○多賀谷
委員 実は、常用
労働者の
移動を見ますと、大手
関係は非常に少ないのです。ところが、その他の炭鉱の場合は非常に多い。三十六年度をとりましても、大手炭鉱の
雇用率というのは三・九%です。ところが、その他の炭鉱は四六・七%という
数字を示しておる。これは
石炭統計です。ですから中小炭鉱は半分の
労働者が一年間に入ってきておるという計算になるのです。これは統計では大手炭鉱と中小炭鉱統計ですが、中小でもかなり大きなのがありますよ。とにかくそれらを含めて、半分炭鉱に入ってきておる。ですから私は、縁故
就職と
一般職業紹介による
就職の中には、かなり炭鉱へ入っておると思うのです。これが入るところがだんだんなくなっていくと、問題があると思うのです。この
就職というものは、もうプールでなくなるものですから、中小炭鉱というのは根こそぎなくなっていくわけですから、政策的に非常に問題があると
考えるわけです。と申しますのは、あなたの方の統計でも、昨年通常
国会に出された
労働省の資料によりますと、当時、
昭和三十六年四月から三月まで、前期末の繰り越し求職者というのが四万六千二百五人、それから新規求職者が八万二千八百四十九人、安定所による
就職者が二万二千六百八十二人、縁故
就職その他による帰趨者が六万一千八百二十六名、さらに繰り越しが結局四万四千五百四十六人という
数字が出ております。この縁故
就職その他による帰趨のうち、半分以上私は炭鉱に入っていると思う。こういう
状態になる。そこで今後の安定行政というのが非常にむずかしいのは、ここですよ。従来の統計
通り政策をやっていくと、大間違いが起こるわけです。従来は、炭鉱で
失業をして炭鉱に入る。大きな炭鉱で
失業して小さな炭鉱に入る。さらに小さな零細炭鉱に入る。これが大体通常行なわれておる例ですけれ
ども、このプール機関というものが、御
承知のように、保安臨時措置法によって勧告を受けて閉鎖する。さらに買い上げの対象になる。こう来るのですから、
失業問題というものは非常に深刻になってくるわけですね。ところが
政府の
昭和三十八年度の予算なんかを見てみると、やはり私が申しますような計数によってはじいてあるのではないか、こういうように
考えるわけです。そこで私は県に、一体福岡県内における今までの実数はどうなっておるのかというのを調べさせた。そういたしますと、
石炭合理化臨時措置法ができましてから今日まで、福岡県下で大体六万三千名
失業しておる。そうしてそのうち、一
般失対が四千名、それから緊急就労が五千名、公共
事業が四百二十一名、鉱害復旧が千五百三名です。それから広域
紹介が九千七百十六名、それから県内
就職が二万五千四百三十二名、それから結局
生活不安定層といいますか、これが一万六千八百四名、こういう
数字になっております。二六・八%というのが一
般失対にも行っていないし、緊急就労にも行っていない、こういう層が残っておる。
そこで私はこの
数字をいろいろの面から検討してみたのですが、ちょうど
生活保護がふえた
数字と大体同じですよ。産炭地における
生活保護というのは、こういうような
数字になっておるのですよ。すなわち
昭和三十年の三月に
産炭地域で八千二百十世帯、これは世帯数でいきます。
人口じゃありません。
人口でいきますと二万四千ぐらいになるわけですが、世帯数で
産炭地域における
生活保護者が八千二百十世帯。
昭和三十七年の八月には二万七千五百五十九世帯。
生活保護がその地域においてふえておるのですね。そこに滞留をしながらふえておる
数字がそうです。ですから結局合理化法ができてから昨年の八月までに、
生活保護世帯が一万九千三百四十九世帯ふえておる。そういたしますと、今申しました不安定層というよりも少し多い。多いというのは。一
般失対にも若干行っておるからでしょうね。ですから多いわけですが、大体
数字が合うわけです。そこで今後、今までプールをされておりました中小炭鉱がなくなって、働き
場所がなくなるわけです。そうして全面的に出てくる。そうして今、有沢さんがいっております十二万以上の
労働者がいるんですね。それは組夫という形でいるのです。それからこの統計に載らぬ炭鉱があるのです。これは変な話ですけれ
ども、統計に載らぬ炭鉱があるのです。災害が起こって初めてわかるという炭鉱が相当あるのですね。山田の奥とか二瀬の間の奥にある。この
労働者が全部、炭鉱不況と一緒に
失業戦線に飛び出してくる。一体
政府はどういうように把握をされておるか。福岡県なら福岡県に限定してもけっこうですけれ
ども、どのぐらい
失業者が出て、一体どういう
状態になるか、
一つお聞かせ願いたい。