三次の準備に万全を期するということで出発したわけでございます。従いまして、上半期の工事の進捗工合もいまだかつてないほど早く進む、こういうわけでございます。上半期の時点におきましては、私ども多少減収ということは覚悟しておりましたけれども、このように百億をこすといったようなところまでは考えていたかったわけでございまして、あるいは企業努力によって多少戻すのじゃないか、こういうことも期待しながら今季でやってきたわけでございます。一方過去の実績を見ますと、すでに御存じのように、ここ数年ずっと毎年増収が引き続きまして、増収があればその一部を建設の方に回しまして、そして予算以上の工程を消化する、こういうのが今までの毎年の例でございました。従いまして、通信局におきましても、本年度も若干の弾力条項の発動ができるのじゃなかろうか、こういうような態勢で上半期の工事をどんどんと進ませて参ったわけでございます。ところが、九月ぐらいの時点になりますと、もう弾力条項はどうにも本年は見合わせざるを得ない、こういうことがはっきりして参りましたので、従いまして予算工程以上にやるということは断念せざるを得ないということが、大体九月くらいにはっきりしてきたわけでございます。その分を明年度に打ち切った。こういう意味におきましては、減収が工事に影響しておるということはいえるわけでございますけれども、予算工程の中の工程を減収のために明年度へ繰り越すというようなことはないわけでございます。
  70. 森本靖

    ○森本小委員 関連質問ですから、これ以上やりませんが、大体年間電電公社予算については予算額に比してある程度の増収があるということは、これは毎年の年間のことであって、そしてそれを見込んで毎年々々予算が組まれる。そうすると、毎年々々そういう形の弾力条項において発動せられるものがある。そういう形のものについても、だから初めからやれるものというふうに考えながらやっていっておるというのが、今までのやり方であるわけです。ところが、先ほど来あなた方の答弁を聞いておりますと、減収については工事には関係がないということに——なるほど確かに今あなたが答弁したように、予算工程においては全然ない。しかし、毎年々々電電公社がやっておるところのやり方とは減収において変わってきておるということは言えると思う。だから、そういう点について私が言いたいのは、あなたの方は何も突っぱねるような答弁をずっとしていかなくともいいと思う。毎年毎年こういう形でもって予算がこうなっておるけれども、今年度については予算工程はぎりぎり一ぱいやりましたよ、例年通り増収によるところの弾力条項の建設工事その他についてはこれはほとんどやりませんと、減収において二百三十億程度あるわけですから、毎年の予算がふえることを、予算以上に増収になるということを考えていった場合にはそうなるわけでありますから、そういう形の答弁をしていけば質問答弁が食い違ってこないけれども、あなたの方は、予算工程をやることが至上命令でありますが、それ以上のことを電電公社として今日までやってきておるわけであります。しかし、それは今年はむずかしい、こういう段階になっておるという形の答弁をしていけば、質問と応答がスムーズにいくけれども、片一方の方は今初めて言ったことであって、もう予算工程は一切やっております、建設工事は全然問題ございません——しかし、下の方では、それが弾力条項で発動せられるものか、予算工程でやっておるものか、さっぱりわからぬというのが、各通信局における実際の段階であります。だから、そういう点について、井田経理局長が今言ったような答弁を初めからしでいけば、これは問題なく先へ進んでいくわけでありますから、私は、特にこういう点については、今後の答弁についても一つそういう形の親切な御答弁をお願いしたい。  それからもう一つ、これは議事進行で申し上げたいと思いますことは、質問者が質問をして、もしその質問の要旨がわからなかったら、あなたの方は、率直に、その質問についてはどういう要旨ですかということをもう一ぺん聞いて、それから答弁をする。とにかく質問があったら何でもかんでも答えなければならぬが、何を答えたらいいかわからぬと、うろうろしておるというのだったら、さっぱり委員会が進まない。だから、どういうことを答えたらいいかわからなければ、もう一ぺん聞いて、それからまたこっちから聞くという形の進行をやっていかぬと、あなた方のさっきからの答弁を聞いていると、これはまる一日やっても、なかなか先へ進みませんよ。その点も一つはっきりと私は答弁をする方にも申し上げておきたい、こう思うわけです。
  71. 安宅常彦

