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1963-03-08 第43回国会 衆議院 大蔵委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年三月八日(金曜日)    午後四時四十二分開議  出席委員    委員長 臼井 莊一君    理事 足立 篤郎君 理事 鴨田 宗一君    理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君    理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君    理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君       安藤  覺君    天野 公義君       伊藤 五郎君    宇都宮徳馬君       岡田 修一君    金子 一平君       久保田藤麿君    田澤 吉郎君       田中 榮一君    田中 正巳君       濱田 幸雄君    藤井 勝志君       佐藤觀次郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  原田  憲君         大蔵事務官         (理財局長)  稻益  繁君         大蔵事務官         (銀行局長)  大月  高君         運 輸 技 官         (港湾局長)  比田  正君  委員外出席者         自治事務官         (財政局理財課         長)      立田 清士君         日本開発銀行総         裁       太田利三郎君         日本開発銀行理         事       大島 寛一君         日本輸出入銀行         総裁      森永貞一郎君         日本輸出入銀行         理事      山本菊一郎君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 三月七日  委員芳賀貢辞任につき、その補欠として野口  忠夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員野口忠夫辞任につき、その補欠として芳  賀貢君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員春日一幸辞任につき、その補欠として本  島百合子君が議長指名委員に選任された。 同日  委員本島百合子辞任につき、その補欠として  春日一幸君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五六号)  日本開発銀行法の一部を改正する法律案内閣  提出第六七号)  東京港湾区域における土地造成事業等のため  発行される外貨地方債証券に関する特別措置法  案(内閣提出第二六号)      ————◇—————
  2. 臼井莊一

    臼井委員長 これより会議を開きます。  参考人出席要求の件についてお諮りいたします。  所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三法律案について、来たる十三日、税制調査会長中山伊知郎君、全国銀行協会連合会会長宇佐美洵君、日本証券業協会連合会会長小池厚之助君及び主婦連合会会長三巻秋子君にそれぞれ参考人として委員会出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 臼井莊一

    臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 臼井莊一

    臼井委員長 次に、東京港湾区域における土地造成事業等のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。  質疑の通告があります。順次これを許します。堀昌雄君。
  5. 堀昌雄

    堀委員 開発銀行にお伺いをいたします。  実は、本日資料として出していただきました利益金の内訳でありますけれども、利益金法定準備納付金とに分かれておると思いまして、実はそこのところを知りたいのでこの資料をお願いしたのでありますが、ちょっと私の方の連絡が申し上げようが悪かったので出ておりませんけれども、利益金の中に占める納付金予定額決算額を、三十三年度の分からずっとお答えをいただきたいと思います。
  6. 太田利三郎

    太田説明員 三十三年度以降の納付金予定額実績を申し上げます。  三十三年度予定が百二十六億三千四百万円、実績が百二十四億五千九百万円であります。三十四年度予定が七十三億二千九百万円に対しまして実績が百二十五億四千五百万円、三十五年度予定が八十七億百万円に対しまして実績が百三十億九千七百万円、三十六年度予定が百六億六千九百万円に対しまして実績が百二十四億六千二百万円でございまして、三十七年度予定が百三十億二千七百万円となっておりまして、これは実績がまだ出ておらないのでございます。
  7. 堀昌雄

    堀委員 実は、この間産投会計の歳入の論議をいたしましたときに、少しこれを調べてみますと、納付金が、三十四年、三十五年、三十六年につきましては、当初の予定額に比べて決算額が非常に著しく違うわけでございます。実は、三十三年度については、今お話がございましたように、納付金予定額が少し下回っておりまして、この年度においては、利益金予定額を下回っておる。このことは、三十二年の不況の影響が三十三年に現われてきているものだというふうに理解をいたしますけれども、その後においては約五十億くらいの差が二年続きまして、三十六年においてもやはり二十億近くの予定納付額と実際の納付額の差があるわけでございます。ところが、今の納付額だけを見ますと、大体毎年、百二十四億、百二十五億、百三十億、百二十四億ということで、あまり大きな変動が実績の中にはないわけでありまして、それはどこからくるかというと、予定納付額が非常に少なく見積もられたということによって起きているように思うのであります。これは利益金見込みが百六十二億、その次の年はどういう関係か非常に少なく見積もられて百十四億、その次は百三十二億というふうに、利益金の方が三十三年に実際少し少なかったということのためか、異常に低く見積もられて、その結果こういうことが起きていると思うのでありますけれども、一体これはどうしてこういうふうな見積もりになったのかを承りたいと思います。
  8. 太田利三郎

