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1963-02-20 第43回国会 衆議院 商工委員会石油に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員会
は
昭和
三十八年一月三十日(水曜日)
委員会
において設置することに決した。 一月三十日 本小
委員
は
委員長
の
指名
で次の
通り
選任された。
小川
平二
君
岡本
茂君
神田
博君
首藤
新八
君
始関
伊平
君 白浜 仁吉君
田中
榮一
君
中川
俊思君
早
稻田柳右エ門
君
板川
正吾
君
岡田
利春
君
田中
武夫
君 多
賀谷真稔
君 松平 忠久君
伊藤卯四郎
君 同日
小川平二
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に選任さ れた。 —
——
——
——
——
——
——
——
——
——
——
昭和
三十八年二月二十日(水曜日) 午後一時十四分
開議
出席小委員
小
委員長
小川
平二
君
岡本
茂君
神田
博君
首藤
新八
君
始関
伊平
君
田中
榮一
君
中川
俊思君
早
稻田柳右エ門
君
板川
正吾
君
岡田
利春
君
田中
武夫
君
伊藤卯四郎
君
出席政府委員
通商産業政務次
官
廣瀬
正雄君
通商産業事務官
(
鉱山局長
)
川出
千速君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した案件
石油
に関する件(
石油産業
の
現状等
)
——
——
◇—
——
——
小川平二
1
○
小川
小
委員長
これより
商工委員会石油
に関する小
委員会
を開会いたします。
石油
に関する件について
調査
を進めます。 まず、
石油産業
の
現状等
について、
政府
より
説明
を聴取いたします。
川出鉱山局長
。
川出千速
2
○
川出政府委員
資料
の御要求がございましたので、お
手元
に「
石油事情資料
」
——
これはごく最近のデータに基づきまして印刷、でき上がったばかりでございますが、それに
わが国
だけではなくて、
世界
の
石油
も含めまして、
資料
が載せてございます。それから当面の問題としまして、
石油
の
需給
の
見通し
の
資料
、
標準価格
の
資料
を別に配付してございます。
石油
の
概況
ということでございますが、
石油業法施行
後の
概況
をごく簡単に御
説明
いたしたいと思います。御
承知
の
通り
、
石油業法
は、
事業許可制
、
設備許可制
、
生産計画
の
届出制
、それに対する
勧告制
、
標準価格制
、以上の
行政
を統括するための
石油
の五カ年の
供給計画
の
樹立
というようなかまえになっておるわけでございます。昨年
石油業法
が施行されまして、
石油審議会
を何回も開き、
事業許可
、
設備許可
をやって参りました。
事業許可
につきましては、九州
石油
を一件認めております。
設備許可
につきましては、十七件認めておりまして、能力として四十万バーレル近い
設備
を認めておる次第でございます。 次に、
標準価格
の問題でございますが、
石油業法
十五条に、お
手元
に配付した
資料
にございますように、「
石油製品
の
価格
が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合において、
石油
の安定的かつ低廉な
供給
を確保するため特に必要があると認めるときは、
石油製品
の
生産費
又は
輸入価格
を基準とし、
石油製品
の
国際価格
その他の
経済事情
を参酌して、
石油精製業者
又は
石油輸入業者
の
石油製品
の
販売価格
の
標準額
を定めることができる。」という規定がございます。昨年の十月から
原油
は
自由化
されたわけでございますが、
自由化
以前から、
自由化
を前にいたしまして
販売競争
が非常に激化いたしまして、
石油製品
の
価格
は急激に低下してきたわけでございます。二、三年前から
低下傾向
にございましたが、昨年に入りましてから一段とその度がはなはだしくなりまして、たとえば
C重油
につきましても、五千円台のものが出だしている。
ガソリン
につきましても、コストを大幅に割って乱売されるということが顕著になって参りました。そのまま放置いたしますと、
石油産業
の健全な発達を阻害するばかりではなくて、
関連産業
あるいは
消費者
にも非常な御迷惑をかけることが明らかになったものですから、
石油審議会
に諮りました末、いろいろ議論がございましたが、九千八百五十円という
石油製品
の原価べースをもとにいたしまして、
ガソリン
一万一千三百円、
C重油
六千八百円という
標準価格
をきめたわけでございます。
標準価格
はきめたわけでございますが、その
実施
の
状況——
これは
公定価格
でもございませんし、
精製会社
と
消費者
、買手との間の
商談
が続行されておるわけでございまして、現在まだ
商談
中のものもかなりたくさんあるように聞いておる次第でございます。なお、
標準価格
につきましては、後ほど御
質問
があるかと存じますので、そのときに
お答え
したいと存ずる次第でございます。 次に、最近の
石油
の
需給
の
見通し
でございますが、これはお
手元
に配付してございます
資料
を見ていただくとわかりますように、三十七年度の
計画
と
見通し
というものがございます。
計画
は、
石油業法
に基づきまして
供給計画
をつくっておるわけでございますが、
供給計画
をつくった際の
需要
の
見通し
でございます。
供給計画そのもの
は、
在庫補てん
その他がございますので、この
数字
よりも上回っておる次第でございます。その
計画
と
見通し
、これは最近だんだんはっきりしてきたわけでございますが、当初の
計画
よりもかなりの
需要
の
増加
が見られるわけでございます。その主たる理由は、
異常渇水
による
電力川向け
の
重油
の
需要
の
増加
が
一つ
ございます。それからもう
一つ
は、
石油化学
の伸びが当初の
見通し
よりも
増加
をしまして、従って、その
原料
のナフサの
需要
が
増加
しているわけでございます。これは、
年間
を通じますと、当初の
見通し
よりそれほどふえておるわけではございませんが、上下に分けますと、下期において非常な
需要
の
増加
を見せておる次第でございます。 それから
灯油
、これはいろいろストーブの普及あるいは
異常寒波等
によりまして、
灯油
の
需要
が予想以上にふえておるわけでございます。昨年の末にその状態がはっきりして参りましたので、これに対する処置といたしまして、まず
増産措置
をとった次第でございます。これは従来の
計画
に対して六%の
増産
で、これは一月−三月でとることにして、現に
増産
をしておるわけでございます。 それから、
石油化学原料
につきましては、
増産
すると同時に、
得率
を上げて、その
需給
の緩和に努めておるわけでございます。なお、
電油
、
灯油
につきましては、
外貨割当
を緊急にいたしまして、
緊急輸入
に努めまして、おおむね現在は
需給
のバランスがとれておる次第でございます。それが現在当面しております
需給
問題でございます。 その次に、
海外開発原油
及び
国産原油
の
引き取り
問題について、概略を御
説明
申し上げます。
アラビヤ石油
の
引き取り
問題について御
説明
申し上げますと、昨年の十月からいわゆる一千万キロ
ベース
の
生産
にたどりついたわけでございますが、この
引き取り
問題が大へんもめたわけでございますが、
石油審議会等
に諮りまして、
供給計画
に織り込み、三十七年度の
アラビヤ石油
の
数量
を五百万キロというようにきめて、各
精製会社
はそれに
努力
しておるわけでございます。五百万キロと申しますと、十月以降毎月六十万キロ
ベース
を基礎にして算出した
数量
でございますが、五百万キロきまる時期が若干ずれたためもございまして、現在のところの
見通し
は、五百万キロには達しませんが、当初予想したよりも好成績をおさめております。たとえば一月の
船積み実績
は、六十万キロをオーバーしております。四百数十万キロ、三十七年度中に
引き取り
が完了するものと見られております。なお、三十八年、三十九年につきましては
——
今後三十八年につきましては
供給計画
で正式にきまるわけですが、昨年の