    安宅委員 質問する方でも気をつけますが……。  それで、どうもそういう点であなた方の第三次五カ年計画というのは無原則で、ただ所得倍増計画か何かに合わせて、経済の伸びはこれだけになるからこれくらいになるだろう、これくらいにしないとその要請にこたえられないだろう、こういう頭だけでやっているものだから、減収になったりすると、がたがきたり、それからあわててみたりしておるのではないかと思うので、ことしは景気がよくなるからその減収も取り戻せるだろうなんということを言っておるのは、そういう頭の中を裏書きした答弁だと思うのです。しかし、減収というものは、若干の景気の刺激政策をとったからといって、それは一部のところだけが増すだけであって、今までそういう景気の刺激政策をとった場合に、全般的にその減収が取り戻せるようなところまできたためしというのは、ほとんどないのです。そのあとは必ず不景気がきているんですよ。今まで高原景気だとか神武景気だとかいわれたけれども、これは公社の増収には影響がない景気の刺激政策なのですからね。ここのところは間違わないで立ててもらわないと、三百三十億増の計画を立てても、また繰り越し、繰り越しになっていって、結局五カ年計画が延びざるを得ない。どこかから金を持ってきて、第二次五カ年計画中に二回も計画を変更したみたいなぶざまなことをもう一回しなければならなくなる、こういうような気持がしてならない。その方向は、しかも第二次五カ年計画とは別に、反対の方向にいくような心配を私は非常に強く持っておるのです。そういう点で、この建設工事の問題についても、よほど慎重な配慮をして、そうしてもう一回その計画そのものをよく冷静に見渡して、計画を変更するなら変更せざるを得ないような、そういう対策をやはり準備しておかなければならないのではないか、こういうふうに思うのです。どうも無計画過ぎるような気がしてなりません。たとえば、さっき私が電報の中継交換のことを言いましたら、あとはないと言うけれども、ある局なんかは四〇%くらいしか進行していないまま放置しておる電信中継交換のところがあるのではありませんか。それはどういうふうにしてやるのか。これもほんとうは聞きたいところだけれども、私は、この次あたりに、もし答弁のいかんによってはやろうと思っておる。しかし、そういうことはきょう言わないけれども、たとえばそういう無計画なことというのは、数え立てれば枚挙にいとまがないんですよ。たとえば西宮の局の仁川の従局は本局の方に戻してきてやっているような、そういったやり方をしておるそうですが、あそこに採用になった交換機にいたしましても、これは非常に困った結果になっておるのではありませんか。私もよく知らないのですが、ドイツから輸入した交換機というのは、日本にたった一カ所ここだけあるようですね。モーターベーラーというのですか、その交換機なんかはなぜああいうものを入れたのか。そうしてクロスバーならクロスバーに大体統一されているときにおいて、そこだけなぜそのまま投げておくのか。そういう点どうですかね。これも一つの無計画の落とし子みたいなものだと思うのですが、この措置をどうするおつもりですか。
  72. 米沢滋

