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河野(正)
委員 実は今の答弁を聞くと非常に不満足なんです。と申し上げますのは、もちろん炭鉱の
離職者あるいは
金属鉱業の
離職者に対してそういう諸
施策が及びますことは、私
どもも全く同感でございます。と同時に、そういうふうな
措置が講ぜられた
理由というものは、集中的多数の
離職者を排出する。従って、
労働者の間に非常に大きな不安が醸成されるわけですから、そういう不安というものを除去するためにそういう
施策が実行される。そのことは、とりもなおさず
雇用が安定されるということにあると思うのです。それなら一体、
駐留軍離職者の
雇用状況がどういう
状況であるかということは、私は非常に大きな問題になってくると思うのです。
そこで私は、この点についてはいろいろ県とも打ち合わせをして、実は的確な資料等を集めて、どういう
状況であるのかというふうな検討を加えてみたわけです。そういたしますと、これは福岡県の
実情ですが、大体今の
駐留軍離職者の平均年令というものは四十三才です。それからさらにこの
離職者が再就職をする、それがどういう
実情にあるかと申しますと、三十七
年度が三六・九%です。これは、三十七
年度はさっき
長官から御
指摘がございましたように、
駐留軍の
離職者というものは非常に
減少しておる。
減少しておりながらその再就職率はどういう
状態かというと、これは福岡県が
調査してくれた資料ですが、その資料によりますと三六・九%、約三七%
程度の再
雇用、こういう非常に低い率を示しておる。しかも先ほど申し上げましたように、高年令層の人が非常に多い。これは
炭鉱離職者よりも上です。そうしますと、なるほど今
三治局長が
お答えになったように、移住するための移転
資金の問題だとか住宅の確保だとか、炭鉱あるいは
金属鉱山の
離職者と条件がすべて同一であるかどうかということについては、今御
指摘の
通りに問題がございましょう。しかし少なくとも高年令層で、たとい
離職者の数が
減少いたしておりましても、再
雇用の場というものが非常に少ない、そういう点については何とか再
雇用の場を広げる
施策が必要になってくる。と同時に、たとえば
雇用奨励金の問題も
関連いたします。
私は
賃金の
状態を実際に
調査して参りましたが、
駐留軍離職者の方が再就職する場合の
賃金が、平均して一万五千円です。平均四十三才ですよ。そしてそのことは、私いろいろ具体的に
調査しましたが、一万円から二万円の
賃金の方々が三五・七%おるわけです。それが再就職しますと、五四・八%に増加しておるわけです。そして二万円から三万円の給与の人が、
基地で働いているときの比重は五二・三%です。それが再就職しますと三一・七%になる。これは下がるわけです。従って、二万円−三万円の層の人が再就職する場合には、一万円−二万円の層に下がっていくわけです。それですから、一万円−二万円の人がもともと
基地では三五・七%でしたけれ
ども、今度再就職しますと五四・八%というふうにふえていくわけです。ですから、二万円−三万円の人は逆に減っていくわけです。このことは、再就職する場合に、非常に安い
賃金で再就職しておるという数字を——これは演説じゃなくて、私は資料を検討して申し上げておるのです。これは現実の数字ですから、正しい数字です。そういうように非常に安い
賃金で再就職しなければならぬいう
実情に置かれておる。
それから、先ほど申し上げますように、三六・九%というふうに就職率も非常に低い。ところが、その就職しておる内容を調べてみると、その中には臨時職もありますし、臨時工もおるというようなことで、必ずしも正規の職員ではない。なるほど
離職して再就職するパーセンテージというものは三六・九%ですけれ
ども、正規に採用されたものはそれよりも
減少するというのですから、実態というものは、もちろん三六・九%よりも何%か
減少したのが、実際のパーセンテージというふうに御
指摘申し上げても私は過言ではなかろうと思うのです。これは演説ではありません。そういうように具体的な数字を示しますと、必ずしもいい条件ではない。でございますから、
三治局長からも、
駐留軍離職者についてはいろいろ特別の配慮をしたいけれ
ども、なかなか炭鉱
産業、
金属鉱業のようにうまくいかぬという
お話がございましたけれ
ども、今申し上げますようにきわめて劣悪な条件のもとに置かれておるということは、今申し上げた数字がよく示しておると私は思うのです。
そこで、期間の延長というものはお約束になったからけっこうでございますが、
特別給付金あるいは
雇用奨励金あるいは
雇用促進手当の問題、こういう点について私はさらに検討する必要があろうと思う。全部が炭鉱
産業あるいは
金属鉱業のようにはいかぬでしょう。移転しないでいいのに、それに住宅移転
資金をつけるということも必要ないでございましょうし、そういう面もございますけれ
ども、今申し上げますような諸点については十分検討の必要がある条項だというふうに私は
考えるわけですが、そういう点について、
大臣いかがでございましょう。
大臣からも
お答えをいただきたいし、また
長官からも適切な
お答えをいただきますならば、私の質問を終わりたいと思いますけれ
ども、そういう点について
一つ明確に
お答えをいただきたい。