○
田中国務大臣 その道の
専門家である
芳賀さんほどは勉強をしておりませんが、いずれにしても相当勉強いたしました。勉強いたしました結果このような改正案を出したわけでございます。これは
芳賀さんはいまそういうふうに御発言になっておられますが、実情はよく
御存じだと思いますので、釈迦に説法式な発言はしないように、こういうふうに
考えておったわけでありますが、これは私たちも初めは御
承知のとおり
関税十円
引き下げということで検討いたしたわけであります。ところが
国内産糖、いまあなたがお述べになりましたように、現在ある
国内産糖、いわゆる
てん菜糖だけのこういう自給度の非常に低い
状態ではだめなんだ、これは新しい
意味でもって、何年かで何割は
国産糖でもってまかなわなければいかぬのだ、こういうことを
考えますと、そういうような前提を置いて
国内糖というものがだんだんと進行していくような限度というものは守らなければいかぬ、こういうことになりますと、
国際糖価がいまは非常に高いですが、それが下がってきますと、先ほどから申し上げておりますように、
国内の標準
価格といいますか、基準
価格を下回るような場合は引き上げなければいかぬ、こういうような問題がありますので、
関税でいま
引き下げるような場合、十円というものは少し荒っぱいというような
考え方が過程において出てきたわけであります。これは十円も
引き下げてしまうということになると、四十一円五十銭が三十一円五十銭まで一体下げられるのか、それには現在の
数字だけではなく、新しい要請に基づく
国産糖価というものに対してもっと掘り下げてみないと、あまり大きな下げ方はできないという問題が
一つございます。
もう
一つは
消費税の問題でございますが、これは確かに
関税、
消費税とも
世界でもって相当高いという
状態であることは、もうあなたが申し述べられたとおりでございます。ございますが、高いから下げろということで、それでは
消費税を十円も下げられるのか、いますぐ下げられるのかというと、ここにも障害があるのでありますが、御
承知の黒糖とかそれから再製糖、再製糖に対しましては、御
承知のとおり再製糖
業者を守るために十四円の差を持っておるわけであります。そういう
意味で十四円、再製糖
業者が原糖に対しては、
輸入糖に対しましては税金を払わないで、再製糖という面から七円の税を払っておるわけでありますので、これは一挙に十円も下げてしまうとその十四円の差額というものが確保できない、ぶっつぶしてもいいのか、こういうような議論も生まれるわけであります。でありますから、将来、未来永劫に黒糖や再製糖というものを守るために十円というものを絶対に置かなければいかぬというような固定した
考えであるわけでございませんが、黒糖
業者はどうするのか再製糖
業者はどうするのかという点もやはり育成強化の道を
考えて、そうしてやはりこの大きな仕事と取り組んでいくということになると、結局合理的な面は
消費税五円、
関税五円、こういうことで、衆知を集めまして、これは私たちだけでやったわけではないのであります。これは、御
承知のとおり政党内閣でありますから、私たちの党も衆知を集めまして、現在前向きで
考えますと、結局われわれが、
関税五円と言いましたが、現在の
段階においては、
甘味資源の将来の問題も十分検討しながら、また
合理化するものは
合理化しながら、前向きで対処していくためには、
関税五円、
消費税五円ということをまずワンラウンドにして、前進態勢をとるべきである、こういう非常に誠意を持って、会期末でございますが、御審議を願っておるわけでございますので、その間の
事情はひとつ十分御理解賜わりたい、このように
考えるわけであります。