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1963-03-14 第43回国会 衆議院 逓信委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月十四日(木曜日)    午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 本名  武君    理事 大高  康君 理事 岡田 修一君    理事 佐藤洋之助君 理事 羽田武嗣郎君    理事 大柴 滋夫君 理事 森本  靖君       中山 榮一君   橋本登美三郎君       安宅 常彦君    佐々木更三君       畑   和君    原   茂君       安平 鹿一君    受田 新吉君       谷口善太郎君  出席国務大臣         郵政大臣大   小沢久太郎君  出席政府委員         郵政政務次官  保岡 武久君         郵政事務官         (大臣官房長) 武田  功君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  淺野 賢澄君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  岩元  巖君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   熊田淳一郎君         大臣事務官         (理財局国庫課         長)      稲村 光一君         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社経理局長   井田 勝造君         日本電信電話公         社経理局次長  奥田 孝一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  電信電話債券に係る需給調整資金設置に関す  る臨時措置法案内閣提出第七二号)      ————◇—————
  2. 本名武

    本名委員長 これより会議を開きます。  電信電話債券に係る需給調整資金設置に関する臨時措置法案を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。安宅常彦君。
  3. 安宅常彦

    安宅委員 需給調整資金のことについて非常に不定な点がありますので、いろいろお聞きしたいと思うのでありますが、その前提に立ちまして、昨年五月、電信電話債券に関する価格安定に関しての閣議決定があったわけでありますが、どういういきさつからどういう決定をしたのか、大臣も新しいから、その事情はよくわからないかもしれませんが、どなたかから一応詳細に承りたいと思うわけです。
  4. 岩元巖

    岩元政府委員 お答え申し上げます。  加入者引き受け電信電話債券の市価は、三十六年の十月初旬ごろ著しく低落いたしまして、加入者に与える負担が非常に大きくなるといったようなことで、国会におきましても、当時いろいろと問題とされたわけでございます。当時におきます価格の低落は、強度金融引き締めの影響と、株式第二市場の発足に伴いまして、気配相場による集団取引が禁止されましたことが大きな原因となったようでございます。従いまして、政府並びに公社といたしましては、その当時、直ちに東京、大阪、名古屋の市場加入者債券上場措置を講ずることといたしたのでございますが、なお、その後も引き続き債券価格安定が思うようにいかないといったことから、その価格安定に関します措置につきまして検討を加えておったようなわけでございますが、三十七年の五月十八日に、閣議におきましてその具体的な方策を決定したわけでございます。この当時の閣議決定内容は御承知と存じますので、ここであらためて御説明いたしませんが、その閣議決定の線に沿いまして、本年一月から債券発行条件改訂を行ないまして、価格安定に資するような措置を講じて参っております。  それから、当時、閣議決定におきまして、需給調整資金公社の会計の中に設けて、この資金の運用によって価格安定をはかるようにといったような内容決定がなされておるわけでございますが、その決定に沿いまして今回の法律案を提案したような次第でございます。
  5. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、この閣議決定というのは、一番大きな理由は、強度金融引き締めからくる電信電話債券価格安定性というものを何とか維持しなければならない、こういう趣旨でやられた、こういうように理解していいのですか。
  6. 岩元巖

    岩元政府委員 先ほど御説明申し上げました通り、当時の金融引き締めといったようなことも一つの大きな原因ではあったと思いますが、その後において価格が安定しなかったという原因の中には、加入者債券に関しましてその他のいろいろな原因もあったわけでございまして、そういったことから安定が得られなかったというようなことでございます。
  7. 安宅常彦

    安宅委員 その他のいろいろな条件と言ったってわからないです。その他のいろいろな条件というのは、具体的に言っていただたくわけにはいかぬでしょうか。
  8. 井田勝造

    井田説明員 公社の方から一応その補足説明をさせていただきます。  加入者引き受け電電債は、有価証券として非常な特色がございます。第一は、強制的に引き受けさせられる、こういう点でございまして、一般有価証券は、かなり債券的な知識を持たれた方が、経済的な計算において有利という見通しのもとに購入されるわけでございますが、電電債券におきましては、そういう点がないということでございます。  それからもう一つは、非常に小額債券でございまして、これが全国津々浦々で毎月多額に発行されている、こういう点でございます。大都市では十五万円でございますが、いなかの方へ参りますと二万円といったような小額のものが発行されている。一方、これが処分をされまして、流通市場へ出ました場合に、買手の方は、機関投資家が買うわけでありますが、これは取引単位も大体千万円あるいは億単位といったようなことで大口の需要が発生いたします。ところが、これに対します供給といいますか、これは今のように小口のものが全国に散布されておる。しかも従来は毎月によりまして銘柄が違っていく、毎月二銘柄のものが新たに発行されていく、こういうことでございまして、本年の一月には——ちょっと今正確な数字を記憶しておりませんが、大体百七十銘柄以上のものが市場に出回っておる、こういったような状況でございました。従いまして、一銘柄は大体三十億か四十億かその程度のものでございまして、そのうちの一部が市場へ出回るわけでございますから、なかなかこれがまとまった数量になりにくい。投資家は一銘柄で数千万円あるいは何億というようなものを要求するわけでございますが、供給の方は何種類も銘柄を集めないとそういうことにならない。それでは投資家の方が買うのに不便である。こういったような点があったわけでございます。そういうような点が今度の発行条件改訂で大体解決をされるのではないか、こういうふうに考えております。
  9. 安宅常彦

    安宅委員 それで私は申し上げなければならないことがあるのです。こういう電信電話債券というのは、拡充法ができたときに、将来電信電話建設資金がある程度見通しがつく、こういう段階にはやめる性質のものではないか、こう思うのですが、この点についてはどうお考えになりますか。
  10. 井田勝造

    井田説明員 御存じのように、本年度末をもって第二次五カ年計画が完結するわけでございますが、しかも積滞は百万をこすような状況でございます。従いまして、第三次五カ年計画を立てておることは御存じ通りでありますが、この資金は非常に膨大なものでございまして、大体一兆八千億になんなんとする規模であります。加入者引き受け電信電話債券は、大体所要資金の三分の一程度をこれによってまかなうということでございますので、今後もさらに電話需要伸びるということになりますと、全部自己資金財政資金でこれをまかなっていくという見通しはなかなか立ちません。どうしても拡充法によります電信電話債券というものを当分の間は続けざるを得ないのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
  11. 安宅常彦

    安宅委員 当分の間というのは非常に微妙な言い回しなんですが、たとえば第四次五カ年計画が完了すればほとんどこういうものは要らなくなるのか、その辺の見通しなんかは、ここであなたの方では言うわけには参らぬのですか。
  12. 井田勝造

    井田説明員 大体第四次までは拡充法によりまして、申し込めば電話が直ちにつく、全国が全部即時通話になるというときが実現するというふうに私ども考えておるのでございますが、その以後どういうふうになるかという見通しにつきましては、まだ私ども確固たる自信のある見込みは立たないわけでございまして、第五次以降の問題につきましてはまだ白紙である、こういう状況でございます。
  13. 安宅常彦

    安宅委員 こういういわば財政資金なり公社自己資金でやれないような拡充計画というものがずっと将来にわたって続いていった場合に、債券なりそういうものの償還などで非常に公社運営が困るというときが来るのではないかと思うのですが、そういう心配はございませんか。大体三分の一をそれで完全にまかなっていくということですから、膨大な金額になる予想がつくわけですね。この問題については、将来にわたってどういうふうにするかという見通しがなくて計画を立てられ、運営をしておられるということになりますと、将来非常に問題を残すのではないかと思いますが、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
  14. 井田勝造

    井田説明員 第三次五カ年計画は、もうすでに御承知通りあのように収入を予定いたしましてあの程度建設が進行するならば、大体電信電話事業運営は、支障なく電話をふやしていくことができる、こういう見込みでございます。第四次以降につきましては、これはまだ正式なものは何もないわけでございますが、第三次と同じ条件が第四次にも続くのだ、こういう仮定で一応事務的に試算をしてみますと、第四次も大体支障なくいける、こういう見込みなのでございますが、何しろ十年先のことでございますので、収入伸びがどういうふうになっていくか、それから人件費の問題あるいは物件費の問題、そういったような点がどういうふうになっていくか、それから技術の進歩という点も、どういった新しい技術が出て参るか、まだはっきりわからないというふうなことでございますので、非常に不確定な要素が多い、こういう状況でございます。
  15. 森本靖

    森本委員 ちょっと関連して。経理局長に聞きますが、電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律債券のもとの法律は一体いつまでですか。債券について、これはもう期限になっていますか。
  16. 井田勝造

    井田説明員 ちょっと御質問趣旨がわかりかねるのでございますが、臨時措置法がどういうふうに今働いているかという問題でございますか。
  17. 森本靖

    森本委員 そうです。
  18. 淺野賢澄

    淺野政府委員 ただいまの御趣旨は、拡充法の期末を御指摘になったのかと存じますが、これは四十八年の三月ということになっております。今御質問のございました点は、ただいま井田経理局長が申し上げました点に関連いたしまして若干はっきりしないという点で御質問があったのかと存じますが、その点につきましては、拡充法を御制定いただきました当時の国会の立場、それから附帯決議等からいたしまして、こういった債券によります体制は需給のバランスがとれるということを前提といたしまして終わると考えております。
  19. 森本靖

    森本委員 だからこれは、今の安宅議員質問に対して、まだその見通しが全然立たないということはないと思うのです。法律において一応見通しを立てておるわけですから、その法律に基づいて公社計画を立てなければならぬのでしょう。要するにこの電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律というものがなくなれば、これは根拠がなくなってくるでしょう。どうですか。
  20. 井田勝造

    井田説明員 その点につきましては、私、第五次以降につきまして白紙であるというふうに申し上げたわけでございますが、結局電話建設いたしますには十年後にどういうことになりますか。三十数万円か四十万円かどういうことになりますか、やはりかかるわけでございますが、それには自己資金とそれから財政投融資といったようなこの二本立でいけるようになるのかどうか。あるいは現在のように加入者引き受け債券を必要とするのかどうか、その辺はちょっと今のところ判定がつかない、こういうふうに申し上げたのであります。
  21. 森本靖

    森本委員 そうすると、附則の第二項の「この法律は、昭和四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」ということを、どう解釈しているのですか、法律の問題は。
  22. 井田勝造

    井田説明員 結局、公募債あるいはその他の財政投融資等建設資金が十分間に合うんだ、こういったような見通しが、この四十八年までにそういう条件ができるということになりましたら、拡充法廃止される、こういうことになるのではないかと考えております。
  23. 森本靖

    森本委員 私は関連ですから、あとで自分のときにやりますが、そういう答弁は私はすべきではないと思う。この法律に「昭和四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」こうあるわけですから、電電公社並びに郵政省当局は、その方向に合うように努力しなければならぬわけだ。そうじゃなかったら、法律をつくる必要はないんですよ。それに合うようにやってきて、そのまぎわになって、どうしてもいかぬということになれば、それを延長するかどうかということについて、当然あなたの方で問題になるし、国会でも問題になるが、電電公社並びに郵政当局としては、この法律に基づいて昭和四十八年三月までに廃止ができるように全力を注がなければならぬ。その方向に従って邁進をします、だから現在の段階においては、債券については、おそくとも昭和四十八年までには全廃をするような方向努力をいたしておりますと、明確な答弁安宅議員にしなければならぬわけですよ。それを、ああでもない、こうでもないというような答弁をするんだったら、審議をやめますよ。法律でちゃんときまっているものを、何という答弁をするんですか。大臣どうですか。
  24. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 この法律によりまして、債券発行は四十八年までということになっておりますから、それが当然でございます。
  25. 森本靖

    森本委員 総裁もはっきりしておいて下さい。
  26. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま大臣の仰せになった通りだと思います。おそらく経理局長としては、実際問題として、そのときになって、あるいはまた新しいこれはかわるべき法律が必要になるかもしらぬということを心配をして言ったものと私は考えます。
  27. 安宅常彦

    安宅委員 それで電信電話債券の性格の問題になるのですが、どだいこれは、先ほど経理局長が言ったように、大きな特色がある。一般公募債や何かでやるんだったら、あまり迷惑はかからないものはかからないし、それからもうかるものはもうかる、損するものは損するかもしれないけれども、とにかく電信電話公社なりそういうものを信用して引き受けてもらう、こういうことになるわけです。これは金額に多い少ないはありましても、電話加入を希望する者が強制的に引き受けさせられるものです。ほんとうはいやなんです、こんなものは。そうでしょう。いやだけれども、やむを得ず引き受けておる。こういう債券というものは、えてして価格というものが将来どういうふうになるのか——借金をどんどんやっていって、電話だけめちゃくちゃにつけて回線は延ばす、こういうようなことをしておって、将来の経営見通しのきかない会社のそんな債券なんというのは、ほんとうはだれだって引き受けたくないのですよ。こういう信用度の問題で下がっていく、信用がなくなれば下がっていく、これはあたりまえの現象なんですね。これは強制的に買わせられているもので、しかも計画が毎年々々大きくなって、発行額がすばらしく伸びて、ちまたにはんらんをする。こうすれば、非常に混乱した、経済一般性ではなくて邪道みたいな、そういう現象が出てくるのは私はあたりまえじゃないかと思う。従って、こういうものはなるべく早い機会に廃止するのが、これは電電公社としても、監督官庁である郵政省としても、ほんとうなんではないか、財政投融資なり、それで足りない場合には一般公募債なり、こういうことでやっていくのが本来の姿ではないか、私はそう思うのですが、大臣、この問題についてどういう御見解を持っておられますか。
  28. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 それで暫定法をつくりまして、四十八年度まではこういう方法でやるというような方法をつくっているわけでございます。と言いまして、政府もちっとも金を入れないのではありませんで、やはり財政投融資等々入れまして、政府資金を入れまして、電話拡充をはかる、そういうような方針で進んでいきたいというふうに考えております。
  29. 安宅常彦

    安宅委員 つまり私が質問をしようとしたのは、一般的にはこういう暫定措置法をつくったけれども、これは所得倍増計画に合わせてどんどんふやしていこうという、大体この経済成長伸びなんかと合わせて電電公社が今立てているわけですね。その所得倍増計画といいますか、高度経済成長政策といいますか、それは私らの見解で言えば、まず——大へん悪い言い方ですが、オシャカになった、こういうふうに私ら見ているわけですね。そういうふうに日本の経済というものは伸びていって、現在の内閣が大体見通しを立てる、そういう段階では、なるほど信用もあったりなんかしたかもしれませんが、どうも高度経済成長政策というのはあぶない、おかしいじゃないかということが国民の中にぴんときた。そういうときに、この電信電話債券というのはがた落ちをしている、こういうものですから、本来ならば——だから暫定措置法をつくったんだと大臣は言いますが、こういう暫定措置法というものはあまりいいものではないのではないか、こう思うのです。まあやむを得ずそういうふうにしたんだ、本来ならば、私が先ほど言ったようなのが原則だ、こういうふうに大臣は理解してはおられないのでしょうか。どうなんですか。一般原則を聞いているわけです。
  30. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 もとは実はこの負担金をとってしまいまして、まあ債券でなかったわけでございますが、それが悪いから債券にしたわけでございまして、理想から言えば、債券などを買わないでそして電話がかけられるというふうになるのが私は理想だと思います。
  31. 安宅常彦

    安宅委員 この間、私電話原価の問題に触れようとしたときに、これは計算が非常にめんどくさいようにできておるものですから、なかなかむずかしいことだと思うのですが、本来ならば、加入を申し込む人々に迷惑をかけない程度においてその負担をしてもらい、建設計画の拡張に必要とする資金を、電話をとりたい人に全部かぶせてやろうなんというのは、ほんとうはあまり上等でないやり方だと私は思うのですが、そうは思わないのでしょうか。正式に負担金なら負担金原価計算してそれをとって、そして拡充計画に伴う分までその加入者負担させるなんというのは、あまり上等じゃないんじゃないかと私は思うのですが、大臣どうですか。
  32. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 やはり電話をかけますには相当の資金が要りますので——もちろん政府財政投融資等々で援助するということは必要でございますけれども、やはりかける方である程度の金は出していただくということが私は必要じゃないかと考えております。
  33. 安宅常彦

    安宅委員 それはおかしいんだ。バス会社路線を延ばしたいから、路線を一ぱいつくりたいから、バス運賃を、ほんとうは十円で間に合うところを十五円にしてくれと言ったら、ばかやろうと言われるのですよ。それはおかしいやり方だと思うのです。ただ、そういう場合には、金をとるのじゃなくてお借りするので、あとから返しますということなんですが、そこに問題点があると思うのです。その場合に、その債券が有利だったらいいのですがね。それからもう一つは、電話を引きたい人がみな金持ちだったらいいですよ。ところが、十五万円なら十五万円引き受けさせられてすぐ手放さなければ商売が成り立たない、商売をやるために十五万円支払い、買ったけれども、すぐ手放さなければならない、こういう人が大部分なんです。こういう人ほどほんとう電話を早くとりたい、そうして商売もうまくいくようにしたい、便利な生活をしたい、こう思うけれども、金がないからどこかから借りてきて、十五万円引き受けて、何万円か損して売り払う、こういう制度になっているものですから、所得階層別に言いますと、低所得階層にいくに従って直ちに売らなければならないから、損しなければならぬ。つまり経済の豊かな人は大して損することもない、高くなるまで持っていても、そうしていけるところの経済力がある。貧乏な者はすぐ手放さなければならないから、もう半分くらいで売り飛ばさなければならない、こういう制度なわけです。だから、そういうやり方は、私は公平にあまねく庶民のためにやらなければならない電話事業としては、あまりよろしくない政策ではないか、こう思うのです。そういうことについて、一般中小商工業者や、そういう人々から多くの苦情があるのですが、こういう問題について、大臣はそういう声に耳を傾けて、何とか近い将来——法律は、暫定措置法は四十八年までですかになっておりますが、その前に何とかしなければならないのじゃないかというふうな気持になりませんか。
  34. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 一応四十八年度までの暫定措置になっておりまして、ただいま安宅先生が言われました債券の値下がりそういうことのないように需給資金を今度つくろう、そういうふうな趣旨でございます。
  35. 安宅常彦

    安宅委員 根本に、一番初めに矛盾があるから、また矛盾が重なってきてしまって、それであわててその矛盾をこうやくをはって食いとめようというのがこの需給調整資金法律なわけです。こんなことをしておって、将来電電公社経営に重大な問題が起きないかということを、私は心配して聞いているのですが、公社総裁、どうですか、絶対そういうことなしということを断言できますか。
  36. 大橋八郎

    大橋説明員 私どもは、極力そういうことのないように懸命の努力をいたしておる次第でございます。
  37. 森本靖

    森本委員 これは大臣法律をあなたよく読んでおいて下さいよ。これは私たちが審議してつくったときに、昭和四十八年三月三十一日に廃止をするものとするとはなってないのですよ。よく法律を読んで下さい。「昭和四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」、こうあるわけでありますから、それまでにこれが廃止ができるようであるならば、すみやかに廃止をすべきである、やむを得ぬ場合でも、昭和四十八年の三月三十一日までとする。この、までとするということがあるわけです。だから、それまでにおいても、廃止をしてよろしいというふうに、努力をして廃止ができる条件になったなら、なるべく早く廃止をするという、これが立法趣旨であります。だから、大臣は、四十八年三月三十一日にこだわっておるけれども、それまでに廃止ができるように全努力を傾注しなければならぬ、公社郵政省も。そうして廃止ができるようになったら、一年でも二年でも三年でも早く廃止をしようというのが、立法趣旨であります。これは一つ大臣よく勉強して、今の安宅議員が言っておるように、一生懸命努力をして、廃止ができるようになれば、一日も早く廃止するようにいたしますという答弁をするのが、この法律趣旨に沿った大臣答弁になるわけであります。その点誤解のないようにもう一ぺんはっきり答弁をしておいてもらいたい、こう思うわけです。
  38. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 私もどうも法律のこまかいところまで読んでおりませんでまことにあれですが、できる限り早く、できればそういうふうにしたいと思っております。しかし、いろいろ金も要りますので、そのときにならなければわかりませんが、できるだけそういうように早くしたいと思います。
  39. 安宅常彦