石油審議会
では、一応三十八年度は八百万キロ、三十九年度は一千万キロというふうにきまっておる次第でございます。 それから
北スマトラ
の方は、これは量も少のうございますので、円滑に
引き取り
が行なわれておる次第でございます。
国産原油
につきましては、
数字
は九十万キロを若干割るくらいの
年間
の
生産量
でございますが、この
引き取り
問題につきましては、
海外
からの
輸入原油
の
価格
と
国産原油
の
価格
が千円くらい開きがございますので、過去においても非常に
引き取り
問題は難航して参った次第でございます。現在、三十七年度中は、
山元
六千円で引き取るという話がついておりましたが、三十八年度について見込みが立たないというところに問題があったわけでございますが、
通産省
も中に入りまして、
精製業者側
と
国産原油
を産出している側と話し合いがつきまして、三十八年度一
年間
、本年の四月から来年の三月末日まで、従来
通り山元
六千円で引き取るということが
決定
をされたわけでございます。なお、三十九年度以降の問題については未定でございますので、この問題についてどういうふうな
長期
的な
対策
を立てるかということが、今後の問題かと存ずる次第でございます。
石油
につきましては、そのほかいろいろ問題がございますが、一応
現状
を御
説明
申し上げた次第でございます。
小川平二
3
○
小川
小
委員長
以上で
説明
は終わりました。 質疑の通告がありますので、これを許します。
岡本茂
君。
岡本茂
4
○
岡本
(茂)小
委員
私は、この
石油政策
を中心として、おもな問題について数点お尋ねしたいと思います。もっとも、この
石油小委員会
には私初めて出たようなわけで、あるいは他の
委員
との
質問事項
が重複する点があるかもしれませんが、
一つ
御容赦願いたいと思います。 第一には、
総合エネルギー政策
の
確立
の問題であります。これは次行にお尋ねしたいのですが、
総合エネルギー政策確立
の
必要性
ということは、今さらちょうちょうするまでもないわけであります。昨年
石油業法
を
審議
するにあたりまして、われわれ
自民党
の
総務会
におきましても、これを
条件
として
決定
を見た。なおまた、同じく本院では、
石油業法
を
審議
決定
するにあたりまして、
附帯決議
を付しておるわけであります。その後、どういう
経過
で進んでおりますか。どうもわれわれの見るところでは、遅々としてはかどらない。
産業構造調査会
の
エネルギー部会
で
研究
中というようなことを聞いておりますが、どの程度具体化しておるのであるか、一向進捗していないような気がするわけであります。もとより、これは非常にむずかしい問題であるということはわかります。これは
世界各国
を見ましても、それほど
総合政策
の
確立
しておるところはない。わずかにフランスが
総合政策
などを立てて、第二次五カ年
計画
というものを
実施
中であります。ドイツでは、総合
計画
なるものはない。アメリカでは、一昨年になってようやく上院でこれに関する
委員会
を設けたというような程度でありますから、むずかしいことはわかりますけれども、
エネルギー革命
が進行中でございます。この
総合対策
の
樹立
が一日おくれれば、
悔い
を百年に残すわけであります。すみやかに
総合政策
を立てる必要があると思います。これについての
経過
並びにお
考え
を次官から伺いたいと思います。
廣瀬正雄
5
○
廣瀬
(正)
政府委員
ただいま御
質問
の
総合エネルギー対策
でございますが、何と申しましても、
エネルギー
は
炭業
の基盤をなすものでございまして、ことに当
委員会
といたしましては、
石油業法
の御
審議
にあたりまして
附帯決議
をおつけになっておりまして、すみやかに
総合エネルギー
の
政策
を
確立
するようにというような御
趣旨
も賜わっておるわけでありますが、
石炭
問題でありますとか、あるいは
原子力
の将来の
見通し
でありますとかいうようなことに、
ひとり石油
ばかりではなくて、
関連
を持っておるのでありまして、
石炭
につきましては、御
承知
のように、
調査団
の
答中等
に基づきまして、内閣におきましても、将来の
見通し
をつけまして、それぞれ
対策
を
樹立
しておりますけれども、総合的な
エネルギー
の
政策
につきましては、ただいまお話のうもにもありましたように、
通産省
といたしましては、事きわめて重大であるということは
十分認識
をいたしておりますので、
産業構造調査会
の一部門といたしまして、
総合エネルギー対策
の小
委員会
をつくりまして、真剣に今
検討
いたしておりますけれども、まだ
研究調査
の過程にあるのでありまして、このような
お答え
をしなければならないととはまことに申しわけないと存じておりますけれども、これという結論には達していないのでございます。しかし、御
趣旨
を体しまして、十分督励いたしまして、一日ゆるがせにすれば
悔い
を長年に残すというようなことになるわけでございますから、その辺を十分
考え
まして、
一つ
促進して参りたいと、かように
考え
ております。
岡本茂
6
○
岡本
(茂)小
委員
今の
エネルギー部会
というような
組織
で、十分やれるのかどうか、このことを
一つ
検討
しなければならぬ。それから大体の
目標
を立てなければいかんと思う。一年なら一年、二年なら二年でこれを立てる。これは、相変わらず
検討
中では、どういうことか、下手な
考え
休むに似たり、全くしないじゃないかと言われても仕方がない。だから、具体的に
目標年次
でもきめて、今の
組織
で十分なのか。十分でなければ、さらにしっかりした
組織
をつくるということが必要じゃないか。これに対する御所見を伺いたい。
廣瀬正雄
7
○
廣瀬
(正)
政府委員
御
指摘
の
通り
だと思うのであります。しかし、決して等閑には付しておりませんので、
毎日研究
は続けておるわけでございますが、御
質問
に
お答え
するよすがともなろうかと思いますので、もし御希望でございますならば、
調査会
の作業の進め方、現在の
段階
においてどういうようなところまで到達しておるかということを、
担当官
を出席させまして御
説明
に当たらしてもいいと思います。
岡本茂
8
○
岡本
(茂)小
委員
目標
とか、この
組織
で十分なのかということを聞いておるわけです。
廣瀬正雄
9
○
廣瀬
(正)
政府委員
私は、
産業構造調査会
の一部に、特にそういうことを設けてやっておりますので、現在の
機構
で間に合っておるんじゃないかと思っております。
岡本茂
10
○
岡本
(茂)小
委員
今の
お答え
については、必ずしも満足しないのです。どうか真剣に
検討
を加えて、不十分であれば、
組織
の
編成
がえも行ない、
目標年次
をつくって、お進め願いたい。 次に、第二の問題といたしましては、
総合対策
が
確立
しないまでも、
燃料行政
を一元化する、総合的にやる必要があるので、それにつきましては、私は、
産業行政
との
関連
もあるから、必ずしもイギリスの
動力省
のようなものは必要としないと思いますが、少なくとも
通産省
の省内にある各局を一本にして、
燃料行政
を管掌するというようなものをつくる必要があるんじゃないか。今それが四分五裂しておるというか、
電力
は
公益事業局
、
石炭
は
石炭局
、あるいは
石油
は
鉱山局
、
天然ガス
は
鉱山局
、
電力
のうちでも
原子力
は、また他の省の所管に属するわけです。
政策
が四分五裂している。これでは強力な
施策
を
実施
することはできない。ですから、
通産省
の中で少なくともこれを一元化するというような
機構
を設ける必要があると思うのですが、これに対するお
考え
はいかがですか。
廣瀬正雄
11
○
廣瀬
(正)
政府委員
総合エネルギー対策
の
検討
、
確立
とともに、並行いたしまして当然
考え
なくちゃいけない
重大課題
だと思いますので、
役所
におきましても十分
検討
いたしたいと思います。
岡本茂
12
○
岡本
(茂)小
委員
この点については、
池田総理
が、何か
燃料省
のようなものをつくるということを言明されたように伺っておるのでございますが、そういう事実がございますか。
廣瀬正雄
13
○
廣瀬
(正)
政府委員
まだ私は、正式には
役所
を通じてそういうようなことは聞いておりません。
岡本茂