    太田説明員 御指摘通り、三十四年度と三十五年度は、ことに見積もり実績の間に非常に大きな違いがございます。これは一番大きな要素は、やはり支払います面で借り入れ利息、それから受け入れの方で貸付利息の増減ということが非常に大きく響くわけでございますが、三十四年度をとってみますと、借り入れ利息の方で、予定に比べまして決算では十六億四千万円の減少となっております。それから貸付利息の方では、予定に比べまして決算におきましては二十九億八千五百万円の増加となっておりまして、その結果が大体五十一億という利益増加に反映いたしたわけでございますが、それではなぜこの借り入れ利息予定より少なかったかと申しますと、これは貸付割合下期に多く固まりまして、資金運用部資金借り入れをそう急がなくてもよかったということと、それから前年度から繰り越しました手元金がかなりございまして、これを使って借入金の実際借り入れの時期がずれたために、借り入れ利息が少なかった、こういうことでございます。また貸付利息増加でございますが、これは前年度来、海運市況が非常に不況でございましたので、海運利息収入をかなりシビアに見ておりまして、こうは実は入らないだろうと思っておりましたのが、存外予想よりも入ってきたという結果がございまして、これが結局利益に反映し、また納付金にも反映した、こういう結果になっております。また三十五年度も、それとほとんど同じような状態でございまして、やはり借入金利息が初めの方は手元資金割合潤沢でございましたので、借り入れがおくれたということ、それから受け入れました利息は、やはり海運利息収入をかなりシビアに見ておりましたので、これがふえたという結果になっております。銀行でございますので、予算を立てますときには、入る方は割合シビアに考え、支払いの方はなるべくたっぷり、十分見込んでおくという銀行のサウンド・バンキングの経理のやり方にも関係しているかとも思いますけれども、おもな原因は今申しましたような事情によるものであります。
  9. 堀昌雄

    堀委員 一時非常にふえましたのが、だんだんとその差は小さくなってきておるわけでありますけれども、三十七年度状態でございますと、大体現在時点でほぼ利益は同じくらいになっておりますが、そうすると、ことしの場合には予定納付金額とこれはほぼ同じようになる可能性の方が多いと思うのですが、その点はいかがでございますか。
  10. 太田利三郎

    太田説明員 御指摘通りでございまして、従来予定決算がかなり違っておりましたので、三十七年度につきましては、その点もう少しこまかく分析して、予算もつくりまして、ここに決算見込みと出ておりますのは、昨年の十二月の見込みでございますけれども、ほぼこれが達成される見込みでございまして、三十七年度に関しましては、大体予定と大きな誤差がない、今のところこういうつもりでおります。
  11. 堀昌雄

    堀委員 そこで三十七年度の分につきまして、損失の方の欄を見てみますと、外貨債利息支払いが二億四千八百万円ふえ、それから外貨債借り入れ経費でありますが、発行差金償却が三億八千三百万円予定よりはふえてきておりますけれども、これは外貨債発行の時間的なずれに問題があるのじゃないかと思います。こういう格好で出てきた理由を一つ承りたい。予算決算の差が今のように出ました理由を……。
  12. 太田利三郎

    太田説明員 今御指摘外貨債の件でございますが、これは三十七年度でございますが、外貨債を二度発行いたしまして、しかも第一回の発行が三十七年の五月、予想より早く出ましたのと、それから第二回目が先月出したのでございますが、これが予想より金額が多く発行できまして、三十七年度中三千万ドルと予定しておりましたのが四千万ドル発行できました結果、これがふえたわけでございます。
  13. 堀昌雄

    堀委員 たくさんできたということはいいのでありますが、それは今のお話ですと、三千万ドルを予定していて、売れたからさらに出した、こういうことでございませんか。初めから四千万ドルを出すという予定があったのか、今のお話ちょっとよくわからないのですが……。
  14. 太田利三郎

    太田説明員 実は三十六年度発行予定いたしましたものが、千万ドル残っておりまして、それが三十七年度に出せるか出せぬか、非常に疑問でありましたが、急に昨年末から市況が非常に好転いたしまして、急にその分も乗せて発行できた、こういう結果でございます。
  15. 堀昌雄

    堀委員 開銀債発行の様子でありますけれども、三年、五年、七年、十年、十五年ですか、非常にこまかく分かれて、利率もいろいろ違うようでありますけれども、こういうふうにこまかく分けて発行されて、利率の違うものを貸し付けられるときには、一体どういうふうに貸し付けられるのか承りたい。
  16. 太田利三郎

    太田説明員 第一回分だけいわゆる中期債ということで、長期でないものも発行いたしまして、貸し付けますときにはそれを全部プールいたしまして、長いものも短かいものも、一緒に貸したわけでありますが、これは償還期限がずっとまちまちになっておりますから、短かいものは早く返ってくる、それによって返せる、こういうような仕組で貸しておるわけでございます。二回目、三回目につきましては、全部長期資金だけでありまして、おっしゃいました中期債は出しておりません。
  17. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、最初中期債が出ております分は、金額によって分れておりますのは、貸し付ける場合はその満期になりましたところで、借り入れておる電力会社開銀を通して返していく、こういう仕組になるわけですか。
  18. 大島寛一

    大島説明員 御説明いたします。第一回の場合は、ただいま総裁から御説明申し上げましたように、中期債が一部まざっておりまして、大部分は長期であります。それを国内で貸し付けます場合には、一本の期限電力会社に貸しております。ただいま総裁から御説明申しましたように、国内電力会社に貸し付けました場合には、それぞれ年賦償還の制度によりましてだんだんに返していただくことになっておりますので、長期のもの、中期のもの総合いたしまして、全体としまして外債償還と必ずしも細部においてまでは見合っておりませんけれども、大局的に見まして、見合うような形で国内貸付を実行したわけでございます。
  19. 堀昌雄