    安宅委員 わかりました。いろいろ本質的な問題について追及をしたいところなんですが、大へん苦しいようですから……。  そういう今までの答弁から聞きますと、初めから、建設資金を獲得するために一般加入者負担をかけさせることを頭に描いて、そして電信電話債券というのはできた、発行してみたら、今日では建設資金の三分の一はもうこの電信電話債券にたよらざるを得ないような政策になっておる。これは今後電話をたくさんつけるようになりますと、この金額はますます膨大なものになっていくわけであります。そうしますと、さっき言ったように、もとが矛盾があったのですから、その矛盾が倍加されて、その結果需給調整資金というものを置かなければならぬ、こういうように考えて、その値下がりの対策のためにあなたの方ではこれを提案してきた、こういうふうに私どもは理解しておるわけです。そうしますと、今公社が言っておる二十二億円の金で、どの程度の救済ができるのか、こういうことについて一つ担当者から詳しい説明を願いたいと思います。
  40. 井田勝造

    井田説明員 実は予算を要求をいたしますときには、五十億は確保したいということで要求したわけでございますが、資金事情の全般の見通し、それからまた、市場価格も非常に底がかたくて、今後公定歩合の引き下げとともにますますじりじりと上げていくのではないか、こういう見通しもございましたので、一応二十二億ということで大丈夫だろうという見当をつけたわけでございますが、何しろこの需給調整資金がどの程度あればよろしいかということにつきましては——ほかの人件費でございますとか、物件費でございますとかといったようなものは、過去の詳細な実績というものがございますし、非常にこまかい具体的な議論ができるのでございますが、この調整資金につきましては、過去の実績というものがございませんので、こまかい具体的な議論ができないのでございまして、大体今の市場情勢等を考えまして、この程度で大体大丈夫であろう、こういうことを考えたわけでございまして、こまかい積算の上に立って議論をして、その結果出た数字、こういうわけではございません。  大体それでどういうことができるだろうかということでございますが、御案内のように、これは回転をはかればその分だけ多く働くわけでございまして、今後大量に買わなければいけないといったようなときには、回転に努めまして、大体足りなくて困るといったようなことのないように努力をいたしたい、こういうふうに思っております。
  41. 安宅常彦

    安宅委員 どうも私の計算が間違っておるか知りませんが、五十億円を要求した、五十億円といえば相当な金ですが、それに幾らか足せば何も無理してこんなものを、債券なんかやめてしまって、それぐらいのてこ入れをする資金があるぐらいなら、もう少し奮発して債券制度をやめてしまうというようなところまでは考え及ばなかったでしょうか。たとえば二百億とか三百億とかあれば、需給調整のためにこんなものを置いておくよりも、何も無理して加入者にこんなものを引き受けてもらおうなんということはしなくてもいいし、あるいは少なくともその額を減らすとかいうふうなところまでは考え及ばなかったのですか。
  42. 井田勝造

    井田説明員 明年度の加入者債券の見積額は大体七百億余りになっておるわけでございまして、この需給調整資金の額は五十億か二十二億かといったような問題でございまして、けたが違いますので、今先生のおっしゃった御趣旨のことは私ども考えなかったわけでございまして、ただ発行条件を引受者に有利なように改訂をする、そういう線で考えたわけでございます。
  43. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、大体現在まで、昭和三十七年ですかの末の電電債の累計額というのは三千三十六億九千七百万ですか、そういうふうになっておるわけですが、大体現在の建設計画を進めていくと、第三次五カ年計画の末までにはどれくらいになるのかという一つの構想があると思うのですが、期末におけるそのときの残高、これをちょっと聞かせていただきたいと思います。
  44. 井田勝造

    井田説明員 一方において発行いたしておりますが、一方において途中償還、それから満期償還をやっていくわけでございます。その差引が四十二年度末で八千九百四十五億と推定いたしております。
  45. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、さっき法律の終わりが昭和四十八年ですが、その後こんな大きな八千九百四十五億円もあるやつを、この法律がなくなる、そうするとあとの始末は、あなた方はそのときはもうゆうゆう自適をしている身分だかもしれぬけれどもあとの人は大へんな迷惑がかかるような気がしてしようがないのです。だから、そういう計画を立てておって、暫定措置法が四十八年、何とかその前に廃止しなければならないという運命にあるときに、第三次五カ年計画の終わりごろで八千九百四十五億、第四次五カ年計画のことを聞けばもっと大きなことをあなたは言うかもしれませんが、そこまで私は聞かなかったのですが、これはどうするつもりでしょうね。その時点で非常に困ったことが起きるような気がするのです。そういう面から、たった二十二億の金で値下がりを押えるというようなことができるのかどうか、これはあなたはいつも答弁するときはだんごにしたみたいな答弁ばかりで、数字的な根拠がない、きょうも言っておるのですが、そういうばく然とした概念でほんとうに確信が持てるのかどうか、こういうことを私は聞きたいわけです。  それからもう一つは、どこまで落ちたら救うのか、こういう基準というものはいつどこでどういうふうにしてきめるか、郵政大臣と大蔵大臣が協議してなんて書いてありますが、どういう場合に発動するのか、そういう原案があったら一つ聞かしていただきたいと思うのです。
  46. 井田勝造

    井田説明員 前段の方の御質問は、加入者債券というものは期限がくれば返さなければいけない、借りかえができない、従いまして、今のようにどんどんと起債を何百億も毎年続けていって、年々膨大になる、これが満期のときに返せなくなるのではないか、こういう御心配かと思うのでございますが、その点は、先ほど申し上げましたように、第三次の線で、収入は第三次と同じ考え方、また人件費物件費の上がり方も、大体第三次と同じ考え方で試算いたしましたところ、事業収入規模もふえて参りますので、第四次までは大体満期が来たものが返せなくなる、そのために建設が全然ストップするとか、あるいは事業の財政基礎が破綻に瀕するといったことはないというふうな試算が出ておるわけでございます。第五次以降にはどういうことになるか、この辺は全然白紙であるわけでございますが、漸次公募に乗りかえていく、こういう道はあるのでございますから、満期が来たものが返せなくなるとか、あるいは公社の財政基礎が危うくなる、あるいは建設がストップするといったような状況は、第五次以降もまあ心配はないのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  それから後段の方の御質問でございますが、これは拡充法制定のときの御審議の経過等から考えまして、臨時措置法のときの加入者負担に比べまして、著しく加入者負担が重くなるといったような場合に、これを救済する、こういうことを私ども考えておるわけでございまして、これはどういう線が負担法と比べて重くなるかという点は、これは級局によりまして違うわけなのでございますが、額面に対しましておおむね七、八〇%に市場価格がなると、そういう状況になるわけでございますので、その七、八〇%の線を割ったときに発動を考慮する、こういうふうに考えております。
  47. 安宅常彦

    安宅委員 これは一般人々負担がひどくなったというのは、一般論として七、八〇%、こういうことはわかりましたが、それはそのときの債券銘柄にもよって、あるいは発行してから何年たったもので何%とか、そういう大体の基準というものは、何段かに分けて、そうしてそれ以下になった場合はということを、ほんとうは明示しなければ、これは実際問題として、あなた方の方では、自分の主観で、金が足りないからここまでは救えなかったということが起きた場合に、何らの迷惑がかからないという保証は大衆にはないのではないか、私はそう思っているのですが、そういう刻んだ一つ計画があるのかどうか。そうして実際にそれ以下に下がった場合は、必ず補償するのかどうか、ここのところの見解はどうなんですか。
  48. 井田勝造

    井田説明員 この電電債市場価格は、申すまでもなく全般の経済情勢、ことに公定歩合といったようなものに密接にリンクをいたしまして編成していくわけでございます。またもう一つ需給関係といったことも大きな要素でございます。従いまして、今のような七、八〇%を下がりましたときには発動を考慮するわけでございますが、これは経済情勢全般から言いまして、株も落ちている、ほかの公社債も非常な値下がりをしておる、電電債も同じようになっておるという場合には、これはもう私どもいたし方がないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございまして、電電債だけが特に何らかの理由によって非常な値下がりをしておる、そういったような場合には、これは発行者としても非常な責任がある、そういうことでございますので、その値下がりの程度原因といったようなことをよく見きわめまして、慎重に発動を考慮いたしたい、こういうふうに考えております。
  49. 安宅常彦

    安宅委員 今の答弁から言いますと、ほかの株式も、ほかの公社債もみな落ちているのだから、七〇%くらいよりも下になったけれども、まあこれは経済全般の趨勢だからやむを得ない、こういう場合もあり得る。じゃ、何のために二十二億ここに持ってきたのか、これがさっぱりわからないと僕は思うのです。しかもあなたが一番先に答弁したように、ほかのそういう債券でしたらこれはもうかると思ってみんな引き受けた、あるいはみんな自分の好みによってこれを引き受けているのですよ。これは一番大きな特色は何かというと、あなたがみずから言っているように、強制的に買わされているものです。そういう強制的に買わされているものも、一般の株価が落ちたから、七〇%、八〇%あたりになったときには何とか救うつもりだと国会では答弁したが、ほかのものがみながた落ちしているからこれはやむを得ない、そのときにはしようがない、手のつけようがない、こういうふうになるんだということをあなた自体告白したみたいな今の答弁なんですが、そういうふうに理解していいですか。
  50. 井田勝造

    井田説明員 これは御趣旨のところはよく私もわかりますけれども、ともかく市場に流通しております電電債はまあ三千億、今後ますます毎年何百億ずつふえていくわけでございまして、これが今の経済的な情勢からして三割以下に落ちたとかいったようなことがあります場合に、これをそれよりかなり上回る価格で買うといったようなことになりますと、流通しておりますところの債券を全部売りにくることも覚悟しなければいけないのでございまして、そのための資金というものは、要するにそれに対応する何千億という資金も用意しなければいけない、事実上不可能なことでもございますので、そういう場合にはやむを得ないのではないか、こういうふうに考えております。
  51. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、軒並み落ちたときはやむを得ない、こういうことですね、早い話。基準はない、こういうことですね。基準は、たとえば何年発行の分は何年たっておるから、償還期限が近づいているからこれは少し高いとか安いとか、いろいろありますね。大体これは九五%だとか、これは八〇%だとかというふうにして、それ以下になった場合には私の方で買いましょう、こういう法律ほんとう需給調整資金を必要として行なわれる法律で、しかもそれは大衆を保護する法律だと思うのですが、一般にみな軒並み落ちたときは、お互い様だからかんべんしてくれということでは、こんなものは何にもならない法律じゃないですか。しかもそれは私が引き受けた、私から買うのじゃなくて、証券会社からだけしか買わないような格好になるのじゃないですか。こういう委託をする格好になりますからね。自然にそういうふうになるのじゃないですか。そこのところは、どうなんです。
  52. 井田勝造

    井田説明員 今、七、八〇%を下がった場合に発動を考慮すると申し上げましたが、これは当月出回り物を標準にしてのことでございまして、もう償還期の迫ったものはもちろんそれよりずっと上へいくわけでございます。その点は全部バランスがとれておりますので、要するに当月出回り物が七、八〇%を下ったとき、こういうふうに考えるわけでございます。  後段に対するお答えでございますが、これは証券会社が不特定多数の人から証券を買うというのが日本の証券取引法の原則でございますので、証券会社の手をわずらわして電電公社が買っていく、こういうことを考えておるわけでございます。
  53. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、電電公社に、下がったから買って下さいと私が言ってもだめなんですね。
  54. 井田勝造

    井田説明員 公社が直接買うことは差しひかえたいと考えております。
  55. 大柴滋夫

    ○大柴委員 ちょっと関連して。債券というのは大体強制的に買わされて持っているものと、強制的に買わされて、やむを得ずして手放して、要するに商売人が持っている債券とがあるわけです。これは話を聞いていて、結論から言うと、商売人の投機の対象に電電公社が金を貸せるというようなことになっているのですが、電電公社は、そうでなくて第一番にやむを得ず買わされた人を守るんだというような見通しというものはあるのですか。
  56. 淺野賢澄

    淺野政府委員 ただいまおっしゃいました第一次取得者の保護でございますが、今回御審議いただいております法案におきましては、第一次取得者の保護を考えております。
  57. 大柴滋夫

    ○大柴委員 たとえば、私なら私が十五万円の債券を持たされる、その十五万円の債券が非常に下がった、十一万円になっている、電電公社の意思としては十三万円なら買う、こういうふうでは持っていく場所がないじゃないですか。ありますか。たとえば私がある商売人のところに持っていったら、十一万円でしか買わない、こう言われた場合に、いや、こういう需給調整法があって、十三万円なら買うのだと幾らら説明しても、相手の方が買わない場合には、私なら私が十三万円で売る方法がありますか。
  58. 井田勝造

    井田説明員 そういうようなことはございませんように、信用のある証券会社を指定いたしまして、そうしてこの需給調整資金を発動いたします場合には、新聞等に公告をすることはどうしても必要かと思われるのでございます。それぞれの証券会社の店舗へ行って売って下さいということを公告するわけでございます。従いまして、今、先生のおっしゃったような心配はないものと私ども考えております。
  59. 大柴滋夫

    ○大柴委員 そうすると、その需給調整法が発動しそうだという場合に、ある証券会社あるいは一般の商人というものは十二万円くらいで買いあさる。そうして発動する——どうせ商売人だからあなたのところにその権利をいただきにきておる、こういう商売人がもう一月後には発動するからということで、大いに電電債というものを買いあさって、今度は電電公社へ売るということはございませんか。
  60. 井田勝造

    井田説明員 その辺は、運用基準を公社考えまして、これを郵政大臣に認可をいただいて運用基準ができるわけでございますが、公社が今考えております案といたしましては、第一次取得者から買い上げていくのを主眼とする、こういう考え方でございまして、非常にごめんどうではございますけれども、各加入者は電報電話局へ行ってもらいまして、第一次取得者であるという証明を取ってもらう、それで証券会社の方に証明書と一緒に債券を持っていく、こういうことを考えております。
  61. 大柴滋夫

    ○大柴委員 その運用基準のもう少し具体的なあなた方の考えというものを出して下さい。それをしまっておいて、この法案を審議しろと言っても、ちょっと無理じゃないですか。
  62. 井田勝造

    井田説明員 私どものただいま考えております運用基準案といたしましては、市場価格が一定価格を下回ったときに発動を考慮するということでございます。その一定価格とは、先ほど申し上げました臨時措置法との関係で、大体七、八〇%ということを考えております。そうして買い入れ対象は、原則として第一次取得者を対象とする、こういうことを考えております。
  63. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、これはますますあぶなくなってきましたね。僕の質問の要旨は、たとえば最低支持価格みたいなもので、最低どの辺以下に下がったときに引き受けるということをこの法律で明確にし、そして今言うところの運用基準ということを盛んにあなたは言われておりますが、その運用基準というものは、たとえば第一次取得者からしか絶対買わない、こういうことも法律に明記があるなら、この法律の存在価値というものは若干あるのです。ところが、第一次だけではなくて、ほかの人の利益も守ってくれといって今度は——原則として第一次取得者だけからしか買わないという運用基準をつくっておるというけれども法律が通れば運用基準なんというものは幾らでも右にも左にも変えることができるでしょう。原則としてとあなたは言ったけれども原則があって例外があるのですから、今度は例外の方がだんだん大きくなったりする危険なしといたしません。そういう抜け道のある運用基準というものをあなた方がしまっておいて、表面は体裁のいい、法律は第何条しかない簡単な法律であって、そしてこの法律を通したならば将来どんなふうに吹っ飛んでいくかあぶなくて、糸の切れたタコみたいなことになると思うのですが、これはどうなんですか。
  64. 井田勝造

    井田説明員 例外的に第一次取得者以外から買う場合ということは、要するにそういうときは私どもは取引市場へ出て買い向かうわけでございますが、どういう場合かということを考えますと、一部の思惑によりまして電電債価格が実力以下に非常に下がっておるという場合、あるいは大口保有者が換金売りのために続々と大量に電電債を手放していく、こういったときには、非常に特殊な原因のために市場価格が暴落するといったようなこともあり得るわけでございまして、こういうときには第一次取得者だけから買うということでは救済ができません。従いまして、そういうときには郵政省、大蔵省、公社と三者協議の上で慎重に決定をいたしまして、取引市場へ出て買い向かうということを考えておる次第でございます。
  65. 畑和

    ○畑委員 関連して。今、安宅君からも質問がありましたが、第一次取得者からだけしか買わないというのはこの条文の中にございますか。この第一条は非常に重要だと思うのですよ。それが特色なんです。ところが、この文章を見てみると「暫定措置に関する法律の規定による引受けに係る電信電話債券につき、」云々となっておる。これが第一次引き受けを意味するのか。これだと第一次引き受けと必ずしも言えないじゃないか。あなたの言うようなことならば、はっきり第一次引き受けということを法律で書くべきじゃないかと思うのですが、これを一つ伺っておきたい。しかもその次に「需給の調整及び価格の安定に資するため、」となかなか大きなことを書いてある。第一次取得者からだけ買うというのであれば、需給の調整とか価格の安定とかいう大きなことは言えないはずだ。第一次取得者はじっと持っておる人で善良な市民だから、投資の対象とか利殖の対象に買った者じゃない。向こうから引き受けさせられたのだから、その人だけは少なくとも守ってやろう、全部を守りたいけれども、まあ流通に出たんだからしようがない、それで損するやつはしようがないということで、第一次取得者のじっと持っているやつだけは守ろう、そういう精神だと思うのです。金も足らないし、それだけの金もないということだと思うのですが、それはわかるのですが、それが今言った第一条の中で、第一次取得者ということを意味するような法文になっているつもりなのかどうなのか、その点をお伺いします。
  66. 岩元巖

    岩元政府委員 法文の中には、第一条にはなるほど先生のおっしゃいますように、「その需給の調整及び価格の安定に資するため、」というふうな書き方になっておりますが、第四条の第二項に、「前項の基準は、債券の引受けの事情、債券市場価格の推移がその引受者に及ぼす影響等を勘案して定めるものとする。」、こういうふうに書いてございます。債券の引き受けの事情と申しますのは、この債券法律によりまして引き受けを義務づけられている、そういった特殊の事情がございますので、そういった点から運用基準を、売買基準をきめます際にそういったことを考えてきめるのであるということが書かれているわけであります。
  67. 畑和

    ○畑委員 どうもそれだと非常に不明確だと思うのです。第四条にも「引受けの事情、」とこう書いてあるし、「引受者に及ぼす影響等を勘案して」と書いてあるから、需給調整法によって第一次に引き受けたそのあとは、転々としたのは引き受けじゃないから、ここに「引受け」と書いてあるから第一次取得者を意味する、こういうことですか。第四条に「引受け」と書いてあるでしょう。「引受けの事情、」「引受者に及ぼす影響」と書いてあるが、引受者となっているから第一次の引き受け、第一次の買い取りですか、それを意味するのか、これで十分なんだ、こうおっしゃるのですか。
  68. 岩元巖

    岩元政府委員 法律の条文には、今お話のように書かれているわけでありますが、その意味は、ただいま先生のおっしゃいましたような意味でございますし、また、売買の運用基準をきめます際にも、これは郵政大臣の認可を要する、大蔵大臣との協議の上で郵政大臣が認可をするということになっておりますから、そういった際に、私どもといたしましては、これは第一次取得者を保護するという法律の目的はそこにあるわけでございますから、そういったような方向で運用基準を認可したいと考えております。
  69. 畑和

