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二宮委員 十分に
実態を御承知だということでございますし、消防庁からもらった資料でございますから、おわかりでございましょうけれ
ども、全国で六十一才以上の消防団員というのは三千五百六十名という数に達しておる、この人
たちをほんとうに働かせるということ自体は無理な話だと思うのです。これは国の社会保障の面からいっても、老齢年金その他の面から
考えても、六十一才以上の者を自治体消防団の中に入れて、一緒に消防事業に加えてやっていくということ自体は、非常な無理な話だと思うのです。同時にまた、生活が困難なために男子の方がよそに働きに出ていかれる。そうしますと、自然婦人だけでもって消防組織をつくり上げなければならぬというところもあるわけです。これも資料によりますと、全国で実際婦人だけで消防団を組織して消火に当たっているものは七十一
市町村あるという
実態でございます。これらの
状況を見て私が非常に憤りを感ずることは、
昭和三十六年の
地方交付税の中で、
市町村に対して消防費として出した一人
当たりの二百五十二円三十銭という消防費が、実際の決算を見ますと、一番悪いところではわずかに百七十九円しか使われておらない。これはもちろんひもつき
財源でございませんから、私
どもはこれを急に責めるというわけにも参りませんけれ
ども、少なくとも必要を
感じて積算基礎をつくって単位費用というものを
考えて、それを消防費として
市町村人口
当たりこのような配分をしておる。しかもそれを一ぺん
市町村がその
財政の中に入れて、そうして支出したところの決算が幾らかというと、一番悪いところは百七十何円という、ネコババをきめ込んでおるというような
実態、こういうような
実態で、これに機械化をやらせてみたり、あるいは消防の近代化をやらせてみたり、そういうことを
考えても、
市町村の行政者自体が真剣にならなければ、
市町村におけるところの消防の
実態は私は向上できないと思います。そこで、この
消防法にかんがみまして、あなたの方から三十六年の八月ですか、一応の基準を示して、大体その基準に近ずくようにということで
指導監督をしている、あるいはこれを推進しなければならぬという法律もできておる。そうして報告書をとって調査するという権限もある。それに違反した場合には罰則もある。そういうことでありながら、これは特に、私、残念なことには、四国、九州というのは特に悪いのですけれ
ども、四国、九州では、百円台、二百円台しか出ていないというような県が非常に多いということは、このような
財政状況そのものを見放しにしておいたのでは、消防力の強化は実際あり得ないと思うのです。こういう
実態を把握したら、さっそくあなた方の方で、十分機動力を発揮されて、調査力を発揮されて調査した上で
——年齢は、今申し上げましたような高年齢になっておる、しかも国から出すところの費用は、このように小さく刻まれてほかの方面に使い込まれておる、こういう
実態で、消防の実績を上げようとしても私はとても困難だと思う。あるいは大都会における不法建築につきましても事前に行って、この建物は火事が起こったらあぶない、人が死にますよということを十分に予告するだけの出動の力は、こういう
予算の
実態では出てこないだろうと思います。こういう
状況を十分把握をされまして、これは消防組織の問題、消防
財政の問題ですから、十分に検討されなければ、いかに百四十九人の消防庁の皆さん方が一生懸命になられても、こういう
実態の上に統計が出ましたら、その統計の上に立っての
指導をやらなければ、消防力は向上するものでない、このように
考える。従って、検定機関をいかにつくろうとも、実際現地において動かすところの
財政、人、力というものがない。こういう消防の
実態ではだめだと思う。こういう点を十分把握をされて、消防庁においてはしかるべく御
指導をいただきたい、このように
考えておるのです。
そこで、単位費用の問題ですが、
昭和三十八年にはどのような実績に基づいて、どのような単位費用を要求して、どのような
財政当局の削減を受けて、現在の単位費用は
市町村一人
当たり本年度は一体何ぼになっておるか、その
状況をお知らせ願いたい。この
実態をとらえた上での皆さん方の御
指導がなければならぬと思うが、その辺
一つ。