14
○
岡本
(茂)小
委員
私は、ラジオか何かでそういうことを聞いておる。だから、勉強していただいて、そういう意向が
総理
にあれば、推進していただきたい、こう思います。 それから、その問題はそのくらいにしておきまして、三番目には、いわゆる
特殊原油
、すなわち
カフジ原油
なり
国産原油
の
長期
引き取り
対策
についてお伺いしたいのです。
アラビア石油
あるいは
スマトラ石油
、さらに
国産原油
というようなものは、日本の
石油産業
が
自主性
を保持する上からいいましても、あるいは
巨額
の
外貨
を節約する上からいいましても、また、国の
安全保障
という建前からいいましても、極力
増産
、
開発
に努めなければならぬものであります。それには、しかし、前提があるわけでございまして、
長期
にわたる恒久的な
引き取り
保障
ということがなければならぬ。そこで、われわれといたしましては、昨年、
石油業法
の通過にあたりまして、
附帯決議
といたしまして、一元的の
買い取り機関
を設置することを
決定
したのであります。参議院においても、同様でございます。しかも、われわれの
附帯決議
の重点は、ここにあったのでございますが、これに対して、結局実現を見ない。そうして今も
経過報告
がありましたが、三十八年度は、
精製
三社に
従前通り
の
価格
で引き取らすというようなことをきめたとおっしゃったのでございます。また、
アラビア石油
についても、三十八年度は五百万トン頭打ちというようなことで、一年限りのその場の
がれ
の
措置
しかできていない。これでは安心して
開発
の仕事を進めるわけにはいかない。手近にこういう有利な資源を抱きながら、これを
開発
できないということは、まことに遺憾な話です。これは
政策
の
貧困
によると言われても仕方がないのじゃないかと思う。
石炭鉱業
なんかには、御
承知
のように、
巨額
の
国家資金
を投じておる。この数年でおそらく二千億くらい使うのではないかといわれるのでございますが、それに対して、
石油
に投入する
資金
は、まことに微々たるもので、ゼロにひとしいのでございます。この際、思い切って
引き取り
のために
抜本策
を講じてもらいたい、かように
考え
るわけであります。三十八年度は、わずかにあっせんあるいは
行政指導
というようなことで一時を弥縫されたのではございますが、そういうことでは、私は恒久的な
燃料施策
を推進するわけにはいかないと思う。これに対するお
考え
をこの際承りたい。これは
抜本策
を立てていただきたい。なお、三十九年度以降の御
計画
なり、
見通し
についてお伺いしたいと思います。
廣瀬正雄
15
○
廣瀬
(正)
政府委員
国産原油
の
開発
につきましては、御
指摘
の
通り
でありまして、大いにやらなければならぬわけでございますが、それについては、何と申しましても
引き取り
ということがきわめて重大な要素をなすわけであります。そこで、
国産原油
を含めました
特殊原油
の取き
取り
について、抜本的な
引き取り
機関
をつくるべきだという御
意見
で、
石油業法
の成立にあたりましても、御
決議
を賜っております。
役所
といたしましては、いろいろ
検討
を続けたわけでございますが、さしあたり
昭和
三十七年度、三十八年度の
国産原油
の
引き取り
について、先刻
鉱山局長
から御
説明
をいたしました
通り
でございまして、
局長
、
課長
の非常な
努力
によりまして、三十八年度までは、
行政指導
によってどうやら
国産原油
の
引き取り
の
見通し
が立ったわけでございます。しかし、三十八年度の
行政指導
によって
引き取り
を受講してもらうということにつきましては、
業者
の方におきましても、三十九年度からはぜひとも抜本的な、恒久的な
対策
を立ててもらいたいというような、いわば
条件
がついておることなんです。
役所
といたしましても、
昭和
三十八年度からさような
機関
を設けたいということで、すでに御
承知
だと思いますけれども、四つの案のうち、
安定基金
という構想で、大体百三十億であったと記憶いたしておりますが、その
基金
でそのような
機関
を設けたいということでずいぶん張り切って
努力
いたしたのでございますけれども、いろいろ
政府内部
におきまして思想の統一ができませずして、
引き取り
については、
行政指導
によらざるを得ないというような結果になったのであります。しかし、大臣におきましても、私どもにおきましても、三十九年度からはぜひとも何らかの安定的な、恒久的な
引き取り
機関
、おそらく
安定基金
という形になるのじゃないかと思っておりますが、
明年度
の
課題
といたしまして、三十九年度からさような
機関
を設けることに
十分熱意
を持って、御期待に沿うような成果を上げたい、かように
目標
を定めて進んでおるわけでございます。
岡本茂
16
○
岡本
(茂)小
委員
今の御答弁でございますが、私は、三十八年度の
引き取り
について、
局長
、
課長
それぞれ御
努力
になったことは認めますけれども、しかし、われわれ
自民党
の中で
予算編成
をやります道程において、
関税
の一部を還付するという案を立てて
編成会議
に臨んだ。その
趣旨
はいいけれども、しかし
やり方
はどうかということで、
やり方
に難色かあって、十二月末の
予算編成
の
最終
の
会議
において、
やり方
を変えてくれば、納得できるような
やり方
で持ってくれば認めるというようなことであったわけであります。ところが、そういう
政務調査会
あるいは
政府筋
を納得さすだけの
施策
を打ち出さないで、結局一
年間
その場の
がれ
ということになっておる。これについて、私は、はなはだしく何というか、無力というか、
熱意
を疑うわけでございます。そこで一本くぎをさしておきたいのは、こういうことも含めた
買い取り機関
、あるいはこういう
関税還付
というようなことも含めた
抜本策
を、今おっしゃったように三十九年度においてはぜひ実現するという
確信
をお持ちですか、どうですか。
廣瀬正雄
17
○
廣瀬
(正)
政府委員
御
指摘
のように、この問題につきしては、
自民党
の皆さん方非常に御
熱意
を持たれまして、私ども御鞭撻いただいたわけであります。
最終
の
予算審議
の
段階
におきましても、
政調会
でありますとか、あるいは閣議でありますとかで、一応の
課題
にしていただいたのであります。社会党さんもおそらく全く同じ御
意見
であろうかと思いますが、そういうわけで、問題は
政府
だけだということになったわけでございまして、三十九年度からは、
国産原油
の
引き取り
につきましては、
確信
を持ってそのような
機関
を設置するように進めて参りたい、かように
考え
ておるわけでございます。
岡本茂
18
○
岡本
(茂)小
委員
われわれも与野党一致してバック・アップをいたしますから、
一つ自信
を持って来年度は実現するように、御
努力
をお願い申し上げます。 それからその次には、
海外開発原油
なり
国産原油
の
開発計画
、並びにこれに対する
助成措置
について伺いたい。これも
引き取り
保障
と並んで重要な問題でございます。今や
わが国
の
石油需要
というものは、この十
年間
に四倍になっておる。総
エネルギー
の六%を占めるというようなことでございまして、
石油
の
エネルギー界
に占めるウエートというものは、非常に加重しておるわけであります。いわば
燃料
の大宗と言ってもいいと思うのであります。それに対する
政府
の
施策
というものは、私は、まことに
貧困
きわまるものであると思う。今わずかに
開発
の緒に着いた
原子力
に対して、どれだけの
予算
を投入しておるか、どれだけの
財政投融資
をしておるか。あるいは
石炭
には、先ほど申し上げましたように、数千億の金が投入せられるわけであります。それに対して
石油
は、ことしはわずかに四億の
政府出資
と十億の
政府保証債
、これだけしかないわけであります。まことに貧弱で、言うに足りない。これは
石油行政
の
貧困
と言うも過言ではないと思う。諸外国の例なんかも十分おわかりのことと思いますが、
石油
の
重要性
にかんがみて、それにふさわしいだけの
低利長期
の
国家資金
を投入する、あるいは
一般会計
の支出をするというようなことをお
考え
願いたい。これまた、この際思い切って大きな、強力な
助成政策
をとっていただきたい。これに対するお
