○小沢(辰)
委員 実は厚生
大臣に、この点に関心を持っていただきたいと思って質問したわけでございますが、助産婦さんの現在置かれている立場というものは、御存じのように、三十八
年度の
予算編成におきましても相当
政治的にも問題になりまして、現在は異常分べんのみならず、平常分べんにつきましても大病院に妊婦が行きたがる傾向になっております。従いまして、こういういい傾向でありますので、このこと自身は非常にいいと思いますが、そのためにいわゆる助産婦さん
——全国に相当数の助産婦さんがおるわけでありますが、この助産婦さんの
生活なり将来なり、そういうものについても厚生
大臣は一応責任がある立場にあるわけでございます。そういたしますと、歴史の流れといいますか、たとえば石炭産業が今日いろいろな
状況にあるから、炭鉱労務者なり、あるいは炭鉱経営者なり、あるいは産炭地の振興なりという問題を、非常に
全国的な大きな問題にして今やっておる。同じようなことが、
厚生省の中では特に助産婦さんについて私はあると思うのです。また、現にそういういわば風前のともしびのごとき感じで、だんだん
生活程度を切り下げ、非常に苦しい立場の
生活をやっておられるのが、現在の助産婦さんの運命ではなかろうかと私は思うのです。その主管は
医務局長であり、また、そのめんどうを見ていかなければならぬ立場でございます。
厚生省としては、たとえば妊娠中毒症のいろいろな訪門
指導だとか、あるいは受胎調節だとか、そういうことによって若干助産婦さんの技能を
社会的に使っていって、それについて何らか収入の道を講じてあげようというようなことをいろいろ
考えておられますけれども、これ自体、一件の
指導料は五十円であるというような程度で、これはもう何年来変わっていないわけです。そうしますと、助産婦さんの将来を一体厚生
大臣としてどういうふうに
——私、はっきり記憶しておりませんが、おそらく
全国的な数から言えば相当の助産婦さんでございます。また、平均年令も相当高いこれらの
方々をどういうようにして救っていくか。私はここで
考えなければいかぬのは、たとえば児童局の中で母子健康センターというものをおつくりになって、これは僻地の
関係を主にしながら、あちこちで
要望があるようでありますが、助産婦さんのベッドを四つか五つ置きまして、母子健康のいろいろな相談に乗ったり
指導をするような、保健所の機能の一部を代行するような施設をおやりになっている。ところが、これでは、助産婦さんがいわゆる小さな町とか村とかいうことであるとしますと救われているわけですけれども、ちょっとした市以上になりますと、現在の母子健康センターの規模では、とうてい助産婦さんの
——いわゆる助産婦施設を共同に持って、そうして非常に近代的な助産施設としてそこを助産婦さんが共同で利用して、それを通じて
自分たちのなりわいの足しといいますか、生業の本体をそこに移そうというようなことを
考えますとこれではできない。そうしますと、どうしても
考えられるのは、助産婦さんがみんな集まって、そうしてりっぱな共同施設としての助産所を持って
運営していくということにだんだんなってくる。また、そうしなければ今の助産婦さん
たちの明日を保障する職業的な場がないわけであります。そこで、そういうことをやりたいと思いましても、現在、それじゃ医療金融公庫からこういうような七分あるいはそれ以上の
金利になるようなものでこれがやれるかというと、なかなかやれない。そうかといって、補助があるかというと、今言った母子健康センターしか補助がないわけです。これもたしか百七十万というような今の程度では、とうてい助産婦さんのために
考えてやるだけのものにはならないわけです。そこで私は医療金融公庫のわずか六件というのは、これは個々の助産婦さんの申し込んだ
自分の助産所の改造
資金だろうと思うのですが、これをもう少し積極的に、一方において厚生
大臣はこの
全国の助産婦さんのめんどうを見ていかなければならぬ立場にあるのだから、しかも医務局は、
自分の付属機関というか、子飼いの金融機関として自由になる医療公庫というのを持っておられると思う。そうすると、もっと積極的な
一つの計画を立てて、各県の助産婦会あるいは各県の衛生部長、各県知事と連絡をとって、これらの医療金融公庫を活用してどんどんそういうものをつくらせてそうして明日の助産婦さんが近代的な施設の中で
自分の活路を見出していけるような道を
考えていくのが、私は
厚生省の責任のあれじゃないかと思う。あれやこれやいろいろ言われて、
予算のときにどうだこうだというお話も漏れ承っておったのですけれども、もう少し積極的な点で何かめんどうを見ていかれるのが私はその責任であり、また権限を持っておられる皆さんのお務めじゃないかと思うのですが、これについてどういうように
考えておられるか、お聞きいたしたいと思います。