    ○畑委員 非常に不明確ですね。それならこんな需給調整とかなんとか大きなことを言わない方がいい。はっきり明確に第一条でもなんでも、第一次取得者を保護する法律だ、こう書いたらいい。これによると、あたかも全部の需給調整をやるのだ、大きな仕事をやるかのごとき表現で、場所によっては「引受者」と書いてあるから第一次取得者なんだというような答弁をされている。だから、私がさらに尋ねると、大臣と協議をするんだから、そのときにそういうことはちゃんと協議するから間違いないのだ、こういうようなことで、初めのことも非常に不明確で逆戻りしている。こういうふうに私には思えるのですが、この点いかがですか。
  70. 井田勝造

    井田説明員 この点は法律に、ただいま先生のおっしゃいましたような買い入れ対象を第一次取得者に限定するかどうか、あるいは価格はどうするといったようなことを法律で明確に書けば一番はっきりするわけなんでありますが、御案内の通り、ただいま政府では公社債の市場の育成ということを相当強力に推進されるように聞いておるわけでございますし、公社市場が今後どんどん変動していくわけでございます。また一方、経済情勢の変転につれまして、公定歩合といったようなものも逐次変わっていくわけでございまして、いろいろ公社市場の情勢というものが将来変わって参る。従いまして、電電債の取引市場というものも、今後いろいろなふうに変わっていくということが考えられるわけでございまして、そういう場合に、買い入れ対象でございますとか、価格といったようなものをはっきり法律できめるということになりますと、かえって運用上弊害を生ずるというようなこともございますので、その点をなるべく弾力的に運用できますように、郵政大臣の認可で弾力的に基準が変動できる、こういうふうなのが法律の精神でございます。
  71. 畑和

    ○畑委員 ますますもって奇々怪々、これは全くおかしい。そう言われれば、これは非常に思わせぶりの法律のような感じがする。公社債の需給調整をやるのだといったようなことで、何でもやるかのごとく見える。そうかといってお聞きすれば、第一次取得者だけをとりあえずやるのだ、将来どう変動するかわからないから弾力的に法律にきめておいたらよろしい、こう言われるけれども、どうもその辺の理解ができない。それならそれのように、もっと資金を大きくして、全般の流通に出ておるような第二次、第三次の取得者までも、非常に低落したときには保護するという大上段に振りかぶったようにそれをはっきりさせるとか、どっちかにしないと困ると思うのです。あなた方の考えておられることの趣旨はわかるのです。とりあえず——金があまりないのだから、五十億要求したけれども半分以下に削られた、そういう点があるし、第一次取得者だけを、まじめに持っておる人だけを保護しようという気持はわかるのでありますが、それならそれをはっきりしておいて、別に全部を対象とした資金ができてきたら、そのときはそのときで法律に明示して変えるというふうに、どちらかにしなければいかぬと思うのです。こういうことを公の機関がぼんやりした——弾力的ななんていうようなことは、非常に徹底しないと思うのです。これでは迷いますよ。この辺どっちなのか、はっきりしたことを承りたい。やはり弾力的ということだけで、第一次、第二次取得者ということは明確にしない、とりあえずは第一次取得者だけにしようということなのかどうか。それによってわれわれの考え方も違ってくるのです。それを一つ協議した上で答弁して下さい。
  72. 岩元巖

    岩元政府委員 この法律の目的は、先ほども申し上げましたように、第一次取得者を保護するというのが本来の目的でございます。従いまして、そういったことから、第一条では直接第一次取得者ということは限定はされてはございません。しかし第四条第二項から必然的にそのように解釈されるものと考えております。すなわち、一条の「引受け」は債券を特定するためのものでございますが、四条の「引受け」というのは、そのこと自体をさすものであるというふうに解釈をいたしております。
  73. 畑和

    ○畑委員 そうなると、それが最終的な見解なんですね。今のは、こちらの電電公社井田経理局長とは違うようだけれども、片方は、弾力的にするために、需給調整をするために、弾力的な規定にしておいた方がよろしいのだということだし、それから監理官の話だと、一条には明瞭には書いてないけれども、四条に「引受者」と書いてあるから、これは第一次引受者を意味するのだ、これが最終の意見のようだが、それで電電公社の方はよろしいか。井田局長はそれでよろしいか。一つそれに答えてもらいたい。
  74. 井田勝造

    井田説明員 今までお答えいたしておりますように、私ども、現段階におきましては、第一次取得者を主眼として買い入れる、それを原則としていきたいと考えます。ただし、先ほど申し上げましたように、市場の思惑でございますとか、大口保有者の換金売りが続々続くといったような例外的な場合には、郵政、大蔵、公社、三者協議で例外的に第一次取得者以外からも買うということを考えておる、これが現段階の情勢でございます。しかし、今後公社市場その他もどういうふうに変わっていくかわかりませんので、そのときには、また運用基準の変更を郵政大臣にお願いをすることもあり得るかと考えております。
  75. 安宅常彦

    安宅委員 これは奇々怪々だね。不届きな法律だと思うよ。今後どこまで拡大解釈をされてどういうふうになっていくのかわけがわからない法律だ。あなたがたが提案してきたって、こちらで審議のしようがないじゃないですか。第一次取得者を保護するのだと宣伝をし、さらに、そういうふうに信じておる監理官はそういう答弁をする。ところが、実際立案をしておるのは電電公社だと思うのですが、こちらの方は、政府がこういう公社債の市場の育成といいますか、そういうことも考えておる今日であるから、情勢はどう変わっていくかわからない。その情勢の変化もあるし、あるいはまた、初めは例外々々とあなた方は言っておったのですが、大口所有者がいろいろ投機的な立場で混乱をさせる。それだけに、いきなり下がるような場合には、第一次取得者だけではない買い入れを考慮しなければならない。それをやるのは委託をしておる信用のある証券会社がそういうことをやる。この調子の答弁では食い違っていますから、今のところ何だかあぶなくて、とてもわれわれ審議できないような気持で一ぱいです。従って私は、武士の情けで言うわけではないけれども、ちょうど十二時ですから、統一見解をはっきりして、そうして午後の再開の委員会に臨んでもらいたいと思うのです。そうして、さらにもう一つは、私そういうことを言う理由は、見解が両方異なっているというだけでなく、まず第一番目に、どの程度安くなったらこういうものを発動するかということさえもわからないのでしょう。ほかの株式や証券が全部軒並みに値下がりしているときには、電電公社債だけが独占的なそういう特例で高い値段を維持することはできないから、まあそのときはお互いさまだ、標準しか今のところ頭に考えていない。そうすると、需給調整資金に関する法律なんていうものを出したって、何にもならないじゃないでしょうがね。下がったときは下がりっぱなし、今度買いたいときは、証券業者と話をして、そうして適当なところで買おうじゃないかという相談をだれかにされたら、どっちにひっくり返っていくかわからないような法律になるんじゃないですか。電電公社が直接手をかけているならまだいいところがある。それを委託した証券会社がやるのですから、証券会社というのは何のためにやるのですか。一般債券の所有者を保護するためにあの会社はできているのじゃないのです。何とかしてかすりをとってもうけようというのが証券会社なんだから、そういう証券会社に委託して、その人がやるのでしょう。こんなあぶない法律はないと思う。畑さんが指摘した郵政省側と電電公社側の運用基準の答弁の食い違い、しかも経理局長が言うには、それも現段階ではそうだ、将来どうなるかわからぬということを明らかに言っているのですから、これではあぶなくて論議できないから、そういうことだけでもいいからまず一つ……。それから、そういう基準はある程度別紙に——法律に明記するとか何か方法がないかどうか、そういうことも考えて、見解の相違と、そういう基準をはっきりする必要があるのではないかという問題を、あわせて休憩中に協議をして、そうして午後の委員会にはっきりした態度を持ってきてもらわぬと——賛否の問題じゃない、それ以前の問題だ、こんなものを提案して、顔洗って出直してこいということになると思う。もう少しはっきりした態度をもって午後の委員会に臨んでもらいたい。私はそういう意味で質問を留保して、ちょうど十二時ですから、午前中はこれで終わりたいと思います。
  76. 本名武

    本名委員長 午後は一時三十分から再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午後零時四分休憩      ————◇—————    午後一時四十四分開議
  77. 本名武

    本名委員長 これより再開いたします。  午前中に引き続き、質疑を続行いたします。  この際、午前中の質疑に対し、小沢郵政大臣及び大橋電電公社総裁より発言を求められておりますので、これを許します。小沢郵政大臣
  78. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 午前中に問題になりました点につきまして、御説明申し上げます。  この法律は、あくまでも債券を引き受けた加入者の保護に資することを目的とするものであります。従いまして、第一次取得者から購入するのが原則であります。ただ例外的に、市場で買うことによって、市価が安定し、ひいては第一次取得者の保護に資し得るような特殊な場合には、郵政省、大蔵省、公社の三者協議により買い入れることもあり得ることと考えております。
  79. 本名武

  80. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま郵政大臣から御説明のありました通りの解釈で公社考えております。
  81. 本名武

    本名委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。安宅常彦君。
  82. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、この法律はどうも何かヌエみたいな法律だと思うのです。原則は、大臣の言うことはわかりました。ただ例外的なというのはどういうことかということになりますと、これはいろんな場合を考えられるということになるわけです。先ほど電電公社経理局長が、閣議決定の事情について話された中で、一番強く印象に残っているのは、なぜこういうものができたかといういきさつについてのくだりですが、強度金融引き締め等があって、そのために電電債価格が著しく低下をした、こういうのが相当大きな動機になってこの法律案ができた、こういうふうに言われたわけです。そうしますと、こういう場合に対処できるものとして提案をされたはずの法律が、ただいま大臣見解を表明された中で、先ほどの経理局長の発言がどの範疇に入るかといいますと、例外のところに入ってくるのです。そういうときには、先ほどの答弁では、一般的に株式や何か公社債すべて相場が落ちておったときには仕方がないのだという発言も、あわせて行なっておるのであります。そうしますと、どの程度救えるということは、何らこの法律では保証がないのです。こういう結果しか私は見出すことができないと思うのでありますが、軒並みに、金融引き締め等の政府政策によってあらゆる株式や何かが、電電公社債のみならずすべてのものががたがた下がっていったのです。だから大へんだと思って、こういう法律を出したというのがあなた方の提案の理由なんです。ところが、先ほどの答弁では、それと関係なしに聞いてみますと、ある一面ではお互いそういうふうに下がった場合には、七、八〇%以下という大まかな線といえども、軒並みに下がった場合には、それよりも基準が下がるかもしれないという意味の答弁をしておるのですね。それじゃあなた、政府金融引き締めによって電電債が著しく低落した、こういうときには、軒並み下がっておるのですから、何ら救いようがないのじゃないか。そのときには、四〇%になっても、五〇%になっても、ほかの株式みな軒並みだからお互いっこだ、こういうことになるのじゃないでしょうか、そこのところどうでしょうか。これは電電公社総裁一つ
  83. 大橋八郎

    大橋説明員 この法律は、先ほども御説明のありましたように、加入者引き受け債券という特殊の債券にのみ適用されるわけであります。その債券に、どこまでも特殊なことによって、その理由によって第一次取得者が非常に損害をこうむることを保護しようというのが主たる目的でありますから、一般のものまでも対象にしたものでないという趣旨と私は考えます。
  84. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、政府政策でやられたのは、これは一般ですか、特殊ですか。政府金融引き締めによって株価とかそういうものが下がったときは……。
  85. 大橋八郎

    大橋説明員 それは私は一般のなんじゃないかと思います。それは人によって解釈は違うかもしれませんが、しかし、私はそういうふうに思います。
  86. 安宅常彦

    安宅委員 人によって解釈が違うかもしれないが、おれはそう思う、そんなばかな答弁がありますか。監理官でございますか、さっきあなた言いましたね、著しく低下したその原因の中には、第二部市場の問題もあったし、それから強度金融引き締め等があったので著しく低下した。それでは困るというので法律を出してきた。今、電電公社総裁は、それは一般的なことだから、特殊な条件で下がったときしかこれは保護しないんだという答弁をしているのです。これはまたつじつまが合わないんじゃないでしょうか、どうですか。ほかの人は違うかもしれないと総裁は言うんですから、あなたはどういう見解ですか。
  87. 岩元巖

    岩元政府委員 先ほど私三十六年の秋に低落した場合のことを申し上げたわけでございます。そのときには、なるほど政府金融引き締め政策を主原因といたしまして、その他のいろいろな理由もあったわけでございますが、そういった低落の状態が続いたということを申し上げたわけであります。
  88. 安宅常彦

    安宅委員 経理局長、それではあなたはどう思います、一般的に軒並み下がったあのときは……。特殊な事情で下がった場合、第一次取得者を原則として保護するのだというのが総裁答弁です。あのときの一般的に下がったものだというふうに総裁が今答弁されました。一般的に下がったときは、軒並みだからお互いっこだからといって、それは保護するわけには参らないというようにとれるのですが、どうですか。あなたどういう見解です。
  89. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまお話のうちに私は一般的のことを申し上げたのですが、先ほど監理官から申し述べられました一昨年でありますか、昨年でありますかの下がったときの原因は、それもあるが、そのほかにいろいろなことがあった、こういう御答弁があったわけです。そこで、法律をつくるときには、そういう一般的のことになりますと、特に特殊のこの加入者債券だけの保護をやるということについてもいろいろ議論があると思います。そこで、立法にあたりましては、加入者債券だけに、特殊のことについて特別の取り扱いをやるのだ、こういう趣旨でできたものと今日においては私は考えておるわけでございます。
  90. 井田勝造

    井田説明員 三十六年の秋の電電債の暴落は、原因は確かに金融引き締き等によりますところの一般原因でございまして、これは株価その他にも影響をしておるわけでございますが、御存じ通り第二部市場の再開という問題に関連いたしまして、店頭取引も、それから正式上場も両方許されないという空白期間が十七日ほどございまして、そのために電電債が特に暴落をしたというわけでございまして、三十六年の秋には一般原因と特殊な原因と両方が重なってああいったような暴落を見たのだ、こういうふうに私は考えております。
  91. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、一般的な暴落とか、それから特殊なそういう問題もからみ合って低落を続けるのかという議論はあるでしょう。議論はあるが、金が足りないときは——二十二億をこえたりすると、これは一般的だと逃げることもできるし、これは救いたいなと思ったときは、証券業者あたりから何とかそうしてもらわなければ困るというようなときにはよしやりましょうというようなことになりかねない。基準のない、非常にあぶない、恣意に幾らでも操作が運用基準を変えてやれる、こういうふうになる法律のように思えてなりませんが、そういうことはあなたお気づきになっていないでしょうか、経理局長
  92. 井田勝造

    井田説明員 この運用基準は、一応間もなく郵政大臣から認可をいただくわけでございますが、これはそうみだりに変更することは許されないと私ども考えておりますので、今のように勝手に解釈を変えていって、第一次取得者の保護という法律の精神を忘れるといったようなことは、絶対ないように考えておる次第でございます。
  93. 大柴滋夫

    ○大柴委員 ちょっと関連して……。法の精神が第一次取得者を守るということはよくわかったのでありますが、それならちょっと経理局長にお尋ねいたしますが、第一次取得者とはどういうものをいうのか。それは名目的にも実質的にも第一次に取得した者をいうのか、あるいは名目的に一たとえば株券を売るときにはみんな——あなたは証明書を出しますと言ったけれども、その証明書をつけて売るだろうと思うのです。そうすると、第一次取得者というものは、次から次へと証明書さえ持っておれば移るわけです。第一次取得者というのはどういうものをいうのか、一つはっきりしたところをお示し願いたいと思います。
  94. 井田勝造

    井田説明員 私どもは、電話加入の申し込みがございまして、そのときの何某という方に債券を買っていただくわけでありますから、実質的にも名目的にも最初の引受者の方を対象として考えておる、こういうことであります。
  95. 大柴滋夫

    ○大柴委員 しかし、私なら私が電話に入りまして債券をもらって、取得者という証明書を電電公社からもらう。それをつけて売ればそれはどうなりますか、たとえば森本なら森本という人に売ったなら、この人は、やはり証明書があって、すべてのものが整っておれば、第一次取得者としての権利、権限というものを持っておるわけでありましょう。
  96. 井田勝造

    井田説明員 私ども考えておりますのは、この証明書の発行も、こういう際に初めて発行するといったようなことを考えておりまして、今のような証明書付で債券を売るといったようなことは考えていないわけでございますが、中には今のようにこれが乱用されるといったような場合もあるかという心配がございます。そういうような場合には、さらにいろいろ対策を講ぜねばならないか、こういうふうに考えております。
  97. 大柴滋夫

    ○大柴委員 しかし、実際問題としてはみんな証明書をつけて売りますよ。それは常識上そうした方が価格がよく売れるだろうと思うのです。だから、それをあなたの方がいろいろ対策を考えていますでは困るのです。どうするのですか。そういうふうになることとはさまっていますよ。証明書がなければ十二万円でしか売れないものが、証明書をつければ十三万円で売れるということにきまっておりますよ。そのときにはどうするのですか。
  98. 井田勝造

    井田説明員 今、先生の御心配になるようなケースが非常に多いといったようなことになって参りましたならば、これはただいま私の思いつきでございますけれども、米穀通帳のようなものをあわせて出してもらうとかなんとか、さらにそういう乱用を防止する方法はあるかと存じます。
  99. 大柴滋夫

    ○大柴委員 思いつきでいろいろ言い合っていてもしようがないのですが、この法律をつくるために、何かはっきりしたこういうことの御相談をしたのですか。私どもは、これを何か電電公社の中でやるとか、あるいは郵政省の中でやるというならわかるのですよ。先ほども安宅君も言ったように、証券会社というのは、なるほどりっぱだろうと思いますけれども、これは何といったって金もうけの機関ですからね。債券が暴落することを防ぐ機関じゃないだろうと私は思うのですよ。だから、そこのところの問題をはっきりしていただかぬと、思いつきで、米穀通帳を持ってくるとか持ってこないとか、それはいろいろあるでしょうが、はっきりしたものはないのですか。
  100. 井田勝造

    井田説明員 先ほど申し上げましたように、いよいよこの調整資金が発動するという段階になりまして、お客様に電話局で証明書を発行する、こういうことを考えておるわけでございまして、今、先生の御心配になったような点は、私ども十分に検討していなかったのでございますが、御心配はごもっともと思いますので、そのような対策を今後検討していきたいと考えております。
  101. 大柴滋夫

    ○大柴委員 大臣にお聞きしたいのですけれども、一番肝心かなめのことを一つも検討してなくて、それで法律を討論しろということは私は無理だろうと思うのですよ。なるほど今まで積み上げてきた努力は大へん多としますけれども、一番肝心かなめのことをこういうようにして——これはもう少し練り直して出す必要があるんじゃないですか、大臣
  102. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 大柴さんの言われた問題は、基本的な問題でありまして、われわれといたしましては、第一次取得者というものを確認するという意味におきまして、電電公社もわれわれの方もいろいろ検討しております。法律の方が通りますまでは、いろいろ確認方法をちゃんとしたものをつくりたい、そういうふうに考えております。
  103. 大柴滋夫

    ○大柴委員 法律が通るまでにつくるのですか、法律が発効するようになったらつくるのですか、どちらですか。
  104. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 その点につきましては、さっそく——これまでも研究しておりますから、さっそくつくるつもりでおります。
  105. 安宅常彦