考え
を伺いたいと思います。
川出千速
19
○
川出政府委員
海外
の
開発原油
、すなわち
カフジ原油
でございますが、これは数百億の投資をしまして、一千万キロ
ベース
に達したわけであります。これには、国の
資金
も百億以上出ているわけであります。
輸出入銀行
からの融資でございます。 それでは、今後それがどのくらいさらに
生産
がふえていくかということでございますけれども、
カフジ原油
の
協定面積
はまだだいぶ残されておりまして、まだ余地があるかと思います。現在は、さしあたって一千万キロ
ベース
に達して一休みというところではないかと思います。 それから
北スマトラ
の方は、十
年間
で五百六十万キロの
原油
を無償で購入するという、当初からの契約になっております。そのほかにプラス・アルファといたしまして、
有償分
の
原油
を購入することになっておるわけでございます。現在のところ、大体
計画通り
に進んでおると思います。 それから
国産原油
でございますが、これは
原油
及び可燃性
天然ガス
資源
開発
審議
会というものが
通産省
に設けられておりますが、そこの
決議
によりまして、第二次五カ年
計画
を一昨年策定したわけでございます。それによりますと、
昭和
四十一年に百五万キロに
国産原油
を持っていくという
計画
になっております。現在その
計画
以上に
生産
が進んでおりまして、その
計画
によりますと、
昭和
三十八年が約八十万キロでございますけれども、
昭和
三十七年におきまして、すでに八十七万キロ程度に伸びているわけでございます。 なお、国の
石油
資源会社等に対する出資なり
資金
援助が不足ではないかという御
指摘
は、私もさように思っておるわけでございまして、今後とも
努力
をしたいと
考え
ておる次第でございます。
岡本茂
20
○
岡本
(茂)小
委員
アラビア石油
に投入せられた
資金
のことはわかりますが、これまた問題なんです。先ほどの問題に返るわけですけれども、来年度以降の
開発計画
というものは、これは能力を十二分に発揮するならば、一千万キロから二千万キロに至るのも決して難事ではない。それがうまくいかない。それはやはり
引き取り
がうまくいかぬから、そういうことに恒久策が
確立
されておらぬから、この点は別に御答弁は要りませんけれども、重ねてお願いをいたしておきます。 なお、
国産原油
についての百五万キロ云々、第二次五カ年
計画
のことはわかりますが、しかし、ことしといいますか、三十八年度の
予算
査定を見ましても、これは前年度と同じであります。前年度の
政府出資
四億、一文もふえておらぬのですよ。それから
政府保証債
が十億、同じである。五カ年
計画
によれば、ことしは三億ふやしておるはずです。二十四億を二十七億にふやしておる。それが
政府出資
が二億削減を見ておるわけですが、それでも予定の
通り
の
開発
ができるのでありますか、いかがですか。
川出千速
21
○
川出政府委員
第二次の五カ年
計画
によりますと、なるべくすみやかに自立態勢をすべきであるということになっておるわけでございます。自立態勢と申しますと、
開発
された
原油
の販売をもってできるだけ早く探鉱費を自弁していくということになっておるわけでございます。それで出資の方は、当初
石油
資源がスタートをしたときには、相当
巨額
の出資を毎年重ねて参りました。現在までに
政府
のみの出資が九十億をこえておるわけでございます。今後は出資の方はあまり期待できないというのが、第二次の五カ年
計画
のときの内容になっておる次第でございます。ただし、これには前程の
条件
がございまして、
開発
された
原油
が適正な
価格
で販売できるということが前提になっております。その収入をもって、さらに探鉱あるいは
開発
をしていくということでございます。それから
開発
に関する
資金
の援助は、これは融資でよろしいわけでございますので、
政府
保証による市中金融の調達、あるいは場合によれば
開発
銀行からの融資ということが
考え
られる次第でございます。 最後に御
質問
の、現在の
政府出資
四億、
政府
保証十億で既定の事業
計画
ができるかどうかという点については、現在
検討
をしておりまして、ここではっきりと御答弁できないわけでございます。
岡本茂
22
○
岡本
(茂)小
委員
二億削減されれば、それだけ事業量が減るわけで、それでなければ、要求が水増ししておったということに落ちつくのだから、それだけの支障は当然来たすことと思います。正直いってそうだと思います。ですから、そういうことにならぬように、強力な
石油政策
を打ち立てていかたければいかぬ、もっとも、大蔵官僚というような無理解なのもおって
——
われわれも常に痛感するところであります、しかし、われわれも大いに援助をいたしますから、
政府
としても、もう少し思い切ってやっていただきたいということを申し上げておきます。 その次には、貯油、いわゆる備蓄の問題でございます。これは
世界
的に変動があったというような場合に、国の
安全保障
を保つ上からいいまして、何カ月分かの
燃料
を貯蔵することが必要だろうと思う。これは、もとの海軍の
燃料
政策
等を
考え
てもわかることでございます。若干の貯備は必要だと思うのですが、これについての
政府
の所見はいかがでございますか。もしこれができないというならば、どこにその原因があるかということをあわせて御答弁いただきたい。
川出千速
23
○
川出政府委員
現在、
原油
並びに
石油製品
の貯油の能力は、製品の種類によって違いますが、おおむね二十日から三十四、五日の間の能力を持っておるわけでございます。ただ、ヨーロッパあたりですと、これは日本と国情が違うせいかもしれませんが、六十日くらいの貯油を持っておる国が多いように聞いております。あるいはフランスのように、貯油を法律上強制をしておるところもございます。 さて、日本の場合にどう
考え
るかということでございますが、これは
産業構造調査会
の総合
エネルギー部会
でも現在
検討
中でございまして、そのためにどのくらいの経費がかかるかという試算をしておるわけでございますが、この試算によりますと、かりに一カ月分の貯油
設備
を設けようといたしますと、約三百億くらいの
設備
費がかかるわけでございます。そのほかに、ストックをしておる油の金利等を
考え
ますと、さらに経費が増高するわけでございまして、
石油
一キロ当たりのコスト・アップという点では、たとえば五百円とか、もっと高かったかと記憶いたしますが、相当伺いものになる。
資金
の調達についても、あるいは
石油製品
の
価格
が高くなるという面についても、問題があるので、今後
総合エネルギー政策
の結論を出す際に、これをどう処理するかということで、現在
検討
中でございます。
岡本茂
24
○
岡本
(茂)小
委員
ただいまの備蓄の問題は、これは将来の
課題
として御
検討
願いたいと思います。 次には、先ほど御報告になりました
標準価格
の問題でございますが、
標準価格
設定以後の推移といいますか、これは、業界が順調な推移をたどっておるのであるかどうか。それから、この
標準価格
というものは大体いつまで据え置かれるのであるか、この点を伺いたい。
川出千速
25
○
川出政府委員
標準価格
を昨年の暮れに設けたわけでございますが、これは
公定価格
ではないわけでございまして、法的拘束力もないわけでございますが、現在なお
商談
中でございます。
電力
につきましては、
標準価格
は六千八百円でございましたが、六千五百円で話がつき、昨年の十二月からさかのぼって
実施
をするということでございますが、鉄鋼、セメント、その他については、現在
商談
中でございます。なお、
ガソリン
につきましても、これは鹿瀬政務次官の試案によりまして、ハイヤー、タクシー業界との話がついておるわけでございます。その他いろいろなものについては、
商談
中のものが相当たくさんあるというように聞いてはおる次第でございます。 それから、
標準価格
をいつまで
実施
するかということでございますが、
標準価格制
度というものは、
石油製品
の
価格
が不当に暴騰するおそれがある場合、あるいは暴落するおそれがある場合に限定をしてやる制度でございまして、恒久制度ではない、一時的な制度でございますので、そういう事態がなくなれば、当然廃止すべきものと
考え
ております。
岡本茂
26
○
岡本
