○
宇野委員 その点を私は、もう少しく
税務局長もはっきりしたお
考えを持っていただきたいと思います。先ほ
どもちょっと出ましたけれ
ども、
昭和二十九年、三十年あたりには、
町村合併に引き続いて、時の
自治庁長官は、
府県合同あるいは道州制にしなければならないということを強く叫ばれました。それが、いろいろな
事情から流れてしまいましたけれ
ども、今日それを叫ばなくても、
現実に
行政境界等を
統一しなくても、今日はすでに
広域経済性というものを各
地方が持ちつつある
時代であります。また、それを持たしていかなくてはならない
時代です。そこに
所得格差の
是正だとか、
地域格差の
是正だとかいうようなことを、私
たちは
政策として推進しておるわけです。ところが、今のような
お話を承っておりますと、私は
一つ自治省に小言を言っておきたいと思うのですが、どうも
自治省は、各省から何かいじめられて防御の
立場に立って、少しも攻撃をするという
立場にない。昨日も建設大臣が、河川法の
改正の問題について一言言われると、
自治省の方は守る
立場に立っておる。あるいは新
産業都市それ
自体につきましても、あの法律の中を調べてみますると、はたして
自治省が、そうした
都市に対して完全なる主導性を握って、今後それらの
町村をどういうふうに導いていくかということが、少しも書かれていない。合併した方がよろしいとか、合併した方が妥当でしょうというふうな程度で、合併をした方が断固としていいんだとか、絶対的な自信がどこにも出ていない。あるいはトロント
方式をとるとか、協議体
方式をとるとか、そうした方が、広域経済
都市ではますます
住民の
負担が
軽減して、
合理化されて、そうしてその福祉は向上いたしますよというふうな、前向きの姿勢がどこにも出ておらない。だから私はこうした面においても、もちろんこれは直接
税務局長の
関係ではございますまいけれ
ども、これからは、そうした
広域経済性を持たすことにおいて
住民の意欲を高めて、そこに経済が
一つであるのならば、やはり
行政区画も
一つになった方が便利じゃないかというふうな形になっていった方が、日本はいいと思うのです。その方が、ほんとうの
地方自治の姿を整えるんだと思うのです。すでにそのような態勢が、全国においても芽ばえております。北九州においては、大きな
都市が誕生いたしました。あるいはその他百万
都市をつくろうというふうなこともいわれております。また来
年度になりますと、新
産業都市が誕生いたしますでしょう。そうした場合を
考えてみますと、その
行政と
財政を、車の車輪のごとくにそれを運ばしめんが上においては、税の問題におきましても、もう少しはっきりした
見解をお持ちになって、
税制調査会がこういうたからどうのこうのというのじゃなくて、
自治省自体がもっと前向きの
税制改革を
考えなければならぬ
事態がきておるのじゃないかと私は
考える。現に新
産業都市一つをとりましても、私の県は八十六万しか県民がおりませんが、今予定しております新
産業都市の地域には、
住民が四十万おります。しからば、
一つの
都市が人口四十万で、あとの四十六万が五、六十カ
町村に分れておる。それが同格の
市町村でございます。というような
地方自治というものは、今後円満に運営されるかどうか。あるいはその間におきまして、当然
税金等において、あの
町村は
本文方式だろうか、
ただし書き方式だろうかというような問題も出て参ります。あるいは
固定資産税の問題に関しましても、そういうような問題が出て参ります。そうしたことを
考えた場合に、やはり五年先、十年先のことを
考えて、今からこうするのだというくらいの、前向きの姿勢を私はとっていただきたいと思うのであります。従いまして、
住民税のことに関しましては、なるほど
住民税は、
税制の建前上最も
弾力性を持たしておかなくちゃならない問題であるから、そう厳しい
制限をつけるとか、つけぬとかいうようなことも慎重に
考えております。というふうな御答弁は、一応御答弁としてはそれ以上言えないかもしれませんけれ
ども、もう少しはっきりしたお
考えを、私は
税制の上においても持っていただきたい、かように
考えておる次第であります。
そこで、
事業税のことに関してちょっとお尋ねいたしておきたいと思いますが、これも府県税の中で、最もウエートの高い
税金であります。ところが従来から、
事業税というのはまことに不
合理だ、中小企業をいじめるものだと、いろいろ論議もございましょうけれ
ども、しかしその論議が、どちらが正しいかどうか、これは一概に片づけるわけには参りません。しかし、今後とも
事業税に関しまして、その
軽減と
合理化をはかっていかなくちゃならないことは論を持ちません。しかし、この
合理化という点から今日の
事態をながめてみますと、現に農村の工業化等々によりまして、大会社あるいは大工場等が、相当
いなかに進出して参りました。ところがそれが法人であるがために、いわゆる決算において赤字を出しますと、
事業税というものは一文も払わなくても済んでおるというふうなあんばいであります。従業員を相当抱え、また相当派手な
事業活動をやっており、はた目から見ましても、あのような会社が
税金を払わなくておかしいじゃないかというような会社が、
税金を納めておらないところがたくさんございます。にもかかわらず、小さな商店街におきましては、おばあさん一人があめを売っておりましても、
事業税はかかっております。こういうことを
考えてみますと、やはりここに
合理化という問題を真剣に論ぜざるを得ません。従いまして、こうした
事態がなぜ起こるかということを
考えてみますと、言うならば、今日の
事業税というものが、所得税というものに乗っかって生まれてきているというところに、最も重大な原因があるのじゃないかと私は
考える次第であります。従いまして、こういう
方式は当然、今後農村の工業化、あるいはまた
地域格差の
是正、今日のあらゆるそうした法律の上からながめてみましても、非常に問題になるところではないか、私はこう
考えますが、今日のままのあの
税金の徴収、計算でいいのかどうか。むしろそれは、売上高に応じてかけてみようということを
検討されたのかどうか。もちろん売上高と申しましても、その中のマージンの密度によって多分に変わって参りましょうが、あるいは付加価値的なかけ方はどうだろう、言うならば、外形標準というものを標準として
一つ事業税を改めよう、そういうふうなお気持はないのか、今日のあの姿が一番
合理的なんだと思われるのか、その点を
一つお伺いいたしておきたいと思います。