    ○米沢説明員 ただいまモーターベーラーの御質問が出ましたけれども、現在は日本の技術は大体世界的水準にあるということを私申し上げておるのでありますが、モーターベ−ラーの入りましたころ、あるいはその他のときには、まだ戦争のあとで日本の研究体制が十分でない。   〔大高委員長代理退席、岡田(修)   小委員長代理着席〕 従って、これは大量に入れるというよりも、やはりいろいろ外国からの技術をその当時は学ぶ必要があったという段階でありましたので、入れました。しかし、このころの時代は、たとえばドイツで申し上げますと、今のH型交換機を使用する地域にモーターベ−ラーというものをつけていけば、これは非常に効果を発揮するのでありまして、現にドイツあたりへ行ってみますと、モーターベーラーというものは非常に使われております。ただ日本の場合には、その後ウエスタン型の特にクロスバー方式というものを採用するという方向にきめましたので、あそこだけがちょっと一カ所残って、妙な形とお考えのようでございますが、機能的には十分発揮できております。それからまた、H型との間の相互のコネクションというものもできるので、そういう点は機能的には差しつかえないというふうに考えております。
  73. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、今度はまた別な問題に引っかかってくるのですが、試みに行なう——試行ですか、何でも既定事実をつくって、そうして試行試行といって本実施をやる、そういう癖が電電公社にはあるわけです。だから、たとえば機械をつくるんだったら、あるいは一つの工場を建てるんだったら、その工場を建てるときに、その工場が採算に合うかどうかという基礎的な研究を全部して、そうしてその機械を入れるとか、生産を開始する、こういうことにならなければ、これは会社がつぶれてしまうのです。電電公社だから、ドイツから輸入したのが一つ残っておっても大勢に影響はないかもしれませんが、これは重大な金のむだ使いだと思うのです。そういう意味で、どっちにするかわからないうちに機械を突っ込んでしまって、やってみたらしくじったから、今度はこっちの方へというのは、これは無計画の見本みたいなものだと私は思うのですが、あなたはそうは思わないのですか。
  74. 米沢滋

    ○米沢説明員 私どもは、モーターベーラーを入れまして、それが失敗したというふうには考えておらないのでありまして、たとえば、現にドイツではモーターベ−ラーというものを大量に使っておりますし、あそこはH型のゾーンでありますから、当時モーターベーラーを入れた方がいいかということは非常に技術的に研究いたしたのであります。しかし、その後クロスバー方式というものがなおいいということがわかりまして、従って日本としてはモーターベーラーもありクロスバーもあり、つまりドイツ方式とアメリカ方式と両方あるということはよくないということで、これは統一するということにいたしました。従って、形の上では一つああいうものが残ったのでありまして、歴史的に見ていただければ、やむを得なかったというふうに思っておりますし、それからもう一つ先生が最初に指摘されました十分研究してやれという点は、これはごもっともな点でございまして、あの当時に比べまして現在は日本の技術も世界的水準になっております。特に通研あたりもいろいろ研究をして、そうしてことにそういった方式の問題につきましては、研究所が中心になってやっていくといういうふうに考えております。
  75. 安宅常彦

    安宅委員 それが無計画ではないというなら、これは答弁質問がかみ合いません。だから議論はやめます。ただ、このモーターベーラー方式は機能は十分発揮しておるというのですが、少し前のあなた方の会議の議事録なんかを見てみますと、非常に困った事実が出ておるのです。たとえば大阪回線などは二百六十回線中四十回線が使用不能になっておる。回線が直らない。それから非常に回復まで長期の日数を要する。部品がない。いろいろなことで一々ドイツから輸入しなければならない。これは富士通信機ですか、そういうところでその保守を三十六年ごろまでやっておったようですけれども、これからは公社が保守しなければならない契約になっておる。こういうふうに私は聞いているのですが、そういった故障が実際にあったか。それから、保守のやり方は、ただいま私が申し上げたような契約で、今保守はやはり公社でやっておる、こういうことでありますか。この二つをお聞きしたいと思うのですが……。
  76. 米沢滋

    ○米沢説明員 今の契約の問題につきましては、私今詳しいことを知りませんので、後ほどお答え申し上げます。
  77. 森本靖

    ○森本小委員 それで、その仁川局の交換は、現在保守が満足にいっておるわけですか。他のクロスバーと比べて同じように円満に保守がいっておるならば、それは、今副総裁が言ったように、最初は試験的にやったということでありますから、やむを得ない。ただこれが今後の保守はどうか。他のクロスバーの交換機と同じような形において満足にいっておるということならいいわけでありますけれども、それがいってないということになりますと、かなり問題になるわけであります。
  78. 宮崎政義

    宮崎説明員 ただいまの御質問についてお答えいたしますが、私担当でないので、保守の状況について後刻また取り調べて御報告いたします。ただ、私の聞いておりますことは、仁川は西宮の本局の方に設備を使ったというふうに聞いておりますので、もう一ぺん調査をいたしまして御報告いたします。
  79. 安宅常彦