    堀委員 貸付金利はそうすると幾らになっておりますか。
  20. 大島寛一

    大島説明員 年七分でございます。
  21. 堀昌雄

    堀委員 そうするとこれで出ておりますのは五%から始まって六%くらいどまりになっておるようですね。あれは表面金利発行価額の差もあるのでしょうが、ネットの借り入れ利回り幾らになっておりますか。
  22. 大島寛一

    大島説明員 短かいもの長期のもの、いろいろございますので、総合いたしまして国内貸付に見合う程度利回りになっております。
  23. 堀昌雄

    堀委員 今私が伺っているのは、要するに最初に出ました二千万ドルについては三年ものが五%、四年ものが五%八分の一、五年ものが五%四分の一、十五年ものが六%、ただしこれは発行価額は九五・五%の発行価額、こういうことのようですから、これだけ見ますと、これをプールした金利というのは幾らかよくわからないものですから、貸し出しの方は年七分ということなら一体借り入れの方はこれをプールしたら幾ら金利になっているかということを伺いたいのです。
  24. 大島寛一

    大島説明員 御説明いたします。ただいま御指摘のございました通り、第一回の国債につきましては、長期は六分でございますが、発行価額は九十五ドル五十セントでございます。三年、四年、五年のものはそれぞれ五分一二五、五分二五、合計五百万ドル、このようになっております。そこで私どもといたしましては、国内貸付外債借り入れにつきましては、元本支払いを要する手取金、それから投資の差額、それから期中にそれぞれ支払いまする利息、そういう間接経費等を一切見込みまして、外債の最後に支払いが終わりますまでの総支払い額計算したわけでございます。これに見合いまする要回収額、これは国内電力会社から元本等で回収する利息その他を含めましての回収額でございまするが、外債借り入れに伴いまして外債支払いに要する総支払い額、これをもとにしまして、それに見合う要回収額国内貸付総額と見まして元本手取金で見合っておりますから、それから利息計算しまして七分ということにいたしますると、両方ちょうど見合う、こういう計算に基づいておるわけでございます。
  25. 堀昌雄

    堀委員 その中の費用といいますか、経費という点がよくわからないのですけれども、非常にきちんと七%と出ないような気がするのです。率直に言いますと、金利だけの問題として考えますと、六%、九十五ドル五十セントで出した場合の実効利回りはそれじゃ幾らになるのですか。
  26. 大島寛一

    大島説明員 ただいま御指摘もございましたし、御説明申し上げましたように、三年もの、四年もの、五年もの、それぞれ金額が違っておりまして、金利も違っております。また長期のものは十五年でございまして、これにつきましては額面発行いたしておりません。額面より若干下回る価額発行しております。さらにそれに当初その他の経費があるわけでございますので、今申しましたような総合した実効利回りという立て方をとりませんで、先ほど御説明しましたような全体の元利、経費その他の所要量をはじきまして、それを基礎に国内貸し出し条件等をきめた次第でございます。
  27. 堀昌雄

    堀委員 今伺ったのは、それは計算ですから無理だと思ったのですが、ただ機械的に表面利回り六%、売り出し価額九十五ドル五十セントの場合の実効利回り幾らになるかということなのです。
  28. 大島寛一

    大島説明員 応募者利回りにおきまして、ただいまの御質問は長期のもののようでありますが、長期の方を申し上げますと、第一回の長期外債応募者利回りは六・四%強でございます。なおその長期のものの発行者利回りは七・四%強でございます。
  29. 堀昌雄

    堀委員 あとの三十七年度発行されましたものの条件は、今のはみな長期のようですが、今の条件と同じになりましょうか。
  30. 大島寛一

    大島説明員 第二次、第三次と合計三回発行いたしておりますが、第一次の長期期限十五年で千五百万ドルでございます。期限はいずれも十五年で二次、三次同様でありますが、第二次は金額が千七百五十万ドル、第三次は金額が二千二百五十万ドルとふえております。表面金利はいずれも六分でございます。  次に発行価額でありますが、第一回は先ほど御説明いたしましたように、額面百ドルに対しまして九十五ドル五十セントで発行いたしておりますが、第二次はこれが九十六ドル、第三次はさらに上がりまして九十六ドル五十セント、このように発行価額が漸次上がってきております。なお金額がふえるに伴いまして、いわば当初経費等のかかってくる割合もそれだけ薄くなりまして減って参りますので、第二次、第三次に移るに伴いまして、発行者利回りも若干ずつ減ってきております。具体的に御説明申し上げますと、第二次では七・三強、第三次では七・二強程度になっております。
  31. 堀昌雄