    安宅委員 それで第一次取得者ということを非常に強く言って世の中にアピールしておったんですが、今の統一見解によれば例外がある。何が大口所有者がそういう撹乱にきたりなんかしたときにはやらなければならない、こういうこともあり得る。私はそっちの方が主体になると思うのです。なぜかならば、第一次取得者でこの債券を持っている人というのは、よほど金を持っている人、金融なんかあまり心配のない人で、たとえば商売人でいえば、国民金融公庫だとか、信用保証協会だとか、あるいは中小企業金融公庫あたりから、何とか金を借りたいとか、電話加入権を質に置いても何とかしなければならないなんという人は、第一次取得者の権利はもうすでに放棄して売り払っておるはずなんです。そういう苦しい人は——保護する保護すると言うけれども、保護する対象の人は、こんなものはすぐ売りますよ。金をぐるぐる回さなければ大へんだもの。サラリーマンが電話をとるのだって同じです。中小企業者もみんなそうです。ところが、第一次取得者を保護するとあなた方言うけれども、第一次取得者の中で、この債券は大へん利回りもいいし、何とか持っていてもうけてやろうというふうな考え方で持っている人、そういう余裕のある人は一部持っているかもしれないけれども、それはほとんどない。だから今市場電電債というのが出回っておる。これがはっきりした現象だと思うのですね。だから、そういう人を保護するより者も、何か証券市場において撹乱にきたそういう大口所有といいますか、そういうことになると、だれが大口所有者になっているかというと、大体証券業者じゃないのですか。こういう人々の中で、あなたの方では四大証券や、その他いろいろあるのですが、その中のどれかを指定して、そして信用のある会社だというふうにして——おそらく一番信用のあるというのは一番大きいところでしょうね、そういうところに委託させると思うのですね。今度あとの連中がやきもちをやいたら、よし、今度もっと大きくならなければならないというので、もうけの手段としていろいろな撹乱戦術に出る。こういうふうになりますと、第一次取得者を保護するどころか、大量に買い集めた例外の場合の——ここでは例外例外と言っておりますが、私はそうじゃないと思う。第一次取得者の方こそ例外であって、そういう証券業界の中に、そのいろいろな投機の中に、電電公社あるいは郵政省が首を突っ込んで振り回されて、そうして、どこかのAという証券会社を二十二億円でてこ入れして保護する、こういう結果になるのが大体——これは落語じゃないけれども、この法律の落ちはこの辺にあると思うのです。私はそう思わざるを得ないのですね。どうですか、そう思いませんか、副総裁
  106. 米沢滋

    ○米沢説明員 私は、先ほどから答弁申し上げておりますように、第一次取得者の保護という、これが一番大事なことだと思います。従って、このためには——ある程度第一次取得者というものが全国的に相当数も多いわけでございまして、従って、これらの皆さんが来られて、それを取り扱うたとえば窓口のようなものは、やり会社が相当多数あって、その窓口を使わなければならない、従って、今先生が言われたような、特に一業者をどうというようなことはないと思います。
  107. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、これは相当複数の会社にこれを委託させる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  108. 井田勝造

    井田説明員 これは全国加入者から買い集めるわけでございますので、信用ある業者をなるべく多数選定するのが望ましい、こういうふうに考えております。
  109. 安宅常彦

    安宅委員 その場合、証券業界のこういう委託を受けた場合の手数料といいますか、これは大体相場は今どれくらいになっておるでしょう。
  110. 井田勝造

    井田説明員 大体百円につき五十銭というのが標準になっております。しかし、市中の例を申し上げますと、一円五十銭ないし二円の手数料をとっておるというような例も相当あるように聞いております。
  111. 安宅常彦

    安宅委員 五十銭と二円くらいとでは大へん違うのですがね。これはそういうところにただもうけさせるような気がしてならないのですが、今郵政省なり電電公社、どなたでもいいのですが、答弁していただきたいのですが、明確に第一次取得者の手元にはっきりある、どこかに移譲してないという数は、全部の電電債券発行数の何割くらいを占めているかということを何かつかんでおりますか。
  112. 井田勝造

    井田説明員 明確な数は明らかになっておりません。ただ、私どもとしてはっきり申し上げることができますのは、登録されているもの並びに併合されている債券でありますが、これは両方合わせまして総発行額の一七%が併合あるいは登録をされておるわけでございまして、大部分第二次取得者の手に渡ったものである、これははっきりしておるわけでございます。その他いろいろ、たとえば昨年の秋にアンケートをとったわけでございますが、その結果によりますと、売却率といいますか、それは二〇%という数字が出て参りました。しかし、これは全国的な数字でございまして、大都市——東京、大阪、それから九州が多いのでございますが、それらの地方におきましては、三二%が売却をしておるというような数字が出て参りました。ともかく非常に膨大な量でございますし、情勢もだんだん変わってきておりますので、的確にこれだけが第一次取得者の手にあるという判定はつきかねるのでございますが、私どもは大体半分以上は第一次取得者の手にあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  113. 安宅常彦

    安宅委員 私はその数字は怪しいと思うのですがね。体裁が悪いから、あなた、売り払ったなんて書けないものだから、手元にありますというふうに書く人もありますよ。大体電話を買った人は大がいの人が売っているのです。だからこれは六、七〇%をこえているんじゃないかと私は想像しているのです。第一次取得者を保護するというのは、これではできない相談じゃないかと思うのです。実際保護するんだったら、理屈から言えば、第一次取得者として温存をしている人は相当余裕のある人ですからね。余裕のない人は売り払ってしまう。もうしようがないから、金詰まりで七万円か八万円で売り払ってしまったというような人がいないとは限らない。こういう一番苦しい人を保護することにならないで、ふところにぎっしり持っている人だけが保護されるという逆な結果になるのではないかと思うのですが、その辺はどうなんでしょう。
  114. 井田勝造

    井田説明員 零細な業者の方、そういったような方は、電話がついたらすぐ債券を処分されるというケースが多い、これもなるほどその通りでございまして、私どももそのように考えております。従いまして、これをいかにして救済するかということが一番の問題でございまして、このためには、電電債券市場価格というものを適正な価格に維持できるということが一番望ましいわけでございまして、そのために調整資金設置ということを考えたわけでございますが、この法律のほかに、たとえば月賦金融制度でございますとか、あるいは保護預りの制度でございますとか、いろいろな諸施設を講じますし、また電話局の窓口において親切に相談に応ずるとか、あるいは広くPRをやるとか、いろいろな対策を打ちまして、そういった方の救済に資するようにいたしたい、こういうのが私ども考え方でございます。
  115. 安宅常彦

    安宅委員 どうもあやふやだな。これはどうなんです、大臣。たとえば、私の意見を言うならば、先ほど言った通り、その銘柄によって発行の古いのから新しいのからいろいろありますね。そういうものは市場価格は大体これぐらいに維持していかなきゃならないというような一覧表みたいなものをちゃんとつくって、これよりも落ちないというてこ入れをするためには、何億の金が要るかということをちゃんと計算をして、そして特殊な事情が起きた場合には、電電公社債券は、これは強制的に買わせられた債券ですから、そういう性質のものだということを頭に置いて、一般の株や何かが三〇%下がったような時期においても、それを二〇%なら二〇%以上下がった場合には絶対にこれを食いとめるというような基準でもしっかり設けておかなければ、この法律はざる法みたいものでしり抜けです。北海のクマがせっかくサケをつかまえたけれども、うしろの方へぼろぼろ落して歩くような法律だと私は思うのです。何らの基準がないのす。だから、そういうものを私ははっきり設けるべきだと思うのです。なぜかというと、さっきから答弁を聞いていると、金融引き締めというのは一般的な問題だ、だからそれはやらぬと言う。ところが、その他の事情を加味されて、あのときは暴落したとこう言う。上場もされてなかったという話ですが、それは上場されていた株であってもみんな下がったときですよ、あのときは。そういうような一般的な状態のときには適用しないのだ。ところが、一般的なそういう金融引き締めだけで株価が下がるものではない。経済の連鎖反応みたいなものでそういう金融引き締め政策が出て参りますと、これに関するあらゆる対応策が、金融資本なり、あるいは一般の大衆投資家なり、あるいはまたその他の人々が、何らかの対策を立てて、いろいろな混乱が起きるのです。だからこれは一般的な問題だからやれないというけれども、それと組み合わさったいろいろな要素が含まって株価が暴落した、あるいは電電債券が暴落した、こういうときだったら、提案理由には矛盾しておりませんという言葉をあなた方が言っているのだが、今度は提案理由じゃありません。実際に対処するときに、たった一つ金融引き締め政策だけで電電債券の相場が落ちるということは、三十六年の例を見たって、いろいろな要素が組み合わさって初めてなるのですから、保護を受けたい人々は特殊な条件だと言う、あるいは今度あなたの方では一般的な政策の問題でお互い落ちているのだから、私の方では今のところ救う意思はございませんなんて言われた日には、どだい基準がないのですから、協議をした人々の頭の中でこうやってやるか、このたびはやらない方がいいだろうとか、主観的にただ考えるだけしかないのです。こういう法律では実効が伴わないと思うのでありますが、この点は大臣どうですか。
  116. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 その点につきましては、郵政省、大蔵省それと電電公社の三者で協議いたしまして運用の規定をつくります。  それから先ほど安宅さんが仰せられました、つまり中小企業の方が買ってすぐ安く売ってしまうというようなお話がありましたが、その安く売るのを防ぐために市場価格を適当に保ちまして、安く売れないように高くしておこうという需給調整資金でございますから、第一次取得者の保護ということが主になることは当然でございます。
  117. 安宅常彦

    安宅委員 あとの方はどこへ向けて放送したみたいな答弁だからいいとして、前の方ですね、協議をすると言ったって、基準がないから協議のしようがないじゃないか、その基準をつくりますとあなた言ったのですが、法律が通るまでにつくってくれますか。
  118. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 法律通りますれば当然そういう基準をつくるわけであります。
  119. 安宅常彦

    安宅委員 その基準はどのくらいに考えておるかということです。(森本委員「それは前に経理局長が答えたよ」と呼ぶ)それは私不勉強で申しわけないのですが、経理局長が答えた内容をちょっと知らせていただきたいと思います。
  120. 井田勝造

    井田説明員 買い入れ価格、これは割引債は十万円の額面を五万円で売っております。半分でございますが、これが七、八〇%になったときに調整資金の発動を考慮する、こういうふうに申し上げました。
  121. 安宅常彦

    安宅委員 だからそれは、さっきから私が言っているように、特殊な条件でなった場合をあなたは言っている。一般的に株価が下がっておって、証券市場というものが軒並みに下がっておって、七、八〇%まで低落したときはてこ入れするのかと言ったら、ほかの債券もみな下がっている、株式も下がっている時期ですから、そういうときにはいたしませんとあなたが言ったから、僕は何回も何回もくどいほど追及しているのです。そこはどうなんです。
  122. 井田勝造

    井田説明員 発動を考慮すると申し上げましたので、必ず発動するというわけではございません。従って、一般経済界の状況によりまして、株価がみな下がるのはやむを得ないのだというふうに判定されましたときは、この需給調整資金は発動をいたさないわけでございます。
  123. 安宅常彦

    安宅委員 それでは何にもならないということです。こんなものは証券業者に二十二億の金をやって、手数料をやって、そうして郵政省の御用商人みたいな看板をぱっとかけて、いかにも信用のある証券会社だということを大衆に知らせる、そうして証券業界を保護する以外の何ものでもない。一般的に株が落ちたときはやらないということですから、そうでしょう。しかも七、八〇%のときはやると言ったのじゃなくて、発動を考慮するというだけのことであって、この法律はそういう基準——どういう基準になったときは発動する、こういう基準になったときにはどうするという明確なものが法律に載ってないんです。何か政令できめるんでしょう、あるいは協議できめるんでしょうけれども、よく言えばそのつどそのつどの思いつきです。これは初めから私らそういう答弁を聞いていただけでは、こんなざる法みたいな法律は、どうしてももう一回、全部基準もある程度きめて、こういう場合はこうだ一たとえば火災保険だってそうでしょう、火災保険のときは、天災地変のときには火災で燃えたってやむを得ません、普通の火災だったら保険金を出します。だけども、大きな天災地変のときにはだめですという契約を保険の加入者会社とちゃんと取りかわして、そうしてみんな安心して入る。株価が下がったって発動するものやらしないものやら、考慮されたと言ったって、どこまで考慮してもらえるのかさっぱりわからないような法律では、もう一回練り直して顔を洗って出直してもらうほかないと思うのです。どうなんですか。はっきりした基準がないのですから、七、八〇%までになったときに発動を考慮するというのは、監理官、あなたはやはりそういう意味で電電公社から説明を受けたのですか。いろいろこういう法律が出るときに、あなたにはもっとはっきり、第一次取得者だけを守るのだ、例外はあり得ないというふうに受け取ってあなたは先ほど答弁しておったですね。だからそういうふうに聞いておった。ところが、今度は、七、八〇%まで下がった場合には二十二億円の基金をもっててこ入れをするのだ、こういうふうに説明をされておったんじゃないですか、そこはどうなんですか。
  124. 岩元巖

    岩元政府委員 経理局長から説明があった通りでございまして、一定価格を下回るに至りましたときには、これは大体買いに出るというふうに考えられるわけでございます。ただそういった場合に、自動的に買いに出るということではございません。そのような場合には、諸般の点から見まして、買いに出るのが適当と判断しましたあとにおきまして、債券の購入を行なうということになろうと思います。
  125. 安宅常彦

    安宅委員 たとえば畜産物の価格安定法でもそうです。それから繭の場合だってそうです。生糸の価格なんか特にそうですが、何ぼ以下になったら政府は買い上げる——全部そうなんですよ。その何ぼ以下という一定の基準、一定の価格——その一定がないわけです。監理官、全然どこにも書いてないんです。一定がないのだから、そんな法律が世の中にあると思いますか。そういうことを法律だと思ってあなたの方では提案することになったんでしょうか、どうなんですか。どこが水準だかわけがわからない。一定の価格だけれども、一定してないじゃないですか。
  126. 岩元巖

    岩元政府委員 一定の価格ということは、先ほどから経理局長がたびたび御説明しておりますように、負担法当時の負担を著しく上回る、それ以上の負担にならないような程度価格ということでございまして、級局によっても違うわけでございます。大体八〇%ないし七〇%程度価格だということでございます。
  127. 安宅常彦

    安宅委員 それは級局によって違うというのはわかります。金額が違うのだからあたりまえの話だ。だからそういうことをきめた標準というものが何かあるのですか。電電公社の方から示されたのですか。そういうときには発動を考慮する、それはこういうときです、という説明を聞いて提案されたかというのです。ただ慢然と、七、八〇%のときだ、ああそうですかということだったのですか。それはどうなんです。それだけじゃ一定と言えないじゃないですか。
  128. 岩元巖

    岩元政府委員 一定の価格ということは、先ほど申し上げましたような考え方でございますが、これは幾ら幾らといってここできめているわけではございません。そのときどきの情勢に応じましてきめるべきものであろうと思います。
  129. 安宅常彦

    安宅委員 もうわかりました。何もないということだけは確認しました。そのときそのとききめる、経済情勢を見てきめる、軒並みに下がったときに、低い値段である程度のところで少してこ入れする、こういうことなんですね。それしか手がないということだけはわかりました。そうしますと、ある程度少してこ入れする、こういうことしかあなたの方では考えられない法律だ、こういう性格のもので出した、こういうふうに私は確認しておきたいと思うのです。  最後にお伺いしたいのですが、委託の方法ですね。たとえばなるべく多くの会社にこれは委託するのだ、こういうお話でございますが、金はたった二十二億ですね、こういう場合に、どのようにして委託するのか、その方法を知らせていただきたいと思います。
  130. 井田勝造

    井田説明員 その点非常に事務所にむずかしい問題なんでございますが、大体地域的にどの方面からどの程度の売りが出るであろうというようなことを推測しまして、これによって購買計画のようなものを立てまして、それで証券会社にそのワクの範囲内で買い取ってもらう、こういうことになると思います。
  131. 安宅常彦

    安宅委員 ちょっと聞きますが、その基準もないようですね。売りに出るのはどの辺が多かろうなどという一つの想像ですね。それでもってやるのが主体なのか、あるいは全国的に組織を持っている会社だから便利がいいだろうというので、どこから売りに出るかわからないから、どこでも引き受けられるような機能を持った証券会社というふうに限られて、それが基準になるような気がしてならないのですが、どっちなんです。たとえば名古屋なら名古屋に本店があって、全国的な網をあまり張っていないような会社、あるいはもう全国的にびしっと一つ経営網というものがはっきりしておる会社、こういうようなものを比較した場合に、どっちが対象にされがちなのか、そこのところをちょっと聞いてみたいと思うのです。
  132. 井田勝造

    井田説明員 非常に事務的にむずかしいのでございますが、一応私の腹案といたしましては、たとえば北海道にはどのくらいの売りが出るであろう、それから東北地方ではどれだけの売りが出るであろう、そういったような金額を推計いたします。そうしてこちらの指定しました証券会社の店舗がどの程度あるかということを推計いたしまして、地域別、店舗別に金額を割り当てる、こういうことになるかと思います。
  133. 安宅常彦

    安宅委員 さっきからあなたは、私の腹案々々と言うて個人的な発言が多いのですが、そんなことで法律を出されたら困るですね。私の腹案ですが、私の思いつきですが——今ごろ思いつきとか腹案だとかいう責任のない答弁は困るのです。しからば聞きますが、全国的な網がなくても、たとえば仙台で売りが出そうだというときには、仙台に店があるだけで、東京にも大阪にも何にもなくても、そういうものを指定するということがあり得るのか。それが基本なのか。あるいはどこからでも、経済情勢の変動によって売りに出るときは——仙台でどかっと出てみたり、大阪の方がぎっしり握ってみたり、そういうことはありません。全部同じように出てくると思うのです。だからそういう証券会社ではなくて、全国的にどこから売りに出ても対応できるような会社を対象とするのが基本なのか、その区別をはっきりしてもらいたいと思うのです。
  134. 井田勝造

    井田説明員 全国的に販売網を持ちました大証券会社を指定するということは当然かと思いますが、地域的に有力な信用のある会社がございましたら、それも当然指定の中に入れなければいけない、こういうふうに考えております。
  135. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、一番先にあなたが答弁した、売りに出る数がどの辺が多いだろうということを主体にしたのではなくて、全国的にそういう経営網を持っているのは、当然それが基本で、そのほかにも地域的なより信用のある店があったら、それも委託を受けられるようになるであろう、つまりこれが従であって先のが主、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  136. 井田勝造