    安宅委員 私は調査しておるのです。だからその通りなんですよ。それで、あんた方の二年くらい前の会議では、これは大へんだ、もう故障は直らないし、二百六十回線中四十回線がだめになって、これは大へんだというような意味の議事録が公社の中に残っておるのです。現在はどうかということも調べてみた。ところが、現在も困るそうですよ。これはとんでもなく困る。これは特許の問題があるし、日本で適当につくるわけに参らない。従って、富士通信機が中に入ってドイツから一々輸入しておる。私も専門語のわからない点が少しはあったのですが、いろいろ聞いてみますと、現地の局では非常に弱っておるのです。もう障害が多くて保守に困っておる。それでギアが欠けたり、それからインパルス発色機というのが故障になって現場では修理ができない。そういういろいろなことから、故障したときには一々富士通信機に請負に出して、故障を直させておる。それで、今度富士通信機も困って、主要な部品がないものですから、一々富士通信機が今度シーメンスに発注しないとどうにもならない、こういうふうに非常に困ったしろものが入ったということで、私どもの方に苦情がきておるのですが、これはだれも知っている人はいないのですか。だれも把握していないのですか。
  80. 米沢滋

    ○米沢説明員 私も今詳しい数字はございませんが、もし保守上非常に影響があってまずいということであれば、将来取りかえ等の問題も考えなければならぬと思います。
  81. 安宅常彦

    安宅委員 そういう取りかえなければならないようなものは、研究段階でつけた方がよいのか悪いのか。将来電子交換機になった場合には、このジーメンスの製品はおかしいじゃないか。だからあとでクロスバーにしたと思うのです。おそらくそうだと思いますが、そういうことをちゃんと基礎調査してやったらいいのに、何でも試行だ試行だといってやって動かしてみて、だめになったらオシャカだ。これではあまりに国民に負担をかけるやり方じゃないですか。そう思いませんか。
  82. 米沢滋

    ○米沢説明員 先ほど私が申し上げましたけれども、今の仁川の例はよくわかりませんが、ドイツではとにかくモーターベーラーというようなものが使われておるので、おそらく部品の供給とかそういう点が円滑にいきさえすれば、そう問題がなかったのじゃないかと思いますが、しかし、現実にいろいろ問題がありとすれば、これはやはり考えなければならぬと思います。それから、とにかく入れましたのはだいぶ前でありまして、当時は日本の研究体制もそれほど整っておりませんが、現在はもう一ああいう大きなものをわれわれは今のところ入れようとは考えておりませんし、また今言われました電子交換機等の問題につきましては、通研その他でも鋭意検討を進めておる次第であります。
  83. 安宅常彦

    安宅委員 だから、そういう試行といいますか、これはよほど考えてもらわなければならぬ。第三次五カ年計画の中でも、技術が日進月歩ですから、そういうことが起こらないとも限らないので、気をつけてもらいたいということを申し上げておるのです。  それで、今度はそういうものとは関係ありませんけれども、この試行というのは、この間も東阪間の切りかえのときいろいろ私は言ったのですが、その前の名古屋、大阪あたりの一部の人が、一〇三番ではだめだから、ダイヤル方式をやってみて、そうしていいか悪いかためしたことがあったでしょう。ああいうことになりますと、今度別な意味でダイヤル回して通ずる人は、あなたの方でピックアップしたそういう非常に電話の利用の多い人、こういうことであなたの方ではやったと思うのですが、そういう人は非常に大きな利益があって、同じ料金で電話をかけられる。ところが、あとは相変わらず一〇三番に申し込まなければ大阪、名古屋が出ないという人がある。そういう試行なんというのも、国民に対して非常に差別をつけたやり方だと思うのですが、ああいうことも将来いろいろな意味でやられる御方針なんですか。この京阪間だってそうです。局番によってはならないところとなったところがある。そういうことについても私盛んにつついたわけですが、これはやむを得ない、そういう方式もあるのだというふうに、あなたの方で逃げておられると思うけれども、名古屋の場合なんかも非常に何だ、一般の人は一〇三番で、特定の新聞社やなんかだけがダイヤルで申し込むことができる、こういうふうなことでは困るじゃないかという、そういう非難が非常に多いのです。それで、一つの例をまた取り上げてみますと、あなたの方で何ですか、準専用制度といいますか、これを今やっておられるようでありますが、この問題なんかも相当問題のあるやり方だ、私はそう思うのですが、これはどういう意味からやったものですか。それをちょっとわかっている人答弁して下さい。
  84. 金光昭