    堀委員 ちょっとそこのところがわからないのですが、発行者利回りというのはどういうことですか。
  32. 大島寛一

    大島説明員 こまかく御説明申し上げますと、非常に複雑な計算をするわけでございますが、簡単に申し上げますと、たとえば百ドルの外債発行いたしますのに、手取りが九十六ドル五十七セントであるわけであります。表面利子は六分でございますが、九十六ドル五十セントに対して百ドルの六分の利息を払うというような関係に相なりますので、途中償還をいたす関係もございます。その他もろもろこまかい要素がたくさんありますが、これらを総合いたしまして、発行者としてこれくらいの利回りになるであろうという計算上のものでございます。
  33. 堀昌雄

    堀委員 そうすると、最初の分は、二千万ドルのうち五百万ドル非常に利子の少ないものがあったわけですが、それを含めてちょうどそのときは七分になったということは、今後の場合、発行者利回りが〇・一ずつ下がってきておる場合の貸し出しの場合はどういうふうになりましょうか、今後の第二次、第三次の国内貸付の場合の金利はどうなっておりますか。
  34. 大島寛一

    大島説明員 その後の分の国内は七分でやっております。
  35. 堀昌雄

    堀委員 大体開銀に私の方で伺いたいと思いましたのは以上でありますが、もう一つだけちょっと伺っておきたいのは、最近の開銀借り入れ申し込みと実際の貸し出しとの一種のタイム・ラグでございますが、これは大別して、いろいろ種別によっても違うのでありましょうけれども、大体一般貸し出し借り入れ申し込みを始めてから実際に貸し出しが起こるまでどのくらいかかっておりますか。
  36. 太田利三郎

    太田説明員 平均いたしまして、受け付けましてから貸し出しを実行いたしますまで、大体一月半くらいかかっております。
  37. 堀昌雄

    堀委員 開銀の問題については、以上で質疑を終わります。  次に、輸出入銀行の方にお伺いをいたします。輸出入銀行資金収支実績というのをずっと拝見しておりまして、ちょっとわからない点が二、三あるのですが、この間たしか委員会でもお答えがあったと思いますが、輸出入銀行標準金利といいますか、大体四・五%くらいになっておる、こういうお話がございました。これは輸出、輸入、投資その他でみな個々には違うと思いますが、大体全体をひっくるめての貸出金利はやはり四・五%くらいと見ていいでしょうか。
  38. 森永貞一郎

    森永説明員 四・三四%でございます。
  39. 堀昌雄

    堀委員 これは大体毎年あるわけですが、ほぼこの付近を通っておるのでしょうか。
  40. 森永貞一郎

    森永説明員 大体金利水準を変えない限りは、今申し上げましたような水準で推移いたしておるわけでございます。
  41. 堀昌雄

    堀委員 大体借入金の原資については、資金運用部が一番比重が多いと思うのですが、実は三十四年の実績のところで見ておりますと、政府出資金が六十億で、貸付金が六百四十七億になっておりまして、出資金貸付金比率というのが約十対一ぐらいに三十四年はなっております。三十五年は百三十五億の出資金に対して八百四十四億でありますから、ここはまあ六・幾らという格好であります。その次に三十六年に参りますと、この年はいろいろと出入りがあったようでありますが、結果としては二百億の出資に対して百三十五億ということで、一対五くらいの割合で、借入金をする方の金利はおおむね同じではなかったかと思うのでありますけれども、そうするとこういう面から見ると、その年度々々で出資金借入金とのバランスがずいぶん違うわけだと思います。おまけ昭和三十六年度については、最初が百二十億の出資あとから八十億の出資で、計画変更がされたわけですけれども、その計画変更予想した貸付額が千百八十億であったにもかかわらず、実際は千三十億で百五十億ぐらいの開きが出てきた。そうすると、出資金というのは入ってしまっておるわけですから、借入金の方がそれだけ減ったのだろうということになるわけですが、そうすると、今の金利のコストというか、片一方は金利の要らないものの比重昭和三十六年度は非常に高かった。借入金の方は同じ状態で、おまけ借り入れが少なかったという結果からくると、三十六年度等については、利益というとおかしいと思うのですけれども、何かそういう格好で余ってくるような感じがするわけです。ところがこの中で、それを拝見しておると、次年度繰り越しというのが三十一億ほど出ておるわけですけれども、前年度等に比べますとそれだけの差があったにしては、そういうものがあまりに小さ過ぎるような感じもいたすわけでありまして、こういう出資金借入金と今の貸出平均金利との関係は一体どういうことになっておるのかをちょっと承りたいと思います。
  42. 森永貞一郎

    森永説明員 その年度々々の出資金借入金比率ももちろん非常に重要なファクターでございますが、それよりも累積した資金総体としての借入金自己資本比率がやはり根本ではないかと存じます。その割合は、実は借入金総額が逐次一貫してふえてきておるという傾向になっておるわけでございまして、それだけ収支面が苦しくなっておると言えるかと存じます。  お尋ねのございました三十六年度は、御指摘のように当初の予定が九百七十億、途中補正で追加をお願いいたしました結果が千百八十億で、実績は千三十五億、百五十億くらい少なかったのでございますが、これにはもちろん相当の理由があるわけでございますが、その場合に出資を減らさないで借入金の方を減らしたにつきましては、実は借入金の限度につきまして資本金の二倍という制約がございますものですから、その観点から資本金の方につきましては、当初予定通り払い込みをお願いする必要があったということでございます。しかしいずれにいたしましても、結果におきましては若干資本金のウエートが補正のときの計画よりは高かったわけでございまして、その面がやはり収支の面に反映いたしまして、三十六年度につきましては繰入率も三%くらいのものを維持することができたというような次第に相なっております。
  43. 堀昌雄