(茂)小
委員
標準価格
については、
板川
委員
からも後刻御質疑があるようでございますから、私はこれまでにとどめておきます。 ただ、
燃料行政
を大観いたしまして、
石油
に対する
施策
がどうも足りないと見るのは、これは私ばかりではないと思うのであります。それについては、私は
政府
に猛反省の必要があると思う。きょうは大臣も見えておりませんけれども、どうか
一つ
十分御
検討
いただきまして、強力な
施策
を打ち立てていただきたい。これだけ希望いたしまして、私の
質問
を終わります。
小川平二
27
○
小川
小
委員長
板川
正吾
君。
板川正吾
28
○
板川
小
委員
大体基本的な方向については、
岡本
委員
から先に
質問
されましたから、あえてダブって
質問
する必要はない。ただ
一つ
私も強調しておきたいのは、実はきょう、
予算
委員会
でも、私、大臣に
石油行政
、
エネルギー
行政
について抜本的な方向というのを
政府
は打ち出すべきじゃないかということを
質問
した。大臣も同感で、三十九年度には必ず
一つ
そうする、こういうことを言っておるんですが、その際にも申し上げたんですが、
エネルギー
行政
というのは、今非常な変革期にあって、またある意味で、将来の
エネルギー
というものを
考え
るならば、今はちょうど終戦後の東京都みたいなものだと思うのです。終戦後の東京都の場合には、当時、将来の交通というのを
考え
て都市
計画
を立て、国家と言っちゃおかしいですが、都市百年のことを
考え
て、道路
計画
をあの当時実は立てたんです。りっぱな近代部市として東京を再建するんだということで、われわれも、当時民間にあったんですが、いろいろ
資料
を提出して、その問題に若干タッチしたこともあったんです。ところが、その後も東京都知事の
考え
方によって、地方に分散して焼け出された人が流入するのはいい、バラックといっても、掘立小屋で住んでいる程度まではいいんだ、将来、
計画
を立てて道路を敷くときにはといてもらうんだ、そういうことだから、当面入ってきてもいいということで妥協したんです。進駐軍の方も、西ドイツの復興というのはなかなか遅々として進まない。東京は、マッカーサーの手腕ということもあって、早く回復したという形をとろうとしたのだろうと思うのですが、妥協が行なおれて、どんどん地方から流入、転入を許したんですね。許しちゃったら、今度は道路をつくりたいからどいてくれというわけにいかなくなっちゃった。それで現在の東京都の交通の実態となっているんですね。スモッグが出る。交通途絶の状態がひんぴんとして起こる。あと数
年間
たったら、都市交通というのは、常時麻痺状態だ、こういうことになる。後藤新平さんが、大震災の面後、大ぶろしきだといわれた道路
計画
をつくった。実際あの数十年前に、後藤新平さんの抱負をもっと生かしておればよかったんですが、その何十
年間
おくれた戦災の後でも、その
考え
がなかったんですね。だから、今交通面で、東京都というものが非常な動脈硬化にかかっているような状態だと思うんです。とれと同じようなことが、私は、この
エネルギー
行政
に言われるんじゃないか。だから、この変革期の今にして、十年後、二十年後の将来を
考え
て、そして
エネルギー
行政
というものの大本を示しておかないと、あと十年たったら、もう
政府
はどうやろうと、われわれがどうやろうと、処置ない状態に
エネルギー
行政
はなっていっちゃうんじゃないか、こう思うんです。今
岡本
委員
が言われましたように、あと十年たつと、総
エネルギー
の三分の二は
石油
になりますね。その三分の二の九九%幾つは、輸入
エネルギー
になるんです。三分の二のうちの圧倒的多数が、輸入されることになるんですね。今その輸入はどうかというと、国際
石油
資本系が牛耳っておるという状態です。戦後から今日まで、
政府
の
エネルギー
行政
というものが、
石炭
を中心でとりあえず行なわれた。それに
電力
がプラスされて、
石炭
、
電力
が中心になってきた。ですから、
石炭
と
電力
に対して、国が相当の
資金
的な援助をして参りました。これは御
承知
の
通り
です。しかし、今度は、かつての
石炭
よりも重要な役割を果たす
石油政策
に対して、国が全然
資金
的な
対策
というものを
考え
ておらない。外国資本に一切まかせっきりという状態なんです。だから、この一切まかせっきりという状態があと十
年間
も続いたら、これはもう日本は手の打ちようのない、一切国際
石油
資本の支配下に日本の経済というものは置かれるということになると思うのです。ですから、私は、
石油業法
のときにも申し上げましたが、この辺で
政府
が将来に対する
見通し
を立てて、そうして十年後、二十年後
悔い
のない
エネルギー
行政
というものを
確立
しなければないかぬじゃないか、その時期じゃないか、こう思うのです。これに対して、
石油
の専門家の
廣瀬
次官の御
意見
はどうです。
廣瀬正雄
29
○
廣瀬
(正)
政府委員
全く御
指摘
の
通り
だと思うのでありまして、
エネルギー
行政
につきましても、総合的な
見通し
をつけまして
対策
を
確立
するということは、きわめて必要なことだと思うのでございます。御
指摘
のように、かつては
石炭
が
エネルギー
の中心でありましたのが、ただいまは
石油
にとってかわられんとしておりますやさきでございますし、また、
原子力
の問題等もあるわけでありますが、そういうようなことにつきましては、私、
板川
委員
と全く感を同じくするわけであります。そうしたことをいろいろ勘案いたしまして、先刻申しましたように、
通産省
におきましては、
産業構造調査会
の
エネルギー部会
におきまして、真剣な
検討
を続けておるわけでありまして、まさに今は、
エネルギー
対策
といたしましては、ほんとうに変革期であろうかと思うのであります。きわめて重要な変革期であろうかと思いますので、御
趣旨
を体しまして、すみやかにそうした
見通し
をつけて
対策
を
樹立
すべく
努力
いたしたいと思っております。
板川正吾
30
○
板川
小
委員
これはけんとうに
悔い
を千載に残さないためにも、ぜひ真剣な
検討
をしてもらいたいと思うのです。 きょう、私が伺いたいと思ったのは、
標準価格
の問題ですが、先ほど
局長
の
説明
もありましたように、
標準価格
は、
石油業法
十五条によって、不当に高騰しまたは下落するおそれがある場合に、通産大臣は、
石油
の安定
供給
確保のために
石油審議会
に諮って、その答申によってきめる、こういうことになっております。そこで
石油審議会
の答申を得て
標準価格
が設定を見たのは、御報告の
通り
ですが、この著しく不当に高騰または下落するおそれがなくなった場合には、
標準価格
をはずす、こういうこともただいまの
説明
の
通り
です。そこで一体この
現状
から
考え
て、いつごろその
石油
価格
の安定が得られると思っておるのでしょうか。大体いつごろはずせるような状態になる、こう思いますか。予想はありませんか。
川出千速
31
○
川出政府委員
私といたしましては、できるだけ早い時期にそういう
措置
がとれることを期待しておるわけでございますけれども、
現状
のところは、先ほど御
説明
申し上げましたように、なお
商談
中のところが相当多いわけでございまして、現在、それでは四月ごろやめることになるということを言明することが、非常に困難な事態でございます。今後の推移を見守っていきたいと思います。今は、その時期をはっきり申し上げられないのが、はなはだ遺憾だと思います。
板川正吾
32
○
板川
小
委員
今面談中で、はずすのだと言ったら、かえって不安定な状態を呼び起こすということになるかもしれませんが、一説によると、九月までは存続するというような説があるのですが、九月ごろまで存続することも
考え
ておるのですか。
川出千速
33
○
川出政府委員
こういう制度は、なるべく早くやめることが本来の
趣旨
でございますので、今から半年以上も
標準価格
を置いておくことがないように、
努力
をしたいと思っております。
板川正吾
34
○
板川
小
委員
わかりました。この
標準価格
を解消するといいますか、はずすときは、手続はどうなりますか。法律を見ると、はずすときの手続が十分じゃないように思うのですが、これは
石油審議会
に諮ってはずすのですか。それとも、軽微事項として、大臣の権限ではずすのですか。その手続はどうなりますか。