    ○金光説明員 今のお尋ねの準専用制度はまだ実施しているわけじゃございませんので、ただいま実施のための認可申請を郵政省に出している段階でございます。そこで、準専用制と申しますのは、自動即時区間におきまして、市内の部分につきましては、端末について市内専用線を使い、市外通話の区間につきましては自動即時の市外回線を使ってやる専用制度でございまして、具体的に今プリンターホンといったようなものを使いたいという要望がございますので、それにこたえるために、新しくそういった制度をつくろうということで進んでいるわけでございます。
  85. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、この制度はまだやっていない、試行もやっていないのですか。
  86. 金光昭

    ○金光説明員 まだその段階でございます。
  87. 森本靖

    ○森本小委員 ちょっと今の説明はわからぬのですが、準専用というのは市内線ではないのですか。それじゃ市外線の準専用という形ですか。
  88. 金光昭

    ○金光説明員 この準専用というものは一種の市外専用の形でございますが、両側の市内の部分だけを専用線を使えるようにして、まん中の市外線の部分は一般の市外回線を使うというわけでございます。
  89. 森本靖

    ○森本小委員 そうすると、具体的にどういう形でやるわけですか。
  90. 金光昭

    ○金光説明員 具体的には、特定の、たとえばAの会社の本店とAの会社の支店との間に準専用制度を実施いたしますと、こちらの方から特定のオートダイヤルで相手を呼び出しますと、それによって接続されるということになっております。
  91. 森本靖

    ○森本小委員 そうすると、普通の市外線を使って、普通の自動即時のダイヤルと同じように画して、そうして相手と通話をする、こういう形になるわけですか。
  92. 金光昭

    ○金光説明員 これはやはり特定の間で、東京にありますA社の本社と大阪にありますA社の支店との間でございまして、東京の数名の加入者と大阪の数名の、たくさんの加入者との間、不特定の多数の間の通信ということではございません。特定者間だけでございます。
  93. 安宅常彦

    安宅委員 それじゃ郵政省に認可申請を出していると言われましたね。そうすると、料金だとかそういう制度というものは、ちゃんと郵政省に認可申請を出すくらいですから、もうきまっているわけですね。
  94. 金光昭

    ○金光説明員 現在公社の方としての案を出しまして、郵政省の認可を待っておる段階でございます。
  95. 安宅常彦

    安宅委員 それでは、もう一回念を押しておきますが、こういう認可申請と同時に、これは特定の者だけがやることになるのですが、そういう制度について周知を始めたり、そういうことを今しているのですか。
  96. 金光昭

    ○金光説明員 まだ郵政省の方からいつ認可があるかということがわかりませんので、現在の段階ではそういった周知はまだいたしておりません。
  97. 森本靖

    ○森本小委員 郵政省に資料を要求しますが、今の準専用のやり方の申請、それを全部資料としてお出しを願いたい。それから料金その他についての公社計画しておりますことも、資料としてお出しを願いたい、こう思います。
  98. 安宅常彦

    安宅委員 それに関連しましてまた一つお伺いしますが、通信文化新報の一月三十日付のものを見ますと、地方銀行が六十四行で、これは全国地方銀行協会ですか、そこからあなた方に対する申請といいますか、認可の要請といいますか、そういうものがあって、東京と大阪交換機設備してこれら六十四行の間に専用電信網を構成する、こういう話が出ている。しかも、この新聞記事によれば、ことしの十月から来年三月までの間にサービス開始をしていく予定である、こういう記事が載っておりますが、これは事実でしょうか。
  99. 金光昭

    ○金光説明員 事実でございます。
  100. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、今度は先ほどの準専用制度と違いまして、Aの本店とAの支店ではなくて、Bの本店とAの支店というように、六十四行が全部つながることになりますね。
  101. 金光昭

