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河野(正)
委員 いずれあとで若干触れたいと思いますけれ
ども、いま
局長が開陳せられましたように、現地においても基準局あるいは通産局等が緊密な連携のもとにおける活動というようなお話もございましたけれ
ども、いまの現地におきまする基準局のスタッフと申しますか、そういった陣容ではなかなか問題があろうと思う。これはいずれあとで触れます。
いずれにしても、炭鉱
災害というものが非常に重大な事態に置かれておる。そこで、そのような炭鉱
災害の
原因というものが一体どこにあるのか、若干については触れられたようでありますけれ
ども、それに対してはどういう処置がとられているのか、これは炭鉱
災害を
防止する上におきましてはきわめて重大な点でございますから、そういう
意味からも若干
お尋ねを申し上げてみたいと思います。
先ほど若干お触れになったようでございますけれ
ども、最近炭鉱では、若い炭鉱
労働者というものがどんどん転職をしていくために、炭鉱
労働者の平均年齢というものは急激に上昇する。そのために体力的な限界に基づきまする
災害というものがふえてくる。そういうような面もございましょう。でしょうけれ
ども、それはそういう面もあろうと思いますけれ
ども、しかし根本的には一体どういうところに問題があろうかというようなことを検討してまいりますと、石炭合理化政策というものが国の方針によってどんどん進められていく。ところが、そういう石炭合理化の推進と炭鉱保安設備の
整備、そういうふうな合理化の促進と並行して行なわれなければならぬ炭鉱保安設備の
整備、そういうものの間にズレができてくる。つまるところ、たとえば合理化政策を推進するために炭価というものを急激に下げなければならぬ。生産能率の向上というものが非常に第一義的な意義を持ってくる。そのために、坑内保安の確保という問題が
軽視されていく。そこで先ほど通産省から申し述べられましたように、保安
監督行政の強化というものももちろん必要でございましょう。必要でございましょうが、いま申し上げますように、基本的にはやはり炭鉱の合理化、石炭合理化政策というものが急激にずっと前進していく、そのために坑内保安というものが
軽視されていく、そういうところに炭鉱
災害の一番大きな
原因があるのではないかと私は思う。それで合理化政策を進めていくならば、これと並行してやはり保安設備の
整備というものが行なわれなければならぬ。ところが炭価を切り下げたい、生産だけを向上していきたいと思うので、どんどんとその生産ばかりが進んでいってしまって、そのために結局保安設備の
整備というものが
軽視されてしまう、取り残されてしまう。そういうところに今日の炭鉱
災害の不幸というものがあるのではなかろらうかと私は思う。そういうように私
どもは考えるわけです。そこで新五カ年
計画というようなものも、どういうことがうたってあるか私にはわかりません、
承知いたしませんけれ
ども、基本的には、やはりいま申し上げますように保安設備の
整備ということにまず重点を指向しなければならぬ。保安
監督行政ばかりを強化するということだけではいかぬので、要は、やはり保安設備の
整備ということに重点を持っていく。そういうことになりますと、これは
監督行政の推進というよりも、やはりその保安設備をやらせる資金の裏づけということが優先しなければならぬと私は思う。ただ
監督監督といって
監督しましても、金がなければ設備ができないわけでありますし、設備ができなければ、炭鉱
災害というものが次々と頻発していくという結果になります。保安
監督行政というものを推進していただくことはけっこうでございます。あるいは先ほど
仰せのように、教育、訓練をやっていただくのはけっうであるけれ
ども、石炭合理化政策を進めていくなら進めていくだけ、一方においては、保安設備に対して
政府があたたかい手を伸ばしていく、そうしてその資金の裏づけをしていくということにならないと、ただ訓練、教育というだけではどうにもならぬ不可抗力的な面も出てまいります。単に保安
監督行政というものを強化するとか、訓練とか教育とか、そういうことではなくて
——まあそういうことも必要でございますけれ
ども、それに優先するものとして保安設備を
整備していく資金の裏づけというものを国がどんどん積極的にやっていくということにならないと、これはどうしても所期の
目的を達成することはできないと思うのです。ところが、そういう点はおろそかにされて、そうしてややもすると、どうもお役所仕事というものは
監督行政に力が注がれていくというふうな
傾向が過去においては非常に強かったと思う。ですけれ
ども、それだけでは
成果をあげることはできないわけでございますし、
成果をあげなければ、炭鉱
労働者がとうとい生命を奪われるということになりますから、そういう合理化と保安確保の一貫性というものが確立されなければならぬ。そういう点については、どういうようにお考えになっておるのか。これがなければ、何ぼ新五カ年
計画を策定されても、これは全く絵にかいたもち、から念仏であって、所期の
目的をほんとうに達成するためには、石炭合理化政策と保安確保の一貫性というものが確立されるということが、きわめて緊要な問題であると私は考えるわけです。そういう点について、ひとつ御所見を聞かしていただきたい。