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森本委員 それは大いにけっこうであります。そういうようにやってもらわなければならないと思いますが、
ものごとは
精神だけではいかぬわけであります。人間というものは、やはり欲の皮が突っぱっておるわけでありまして、そこに誘惑の手が伸びてくるとやはりそれに乗せられやすいわけであります。そうなってまいりますと、そういうものを事前に防止するということがはっきりしてこなければならないわけであります。あなたは御
承知でないかもしれませんが、
切手の
シートの大きさというものはそんな大きさじゃない。大体この
程度の大きさなんです。だから、これで二枚、三枚刷るというのは妙に
納得がいきかねる点もあるわけでありますが、五、五、二十五、大体
一つの
シートでこのくらいのなにでありますけれども、それを一枚刷って、それでそのうちの三枚なら三枚残して、
あとは厳重に保管しておくとすれば、たったそれだけで済むわけであります。だから、この紙一枚はかなり重要な紙になるわけです。これを普通のペーパーみたいな紙の
出納管理をされると困る。だから、その辺の
管理を厳重にしておくとすれば、五十枚としても、
あと四十枚
程度しか
横流しできないわけであります、事実問題としては、これは
印刷局長になられたばかりで、そういう点はまだこれから
調査せられるということでありますが、私が言いたいのは、
精神訓話をするのもけっこうでありますすれども、そういうことができないようなきちんとした
仕組みにしておかなければならぬ。やはりそういう点の
出納というものは、私の考えではどうもこういう問題が、たとえば同じ
印刷工場で
印刷される紙にいたしましても、一万円
紙幣の紙は、これはおそらく厳重な
出納をするけれども、
切手のほうは、場合によっては
出納の紙の一枚や二枚はどこにまぎれ込んでもわからぬような
仕組みになっておるのじゃないかというような気がするわけであります。だから、詳しく聞いたわけでありますけれども、きょうはこの
程度にしておきます。そういう点できちんとした
事務系統にしておかなければならぬということと、それから、まあこれは言い過ぎになるかもしれませんけれども、いま
にせものが非常にはやっているわけです、実際問題として。その
にせものがはやっておるときに、本物を
印刷しておるのは
大蔵省でありますよ、
紙幣でも。これは
一体大蔵省は何をやっておるんだろう。
大蔵省が本元のにせじゃなかろうかというふうに疑われてもやむを得ないような非常に大きな
ミスなんです。だからこれは、いま
印刷局長が言われましたように、
十分戒慎をせられまして
従業員の
士気高揚、それから徹底的な今後の
対策を講ずるということは大切でありますけれども、さらにこれを
管理する
方法と
機構というものを、もっと筋道を立てて明確にするということをお忘れなくやっていただきたい。特にこのことを私は要望しておきますから、この問題があなたのほうで
調査がつきましたならば、もう一度この
委員会にかけまして詳細に
説明を受けたい、こう思うわけであります。
そこで、今度は
郵政省に聞きたいと思いますが、これは
新聞記事でありまするから、ちょっとわからぬわけですけれども、「
郵政省郵務局の
話発行前から
デザインがもれて苦しい思いをした。残念なことになったが、これで
郵政省への
全国の
切手同好者の疑いは晴れ」てほっとしたというような
意味の談話があるわけであって、これは
郵政省の官僚の
考え方としては、ある
程度私は、
郵政省がこれをやっておるんじゃないか、やっておるんじゃないかというふうに疑われていたものが、おれのところじゃなくて、
大蔵省がやっておったんでほっとした——その気持はわかるのですけれども、実際問題としてそういうことをうすうす感づいておるとするならば、
郵政省にも
郵政省独自の
司法警察権を持った
郵政監察官がおるわけでありますから、これは当然
印刷局あたりと協議をいたしまして、いわゆる
司法警察権を持った
郵政監察官を使うなり、場合によってはこの
調査を行なう、こういう
方法をやはり早目に講ずるべきではなかったか、こういうふうに考えるわけであります。その点については、これは
大臣でも
政務次官でもけっこうですが、聞いておきたいと思います。