    ○金光説明員 ただいまお話しの地方銀行協会から申請のありましたものは、これは今までの制度で認められております電信の専用線を使うということであります。現在の専用線の契約といたしましては、特定のものだけでなく、非常に緊密な関係を有する業務の場合におきましては、共同の専用ができるという制度が開かれておりますが、その制度によってのものでございます。
  102. 安宅常彦

    安宅委員 これはこじつけ解釈だよ。あなたの方は、銀行あたりから出てきたら、すぐよろしゅうございますと、これは六十六条か何かでやるのでしょうが、そういう共同専用というものを援用してこんなものを許可したら、あと新聞社もやる、どこもやると、みなやったらどうなるのだ。局の中はとんでもないことになりませんか。銀行協会だけでなくて、緊密な関係があるといってみんなやられたら、加入電信なんてどういうふうになるのでしょうか。あなた、そこまで考えたことがありますか。
  103. 金光昭

    ○金光説明員 もちろん、先生のおっしゃいますように、これが非常に広範なものになりますと、公衆通信類似の業務を営むことになりますので、私の方といたしましても、これについては慎重な検討を加えまして、そういうような類似の行為を誘発するおそれのないようなものだけ限定的に認めるということで進んでおるわけであります。
  104. 安宅常彦

    安宅委員 これはまことに不届きな答弁だ。おれたちがやったらどうしてくれる。安宅なんてあぶないからだめだ、銀行は大丈夫だ、信用が置ける方だから許可しましょうなんて、許可の選択権はだれが持っているのですか。あなた方が持つのですか。
  105. 金光昭

    ○金光説明員 ただいまのものは、これは銀行業務ということで同一の業務を営んでおりますので、ほかにそういうおそれはないということでやったもわけであります。
  106. 安宅常彦

    安宅委員 銀行がやると、保険会社がやりたい。土建会社がやりかい——みな類似だ。同じだ。そういうものが全部、加入電信なんていうのは特定のやつだから不便でしようがない。不便でしょうがないから、類似のものがみなやったら、とても工合がいいので申請を出したの、だと思うのです。そういうことだから、これは公衆電気通信法という法律の法体系をくずすということになりはしませんか。全部そういう要求が出たら、全部こたえなければなりませんよ。銀行さんだけ許可して私らには許可しないのですかと言われたら、あなたはどういう答弁をするのでしょうか、そのときに。
  107. 金光昭

    ○金光説明員 われわれといたしましては、公衆電気通信法の基本精神をくずさないということを考えながら、十分この法を運用していきたいと考えております。
  108. 安宅常彦

    安宅委員 そういう銀行さん以外にそういう申請がどんどんきたらどうするのですか。
  109. 金光昭

    ○金光説明員 もし将来そういったようなものが出ましたときは、十分その業態等を慎重に検討いたしまして、これに対して対処したいと思います。
  110. 安宅常彦

    安宅委員 そういう一つの独占的な企業をやっているあなた方の方で、ある特定の方々に対してだけそういう選択権をあなた方が持って、ある特定の諸君がこういう専用の電信網をつくりたい、こういうふうな要請があったときには、ある特定の人にはオーケーを出す、ある特定の人にはオーケーを出さない、こういうようなことをやっておったら、とんでもないことになる。どうなんでしょう。これは私は新しい制度だと思うのです。これは六十六条を援用できないという法解釈を私は持っているのですが、どうなんですか。これを援用したというのは非常にむずかしい解釈の仕方で、あなたの方では慎重にやっていたというのは——相当これはとんでもないことになるのじゃないかというので、今まで慎重にやっていたけれども、今度はこれを援用すればできないことはないから、まあ銀行協会の要請だし許可した、こういうことじゃないのですか。確固たる法解釈上の自信というものがあったのですか。なかったからこういうふうに慎重にやったのではないのですか。
  111. 金光昭