    堀委員 今のお話ですと出資の方がだんだん少なくなって比率としては借入金が多くなっておる。しかし今やはり四・三%くらいの貸出金利が維持できておるということになると、その比率の点は私も調べておりませんからわかりませんが、これはどうやって維持できるのでしょうか。
  44. 森永貞一郎

    森永説明員 三十六年度末をとって考えますと、総資本の中での割合資本が四〇、借入金が六〇、この割合がほぼ維持できればよろしいわけでございます。現実には三十七年度資本が三七で、借り入れが六三というようなことで若干苦しくなって参っておりますが、その苦しいところは、結局貸し倒れ準備金としてどの程度を繰り入れられるかという、そこに問題が集約されるわけでございます。目下の見込みといたしましては、三十七年度は三十六年度の三%よりもある程度下回った貸し倒れ準備金の繰り入れしかできないのじゃないか、その辺で若干の調整が行なわれておる、かように御了承いただきたいと思います。
  45. 堀昌雄

    堀委員 今回二百億出資金がされると思うのですが、今度の二百億出資でことしの予算ですとどうなりますか。
  46. 森永貞一郎

    森永説明員 三十八年度予算による貸付計画は千三百億でございまして、うち回収金を除きました八百十億円について出資または借り入れ、そのうち二百億が出資でございますので六百十億円を融資でまかなうわけでございます。この資金構成を基礎にいたしまして収支計算いたしますと、三十八年度末における貸し倒れ準備金の繰り入れ率は千分の二を若干下回ることに相なるのではなかろうかと存じます。
  47. 堀昌雄

    堀委員 この間から淡谷さんも貸し倒れ準備金の問題を議論しておられるわけですが、貸し倒れ準備金、今四十八億くらいですね。実際にはこれまでの計画では、それは積んでありますけれども、取りくずしはしてないでしょうか、どのくらい取りくずしたことがありますか。
  48. 森永貞一郎

    森永説明員 一度も取りくずしをいたしたことはございません。
  49. 堀昌雄

    堀委員 一回も取りくずさないということは、今の輸銀については過去にそういう未払いとかいろいろなものはなかった、回収計画予定利息等は順調に支払われておるということになるわけですね。
  50. 森永貞一郎

    森永説明員 回収不能、延滞等の事態を生じたことがないということでございます。
  51. 堀昌雄

    堀委員 その次にもう一つ伺っておきたいのは、最近の対外借款の関係であります。この間も伺ったのですが、その中で一つ今後の問題になるのだと思いますけれども、ウジミナス開発に伴う借款の問題は、すでに外務省ではコミットをしておるようですから、やがて輸銀の方へ回ってくるんじゃないかと思いますけれども、このウジミナスに今度追加出資をするという問題は、ブラジルのインフレに伴うところの問題だというふうに私見たわけですが、ブラジルでそうどんどんインフレーションが起きていく中におけるそういう投資の問題というものは、これは将来今の貸し倒れ準備金等に関係をしてくる問題にはならないだろうかという感じがしますけれども、その点はどうでしょうか。
  52. 森永貞一郎

    森永説明員 御指摘のごとく、ブラジルにおけるインフレの進行の結果、当初の設備資金計画では足りなくなりまして、追加投資を必要とするという問題が起こっておるわけでございます。具体的にその問題をどう処理するかはまだこれからの問題でございますが、一般的に申しますと、インフレによって当初の計画よりも設備資金の投入額が増加いたしました。ということは、それだけ経理を圧迫するということになることはもちろんでございます。しかし私どもといたしましては、それによって会社の運営があぶなくなるというようなことがないように、ブラジル側とも十分連絡をとりまして経営の改善について今後も努力をいたして参りたいと思っております。さしあたっての追加投資の問題につきましては、今後検討をいたす問題と御了承いただきたいと思います。
  53. 堀昌雄

    堀委員 最近東南アジアその他の方面で、日本の借款なり延べ払い条件と諸外国の借款なり延べ払い条件の間にだいぶ差ができてきて、その点についてキャンセルもできておるというような話を新聞で見たわけですが、諸外国のそういう借款や延べ払いの条件というのは最近はどうなっておりますか。
  54. 森永貞一郎