    井田説明員 全国的な販売網を持った証券会社と地域的な有力な信用のある会社、あわせて指定する、こういうことであります。
  137. 安宅常彦

    安宅委員 それはそういう会社が、仙台なら仙台、あるいは福岡なら福岡、山形なら山形あたりに信用のおける会社があったとするならばという前提が、やはりあなたの答弁の中にあるのです。そういう会社があるかないかということは——はたしてこれの信用程度なんか何を基準にして調べるか。あなたは事務的に非常にむずかしい、資本金がどうだとか経営状況がどうだとか、いろいろ調べられるでしょう。そうすると、大きい証券会社が出てくることは火を見るより明らかです。当然のことだと思うのです、信用ということになれば。従って、非常にむずかしいとあなたは言っておる。そういう指定のやり方についても、あれは私の現在の私案でありますという程度法律を出してくるということは、悪い言葉で言えば、非常に横着なやり方だと私は思うのです。七〇%ないし八〇%の線で発動するのかと思ったら、発動を考慮する、そういう経済情勢のときには軒並み落ちているのだから、電電公社だけではない。しかし電電公社債券というものは強制的に買わされているのだから、これは少し別ではないかと言っても、これは一般的なものと同じだと、こう言う。そういうようにこれもあなたの私見という形で出ているのです。それで監理官との間に意見が合わなかった、こういう状態ではこんな法律を出してくる資格がどだいないじゃないかと私は思うのです。今度詳細にもっと調べまして、私はこの問題をさらに掘り下げてみたい、こういうふうに思っております。  なお、理事会か何かで、質問を民社党さん、共産党さんがやる時間もあるそうで、そういうことも伺いますから、きょうは私はこれだけで終わりますが、これはもう一回そういうことをぴしっと答弁できるようにして、もう一回練り直して——たとえば法律の中に一つの基準というものを、どこまで落ちたら救うのか、そういうものをきちっと法律の中でうたう。運用や政令などで、そのときどきによって適当にまるめられては困るのです。そういうこともぴしっと書いた法律だったら、安心してみんなが信用できる。この法律では、救ってもらえるものやら救ってもらえないものやら、国の金融引き締め政策というのは一般的な政策である、その政策によって不景気がきて、そうして株価ががたがた下がった、そのときにはお互いさまですから発動いたしませんというような法律では、第一次取得者を保護するとかなんとかいうのは、名目上だけのことであって、何らの足しにならない。先ほども言ったように、一部の証券業者だけがいわゆる保護を受けるという法律に堕すると、私ははっきりここで断言してもはばからないと思うのです。もう一回そういう基準というもの、それから委託をさせるときの業者の選び方に対する基準、あるいは先ほど大柴委員が質問したように、実際第一次取得者であるかどうかということをはっきりさせる方式というのはどういうふうにするのか。第一次取得者を保護するといった以上、債券発行額の何%ぐらいは第一次取得者の手にあるか、もう証券会社の手に渡っているか、あるいは第三者の手に渡っているか、そういう摘出調査でもして、従って、こういう法律で二十二億円ぐらい金が要るのだ。それがないと——二十二億要るのか、五十億要るのか、百億要るのか、これも大体目の子勘定で何も根拠がないのですから、こういうものもぴしゃっと答弁できるように、そういう相談をもう一回明確にしてから再提案した方がいいのではないか。老婆心ながら私はそういうように警告をいたしまして終わりたいと思うわけであります。
  138. 大柴滋夫

    ○大柴委員 ちょっと関連して経理局長にお尋ねしますが、発動をされて、野村なら野村で三億円の債券を買った、そうするとそのときの債券の所有権というものは電電公社にあるのですか、それとも野村にあるのですか。
  139. 井田勝造

    井田説明員 第一次取得者から買います場合に、たとえば今の例示で野村があげられましたので、たとえば野村に五億円なら五億円のものを買ってくれということになるといたしますと、これは電電公社計算におきまして野村証券に買い取り事務を委託したということになりますので、野村証券がお客さんから受け取った債券は、これは公社計算において買い取ったもの、こういうことになります。
  140. 大柴滋夫

    ○大柴委員 そうすると野村は、その委託をしておる、あるいは管理をしておるということを理由に、ほかの銀行とかほかの会社からそれを担保に金を借りる、こういうようなことはできませんね。
  141. 井田勝造

    井田説明員 できないと思います。
  142. 大柴滋夫

    ○大柴委員 郵政省の方はどうですか。できないと思いますというようなことを言っておりますが……。
  143. 岩元巖

    岩元政府委員 公社の御答弁通りでございます。
  144. 大柴滋夫

    ○大柴委員 しかし、日本の商法や民法では、普通の株を持っておる者は、真実の所有者であろうとなかろうと、とにかく手に株を持っておればそれを見せて売り買いもできるし、いわんや担保にはできるんじゃないですか。
  145. 奥田孝一

    ○奥田説明員 これは証券会社にお願いして買ってもらうのでございまして、その取得した金額の品物は、適時、大体商慣習によれば三日目に現物を受け取り、代金の支払をするわけでございまして、順次商慣習に従いまして公社の手に現物が入る、こういうことでございます。
  146. 大柴滋夫

    ○大柴委員 そうすると、野村なら野村から電電公社債券の実際の物を持ってくるのですか。
  147. 奥田孝一

    ○奥田説明員 原則として公社としてそれをやるべきでございますが、数量が非常に多量になった場合には、受託銀行である勧銀なりあるいは証券会社に、そういう債券の保管を一応委託することができる。その場合、所有権は、どこまでもその債券電電公社のものでございまして、一般有価証券投資家が証券会社から買いましたものを、その証券会社に保護預かりとして預けておるというのと同じ性質のものでございます。
  148. 大柴滋夫

    ○大柴委員 私は株の詳しいことは知らぬのですが、しかし、たとえば私が関東電力なら関東電力の株を持っておる、その株を森本君なら森本君に預けた、そうしたら森本君は、今の日本の商法、民法では、その株を売ることができるわけです。それと同じように、あなたの方は委託したら委託したと言うけれども、証券会社というものは、その債券を委託されていても、持っていることは事実なんですから、その持っているという事実の前に、担保にして金を借りるとかいうことは絶対にない、あるいはまた、あなたの方がそれを委託する場合には、そういうはっきりしたところの説明をつけ加えるということが約束できますか。
  149. 井田勝造

    井田説明員 今のように、公社が第一次取得者から買い入れて、証券会社に委託いたしまして——その買い取った債券をその証券会社がほかへ回すといったようなことなら、これは委託契約の違反でございます。そういうようなことの絶対にないような信用ある証券会社を選定していきたい、かように考えます。
  150. 安宅常彦

    安宅委員 関連して。ちょっと忘れておったのですが、この提案理由説明の資料の中に、小さい数字の2に、「公社はこの資金加入者等の引き受けに係る電信電話債券の売買に運用するものとする。」とこうありますけれども、売買ですね、これはどういう意味ですか。これは運用の仕方の問題になってくるのですが、てこ入れ資金ではなくて、売買と両方あるのですね。
  151. 井田勝造

    井田説明員 今のように、第一次取得者から買うわけでございますが、これを買ったままでありますと、これは二十二億でストップいたします。従いまして、これを適時市場なりあるいは直接機関投資家なりに売却いたしまして、この二十二億の回転をはかる、これがこの調整資金特色でございます。
  152. 本名武

  153. 谷口善太郎

    ○谷口委員 大体午前中からの質問問題点がわかったようでありまして、要するに大へん不備な法律だということがわかったのでありますが、私、時間があまりありませんので、若干の点で二、三伺います。  今問題になりましたこの運用基準ですな、これを一ぺん私で整理してみますと、こういうことになりますか。つまり公社債が七〇%あるいは八〇%以下になった場合に、他の経済条件が悪くなって、他の債券類が、株価が下がってくるというような状況がある場合にはまだ別であるけれども、これは平常の状況の中では、七、八〇%以下になった場合を一つの発動する条件とする。それから買い入れの対象は、第一次取得者を基本にする。その場合に、それの証明を持ってくる。それから買い入れの方法としては、信用のある証券会社に委託して買わせ、買ったものは、簡単に言えば公社の所有になるということだと思うのですが、そうですか。
  154. 井田勝造

    井田説明員 その通りでございます。
  155. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そこで、私、聞こうと思ったことを、今大柴さんが聞きましたので、非常にはっきりしたが、つまり公社のものになってくる。公社の所有になると、たとい委託の業者に預けてありましても、その業者はこれを自由にすることができないという、何か基準をつくられるわけだと思うのですが、その点よくわかりました。  ところで、こういう点はどうなんでしょう。七、八〇%以下になった場合に発動するのでありますから、従って買入価格としては、たとい市場価格が七、八〇%以下になっても、公社としては、その買い入れる場合には七〇%以上に買うというようなそういう条件をつけてお買いになるのかどうかという問題ですね。あるいは市場価格通り買うということになるのか、その点はどうですか。
  156. 井田勝造

    井田説明員 大体市場価格を目安として買うことになると思いますが、場合によりましては、それより上回った値段で買うということもあり得ると考えております。
  157. 谷口善太郎

    ○谷口委員 これも私の前から聞こう聞こうと思って用意しておったことなんですが、電話債が非常に安くなる、あるいは安いという状況ですね。これは一般公社債とは違った条件にある。つまり市場価値が非常に不安定だとか、あるいは不当に安くなるとかいう原因ですね。その原因をここ数日間いろいろこの問題で討議があったのですが、その原因についてはあまり明確でなかった。きょうは非常に皆さんの方からはっきりされたと思う。つまりこれは投資家が投資の対象としてみずから進んで買う債券ではなくて、電話加入する場合に強制的に買わされる、要らぬものを買わされるという性格を持っているという点を指摘されたわけですね。私もそうだと思うのです。従って、普通の経済情勢から見たら、どうも不当に安くなるという状況も起こってくる。そこで今度のこういう調整法が出てくるという原因になったと思うのですがね。つまり特殊な債券であって、特殊に安くなるという条件があるから救済する必要があるというのが条件だったと思う。この建前から言いますと、当然一般経済情勢から見て、電話債が七、八〇%以下になるということは、その不当な特殊な条件原因しておるというような場合、その場合には当然普通の市場価格七、八〇%以上のものに足して買うというのが本筋でないと、ほんとうの救済にならないと思うのですが、そういう場合もあり得るというのではなくて、そういうことがもっともだというふうに、ここではっきり言われませんか。
  158. 井田勝造

    井田説明員 一般的の経済原因によりまして、たとえば七〇%に落ちたが、これを七五%の値で買うということは、これはもう資金的に見ましてとうてい困難なことでございまして、大体市場価格を目安として買うということにならざるを得ない。その場合にも、それじゃもう全然加入者の救済にならないかと申しますと、今のように下落して参りました場合には、たとえば電話業者がどうとかいったような場合には、市場価格以下に買いたたくというようなこともございますし、あるいは大証券会社は買い控えをするというようなこともございますので、今のような市場価格で買うということでも、相当第一次取得者の保護ということにはなるのじゃないかと思います。
  159. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それは一般的な経済条件が悪くなって下がってくるという場合は、これは電話債でない他の社債とか公債とか株券も下がりますから、その場合は私はいいと思うのでありますが、この場合、われわれの対象としておりますのは、電話債というものの持つ強制的に買わされるというその性格から、救済せざるを得ないような状況が常にあるいうことなんです。従って、一般経済界の状況からいって、一般の社債が下がるにつれてこれも下がるということは、これはほんとうの救済の対象にはならぬと思うのです。その中で特に電話債の持っている性格からいって、一般経済状況以外に特殊の性格から下がるということが問題になるわけでありますから、そういう場合はまたそのことを対象にしなければ、この法律ほんとうの筋が通らぬように私は思うのです。従って、当然これが発動されるということになりますと、救済という意味が、不当に下がったものを、当然一般的な公社債と同じような経済状態に引き合えるような、つまり余分なものを足して買うというそういう立場でないと、ほんとうの救済にならぬじゃないか。その点についてやはり明確にしておく必要があると思うのですが、もう一度重ねて伺っておきます。
  160. 井田勝造

    井田説明員 電電債が非常に特殊な債券であるということは御説明した通りでございまして、これの対策といたしましては、一発で、これでよろしいということには参らないのでございまして、発行条件改訂いたしまして、今電電債の持っておりますところの欠点を相当除去することができたというふうに私ども考えておりますが、そのほかに保護預かりでございますとか、あるいは新規架設の際に月賦金融の道を開きまして、すぐ換金しなくても済むような方法を講ずるとか、万般の施策の一環といたしましてこの調整資金考えたわけでございまして、ほかの諸施策と相待ちまして必ず相当の効果を出すものと、こういうふうに考えております。
  161. 谷口善太郎

    ○谷口委員 さっきのお話にもございましたが、電話加入した者がこの債券をとにかく買わされる。買ったあとですぐに売るのです。そういういわゆる第一次取得者から他の者へ渡っていくという状況です。これは先ほど申しましたように他の債券と違いまして、自分から積極的に買っているものじゃないから、ずいぶん無理をして、電話をつけるときに借金して買う。だから何割かは損をすることを初めから覚悟して買う人が非常に多くて、債券を受け取ると同時に直ちに換金するという状況が非常に多いのでございますが、さっきおっしゃった三二%というのはそういうことでしょうか。それともそれ以外に問題があって、三二%というものは大体第一次取得者から離れているということになるのでしょうか。その点どうでしょう。
  162. 井田勝造

    井田説明員 昨年の秋やりましたのは、全国的に七万余りの加入者を抽出いたしまして、これらの人々に、売ったか、あるいは持っているか、売ったとすれば電話業者に売ったか、証券会社に売ったかというなアンケートをとりまして、これを地域別に計算を集計いたしましたところ、東京、大阪、九州等で三二、三%の売却率が出てきた、こういうことを申し上げたわけでございます。
  163. 谷口善太郎

    ○谷口委員 実は私も皆さんの方から電話をつけてもらいまして、債券を買いまして、直ちに売りにいった。するとこれが五五%です。半分近い。これは悪徳業者であるというふうに言えば言えるかもしれませんが、少なくとも京都なんかでも有名な債券会社が大体それくらいなのが相場です。これは一般に電電公債が投資の対象として売買されているという市場と、加入者が直ちに売りにいくというやっとはちょっと違うと思うのです。実際背に腹はかえられぬので、十五万円出しても二割くらい引けばいいだろうから三万円の損だ。そこで設備料一万円と何か三千円ならせいぜい四万三千円くらいでつくだろうというので入ったのだが、そのつもりで売りにいったら半分にたたかれる。それでも仕方がない、手放すというのが大体三割くらいおるんじゃないか。これは一般市場行為といいますか、経済行為としてのあれじゃなくて、電話債の持っておる特殊な条件から、加入者がそういう弱いところに立っているという本質的な原因がありますから、業者の方でも悪徳業者でないにしても、そういう慣習になっている。相手はしろうとであります。これが三〇%くらい占めているのだというように統計に出ておりますが、そうなってきますと、電話債が下がるということは、単なる経済条件の問題じゃなくて、あなたがおっしゃったように、強制的に買わされるという条件前提としてあること、加入者の側から言えば、買ったらすぐ売ろうということを前提として買っているというところにこういう条件が生まれてくる、不当に加入者負担を重く受けるという条件が生まれてくるのでありますから、それを救済するということにならないと、こんな調整法というものは何の足しにもならないと思うのです。そういう点はどうでしょう。
  164. 井田勝造

    井田説明員 お説の通り債券の知識のない方が強制的に買わされる、ここに根本の問題があるわけでございますが、一方、電電債は七分二厘の相当高率の利息をつけておるわけでございまして、先ほど申し上げました秋のアンケートを見ましても、財産づくりとして自分はこれを大事に持っておるんだといったようなことをわざわざ書いた者も相当ございます。結局、一方におきまして債券の知識をPRする、窓口で加入者債券をお売りするときに、お客様に、今の市場価格はこういうことなんだというようなこと、それから売られるときにはどういう証券会社——信用あるところへ処分されるのがよろしいといったようなことを、いろいろ御相談を申し上げる、そういったようなサービスをいたしますことによって、ただいま先生のおっしゃっておりますようなケースは相当減ってくるのではないか、こういうふうに考えております。
  165. 谷口善太郎

    ○谷口委員 おっしゃる通りなんです。私も債券を持とうと思っておる。七%かの利子ですから、それは悪くない。銀行へ預けるよりいい。金がないからしようがないんだが……。そう思ったけれども、持てぬのです。持てなくて、どんなにたたかれてもいいから換金しようというのが三割以上ある。この人が対象になりませんと、こんな法律をつくったって何にもなりません。そうでしょう。七%の利子がもらえるから、これは投資の対象になるというふうに考えている人は、高くなったら売る、安くなったら買うということで、これは証券会社との関係でいろいろそういう一つ市場操作があると思うのですけれども、これはもう投資家でありますから、どうでもいいですよ。景気が悪くなって、債券が下がったら下がったでいいです。そんなものを電電公社が助ける必要はないです。だけれども電話をつけたということから強制的に買わされて、それを持っていられない者があって、これが半値で売っている。これを救うということでなかったら、こんな法律は何の足しにもならぬじゃないですか。そうじゃないですか。私もほんとうは持っていようと思ったんですよ。今でも金があったら電話債買うておいてもいいと思う。売って一千万円のものを六百五十万円くらいで買えて七%もらったら一割以上の投資の対象になります。ところが持てぬのです。持てないからすぐに売る。持てぬよりも、加入するときに、返しますえ、ということで借金してやる。ところが、売るときは八割どころの騒ぎじゃない。七割、六割、五割になる。それでも売るというのが三割以上もあるのです。これを救うということでなければ法律の改正にならぬと思うのですがね。実は私ここに統計を持っておりますが、第三次計画の中で外部資金としての加入者負担のなには約七千五百六十億円の予定のようです。このうち三割余りといいますと二千二百六十億円になるのです。これだけの債券経済を度外視して換金されているのです。だからこういう者が相手ですから、悪徳業者でないのです。当然業者はそういう人を相手にする、一つ市場価値が出ますから。それが五割とか六割とかで買いたたいている。大へんなことでしょう。これを対象にしてやるという法律でなかったら、何の足しにもなりませんが、どうですか。はっきりそれを対象とするのだというふうに考えられるように、ここではっきりできませんか。
  166. 井田勝造

    井田説明員 今、先生のおっしゃっておるようなケースを、私どもとしても一番中心の問題として考えて参ったわけでございます。ただ、電電債も最近国会等でも御審議をいただきまして、非常に人気が出て参りました。また一般経済界の情勢と相待ちまして、最近、たとえばきのうの値段で申し上げますと、当月出回りもので利付が九十二円、割引が四十二円ということに相なっておりまして、かつては今先生がおっしゃいましたように、買い値の五五%に買いたたかれたといったような話も私どもも聞いておりますけれども、最近の情勢を証券業者等に聞いてみますと、もうなかなか売りがない、こういうような状況でございまして、今のように五〇%、六〇%に買いたたかれるといったような現象は、それはまれにはあるかもしれませんが、全国的にそういう例は非常に減ってきておるのではないか、こういうふうに考えております。
  167. 谷口善太郎

    ○谷口委員 あなたのおっしゃることはちぐはぐです。今三二%が売りに出ておると言っておる。証券界が言っておる。今度は割合よくて値段が出ているというのは、それは証券界で投資を対象にする人を相手にしてのそ中での話でありまして、加入者が個人々々どうにも仕方がないからというてすぐに売りにいくという状況は、そんな経済行為の範囲外にある被害者なんです。最近はそういう被害者が出るようになっておる。性格としてそういうものなんです。あなた方は認めておるのです。それをどうするかということです。証券界を対象として、証券界で売買されておる、第一次取得者の手を離れて証券界の市場で売買されておるというこの点を救済するということだったら、これはとんでもないことです。これを救済するためにこういう法律を出すというならとんでもないことです。電電公社は高い料金を取ってもうけて、その金の一部で証券業者を助ける、あるいは証券界で投資を対象にして働いているような、売買をやっておるような人たちを対象にするということになりますと——そういうものからはみ出してどうにもできなくなっているという人が三割いる、そういう人をどうするかということです。これをほっておくということになってくると、今おっしゃった、最近は評判がよくて値が上がってきたということは、市場のことで、第一次取得者のこういう悲惨な状況を救うことにならぬ。そこらをはっきりしないとだめです。それはどうです。
  168. 井田勝造

