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村山政府委員 法人の……。
まず、会の問題でございます。これを弁護士会のように独立のものにするかどうかという問題でございます。端的に申しまして、われわれも現状よりはより独立の
方向にいってほしいものだというふうに
考えております。ただ、弁護士会のように完全独立というのがいいかどうか、これはなお検討さしていただきたいと思います。これはほかの団体にも見られない団体でございまして、おそらく日本の弁獲士会だけでございましょう。どこの官庁のいかなる監督も受けないという会、こういうものがいいかどうかという点は、もう少し検討させていただきたい。しかし現在よりも独立の
方向に持っていきたいということは
考えております。三十六年でございましたか、登録事務は税理士会の方に委譲したのもその
一つでございます。ただこれは、税理士会の現状とにらみ合わせながらその独立の
程度を逐次進めていくという考慮は、われわれは実務を担当いたしまして、その必要はあるように思います。
それから、会に関する第二の問題で、かつて三十一年のときの
改正で、会は
原則として国税局単位一本とする、現在ご本もあるものはこれは統合するのだ、ただ当分の間今のままでもよろしい、附帯決議がついたことも
承知いたしております。われわれもこの点はやはりできるだけ法の精神に従いまして統合の方法を
考えておるわけでございます。また事実その動きもございまして、
横山先生御
案内だと思いますが、名古屋の方面あたりは、統合の機運が最も強いところでございます。ただ実際問題といたしまして、財産がそれぞれ違う状況にあるために、なかなかうまくいかないというような事情がございます。われわれは
方向においては、法の定むるところにいくべきだと思いますので、今後この点は強力に推進して参りたい。できれば今度の税理士制度
改正の
機会にこの点をもう一ぺん再検討してみたい、かように
考えておるわけでございます。
それから第二点の特別試験の問題でございますが、われわれは現在の普通試験制度がこれでいいかどうかということについて非常に疑問を持っておるわけでございます。しばしば申し上げましたように、われわれは部内の実際の経験といたしまして、非常に知識、判断力、常識のすぐれた人が、やはり筆記試験になりますとおっこちてしまう。役所に入りまして一年か二年一生懸命勉強してまとめる能力をつけて、あるいは暗記の能力があるというような若い人が通っていく。この普通試験制度のあり方に、われわれはこういう本来自由職業人としての試験として妥当であるかどうかという点に疑問を持っております。そういう
意味で、この検討が済むまで特別試験もしばらくお延ばし願いたいということをお願いしたわけでございます。今度の
改正でもし
改正いたすといたしますと、この普通試験についてわれわれは抜本的に検討してみたい、こういうふうに
考えておるわけでございます。
間接税につきましては、今や
間接税は、特に物品税等におきましては相当むずかしい問題がございますので、これを科目に加えることは当然だろうと思うわけでございます。そういうふうにいたしまして拡大していくことはどうかと
考えております。
それからもう
一つ申し上げておきますが、各国の税理士の資格を見てみますと、各国ではやはり税務官庁に十年とかそれくらい勤めた人については、大体試験をすることなく税理士の資格を与えているようでございます。
それから税理士会社の問題につきましては、これは
法律論としてもあるいは実際論としてもむずかしいところであろうと思います。と申しますのは、同じように弁護士が会社をつくれるかということについては今非常に
議論がございますが、今のところ通説はどうもノーのようでございます。税理士のような、その人の知識あるいはその人の人格、こういうものが主体になって活動するものについて資本会社のようなものを認めることがいいか悪いか。だめだとは申し上げませんが、検討を要する問題があるのではなかろうか。同時に実際論としてもう
一つ問題があると申しますのは、先ほど御指摘がございましたように、
個人でもってたとえば百人も使用人を使うという場合、納税者のところには全部使用人が行くということにならざるを得ません。そういたしますと、一体税理士でなければ税理士業務を営めないことになっておりますが、使用人は一体どこまでやれるのか、使用人の仕事の限界の問題があるわけでございます。もしその点を明確にいたしませんと、事実上使用人の名において幾らでも仕事はやれるわけでございます。税理士制度を設けたところと一体どこでそれを調整するか、こういう問題があるわけでございまして、これは実際問題といたしまして、理論問題としても非常にむずかしい問題の
一つであろうというので、今後もその点を
考えてみたいというふうに思っております。
それから
最後に事前通知の問題でございますが、これは
法律で書くことはどんなものであろうかと私は率直に思っております。と申しますのは、もし代理人に対して通知をしなければならぬということであるならば、もとよりその理論としまして本人にまずしなければならぬのだろうと思うのでございます。委任を受けた範囲内でしか代理をやっていないわけでございますから、もしその代理人たる税理士に
調査等の場合に必ず通知をしなくちゃならぬというのであれば、その前に納税者本人にしなくちゃならぬという制度がやはり必要なんではなかろうか。この点を
考えますと、税務の実際の実情からいうと、そうすることが非常にマイナスの場合がたくさん
考えられるわけでございます。実際
調査して参るときに要前に通知してそれでスムーズに
調査を進めるということは事実問題として好ましいことであり、またそういうことを望むわけでございますが、これは
法律で全部強制するということになりますと、ある場合においては非常にこれが逆用されてくるということは容易に御想像いただけると思うわけでございますが、特に帳簿の隠匿とかいろいろな証拠物件等がある場合に必ずやらなくちゃならぬということになりますと、その点が問題じゃなかろうか。われわれはこの問題は本来やはり
運用問題として漸次その
方向に持っていくという制度が最も望ましいのではなかろうか、こういうふうに
考えております。