    森永説明員 コマーシャル・ベースの延べ払いに関する限り、私どもが国内業者に与えております金利、一般的には四分でございますが、これはそんなに割高な金利であるとは思いません。十分に国際場裏において競争できる金利ではないかと思っております。ただ問題がございますのは、各国がそれぞれ政治的な意図をもちまして、それぞれ特有な形での援助をしております。極端な場合には無利子とか非常に低利な融資もあることは御承知の通りでございますが、そういう投資の場合の金利につきましてどうかという問題になればいろいろ問題もあろうかと思いますが、私どもが担当いたしております分野は、やはり日本の業者が自己のリスクで進出する、その量的補完をいたす、それにしてもあまり金利が高くては困るわけでございますが、さような金融でございますので、むやみに安いだけが能ではないのではないか。やはり国際関係とか国際競争とかいろいろな要素を総合的に考えまして、適正な金利を実現するということではないかと思っておる次第でございます。
  55. 堀昌雄

    堀委員 最後に、最近テレビ等耐久消費財、鉄製品等の延べ払いを認めるということに三十六年度の終わりですか三十七年ですかの七月六日に業務方法書が改定された。これによってその後こういう問題でどの程度あなた方の方の出資というか輸出引き合いというものがあったのか、お伺いいたしたいと思います。
  56. 森永貞一郎

    森永説明員 業務方法書を改めましてから引き合いはぼつぼつございましたが、現実にまだ具体的な商談が成立いたしましたものはございません。近くアフリカ等に対しましてテレビ等の商談ができるような形勢にはなってきておりますが、これとてもまだ成約にはなっておりません。なお先般中共との間に塩安の問題が起こりましたが、この部分はただいまお話の業務方法書の改正によってまかなうことになるのではないかと存じますが、これもまだ実行の段取りには至っておりません。
  57. 堀昌雄

    堀委員 この業務方法書の改正だけでは一体どういうことになるのかよくわからないのですけれども、支払い条件その他の理由により輸銀において特に貸し出しを行なうことが適当と認められるもの、それに対しては一体どの程度の期間の延べ払いを認めて処理をされるのか、その点をちょっと伺いたいと思います。
  58. 森永貞一郎

    森永説明員 山本理事から的確なところをお答えいたします。
  59. 山本菊一郎

    ○山本説明員 あのときは三十七年七月六日に追加いたしました次第でございますが、三項目ございまして、一つはテレビ等の耐久消費財、第二の品目は鉄鋼製品などでございまして、最終用途が設備になるかどうかわからないものというのが第二の項目でございます。その他第三の項目といたしまして、輸銀において延べ払い金融をやって援助するが適当と認められる品目ということになっておりまして、三番目のものは今後何らか起こるべき事態を予想いたしまして、クッションをとつている意味でございますので、そのときそのときにおきまして、そういう延べ払い金融をやったがいいかどうかということは、ケース・バイ・ケースできまる問題ではないかと考えております。
  60. 堀昌雄

    堀委員 私の輸銀に対する質問は以上で終ります。
  61. 臼井莊一

    臼井委員長 関連質問がありますので、これを許します。藤井勝志君。
  62. 藤井勝志

    ○藤井委員 輸銀の総裁にちょっとお尋ねをいたしたいと思います。輸出増強ということが当面の第一の国是なりということはこの委員会でもしばしば各委員から発言がなされておりますが、そういう観点から考えますと、輸出入銀行の使命たるやまことに重かつ大であると思うのであります。  そこで、私は特にプラント輸出の三割ないしそれ以上を占めておる外国による注文の建造船に関する延べ払い、そのほかいろいろの条件について現在どういう状態になっておるかお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、大体西ドイツや西欧の例を聞きまするに、頭金が大体二割、延べ払い期間十年、こういうことになっておるにかかわらず、日本の場合には頭金が三割、延べ払いは七年、こういうことでは、いわゆる国際競争力をつけて大いに輸出をやる、そういった場合に非常に不利な状態に置かれておりますので、こういう事情にあるのかどうか、これに対してどのような対策を輸銀は考えておられますのか、総裁の御答弁を伺いたいと思います。
  63. 森永貞一郎

    森永説明員 延べ払いの条件につきましては、一般的に申しますと結局日本の国力の許す限度にとどめなければならぬわけでございまして、しかも海外における競争上不利な立場に立たないように、そういうことかと思うのであります。そこで外国における西欧諸国が提供いたしておりまする条件がどの程度か、これは実はなかなか的確にはつかみにくいのでございまして、必ずしも一がいにこのぐらいということをはっきり申し上げるような資料もないのでございますが、私どもといたしましては、その辺のところは実情の推移に即しまして、そのときどきで国力が許し、しかも競争上そんなに不利にならないようにということを旨として、ときどきの条件をきめて参っておるということでございます。現行は、これは各契約によりましていろいろなファクターがございますので、結局はケース・バイ・ケースにきめられるわけでございます。しかし一番多く見受けられる一つの型といたしましては、船につきましては、二割は頭金をいただきまして、八割を延べ払い、その期間は八年、この型が一般的には非常に多いようでございます、しかし契約によりまして種々さまざまな形がございますので、どれがきまった型だとも言い切れないのでございますが、多くの場合は大体そんなような型がとられておるということでございます。
  64. 藤井勝志

    ○藤井委員 今のよその国のいろいろ具体的な例ですね、これはやはりつくる船のケース・バイ・ケースでいろいろ条件がそのつど変わる、こういうことなんですか。
  65. 森永貞一郎