    ○金光説明員 ただいまお話しの地方銀行協会の問題につきましては、銀行相互間におきます送金業務というものは、単に同一銀行の本支店間にとどまらないわけでありまして、Aの銀行からBの銀行というふうに非常にこれはそういった送金というものが多数行なわれるということで、六十六条を使ったわけでございます。同種の業務をやるからといって、全部をこの六十六条によって共同専用を認めるという趣旨では必ずしもございません。
  112. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、加入電信なんというのはあまり評判ががよくないのに、ますますなくなっていきはしませんか。こんなものよりこっちがいいということになりませんか。
  113. 金光昭

    ○金光説明員 加入電信の方は、これは全国各地に次第に加入電信網を拡充しておりますので、相当の加入者がふえておるわけでございまして、これらにつきましては、そのつど関係を持つような加入者との通信というものが必要でございますので、現在においても相当な加入者があります。さらに、今後におきましても、ますます加入者がふえるというふうに予想しております。
  114. 安宅常彦

    安宅委員 そういうことでも、私はころばぬ先のつえになろうと思っているのですからね。あなたはあとでそういう施設を一つの交換局に——加入電信だったら加入電信の交換機があるわけだね。それでやるわけです。ところが、この銀行協会の例によりますと、今度はこれらに対する設備というものを局内に別々に置かなければならないということになるのじゃないですか。技術上のことなんですが、どうなんですか。加入電信の交換機を別に銀行協会の分として局内に施設を持たなければならないでしょう。そうではないのですか。
  115. 金光昭

    ○金光説明員 端末におきましては、別の機械を置くということになります。
  116. 安宅常彦

    安宅委員 東京と大阪の局の中に、別に交換機を置くのではありませんか。
  117. 金光昭

    ○金光説明員 東京と大阪の局につきましては、やはり機械が必要でございます。
  118. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、どれくらいふえるかということを予想しなければならないと思うのです。あなたの方ではどういう予想を立てておるのでしょうか。そんな交換機を今度たくさん置かなければなりませんね。それを銀行がやったというので、保険会社もそうだし、あるいはまた新聞社だってそういうふうにしたいというところが出てくるかもしれませんね。共同通信なんかいろいろありますからね。非常に便利だったらそうしたいというところが出てくるかもしれませんよ。たくさん出てきたときに、局の中はこの専用の交換機だけで腹の中一ぱいになったというようなことになりはしませんか。局舎増設したりしなければならないということになりませんか。
  119. 奥井斎松

    ○奥井説明員 交換機の問題でございますが、地方銀行協会の東京と大阪に置く交換機は、共同専用の交換機でございますので。それぞれ別の銀行が共同で別に設置いたしまして、これにつなぐことになります。
  120. 安宅常彦

    安宅委員 もう一つ答弁がまだ残っておるのですがね。将来どんどんふえていって、どうにもならなくなりませんかということを聞いておるのですが、どのくらい認可するつもりなんですか。
  121. 金光昭

    ○金光説明員 ただいまのところ同種の申請というのはございませんので、将来はどの程度出るかということになりますと、われわれといたしましては、それほどこの種のものが将来たくさん出るというふうに予想していないわけでございます。
  122. 安宅常彦

    安宅委員 だから私は言うのですよ。ドイツの機械を入れるときも、そのときは基礎研究ができていないからというので、一つとんでもないところに残ってしまった。また、こういう制度を始めるのに、どれだけ需要があるかわからないで始めて、そうしてどんどんそういうものがふえてきたらどうなるかということを一応頭に置かないで、そういう需要は銀行協会しかございませんから、ふえたときはふえたときの対策をやるということでやっておっては、必ずとんでもないつまずきが起きるのではないかということを私は言っておるのです。そういう無計画なものなんですか。専用電信網をつくるということについて無計画で、今一社あるからやってみましょという程度でやるというふうに理解していいですか。
  123. 奥井斎松

    ○奥井説明員 一社だけというわけではございませんので、私たちよく検討いたしまして、共同専用という条件に当てはまることを検討いたしましてやるのでございまして、将来も法律に認めてある共同専用の条件に当てはまるものにつきましては、これを認めるつもりでございます。
  124. 森本靖