    井田説明員 市場価格が今のように上がって参りましたので、そのような零細業者が処分するときにも有利な値段で処分できるようになってきている、こういうように考えております。
  169. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それがそうじゃないのです。加入者が売りにいった場合には、そんなことで業者が買いますか。あなたは何か公社へ相談に来れば何とかしてやるという話もしておりましたし、そういう道があるかもしれないけれども、それではみんな行きましょうか。相談にきた場合に、公社は、よろしい、今普通の証券界では、電電公社債券はこれだけの値段になっている、だからそれで買ってやるというふうに言えるような法律なら、私どもは賛成しますよ。そうじゃないのです。いかにも第一次取得者を助けるような言い方をしまして、法律内容は実際上そうじゃないのです。今あなたのおっしゃったように業者を助ける、あるいは業者を相手に投資をやっておる人々を助ける。たとえば私が売りにいく場合に、七〇%以下になって、これが発動しているときまで待っておって売りにいったならばいいけれども、そうじゃないときにやるのです。発動しない間は八〇%、九〇%市場価値がある。だから市場価値があると思って行ったって、証券業者にそんな親切がありますか。あの連中はもうけることが商売ですから、買いたたかれる弱味を持っているのです。そういう人を救うというためには——この法律はそういう意味ならばいいと思います。それだったら、そういうようにはっきり、そういう人を助けるというように法律を変えなければだめです。これだけではだめです。そう思いませんか。あなた方は、いかにもそういう法律のように見せておって、事実は、つついておりますうちに、そういう連中は全部対象にならないで、ほんとうは業者とか、あるいは業者を対象に投資をしている人たちを対象にしておる、こういうことになっておるわけですね。そうするとこの法律を出す必要はないのです。その点はっきりできませんか。大臣どうです。この点は私は大事だと思うのです。これはつまり特殊なこういう条件のもとにある債券ですから、それを取得した人たちはもうそれを投資としてやれないのです。とにかく換金せざるを得ないという人たちが三割もいる。これは証券界の当時の経済上の状況からいっての市場価値じゃなくて、全く市場価値以外のことでたたかれておるという状況なんです。これを救済するということであれば、この法律は私は非常にいいと思うのだが、そうじゃないというところにもう一ぺん考え直す必要があると思うのですが、どうですか。
  170. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 先ほどから御説明申し上げましたように、第一次取得者を擁護するという建前でやっておるわけであります。証券会社の方に委託する際にも、そういう点をよく指導していきたいと考えておるのであります。
  171. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そんな話だと、とても話にならないですよ。建前はそうであっても、それは法律にも書いてあるし、あなた方も言ってあるが、ところが、事実はそうならないんですよ。それなら私のものを十五万円に買ってくれますか。こういう問題は実にたくさん加入者の中にあるというこうです。そこのところに問題があるので、従って、こういう法律を出したんでしょう。そうだとあなた方は言っておる。第一次取得者のそういう不当な負担を救うための法律でしょう。ところが、そうならないのですよ。建前通りではないのです。そこに大きな法律上の不備があるんですよ。その点を私は大臣に言っておるのです。
  172. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 これは第二市場に上場されておりますから、信用のある証券業者のところに行けば建値で売買ができるものと私は信じております。
  173. 谷口善太郎

    ○谷口委員 押し問答をしておってもしようがないですが、市場で売買されていようが、一定の水準の価値があると今経済界でいわれていようが、加入者が売りにいく場合には、みんないろいろなことを知っておる人たちがやっておるわけではないのですから、売りにいく場合には、どんなに安くたたかれても、売らなければならないという条件に置かれておるわけです。だから安く売るのですよ。そういう問題が他の公社債と違って電電債にはあるのだということです。そういう特殊な債券を強制的に買わせておるのです。午前中の御発言で公社の方は言っていらっしゃった。強制的に買わせるのです。強制的に買わせておるからこんなものは要らぬのですよ、だからすぐ売りにいくんですよ。売りにいくということは、それも経済行為ではないのですよ。そういう人間が三割おる。だからそういう答弁では話にならないですよ。
  174. 秋草篤二

    ○秋草説明員 先生の御意見を承っておりますと、確かに暴落時代にそういう悪徳業者にたたかれておったという例も私聞きました。しかし、今日毎日夕刊を見れば、日本全国の主要な新聞には、東京、大阪等におきます相場が第二市場において出ておるわけであります。ここに一つの標準というものがございまして、この通りに買えるということは確信はありませんが、大体その標準に基づいた値段で売買ができることになっておるわけであります。強制的に持たされたということは、法律上は事実でございますが、さればといって、その方々が直ちに売らなければならないということもないわけであります。ただ、そういうように非常に金に困って売らざるを得ない立場の人もありますし、それから、金はたくさんあるけれども、こんな電電債券は要らない、電話をつければけっこうだ、こういう意味で売られる方もありましょう。いずれにいたしましても、最近におきましては、ちゃんと相場が立っておりまして、その基準に基づいて多少のプラスマイナスはありましょうが、そうたたかれて半値で売るというようなときには、また別の店に行ってかけ合えばよいのじゃないかと私どもは思っておるのであります。しかし、実際例外というものは絶無ではないと思いますので、そういう知識のない方が、ある悪い証券業者につかまって、新聞を見たこともないような人が、うまく言いくるめられてそういうわなに陥るというようなこともあるいはあろうかと思います。
  175. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それならこの法律案はどうです。証券業者へ売りに行った場合、不当にたたかれた者は電電公社へ持ってこい、そうしたら当時の市場価格で買ってやるというふうに変えたらどうです。その方が一番簡単です。あなた方そういう確信を持っていらっしゃるなら、悪徳業者があったり、物を知らぬ人間が行ってやるからそういうことになるのであって、一般にはそうじゃなくなっていると言うなら、そういうことにあった人や、どうにも仕方がないという人があったら、電電公社に言ってこい、あるいは電電公社で委託している業者へ来い、これを発動するとしないとにかかわらず、いつでもそういうふうに買ってやるというように法律を変えたらどうです。それならあなた方の言うことはほんとうです。
  176. 井田勝造

    井田説明員 一時に多額の金が集めにくい、そういったような人が今電電債を入手してすぐ売られるといったようなことになるわけでございますが、そういうことのために月賦金融制度というものも考えたわけでございまして、結局電話債券を銀行に担保として入れまして、十五万円の金を銀行から出してもらったあと、銀行への返済は月賦でなしくずしに返していく、こういう方法考えたわけでございます。  なお、電話局には債券相談役というものも最近相当数のものを配置いたしまして、そういうお客様の御相談に応ずるようにいたしております。また相当PRもやっておりますので、だんだんそういう電電債に対して知識がなくて非常に不利な処分をされる人は減りつつある、こういうふうに考えております。
  177. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それなら逆のことを聞きますが、こんな法律がなぜ要るんです。なぜ第一次取得者を救わなければならぬという法律が要るのです。すでに救済方法があり、値段が上がってきて、そういう被害はなかろう、何でこういうものをつくるんです、要らぬじゃないですか。そうじゃないからこれをつくったのと違いますか。そういう状況電電債がないから、特に加入者が、第一次取得者がそういう状況に置かれてないからつくったんじゃないですか。そうでないと言うのなら、こんな法律は要らぬでしょう。一体あなた方は何を言っているんです。そうでありませんか。
  178. 秋草篤二

    ○秋草説明員 ただいま先生のおっしゃったような例は、現在の状態ではないと申し上げただけでございまして、今度の法律趣旨は、やはり一昨年の暮れごろから電電債が暴落した時代に、世論なり国会から、この電電債措置について御注意を受けたわけでございます。ただいまにおきましては、この法律の発動の余地はないと私は思います。しかしながら、現在におきましては、電電債と申しますものは、先ほどるる申し上げました通り一般公募債その他株式等と違いまして、特殊な債券でございますので、どだい初めから多少の欠格条項を持っておりますので、一般市価とは多少歩減りがあるということをわれわれ是認しておるわけでございます。しかし、それにしましても、また一昨年の例のようなことがあった場合には、やはり政府あるいは私ども債券発行した当事者とすれば、多少なりともそうした債権者を保護し、あるいは第一次取得者を保護してやろうということの一助に役に立つのではなかろうか。そういう趣旨で、ただいまのところは発動するような現状ではないと思います、今後いろいろな状況で、経済現象の大きな流れによっては多少の変動もございますが、電電債というものは一つの相場に支配されるものでございますから、多少の勢いで不当にまた下がっていくというようなことがあってはならない。そういうときには、加入者その他第一次取得者に対してできるだけ誠意を持った援助をやろうという趣旨から出ておるものでございます。
  179. 谷口善太郎

    ○谷口委員 この問題はさっき安宅委員がおっしゃったように、またあらためていろいろやりたいことがあるのですが、時間がないので一応保留しておきますけれども、私どもは、いずれにしましても、あなた方は羊頭を掲げて狗肉を売っておるというような印象しか受けないし、現在の法案は、まことにその趣旨と違った結果になるということを指摘したいと思うのです。  次に入りますが、今度の二十二億という金は、電電公社の収支決算の上におきましてはどういう位置を占めますか。たとえば減価償却費とか、あるいは営業費とか、何かそういう性格を持つのかどうか私知りませんが、どういう性格を持ちますか。
  180. 井田勝造

    井田説明員 この調整資金は、公社の会計の中に設置をされるわけでございますので、私どもはこれを資産の部に計上いたしまして、これが売り上げで利益を得るような場合、それから日銀に預け入れておくわけでありますから利息がつきます。そういったようなものは雑益として処理していく。それから買って売ることによって損失が生ずることも考えられます。そのときには雑損として処理する。従いまして、総合的に公社の調整資金の損得というものが公社会計の全部の利益損失の一部となって現われて参る、こういうふうに考えます。
  181. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうしますと、利益金の中に入りますか。公社一般会計からいったら、利益金からこの基金を二十二億出すということになりますか。私の聞きたいのは、税金がどうなります。
  182. 井田勝造

    井田説明員 公社の流動資産のうちの余裕金をもちましてこの調整資金に振り向ける、こういうことになるわけでございまして、税金は証券取引法による税金——これはまだ大蔵省の方で検討中でありますが、私どもとしては、証券取引法による課税は免税をするように強く要望いたしております。
  183. 谷口善太郎

    ○谷口委員 だんだんわかってきました。これは会計学上いろいろなあれがあると思いますが、私ども加入者の一人として、また電電公社は国民のものだと思っておりますから、そういう立場からお聞きしたいのは、つまり、営業をやってもうけがあって、従来ならば利益の中に入るものをこういう特別会計でもつくるわけですね。特別会計でもないかもしれませんが、第五条に、「収入支出予算外として経理する」といっておりますね。こういう経理内容あるいは経理性格を持っておるところに二十二億出していくわけです。今後もふやしていくかもしれません。本来ならば利益金として計上できるのではないかと私は思う。ところが、そうではなくて、こういう経理内容を持って、しかも特別にはねてこれが税金の対象にならぬということになりますと——あなた方それを望んでおられるようでありますが、それはちょっと問題になるのではないかという問題がありますが、そう点どうですか。
  184. 井田勝造

    井田説明員 収入支出予算外として取り扱うという意味は、たとえばこの二十二億を五回転いたしまして、百十億買って百十億売ったと仮定いたします。そうすると、結局二十二億残るわけでありますが、これがその他の公社の予算経理においては、今のような仮定の場合には百十億収入に上げ、百十億支出に上げてくる、こういうことに相なります。ところが、収入支出外に上げるという意味は、そういう場合にもとの、要するに一年じゅうの差し引きした結果を上げてくれという意味でありまして、ただいまのような説明の場合は、収入支出はゼロである、こういうことに相なるわけでございます。
  185. 谷口善太郎

    ○谷口委員 公社会計の余裕金から出すというふうに今おっしゃいましたね。余裕金というものは、一応現会計の中で認められておる額が一定にあると思うのです。そうじゃないですか。それは必要でそういう余裕金を認めていらっしゃると思うのですが、その中からこういう会計を二十二億出してまって——これは公社の収支会計外のものとして運転もするし、利益も上がってくる、あるいは損もするということになるわけですから、この金は一体もうけの中から出したことになるのか。もうけの中から出していれば当然税金の対象になりますが、そうでなくて何か特別な考え方でこういう特別な会計をお持ちになるのか。私どもは、これによって公社は今後——今は二十二億でございますけれども、今後債券に対する需給調整資金だというこういうものを持って、そうして相当の金額をあなた方が自由にできるものを持とうとしている。そういう内容を持っているというふうに解釈せざるを得ないわけなんですけれども、その点どうなんですか。私非常に率直な物の言い方をしますが……。
  186. 秋草篤二

    ○秋草説明員 会計処理上の問題ですけれども、先生ちょっと誤解なさっていらっしゃるのかもしれませんが、電電公社は税金というものがございませんから、その点は御了承願いたいと思います。  それからもうけの中からと申しますが、現実におきましては、過去十年間電電公社におきましては、民間で利益剰余金と申しますが、私どもの方はこれをもうけとは申しませんけれども一つの収支差額というものが出ております。これを上げて配当するわけでもございませんで、全部建設改善に投資しておるわけでございます。現状におきましては、かりに二十二億というものを設定すれば、その建設財源というものが二十二億だけ影響を受けるということは事実であります。しかし、法にはもうけの中からともいっておりませんし、もうけがなくても出せともいっておりません。要は、電電公社の財産を、資金を一区分しまして、単に余裕金、現金という中から別に二十二億だけは調整資金にできるが、法律の目的に沿って運用してよろしいという性格になっております。現行法におきましては、電電公社債券を保有することは禁じられております。ましてやこれを売買することは固く禁じられておりますが、特例といたしまして、そういう別勘定、勘定科目を設定されることは許される法律でありまして、別に税金の脱法だとか、そういうことは何ら関係ないことでございます。
  187. 谷口善太郎

    ○谷口委員 税金の問題は、私も不勉強でわからなかったのですが、いずれにしましても、二十二億という一つの特別勘定みたいなものをお持ちになっておる。これは六条を見ますと「不足を生じた場合において、資金に属する現金に余裕があるときは、当該現金を繰替使用することができる。」というようなことが書いてございます。それから「前項の規定による繰替金は、当該事業年度内に償還したければならない。」ということになっております。一つの特別会計ということをあなたは別勘定とおっしゃったが、その別勘定は独立しておって、それはさっきから話がきまった通りに、債券市場価格を操作するために使われるということになる。そういうものを皆さんお持ちになるわけですね、今度はこの法律によって。そうでしょうね。その点どうです。
  188. 秋草篤二

    ○秋草説明員 午後の初めに大臣が御答弁なさったように、市場操作ということを意味した勘定ではございません。御質問趣旨がちょっと了解しにくかったのでありますが、再質問によってお答えしたいと思います。
  189. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうなるじゃないですか。市場を操作する——多額の金じゃないので、そういう点からいえばそう大して力がない。皆さんの方では微々たるものだとおっしゃる。しかし二十二億という金がとにかくありまして、これによって電電債が下がってくる。一定の時期になったら、それぞれの関係業者に委託して買う。さっきの話では、買うならたとえば七〇%以下になっていればその値段に買ってしまって、ある時期にまた公社は売るでしょう。回していくそういう仕事をなさるわけですね。それはさっき私が言ったように、またみんなも言ったように、決して第一次取得者を助けることにならないで、むしろ大資本で投資している人を助けることになる。この点皆さんと意見が違うかもしれませんが、そういうふうにわれわれは見ております。しかし、とにかくそういうことで電電公社側はこの基金をつくりまして、二十二億は建設なり何なりに使う、そうではなしに、そういうことに使う特別勘定をつくると言うんでしょう。そうでしょう。それは債券を買う、また高くなったら売るという仕事をやるでしょう。公社の幹部諸君ではだれが係であるか知りませんが、そういう意味では操作ができる、証券業者と関係してやれるわけです。そういうことで二十二億、国民の事業の中から特別勘定をつくるというのです。そうじゃないでしょうか。
  190. 秋草篤二

    ○秋草説明員 この法律を先生のおっしゃるように故意に悪用すれば、これはもちろん許されないことでありますが、そういう議論も成り立つと思います。たとえばこの二十二億というものを完全なマーケット・オペレーションに使うんだ、こういうことでやれば、第一次取得者なんていうものを何も考えずに、市場操作で安く買って高く売るんだというような考え方に立てば、お説のようなことになろうかと思います。しかし、この法律は、さっき申しましたように、全くそういうことを考えておるのではないのでありまして、私ども建設財源が非常に足らぬのでございます。にもかかわらず、二十二億という金を出して、しかもそれを第一次取得者である加入者に対して多少でもお手伝いして、そうした方々のお救いの一助になればよいという気持から出ておるのでありまして、ここに法律の精神があるのであります。市場操作によってもうけて、株屋をもうけさせるとかという意図は、毛頭考えておるわけではございません。
  191. 谷口善太郎

    ○谷口委員 もうやめますが、私もその意図を皆さんが持っているとは思わぬ。そんな悪い人はあなた方の中には一人もおらぬ。だれもそんなことは言っておりません。私だけじゃありません。けれどもほんとうに第一次取得者を助けるということだったら、今の法律ではそうならぬということです。法律というものは、できますと、あなた方の意図いかんにかかわらず、ひとりで動きします。経済だってそうです。あなた方がどんなにりっぱないい考えを持っていられても、法律はそう動かぬですよ。もしほんとうにそれを動かすつもりだったら、私はさっき単純なことを言いましたけれども電話加入して十五万円買わされた、この金はとても持てぬのだ。そういう人が多いんですよ。皆さんは、そんなことは大したことじゃないんだ、特別な人だ、多くの場合は持っていると言いますけれども、そうじゃないですよ。中小企業者や零細業者は、とにかく無理をしてでも十五万円出して、それでつけてもらって、つけてもらったらすぐ換金するということを初めからの建前にしておる。こういう人がたたかれる。この人たちを救うんだということを法律にはっきりすべきだ。あなた方の意図がほんとうにそうであるならば、あなた方の意図がどこにあっても、法律がこういう内容であって、しかもさっきから、安宅さんにしろあるいは大柴さんにしろ、確かめたところによりますと、いろいろな具体的なことにつきましはまだ何も考えてない。これから考えるでしょう。この法律が通ればどんなことでもあなた方考えますからね。そうすればあなた方の意図いかんにかかわらず、それは第一次取得者を助けるのではなくて、つまり電電公債というものの持っている、強制的な性格から起こってくる国民の被害、これを救うことにならないで、これを投資の対象としてやっている範囲内での操作なり、あるいはそれに対する援助なり何かになると言っているんですよ。そういう内容を持っているということです。これはほんとうに皆さんがその心からおっしゃるならば、もう一ぺんやり直す必要がありますよ。そういう内容です。そこのところを私どもは言っているのです。  私はまだたくさんありますけれども、次の機会に譲ることにしてこれで打ち切ります。
  192. 本名武

    本名委員長 受田新吉君。
  193. 受田新吉

    ○受田委員 私、短時間に能率を上げて、残余は後日に譲ることにしますが、このたびこうした臨時措置法案をお出しになったことは、結局提案理由にありますような価格の安定、需給の調整という電信電話債券の大衆に与える好影響を考慮されたことについては、私よく理解ができます。この措置がされることによって、現実に電信電話債券市場がある程度安定度を持つということも、これは容認するところです。ただここで問題になることは、従来の質疑応答を通じて一応明らかにされておりますが、私が順次指摘したいことは、もともとこの電信電話債券発行されて加入者引き受け制度をお設けになられたことそのことを、一つ研究しなければならないと思うのですが、電話というすでに国民の必需品になっているものに対して加入者が引き受け債券を買わなければならぬというような行き方をとっている国が外国にどこにあるか、これをお答え願いたいのです。
  194. 岩元巖