    森永説明員 私もよくは知りませんが、これはやはり商売でございますので、外国における造船所もやはり相手方とのかけ引きもございましょうし、一番有利な条件ということで努力をいたしておるわけでございます。必ずしもそこに画一的なものがあるわけではないわけでございまして、まあ大体の傾向としては長期化するとか何とかということはございましょうけれども、画一された一つの型が外国にあるというような問題ではないのではないかというふうに考えます。
  66. 藤井勝志

    ○藤井委員 非常にはっきりした現実をおつかみになっての御答弁ではないようでありますから、一つこれはよく諸外国の例をお調べいただいて、やはり国際競争力においてはハンディキャップのないような線に日本の造船界を持っていって、そして大いに輸出の一翼をになっております日本の造船界の振興のために特に輸銀の御配慮を願いたい、このように思うわけでございます。  きょうは時間が相当経過しておりますので、簡単に切り上げたいと思うのでありますが、もう一つ、本船の担保率ですね、これが外国の場合は八割、日本の場合は現在は六割ということになっておるようにわれわれは造船界から聞いております。こういったことも非常によその国と比較いたしまして不均衡であり、不利な条件に置かれておる。これなんかも、やはり輸銀として当然考えられて、大いに日本の造船界の海外進出をはかっていくべきではないかというふうに思うのでありますが、この点どうでありますか。
  67. 森永貞一郎

    森永説明員 外国の実情につきましては、なお私どもも検討いたしたいと思いますが、ただ一言申し上げますと、現在日本の造船界は世界における船の輸出という中では非常に大きなウエートを占めておる、非常に進出をしておるという事実も、私どももあるいは日本の造船業が提供しておる条件ならそう国際的に不利なものではないということの一つの証左ではないかとも実は考えておるわけでございまして、そんなに不利な条件では決してないと私は確信いたしております。  次に担保率の問題でございますが、私どもの輸出金融は、国内の業者に貸しますが、結局は外国の海運会社に長期の信用を与えるというわけでございます。そこで何としても外貨債権による回収を確保しなければならぬわけでございまして、そのためにLCであるとか、LGであるとか、そういった外貨債権を担保にとっておるわけでございますが、ただ船の場合は、慣行もございまして、その本船を担保にとる。その場合に担保の掛目をどう見るかという問題をお尋ねがあったわけでございます。御指摘のように、私どもが現在使っております掛目は六割でございます。これは、その前は五割でございましたが、一昨年の十二月に六割に改訂いたしました。その後いろいろ業界等からもお話を承り、いろいろ検討もいたして参ったわけでございますが、現在のところこの掛目そのものを大きく変更する必要はないのではないだろうか、もちろん今後の情勢で、船価の推移であるとかいろいろなことを考えまして、情勢が変わって参りますれば、常に適正な掛目にこれを改定するのにやぶさかではないのでございますが、現在のところ、この六割の掛目を変える必要はないのではないかというふうに実は考えております。御指摘がございましたように、開発銀行の掛目よりは確かに低いわけでございます。しかしそれは、開銀の方の融資は国内海運会社に対する融資でございまして、その会社の経理状況も始終把握ができますし、また担保の不足が起きますればいつでも増し担保がとれるという状態にあるのに対しまして、輸銀の船舶融資は何しろ外国人が外国で動かしておる船に対する融資でございまして、把握の程度国内業者みたいには参りませんし、また万一処分しなければならぬ場合のことでございますが、外国法による処分というようなことを考えますと、いろいろ処分費もよけいかかるというようなこともあったりなどいたしまして、国内開発銀行が日本の海運業者にお貸しになる場合とは若干趣を異にするのではないだろうか。結局、船価の変動の状況、それから処分いたしました場合の手取りになる割合、そういったようなことを十分検討いたしまして、常に適正な掛目になるようにということで努力をいたしていかなければならぬわけでございますが、現在のところ直ちに六割を変更するのはいかがであろうかというふうに考えておる次第でございます。
  68. 藤井勝志

    ○藤井委員 私はこれで最後にいたしますが、総裁、着任早々でありまして実態を十分把握されておらないと言うと失礼でありますけれども、そういう感じが御答弁から受け取れるわけでございまして、前提として日本の造船界が非常に伸びておるというような見方をされておりますけれども、それは確かにある程度造船界の日本の実力というものは相当なものでありますけれども、非常に苦労して優秀な技術、これをたてとしていろいろ経営上の苦労をし、また総合的な経営をやったりいろいろなことをやったりして、かちかちの線でいっているという苦しい経営の実態というものの認識が、総裁に十分ないのではないか。私はたまたま地元に玉野造船というのがありますけれども、現場のいろいろ事情をよく聞いておりますと、もう一ぺんよく造船界の実態を総裁として把握していただいて、今後輸出の一翼である、またプラント輸出の主軸をなしておる造船業の発展のために輸銀としても一つその使命を考えていただきたい、このように要望いたしまして質問を終わります。  今の担保率の問題、どうも総裁お話を聞いていると、なぜ現状でいいかという理由がよくわかりません。また日をあらためてよくお話を聞きたいと思います。
  69. 臼井莊一

