○大原
委員 いまの点は、十点満点で点をつけるならば二点か三点であります。全然点数になっておりません。そういうことでは
失業問題や
雇用問題の解決はできません。つまり私の見解を言いますと、摩擦
失業というのは物理的な空間的な
失業であって、
政策としては
失業保険等でつないで、次の再
雇用の職場がある可能性の
失業であります。構造
失業というのは、これは
日本の
資本主義の、特に
高度成長政策でそのいびつなゆがみが露骨になっておりまするけれ
ども、つまり二重構造だといわれている面からきているところの問題も含むのであります。もちろんいま言われたように、エネルギー産業やその他万般の問題がございまするけれ
ども、
日本の
中高年齢層を中心とし、あるいは
地域的ないろいろな条件の違う、いわゆる労働の需要と供給のアンバランスによる、あるいは質的な労働の需要と供給のすれ違い、いま指摘いたしましたすれ違い、そういう問題を含めましての
失業の問題を、構造的な
失業というのであります。したがってこれはやや将来にわたって
失業保険などでつないでおけば、
就業の場があるというような、そういうものではないのであります。したがってこれに対しては、そういう
失業者の
実態に即しながら
政策を科学的に立てていかなければいけない。その点ではいまの三治
政府委員の御答弁は、非常に粗末な答弁である。これはまぎれもなくそうである。かくのごとく
政府は完全
雇用の
政策がないわけです。完全
雇用の
政策がないということをこれは実証している、裏づけておると思うのであります。これは一三治
政府委員の答弁だけがまずいとかいいとかというものではない。これは
雇用政策がない。完全
雇用政策がない。
日本の半
失業の、不完全
失業の
実態が正確に分析をされていない、それに対する科学的な
政策がない、こういうことであって、そういう中において
失業問題の解決はできない。そこで、そういう観点で
社会党の考えや
政策というものを直接これに対比して、それぞれの問題についてわれわれの考えを述べながら追及していけばよろしいのですが、しかし時間も相当たっておりますので、能率的に進める
意味におきまして、これから結論的に、いままでけさほどから申し上げている点についてただ一点、
日本の
失業問題の中心的な課題といたしまして論議いたしましたことについて、
政府に対する施策を要求する問題でございまするから、
政府がつくっておりまする
雇用審議会の有沢会長がやっておりまする
雇用審議会の完全
雇用に関する答申、
昭和三十四年の五月三十日に出しておりまするその答申に基づきまして、私がけさほどから質問をいたしておりまする点について、私はこれから総括的に質問をいたしていきたいと思うのであります。
つまり
雇用審議会は完全
雇用に関する答申をいたしまして、明確に
日本の
雇用、
失業問題は、その量的な側面よりも質的な側面、不完全
就業の問題です。そこに問題があるのである点を指摘いたしておることは、これは御用機関に類するような機関であるという批判もある
雇用審議会といたしましては、問題の把握はこの点については的確であります。非常に的確です。その改善が
経済発展にだけまかせていては容易にやれるものではないという点を指摘いたしております。つまり池田総理が言っているように、
高度成長政策で大きな資本が恩恵を受けますと、そのおしめりが下へたらたらっと浸透してくるのだというおしめり論ですが、そういうことでは、この
日本の
失業の質の問題は改善ができない、こういうことを明確に指摘をいたしておることは、さすがにこの答申を書いた人々にもやはり
日本の
失業問題を科学的に分析する見解と見識があった、こういうことになりまするが、その改善が
経済発展にだけまかせていては、容易に得られないことであるから、それに対する
対策を特に強調いたしまして、そして問題点をあげておるのであります。したがってその
対策といたしまして掲げてある問題につきまして、私は
一つずつこれから質問をいたしまするから、
政府といたしましての見解と、それからそれに対する
政策につきまして御答弁をいただきたい。
つまり、
昭和三十四年に答申しておるのです。それを今日漫然と時間を過ごしまして、
日本の
失業問題に対するピントはずれの認識の上から、こういう問題につきまする正確なる
対策をなしていないのではないか、こういう点が問題点でございまするから、私は逐次指摘をいたしますると、第一といたしまして、
雇用者の所得を、
家族を含めた
最低生活をまかない得るものとし、
家計補助的な不完全
就業の必要を緩和するようにすること、こういう
一つの項目があるわけであります。この答申に対しまして、私が質問をいたしましたことを含めまして、
政府としてはどのような見解を持ってこれを受けとめ、そしてこれに対してどのような具体的な
対策を立てたのか。単に税金を使って審議会をつくっただけではだめです。結局はこれに対しまして、この審議会の機能を生かさなければだめです。第一項につきまして、私が質問いたしましたことに対しまして、明確にひとつ御答弁をいただきたいと思います。