川出千速
35
○
川出政府委員
手続は、
通産省
の告示で
標準価格
を出しておりますので、その告示の廃止によって
標準価格
をやめることになるかと思います。
標準価格制
度は、非常に
需要
なことでございますので、当然
石油審議会
に諮らなけれげならないと存じております。
板川正吾
36
○
板川
小
委員
これは業法の中に、はずす場合には
石油審議会
にかけろということはないですね。あるいはそういう点は不備だったかもしれません。ないようです。だから、あるいは
石油審議会
に諮らずに
——
軽微事項は諮らなくてもいいといっていますから、大臣権限でやるのかと思ったのですが、はずすことは、常態に戻すことですから、そうかと思ったのですが、これはやはり
石油審議会
に諮って大臣が告示する。こういう内部的な手続と外に対する告示の手続と分けますが、
石油審議会
に諮って、それからやるのですね。どうですか。
川出千速
37
○
川出政府委員
標準価格制
度を
実施
する際に、
石油審議会
に諮ったわけでございますが、これは数回論議を重ね、なおかつ結論を得なくて、
石油審議会
の中に小
委員会
を設けまして、これも数回議論をした手続を経ておりますので、これを廃止するときには、法律には書いてございませんけれども、
石油審議会
に諮った方が妥当ではないかということを申し上げたのでございます。
板川正吾
38
○
板川
小
委員
では次に移りますが、最近
原油
のなまだきということが報道されております。特に三十八年度には、なまだきの承認ワクといいますか、これが非常にふえたというのですが、
原油
なまだきの利害得失といいますか、これはどういう点が非常に有利であり、経済的であり、どういう点が不利益であるか、そういう両面から
説明
を願いたいと思います。
川出千速
39
○
川出政府委員
原油
なまだきにつきまいしては、現在総合
エネルギー部会
でも議論をしているまっ最中でございまして、これは結論を出すのになかなかむずかしい問題かと存じます。なお、現実の問題といたしましては、昨年、小規模でございますが、
電力
会社で
原油
のなまだきの試験をいたしました。その結果は、技術的には可能である、それから経済的にも
重油
よりも安い場合が
考え
られるということでございますけれども、一応の結論が出ております。しかし、これを大規模に実用化した場合に、はたしてそういうことがいえるかどうかということが議論になって参りまして、本年はもっと規模を大きく、たとえば三十万キロくらいのなまだぎをする
計画
が、今進められております。これは、一社で三十万キロやるわけではございませんで、東京
電力
、中部
電力
、関西
電力
三社くらいでやろうという
計画
のように聞いておる次第でございます。その結果をもちまして、またはっきりとしたデータが出てくるのではないかと思います。
原油
のなまだきを、それでは大規模に進めていった場合にどうなるかということが問題になるかと思うわけでございますが、これも程度によりますが、かりに
電力
会社が、
重油
を使わないで、全部
原油
のなまだきにするという程々の大規模なことになりますと、これは
石油
精製会社
の立場からしますと、今の
設備
も過剰になるかもしれないわけでございます。今後、
石油製品
の
需要
の伸びの多くの部分は、
電力
の
重油
によって伸びていくわけでございます。これを直接
電力
会社が自家用として使っていくということになると、
石油
精製会社
の
設備
は、相対的に減少してくるわけでございます。そうなりますと、
重油
以外の
石油製品
の
価格
というものは、高くなければこれはやっていけないのではないか。あるいは
電力
会社用以外の
重油
の
消費者
の
価格
が上がってくるのではないか。その辺はまだこまかく
検討
しておりませんので、結論は差し控えたいと思いますが、いろいろ問題があるかと思います。従って、なまだきの規模にもよるわけでございまして、早急に結論を申し上げる
段階
ではないと
考え
ます。
板川正吾
40
○
板川
小
委員
技術的に見て、ソ連等では、
原油
なまだきが普通に行なわれておるというようなこともちょっと聞いたんです。別に危険性はない、経済的であるというようなことも聞いたのですが、外国では、発電会社の
原油
なまだきというものは、どの程度まで進んでおるか、わかりませんか。
川出千速
41
○
川出政府委員
ソ連のことは、私そういう話を寡聞にして聞いていないわけでございますが、ソ連はさておき、そのにかの国につきましては、
原油
なまだきという事例はないと思います。
板川正吾
42
○
板川
小
委員
私、ずっと前に、何か本で見たかしたと思うのですが、ソ連では非常に
原油
なまだきが進んでいる、それで実際は危険性はないのだ、こういうふうなことをいわれている。それはそれとして、三十万キロ三十八年度になまだきを承認するということになると、軽微な試験管的な試験の範囲から、やや実用に近い試験の範囲になろうと思う。この三十万キロが、試験をやった結果大丈夫ということになれば、私は、大体技術的には大丈夫であり、そして、もちろんその力が経済的であるという結論が生まれるのじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
川出千速
43
○
川出政府委員
実は、その点が現在のところでははっきりと申し上げにくいところでございまして、結果を見て御答弁したいと思います。
板川正吾
44
○
板川
小
委員
いずれこれは、三十八年度なまだきの試験をやった結果を見て結論を出すのが当然だと思います。これは予想ですが、しかし、この傾向は、将来
エネルギー
政策
と非常に
関連
を持ってくると思うのです。たとえば、先ほど
岡本
委員
も言われましたが、カフジの
原油
、あそこは、この前もちょっと言ったかと思うのですが、その近所には
世界
最大の油田がある。年産九千万キロも
生産
しているところがある。しかも、カフジの鉱区の近くに外国系の鉱区があって、どんどんそっちから掘っておる。同じ
石油
層をただ鉱区が通うだけで掘っておるという状態です。従って、このカフジの採掘権というものは、四十
年間
と、年限的に限度が切られておる。ですから、その期間内になるべくよけいに掘り出した方がいい、四十年たったら一応返すということになっておりますから。そうすると、カフジの
開発
をさらに進めれば、
年間
二千万キロあるい三千万キロも可能だろう、こういわれておる。そこで、二千万キロもとり得るならば、それだけ日本の
外貨
というものが節約をされるわけです。もちろんその全部、一〇〇%でなくても、半分近いものが
外貨
節約になる。膨大な金です。そこで、
カフジ原油
の
開発
というのは、国内
引き取り
が問題なのです。引取態勢さえ完備されるたらば、一千万キロでも二千万キロでも、これはやってできないはずはないという実情にあるのです。なるほど、この
原油
のなまだきを
電力
会社にまかせるということは
——
全部まかせるということは、他の
精製会社
に影響があるでしょう。すぐやることは影響がありますが、しかし、年々一千万キロ以上
——
大体一千万キロからふえていくのですからね。ですから、ふえていくものの半分、たとえば一千万キロふえるなら五百万キロというようなものを、たとえば将来なまだきにし、
電力
会社にまかせるというようなことがあっても、
石油
精製
設備
が過剰になってしまうということはないと思うのです。そのために
石油業法
で許可をするようになっておるので、調整できると思う。これは将来の構想ですが、そういうこともあり得ると思うのです。問題は、カフジの
開発
というのは、引取態勢いかんということになるのですから、引取態勢は、そういう方向をとれば、私はないでもない、こう思うのです。ですから、
一つ
この三十万キロ・リットルのなまだきの試験の結果を
見通し
て、そういう方向の
政策
というものを
考え
ていくべきじゃないか、こう思いますが、その点についての
意見
を一応承りましょう。
川出千速
45
○
川出政府委員
その点は、今度の三十八年に行ないますなまだきの試験も、
カフジ原油
を使ってやることにしておるわけでございます。従って、将来それが非常に経済的にも、技術的にもいい、あるいは
総合エネルギー政策
的な立場からもいいということに結論がなりますれば、今のようなお説も実現する可能性が出てくると思います。