    岩元政府委員 お答え申し上げます。よく調べてから御回答申し上げたいと思いますが、私の存じておるところでは、ないように存じております。
  195. 受田新吉

    ○受田委員 これは非常に重大な問題だと思うのです。日本は世界一誇る文明国となろうとしておる。その日本の通信の大動脈である電信電話、特に電話を使用する人が一定の債券を引き受けなければならないような運命にある国は世界にないという国際的な事例からいくと、これはまた一つ問題が新しく発生するわけなんですが、そうすると、電電公社運営において、特に収支経理の上において、当面する資金源が加入者の御厄介にならなければならぬということになるそのこと自身が、一つ問題が起こるんじゃないか。この際加入者債券制度というものをもうこれはなくして、根本的には国際並みに世界の文明国並みに別の方で資金源を獲得する、外債を募集することをもっと積極的にやるとか、あるいは一般的な電信電話債券をやるとか、公募方式をとっていくとか、こういう形のものでこれを早晩切りかえる必要があるのではないか、かように思うわけです。やはり文明国の名に恥ずる電話利用者に負担をかけるというこの制度は、もう世界にないと思うという御答弁をいただいておるわけでございますから、根本的に考え直す時期がきているんじゃないかと思います。大臣、いかがでございますか。これは政治的な問題ですから……。
  196. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 受田先生の仰せられましたように、日本が文明国であるにかかわらず、電話が非常に少ない。ことに戦災によって焼けまして、その後復興もどんどんなってきた。しかも電話が少ない。それを早くするというようなことに資金が足りなくなったわけでございまして、昔はこれを負担金の形で取ったわけでございますけれども、それでは国民に負担をかけ過ぎるというので、電電債券の形をとりましてやっておるわけでございまして、そのために、暫定措置といたしまして、今四十八年度を切りまして、その期間は債券を買っていただく、そういうふうにして——もちろん財投も投じ、政府からの金も入れる、そういうふうにして電話を速急に世界の文明国並みにしようというようなわけでございまして、資金上そういうふうな措置をとっている次第でございます。
  197. 受田新吉

    ○受田委員 この加入者等の引き受け電話債の額、公募債政府引受債、米貨債、いろいろあるわけでございますが、この一般公募債よりも加入者引き受け債券の方にはるかにウエートを重く置いているという点が、私は問題が一つあると思う。漸次これを減額して引き受けさせるような方向へ仕向ける必要はないか。たとえば十五万円引き受けるところを十万にするとか、十万のところは七万にする、こういうふうに額を下げていく傾向を持たすべきではないですか。これは政治的に見てどうでしょうか。
  198. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 資金のいろいろのやり繰りから考えまして、ただいまのところでは、国民で加入を申し込まれた方から電話債券を買っていただくということは、やむを得ないことではないかと思います。ただそれが理想的ではもちろんございません。そういうわけでございますから、暫定措置といたしまして四十八年までというふうに切ってあるわけ合いでございます。
  199. 受田新吉

    ○受田委員 四十八年といえばまだ十年ですからね。この文明の進歩のテンポが著しい段階に、十年先まで引き受けるという予約的な制度というものは、やはり根本的に問題があると思うのです。五年間の分はというくらいで仕切っておくという形でもしないと、現に公募債の方は三十四年から漸減しておるわけですね。それから政府引受債はほんのちょっぴりふえておる程度である。こういうことを見ますと、一般公募債というものをもっと増額しても消化力は相当あると思うのですが、ないと御判断されていますか。
  200. 井田勝造

    井田説明員 これはもう先生御存じ通り、結局公募債というのは銀行等に割り当てられ消化されるわけでありまして、国民の貯蓄の増進等によって一定の引き受けの限度が出てくるわけでございます。これは大蔵省におきましてその辺のところを見定めまして、全体のワクを設定し、これを各省各庁のいろいろの財源に割り当てておられるわけでございまして、公社もこの公募債の増額ということを強く希望するわけでございますが、なかなか希望通りのワクはもらえないというのが現状でございます。
  201. 受田新吉

    ○受田委員 大蔵省の方に早急に御出席をいただきたいと思うのですが、この公募債は、銀行のようなところあるいは共済組合のような機関投資家というようなところに引き受けさせる手もありますが、年利率を七分二厘にもすれば、これは一般国民でも、今のような低金利政策が進行する過程においては、高率の電信電話債券というものは必ず引き受けますよ。今各種の割引債でも、あのようにほんの六分をちょっとこえただけであっても、あれだけ消化能力があるわけです。いわんや七分二厘にもするならば、一般の国民が大いにこれを利用しますよ。また地方の農業協同組合とかその他の生活協同組合等も、七分二厘にもなれば、五分六厘でお金を借りて七分二厘にすれば、十分その差額で運営ができるわけです。大臣、この高率の電信電話債券一般公募という形で引き受けさせるという方式は、国の政策としても適切であると私は判断します。大所高所からの御回答を仰ぎたいと思います。
  202. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 この問題につきましては、金融市場のあらゆる点を勘案しまして、結論といたしましてこういうところに落ちついたわけでございまして、われわれといたしましてもこれが理想的とは思っておりません。今受田先生の仰せられた方向にやはり進むべきだと思いますけれども、そういうわけで、暫定措置としてこの法律をつくったわけであります。
  203. 受田新吉

    ○受田委員 大臣、現に公募債は漸減しておるのですよ。これは漸増すべきじゃないですか。
  204. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 一時は減っておりますが、だんだんふえておる次第でございまして、先ほども申し上げましたように、全体の金融市場のいろいろの関係からきまったというようなことでございます。
  205. 受田新吉

    ○受田委員 この発行はややふえているのです。ふえているところもあり減っているところもある。償還はまたふえているところもあり減っているところもあるのです。期末残高のところで私は言うているのです。期末残高のところで、もっともっとこの公募債をぐんぐんふやしていっていいのです。このような少額で、加入者引き受け債券ばかりがばかにぼんぼん高くなって、公募債は漸次縮小しているという行き方は、私はそうした金融市場の事情などということからいっても納得ができないわけです。これはすでに各種の政府関係機関等も国鉄等も債券発行しておる。それから高速道路も債券発行している。電力会社債券発行している。一般の民間会社も社債を発行している。その利率からいって、電電公社の七・二という比率は、決してこれは人後に落ちない高い比率です。これは一般公募で十分消化する能力が私はあると思うのです。国民貯蓄を奨励する意味からも、そういうところに重点を置くことが、これは財政政策からいっても適切である、かように思うわけです。
  206. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 先ほどからも申し上げましたように、結局全体の金融政策からこういうふうにきまったわけでございまして、受田先生の御意見は十分に承ってわれわれの参考にいたしたいと思います。
  207. 受田新吉

    ○受田委員 熊田主計官にお尋ねしますが、今大臣は私の意見を十分尊重して今後考えていきたいという御答弁があったわけですが、大蔵省主計官としては反対でございますか、賛成でございますか。
  208. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 この問題は、私から御答弁申し上げるのはちょっと適当でないと思います。と申しますのは、所管が理財局の方でやっている問題でございまして、従いましてその課長が参るまでちょっとお待ち願いたいと思います。
  209. 受田新吉

    ○受田委員 お答えのできない立場の方では用をなさないわけです。できれば大蔵大臣に来てもらいたいです。きょうは何か御用があるのですか。重大な段階にきたから直ちに出席するようにどうぞ……。  私はこのことについて非常に心配しているのです。今谷口先生からここで幾つか事例をあげられましたが、消化能力という問題があるのです。加入者債券の引き受けに非常な能力の限界があるということが具体的に出ているわけなんですが、これはだれでも電話が取りつけられるという目標にいくまでは、大へんな道のりがあると思うのでございます。それはやはり、そこに早いおそいはあれ、この電話を利用する人が別に資金を必要とするということになると、これは非常に負担が大きいことになるので、必需品ではなくなるわけです。別に何かの手だてをしておかないと、必需品が買えないということになるわけですからね。  大蔵省から来られるまで、それでは郵政省でお答えが願えるところをお尋ねします。  大蔵省の国庫課長が今お見えになったようなので、それではもう一度繰り返します。  今この電信電話債券需給調整資金設置臨時措置法という法案が出ているわけなんです。この法案を拝見しますると、二十二億の需給調整資金を用意して価格の安定と需給調整をはかりたいというこのことは、電信電話債券市場安定性をもたらし、加入者にもある程度のプラスになるというその点は私は賛成なんです。ところが、根本的な問題として、加入者が引き受ける債券制度というものが世界のどこかにあるかということをお聞きしたところが、政府としてはほかの国にはないと言うんですね。そうなれば日本だけだということです。日本だけが、この文明の利器、すでに家庭の必需品になっている、もう手足になっている電話を取りつけるのに、債券を東京都において十五万円も買わなければならぬということは、これは非常な大きな負担である。この生活必需品に対して大きな負担をかけることを一応やめて、世界の文明国並みに、電話の利用者に必要に応じて電話を取りつけてあげるというところに進むべきじゃないか、こういうことなんです。ところが、今のところ財政上の理由で、加入者にお引き受け願わなければ、電話の取りつけが進行しない苦衷が電電公社にある。それなら電信電話債券というものを一般公募でやるべきじゃないか。七・二%の比率の高率な電信電話債券ということになるならば、別に特定の機関でなくても、一般国民が、低金利政策を進行する過程において、この高率の電信電話債券は喜んで引き受けるはずだ。すでにほかの国鉄その他においても、また民間会社においても社債発行というものをどんどんやっているというときに、この電信電話公募債券をうんとさしあたり増額して、加入者債券の十五万なら十五万を十万にでも引き下げて、だんだんそれを下げていく方向に持っていってはどうか。こういう、非常に極端な言い方じゃなくて、非常に漸進的な、きわめて実現の可能性のある方式を今お尋ねしているわけです。ところが、電電公社の御発言を聞いても、大臣の御発言を聞いても、大臣は、そのことについては原則として尊重すべき御意見である、傾聴に値すると御共鳴を願ったのです。ところが、大蔵省というお役所でいろいろと御都合があるやに漏れ承ったのでございますが、大蔵省何か御事情があるんでございますか。そこを一つ承りたいと思います。
  210. 稲村光一

    ○稲村説明員 私は国庫課長でございまして、大きな全体の方針につきまして申し述べる資格があるいはないかと思いますが、大体財政投融資全体の中で、市中から政府保証債等の格好でどのくらいの資金を得るか、あるいはまた外貨債等の格好で外国から資金を得る、あるいは資金運用部その他の財政、あるいは産投会計等の資金で得られるという原資がどのくらいあるかというようなことを全体として勘案いたしまして、財政投融資計画を毎年度策定いたしておるわけでございますが、その間におきまして、電電公社の投資資金等につきましては、来年度の問題といたしましては、外貨債の政府保証の格好で出すということで相当用意いたしております。それから市中公募分につきましては、御説の通りほとんど借りかえ分プラス若干かと記憶いたしておりますが、その程度のことでございまして、主としてその資金加入者に引き受けていただく債券という格好でなにしておるという制度になっておりますことは、御承知通りでございます。  それで、今おっしゃられましてことは、次第にそういう加入者の直接負担というものをやめて、そしてほかのあれ並みに考えろということでございますが、政府保証債等の格好で、直接加入者からでなく、資金を獲得するという方向に次第にいくべきではないかということであろうかと思います。それについては、先ほど申し上げました通り、ただいまのところは、全体といたしまして資金の配分等におきまして、財政投融資計画においてそれだけの余裕がないと申しますか、そういうことでこういう方法でやっておるわけでございます。諸外国の例は私必ずしもよく存じませんが、たとえば民営のところもございましょうし、それからフランスなどはたしか一種の特別会計みたいな格好でやっているかと思われますが、いろいろな制度がございまして、まあ日本の現在の制度が絶対的な理想的な制度だとはむろん考えておりませんが、当面のあれといたしましては、一応こういう方式でいくのが、ほかのあれを考えまして、一つのやむを得ないいき方ではないかというふうに考えております。私直接財政投融資関係の担当でございませんので、今の点につきまして責任を持ってお答えを申し上げるわけにはいきませんが、全体の感じといたしましてはそういうふうに考えております。
  211. 受田新吉

    ○受田委員 委員長、これは責任ある答弁ができないのでは審査を進めてもしょうがない。無責任な答弁になってくると、これは非常に重大なことだと思うのです。そこで、今御指摘になられた財政投融資の額ですが、電電公社へお回しになられている額は、電電公社がお出しになった資料で見ると、三十八年度が三百八十億、三十九年度の予定額が三百七十億、四十年度、四十一年度も三百七十億、四十二年度がちょっと上がっていますけれども、一向財政投融資の割当額は上がっていないですね。むしろ下がっておるのです。これは一体どうしたことなのですか。予算規模から見てちょっとこれは問題がある。
  212. 井田勝造

    井田説明員 ただいまおあげになりましたのは第三次五カ年計画の数字だと考えますが、これは計画策定にあたりまして、毎年度末広がりに加入者がふえていく格好になりますので、従いまして電電債券の額がふえて参りますし、最後のしわ寄せを財政投融資に寄せる、こういう格好でそういう数字が出て参ったということでございます。
  213. 受田新吉

    ○受田委員 電電公社はちょっといくじがないんじゃないですか。財政投融資の方は全然お世話にならぬで、電電公社だけが苦労するというこういうばかな御負担はされぬ方がいいですよ。やはり電電公社は、加入者本位で、国の財政投融資計画に協力を求めるという強い筋をお出しになられた方が、私は筋が通ると思うのです。これは電電公社は非常に遠慮されておるです。大蔵省、五年も先になったら、これは経済の成長率からいっても、七%の成長率で五年先になったら三五%になってくるんですからね。そういうことを計算に入れて、大蔵省というものが財政投融資等を大幅にこちらへ回すという予定をお立てになられて、そして加入者を擁護する方式を御採用になるという形であるべきではないかと思うのですが、これは大臣いかがお考えですか。ここには国務大臣はあなたお一人しかおられないので、一つ国策の責任者としてあなたから御答弁いただきたい。
  214. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 私は、先ほども申し上げましたように、やはり日本の金融の全体から見まして、やむを得ずこういう方法をとっている次第でございますので、暫定の措置としてこの法律をつくっておるというような考え方でございます。
  215. 受田新吉

    ○受田委員 ところが、発行予定額が漸減されておるのです。漸減ということは三十八年度よりはちょっと減っておるんですね。しかし財政規模はだんだんふえていくんですからね。
  216. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 発行予定額は三十八年度にはずっとふえまして、あとずっと横ばいでございまして、四十二年度にまたふえるというような計画になっておるわけでございます。
  217. 受田新吉

    ○受田委員 そこを私申し上げているのです。電電公社自身が非常に苦労しているときに、財政投融資などの御援助の方は停滞しておるという行き方ではなくて、これは漸次ふやして、そうして加入者本位に考えていくという財政計画をお立てになるべきじゃないかということを言っておるのです。大臣はこのことをどうお考えになるか。これでけっこうかどうかということです。
  218. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 われわれの方といたしましては、財投をなるべくふやしたいという考えでございますけれども、やはり金融の全体の面から考えまして、一応の計画はこういうふうになっておるものだと思います。そういうふうに考えております。
  219. 受田新吉

    ○受田委員 課長さん、財政投融資は何年間も足踏みしているわけですね。このことはあなたの方ではどうですか。何とかもっとしてあげたいという気持があるのでしょう。
  220. 稲村光一

    ○稲村説明員 この数字につきましては私つまびらかにいたしません。
  221. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 電電公社財政投融資計画は、電電公社だけについて考慮するというわけに参りませんで、やはり他の公社なり他の政府機関なりに対します財政投融資の全体の資金ワクとのかね合いを考えたものでございまして、これを今後どうするかということは、やはり全体の財政投融資資金ワクとのかね合い、また電電債券、これとの関係も考慮いたしていきたいというふうに考えております。
  222. 受田新吉

    ○受田委員 考えていくということになると、この電電公社の第三次五カ年計画の数字というものは、大蔵省としては現段階では全然タッチしていないわけですね。そうですか。
  223. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 こういうな計画によりまして電話の普及をはかっていくという必要性については、私どもも確かにその必要性を認めますけれども、しかし、財政投融資資金源というものを考慮しながら毎年きめていくべき問題でございまして、この計画を今そのまま認めて、将来にわたりましてこの計画に載っております財政投融資資金を必ず予算に計上し得るということは申せないというふうに考えております。
  224. 受田新吉

    ○受田委員 それはそうですよ。それは先の話を今きめるわけにいきません。しかし、こうした計画が立っていることを、お宅としてはお認めになるかどうかということです。これは認めなければ認めないでいいです。
  225. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 この計画があることは承っております。
  226. 受田新吉

    ○受田委員 承っておるということは、了承しておるということですか。どうですか。
  227. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 それは、ただいま御説明申し上げましたように、計画としては確かにこういう計画もあり得るというふうに考えますけれども、この計画を実施することの可否につきましては、やはり資金とのかね合いでございますから、将来はたしてこれだけの資金を確保することができるかどうかということは今後の問題でございまして、今直ちにお答えできないわけであります。
  228. 受田新吉

    ○受田委員 過去五カ年間の財政投融資額の上昇比率はどうなっておりますか。おおむねでけっこうです。
  229. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 ただいまちょっと手元にその数字を持っておりませんので、後ほど……。
  230. 受田新吉

    ○受田委員 財政投融資の規模は相当な比率で上昇していると私は認めております。従って、このように電電公社が五カ年計画でお立てになられた発行予定額を、全然——一番おしまいにちょっと頭を上げているだけです。同じところにずっと置いておるという行き方というものは、これは財政投融資の規模の拡大を全然予定しないで、現状維持という形でやっておるわけですね。そうでしょう、ごらんいただいたところでは。その拡大する規模の中から、公社に対してはこの程度というある程度の期待的な数字をこれへあげて、そして加入者を擁護するという形をとるのが私は筋だと思うのです。こういう予定を立てることは勝手である、おれの方はタッチしないのだ、大体原則はそういうお考えでしょう。
  231. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 公社がこういうように長期計画を立てまして、事業経営をやっていくということは当然であろうと思います。ただ、私の申しますのは、この計画に盛られました資金が、はたして今後この計画通りにまかなえるかどうかというところに、疑問があるというふうに思っているわけであります。
  232. 受田新吉

    ○受田委員 この計画通りにまかなえるかどうかに疑問があるほど、大蔵省というものは電電公社をあまり重んじないということになると、問題がある思うのであります。財政投融資の額が漸増しておる。しかも相当な比率で漸増している。にもかかわらず、電電公社の比率と全く同じで、むしろ三十八年度よりも下げた謙虚な気持で入れているこの数字さえも疑問があるということになったら、これは大へんな事態が起こりますね。これは私はゆゆしい事態が起こると思う。この遠慮した数字さえものめるかのめないかわからぬということになると、国務大臣として郵政大臣はこれは非常に憂慮すべき事態が起こると思うのですよ、この謙虚な数字さえも疑問があるというのですから。大臣、いかがですか。
  233. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 これに電電公社の方で樹立した計画でございまして、われわれの方といたしましては、これを全面的に推進していきたい、そういうふうに考えております。
  234. 受田新吉

    ○受田委員 全面的に推進をするのには数字が謙虚だというのです。つまりどちらにウエートを置いているか。財政投融資には期待をしないで、加入者の引き受け債券の方に期待するのだ、こういう方式を全面的に支持するということになりますよ。郵政大臣、これは考え方を少し直されて、加入者本位の財政計画をお立てになるように御指導に相なるべきだと私思うのです。これはもうそれ以上は申しません。これ以上申すことは失礼になります。  もう一つ、この需給調整資金としての二十二億を大蔵省がおきめになられたということでございますが、郵政省は五十億要求された。それを大蔵省が二十二億に切られた。二十二億の算定基礎を明らかにしていただきたいと思います。
  235. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 これは、最近の債券相場の傾向とか、今後の見通しとか、それから第一次取得者が債券をどういう割合で売っていくかという、この売却率の傾向とか、それからその需給調整資金とか、どういうふうに回転をしていくか、そういうような点を勘案いたしますと、二十二億が適当であるというふうに考えまして、二十二億と算定したわけであります。
  236. 受田新吉

