○
田中国務大臣 各省も具体的な問題に対してやっております。流通機構の改善対策、それから農産物、特に生鮮
食料品等に対しては、
価格安定対策を進めながら、
生産意欲の向上につとめ、需給のバランスをとろうという
考え方、また冷蔵庫施設等をやりまして、長期的に
食料品を貯蔵できるようにしたり、また新生活運動によりまして、いわゆるかん詰めというものに対してもいろいろな
考えをめぐらしましたり、東京や大阪に過度に、特に労働人口以外の者が流れ込んでおるというような問題に対しては、これをできるだけ分散せしめるように、あらゆる
角度から
施策を
考えておるわけでございます。それから
大蔵省としましては、いままで戦前、戦中、戦後を通じて流通機構というような問題、それからもう
一つは、生鮮
食料品というような問題に対しては、特に
価格安定というような問題が中心でありまして——中心というか前提でありまして、いい品物をより安く多量に
生産をするということの配慮に幾らか欠けておったのじゃないかというふうにも
考えられるわけであります。麦というものが長雨でもってたいへんになると、もうあらゆる
角度から
施策を行なえ、こういうときにはたいへん一生懸命になりますが、麦というものをよけいつくる、いわゆる外国の麦は安いので、食糧管理法によりましてはかえって外国から麦がたくさん入ってきたほうが食管会計の赤字は少なくなるけれ
ども、そういうことよりも一歩進めまして、外国の麦よりも安くていい麦が日本でできないのかというようなことには、多少配慮が欠けておったのではないかというような気もいたします。
もう
一つは流通機構の問題にいたしましても、東京都そのものがうんとやらなければならない問題であるにもかかわらず、東京都が手数料をとって、それを一般財源に繰り入れている、そのしりを
政府が見なければならぬというようなことは、これはとてもおかしい。私はそういうことを経済閣僚
会議でもはっきり言っておるのであります。少なくとも東京都というものは首都ですから、これはきょうの本
会議でもございましたように、地方自治の自治権を侵害することでも何でもありません。
政府も一生懸命やっているのですから、特に東京都も全く一体となって、私は主体的には東京都がやるべきものだと思っているわけであります。そういう
意味でいままでは特殊な市場に特定な
利益を確実に得せしめるというようなことにのみウエートを置いておりましたが、そうではなくて、やはり少なくとも生鮮
食料品の卸売り市場、せり市場などというものに対しては、相当多量の手数料をとってこれを一般財源に繰り入れるというようなものではなく、私は一般会計から補助をしたり、繰り入れたりするようにして、流通機構というものをより拡大しなければいかぬ、こういうふうに
考えているわけであります。
もう
一つは、既存の権限、これはいろいろなものでありますが、戦前、戦中から長い間の既存の権限であるということで、この権利が漁業権においてもあらゆる権利においても権利化しておりますが、この権利というものは商習慣として全然無視するわけにはいかないが、これがべらぼうもなく高いものについておるのだから、当然その
利益は表高よりも実際に権利を売った場合の何割になるように、手数料や収益というものは算定せらるべきだというような
考え方は間違いであります。私は遺憾ながらそう思います。だから国民大衆を中心にして
考えるときにどうあるべきか、小売りも一割であったものが三割五分、この間の北海道の例などでいいますと、六割、七割二倍にもなるだそうであります。こういうことをそのまま認めていって、それで一体
物価の
抑制ができるのかどうか。私は制度上も問題があるものは、大いにメスを入れてやるべきだ、こういうことを特に主張しておるのであります。でありますから、
物価対策でも
大蔵省が金さえ出せば
物価は下がるのだ、こういう
考え方だけを前提にしておることは間違いである、こういうことで経済閣僚
会議でも大いに私も発言をいたしておるわけでございますが、口でだけ言ってもしょうがないので、まず
砂糖に対しては原資を確保して減税をやろう、こういうふうに具体的に踏み切っておるのであります。現在
政府としてはほんとうに
各省をあげて
物価対策には取り組まなければいかぬという姿勢でございます。