板川正吾
46
○
板川
小
委員
もう
一つ
だけ。これもさっき
岡本
氏も触れられましたが、外国では、
石油
の備蓄を義務づけておりますね、フランスのように。そしてそのほかの国も、実質的には国に応じた備蓄態勢というものがあると思うのです。そこで日本の場合には
——
これはよその国の場合には、自分の領土内にあったり、フランスとサハラの油田というような関係もあるかもしれませんが、日本の場合には、九九・何%かは全部輸入品ですね。ほとんど輸入品ということになると、輸入が途絶すると、
需要
な産業の三分の二が一斉にとまるということになります。一切の
電力
、動力、熱というようなものが三分の二とまるというようなことになると、大へんなことになるわけです。そこで将来は、やはり産業の
安全保障
ということから、備蓄というものを
考え
ざるを得ないのじゃないか。これは
岡本
委員
も強調された
通り
、現在は二十日から三十日間は何とか都合がつくが、それ以後は全くなくなってしまうというような状態ですね。もちろん、備蓄を半年も一年も
——
これはたくさんあったにこしたことはないけれども、それはコストが高くなりますから、なかなかそうはいかないが、しかし、二十日、一カ月ということは、どうもいざというときに困るんじゃないかと思うのです。幸いにして日本はそういう経験がないですから、そういう心配も今まではなかったのですが、この
石油
の輸出国というのは、往々にして政情不安なんというものがありまして、日本が戦争に入るとか、日本の原因じゃなくて、相手方の原因でそういう機会もないでもないと思うのです。そういう場合には、やはりもう少し備蓄義務というものを
石油
業者
なりに持たせるような形にしなくちゃならぬじゃないか。しかし、戦争中でも、この備蓄という問題は、外資系は反対しまして、これは絶対反対だという立場をとっております。よその国のことで、高い金を使って備蓄をやるのはいやだというのは、商売人とすれば当然な話です。ですから、備蓄という問題を義務づけていくような形になると、今の
石油
の販売態勢といいますか
——
精製
は外国資本が入っておりますけれども、販売態勢というものでは、私は、なかなか備蓄問題は解決しないんじゃないか。その場合には、将来は販売の公営化ということが必然的に
取り
上げられざるを得ないんじゃないか。販売態勢の専売とまでは言いません。公営的な販売態勢というものが将来
考え
られないと、備蓄問題は解決しないんじゃないかというふうに
考え
ておりますが、その点について御
意見
があったら承りたい。
廣瀬正雄
47
○
廣瀬
(正)
政府委員
エネルギー
の
安全保障
と申しますか、そういう観点から、
石炭
もある程度の
供給
を確保していかなくちゃならないというようなことを、
石炭
対策
でも強くいわれておるやさきございますが、
石油
は、なるほど大部分外国の
石油
に依存をいたしておりますけれども、しかし、やはり
エネルギー
の
安全保障
、これはただいまお話のように、必ずしも日本が直接戦争、動乱に関係なくても、スエズ動乱というような場合でも、ああいうような事態が発生いたしたわけでございますから、一定の備蓄を持っておくということが、きわめて必要だと思うのでございますが、先刻も
鉱山局長
から御答弁申しましたように、備蓄につきましては、
資金
をたくさん必要とするというようなことでございますので、きわめて重大な
課題
であろうかと思いますので、
一つ
検討
をいたしてみたいと思います。 販売の形式につきましては、これまた一そうむずかしい問題でございますけれども、私どもの現在の
考え
では、自由主義の経済、販売の方式でやっていける方法があるんじゃないかというような気もいたすわけでございまして、さらにその辺は十分勉強いたしてみたいと存じます。
板川正吾
48
○
板川
小
委員
全国に四万軒か五万軒かのスタンドがあります。場所によると、全く軒並み
石油
会社が
——
マークだけは違いますが、三軒も四軒も軒を並べて
——
軒を並べてといっても、わずか百メートルかそこらを越すと、左右にある、こういうような状態がありますね。これらは、ある意味じゃその販売コストを高めておる一因でもあるだろうし、あるいは
設備
の過剰投資ということにもなっておるのじゃないかと思う。国民からいえば、必要なところにはないかもしれませんが、とにかくある場所には軒を並べて
ガソリン
・スタンドが立っておるというような状態は、自由主義経済といいながらも、目にあまるような態勢もあるのじゃないか。この辺は、私、問題を出すだけにいたします。将来、これについて
一つ
真剣な
検討
をしていただきたいということを要望して、終わります。
小川平二
49
○
小川
小
委員長
岡田
利春
君。
岡田利春
50
○
岡田
(利)小
委員
今の
板川
委員
の
質問
に
関連
してお伺いしますが、
重油
のなまだき発電の問題なのです。これは
昭和
三十八年度に一応行なうということがきまったという話ですが、これはいつどこできまったのですか。
川出千速
51
○
川出政府委員
正確な日付は存じませんが、最近
通産省
の部内で関係局
——
公益事業局
、企業局というようなところで方針を出して参りまして、同様に
電力
会社と
石油
会社との間でも話がついた次第でございます。
岡田利春
52
○
岡田
(利)小
委員
今の
局長
の
説明
ですと、容量が三十万キロワットの発電所であるということになりますと、一応試験的にある
段階
を重ねて、今度三十万キロワットの容量の発電所をつくる、こういうことだと思います。そうすると、これは電源
開発計画
と当然
関連
があるのではないか、私はこう
考え
るわけです。ですから、きまったというのは、一応内部的に、いわゆる
通産省
の方針、あるいは
業者
間、こういう中で一応きまったということであって、電気を起こすわけですから、そういう意味で、これはやはり三十八年度の電源
開発
調整
審議
会できまらなければきまったということにならないのではないか、こういう気がするのです。その関係はいかがでしょうか。
川出千速
53
○
川出政府委員
三十万キロと申しましたのは、
一つ
の
設備
で三十万キロやるわけではないわけでございまして、三社でもってトータルのなまだき発電の
数量
が三十万キロ程度になるということでございますから、
一つ
の実験規模はそれよりも少ないわけでございます。なお、
電力
審議
会の関係は私よく存じませんけれども、既存の
設備
をもって実験をするわけでございますから、新たに発電
設備
をつくるわけではないわけですから、そちらの関係はよろしいのではないかと
考え
ます。
岡田利春
54
○
岡田
(利)小
委員
原油
のなまだき発電の
研究
が行なわれておったことは、私も
承知
しております。ある程度データも見ておりますが、将来
原油
のなまだきの発電所を大々的に行なうという前提で実験をする
——
結局三十万キロワットの容量の実験をするということになりますと、これは私の
考え
では、今
局長
が
説明
しただけの単なる理由ではないのではなかろうか。これはやはり相当これからの
エネルギー
政策
なりいろいろな面から理由があるのではなかろうか、こう私自身判断するのですが、その背景になっているものは何か、この点について見解を承りたいと思います。
川出千速
55
○
川出政府委員
お説の
通り
、これは単に技術士、経済上の問題だけから判断すべきではなくて、やはり
石油
、
石炭
、
電力
等を含めました
総合エネルギー政策
の立場から、
最終
的な結論を出すべきではないかと
考え
ておる次第でございます。
岡田利春
56
○
岡田
(利)小
委員
今、日本の発電所は、
重油
専焼火力は一応許可されておりますけれども、これは今大々的に運転されておるわけではないわけです。ごく少数のものが漸次運転
段階
に入っておる、こう言うことができると思うのです。しかも、この
重油
専焼の機能障害等についても、まだ若干問題のあるところですし、さらにまた、公害関係についてもなお問題があるでしょうし、あるいはこれから
わが国
に輸入する
原油
は、どうしてもサルファが多くある。大体今
電力
会社のは平均して二・五%のサルファだと思うのですが、これもさらに高くなっていく傾向にあると思います。それと、これからの
石油
の消費がどうしても
重油
化していくとすれば、
わが国
の
重油
の安定的
供給