    ○受田委員 それはちょっと問題があるわけです。この二十二億という半端な数字というものを、もう一ぺん計数の基礎から説明していただきたい。この予算案が内示されたころは、債券市場はやや安定の方向にあったけれども、今日の段階ほど安定しておるわけじゃない。むしろ債券市場価格が上昇したのは、こういう需給調整資金等が相当額期待されるという、下がったら政府自身、公社自身が手を打ってくれるのだという期待感が価格の安定を示してくれたと私は思うのです。だから、最近の債券市場の上昇などがその当時計算の基礎に入れられたとしたら、これはまたよほど安易な計算ということになります。いいかげんな数字じゃないですか。つまみ金を割り当てようということになったんじゃないですか。そういうことじゃないですか。
  237. 熊田淳一郎

    ○熊田説明員 これは大体十一月ごろから債券相場はずっと上昇の傾向をたどっておりまして、予算編成当時そういう傾向がなかったということはないはずでございます。この二十二億の計算の根拠は、こまかい計算の根拠を説明いたそうと思えばございますけれども……。
  238. 受田新吉

    ○受田委員 それでは、この二十二億をおきめになったという数字はこの次の機会に御説明をいただくことにしまして、大臣、参議院の方へ御出席を要求されておられるようでございますから……。大臣は、この二十二億を、大蔵大臣と協議してきめるというこの法律趣旨からいって、もう法律がなくても協議しておきめになられた。つまり最後の郵政省の関係、電電公社の予算等は大蔵大臣と協議されたわけですか。納得されたのですか。二十二億という三十八年度の予算に出ているこの数字は……。
  239. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 この二十二億といいますのは、三十八年度の資金、いわゆる予算でございまして、大蔵省と電電公社とわれわれの方で協議してやるというのは、運用の基本原則といいますか、それを協議するということでございます。
  240. 受田新吉

    ○受田委員 この法律ができた場合に、基本原則だけで、金額の方はきめないわけですね。協議しないのですか。法律にはそううたってありますが、これから先の問題としてこれはどうですか。
  241. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 二十二億きめましたのは、これはもちろん私はおりませんけれども郵政省と大蔵省と折衝してきめた予算でございます。
  242. 受田新吉

    ○受田委員 これから数字の方は協議の対象にならないのでありますか。この法案の第四条の第一項の資金運用です。
  243. 岩元巖

    岩元政府委員 この数字につきましては、予算できまりますれば、あとは大蔵省の方と協議する必要はないわけでございます。
  244. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、全額の協議事項はこの法律の対象にはならない、事前に協議する必要はないわけですね。
  245. 岩元巖

    岩元政府委員 予算のときに協議いたしますので、そのあとにおいては協議の必要はないわけでございます。
  246. 受田新吉

    ○受田委員 その予算のときに協議して、そこで大臣の決意も示されることになるので、あとは必要がない。そうすると、毎年予算のときにこの金額を協議するわけですね。そうですね。毎年やるわけですか。
  247. 岩元巖

    岩元政府委員 さようでございます。
  248. 受田新吉

    ○受田委員 ことし二十二億、来年はまた予算の協議のときに御相談されるということですが、そこでこの二十二億をもとにして今から需給調整に乗り出す、こういう際に、普通は市価が非常に低落したときに乗り出すわけですね。そうして売り渡すとするならば、市価が高騰したときに売り渡すことになる。これは常識でそうなりませんか。
  249. 井田勝造

    井田説明員 この調整資金は、利殖をはかるといいますか、そういうことは考えておりません。第一次取得者の保護ということを考えておりますので、安く買って高く売るという普通の証券の動きとは別な動きをやるわけでございまして、買い取った値段よりも安く売るということもあり得るわけでございます。
  250. 受田新吉

    ○受田委員 それはどういう場合でしょうか。買った値段より安く売ることになると、買ったよりもさらに安いところで売るということになりますと、ますます市価は低落することになるんですがね。
  251. 井田勝造

    井田説明員 これはたとえば市価がだんだんと下落していきますとか、あるいは二十二億の資金で不十分だといったような場合には、急いでこれを金にかえまして、さらに買うということもやらなければいけないわけでございますが、そういう場合には今のようなことも起こり得る、こういうふうに考えております。
  252. 受田新吉

    ○受田委員 売ってまた買うといったって、売って買うのはまたおかしな話ですね。
  253. 奥田孝一

    ○奥田説明員 先生のお話でございますが、売る場合にもいろいろな場合がございまして、値が下がっておりますときには、売る先を十分考えまして、それが直ちに市場に出ないようなところ、よとえば官庁系統の共済組合でありますとか、そういうところへお願いいたしまして買っていただくとか——しかし買っていただく場合には時価でなければならぬはずでございますから、勢い安い場合もあり得るわけでございます。できる限りの努力をして効率的な資金の使用をはかろう、こういう趣旨を申し上げておるわけであります。
  254. 受田新吉

    ○受田委員 ちょっと私疑問があるのですが、市価で買って共済組合等へ売る。そうしてその売った金でまた一般市場から買い込む。一般市場はそのときは安く手に入るわけですから、市価で買ってもらうよりもっと安いところで買えるわけです。そうすると、やはりやや高くして既定相場で買って、売って、安く手に入ることになると、その間にやはり売買で差額が出る。これは原則としては常に売り買いをすることによって、安く買って、そうして高いところで売れるという形になりはしませんか。そうすると、今売って損をする場合もある、得する場合もある、損をしたときには余裕金からお世話になるし、雑損でお世話になる、それからもうかったらまたそれを適当に処理するるのだというお話でございましたが、この二十二億の需給調整資金によって、今のような機関投資家などは、売った場合でも、もっと安く買い直せば差額の利益があるので、原則としてはこれは常に利益があるという形になりますね。そうなりはしませんか。
  255. 奥田孝一

    ○奥田説明員 先生のそういう場合もあり得ますけれども、今議論が出ておりますところは、先ほどからいろいろ基準のときに説明がありましたように、一定価格に下落したときに、原則としまして第一次取得者を救済するために買い上げるわけでございますから、共済組合というのは一つの例を申し上げたわけで、機関投資家等で売らないようなところへ、相場に影響しないようなところに売りまして、その金で第一次取得者の債券を買い上げていきたい、こういう考え方に立っておるわけであります。
  256. 受田新吉

    ○受田委員 これは結果的に見ても大体利益が上がる、こういうことになりませんか。それはなるということでいいのです。それが利益がないようなことでは、これはまた市場安定の操作に役立たぬわけですから、原則として利益になるのじゃないですか。それがはっきりしていれば、それがむしろあたりまえであって、別に追及する意味でなしに、そうあるべきだと思うからお尋ねしておるのですが、そうあるべきだというので、何かその次に伏線があるという意味じゃないのです。
  257. 秋草篤二

    ○秋草説明員 受田先生のおっしゃるように、安く買いまして高く売る、これは非常にタイミングを要すると思います。たとえば値段が下がる傾向にあります。そういうときに買いに出まして、安く買って、時期を待って上がってきたから、加入者もみんな安心だというときに静かに売る。従って、先生のおっしゃるようなオペレーションをやって、お金が年間におきまして黒になった、しかもそれがこの法律の目的に合うということが一番理想だと私は思います。しかしながら、この法律趣旨は決してそういうことだけを望んでいるものではない。ときには年間を通じて一億や五千万の赤字が出ても、あえてこの法律の目的に沿えばこれはやってもいいのだ、やるべきである、そういう覚悟で考えております。
  258. 受田新吉

    ○受田委員 とにかく電電公社が証券業者をやるわけじゃないのだから、心得違いがあってはいけないわけなんです。だから、そういう実際の問題に触れたときに、緩急よろしきを得るという立場でおやりになるべきで、利益を予想してというわけじゃない。結果的にはそうなる。結果的にはそうなるということと、それからもう一つ、これからだんだんと低金利政策が進行して、七・二%というこの現在の利回りは、この利率はもう一般金利から見てばかに高いといったときには、また発行条件がだんだん悪くなるはずですしね。だから、大体売りさばくということになる場合には、額面に復元してから後くらいに現実の問題としてはなるし、もしそれを売り渡さなくても済めば、それをずっと保有しておってもいいわけですね。必ずしも売り渡さなければならぬということはないのでしょう。そして毎年それが蓄積されて、償還期までずっとそれを持ち越す場合もあるんですね。どうですか。
  259. 秋草篤二

    ○秋草説明員 本年二十二億、あるいは来年度どういう予算になりますか、金に限度がございます。この操作を法律に基づいてやります意味において、ただ買うだけであるならばその期間ずっと持っておって、ついにいい機会がなかった、それで年度末になったというときには、たとえばことしの二十二億を例にとれば、二十二億の債券だけを持っていて、新たなる行動は起こせないことになります。それだけで年間用もなければよろしいのでございますが、その期間に何かやはりまた買って出なければならぬという必要性が起きる場合は、先ほど申したように、第三者というものを重点に置きまして、多少犠牲を払っても、大口の協同組合とか共済組合とかいうものに頼んで、多少勉強して安い値段でおろして、そしてその金で零細なる方々の援助に充てよう、こういう覚悟でおります。
  260. 受田新吉

    ○受田委員 大臣、御退場いただく前に……。今電信電話債券市場というのがあるわけですね。この市場において非上場債券があるわけです。つまりAは一回と六回が出ておる。Bは三回と十五回と、それから二十七回とか、飛んでいる。そういう中間の分は一般に市価が安定していないわけです。大体今ごろは近づいておるけれども、非上場の分は非常に苦労している。こういうものは上場に全部一斉にするということにならないのか、こういう上場にするのにはどこの許可を必要とするのか、お答えを願います。
  261. 井田勝造

    井田説明員 お説の通り、最近非上場ものと上場ものとの格差というものが漸次解消されて参りました。しかし、何と申しましても、この銘柄数を減らしまして、全部が上場されるということが一番望ましいわけでございますので、今度発行条件を改定いたしまして、銘柄が漸次減少いたすという措置をとったわけでございます。
  262. 受田新吉

    ○受田委員 上場を認めるのはどの機関がやるわけですか。
  263. 井田勝造

    井田説明員 取引所でございます。
  264. 受田新吉

    ○受田委員 その取引所に対して、取引所のやることを放任しているわけじゃないと思うんですが、取引所に対して全債券を上場させるような措置を要求することはできないのですか。
  265. 奥田孝一

    ○奥田説明員 その点につきましては、当初から、正式上場になりましたときから、全銘柄を上場していただきたいということは、再三お願いをいたしておるわけでありますが、何分非常に銘柄が多いものでございますから、やはり基準になる銘柄を、大体六月に発行のものを出しておるわけでございまして、くろうと筋でございますと、利回り表なりあるいは相場表を見ますれば、六月を基準にいたしまして全銘柄の相場が出てくるわけなんでございますが、しかし、それは一般には非常にむずかしいことでございますので、取引所の方へ全銘柄の上場をお願いいたしますと同時に、もしできないならば、やむを得ませんから、取引所の関係の相場を毎日発表いたしますところの証券日報というものがございますが、それに週一回ずつ全銘柄の相場を掲げまして、全国の証券業者等に明らかにしておるわけでございます。
  266. 受田新吉

    ○受田委員 それは、電電公社やり方一つでそういうふうになったのですか。これは一週間に一ぺんだけということでございますが、しかしそれでもばく然としているところがございますからね。何回から何回まではどうだというふうになっておるあれでしょうね。ばく然としておるんですね。安定しておりません。
  267. 奥田孝一

    ○奥田説明員 全銘柄を上場していただきたいということをお願いいたしましたわけでございますが、理事会等においていろいろ御意見があったようで、それではせめて週一回、できれば毎日が理想的なんでございますけれども、週一回でも全銘柄の相場がどんなものであるかということを権威ある取引所の証券日報の方に価格を明示していただきたい、こういうことをお願いいたしました結果、相当理解をもって御協力いただいた結果だろうと私ども考えておるわけでございます。
  268. 受田新吉

    ○受田委員 これは、証券取引所の監督はどちらがやっておりますか、電信電話債券市場……。
  269. 奥田孝一

    ○奥田説明員 証券業の監督全般、取引所も含めて、これは大蔵省の方の御所管になっております。
  270. 受田新吉

    ○受田委員 そこで、大蔵省としても、せっかく電電公社発行しているこの債券市場安定、せっかくこういう需給調整資金まで用意されておるときに、銘柄によってはもう一年に一つしか出てないところが出てきておるわけですね。こういうものに対して、全銘柄を上場させるような指導監督をされる必要はないのですか。これはやはり国の資金に関係する問題でございますから、大蔵省として適切な措置をとるべきじゃないかと思います。
  271. 稲村光一

    ○稲村説明員 理財局の方といたしまして、今の御質問でございますが、電電公社の方から先ほど答弁がございました通り、今後につきましてては大体銘柄整理をいたしまして、将来取引に出るものはいずれも年間四銘柄に限られますので、これは全部上場されることとなるかと思います。問題は、過去に、昨年までやりました毎月々々の銘柄について、それを全部上場させるべきじゃないかというあれかと存じますが、これはおそらく理財局の方といたしましても、一昨年の秋でございましたか、二部の市場の発足のときに電電債券が落ちてしまいまして、ちょっと問題になったことがございます。そのときさっそく二部に正式上場するようにあれをいたしましたが、結局そのこまかい全銘柄についてやるということは、技術的な問題で取引所の方として非常に困難であるということで、今のような状況になっておるのではないかと思っております。
  272. 受田新吉

    ○受田委員 技術的には簡単ですよ。全銘柄を上場したって、決してむずかしいことはないのです、数は知れておるのですから。それは取引所の言い分です。それは大蔵省が指導されればきちっとやりますから、すぐ指導して下さい。よろしゅうございますね。  さっき谷口氏が指摘されたような、悪徳の電話業者——ばかに安い値段で債券などを買って、そうして電話を取りつけてやる、そういう悪徳電話業者というものを取り締まるための適当な法的措置を講じたいという御発言があったと承っておりますが、これはどういう御趣旨でやられたのか、御答弁願います。
  273. 小沢久太郎

    小沢国務大臣 登録制度にいたしまして——これまで電話のいろいろ取引する方は別に登録をされておりませんので、そういう方を登録にいたしまして、加入者に迷惑をかけないような法律をつくろうか、そういうふうな考えで今研究さしている次第でございます。
  274. 受田新吉

    ○受田委員 その悪徳業者の実態を十分把握しておられると思います。今谷口氏が指摘されたような問題、ばかに安い値段で債券を買って、しかもその債券を買うことを自分にまかしてくれというので、手数料をばかにとって電話を取りつける、電話業者が債券を購入するところまでをみんな自分でやるわけですね。そういうようなことでいくと、電話加入者はその場で大損をしなければいかぬわけです。こういうところを適当な手数料をきめるとか何かして、はっきりしたものにさせる。それから、やみ電話というのが、地域によって電話の取りつけのむずかしいところは、今でも相当な値段がしているようですが、このやみ電話というものを一体政府は認めておるのかどうか。
  275. 岩元巖

    岩元政府委員 質問趣旨がちょっと……。
  276. 受田新吉

    ○受田委員 私が申し上げているのは、やみ電話価格というものが電話売買業者の間で設定されているわけですね。たとえば電話を取りつけることが非常に困難な地域では、まだ二十万も三十万もするところがある。それから、どんどん軽く電話をつけられるところはもう安い。そういうものはやみ電話売買価格と言うべきじゃないかと思うのですよ。そういうものは知っておられるのか、全然御存じないのか、まずお答え願います。
  277. 岩元巖

    岩元政府委員 電話は現在譲渡を認めておりますので、そういったことから、現実には電話の取引というのがなされているようでございます。私聞いておりますところでは、毎週一回どこかで取引市場が開かれて、そこで取引をされているように聞いております。それが毎週土曜日でございますか、たしか新聞に出ておるようでございます。それによって、私は、どこどこ地域の価格がどれくらいということは、ときどき見ております。
  278. 受田新吉

    ○受田委員 それはけっこうな制度だと思いますか。適当でないとお考えでございましょうか。ときどきごらんになっていかがでしょうか。
  279. 岩元巖

    岩元政府委員 決してこういったことはけっこうなこととは考えておりません。こういった事態が一日も早く解消できるように努力もしているわけでございますが、またそういった事態が早くなるようにということを要望しておるわけであります。
  280. 受田新吉

    ○受田委員 これはやはり問題があるのです。やむを得ず高い値段でやみ電話——やみ電話というのは、やみ価格電話を買い付けているのですね。これは債券を引き受ける騒ぎじゃないのです。そういうときには、売買業者はばかに高く売って、ばかに安く買うという操作もやるわけです。いよいよもって悪徳業者はその間の利益を獲得するわけですね。こういうところからも、大臣の談話は非常にいい談話です。研究させる段階は過ぎている。あなたの省でももうちゃんとお心得になって、毎週一回ごらんになっておられるようでございますから、これは早く解消するように御努力願いたい。公社の方はこの実態を把握しておると思うのですけれども、これは施すすべなし、お手あげでございますか、あるいは何かの手があるとお考えでございましょうか。
  281. 秋草篤二

    ○秋草説明員 その事実はよく存じております。こうした電話に相場が立つという現状は、先生と同じく、まことに遺憾であり、何とか外国のように電話に相場などないような事態を早く迎えたいものである。私どもも懸命に今電話をつけますけれども、一半の責任はあると思いますが、すでに加入権も昔の大審院によって認められて、財産権としてのりっぱなものになっております現状におきましては、逼迫している電話につきましてはまずやむを得ないかと思っております。
  282. 受田新吉

    ○受田委員 私きょう十ばかり質問を取りまとめて、その中で二つほど終わったわけなんですが、政府電電公社へ資料要求をしておくことがあります。それは、各電気通信局別に、過去一年間ぐらい、あるいはもっと短期でもけっこうですが、電信電話債券加入者引受数がどのくらいずつ割当てられておるのかということ、これをお出しいただけば、その地域の特性をわれわれははっきりつかむことができます。  それから、もう一つは、加入者引き受け債券の額がそれぞれの地域で相違しておるわけですね。その相違している理由がどこにあるか、地域の特色を織り込んだ立場で御説明をいただく、地域別の資料をお願い申し上げたいと思います。  それから、第一次取得者の加入者が引き受けた債券が直ちに処理された数字は、今局長さんの方から御説明がございましたが、実際はもっと掘り下げた回答をアンケートで求められる必要があるのじゃないかと思います。  それから、各証券会社電信電話債券についてどのくらい手数料を取っているか、手数料もお調べいただきたい。これは市価安定に非常に大事なことでございます。悪徳業者が取っている手数料、つまり、これは加入者を調べて、あなたは幾らで売られたかという数字が出ておると思いますから、最高どのくらいしたか。驚くべきことは、谷口氏の発言の中に、今ごろもう半分近い金でさばいたような話が出ましたが、これはどう見てもおかしい話なんです。この実態は、国会議員が言われたことですから間違いないと思うのですが、半値に近い値段で売りさばいている。今ごろは八割見当にはみな売れておるはずです。こういうことで、悪徳業者によってたたき買いされた犠牲者の例、これもアンケートの中に出てきておると思うのです。そういうものを私はこの際はっきりつかんで、電話加入者を擁護する、市価安定に貢献するという立場をとりたいと思います。それで、今のアンケートに、即時に売った分とある期間たってから売ったのと二通りあると思うのですが、そういうようなものも一つアンケートの資料がお出し願えれば——事情のある分はけっこうであります。お差しつかえない分だけをお出しいただきたい。  それから、利付債と割引債の比率の問題でございますが、これがだんだん接近をしておるようですが、これは次の機会に、資料でなくてけっこうです。御説明をいただくことにします。  これで一応質問を終わりますが、大蔵省の二十二億の算定基礎をちょっとお伺いさせていただきたいと思いますから、これもこの次のときにお答え願いたいと思います。  どうも予想外に時間がかかって申しわけなかったので、おわびしておきます。
  283. 本名武

    本名委員長 次会は来たる十九日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十九分散会