    ○森本小委員 ちょっと……。これは法律問題ですから明らかにしておきたいのですが、この六十六条の共同専用契約という項に、今言ったような加入電信組織の全国組織的なものが当てはまるかどうか。これははっきり聞いておきたいと思うのですがね。
  125. 金光昭

    ○金光説明員 六十六条の共同専用が全国的な通信網を含むかというお尋ねでございますが……。
  126. 森本靖

    ○森本小委員 いや、違う。私の質問をよく聞いてもらいたい。これは加入電信と同じ性格を持っておるわけであります。だから、この六十六条の共同専用契約の条項において、それができると解釈しておるかどうか。
  127. 金光昭

    ○金光説明員 六十六条でできるというふうに解釈いたしております。
  128. 森本靖

    ○森本小委員 郵政省に聞きますが、郵政省はそういう解釈ですか。将来私も検討してみたいと思いますが……。
  129. 岩元巖

    ○岩元政府委員 私の方も、実は、この問題につきましては、今まで聞いておりませんので、今聞いたわけでございますが、今伺いましたようなところからいたしますと、大体これでいけるのではないかと思いますが、なおよく研究いたしてみたいと思います。
  130. 森本靖

    ○森本小委員 これは現在試行としてやるとするならば、これは問題が比較的ないと思いますけれども、これが、公社が言っておりますように、六十六条によるところの法的解釈に基づいてやるのだ、こういう解釈をもってやるとするならば、これはかなり法的に疑義がありますよ。それから、もしあなたが法律的解釈に基づいてやるということを今答弁をせられようとしたら、少なくとも郵政省には先に申し上げて、そうして郵政省と一応のディスカッションをしてやらないと、事法律問題でありますから、一応あなたの方は、法律上で若干この間の集線装置みたいに疑義があるから、試行的にやりたいと考えておるということなら、許されておりますからそれは一応いいわけでありますけれども、そういうふうに電電公社が独断において第六十六条の解釈に基づいてやるというふうな形をとるということは、ちょっとおかしいのじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
  131. 金光昭

    ○金光説明員 六十六条によります共同専用は、今度の地方銀行協会によって初めて発動するわけでないのでありまして、現在までも同種のものを認めたものはございます。ただ、これは同一業務ということでございますので、今回の地方銀行協会におきましては、若干入ります銀行本支店は数は多いわけでございますが、為替送金業務という同一業務という点で、これは六十六条に十分適用ができる、こういうふうに考えている次第であります。
  132. 上林山榮吉

    ○上林山小委員 六十六条の解釈について、ただいま問題になっているようであります。郵政省の監理官の答弁は、私は少し聞きとれなかったのですが、聞きようによってはあいまいに聞えたのだが、ただいまも公社の方から答弁する通り、すでにこの条文によって事業を開始しておるケースもあるのだ、こういうこともあるのですが、あなたの今の答弁は、大体これで間違いないようですけれども、もう少し検討してみたい点もあるようである、こういうふうに聞こえたんだが、そのもう少し検討してみたい点もあるようであるという点は、どういうことですか、明瞭にしておきたいと思う。私もこれでやれると解釈しておる。
  133. 岩元巖

    ○岩元政府委員 私がただいま申し上げましたのは、大体私自身としては、これでいけるのではないかと考えますが、ただ私、実は法律については専門家でございませんものですから、その点で一応先ほどのような発言をいたしたわけでございます。
  134. 上林山榮吉

    ○上林山小委員 監理官としては、これでやれると思うのだけれども、専門的な法律家でないから、さらに念を入れて勉強してみたいという意味だと受け取ったんですが、政務次官、この六十六条をごらんになって、あなたは法律家の一人だと僕は思っておるのだが、どういうふうに思われますか。事実を知らなくても、これは法律家ならば解釈はできる。
  135. 保岡武久

    ○保岡政府委員 私もこれはまだ研究しておりませんのですけれども、今、質疑応答を承っておりますと、公社でやっているのは六十六条に適用のある業務をやっておる、こう考えられます。
  136. 岡田修一

    ○岡田(修)小委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  137. 岡田修一

    ○岡田(修)小委員長代理 速記を始めて下さい。  本日はこれにて散会いたします。   午後零時三十六分散会