は、どうしても製品の輸入にたよらざるを得ないんじゃないか、こういう
見通し
があると思います。そういう
関連
を
考え
て、まず第一点としては、
重油
の専焼火力
電力
所がまだ完全に運転されない
段階
で、しかも十五万になるか十万になるか、いずれにしてもトータル三十万キロワットの火力発電所が実験
段階
に入ったということは、若干私は軽率ではないか、こういう感じが実はするわけです。ヨーロッパを見てもわかるように、
重油
専焼自体が問題なのです。そういう意味から
考え
ても、私は、この点は相当慎重にする必要があるのではないか、こういうふうな感じが実はあるわけです。これは、
重油
化していく
わが国
の消費構造の問題を
見通し
ての理由と、それ以外に、先ほど
局長
が言われたように、ほんとうに
カフジ原油
に対する
対策
ということにも重大なポイントがあるのか、この点明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
川出千速
57
○
川出政府委員
電力
会社の立場からですと、必ずしも
カフジ原油
の問題としてではなくて、やはり安い
エネルギー
を獲得しようという立場からであろうと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、この問題は、もちろん慎重に
検討
しなければならない問題でございます。特に
総合エネルギー
の立場から結論を出すべきではないかと、私は
考え
ておる次第であります。
岡田利春
58
○
岡田
(利)小
委員
これはいずれまた問題にしたいと思っています。そこで次に、今、
板川
委員
が言われましたいわゆる
重油
の安定的
供給
という面で、現在大体何日分の
原油
を持てば、安定的
供給
と一応言えるのか。その点はどうでしょうか。
川出千速
59
○
川出政府委員
相対的な問題でございますので、非常にむずかしいわけでごいますが、ヨーロッパあたりでは半年ぐらいという説もあるそうでございまして、これは国により違うわけでございまして、現在の一月では不安だというのは
考え
られると思いますが、さてそれでは三カ月が必要なのか、あるいはそれ以上がいいのか、その辺はなかなか結論を出しにくいと思います。
岡田利春
60
○
岡田
(利)小
委員
私の聞いておる範囲では、
わが国
のこの方面の有職者の
意見
では、最低、
原油
で二十五日か製品で一カ月、これは最低限度絶対必要なんだ、こういうのが定説のように聞くわけです。しかし、それでもなおかつ異論を持っておる人も実はあるわけです。そうすると、今の
供給
態勢は、非常に弱体だと言わなければならないのではないかと思います。しかも急速に油の
需要
はふえていく。これに対する何らの
対策
がない。次官から、この面は特に
検討
を加えておるということでありましたが、私の
見通し
は、
政府
が、ある程度
政府
の力によってこの貯油について強力な
施策
を打ち出さないと、非常に多くの問題が出てくるのではないか。
精製会社
一手だけでこれを引き受けるわけにはいかぬでしょうし、あるいは大きなところでは、もちろん安定
供給
という場合には、
電力
会社側でも引き取るという問題も将来出てくるわけでありますし、そうしますと、実際に油のコストは、おそらく現在でも八百円くらいは上昇する可能性があるんではないかという気がするわけです。ですから、この問題は、すでに相当討議をされておる問題であって、そろそろ
政府
の
一つ
の方針が出される時期ではないか、こういう気がするわけです。この点についてはいかがでしょうか。
川出千速
61
○
川出政府委員
なまだきの問題、あるいは備蓄の問題、これはいずれも非常にいろいろの議論がございまして、現在総合
エネルギー部会
で
審議
をしておりますが、今のめどは、六月までに
取り
まとめたいということで、実はあしたも総合
エネルギー部会
があるわけです。
岡田利春
62
○
岡田
(利)小
委員
現在、
石油業法
に基づくいわゆる支持
価格
、
標準価格
が設定された後、
石油化学
のナフサ
原料
の
供給
について、非常に大きく問題になっておるわけです。しかも、
石油化学
の
業者
は、
石油
の直接輸入、この問題についてすでに
通産省
に働きかけをしておるのではないか、こう思うのです。その後、私の記憶では、まだ本件についての
一つ
の明確な解決の
行政指導
というものがなされていないように実は思うわけです。この点、
通産省
としては、具体的にこの問題を解決されておるのか、あるいはそういう問題についてのはっきりした
行政指導
の方針というものを出しておるのか、見解を承りたいと思います。
川出千速
63
○
川出政府委員
石油化学
の問題は、従来
外貨割当
がございましたとき、すなわち
原油
の
自由化
がなかったときには、
外貨割当
上、
石油化学
コンビナートの
精製会社
に
原油
の特配をしておりました。その特配によって、安い
価格
でナフサを
供給
するという
行政指導
をやっておったわけでございます。ところが、十月以降
原油
の
自由化
ができたわけですから、いわゆる
外貨割当
制度がなくなった次第でございます。従って、その特配制度も困難になってきたところに問題があろうかと思います。それで、当面の
措置
といたしましては、三月までの間は、業界同士の話し合いで円滑にいくように話がついております。それから本年の四月以降の問題につきましては、省内で
長期
対策
を今
検討
しております。なるべく早く結論を出すということで、せっかく
努力
をしている次第でございます。
岡田利春
64
○
岡田
(利)小
委員
この問題は、私は二つあると思うのです。そういう
原油
の割当を受けて即ナフサをとれる装置を持っている
石油化学
の会社と、コンビナート方式とか、
一つ
の連鎖的な関係において装置を持っていないところがあるわけです。二つあるわけです。ですから、この問題は、四月では恒久的な
対策
を立てるといっても、施設がそう簡単に今すぐできるわけではないのですから、当然この面のはっきりした
行政指導
なり何なりの態勢というものを明確にしてやらなければ、非常に問題になると思うのですから、その点問題になっておると聞いておるのですが、別に問題はないのですか。
川出千速
65
○
川出政府委員
現在大いに問題があるわけでございます。当面の
措置
、四月以降
長期
的な
対策
と申し上げましたが、私の言い方が間違っておったわけでございますが、ここ一年くらいは当面の
対策
でできるのではないかというのが、私自身の
見通し
でございますが、来年以降の問題としましては、いろいろな案が
——
四つ五つの案が現在
検討
されております。たとえばナフサの共販会社をつくったらどうかということも一案でございます。あるいは
関税
を免除してナフサを輸入したらどうか、あるいはコンビナートを中心にしてやっていったらどうだろうか、いろいろな案がございます。その利害得失を、しばらく期間がございますので、
検討
を加えたいと思っております。
岡田利春
66
○
岡田
(利)小
委員
今
局長
が
説明
されておるのですが、応急
対策
を一
年間
そのまま進めていく、こういう
考え
方に立って、もし問題が出た場合に、私不勉強なんですが、
石油審議会
にこういう問題を問題にすることが可能なんですか、不可能ですか。私の見解では、どうもこの面がはっきりしておりませんし、ちょっと無理じゃないかという気もするのですが、もしこういう問題が問題になった場合に、
石油審議会
でこれらの問題を
取り
上げられるものであるかどうか。あるいは
行政指導
一本でいいものか。これはいかがですか。
川出千速
67
○
川出政府委員
石油審議会
の諮問事項は、第何条の何々ということで明示されておりますけれども、包括的に、
石油
に関する重要事項となっております。この問題が
石油
に関する重要事項であれば、対象になると思います。
岡田利春
68
○
岡田
(利)小
委員
ちょっと自信のないようなことですが、重要事項であるかないか、これはだれがきめるのですか。これだけ問題になっておるわけですから、重要事項と理解して
審議
会でも
審議
されるものである、こう理解してよろしいですか。
川出千速
69
○
川出政府委員
その
通り
でございます。
小川平二
70
○
小川
小
委員長
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十六分散会