  70. 堀昌雄

    堀委員 昨日論議さしていただいてよくわかりませんでした点については、ここで資料を出していただきましたから、大体これを拝見して要点はわかりました。あと一点だけ残っておりますのは、昨日の話では一億ドルの外貨債、これはアメリカで出すのじゃないかと思うのですが、その利回りは七分五厘だと承ったのですが、その点はどういう格好外貨債になるのか、表面利回り幾ら発行価額は一体幾ら予定して七分五厘というのが出ておるのかを承りたいと思います。
  71. 稻益繁

    ○稻益政府委員 昨日あるいは七分五厘といったのは地方資金課長であったかと思いますが、あるいは実は国内の地方債の方と若干混淆してお答をしておったようであります。現在私ども予想いたしておりますのは、政府保証債で出しますると、ごく最近の例ですが、第三回の開銀債の例で申し上げますと、二月一日に発行いたしたわけでありますが、表面利率が六分でございます。発行価額が九十六ドル五十セント、従いまして、複利最終の応募者利回りで申し上げますると、六分三厘六毛六糸、発行者のこれに対しますそのほかのコスト、これは実際やってみませんとわかりませんが、これに若干発行手数料が加わったといったところで、大体最近のニューヨークの市場の情勢でありますると、こういった最近出しました開銀債利回りがほぼ基準になるのじゃないか、そのときの情勢によりまして若干上下するかと思いますが、大体そんなところじゃなかろうか、かように考えております。
  72. 堀昌雄

    堀委員 最近の新聞で、ケネディ大統領が金流出について頭を非常に悩まして公定歩合を三%から三・五%に引き上げようという意見なのか希望なのかわかりませんが、報道があるわけです。日本は低金利の方向に向かっておるときに、アメリカは〇・五%の公定歩合の引き上げが起きるようなことがあると、こういう外貨債発行というものは影響を受けるのじゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
  73. 稻益繁

    ○稻益政府委員 仰せのように、起債市場のいろいろな条件と申しますか、こういった引き受けあるいは価額なり、表面金利なりそのときの金利情勢に非常に左右されるわけであります。仰せのようにそういった歩合が上がりますと、一般の市中の利回りも上がる、多分に影響を受けるということは、仰せの通りであります。大体私ども考えておりますところでは、昨年の後半、これは第二回目の開銀債と三回目の開銀債と比べますと、おわかり願えるかと思いますが、大体低下の傾向にありまして、好利回り発行できた、今後その情勢がどこまで続くか、私どもの判断としましては、アメリカの市場が来年少なくも上期は比較的こういった割合有利な情勢が続くのではなかろうか、下期になりますと、若干疑問があるといったような予測をいたしておるわけであります。
  74. 堀昌雄

    堀委員 今の問題は今後の問題でありますから別になるわけでありますが、この前のマルク債は、あれはこちらで保証する法律をやったわけですが、これの利回り等は一体どういうふうになっておりますか。
  75. 稻益繁

    ○稻益政府委員 前回三十七年二月に発行いたしたいわゆる大阪府市債でありますが、これの表面利率は六分五厘であります。発行価額が九十六・五マルクであります。従いまして最終の応募者利回りが六分八厘七毛八糸、若干ニューヨークの場合よりも高くなっております。
  76. 堀昌雄

    堀委員 大体最近の傾向はだんだんと地方自治体がこうやって外貨債を入れるということになり、開銀も出し、あるはその次には産投も出ることになるでしょうが、ずいぶんあっちこっちから外貨債が非常に出ていく可能性がだいぶ出てきたわけですけれども、国内金利がこれから下げていこうというときに、これは相当発行者利回りで見ると、かなりに高く外債もついているように思うのですが、さっきの話で見ますと、発行者利回り開銀の第一回のときには七・四%、七・三、七・二と下がってきておりますけれども、かなりこれは高い。これが国内の方がずっと今度安くなってきたというときは、逆に負担の高いものを負担するという格好にならざるを得ないかと思うのですが、そういう点についての見通しはどうですか。
  77. 稻益繁

    ○稻益政府委員 仰せのように、金利と申しますか、利回りだけで申し上げますと、国内が今の情勢から考えますと、これから下がる傾向にある、そういたしました場合に、これは利回りだけ外貨債、若干でも高くなければいけないというふうに割り切れない問題でもなかろうかというふうに考えておりますが、できるだけ有利な条件発行できる、そういった市場を選びまして、またそういった時期を選ぶといったようなことで、できるだけコストが高くならないように、そういった配慮を加えて参りたい、かように考えております。
  78. 臼井莊一

    臼井委員長 これにて三案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  79. 臼井莊一

    臼井委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  採決いたします。  三案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 臼井莊一

    臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、三案はいずれも原案の通り可決いたしました。     —————————————
  81. 臼井莊一

    臼井委員長 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 臼井莊一

    臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は、来たる十二日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十九分散会      ————◇—————