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春日委員 それではもう一歩前進した具体的な
質問を
大蔵大臣に行ないたいと思います。
さて、ここに
税法上、
金融上の特別の
措置を講ずることが第二十三条の
条文の中で明文化されるといたしましても、われわれは、過去の経験にかんがみて、単なる文中のもてあそびになっては相ならぬのでございます。
大臣御
承知のとおり、
協同組合法が
昭和三十二年に制定されました当時、
組合法二十三条の三でありますが、そのような
小規模事業者に
税法上、
金融上特別の
措置を講じなければならないと明示され、
国家に対する一個の義務が課せられておると思うのでございます。そのような二十三条の
宣言規定を
基礎といたしまして、それぞれの具体的な
施策の
展開をわれわれは
政府に求めてやまないのでございますが、本日までいまだ見るべき成果が上がっておりません。なるほど
基礎控除が引き上げられたとか、それぞれ
政府関係金融機関の
資金昂が
増大されたとか言ってはおりますけれども、そのことは
零細業者に対する特別の
施策とは断じがたいものでございまして、かつそれが的確なる効果を及ぼしてはいないのでございます。
そこで、私は、
大蔵大臣にまず、
金融上の問題についてお
伺いをいたします。現存商工中金でありますとか、
中小企業金融公庫でありますとか、
国民金融公庫でありますとか、三
機関がございますが、なかんずく
国民金融公庫は零細
事業者専門の
金融機関でございますから、これはしばらくおくといたしまして、商工中金と
中小企業金融公庫は、
中小企業に対する
金融機関ではありながら、しかし、彼らも
金融を業とする
機関といたしまして、やはり貸し倒れをおもんばかる。そして事務上の手続というようなものに対するいろいろなおもんばかりがあるのでございます。したがって、
中小企業の中でも、信用度の高いもの、比較的金額の大きいもの、これが
法律の制約の中であるならば、零細なるものを避けて、
中小企業の中でも比較的大きいものに優先的に
金融が行なわれてまいっておるという、これが実態でございます。こういうことであっては相なりません。というのは、これはかねがね主張いたしておるところでございますが、やはりいま物にたとえて言うならば、動物の中でライオンであるとか、象であるとか、鯨であるとか、これらを大
企業とする。これらに対するものは、開発銀行でありますとか、都市銀行でありますとか、長期信用銀行でありますとか、そういうようなものによっていろいろなえさがあてがおれる。ところが
中小企業という形になりますと、今度は馬でありますとか、ンカでありますとか、牛でありますとか、そういうもの、これは
中小企業の中でも比較的大きいもの。それから今度その下には犬がおる、ネコがおる、もっと下にはネズミがおる。このネズミも馬もネコもウサギも一緒のえさばちで食事があてがわれておるところに、問題点があると思うのでございます。一つのえさばちの中で、牛も馬もシカもネズミもウサギもネコも一緒に食うと、牛や馬やシカが先に食ってしまって、ウサギやネコの食うものが残っていない、そういうところから、今日
中小企業金融というものが
政策的に講じられてはおるけれども、そういう
中小企業金融が、
中小企業金融公庫において、商工中金において行なわれてはいない——行なわれておるけれども、率は非常に少ない。
政策的にふえたのが及んではいない。すなわち、
金融政策においては、それが盲点になっておるというのでございます。
資本主義においては、
金融というものは、やはり信用度のあるものについて、貸し倒れのないような面に融資するというような
金融ベースでございますが、やはり
政策ベースでこれを
金融するということになりますれば、信用度の低いもの、あるいは貸し倒れの心配が若干あるかもしれないけれどもというようなものに、
金融が行なわれ得ることの体制を確立せねばならぬ。そのためには、
中小企業金融公庫、商工中金等について、零細
事業者のための融資の特別ワクですね、総資金量千数百億のうち、二〇%にするか三〇%にするか、その限界は
政府が十分その実績とその資金需要の限界において定めるといたしまして、計画的な融資というものがなされ得るの体制を確立すべきであると思うが、この点に対する
大臣の御
見解はいかがでありますか。ただ単に零細
金融にもやれ、やれと言っておるだけでは、それはやり程ない。この閥、本
委員会において公聴会が持たれまして、商工中金の北野理研長がその公述愚見を述べられておりました。本貫は、これについて、現行制度のもとにおいて零細
企業に重点的に
金融を行ない得るか、やってくれと
政府が言うたらそのとおりなし得るかと言うと、単なるそういうような観念的なかけ声だけでは、なかなか実効をおさめることは困難であるという
答弁がございました。これは速記録によって御検討を願いたい。だとすれば、これは何らかの実効を
確保できるための必要なる
施策を講ずるの必要があると思う。したがって、ここに
税法上、
金融上特別な
措置を講ずるということは、
中小企業等協同組合法二十三条においてすでに二十四年に制定されておることである。何も珍しいことではない。今日これを珍しくするためには、それにフォローするような具体的
政策であるということが、全国の
勤労事業者にアピールしなければ、
意味をなさぬと思う。この点に対する
大臣の御
見解はいかがでありますか。