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森永説明員 外国の実情につきましては、なお私どもも検討いたしたいと思いますが、ただ一言申し上げますと、現在日本の造船界は世界における船の輸出という中では非常に大きなウエートを占めておる、非常に進出をしておるという事実も、私どももあるいは日本の造船業が提供しておる
条件ならそう国際的に不利なものではないということの一つの証左ではないかとも実は考えておるわけでございまして、そんなに不利な
条件では決してないと私は確信いたしております。
次に担保率の問題でございますが、私どもの輸出金融は、
国内の業者に貸しますが、結局は外国の
海運会社に
長期の信用を与えるというわけでございます。そこで何としても
外貨債権による回収を確保しなければならぬわけでございまして、そのためにLCであるとか、LGであるとか、そういった
外貨債権を担保にとっておるわけでございますが、ただ船の場合は、慣行もございまして、その本船を担保にとる。その場合に担保の掛目をどう見るかという問題をお尋ねがあったわけでございます。御
指摘のように、私どもが現在使っております掛目は六割でございます。これは、その前は五割でございましたが、一昨年の十二月に六割に改訂いたしました。その後いろいろ業界等からも
お話を承り、いろいろ検討もいたして参ったわけでございますが、現在のところこの掛目そのものを大きく変更する必要はないのではないだろうか、もちろん今後の情勢で、船価の推移であると
かいろいろなことを考えまして、情勢が変わって参りますれば、常に適正な掛目にこれを改定するのにやぶさかではないのでございますが、現在のところ、この六割の掛目を変える必要はないのではないかというふうに実は考えております。御
指摘がございましたように、
開発銀行の掛目よりは確かに低いわけでございます。しかしそれは、
開銀の方の融資は
国内の
海運会社に対する融資でございまして、その会社の経理状況も始終把握ができますし、また担保の不足が起きますればいつでも増し担保がとれるという
状態にあるのに対しまして、輸銀の船舶融資は何しろ外国人が外国で動かしておる船に対する融資でございまして、把握の
程度も
国内業者みたいには参りませんし、また万一処分しなければならぬ場合のことでございますが、外国法による処分というようなことを考えますと、いろいろ処分費もよけいかかるというようなこともあったりなどいたしまして、
国内で
開発銀行が日本の
海運業者にお貸しになる場合とは若干趣を異にするのではないだろうか。結局、船価の変動の状況、それから処分いたしました場合の手取りになる
割合、そういったようなことを十分検討いたしまして、常に適正な掛目になるようにということで努力をいたしていかなければならぬわけでございますが、現在のところ直ちに六割を変更するのはいかがであろうかというふうに考えておる次第でございます。